説明

撮像装置

【課題】外来ノイズや静電気に強い撮像装置を提供する。
【解決手段】結像した被写体像を電気信号に変換する撮像素子を含む撮像部109と、前記撮像部から出力される電気信号を処理する信号処理部205と、前記信号処理部からの電気信号をもとに撮影された画像を表示するモニタを含むモニタ部17と、前記撮像部で撮影された被写体像を記録する記録部204と、撮像装置に電源を供給する電源部42と、前記各部を保持するとともに、前記各部と電気的にも接続される導電性のフレーム40と、を有することを特徴とする撮像装置により前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部と信号処理部とモニタ部と記録部と電源部とを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の撮像装置において、図16〜図18を用いて説明する。図16は、従来例を説明するための外観斜視図であり、301は、ファインダ305用の角穴301aを具備した樹脂製の前カバー、302は樹脂製の後カバー、303はレリーズボタン、304はストロボ、305はファインダ、306は撮影レンズ、307は、撮影可能枚数などの情報を表示する白黒液晶、308は、カメラのモードを変更するためのモードダイヤルであり、不図示の手段で矢印P,Qの両方向に回動可能に軸支されている。309は、モードダイヤル308のどのモードが選択されているかを操作者に知らせるために、後カバー302に印刷された指標である。
【0003】
図17は、図16の従来例の撮影レンズ306中央での略水平断面図であり、310は、撮影レンズ306及び不図示のCCDを含む撮影系を構成している光学ブロック、311は信号処理基板、312は、コネクタ313で信号処理基板311と接続されている電源基板、314は、電源であるところの各電池であり、不図示の手段で電気的に電源基板312と接続している。315は、各電池314を格納するための電池室である。
【0004】
図18は、従来例の三脚ねじ部を断面した概略断面図であり、316は、後カバー302に、一体的に設けられた三脚ねじ部である。
【0005】
図16の従来の撮像装置であるデジタルスチルカメラにおいて、モードダイヤル308を矢印P方向に回動させ、マーク308aを指標309に合わせる。すると、不図示のCPUによってカメラは撮影可能となり、白黒液晶307に撮影条件を表示する。そこで、操作者はファインダ305を覗き、撮影したい場合にはレリーズボタン303を押す。レリーズボタン303は、2段ストロークとなっており、第1ストロークでスイッチ1がオンして測光距離などの撮影準備が実行され、第2ストロークでスイッチ2がオンして撮影動作が実行される。被写体が暗い場合には、ストロボ304が自動発光する。撮影した画像は不図示の内部メモリに記録される。
【0006】
撮影した画像を再生したい場合は、不図示のケーブルでパーソナルコンピュータ(以下、“PC”と呼ぶ)に接続し、モードダイヤル308を矢印Q方向に回動させ、マーク308bを指標309に合わせて再生モードにする。この後、操作者はPCを操作して再生したい画像を呼び出すことができる。
【0007】
次に、従来のカメラの内部構成について説明する。図17において、光学ブロック310は、不図示の手段でカメラ内部に取付けられ、不図示の手段で信号処理基板311と接続されている。各電池314は、電池室315に収納され、不図示の手段で電源基板312と接続している。信号処理基板311は、コネクタ313で電源基板312から電源を供給されている。
【0008】
三脚ねじ部316は、図18に示すように、樹脂製の後カバー302に形成され、不図示の手段で前カバー301と後カバー302は結合している。信号処理基板311は、三脚ねじ部316に結合されていない。
【特許文献1】特開平6−205251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来例では外装モールドがGNDに接地されていないために、また、内部の各基板の不図示の接地が弱いために、外来ノイズや静電気に弱いという欠点があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、外来ノイズや静電気に強い撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、結像した被写体像を電気信号に変換する撮像素子を含む撮像部と、前記撮像部から出力される電気信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部からの電気信号をもとに撮影された画像を表示するモニタを含むモニタ部と、前記撮像部で撮影された被写体像を記録する記録部と、撮像装置に電源を供給する電源部と、前記各部を保持するとともに、前記各部と電気的にも接続される導電性のフレームと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、前記各部を保持するとともに、前記各部と電気的にも接続される導電性のフレームを有することにより、外来ノイズや静電気に強いカメラとなった。また、外装及び信号処理基板、電気回路用基板は強度の充分大きな三脚座に電気的に電源もしくはGNDに固定され、その結果、小さな接地抵抗で接地され、外来ノイズや静電気に強いカメラとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態を、複数の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
(第1の実施例)
〈構成〉
図1に、本発明の特徴を最もよく表すデジタルスチルカメラの第1の実施例の外観正面斜視図を示す。同図において、1は、鏡筒14用の穴1aを具備した金属製の前カバーであり、突部1bは、操作者が撮影の際に指でストロボ6を隠さないようにするためのものである。2は、金属製の後カバー、3はレリーズボタン、4はファインダ窓、5は、暗い被写体を撮影する際の測距を補助するAF補助光、6は、内部に不図示の赤目緩和ランプを具備したストロボ(フラッシュ)、7は、撮影可能枚数などの情報を表示する白黒液晶、8は、カメラのモードを変更するためのモードダイヤルであり、不図示の手段で矢印A,Bの両方向に回動可能に軸支されている。
【0015】
9は、モードダイヤル8のいずれのモードが選択されているかを操作者に知らせるための指標、10は、不図示のレンズを保護するためのバリア、11は、撮影した画像をTVモニタ等の外部モニタに映し出す際にカメラと外部モニタを接続するケーブルを差し込むためのビデオジャック、12は、PCに撮影した画像を転送する際にカメラとPCとを接続するケーブルを差し込むためのジャックである。
【0016】
図2は、撮影可能状態となった図1カメラの概略正面斜視図であり、13はレンズ、14は、レンズ13を保持し被写体に合焦するために、不図示の手段で矢印E,F両方向に移動可能な鏡筒である。
【0017】
図3は、撮影可能状態となった図2カメラの概略背面斜視図であり、後カバー2にはカラー液晶17用の角窓2a、ファインダ用の穴2b、合焦LED127(後述図5)用の穴2c、マクロLED128(前同)用の穴2dが設けられている。15は、不図示の手段で矢印G,H両方向に回動自在に軸支され、かつ、不図示の爪部によってカメラ本体に保持され、撮影画像の記録媒体であるコンパクトフラッシュ(登録商標)カード(以下、“CFカード”と呼ぶ)を保護しているCFカバーであり、さらには、CFカバー15の不図示の突部でCFカバー15が正しく閉められているか否かを検知するCF検知SWを押接している。
【0018】
16は、不図示の付勢手段で矢印J方向に付勢され、CFカバー15の不図示の爪部と係合しCFカバー15を保持しているCFロック、17は、撮影しようとしている画像を表示するエレクトロニックビューファインダ(以下、“EVF”と呼ぶ)の役目及び撮影した画像を表示するモニタの役目をするカラー液晶、18は、カメラの各設定を変更する際のエンターキーとなるセットボタン、19は、カメラの各設定画面を呼び出すためのメニューボタン、20は、撮影モード時には接近撮影に変更するためのマクロボタンであり、再生モード時には、再生画像の表示変更に使用する。
【0019】
21は、カラー液晶17をオン・オフするLCDボタン、22は、プログラムモード,スイッチモード時にストロボの強制発光,発光禁止及び赤目緩和撮影の切り替えに使用し、再生モード時には再生画像の逆送りをするマイナスボタン、23は、撮影モード時に連写及びセルフタイマに使用し、再生モード時には再生画像の順送りをするプラスボタン、24は、不図示の電池用の電池蓋、25はストラップ金具である。
【0020】
図4は、撮影可能状態となったカメラの概略底面図であり、25は、電池蓋24が不用意に開かないようにするためのロック部材、26は、付属品固定用部材としての三脚ねじであり、ビス27,28,29用のねじ部を有している。
【0021】
図5は、本カメラの構成ブロック図であり、201は光学ブロック、202は光学基板を示す。101は、レンズを保護するバリアを有したバリアユニット、102は、バリアユニット101の駆動源であるモータ、103は、モータ102をコントロールするドライバ、104は、レンズ鏡筒14を移動させるための駆動源であるモータ、105は、モータ104をコントロールするドライバ、106は、絞りであるところのIG、107は、IG106を駆動させるモータ、108は、モータ107をコントロールするドライバ、109は、光学信号を電気信号に変換する固体撮像素子(以下、“CCD”と呼ぶ)、110は、CCD109用のタイミングジェネレータである。
【0022】
次に、203はメイン基板を示し、111は、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのADコンバータ、112は、デジタル信号を処理するデジタルIC(以下、“DIC”と呼ぶ)、113は、ゲートアレー(以下、“G.A”と呼ぶ)、114は、カラー液晶17(図3)に表示する画像データを記憶しておくためのVRAM、115はメインCPU、116はDRAM、117はJPEG IC、118はCF基板204上の画像データの記録媒体であるCFカードである。
【0023】
また、205は、撮像基板を示し、119は、ビデオ出力用のアンプ、120は、PCとの通信用のIC、121は、カラー液晶17の光源であるバックライト、122は、バックライト121を駆動するためのインバータ、123は、カラー液晶17用のコントローラである。
【0024】
124は、カメラの操作系をコントロールするサブCPU、125は、操作系の各SWを総称したSW部、126は、カメラの合焦時やレリーズ時に音を出す発音体、201は、図示した構成要素を備えた光学ブロック、202は図示した構成要素を備えた光学基板、203は、図示した構成要素を備えたメイン基板、204は、図示した構成要素を備えたCF基板、205は、図示した構成要素を備えた撮像基板、206は、図示した構成要素を備えたインバータ基板、207は、図示した構成要素を備えたLCD基板、208は、各回路へ電源を供給する電源基板、209は、図示した構成要素を備えたサブ基板である。
【0025】
図6は、モードダイヤル8(図2)上に設けられた動作モード選択用のマークの説明図であり、30は動作停止のロック、31は、予め設定された画質を操作者が変更できない状態で撮影するグリーンモード、32は、操作者が撮影条件を変更して撮影できるプログラムモード、33は、縦長,横長,2×2(縦横2枚づつの4枚で一画面)の何れかの連続した画像にソフト上で合成可能に撮影するスイッチモード、34は、PCと接続し画像を転送する際に使用するPC通信モード、35は、CFカード118に記録された画像を再生する際に使用する再生モード、36は、記録された画像を9枚ごとに再生するマルチモードを示している。
【0026】
図7は、本カメラのレンズ中央での略水平断面図であり、40は、略コの字形をしたフレームであり、その開口部はカメラ正面を向いている。41は、電源であるところの電池であり、不図示の接点手段で電源基板208(図5)に接続している。42は、電池41を格納する電池室、43は、CFカード118をカメラ本体から取り出すための手段であるイジェクタ、44,45は各レンズ、46はローパスフィルタ、47は図示した構成要素を備えたCCDブロック、48は、内部にインバータ基板206を有しているシールドケースである。
【0027】
図8は、本カメラの内部構成を説明するための概略斜視図であり、49は、光学ブロック201をフレーム40に固定するための各ビス、50は、不図示の手段で電源基板208と電気的に接続されたシールドケースU、51は、フレーム40と機械的,電気的に接続するためのラグ部51aを備え、不図示の手段で電源基板208と電気的に接続されたシールドケースD、52は、フレーム40と三脚ねじ26を固定するための各ビスである。
【0028】
図9は、三脚ねじ26略中央での略垂直断面図であり、53は、LCD基板207と三脚ねじ26とを固定するためのビスである。
【0029】
図10は、モードダイヤル8近傍からレリーズボタン3までの略垂直断面図であり、60は、指標9を備え、モードダイヤル8のボス部8aを回動自在に軸支する筒部60a及びレリーズボタン3をビス67で固定するための下穴60bを有したレリーズベース、61は、モードダイヤル8の回動にクリックをつけるための駒、62は、駒61を付勢するばね、63は、2段ストロークを有したレリーズスイッチであり、第1ストロークでスイッチ1がオンして測光距離などの撮影準備動作が実行され、第2ストロークでスイッチ2がオンして撮影動作が実行される。
【0030】
64は、レリーズスイッチ63を有すると共に、ダイヤルコードパターンが形成されている操作基板、65は、フック部65aで操作基板64のダイヤルコードパターンに当接しているブラシ、66は、ブラシ65をモードダイヤル8に固定するためのビス、67は、レリーズボタン3をレリーズベース60に固定するためのビス、68,69は、操作基板64をレリーズベース60に固定するための各ビスである。
【0031】
図11は、モードダイヤル8及びレリーズベース60の指標9を含んだ略水平断面図であり、レリーズベース60のリブ60cが、駒61とばね62とをガイドし、駒61は、モードダイヤル8に形成された各溝8b〜8hに係合し、モードダイヤル8の回動クリック感を創っている。
【0032】
図12は他のフレーム形状例を説明するための概略水平断面図であり、401はカバー、402は撮影レンズ、403は、不図示のCCDを含む撮影系を構成している光学ブロック、404は電気回路基板1、405は電気回路基板2、406は電源基板、407は、略H形をしたフレーム、408は、電源であるところの電池であり、不図示の手段で電気的に電源基板406と接続している。409は、電池408を格納するための電池室である。
【0033】
〈動作〉
次に、上記構成において、先ず撮影動作について説明する:
図1のカメラは動作停止の状態を示し、ここから操作者はモードダイヤル8を矢印A方向に回動させ、図6のグリーンモード31を指標9に合わせる。すると、図10のブラシ65のフック部65aが、操作基板64上の不図示のダイヤルコードパターンのグリーンモードとなるパターンを短絡させる。
【0034】
これにより、図5のSW部125からサブCPU124に信号が入り、サブCPU124FG.A113を介してメインCPU115に操作者がグリーンモードを選択したことを知らせる。メインCPU115は、バリアユニット101に先ずバリア10を開ける信号を出し、次に鏡筒14を繰り出す信号を出す。これと同時に、CFカード118にアクセスして空き容量をチェックし、白黒液晶7に撮影可能枚数、更には予め設定してある画質、画サイズなどの撮影条件を表示する。
【0035】
図1においては、バリア10が不図示の支点を中心に矢印C方向に移動してバリア開となり、図2に示す鏡筒14が矢印E方向に繰り出てくる。
【0036】
この状態を示す図が図2であり、同図において、操作者はファインダ4より被写体を覗き、撮影したい場合にレリーズボタン3を押す。レリーズボタン3は図10に示すように、ベース部3cでビス67によってレリーズベース60に固定され、略のの字形をした腕部3bでレリーズボタン3を上方に付勢しているので、この付勢力に抗して押されると、突部3aがレリーズSW63を押下する。レリーズSW63は、前述のように、2段ストロークのスイッチになっており、第1ストロークでスイッチ1がオンする。
【0037】
すると、図5のSW部125からサブCPU124に信号が入り、サブCPU124はG.A113を介してメインCPU115にスイッチ1が押されたことを知らせる。メインCPU115は、この信号により測光距離などの撮影準備を始め、暗い被写体であればAF補助光5(図2)を点灯させて測距を行う。撮影準備が整うと、メインCPU115は、発音体(ブザー)126から「ピピッ」という合焦音を出すと共に、通常撮影であれば合焦LED2c(図3)に設けられた2色のうちの緑色を点灯させ、ストロボ撮影であれば赤色を点灯させて、操作者に撮影準備ができたことを知らせる。
【0038】
この後、操作者はレリーズボタン3をさらに押し、第2ストロークでスイッチ2がオンして撮影動作が実行される。撮影が完了すると発音体126から「ピーッ」という完了音を出すと共に、CFカード118に撮影画像が記録される。
【0039】
また、このグリーンモード時に図3のLCDボタン21を押すと、メインCPU115は、カラー液晶17にライブ画像を表示し、カラー液晶17をEVFとして使用できる。
【0040】
近接撮影をする場合には、マクロボタン20を押す。すると、図5のSW部125からサブCPU124に信号が入り、サブCPU124は、G.A113を介してメインCPU115にマクロボタン20が押されたことを知らせる。メインCPU115は、この信号で、白黒液晶7にマクロマークを出すと共に、レンズ移動のアルゴリズムを近接撮影用に変更する。
【0041】
操作者がレリーズボタン3を押して、スイッチ1で合焦すると、メインCPU115は、発音体126から「ピピッ」という合焦音を出すと共に、マクロLED2dの橙色を点灯させ操作者に合焦したことを知らせる。操作者はレリーズボタン3をさらに押し、第2ストロークでスイッチ2がオンして撮影動作が実行される。撮影が完了すると発音体126から「ピーッ」という完了音を出すと共に、CFカード118に撮影画像が記録される。
【0042】
画質、画サイズ、日付、カラー液晶の明るさ、節電モードのオンオフ、ファイルナンバのリセット、画像の消去、CFカードのフォーマットなど様々な設定は図3のメニューボタン19を使って行える。メニューボタン19を押すと、メインCPU115は、カラー液晶17に不図示のメニュー画面を表示する。操作者は設定したい項目をプラスボタン23またはマイナスボタン22を押して選択し、セットボタン18で確定する。メニュー画面を終了させたいときには、再度メニューボタン19を押すことで行える。
【0043】
カメラの動作を終了させたいときには、図6において、モードダイヤル8を回動させてロック30を指標9に合わせる。すると、図10のブラシ65のフック部65aが、操作基板64上の不図示のダイヤルコードパターンのロックとなるパターンを短絡させる。
【0044】
これにより、図5のSW部125からサブCPU124に信号が入り、サブCPU124はG.A113を介してメインCPU115に操作者がロックを選択したことを知らせる。メインCPU115は、先ず鏡筒14を繰り入れる信号を出し、次にバリアユニット101をバリア10(図1)を閉める信号を出す。これと同時に、CFカード118との通信を終了し、白黒液晶7の表示を消す。
【0045】
図1においては、不図示の鏡筒14が矢印F方向に移動し、その後バリア10が不図示の支点を中心に矢印D方向に移動してバリア閉となる。
【0046】
CFカード118(図5)を交換するには、図3において、CFロック16を矢印K方向にスライドさせ、CFカバー15の不図示の爪部との係合を外す。CFカバー15は、不図示のCF検知SWで矢印G方向に付勢されているので、係合が外れると、CFカバー15は矢印G方向に回動し、CFカード118を露出させる。そこで、操作者は図7においてイジェクタ43をカメラ内部に押し込む方向に移動させ、CFカード118を取り出すことができる。
【0047】
電池41を交換するには、図4において、ロック部材25を矢印L方向にスライドさせ、電池蓋24との不図示の係合を外す。次に操作者は、電池蓋24に設けられた凹部24aに指をかけ矢印M方向にスライドさせた後、電池蓋24をつまんで紙面手前側に支点24bを中心に回動させ、電池41を露出させる。これにより、操作者は電池の交換が行える。
【0048】
ロック部材25を矢印L方向にスライドさせたとき、ロック部材25とメイン基板203(図7)に設けられた不図示の電池蓋検知SWとの当接も外れ、メインCPU115は、これにより、動作中であれば強制的にシステムをシャットダウンさせる。これは、システム動作中に不用意に電池を抜かれるとCFカード118を破壊してしまう怖れがあるためである。
【0049】
〈内部構成〉
次に内部構成について図7を用いて説明する:
図7において、フレーム40は略コの字形をしており、その開口部はカメラ正面を向いている。これにより、その内部に抱えるように撮影系としての光学ブロック201及び信号処理基板としてのメイン基板203、撮像基板205とカラーLCD17をコントロールするLCD基板207が後述する手段で取付けられ、更には、インバータ基板206を覆っているシールドケース48が入り込んだ構成が可能となり、スペースを有効に活用したコンパクトなカメラが実現できている。
【0050】
ここで、フレーム40が略コの字形をして、その開口部をカメラ正面に向けている理由を説明する:
(1)略コの字形の開口部をカメラ背面に向けた場合、撮影レンズは必ずカメラ正面を向いていなければならないために、撮影レンズを備えた鏡筒14が繰り出せるだけの大きな穴を開ける必要があり、フレームの強度が損なわれると共に、光学ブロック201をフレームに取付けるための鍔部が必要となり、この鍔部をよける分、カメラが大きくなってしまう。
【0051】
(2)略コの字形であるのは、図7において、紙面手前側に折り曲げ部を設けるとファインダ4を形成できなくなり、奧側に折り曲げ部を設けると各基板を小さくするか、カメラを大きくする必要があるためである。つまり、フレーム40に庇(ひさし)となる折り曲げ部を設けることは構成上不可能であり、底となる折り曲げ部を設けることは、カメラを大きくしてしまうという不具合があるので、略コの字形であることが小型化のためには最適な形状である。
【0052】
さらには、前出図12のように、フレーム407が略H形をしていた場合、光学ブロック403は必然的にカメラ前方にせり出してくるので、たとえ、記録媒体であるCFカード118(図5)やカラー液晶17(図3)を備えていないカメラでも、その厚さが厚くなってしまう。
【0053】
以上のような理由からフレーム40は略コの字形をして、その開口部をカメラ正面に向けているのである。
【0054】
さらに、図7において、フレーム40は、その短辺部で不図示のビスによって電池41を格納している電池室42に固定され、カメラの骨格を構成している。そして、この背面に略同一平面状にカラー液晶17、バックライト121と画像の記録部であるCF基板204が配置され、CF基板204上には、CFカード118と機械的電気的に接続するCFスロット204aが具備されている。
【0055】
カラー液晶17,バックライト121とCF基板204が、略同一平面状に配置されることで、カメラの厚みを薄くすることが可能となっている。これが、配置を変更して電池室42の上にCF基板204を、更にこの上にカラー液晶17,バックライト121を配置した場合、電気回路基板のスペースに十分な余裕がとれても、カメラの厚みが相当厚くなってしまう。
【0056】
カメラの携帯性を考慮した場合、厚みが厚くては、胸のポケットに入らないなどの不具合がでてしまい商品価値を下げてしまうため、薄いカメラの実現は必須である。
【0057】
次に、図8を用いてカメラ内部の各基板の配置について説明する:
各基板に電源を供給する電源基板208は、不図示の接点手段で不図示の電池41と電気的に接続されて電池室42の上部に具備され、ノイズ防止のためにシールドケースU50とシールドケースD51で覆われている。
【0058】
シールドケースU50とシールドケースD51とは、不図示の手段で電源基板208のGNDと電気的に接続されており、シールドケースD51のラグ部51aは、光学ブロック201を固定する各ビス49と共締めで、フレーム40に機械的電気的に接続されている。
【0059】
光学ブロック201は、電池室42と隣接して各ビス49によってフレーム40に固定される。LCD基板207は、ビス用の各穴207a,207bを使用して、フレーム40のビス座40aと三脚ねじ26のビス座26aにビス止めされる。
【0060】
撮像基板205は、ビス用の各穴205a,205bを使用して、フレーム40の各ビス座40bと40cにビス止めされる。
【0061】
メイン基板203は、ビス用の各穴203a,203bを使用して、フレーム40のビス座40dと電池室42のビス座42aとにビス止めされる。
【0062】
不図示の光学基板202は、フレーム40の各ビス座40eと40fにビス止めされる。不図示のストロボ6はフレーム40のビス座40gにビス止めされる。
【0063】
インバータ基板206を覆っている不図示のシールドケース48は、フレーム40の角穴40hを使ってカメラ内部に入り込んでいる(図7も参照)。
【0064】
三脚ねじ26は、ビス49によって、フレーム40に機械的電気的に接続されている。
【0065】
以上のように、各構成要素を配置した理由について説明する:
(1)電源である電池と電源回路とは、電力伝達の損失を最小に抑えるために、その接続距離を物理的に最小にすることが望ましく、この意味で電池室42の上部に電源基板208を設けている。
【0066】
(2)電源基板208は、動作時にノイズを発生する場合がある。このノイズが、メイン基板203や撮像基板205などの信号処理部に飛び込むと、画像にノイズが走るなどの画質の劣化を生じてしまう。また、他の電気回路基板においても、ノイズがによるハングアップなどの誤動作が起きてしまう。このため、電源基板208をシールドケースU50とシールドケースD51とで覆うことで、ノイズを防止しようとしているが、物理的に信号処理や他の電気回路部との距離をとることも有効な手段である。
【0067】
しかしながら、単に距離をとっていたのでは、携帯性に優れた小型なカメラを実現することはできない。そこで、電源基板208を具備した電池室42に隣接して、光学ブロック201を配置し、さらに、光学ブロック201の電池室42と反対側に隣接して信号処理部や他の電気回路部を配置した。これにより、光学ブロック201という物理的な距離をとることで、ノイズに強くしかも、光学ブロック201を電池室42に隣接させているので無駄なスペースの無い小型なカメラが実現できた。
【0068】
(3)光学ブロック201を電池室42に隣接させている更なる理由として、よりカメラらしいフォルムの実現が挙げられる。35ミリフィルムを使ったカメラのデザインは、誕生から約100年来、一貫してその略中央に撮影レンズを配置しており、撮像装置の文化として全世界的に認知されている。
【0069】
一方、本実施例カメラのように、通常デジタルスチルカメラと呼ばれるものの中には、従来例のように左端に撮影レンズを配置しているものがあり、ユーザにとっては、撮像装置としての35ミリフィルムカメラの伝統の故に、違和感を感じて購買意欲を損なう可能性もあった。この意味から、本カメラでは、光学ブロック201を電池室42に隣接させることで、撮影レンズを略中央に配置することが可能となり、ユーザから違和感を持たれず、しかも小型化によって購買意欲をかきたてるカメラが実現できた。
【0070】
(4)フレーム40の角穴40hからカメラ内部に入り込んでいる不図示のシールドケース48は、内部にインバータ基板206を備えている。このインバータ基板206も、またノイズを発生する場合があり、小型化によって込み入ってしまったカメラ内部でメイン基板203や撮像基板205など、信号処理部と距離をとる必要がある。そこで、カラー液晶17をドライブするLCD基板207を、図8に示すように配置することで信号処理部へのノイズ対策が可能となった。
【0071】
(5)三脚ねじ26は、その用途上からも、カメラ本体の骨格に接続されていることが望ましく、この意味から、フレーム40とビス49とで固定されている。フレーム40は、前述のように、シールドケースD51のラグ部51aで電源GNDと接続されているので、三脚ねじ26もGNDに接地されている。
【0072】
次に、三脚ねじ26と外装とフレーム40との固定について説明する:
図9は、三脚ねじ26の略中央垂直断面図であり、前カバー1はビス29で、後カバー2はビス28で、LCD基板207はビス53で、電気的に導通を保つように三脚ねじ26に固定されている。前述のように、三脚ねじ26は、カメラ本体の骨格であるフレーム40に固定されており、この骨格を包むように剛性のある金属製の前カバー1,後カバー2が取り付くため、非常に堅固なカメラとなり、ねじ部26bで三脚に固定したり、逆にねじ部26bに付属品を固定することができる。
【0073】
さらに、三脚ねじ26は、GNDに小さな接地抵抗で接地されているので、金属製の前カバー1,後カバー2,LCD基板207の接地電位もGNDとなり、電気的にGNDでカメラを包むことになるので、外来ノイズや静電気に強いだけでなく、不要輻射と呼ばれるカメラ内部から外に向かって放出するノイズを軽減したカメラが実現できた。さらに、LCD基板207の堅固な保持を同時に実現できる。
【0074】
〈モードダイヤル〉
次に、モードダイヤル8と指標9とについて説明する:
図10において、モードダイヤル8は、ボス部8aでレリーズベース60の筒部60aと回動自在に軸支され、その先端にはビス66でブラシ65が固定されている。操作者がモードを変更しようとモードダイヤル8を図11の矢印A方向に回転させると、駒61が溝8bの斜面に沿って、ばね62に抗して中心方向に移動し、溝8cに入る。この動作がクリック感を創っている。他の各溝8d〜8hについても同様である。
【0075】
また、この時、どのモードが選択されたかは、指標9に、図6のどのマークが合っているかを見ることで分かる。操作者が頻繁にマークと指標の位置を見るので、指標9とモードダイヤル8との位置がほんの少しずれていると、指標9がどこを指しているかという本来の機能をたとえ果たせていても、操作者に安っぽいカメラとの印象を与えてしまう。そこで、本実施例では、モードダイヤル8をガイドしているレリーズベース60上に指標9を形成することで、位置精度の高い指標を実現している。
【0076】
さらに、指標9を備えたレリーズベース60と後カバー2とは別体なので、レリーズベース60の色や材質感を後カバー2と大きく異ならせることが容易なため、視認性の良い指標が実現できる。また、指標9でレリーズベース60と後カバー2との位置決めが可能となっているため、レリーズベース60に新たに位置決めを設ける必要がなくなった。
【0077】
(第2の実施例)
図13に、本発明に係る第2の実施例を説明する概略垂直断面図(前記第1実施例の図9対応図)を示す。70は、本第2実施例の特徴を最も良く示す三脚ねじであり、フレーム40を固定するためのねじ部70a、LCD基板207を固定するためのねじ部70b、撮像基板220を固定するためのねじ部70cを備えている。220は撮像基板であり、ビス71で三脚ねじ70とビス止めされる。
【0078】
前記第1実施例の図9におけると同一構成要素は同一番号を付し、重複説明は省略する。
【0079】
上記構成において、本第2実施例では、新たに信号処理基板である撮像基板220も小さな接地抵抗で接地されることになる。この信号処理基板にノイズが乗ると、画質の劣化を引き起こしてカメラとしての商品価値を下げてしまうので、信号処理基板のGNDを強化することによって、さらにノイズに強いカメラが実現できた。さらに、撮像基板220は、機械強度的に充分強い三脚ねじ70に固定されるので、基板の堅固な保持が実現できた。
【0080】
(第3の実施例)
図14は、本発明の実施例を説明する概略背面斜視図(前記第1実施例の図3対応図)であり、75は、本第3実施例の特徴を最も良く示すストラップ金具であり、各ビス76,77によってカメラに固定されている。78は、ストラップ金具75の形状に合わせた前カバー、79はストラップ金具75の形状に合わせた後カバーである。
【0081】
前記第1実施例の図3におけると同一構成要素の重複説明は省略する。
【0082】
図15は、本第3実施例の略水平断面図(前記第1実施例の図7対応図)であり、80は、ストラップ金具75が固定されるフレームである。
【0083】
前記第1実施例と同一構成要素の重複説明は省略する。
【0084】
上記構成において、ストラップ金具75は、図15に示すように電気的に導通を保つように前カバー78,後カバー79,フレーム80に各ビス76,77で固定されている。フレーム80は、不図示の手段で電源回路のGNDに接地されているので、ストラップ金具75を介して前カバー78,後カバー79も接地される。
【0085】
これにより、電気的にGNDでカメラを包むことになるので、外来ノイズや静電気に強いだけでなく、不要輻射と呼ばれるカメラ内部から外に向かって放出するノイズをも軽減したカメラが実現できた。
【0086】
さらに、カメラの骨格であるフレーム80に、ストラップ金具75は固定されているので、非常に堅固で安全なストラップ固定具となった。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】第1実施例のデジタルスチルカメラの外観正面斜視図
【図2】撮影可能状態の図1カメラの概略正面斜視図
【図3】図2カメラの概略背面斜視図
【図4】図2カメラの概略底面図
【図5】図2カメラの構成ブロック図
【図6】図2カメラのモードダイヤル説明図
【図7】図2カメラの略中央水平断面図
【図8】図2カメラの内部構成説明概略斜視図
【図9】三脚ねじ略中央垂直断面図
【図10】モードダイヤル部垂直断面図
【図11】モードダイヤル部水平断面図
【図12】他のフレーム形状例の水平断面図
【図13】第2実施例の概略垂直断面図
【図14】第3実施例の概略背面斜視図
【図15】第3実施例の略水平断面図
【図16】従来例の外観斜視図
【図17】従来例の水平断面図
【図18】従来例の三脚ねじ垂直断面図
【符号の説明】
【0088】
1 前カバー
2 後カバー
3 レリーズボタン
4 ファインダ
5 AF補助光
6 ストロボ(フラッシュ)
7 白黒液晶
8 モードダイヤル
9 指標
10 バリア
13 レンズ
14 鏡筒
17 カラー液晶
26,70 三脚ねじ
40,80 フレーム
41 電池
42 電池室
60 レリーズベース
75 ストラップ金具
109 CCD
113 G.A
115 メインCPU
124 サブCPU
201 光学ブロック
202 光学基板
203 メイン基板
204 CF基板
205 撮像基板
206 インバータ基板
207 LCD基板
208 電源基板
209 サブ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像した被写体像を電気信号に変換する撮像素子を含む撮像部と、
前記撮像部から出力される電気信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部からの電気信号をもとに撮影された画像を表示するモニタを含むモニタ部と、
前記撮像部で撮影された被写体像を記録する記録部と、
撮像装置に電源を供給する電源部と、
前記各部を保持するとともに、前記各部と電気的にも接続される導電性のフレームと、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置の外装を形成する外装部材と、前記外装部材と前記フレームとを電気的に接続する三脚座を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の外装を形成する外装部材と、前記外装部材と前記フレームとを電気的に接続するストラップ固定用金具を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−97227(P2007−97227A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347385(P2006−347385)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【分割の表示】特願平10−58113の分割
【原出願日】平成10年3月10日(1998.3.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】