説明

撮像装置

【課題】部材同士を固定する際に、所定の位置に容易に位置決め可能で、かつ、部品点数の増加を抑制することが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】このビデオカメラ(撮像装置)10は、撮像素子25が取り付けられ、位置決め用ボス部22aを有する撮像素子取付部22と、撮像素子取付部22を移動させるためのステッピングモータ26fと、ステッピングモータ26fに連結され、位置決め用ボス部22aに係合する位置決め用穴部26cを有するとともに、撮像素子取付部22にステッピングモータ26fからの動力を伝えるための伝達アーム部材26と、伝達アーム部材26を撮像素子取付部22に固定するための1つのネジ部材27とを備える。また、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とは、位置決め用ボス部22aと位置決め用穴部26cとが係合された状態で、1つのネジ部材27によって固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像装置に関し、特に、撮像素子を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置においては、撮像素子を備えた撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、撮像素子などが設けられた撮像ユニットと、撮像ユニットを駆動させるための駆動源と、撮像ユニットと駆動源とを連結するためのリンク部材とを備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置では、撮像ユニットとリンク部材とが固定されている。固定方法に関しては記載されていないが、接着剤などを使用していると考えられる。また、リンク部材の撮像ユニットに対する配置位置に関しては記載されているが、具体的な位置決め方法に関しては記載されていない。
【0004】
また、上記特許文献2には、配線基板および撮像素子が設けられた撮像手段と、駆動源として機能する変位量制御装置と、撮像手段および変位量制御装置を連結するための連結部材とを備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置では、連結部材と撮像部とを固定している。この固定方法に関しては記載されていないが、接着剤などを使用していると考えられる。また、撮像手段と変位量制御装置とは、所定の位置に固定的に配置されているが、具体的な位置決め方法に関しては記載されていない。
【0005】
また、上記特許文献3には、撮像素子であるCCD(Charge Coupled Devices)を保持するための保持部材と、保持部材を駆動させるためのヨークを含む駆動源と、保持部材とヨークとを連結するためのリンク部材と、保持部材およびリンク部材を固定するための連結ピンとを備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置では、保持部材とリンク部材とは複数の連結ピンにより固定されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−337461号公報
【特許文献2】特開2004−80665号公報
【特許文献3】特開2007−13661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の撮像装置では、撮像ユニットとリンク部材とを固定する方法として接着剤を使用する場合には、接着剤を乾燥させるための作業時間分だけ固定作業の時間が増加するという問題点があると考えられる。また、上記特許文献1には、撮像ユニットとリンク部材とを配置位置に位置決めする方法は記載されていないため、撮像ユニットとリンク部材とを容易に配置位置に位置決めできないという問題点があると考えられる。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の撮像装置では、連結部材と撮像部とを固定する方法として接着剤を使用する場合には、接着剤を乾燥させるための作業時間分だけ固定作業の時間が増加するという問題点がある。また、上記特許文献2には、撮像手段と変位量制御装置とを所定の位置に位置決めする方法は記載されていないため、撮像手段と変位量制御装置とを容易に所定の位置に位置決めできないという問題点があると考えられる。
【0009】
また、上記特許文献3に記載の撮像装置では、保持部材とリンク部材とを複数個の連結ピンにより固定するため、部品点数が増加するという問題点がある。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部材同士を固定する際に、所定の位置に容易に位置決め可能で、かつ、部品点数の増加を抑制することが可能な撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0011】
この発明の一の局面による撮像装置は、撮像素子が取り付けられ、第1位置決め用係合部を有する撮像素子取付部と、撮像素子取付部を移動させるための駆動源と、駆動源に連結され、第1位置決め用係合部に係合する第2位置決め用係合部を有するとともに、撮像素子取付部に駆動源からの動力を伝えるための伝達部材と、伝達部材を撮像素子取付部に固定するための1つのネジ部材とを備え、撮像素子取付部と伝達部材とは、第1位置決め用係合部と第2位置決め用係合部とが係合された状態で、1つのネジ部材によって固定されている。
【0012】
この一の局面による撮像装置では、上記のように、撮像素子取付部と伝達部材とは、第1位置決め用係合部と第2位置決め用係合部とが係合された状態で、ネジ部材によって固定することによって、第1位置決め用係合部と第2位置決め用係合部とを係合させるだけで、撮像素子取付部と伝達部材とを所定の位置に位置決めすることができる。また、撮像素子取付部と伝達部材とを1つのネジ部材によって固定するだけで、撮像素子取付部と伝達部材とを固定することができるので、部品点数の増加を抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、第1位置決め用係合部および第2位置決め用係合部のいずれか一方は、ボス部を含み、第1位置決め用係合部および第2位置決め用係合部の他方は、穴部を含み、ボス部が穴部に挿入されることにより伝達部材が撮像素子取付部に対して位置決めされるように構成されている。このように構成すれば、ボス部が穴部に挿入されるように伝達部材を配置することにより、容易に撮像素子取付部に対して伝達部材を所定の位置に位置決めすることができる。
【0014】
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、撮像素子取付部の第1位置決め用係合部は、ボス部を含み、伝達部材の前記第2位置決め用係合部は、穴部を含み、ボス部が穴部に挿入されることにより位置決めされるように構成されている。このように構成すれば、撮像素子取付部のボス部が伝達部材の穴部に挿入されるように伝達部材を配置することにより、容易に、撮像素子取付部に対して伝達部材を所定の位置に位置決めすることができる。
【0015】
上記ボス部および穴部を含む撮像装置において、好ましくは、ボス部は、第1ボス部および第2ボス部を含み、穴部は、真円形状の第1穴部および楕円形状の第2穴部を含み、第1穴部および第2穴部は、それぞれ第1ボス部および第2ボス部に挿入され、第2穴部は、第1穴部と第2穴部とを結ぶ線上に沿って楕円状に延びるように形成されている。このように構成すれば、第1ボス部および第2ボス部の位置が、寸法精度のばらつきに起因して設計位置からずれた場合でも、第2穴部を楕円形状に形成することによって、第2ボス部の位置の設計位置に対するずれ量を吸収することができる。この結果、容易にボス部を穴部に挿入することができる。
【0016】
上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、伝達部材を付勢するためのバネ部材をさらに備え、伝達部材は、バネ部材の一方端を取り付けるためのバネ取付部を含む。このように構成すれば、バネ部材の一方端を伝達部材のバネ取付部に取り付けることができる。また、バネ部材の他方端を他の部材のバネ取付部に取り付けることによって、バネ部材に加わる付勢力を利用して、伝達部材を移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態におけるビデオカメラの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態におけるビデオカメラの全体構成を別方向から見た場合の斜視図である。図3〜図7は、本発明の一実施形態におけるビデオカメラの撮像部の詳細を示す図である。まず、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるビデオカメラ10の構造を説明する。なお、本実施形態では、撮像装置の一例であるビデオカメラ10に本発明を適用した場合について説明する。
【0019】
本発明の一実施形態におけるビデオカメラ10では、図1および図2に示すように、樹脂製の筐体11に、複数の光学レンズ12が内部に収納された鏡筒13と、ストロボ14と、内蔵マイク15と、ビデオテープ(図示せず)が着脱可能に装着されるビデオカセット部16と、映像を録画する際に使用される録画/再生ボタン17と、静止画像を録画する際に使用されるフォトボタン18と、ファインダ19と、録画時の映像を画面表示可能な液晶モニタ20と、撮像部21とが設けられている。
【0020】
また、図1および図2に示すように、複数の光学レンズ12が収納された鏡筒13は、筐体11の正面側から外部に水平に突出されるように構成されている。また、ストロボ14は、撮影時に補助光として発光する機能を有している。また、内蔵マイク15は、撮影時(録画時)に被写体周辺の音を収集する機能を有している。また、録画/再生ボタン17は、ユーザが撮影時に押圧することによって、ビデオカメラ10の撮像部21が撮影した映像をビデオテープ(図示せず)に録画する動作を開始するとともに、録画終了時には、ビデオテープ(図示せず)への録画を停止する機能を有している。また、フォトボタン18は、ユーザが撮影時に押圧することにより、押圧された際に撮像部21によって撮影されていた映像を静止画像として録画する機能を有する。また、ファインダ19および筐体11から開閉可能に開けられる液晶モニタ20は、ユーザがファインダ19および液晶モニタ20のいずれか、またはその両方を通して被写体を見ながら、撮影範囲を決定することが可能なように構成されている。
【0021】
また、図3〜図5に示すように、撮像部21は、樹脂製の撮像素子取付部22と、ガラス製のレンズ部材23と、ゴムなどからなるパッキン部材24と、CCD(Charge Coupled Devices)などからなる撮像素子25と、金属製(板金製)の伝達アーム部材26と、ネジ部材27と、バネ部材28および29と、樹脂製の保持部材30と、樹脂製の固定部材31とから構成されている。なお、伝達アーム部材26は、本発明の「伝達部材」の一例である。
【0022】
また、図5〜図7に示すように、撮像素子取付部22は、位置決め用ボス部22aと、ネジ取付穴22bと、レンズ部材取付面22cと、撮像素子取付面22dと、シャフト挿入穴22eとを備えている。また、位置決め用ボス部22aは、第1位置決め用ボス部221aと、第2位置決め用ボス部221bとを含んでいる。なお、位置決め用ボス部22aは、本発明の「第1位置決め用係合部」の一例である。
【0023】
ここで、本実施形態では、図5に示すように、第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bは、撮像素子取付部22の最上面から垂直上方に延びるように撮像素子取付部22に一体的に設けられている。また、第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bは、撮像素子取付部22から伝達アーム部材26の方向に向かって位置決め用ボス部22aの直径が小さくなるような、いわゆる、テーパー形状(裁頭円錐形状)を有している。また、ネジ取付穴22bは、円形状を有し、内面にネジ山が設けられている。また、レンズ部材取付面22cおよび撮像素子取付面22dには、それぞれ、レンズ部材23および撮像素子25が当接された状態で取り付けられるように構成されている。シャフト挿入穴22eは、後述するスライドシャフト30bを挿入するために形成されている。また、シャフト挿入穴22eの内径は、シャフト挿入穴22eがスライドシャフト30b上を摺動可能なように、スライドシャフト30bの直径よりも若干大きく形成されている。
【0024】
また、伝達アーム部材26は、取付部26aと、駆動力伝達部26bと、2つの位置決め用穴部26cと、ネジ挿入穴26dと、モータ取付部26eと、ステッピングモータ26fと、ナット部材26gと、バネ取付部26hとを備えている。なお、位置決め用穴部26cは、本発明の「第2位置決め用係合部」の一例であり、ステッピングモータ26fは、本発明の「駆動源」の一例である。
【0025】
ここで、本実施形態では、図3〜図7に示すように、伝達アーム部材26は、平面的に見て実質的にL字形状を有している。また、伝達アーム部材26の2つの位置決め用穴部26cは、ネジ挿入穴26dを挟むようにして取付部26aに形成されている。また、伝達アーム部材26の位置決め用穴部26cは、第1位置決め用穴部261aと第2位置決め用穴部261bとを含んでいる。第1位置決め用穴部261aは、真円形状に形成されている。第2位置決め用穴部261bは、第1位置決め用穴部261aと第2位置決め用穴部261bとを結ぶ線上に沿って楕円状に延びるように形成されている。また、ネジ挿入穴26dは、円形状を有し、取付部26aの表面に形成されている。また、伝達アーム部材26のモータ取付部26eは、駆動力伝達部26bの裏面から垂直下方に延びるように駆動力伝達部26bに形成されている。
【0026】
また、第2位置決め用ボス部221bは、上述した楕円形状の第2位置決め用穴部261bの直径の短軸が接する内面と当接するように配置されている。これにより、第1位置決め用穴部261aを支点にして第2位置決め用穴部261b側が時計回りに回動することを抑制している。
【0027】
ここで、本実施形態では、図5〜図7に示すように、また、モータ取付部26eは、正面から見て凹形状に形成されている。また、ステッピングモータ26fは、撮像素子取付部22を移動させるために設けられている。このステッピングモータ26fは、回転軸26iを有し、モータ取付部26eに設けられている。また、ナット部材26gは、内面にネジ部を有している。また、回転軸26iの先端にはネジ部が設けられている。この回転軸26iのネジ部は、モータ取付部26eを介してナット部材26gのネジ部と螺合している。
【0028】
また、本実施形態では、バネ取付部26hは、伝達アーム部材26のモータ取付部26eと逆側の端部に設けられている。このバネ取付部26hは、平面的に見てL字形状のフック状に形成されている。
【0029】
また、本実施形態では、図5〜図7に示すように、ネジ部材27は、伝達アーム部材26のネジ挿入穴26dを介して撮像素子取付部22のネジ取付穴22bに締結されている。これにより、伝達アーム部材26は、撮像素子取付部22に移動しないように固定されている。また、バネ部材28の一方端28aは、バネ取付部26hに取り付けられている。また、バネ部材28の他方端28bは、後述する、固定部材31のバネ取付部31cに取り付けられている。また、バネ部材29の一方端29aは、バネ取付部30fに取り付けられている。また、バネ部材29の他方端29bは、後述する、固定部材31のバネ取付部31dに取り付けられている。
【0030】
また、樹脂製の保持部材30は、シャフト挿入穴30aと、スライドシャフト30bと、モータ取付部30cと、ステッピングモータ30dと、ナット部材30eと、バネ取付部30fとを備えている。
【0031】
また、図5に示すように、保持部材30は、平面的に見て四角形状の枠状に形成されている。この保持部材30は、スライドシャフト30bに沿って移動可能に構成されている。また、6つのシャフト挿入穴30aは、円形状を有し、保持部材30に形成されている。この6つのシャフト挿入穴30aは、保持部材30の上面に対して水平方向に延びるように形成されている。また、スライドシャフト30bは、円柱形状を有し、シャフト挿入穴30aに挿入されるように形成されている。
【0032】
また、モータ取付部30cは、凹形状を有し、保持部材30の一辺の外側面に設けられている。また、ステッピングモータ30dは、モータ取付部30cに設けられている。このステッピングモータ30dは、回転軸30gを有している。また、ナット部材30eは、内面にネジ部を有している。また、バネ取付部30fは、保持部材30のモータ取付部30cが設けられている外側面と同じ外側面に設けられている。このバネ取付部30fは、平面的に見てL字形状のフック形状に形成されている。また、回転軸30gの先端にはネジ部が設けられている。この回転軸30gのネジ部は、モータ取付部30cを介してナット部材30eのネジ部と螺合している。
【0033】
また、固定部材31は、シャフト挿入穴31aと、スライドシャフト31bと、バネ取付部31cおよび31dとを備えている。
【0034】
また、固定部材31は、平面的に見て、四角形状の枠状に形成されている。この固定部材31は、スライドシャフト31bに沿って移動可能に構成されている。また、2つのシャフト挿入穴31aは、円形状を有し、固定部材31に形成されている。この2つのシャフト挿入穴31aは、固定部材31の上面に対して水平方向に延びるように形成されている。また、スライドシャフト31bは、円柱形状を有し、シャフト挿入穴31aに挿入されるように形成されている。また、バネ取付部31cは、固定部材31の外側面から外側に突出するように設けられ、平面的に見てL字形状のフック形状に形成されている。また、バネ取付部31dは、固定部材31の内側面から内側に突出するように設けられ、平面的に見てL字形状のフック形状に形成されている。
【0035】
次に、図5〜図7を参照して、本発明の一実施形態による撮像部21の撮像素子取付部22に伝達アーム部材26を取り付ける手順について説明する。
【0036】
まず、図5〜図7に示すように、レンズ部材23、パッキン部材24および撮像素子25を、それぞれ、撮像素子取付部22のレンズ部材取付面22cおよび撮像素子取付面22dに当接させて取り付ける。なお、パッキン部材24は、レンズ部材23に重ねるようにして取り付ける。
【0037】
次に、伝達アーム部材26の第1位置決め用穴部261aおよび第2位置決め用穴部261bをそれぞれ撮像素子取付部22の第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bに係合させる。その後、ネジ部材27をネジ挿入穴26dを介して撮像素子取付部22のネジ取付穴22bに締め付けることによって、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とを固定する。また、モータ取付部26eにステッピングモータ26fの回転軸26iを挿入し、回転軸26iの先端のネジ部とナット部材26gのネジ部とを螺合させる。
【0038】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態による撮像部21の動作について説明する。
【0039】
まず、図4に示すように、伝達アーム部材26は、ステッピングモータ26fの回転軸26iが時計方向に回転駆動することによって、回転軸26iに螺合されたナット部材26gがバネ部材28の付勢力に抗して矢印X1方向に直線移動する。また、回転軸26iが反時計方向に回転することによって、回転軸26iに螺合されたナット部材26gがバネ部材28の付勢力によって矢印X2方向に直線移動される。
【0040】
次に、保持部材30は、ステッピングモータ30dの回転軸30gが時計方向に回転駆動することによって、回転軸30gに螺合されたナット部材30eがバネ部材29の付勢力に抗して矢印Y1方向に直線移動する。また、回転軸30gが反時計方向に逆回転することによって、回転軸30gに螺合されたナット部材30eがバネ部材29の付勢力によって矢印Y2方向に直線移動される。
【0041】
本実施形態では、上記のように、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とは、位置決め用ボス部22aと位置決め用穴部26cとが係合された状態で、ネジ部材27によって固定されることによって、位置決め用ボス部22aと位置決め用穴部26cとを係合させるだけで、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とを所定の位置に位置決めすることができる。また、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とを1つのネジ部材27により固定するだけで、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とを固定することができるので、部品点数の増加を抑制することが可能になる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、撮像素子取付部22および伝達アーム部材26のいずれか一方は、位置決め用ボス部22aを含み、撮像素子取付部22および伝達アーム部材26の他方は、位置決め用穴部26cを含み、ボス部22aが穴部26cに挿入されることにより伝達アーム部材26が撮像素子取付部22に対して位置決めされるように構成されている。このように構成すれば、撮像素子取付部22および伝達アーム部材26のいずれか一方のボス部22aが、撮像素子取付部22および伝達アーム部材26の他方の穴部26cに挿入されるように伝達アーム部材26を配置することにより、容易に、撮像素子取付部22に対して伝達アーム部材26を所定の位置に位置決めすることができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、撮像素子取付部22は位置決め用ボス部22aを含み、伝達アーム部材26は位置決め用穴部26cを含み、位置決め用ボス部22aが位置決め用穴部26cに挿入されることで位置決めされるように構成することによって、位置決め用ボス部22aと位置決め用穴部26cとにより、撮像素子取付部22と伝達アーム部材26とを所定の位置に位置決めした状態で、撮像素子取付部22に伝達アーム部材26を容易に取り付けることができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、位置決め用ボス部22aおよび位置決め用穴部26cを含む撮像装置において、好ましくは、位置決め用ボス部22aは、第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bを含み、位置決め用穴部26cは、真円形状の第1位置決め用穴部261aおよび楕円形状の第2位置決め用穴部261bを含み、第1位置決め用穴部261aおよび第2位置決め用穴部261bは、それぞれ第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bに挿入され、第2位置決め用穴部261bは、第1位置決め用穴部261aと第2位置決め用穴部261bとを結ぶ線上に沿って楕円状に延びるように形成することによって、第1位置決め用ボス部221aおよび第2位置決め用ボス部221bの位置が、寸法精度のばらつきに起因して設計位置からずれた場合でも、第2位置決め用穴部261bを楕円形状に形成することによって、第2位置決め用ボス部221bの位置の設計位置に対するずれ量を吸収することができる。この結果、容易に位置決め用ボス部22aを位置決め用穴部26cに挿入することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、伝達アーム部材26を付勢するためのバネ部材28をさらに備え、伝達アーム部材26は、バネ部材28の一方端を取り付けるためのバネ取付部26hを含むことによって、バネ部材28の一方端28aを伝達アーム部材26のバネ取付部26hに取り付けることができる。また、バネ部材28の他方端28bを他の部材のバネ取付部に取り付けることによって、伝達アーム部材26が移動した際にバネ部材28に加わる付勢力を利用して伝達アーム部材26を移動させることができる。
【0046】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0047】
たとえば、上記実施形態では、撮像装置の一例として、ビデオカメラを示したが、本発明はこれに限らず、ビデオカメラ以外の撮像装置にも適用可能である。
【0048】
また、上記実施形態では、撮像素子取付部に位置決め用ボス部が設けられ、伝達アーム部材に位置決め用穴部が設けられる例を示したが、本発明はこれに限らず、撮像素子取付部に位置決め用穴部を設け、伝達アーム部材に位置決め用ボス部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオカメラの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるビデオカメラの全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による撮像部を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による撮像部を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による撮像部を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による撮像部の一部を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による撮像部の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 ビデオカメラ(撮像装置)
22 撮像素子取付部
22a 位置決め用ボス部(第1位置決め用係合部)
25 撮像素子
26 伝達アーム部材(伝達部材)
26c 位置決め用穴部(第2位置決め用係合部)
26f ステッピングモータ(駆動源)
27 ネジ部材
28 バネ部材
28a バネ部材の一方端
221a 第1位置決め用ボス部(ボス部、第1ボス部)
221b 第2位置決め用ボス部(ボス部、第2ボス部)
261a 第1位置決め用穴部(穴部、第1穴部)
261b 第2位置決め用穴部(穴部、第2穴部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子が取り付けられ、第1位置決め用係合部を有する撮像素子取付部と、
前記撮像素子取付部を移動させるための駆動源と、
前記駆動源に連結され、前記第1位置決め用係合部に係合する第2位置決め用係合部を有するとともに、前記撮像素子取付部に前記駆動源からの動力を伝えるための伝達部材と、
前記伝達部材を前記撮像素子取付部に固定するための1つのネジ部材とを備え、
前記撮像素子取付部と前記伝達部材とは、前記第1位置決め用係合部と前記第2位置決め用係合部とが係合された状態で、前記1つのネジ部材によって固定されている、撮像装置。
【請求項2】
前記第1位置決め用係合部および前記第2位置決め用係合部のいずれか一方は、ボス部を含み、
前記第1位置決め用係合部および前記第2位置決め用係合部の他方は、穴部を含み、
前記ボス部が前記穴部に挿入されることにより前記伝達部材が前記撮像素子取付部に対して位置決めされるように構成されている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子取付部の前記第1位置決め用係合部は、前記ボス部を含み、
前記伝達部材の前記第2位置決め用係合部は、前記穴部を含み、
前記ボス部が前記穴部に挿入されることにより位置決めされるように構成されている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記ボス部は、第1ボス部および第2ボス部を含み、
前記穴部は、真円形状の第1穴部および楕円形状の第2穴部を含み、
前記第1穴部および前記第2穴部は、それぞれ前記第1ボス部および前記第2ボス部に挿入され、
前記第2穴部は、前記第1穴部と前記第2穴部とを結ぶ線上に沿って楕円状に延びるように形成されている、請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記伝達部材を付勢するためのバネ部材をさらに備え、
前記伝達部材は、前記バネ部材の一方端を取り付けるためのバネ取付部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−80355(P2009−80355A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250330(P2007−250330)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】