説明

撮像装置

【課題】動画撮影中の電源断であっても、電源の復旧後は、すぐに静止画の撮影を行なうことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の撮像装置は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段201と、前記電気信号に基づいて、(1)第一の画像ファイルまたは(2)管理ファイルと第二の画像ファイルから構成される画像データを生成する信号処理手段205と、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査し、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルが整合しない場合に、前記信号処理手段205に対して、前記第一の画像ファイルの生成を許可する一方、前記画像データの生成を許可しない制御手段202と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に、静止画および動画の撮影機能と画像データの修復機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラなどの撮像装置が普及しており、メモリカードなどの記録媒体にJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の静止画やAVCHD(Advanced Video Codec High Definition)規格により規定された動画など様々な形式の画像データを記録することができる。
【0003】
一方、撮像装置においては、バッテリーの脱落やACアダプタ使用時のケーブル抜けなど、不慮の事故による電源断が問題となる。この点、撮影状態を一定時間継続する動画撮影においては、問題が発生する可能性がさらに高くなる。
【0004】
この点に関する先行技術文献として、特許文献1がある。特許文献1に記載のデータ処理装置においては、停電や不注意による電源スイッチの操作などにより外部記憶デバイス上のユーザデータファイルが破損した場合、ユーザデータファイルの管理部、データ部の間に矛盾が生じるので、制御部が、管理部とデータ部の間を調べることによりユーザデータファイルの破損を検出し、修復すべきユーザデータファイルをユーザに指定させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−061754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像データの修復には一定の時間を要する。撮像装置は、一般に、静止画撮影機能と動画撮影機能を合わせもつので、撮影機会を逃さないために、動画撮影中の電源断であっても、電源の復旧後は、少なくとも静止画の撮影をすぐに行ないたいという要求がある。
【0007】
本発明は、前記課題を解決し、動画撮影中の電源断であっても、電源の復旧後は、すぐに静止画の撮影を行なうことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記電気信号に基づいて、(1)第一の画像ファイルまたは(2)管理ファイルと第二の画像ファイルから構成される画像データを生成する信号処理手段と、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査し、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルが整合しない場合に、前記信号処理手段に対して、前記第一の画像ファイルの生成を許可する一方、前記画像データの生成を許可しない制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像装置は、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、前記電気信号に基づいて、(1)第一の画像ファイルまたは(2)管理ファイルと第二の画像ファイルから構成される画像データを、生成する信号処理手段と、前記第一の画像ファイルに基づく画像と前記第二の画像ファイルに基づく画像を表示する表示手段と、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査し、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルが整合しない場合に、前記表示手段に対して、前記第一の画像ファイルに基づく画像の表示を許可する一方、前記第二の画像ファイルに基づく画像の表示を許可しない制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、画像データを構成する管理ファイルと第二の画像ファイルが整合しない場合に、信号処理手段に対して、第一の画像ファイルの生成を許可する一方、画像データの生成を許可しないので、電源の復旧後は、すぐに第一の画像ファイルの生成を行なうことができるという効果を奏する。
【0011】
また、本発明によれば、画像データを構成する管理ファイルと第二の画像ファイルが整合しない場合に、表示手段に対して、第一の画像ファイルに基づく画像の表示を許可する一方、第二の画像ファイルに基づく画像の表示を許可しないので、電源の復旧後は、すぐに第一の画像ファイルの表示を行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100の外観図
【図2】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100のブロック図
【図3】記憶媒体212内のフォルダ構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
(1.外観)
以下、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラについて、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100の外観図である。図1(a)は、正面図であり、図1(b)は、背面図である。本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、AVCHD規格によって規定された動画とDCF(Design rule for Camera File system)規格によって規定された静止画を記録できる。
【0015】
デジタルカメラ100の正面には、撮像光学系101とフラッシュ102が配されている。撮像光学系101は、被写体像をデジタルカメラ100内の撮像素子に結像させる。フラッシュ102は、静止画撮影モードにおいて、暗所での撮影の場合に、閃光を発して撮影光量の不足を補う。
【0016】
デジタルカメラ100の上面には、シャッターボタン103が配されている。静止画撮影モードにおいて、シャッターボタン103を押下すると、撮像素子に結像した光学像に基づく電気信号が静止画ファイルとしてメモリカードなどの記録媒体に記録される。
【0017】
また、動画撮影モードにおいて、シャッターボタン103を押下すると、撮像素子に結像した光学像に基づく電気信号が、順次、動画ファイルとして記録媒体に記録される。再度、シャッターボタン103を押下すると、動画ファイルの記録が終了する。同時に、記録媒体に管理ファイルが存在しない場合は、管理ファイルが記録媒体に新たに作成され、記録媒体に管理ファイルが既に存在する場合は、管理ファイルが更新される。ここで、管理ファイルと動画ファイルの組を画像データと呼ぶ。
【0018】
管理ファイルには、撮影時間や動画ファイルのプロファイル情報などが記載される。撮影時間は、撮影が終了して初めて分かる情報であるため、撮影の終了後、管理ファイルに記載される。撮影時間や動画ファイルのプロファイル情報などは、撮影中にワークRAMなどに書き出しておいて、撮影が終了してから管理ファイルに記載するのが一般的である。したがって、撮影中にバッテリーの脱落やACアダプタ使用時のケーブル抜けなど、不慮の事故による電源断が発生すると、管理ファイルと動画ファイルが整合しない。加えて、新たな動画の撮影も行うことができない。
【0019】
デジタルカメラ100の下面には、記録媒体を装着するスロット108が配されている。デジタルカメラ100を用いて静止画および動画を撮影した場合、静止画ファイルと動画ファイルは、記録媒体内の異なるフォルダに格納される。また、再生モードにおいては、記録媒体に記録された静止画ファイルに基づく静止画や動画ファイルに基づく動画を液晶モニター104に表示する。
【0020】
デジタルカメラ100の背面には、液晶モニター104、モードダイヤル105、各種操作ボタン106が配されている。液晶モニター104には、静止画撮影モードまたは動画撮影モードのとき、撮像素子に結像した光学像に基づく画像が、順次、表示される。したがって、液晶モニター104に表示された画像を確認しながら撮影のための構図を決定することができる。また、液晶モニター104は、再生モードのとき、記録媒体に記録された静止画ファイルに基づく静止画や動画ファイルに基づく動画を表示することができる。
【0021】
モードダイヤル105は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードを切り替えるためのダイヤル式のスイッチである。モードダイヤル105を操作することによって、デジタルカメラ100の動作モードを決定することができる。デジタルカメラ100の動作モードには、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードがある。
【0022】
静止画撮影モードは、シャッターボタン103を押下することにより、撮像素子に結像した光学像に基づく電気信号を静止画ファイルとして記録媒体に記録する動作モードである。静止画撮影モードは、さらに全自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、シーン別撮影モードに細分される。
【0023】
動画撮影モードは、シャッターボタン103を押下してから、再度、シャッターボタン103を押下するまでの間、撮像素子に結像した光学像に基づく電気信号を、順次、動画ファイルとして記録媒体に記録する動作モードである。
【0024】
再生モードは、記録媒体に記録された静止画ファイルに基づく静止画や動画ファイルに基づく動画を液晶モニター104に表示する動作モードである。また、静止画ファイルのサムネイル画像と動画ファイルの代表画像を示すサムネイル画像を混在させて、撮影日時順に並べて液晶モニター104に表示することができる。液晶モニター104に表示されたサムネイル画像を選択することによって、表示を切り替えることができる。すなわち、静止画ファイルのサムネイル画像が選択された場合は、静止画ファイルに基づく静止画が液晶モニター104に表示され、動画ファイルの代表画像を示すサムネイル画像が選択された場合は、動画ファイルに基づく動画が再生される。
【0025】
各種操作ボタン106は、液晶モニター104にメニュー画面を表示するためのメニューボタン106b、メニュー画面における項目を選択するために上下左右にカーソルを移動させる上下左右ボタン106a、メニュー画面においてカーソルが存在する項目の決定を指示する決定ボタン106b(メニューボタンと兼用)、液晶モニター104上のOSD(On Screen Display)表示項目を切り替えるための表示切替ボタン106c、不要な静止画ファイルまたは動画ファイルの削除を指示する削除ボタン106dから構成される。動画ファイルが削除されると、これを受けて管理ファイルが更新される。
【0026】
これらのボタンを操作することによって、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードにおけるさらに詳細な設定をすることができる。すなわち、静止画撮影モードにおいては、露出補正、ホワイトバランス調整、フラッシュ102の発光に関する設定などを行うことができる。また、動画撮影モードにおいては、解像度やフレームレートを変更することができる。さらに、再生モードにおいては、液晶モニター104に表示された静止画の拡大や縮小、液晶モニター104に同時に表示するサムネイル画像の数の設定、記録媒体に記録された静止画ファイルや動画ファイルの検索などを行うことができる。
(2.構成)
図2は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100のブロック図である。
【0027】
本実施の形態に係るデジタルカメラ100は、記録媒体212に、メモリカードを採用する。
【0028】
操作手段211は、シャッターボタン103、各種操作ボタン106、モードダイヤル105から構成され、これらを通じてユーザの指示を制御手段202に出力する。
【0029】
制御手段202は、操作手段211から出力されたユーザの指示にしたがって、撮像手段201、信号処理手段205、表示制御手段203、記録制御手段206を制御し、撮影、記録および再生などの処理を実行する。
【0030】
表示手段204は、液晶モニター104から構成され、撮像素子に結像した光学像に基づく画像や、記録媒体に記録されている静止画ファイルや動画ファイルの再生画像、撮影や再生に関する設定を行うメニュー画面などを表示する。表示制御手段203は、表示手段204の表示を制御する。
【0031】
撮像手段201は、CCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子から構成され、制御手段202の指示にしたがって、光学像を電気信号に変換し、信号処理手段205に出力する。
【0032】
信号処理手段205は、静止画撮影モードにおいて、撮像手段201から出力された電気信号に対して、JPEG圧縮などの圧縮処理を行い、圧縮された静止画ファイルを記録制御手段206に出力する。
【0033】
また、信号処理手段205は、動画撮影モードにおいて、撮像手段201から、順次、出力される電気信号に対して、MPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮などの圧縮処理を行い、圧縮された動画ファイルを記録制御手段206に出力する。
【0034】
さらに、信号処理手段205は、静止画撮影モードおよび動画撮影モードにおいて、撮像手段201から、順次、出力される電気信号を、YC信号などの表示手段204が表示できる信号に変換し、表示制御手段203に出力する。
【0035】
加えて、信号処理手段205は、再生モードにおいて、記録制御手段206から出力される記録媒体212内の静止画ファイルを伸張し、表示制御手段203に出力する。また、記録制御手段206から出力される記録媒体212内の動画ファイルを伸張し、表示制御手段203に出力する。
【0036】
記録制御手段206は、信号処理手段205から出力された静止画ファイルまたは動画ファイルを記録媒体212に記録する。また、制御手段202の指示にしたがって、記録媒体212から静止画ファイルまたは動画ファイルを読み出し、信号処理手段205に出力する。さらに、制御手段202の指示にしたがって、記録媒体212内の管理ファイルを読み出し、制御手段202に出力する。
(3.フォルダ構成)
図3は、記憶媒体212内のフォルダ構成を示す図である。フォルダ名は四角によって囲まれているが、ファイル名は四角によって囲まれていない。ROOTフォルダの下位には、DCIMフォルダとPRIVATEフォルダが作成されている。
【0037】
DCIMフォルダは、DCF規格によって規定されたフォルダである。DCIMフォルダの下位には、100_PANAフォルダが作成されている。100_PANAフォルダは、DCF規格に基づいて命名されたフォルダであって、静止画ファイルが格納される。P1000001.jpgファイルからP100nnnn.jpgファイルは、DCF規格に基づいて命名された静止画ファイルである。静止画ファイルに対応する管理ファイルは、存在しない。静止画ファイルは、本発明の第一の画像ファイルの一例である。
【0038】
PRIVATEフォルダの下位には、AVCHDフォルダが作成されている。AVCHDフォルダの下位には、BDMVフォルダが作成されている。BDMVフォルダに格納されるファイルとBDMVフォルダの下位のフォルダに格納されるファイルは、本発明の画像データを構成するファイルの一例である。
【0039】
BDMVフォルダの下位には、STREAMフォルダが作成されている。STREAMフォルダには、動画ファイルが格納される。00000.mtsファイルからXXXXX.mtsファイルは、動画ファイルである。動画ファイルは、本発明の第二の画像ファイルの一例である。
【0040】
BDMVフォルダに格納されるファイルとBDMVフォルダの下位のフォルダに格納されるファイルのうち、STREAMフォルダに格納される動画ファイル以外のファイルは、本発明の管理ファイルの一例である。
【0041】
本発明の管理ファイルの一例として、CLIPINFフォルダに格納されるクリップ情報ファイルについて説明する。BDMVフォルダの下位には、CLIPINFフォルダが作成されている。CLIPINFフォルダには、クリップ情報ファイルが格納される。00000.cpiファイルからXXXXX.cpiファイルは、クリップ情報ファイルである。クリップ情報ファイルは、動画ファイルと一対一に対応し、対応する動画ファイルの撮影時間などの情報が記載されている。
【0042】
BDMVフォルダに格納されるINDEX.bdmファイル、MOVIEOBJ.bdmファイルおよびPLAYLISTフォルダに格納される00000.mplファイルからYYYYY.mplファイルについては説明を省略する。
(4.動作)
図4は、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100の動作を示すフローチャートである。角丸四角は、表示手段204に表示される画面を示している。
【0043】
本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、動画撮影モードで起動後に管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査する(S400)。ここで、管理ファイルは、BDMVフォルダに格納されるファイルとBDMVフォルダの下位のフォルダに格納されるファイルのうち、STREAMフォルダに格納される動画ファイル以外のファイルであり、動画ファイルは、STREAMフォルダに格納される動画ファイルである。
【0044】
記録制御手段206は、制御手段202の指示にしたがって、記録媒体212内の管理ファイルを読み出し、制御手段202に出力する。制御手段202は、すべての管理ファイルがAVCHD規格に準拠しているか、管理ファイルに記載されるべき情報に抜けがないかを検査する。一例として、CLIPINFフォルダに格納されるクリップ情報ファイルの検査をあげる。クリップ情報ファイルは、動画ファイルと一対一に対応するので、動画ファイルに対応するクリップ情報ファイルが存在しない場合、制御手段202は、管理ファイルと動画ファイルが整合しないと判断する。
【0045】
管理ファイルと動画ファイルが整合している場合は、静止画、動画ともに撮影が可能である(S401)。一方、管理ファイルと動画ファイルが整合していない場合は、制御手段202は、表示手段204にエラー表示1を表示させる(S402)。表示手段204には、画面1で示される画面が表示される。
【0046】
続けて、制御手段202は、デジタルカメラ100の電源を検査する。管理ファイルと動画ファイルが整合していない場合、これを修復するには、一定の時間と電力を要するからである。
【0047】
まず、制御手段202は、デジタルカメラ100にACアダプタが装着されているか否かを検査する(S403)。ACアダプタが装着されているか否かは、電源に一時的な負荷をかけて、電源電圧の低下傾向を観測することで判断できる。また、ACアダプタの装着を検出するために機械的な検出手段を設けても構わない。
【0048】
デジタルカメラ100にACアダプタが装着されている場合は、電力が安定して供給されるので、電源の検査を終了する。デジタルカメラ100にACアダプタが装着されていない場合は、バッテリーの残量を検査する(S404)。バッテリーの残量は、ACアダプタが装着されているか否かの検査と同様に、電源に一時的な負荷をかけて、電源電圧の低下傾向を観測することで判断できる。したがって、ACアダプタが装着されているか否かの検査とバッテリーの残量の検査を同時に行なっても構わない。
【0049】
バッテリーの残量が管理ファイルと動画ファイルを整合させるために必要な電力に満たない場合は、制御手段202は、表示手段204にエラー表示2を表示させる(S405)。表示手段204には、画面2で示される画面が表示される。しかしながら、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、このような場合であっても、静止画のみ撮影することができる(S410)。したがって、バッテリーの残量が管理ファイルと動画ファイルを整合させるために必要な電力に満たないため、管理ファイルと動画ファイルを整合させることができなくても、静止画のみ撮影することができるので、利便性が向上する。なお、管理ファイルと動画ファイルを整合させることができなくても、ACアダプタを装着することにより、あるいはバッテリーを充電することにより、事後的に管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なうことができるように構成すべきであることはいうまでもない。
【0050】
バッテリーの残量が管理ファイルと動画ファイルを整合させるために必要な電力を超える場合は、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なうか否かをユーザに問い合わせる(S406)。表示手段204には、画面3で示される画面が表示される。
【0051】
ユーザが、撮影機会を逃さないために管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行わないことを選択しても、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、静止画のみ撮影することができる(S410)。したがって、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なわなくても、すぐに静止画のみ撮影することができるので、撮影機会を逃すことがなく、利便性が向上する。なお、ユーザが、撮影機会を逃さないために管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行わないことを選択しても、事後的に管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なうことができるように構成すべきであることはいうまでもない。
【0052】
ユーザが管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なうことを選択すると、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を開始する。制御手段202は、表示手段204に状態表示1を表示させる(S407)。表示手段204には、画面4で示される画面が表示される。
【0053】
管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復には、一定の時間を要する。一例として、CLIPINFフォルダに格納されるクリップ情報ファイルの修復をあげる。クリップ情報ファイルには、対応する動画ファイルの撮影時間などの情報が記載されている。したがって、クリップ情報ファイルを修復するには、対応する動画ファイルを表示手段204に表示させることなく内部的に再生して撮影時間を確認し、確認した撮影時間をクリップ情報ファイルに記載しなければならない。このような処理が発生するので、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復には、一定の時間と電力を要する。
【0054】
管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復が終了すると、制御手段202は、表示手段204に状態表示2を表示させる(S408)。表示手段204には、画面5で示される画面が表示される。これにより、本発明のデジタルカメラ100は、静止画、動画ともに撮影が可能となる(S409)。
(5.付記)
(1)本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、動画撮影モードで起動後に管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査するとした(S400)。しかしながら、動画撮影モードで起動した場合に限らず、その他の動作モードから動画撮影モードに遷移した場合にも管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査する。また、記録媒体が交換された場合にも管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査する。一方、静止画撮影モードで起動した場合は、管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査してもよいし、検査しなくてもよい。
【0055】
また、再生モードで起動した場合、管理ファイルと動画ファイルが整合していないと動画の再生ができないため、動画を再生するためには管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復が必要であるが、静止画の表示には不要である。このため、再生モードで起動した場合は、常に管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査してもよいし、静止画を表示する場合には管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査しないこととし、動画を再生する直前に管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査してもよい。これによって、ユーザは、電源断によって、管理ファイルと動画ファイルが整合しない場合でも、静止画は閲覧することができるため、静止画の撮影・閲覧が中断されることはないという効果が期待できる。
【0056】
一方、撮影モードと再生モードのみを備える撮像装置が知られている。このような撮像装置においては、静止画を撮影するためのシャッターボタンとは別に、動画を撮影するための専用のボタンが設けられていることが多い。このような撮像装置においては、撮影モードで起動した場合と再生モードから撮影モードに遷移した場合に管理ファイルと動画ファイルの整合性を検査する。管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なわなかった場合は、動画を撮影するための専用のボタンが押下されたときに動画が撮影できない旨を示すエラー表示を表示手段204に表示させて、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なうよう促す。
【0057】
(2)本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、AVCHD規格によって規定された動画とDCF規格によって規定された静止画を記録できるとした。しかしながら、動画には様々な形式が存在する。例えば、MotionJPEG形式の動画が知られている。MotionJPEG形式の動画ファイルは管理ファイルを伴わない。したがって、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100では、MotionJPEG形式の動画を静止画と同様に扱うことができる。すなわち、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なわなくても、すぐに静止画またはMotionJPEG形式の動画を撮影することができるので、撮影機会を逃すことがなく、利便性が向上する。
【0058】
一方で、静止画においても管理ファイルを伴う静止画ファイルが考えられる。例えば、連写やブラケット撮影で撮影された静止画ファイルを管理する管理ファイルが存在する場合である。このような場合は、管理ファイルと静止画ファイルが整合していないときに、連写やブラケット撮影を禁止する一方、単写や動画撮影は許可することとすればよい。要するに、本発明は、管理ファイルと画像ファイルが整合していない場合に、以降の撮影が不可能若しくは支障が生じる撮影を禁止する一方、管理ファイルと画像ファイルが整合していないことによる影響を受けない撮影は許可しようとするものである。
【0059】
(3)管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復について、管理ファイルを修復する場合を中心に説明した。しかしながら、動画ファイルを修復する必要がある場合も考えられる。例えば、動画ファイルが終端を示すEOS(End Of Stream)情報を必要とする場合があげられる。このような場合には、動画ファイルにEOS情報を記載する修復を行なう。また、サムネイル情報が欠落する場合があげられる。このような場合には、サムネイル情報を新たに作成しなければならない。
(6.まとめ)
以上のように、本発明の実施の形態に係るデジタルカメラ100は、バッテリーの脱落やACアダプタ使用時のケーブル抜けなど、不慮の事故による電源断が発生しても、一切の撮影が行えなくなるということがない。また、管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を事後的に行なうこととすれば、電源の修復後、すぐに静止画またはMotionJPEG形式の動画などの管理ファイルを伴わない静止画、動画の撮影をすることができる。そして、事後的に管理ファイルと動画ファイルを整合させる修復を行なえば、管理ファイルを伴う動画の撮影を行うこともできる。したがって、撮影機会を逃すことがなく、利便性を向上した撮像装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、電源の復旧後は、すぐに第一の画像ファイルの生成を行なうことができるので、静止画および動画の撮影機能と画像データの修復機能を有する撮像装置、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラに適用して有用である。
【符号の説明】
【0061】
100 デジタルカメラ
101 撮像光学系
102 フラッシュ
103 シャッターボタン
104 液晶モニター
105 モードダイヤル
106 各種操作ボタン
106a 上下左右ボタン
106b メニュー/決定ボタン
106c 表示切替ボタン
106d 削除ボタン
108 スロット
201 撮像手段
202 制御手段
203 表示制御手段
204 表示手段
205 信号処理手段
206 記録制御手段
211 操作手段
212 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記電気信号に基づいて、
第一の画像ファイル、または、
管理ファイルと第二の画像ファイルから構成される画像データを、
生成する信号処理手段と、
前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査し、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルが整合しない場合に、前記信号処理手段に対して、前記第一の画像ファイルの生成を許可する一方、前記画像データの生成を許可しない制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
被写体の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記電気信号に基づいて、
第一の画像ファイル、または、
管理ファイルと第二の画像ファイルから構成される画像データを、
生成する信号処理手段と、
前記第一の画像ファイルに基づく画像と前記第二の画像ファイルに基づく画像を表示する表示手段と、
前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査し、前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルが整合しない場合に、前記表示手段に対して、前記第一の画像ファイルに基づく画像の表示を許可する一方、前記第二の画像ファイルに基づく画像の表示を許可しない制御手段と、
を有する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記管理ファイルの一部または全部は、
前記第二の画像ファイルの生成が終わった後に生成が完了する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第二の画像ファイルは、
動画を記録した画像ファイルである、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記画像データの生成中に電源断が生じた場合、電源が復旧したときに前記管理ファイルと前記第二の画像ファイルの整合性を検査する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−109443(P2011−109443A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262684(P2009−262684)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】