説明

撮像装置

【課題】撮影画質の劣化が少なく良好な撮影画質を得られ、短い合焦時間で、高い測距精度の撮像装置を提供する。
【解決手段】複数の画素を有する撮像素子と、
第1の瞳領域及び第2の瞳領域の一方の瞳領域への光の入射を選択的に制限する透過率可変フィルターと、
複数の一組の画素群において、光の入射制限及び解除を各組の画素群で独立して撮像ごとに交互に行うように透過率可変フィルターを制御するとともに、各組の画素群の一部の画素において第1の瞳領域に対して光の入射制限及び解除を行い、各組の画素群の残りの画素において第2の瞳領域に対して光の入射制限及び解除を行うように透過率可変フィルターを制御する透過率可変フィルター制御部と、測距信号を取得する測距信号取得部と、デフォーカス量を演算する演算部と、撮像信号を取得する撮像信号取得部と、画像データを生成する画像生成部と、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例の撮像用画素と焦点検出用画素が2次元的に配列された素子を用いた撮像装置としては、以下の特許文献1に開示された構成が知られている。この構成では、オンチップレンズをマスキングすることで、瞳分割機能を達成している。
【0003】
また、撮影レンズの絞り開口を、時系列的に、右側開口、左側開口、撮影用開口に切り換える構成を有した撮像装置としては、以下の特許文献2に開示された構成が知られている。この構成では、右側開口時の画像と左側開口時の画像とを比較して、位相差AFを行う機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−42555号公報
【特許文献2】特開平11−142723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の撮像装置には、主に2つの測距方式がある。
(1)コントラスト方式
(2)位相差方式
(1)のコントラスト方式では、フォーカシング状態を変えながらコントラスト値を評価する、いわゆる山登り方式を採用している。このため、合焦時間が長い。
一方、同じ撮像素子を用いてオートフォーカス(AF)と、撮影画像の取得とを行う場合、撮影画質への影響はない。
【0006】
また、(2)の位相差方式では、原理的に1回の測距でデフォーカス量を検出できる。このため、合焦時間は短い。
一方、同じ撮像素子でAFと撮影画像の取得を行う場合、特許文献1に提案されているような方式では、撮影画像の取得に測距用画素からの信号出力を使えないこと、又は撮影画像を構成するための信号は劣化した信号になるという課題がある。
特に、測距精度を上げるために測距用画素を増やすと、撮影画像の画質の劣化が大きくなるという課題もあった。
【0007】
特に、特許文献2に開示された方式では、撮影までに3枚の画像を取得する必要がある。このため、撮影までの時間がかかるという課題がある。
また、右側開口からの画像取得と、左側開口からの画像取得とに時間差がある。このため、動いている被写体、照明条件(陽のあたり方を含め)が変化する被写体でのAF精度が劣化するという課題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影画質の劣化が少なく良好な撮影画質を得られ、短い合焦時間で、高い測距精度の撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、
2次元に配列された複数の画素を有し、フレーム単位で被写体像の複数回の撮像を実行する撮像素子と、
画素の各々において、所定の領域を第1の瞳領域、第1の瞳領域と点対称な領域を第2の瞳領域とするとき、画素の各々について、第1の瞳領域及び第2の瞳領域の一方の瞳領域への光の入射を選択的に制限する透過率可変フィルターと、
複数の画素の少なくとも一部を構成する複数の一組の画素群において、光の入射の制限及び制限の解除を各組の画素群で独立して撮像ごとに交互に行うように透過率可変フィルターを制御するとともに、各組の画素群の一部の画素において第1の瞳領域に対して光の入射の制限及び制限の解除を行い、各組の画素群の残りの画素において第2の瞳領域に対して光の入射の制限及び制限の解除を行うように透過率可変フィルターを制御する透過率可変フィルター制御部と、
光の入射が制限された画素からの信号をフレーム単位で測距信号として取得する測距信号取得部と、
取得された測距信号に基づいてデフォーカス量を演算する演算部と、
光の入射の制限が解除されている画素群からの信号を撮像信号として取得する撮像信号取得部と、
取得した撮像信号に基づいて画像データを生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルターは、画素ごとに配置されていることが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルターは、撮像素子と撮像光学系との間の光路に配置されていることが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルターは、撮像素子の光が入射する側の近傍に配置されていることが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、一部の画素の全ての画素について第1の共通領域を第1の瞳領域として遮光させることが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、撮像素子の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させることが望ましい。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、一部の画素のうち、一部の画素については第1の共通領域を第1の瞳領域として遮光させ、一部の画素のうち、残りの画素については第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を第1の瞳領域として遮光させることが望ましい。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、撮像素子の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち第1の共通領域と異なる領域を遮光させることが望ましい。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像における一方の撮像では、いずれの画素も光の入射を制限させないことが望ましい。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、透過率可変フィルター制御部は、光の入射を制限させない画素については、透過率を均一にさせることが望ましい。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像において、複数の一組の画素群に含まれる画素が排他的になるように透過率可変フィルターを制御することが望ましい。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像の一方において、第1の共通領域を第1の瞳領域として遮光させ、他方において、第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を第1の瞳領域として遮光させることが望ましい。
【0021】
また、本発明の好ましい態様によれば、透過率可変フィルター制御部は、撮像素子の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち第1の共通領域と異なる領域を遮光させることが望ましい。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の画素群と第2の画素群とは、入射光が制限されている領域が隣接するように配置されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、撮影画質の劣化が少なく良好な撮影画質を得られ、短い合焦時間で、高い測距精度の撮像装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの内部構成を示す図である。
【図2】撮像装置11のボディ制御部の機能ブロックを示す図である。
【図3】第1のデータを取得するときの、撮像素子(イメージャ)における画素配置を示す平面図である。
【図4】第1の撮像に続く、第2の撮像である第2のフレームの各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
【図5】第1実施形態の変形例における各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示した図である。
【図6】本実施形態の撮影の流れを説明するフローチャートである。
【図7】焦点検出サブルーチン1の流れを示すフローチャートである。
【図8】撮影サブルーチン1の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1のデータと第2のデータとを取得するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】第1の撮像、即ち第1のフレームにおける各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示した図である。
【図11】第1の撮像に連続する第2の撮像、即ち第2のフレームにおける各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示した図である。
【図12】大まかな撮影の流れを示す図である。
【図13】第2実施形態における撮影の流れを示すフローチャートである。
【図14】第1のデータと第2のデータとを取得するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図15】第2実施形態の変形例における画素の遮光を示す図である。
【図16】本実施形態の構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る撮像装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0026】
(第1実施形態)
(デジタルカメラ)
まず、本発明の実施形態に係る撮像装置を備えたカメラについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ11の内部構成を示す図である。
デジタルカメラ11は、交換レンズ12と、カメラボディ13と、から構成され、交換レンズ12はマウント部14によりカメラボディ13に装着される。
【0027】
交換レンズ12は、レンズ制御部33、レンズ駆動部16、絞り駆動部15、ズーミング用レンズ18、レンズ19、フォーカシング用レンズ20、及び、絞り21を備えている。レンズ制御部33は、マイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から成り、フォーカシング用レンズ20と絞り21の駆動制御、絞り21、ズーミング用レンズ18およびフォーカシング用レンズ20の状態検出、並びに、ボディ制御部24に対するレンズ情報の送信とカメラ情報の受信などを行う。
【0028】
絞り駆動部15は、レンズ制御部33を介して、ボディ制御部24からの信号に基づいて、絞り21aの開口径を制御する。また、レンズ駆動部16は、レンズ制御部33を介して、ボディ制御部24からの信号に基づいて、ズーミング用レンズ18、フォーカシング用レンズ20を駆動する。
【0029】
透過率可変フィルター制御部31は、第1瞳領域からの光束と、第2瞳領域からの光束とを受光するように入射光を制限するため、透過率可変フィルター30が制限または解除する領域と、制限または解除するタイミングと、を制御する。
さらに、透過率可変フィルター制御部31は、2つのフレームにおいて、入射光を制限する画素が重複しないように可変フィルター30を制御する。
【0030】
カメラボディ13は撮像素子22、ボディ制御部24、液晶表示素子駆動回路25、液晶表示素子26、接眼レンズ27、メモリカード29などを備えている。撮像素子22には後述する画素が二次元状に配列されており、交換レンズ12の予定結像面に配置されて交換レンズ12により結像される被写体像を撮像する。撮像素子22の所定の焦点検出位置には焦点検出用画素(以下、AF用画素という)が配列される。
【0031】
ここで、交換レンズ12は撮像光学系に対応し、撮像素子22は撮像素子に対応する。
【0032】
ボディ制御部24はマイクロコンピューターとメモリなどの周辺部品から構成され、撮像素子駆動回路28を介して、撮像素子22からの画像信号の読み出し、画像信号の補正、交換レンズ12の焦点調節状態の検出、レンズ制御部33からのレンズ情報の受信とカメラ情報(デフォーカス量)の送信、デジタルカメラ全体の動作制御などを行う。ボディ制御部24とレンズ制御部33は、マウント部14の電気接点部23を介して通信を行い、各種情報の授受を行う。
【0033】
液晶表示素子駆動回路25は、液晶ビューファインダーの液晶表示素子26を駆動する。撮影者は接眼レンズ27を介して液晶表示素子26に表示された像を観察する。メモリカード29はカメラボディ13に脱着可能であり、画像信号を格納記憶する可搬記憶媒体である。
【0034】
交換レンズ12を通過して撮像素子22上に形成された被写体像は、撮像素子22により光電変換され、その出力はボディ制御部24へ送られる。ボディ制御部24は、撮像素子22上のAF用画素の出力データ(第1像信号、第2像信号)に基づいて所定の焦点検出位置におけるデフォーカス量に基づきレンズ駆動量を算出し、このレンズ駆動量をレンズ制御部33を介して、レンズ駆動部16へ送る。また、ボディ制御部24は、撮像素子22の出力に基づいて生成した画像信号をメモリカード29に格納するとともに、画像信号を液晶表示素子駆動回路25へ送り、液晶表示素子26に画像を表示させる。
【0035】
カメラボディ13には不図示の操作部材(シャッターボタン、焦点検出位置の設定部材など)が設けられており、これらの操作部材からの操作状態信号をボディ制御部24が検出し、検出結果に応じた動作(撮像動作、焦点検出位置の設定動作、画像処理動作)の制御を行う。
【0036】
レンズ制御部33は、レンズ情報をフォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じて変更する。具体的には、レンズ制御部33は、レンズ18及びフォーカシング用レンズ20の位置と絞り21の絞り位置をモニターし、モニター情報に応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからモニター情報に応じたレンズ情報を選択する。レンズ制御部33は、受信したレンズ駆動量に基づいてフォーカシング用レンズ20を不図示のモーター等の駆動源により合焦点へと駆動する。
また、レンズデータ格納部32は、レンズに関する諸データ(焦点距離、Fナンバーなど)を格納している。
【0037】
図2は、撮像装置11のボディ制御部24の機能ブロックを示す図である。
撮像素子22からは、撮影用画素からの信号、焦点検出用画素からの信号、第1像信号、及び第2像信号のいずれの信号であるかを識別するための信号がラインaを経由してA/D変換部131へ入力する。
【0038】
撮像信号取得部133は、信号処理部132を経由した信号を取得する。撮影用画素からの信号は、表示画像構成部134により、液晶表示素子駆動回路25へ出力される。液晶表示素子26は、撮影用の画像を表示する。使用者は、接眼レンズ27を通して撮影用の画像を観察できる。
【0039】
記録画像構成部139は、撮影用画素からの信号に基づいて記録画像データを構成する。記録画像データは、メモリーカード29に格納される。
表示画像構成部134と記録画像構成部139とで画像生成部を構成する。
【0040】
また、焦点検出用画素からの信号は、測距信号取得部135から演算部136へ出力される。
演算部136は、第1像信号、及び第2像信号に基づいて相関演算を行い、デフォーカス量を演算する。レンズ駆動量算出部137は、デフォーカス量に応じてフォーカシング用レンズ20の駆動量を算出する。
【0041】
これら、演算部136〜制御部138により、レンズ駆動して撮影するフローチャートの詳細に関しては、後述する。
【0042】
信号VDは、フレームの開始を制御する信号である。VE1、VE2信号は、透過率可変フィルター30への駆動電圧である。これらの信号に関しては、後述する。信号eは、レンズ駆動の信号である、信号cは、記録画像の信号である。
【0043】
図3は、第1のデータを取得するときの、撮像素子22(イメージャ)における画素配置を示す平面図である。
【0044】
次に、本実施形態において、透過率可変フィルターと撮像素子とによる画素へ入射する光の制限または解除について説明する。
【0045】
撮像素子22は、2次元に配列された複数の画素を有し、フレーム単位で被写体像の複数回の撮像を実行する。
【0046】
図1において、透過率可変フィルター30は、撮像素子22の画素ごとに配置されている。これにより、画素単位での光の入射の制限、解除の制御が可能となる。
【0047】
透過率可変フィルター30は、撮像素子22と撮像光学系である交換レンズ12との間の光路に配置されている。これにより、効率よく、光の入射の制限、解除を行うことができる。
【0048】
また、透過率可変フィルター30は、撮像素子22の光が入射する側の近傍に配置されている。これにより、効率よく、光の入射の制限、解除を行うことができる。
【0049】
まず、本実施形態では、連続する2つの撮像、例えば第1のフレームと、第2のフレームとにより、フォーカシングと記録画像構成とを行う。図3は、第1の撮像である第1のフレームの画素状態を示している。図4は、第1の撮像に続く、第2の撮像である第2のフレームの画素状態を示している。
【0050】
まず、本実施形態における、第1のフレームに関して説明する。
図3は、第1のフレームにおいて、各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
【0051】
図3では、縦16画素(L01〜L16)、横16画素(F01〜F16)で合計256画素の例を示している。しかしながら、画素数はこれに限るものでなく、例えば合計画素が1000万画素を超えるものでも構わない。
【0052】
透過率可変フィルター31は、画素の各々において、所定の領域を第1の瞳領域、第1の瞳領域と点対称な領域を第2の瞳領域とするとき、画素の各々について、第1の瞳領域及び第2の瞳領域の一方の瞳領域への光の入射を選択的に制限する。
【0053】
また、透過率可変フィルター制御部31は、複数の画素の少なくとも一部を構成する複数の一組の画素群において、光の入射の制限及び制限の解除を各組の画素群で独立して撮像ごとに交互に行うように透過率可変フィルター30を制御する。
【0054】
さらに、透過率可変フィルター制御部31は、各組の画素群の一部の画素において第1の瞳領域に対して光の入射の制限及び制限の解除を行い、各組の画素群の残りの画素において第2の瞳領域に対して光の入射の制限及び制限の解除を行うように透過率可変フィルター30を制御する。
以下、上述の制御を具体的に説明する。
【0055】
図3の配置をF01〜10の列から見ると次のようになる。
F01の列では、上から(L01から)順に、一番下の画素L16まで、各画素の右半分(左下がり斜線を付している領域)において入射する光が制限されて、透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0056】
F02の列では、上から順に、一番下の画素L16まで、各画素の左半分(右下がり斜線を付している領域)の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
F03以降の列は、F01、F02のパターンを繰り返す配置になっている。
【0057】
以下の説明においては、特定の画素を示すときに、行番号L01〜L10と列番号F01〜F10を並べて表す。例えば、L01の行のうち、F01の列に対応する画素を「L01F01」で表す。
【0058】
透過率可変フィルター制御部31は、一部の画素の全ての画素について第1の共通領域を第1の瞳領域として遮光させる。ここで、「一部の画素」は、例えば、F02列のすべての画素をいう。つまり、F02列のすべての画素において、第1の瞳領域(左半分)を遮光させる。
【0059】
透過率可変フィルター制御部31は、撮像素子22の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分(右下がりの斜線を付した領域)を遮光させる。
なお、ここで、上半分を遮光させることもできる。
【0060】
例えば、「一組の画素群」を、「L01F01、L01F02」とする。一組の画素群のうち、一部の画素L01F02については、左半分を第1の瞳領域として遮光させる。また、残りの画素L01F01については、画素の右半分の領域を遮光させる。
【0061】
これにより、図3に示すように、第1のフレームでは、画素の右半分を遮光した列(例えばF01列)と、左半分を遮光した列(例えばF02列)とが、交互に配置される構成となる。
【0062】
このように全ての画素をデフォーカス検出用の画素とし、測距精度を上げることができる。又、デフォーカス算出の信号処理や撮像素子のカラーフィルターを考慮し、一部の画素を測距用の画素としてもよい。
【0063】
次に、連続する2つの撮像の一方において、即ち第2のフレームにおける画素状態について説明する。
図4は、第1の撮像に続く、第2の撮像である第2のフレームの画素状態を示している。
図4は、各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
全ての画素L01F01〜L16F16において、透過率が高い状態または透過率が100%の状態となる。
【0064】
透過率可変フィルター制御部31は、連続する2つの撮像における一方の撮像、すなわち第1の撮像では、いずれの画素も光の入射を制限させない。
これにより、すべての画素全面から光が撮像素子22へ入射する。
【0065】
さらに、透過率可変フィルター制御部31は、光の入射を制限させない画素については、透過率を均一にさせる。
これにより、すべての画素全面から均一な光量の光が撮像素子22へ入射する。
【0066】
ここでは、測距用画素の構成にかかわらず、全画素を画像形成用に使うことができるので、良好な画像を得ることができる。例えば、1,000,000画素を超えるような撮像素子であれば、必要な画質を得るために測距用画素の構成にかかわらず最適な画素加算や画素間引きを行ってもよい。
【0067】
次に、上述した2つの連続する撮像の流れを説明する。
図6は、本実施形態の撮影の流れを説明するフローチャートである。
【0068】
ステップS101において、撮影者は撮影を開始する。
ステップS102において、撮影者が選択したのは静止画モードであるか、動画モードであるかが判断される。
【0069】
ステップS102において、静止画モードが選択されていると判断された場合、ステップS103へ進む。ステップS103において焦点検出サブルーチン1が実行される。ステップS104において、撮影サブルーチン1が実行される。焦点検出サブルーチン1と撮影サブルーチン1とについては後述する。
【0070】
ステップS102において、動画モードが選択されていると判断された場合、ステップS105へ進む。ステップS105において焦点検出サブルーチン1が実行される。ステップS106において、撮影サブルーチン1が実行される。
【0071】
ボディ駆動制御部24に、焦点検出サブルーチン1や、撮影サブルーチンを行うための構成が含まれている。
但し、上記図のフローに限定されない。
例えば、電源ON後、初期状態検出、撮像素子駆動、プレビュー画像表示などをおこなってもよい。また、撮影開始をシャッターボタン半押し後、焦点検出サブルーチンに移り、合焦後、確認画像を表示し、シャッターボタン全押し後に、撮影サブルーチンに移るフローでもよい。
【0072】
図7は、焦点検出サブルーチン1の流れを示すフローチャートである。
ステップS201において、透過率可変フィルター制御部31は、上述したような領域について透過率可変フィルター30の光強度透過率を制御する。
【0073】
ステップS202において、測距信号取得部135は、第1のフレームにおいて得られる左右方向に関する測距信号を読み出す。
【0074】
測距信号取得部135は、光の入射が制限された画素からの信号をフレーム単位で測距信号として取得する。
【0075】
ステップS203において、演算部136は、取得された測距信号に基づいてデフォーカス量を演算する。
【0076】
さらに、ステップS204において、演算結果の信頼性が判定される。ステップS205において、デフォーカス量が算出される。ステップS206において、レンズ駆動量算出部137は、レンズ駆動量を算出する。
【0077】
ステップS207において、レンズ駆動部16は、制御部138及びレンズ制御部33を介して、フォーカシングレンズ20を駆動する。
【0078】
図8は、撮影サブルーチン1の流れを示すフローチャートである。
ステップS301において、透過率可変フィルター31は、透過率可変フィルター30を図4に示す遮光しない状態に制御する。
ステップS302において、表示画像構成部134、記録画像構成部139は、画像を構成する第2のデータを読み出す。そしてステップS303において遮光されていない画素からのデータに基づいて、画像を構成する。
【0079】
具体的には、ステップS304において、記録画像構成部139が構成した画像を記録する。
ステップS304において、表示画像構成部134は画像を構成する。ステップS305において、液晶表示素子26は、表示画像構成部134が構成した画像を表示する。
【0080】
図9は、第1のデータと第2のデータとを取得するタイミングを示すタイミングチャートである。
図9において、制御部139は、一番上段に示すVD信号を出力する。VD信号は、フレームの始まりを制御する。また、制御部139は、上から2番目に示すVE信号を出力する。信号VEは、透過率可変フィルター30に対する駆動電圧を制御する。
第1のデータは、測距信号、即ち焦点検出用信号の信号に相当する。第2のデータは、画像構成用信号に相当する。
【0081】
図9に示すように、第1のデータを読み出すフレームと、第2のデータを読み出すフレームとを交互に繰り返す。演算部136は、第1のデータに基づいて、相関演算を行う。また、表示画像構成部134は、第2のデータに基づいて、表示画像を構成する。
【0082】
信号の読出しについて、従来の読出し順序は、L01行、L02行・・・・L08行のように行方向に読出している。
本実施形態では、読出し順序は、F01列、F02列・・・・F08列とする。但し、読出しの順序に関してはこれに限定されるものではない。
【0083】
(第1実施形態の変形例)
図5は、上述した第1実施形態の変形例における各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
本変形例では、第1のデータを取得するときの、光の入射を制限する遮光領域が上述した第1実施形態のときと異なっている。
【0084】
図5において、「一組の画素群」として、8つの隣接する画素L01F01、L02F01、L01F02、L02F02、L01F03、L02F03、L01F04、L02F04を考える。
「各組の画素群の一部の画素」は、例えば一組の画素群のうちのL01F02(左半分遮光)、L02F02(左半分遮光)、L02F03(上半分遮光)、L02F04(上半分遮光)である。
そして、透過率可変フィルター制御部31は、さらに一部の画素として、L01F02、L02F02において、第1の瞳領域として、左半分を遮光させる。また、透過率可変フィルター制御部31は、さらに一部の画素として、L02F03、L02F04において、第1の瞳領域として、上半分を遮光させる。
【0085】
さらに述べると、透過率可変フィルター制御部31は、一部の画素(L01F02(左半分遮光)、L02F02(左半分遮光)、L02F03(上半分遮光)、L02F04(上半分遮光))のうち、さらにその一部の画素((L01F02(左半分遮光)、L02F02(左半分遮光))については第1の共通領域を第1の瞳領域として左半分を遮光させる。
また、一部の画素のうち残りの画素(L02F03(上半分遮光)、L02F04(上半分遮光))については第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を前記第1の瞳領域として上半分を遮光させる。
【0086】
つまり、透過率可変フィルター制御部31は、撮像素子22の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち第1の共通領域と異なる領域を遮光させる。
以下、具体的に説明する。
【0087】
上述したように、透過率可変フィルター制御部31は、L01F02、L02F02の左半分を遮光する。さらに、透過率可変フィルター制御部31は、L01F01、L02F01の右半分を遮光する。
【0088】
また、透過率可変フィルター制御部31は、L02F03、L02F04の上半分を遮光する。さらに、透過率可変フィルター制御部31は、L01F03、L01F04の下半分を遮光する。
【0089】
これにより、F01の列では、上から(L01から)順に、L01F01、L02F01では、右半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0090】
L03F01では、下半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
L04F01では、上半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0091】
そして、L01F01、L02F01、L03F01、L04F01の4つの画素の並びを1セットとして、このセットが列方向に繰り返して配列されている。
【0092】
次に、F02の列では、上から(L01から)順に、L01F02、L02F02では、左半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0093】
L03F02では、下半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
L04F02では、上半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0094】
そして、L01F02、L02F02、L03F02、L04F02の4つの画素の並びを1セットとして、このセットが列方向に繰り返して配列されている。
【0095】
次に、F03の列では、上から(L01から)順に、L01F03では、下半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0096】
L02F03では、上半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
L03F03、L04F03では、右半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0097】
そして、L01F03、L02F03、L03F03、L04F03の4つの画素の並びを1セットとして、このセットが列方向に繰り返して配列されている。
【0098】
次に、F04の列では、上から(L01から)順に、L01F04では、下半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0099】
L02F04では、上半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
L03F04、L04F04では、左半分の透過率が低い状態または透過率がゼロの状態(=遮光状態)となる。
【0100】
そして、L01F04、L02F04、L03F04、L04F04の4つの画素の並びを1セットとして、このセットが列方向に繰り返して配列されている。
【0101】
これにより、図5に示した状態の1つの撮像により、左右方向、上下方向の相関演算を行なうことができる。
【0102】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る撮像装置について説明する。
図10は、第1の撮像、即ち第1のフレームにおける各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
図11は、第1の撮像に連続する第2の撮像、即ち第2のフレームにおける各画素の光軸方向から望んだときの光電変換領域を示したものである。
【0103】
透過率可変フィルター制御部31は、連続する2つの撮像において、複数の一組の画素群に含まれる画素が排他的になるように透過率可変フィルター30を制御する。
【0104】
複数の一組の画素群、「L01F01、L01F02」と「L01F03、L01F04」を考える。
透過率可変フィルター制御部31は、第1のフレームにおいては、「L01F01、L01F02」の画素について、透過率可変フィルター30を制御する。
透過率可変フィルター制御部31は、第2のフレームにおいては、「L01F01、L01F02」とは異なる「L01F03、L01F04」の画素が排他的となるように、透過率可変フィルター30を制御する。このとき、「排他的」に制御するので、「L01F01、L01F02」の画素に関しては、光の入射の制限が解除されている。
【0105】
透過率可変フィルター制御部31は、連続する2つの撮像の一方において、第1の共通領域を第1の瞳領域、例えば、図10のL01F01の右半分、L01F02の左半分として遮光させる。
また、他方において、第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を第1の瞳領域、図11のL01F03の右半分、L01F04の左半分として遮光させる。
これにより、2つの撮像から、左右方向の測距信号による相関演算と、画像構成とを行なうことができる。
【0106】
本実施形態における連続する撮像における透過率可変フィルターの30の制御を説明する。
図12は、第2実施形態における連続する撮像における透過率可変フィルター30の制御を説明する図である。
【0107】
図12は、画素構成を用いて大まかな撮影の流れを示す図である。図12(a)及び図12(b)のいずれか一つの状態から撮影を開始する。
図12(a)、図12(b)のいずれの状態においても、鎖線で囲んだ領域から測距信号を得ることができる。この状態で、初回のフォーシングを行なうことができる。次に、図12(c)、図12(d)の状態を繰り返す。
【0108】
図13は、第2実施形態における撮影の流れを示すフローチャートである。
【0109】
ステップS401において、撮影が開始される。ステップS402において、まず、初めの測距信号を得るために、透過率可変フィルター制御部31は、透過率可変フィルター30を制御する。
【0110】
ステップS403において、測距信号取得部135は、第1のデータである測距信号を読み出す。ステップS404において、演算部136は、第1のデータに基づいて相関演算を行なう。また、ステップS405において、演算部136は、相関演算結果の信頼性を判定する。ステップS406において、演算部136は、デフォーカス量を算出する。
【0111】
ステップS407において、レンズ駆動量算出部137は、レンズ駆動量を算出する。ステップS408において、レンズ駆動部16は、制御部138及びレンズ制御部33を介して、フォーカシングレンズ20を駆動する。
【0112】
ステップS409において、透過率可変フィルター制御部31は、図12(c)で示す状態となるように透過率可変フィルター30を制御する。
ステップS410において、撮像信号取得部133は、第2のデータとして、遮光されていない画素(一点鎖線で囲んだ画素)から、画像構成のための信号を取得する。
【0113】
ステップS411において、撮像信号取得部133は、第2のデータをメモリ141へ書き込む。
【0114】
ステップS412において、透過率可変フィルター制御部31は、図12(d)で示す状態となるように透過率可変フィルター30を制御する。ステップS413において、測距信号取得部135は、第1のデータとして、左半分または右半分が遮光されている画素から、測距信号を取得する。また、ステップS413において、撮像信号取得部133は、第2のデータとして、遮光されていない画素(一点鎖線で囲んだ画素)から、画像構成のための信号を取得する。
【0115】
ステップS414において、メモリ141に格納されている第2のデータ(図12(c)の画像構成信号)を読み出す。
【0116】
ステップS415において、表示画像構成部134、記録画像構成部139は、画像を構成する第2のデータ(図12(c)と図12(d)において遮光されていない画素からのデータに基づいて、画像を構成する。
【0117】
具体的には、ステップS416において、記録画像構成部139が構成した画像を記録する。
ステップS417において、液晶表示素子26は、表示画像構成部134が構成した画像を表示する。そして、撮影を終了する。
【0118】
次に、フォーカシングの流れについて説明する。
ステップS419において、演算部136は、図12(d)で示す右側または左側が遮光された画素からの測距信号である第1のデータに基づいて、相関演算を行なう。
【0119】
さらに、ステップS420において、演算結果の信頼性が判定される。ステップS421において、デフォーカス量が算出される。ステップS422において、レンズ駆動量算出部137は、レンズ駆動量を算出する。
【0120】
ステップS423において、レンズ駆動部16は、制御部138及びレンズ制御部33を介して、フォーカシングレンズ20を駆動する。
【0121】
図14は、第1のデータと第2のデータとを取得するタイミングを示すタイミングチャートである。
図14において、制御部139は、一番上段に示すVD信号を出力する。VD信号は、フレームの始まりを制御する。また、制御部139は、それぞれ上から2番目、3番目に示すVE1信号、VE2信号を出力する。信号VE1、VE2は、透過率可変フィルター30に対する駆動電圧を制御する。
【0122】
信号VE1は、第1の画素群(F01列、F02列、F05列、F06列、F09列、F10列、F13列、F14列)に対する透過率可変フィルター30の駆動電圧である。
信号VE2は、第2の画素群(F03列、F04列、F07列、F08列、F11列、F12列、F15列、F16列)に対する透過率可変フィルター30の駆動電圧である。
第1のデータは焦点検出用信号の読出し、第2のデータは画像構成用信号の読出しに対応する。
【0123】
図14に示すように、まず初めに図12(a)または図12(b)で示す測距信号を取得した後、第1のデータを読み出すフレームと、第2のデータを読み出すフレームとを交互に繰り返す。演算部136は、第1のデータに基づいて、相関演算を行う。また、表示画像構成部134は、第2のデータに基づいて、表示画像を構成する。
【0124】
信号の読出しについて、従来の読出し順序は、L01行、L02行・・・・L08行のように行方向に読出している。
本実施形態では、読出し順序は、F01列、F02列・・・・F08列とする。但し、読出しの順序に関してはこれに限定されるものではない。
【0125】
(第2実施形態の変形例)
透過率可変フィルター制御部31は、撮像素子22の長手方向を上下とした場合、第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち第1の共通領域と異なる領域を遮光させる。
【0126】
なお、第2実施形態では、画素の右半分、左半分を遮光する例を構成している。これに限られず、図15に示すように、2つの撮像のうち一方において、上半分、下半分を遮光するように透過率可変フィルター30を制御するようにしてもよい。
これにより、2つの撮像から、左右方向の測距信号による相関演算と、上下方向の測距信号による相関演算と、画像構成とを行なうことができる。
【0127】
(変形例)
図16は、本実施形態の構成の変形例を示す図である。
上記各実施形態は、図16(a)に示すように、不図示の被写体側から順に、絞り4を有する撮影光学系2と、透過率可変フィルター5と、撮像素子3とが配置されている。参考のため、光軸1を併記する。
【0128】
しかしながら、これに限られず、図16(b)に示すように、不図示の被写体側から順に、絞り4と透過率可変フィルター5とを有する撮影光学系2と、撮像素子3とを配置しても良い。
【0129】
さらに、他の変形例について説明する。
上述した「複数の一組の画素群」について、「一組の画素群」の例を掲げる。
(1)画素2つで一組の画素群を構成する具体例:
「第1の瞳領域(例:左遮光画素)1つ、第2の瞳領(例:右遮光画素)1つ」
「第1の瞳領域(例:上遮光画素)1つ、第2の瞳領(例:下遮光画素)1つ」
(2)画素3つで一組の構成の具体例:
「第1の瞳領域(例:左遮光画素)2つ、第2の瞳領(例:右遮光画素)1つ」
「第1の瞳領域(例:上遮光画素)1つ、第2の瞳領(例:下遮光画素)2つ」
【0130】
画素4つで一組の画素群を構成する例なども可能である。
さらに、左(上)遮光画素と右(下)遮光画素とが同一数でない場合もある。このことを最小単位で述べると、1:1ではなく、1:2とか1:3もありえる。また、これに限られず、この比率も、任意の割合でも良い。
(3)「複数の一組の画素群」の例:
「画素2つで一組」が多数ある。
「画素3つで一組」が多数ある。
「画素2つで一組」と「画素3つで一組」が多数ある。
さらに、第1の瞳領域の画素の総合計数と、第2の瞳領域の画素の総合計数とは一致する必要は無い。
【0131】
いずれの場合も、同じ画素群内の第1の瞳領域と、第2の瞳領とは、入射光が制限されている領域が隣接するように配置されている。換言すると、1つの共通領域、例えば、第1の共通領域を対象とした「一部の画素」と「残りの画素」は、入射光が制限されている領域が隣接するように配置されている。
なお、これに限られず、第1の瞳領域と、第2の瞳領とは、入射光が制限されている領域が隣接しないように配置することもできる。
【0132】
以上説明したように、本実施形態では、撮像素子からの出力信号から、デフォーカス情報を得られながら、従来のコントラスト方式の撮影装置並みの画質が得られる。さらに、測距画素用画素の数と画質にトレードオフの関係がないので、画質を劣化することなく、AF精度に必要な測距用画素を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上のように、本発明は、特に位相差AFに有用である。
【符号の説明】
【0134】
11 デジタルスチルカメラ
12 交換レンズ
13 カメラボディ
15 絞り駆動部
16 レンズ駆動部
18 ズーミング用レンズ
19 レンズ
20 フォーカシング用レンズ
21a 可変絞り
21b 固定絞り
22 撮像素子
24 ボディ制御部
25 液晶表示素子駆動回路
26 液晶表示素子
27 接眼レンズ
28 撮像素子駆動回路
29 メモリカード
30 透過率可変フィルター
31 透過率可変フィルター制御部
32 レンズデータ格納部
33 レンズ制御部
131 A/D変換部
132 信号処理部
133 撮像信号取得部
134 表示画像構成部
135 測距信号取得部
136 演算部
137 レンズ駆動量算出部
138 制御部
139 記録画像構成部
141 メモリ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元に配列された複数の画素を有し、フレーム単位で被写体像の複数回の撮像を実行する撮像素子と、
前記画素の各々において、所定の領域を第1の瞳領域、前記第1の瞳領域と点対称な領域を第2の瞳領域とするとき、前記画素の各々について、前記第1の瞳領域及び前記第2の瞳領域の一方の瞳領域への光の入射を選択的に制限する透過率可変フィルターと、
前記複数の画素の少なくとも一部を構成する複数の一組の画素群において、前記光の入射の制限及び前記制限の解除を各組の画素群で独立して前記撮像ごとに交互に行うように前記透過率可変フィルターを制御するとともに、各組の画素群の一部の画素において前記第1の瞳領域に対して前記光の入射の制限及び前記制限の解除を行い、各組の画素群の残りの画素において前記第2の瞳領域に対して前記光の入射の制限及び前記制限の解除を行うように前記透過率可変フィルターを制御する透過率可変フィルター制御部と、
前記光の入射が制限された前記画素からの信号をフレーム単位で測距信号として取得する測距信号取得部と、
取得された前記測距信号に基づいてデフォーカス量を演算する演算部と、
前記光の入射の制限が解除されている前記画素群からの信号を撮像信号として取得する撮像信号取得部と、
取得した前記撮像信号に基づいて画像データを生成する画像生成部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記透過率可変フィルターは、前記画素ごとに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記透過率可変フィルターは、前記撮像素子と撮像光学系との間の光路に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記透過率可変フィルターは、前記撮像素子の光が入射する側の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記透過率可変フィルター制御部は、前記一部の画素の全ての画素について第1の共通領域を第1の瞳領域として遮光させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記透過率可変フィルター制御部は、前記撮像素子の長手方向を上下とした場合、前記第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記透過率可変フィルター制御部は、前記一部の画素のうち、一部の画素については第1の共通領域を前記第1の瞳領域として遮光させ、前記一部の画素のうち、残りの画素については前記第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を前記第1の瞳領域として遮光させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記透過率可変フィルター制御部は、前記撮像素子の長手方向を上下とした場合、前記第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、前記第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち前記第1の共通領域と異なる領域を遮光させることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像における一方の撮像では、いずれの前記画素も光の入射を制限させないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
さらに、透過率可変フィルター制御部は、光の入射を制限させない画素については、透過率を均一にさせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像において、複数の一組の画素群に含まれる画素が排他的になるように前記透過率可変フィルターを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記透過率可変フィルター制御部は、連続する2つの撮像の一方において、第1の共通領域を前記第1の瞳領域として遮光させ、他方において、前記第1の共通領域とは異なる領域である第2の共通領域を前記第1の瞳領域として遮光させることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記透過率可変フィルター制御部は、前記撮像素子の長手方向を上下とした場合、前記第1の共通領域として画素の左半分又は上半分を遮光させ、前記第2の共通領域として画素の左半分又は上半分のうち前記第1の共通領域と異なる領域を遮光させることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1の画素群と前記第2の画素群とは、入射光が制限されている領域が隣接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−128098(P2012−128098A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278330(P2010−278330)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】