説明

撮像装置

【課題】 起き上がりこぼし形状の撮像装置は、重心位置変化や、発生駆動力による反力によって撮像部が不安定な状態になる可能性がある。
【解決手段】 球面の一部をなす形状の底部を有し、底部を支点として揺動可能な本体部と、本体部と前記撮像部とを連結する連結部と、本体部の揺れに基づいて揺動可能に配置される撮像部とを有する撮像装置であって、本体部は、ベース部材と、ベース部材に対して移動可能な可動枠と、撮像装置が直立状態での鉛直軸に直交する方向に可動枠を駆動する駆動手段と、重心制御手段とを有し、重心制御手段は、可動枠に重心制御手段の一部を支持されることで駆動手段によって移動を制御され、また移動することで底部を支点とする揺れを本体部に発生させ、連結部は、撮像部の揺れを本体部の揺れに対して所定の割合で減衰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動撮影を安定して行う撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の撮影手方法においては撮影者を必要せず自動的に撮影を行う研究が進められており、その撮像装置の設置方法に関する技術も多く考え出されている。
【0003】
特許文献1においては撮像装置の底部を湾曲させて起き上がりこぼしとする事で、外力が加わっても傾斜状態から立設状態に復帰する撮像装置の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−193916
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術においては起き上がりこぼし形状にすることでの問題が残される。起き上がりこぼし形状は、外力が加わった時の復帰に対して大きなメリットがある一方で、搭載される撮影機器のパンニングやチルティングの移動による重心位置変化や、発生駆動力による反力によって不安定な状態になる可能性がある。
【0006】
そこで本発明では撮影機器の移動に伴う不安定を改善し、外乱振動や自励振動のない安定した撮影動作が行える撮像装置を実現する事である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、球面の一部をなす形状の底部を有し、前記底部を支点として揺動可能な本体部と、前記本体部と前記撮像部とを連結する連結部と、前記本体部の揺れに基づいて揺動可能に配置される撮像部とを有する撮像装置であって、前記本体部は、ベース部材と、該ベース部材に対して移動可能な可動枠と、前記撮像装置が直立状態での鉛直軸に直交する方向に前記可動枠を駆動する駆動手段と、重心制御手段とを有し、前記重心制御手段は、前記可動枠に前記重心制御手段の一部を支持されることで前記駆動手段によって移動を制御され、また移動することで前記底部を支点とする揺れを前記本体部に発生させ、前記連結部は、撮像部の揺れを前記本体部の揺れに対して所定の割合で減衰させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
撮影機器の移動に伴う不安定を改善することによって、外乱振動や自励振動のない安定した撮像装置を実現できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1における撮像装置の外観図である。
【図2】実施例1における撮像装置の側面から見た断面図である。
【図3】実施例1における撮像装置の正面から見た断面図である。
【図4】実施例1において外部の撮影機器を取り付けた正面から見た断面図である。
【図5】実施例1における底部の動作を説明する図である。
【図6】実施例1における底部の動作の詳細を説明する図である。
【図7】実施例1における撮像装置の動作のフローチャートである。
【図8】実施例1における撮像装置の動作中の状態を説明する断面図である。
【図9】実施例1における撮像装置の頭部を大きく動かした状態を説明する図である。
【図10】実施例1における撮像装置の頭部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の第一の実施例について、図1〜10を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明を実施した撮像装置を説明するものである。図1(a)は撮像装置1の正面図であり、図1(b)は撮像装置1の側面図である。
【0012】
撮像装置1の機構のうち、底部11aから頭部15まで(撮像手段16以外の構成)を撮影部とする。撮影部のうち、11aは撮像装置1の底部であり、11cは撮像装置の胴体部である。底部11aは略円弧状であり、胴部11cに対して収納可能に支持されている。11bは胴部11cに設けられる表示部であり、撮像した画像や映像を表示することができる。13a、13bはともに撮影支持部として胴部11cと頭部15を連結する。13aは首部であり、胴部11cに対して揺動可能に支持されると共に胴部11cの鉛直線周りに回転可能に支持されている。13bはリンク部であり、詳細の構造は後述するが、首部13aと平行に沿うことで頭部15は撮像装置1の傾き角に寄らず、常に略水平を保っている。15は頭部であり、首部13aに対して揺動可能かつ首振り可能に支持されている。16は頭部に設けられる撮影手段である。撮像手段16で撮影される画像は表示部11bでモニタ可能であり、撮影された画像も再生可能である。また、首連結部12は、首部13aと胴部11cを連結し、頭連結部14は頭部15と首部13aを連結する。そして首部13a、頭部15は胴部11cに対して取り外し可能になっている。
【0013】
図2(a)は直立状態であるときの撮像装置1の側面断面図であり、図2(b)は揺動状態(起き上がりこぼし状態)になったときの撮像装置1の側面断面図である。図3は直立状態であるときの撮像装置1の正面断面図である。
【0014】
図2(a)のA部について説明する。まず、撮像装置1が平面に対して直立状態(第1の状態)である場合は、胴部11cの安定性確保のために、底部11aが胴部11cに格納された状態になっている。撮像装置1は球面の一部をなす(ただし、撮像装置1の重心は、揺動状態において底部11aの断面の円弧中心より低い位置にあるとする)底部11aを有している。この底部11aは撮影部に対して格納可能に弾性支持されている安定支持機構としての機能を有する。なお、これらの詳細の構造(A部)については後述するが、胴部11cの重さが解除された時には胴部11cより底部11aが素早く突出し、胴部11cの重さが継続的に加わると次第に底部11aは胴部11cに格納される、2つの状態を遷移可能な構造である。
【0015】
ここで、撮像装置1に矢印E方向(図2の紙面左右方向)から外力が加わった場合は、図2(b)のように底部11aが胴部11cより突出して揺動状態(起き上がりこぼし状態、第2の状態)になり、胴部11cを直立状態に戻す。そして、直立状態になった後に、再び底部11aが胴部11cの自重によって格納される。
【0016】
また、図3は撮像装置の平面断面図である。たとえば、矢印E方向(図3の紙面左右方向)から外力が加わっても、胴部11cの倒れで底部11aが突出して揺動状態(起き上がりこぼし状態)になり、胴部11cを直立状態に戻す。つまり、外力の方向には関係なく、胴部11cが倒れると底部11aが突出して揺動状態(起き上がりこぼし状態)になり、胴部11cを直立状態に戻す。
【0017】
図2(a)のB部は、撮像装置1の重心の位置を制御するための重心位置制御機構を有する。このB部の詳細の構造は後述するが、胴部11cに加わる揺れを急速に減衰させたり、或いは逆に胴部11cの姿勢を(揺れ角)を変更したりする。
【0018】
図2(a)のC部は、胴部11cに対して首部13aの角度を調整する揺れ角制御機構を有する部分である。このC部の詳細の構造は後述するが、胴部11cの揺れ角とは反対方向に首部13aを駆動して頭部15の位置が安定するように制御する。実際には胴部11cの揺れ角の所定割合分を頭部15の縦方向首振り(チルティング駆動)に振り分けており、これにより撮像手段16の撮影方向を変更している。
【0019】
また、胴部11cが傾いた時には、その傾き方向に首部13aの揺動方向が揃う様に、首部13aが胴部11cに対して軸10まわり(パンニング方向)に回転可能になっている。通常行われるようにモータによって首部13aが回転されると、その駆動反力で胴部11cがその接地点周りに回転してしまう。このときC部の揺れ角制御手段は、首部13aを回転させるモータの駆動反力を制御する反力制御手段としても機能する。このC部(反力制御手段)の作用により首部13aは、図3の状態から図2に示すように撮像手段16が、外力Eが加わった方向を向くように軸10まわりに回転し、その後の揺れ角制御手段の作用により頭部15を常安定位置させる事が出来る。
【0020】
図2(a)のD部は、撮影方向変更機構を含む部位であり、撮像手段16、頭部15を含む。このD部の詳細の構造は後述するが、撮影方向変更手段は頭部15を軸10回りに回転させる(パン)構造および前述したチルティングを行う構造が設けられている。
【0021】
図4は、首部13a、頭部15を胴部11cに対して取り外した後に別の撮影機器、たとえば個人が所有するデジタルカメラを胴部11cに取り付けた場合の図である。
【0022】
胴部11cは、首部13a、頭部15を胴部11cに対して取り外した場合、姿勢検出手段としての傾斜センサ48と重心位置調整手段としての信号処理部49を有する支持部としてのアダプタ41を挿入出来る機構となっている。このアダプタ41は着脱部としての三脚ねじ42が設けられており、この三脚ねじ42に撮影機器43を取り付けることが出来る。なお、アダプタ41は撮影機器43の着脱を検知する着脱検知手段としての着脱検知センサがついているものとする。
【0023】
なお、撮影機器43を取り付けることによる重心ズレのアンバランスに対して、傾斜センサ48の出力に基づいてアンバランスを相殺する方向に後述する重心制御手段(錘61)を制御することによって重心位置を調整する。これによって胴部11cを常に直立状態とし、底部11aが突出した状態でも水平の保たれた撮影が可能になる。
【0024】
(底部11aが格納する構成に関する詳細の説明)
図5は図2のA部の主な構成要素となる底部11aの詳細を説明する図である。底部11aは直立状態と揺動状態を遷移可能であり、図5(a)は撮像装置1が直立状態のときに底部11aが胴部11cに格納された状態を示す図、図5(b)は底部11aが胴部11cより突出した状態を示す図である。
【0025】
図5(a)において、底部11aは胴部11cに格納されているが、円弧状の底部11aは、胴部11cに対して付勢部材であるコイルバネ53により突出状態に付勢されている。即ち、付勢部材としてのコイルバネ53は本体部を直立状態(第2の状態)から揺動状態(第1の状態)へ遷移する方向へ付勢している。しかしながら、底部11a以外の撮像装置1の重さが、付勢部材としてのコイルバネ53の付勢力が小さく設計されており、撮像装置1が直立状態のときには、底部11aは胴部11cに対して格納状態となる。
【0026】
次に、胴部11cと底部11aの間には速度制御手段として公知のワンウェイクラッチダンパ51が設けられている。ワンウェイクラッチダンパ51は、胴部11c、ワンウェイクラッチダンパのピニオンに係合するラック52は底部11aに設けられている。
【0027】
ワンウェイクラッチダンパ51は、底部11aが胴部11cに対して収納されるときにダンパとしての役割、すなわち胴部11cの重みが底部11aに加わっても底部11aは急速に格納される事は無いように速度制御する。すなわち、揺動状態(第1の状態)から直立状態(第2の状態)への遷移速度を抑えるよう制御する。この速度制御は、たとえば胴部11cが直立状態に安定した後に、その重みで次第に底部11aが胴部11cに格納されるようにする。一方で、底部11aが胴部11cに対して突出する時にはダンピングの役目を果さない(速度制御を行わない)。その為、胴部11cの重みが解除された時、つまり外部の力が加わったときは、付勢部材としてのコイルバネ53により底部11aは胴部11cに対して突出状態に付勢されているため、胴部11cの重さがかからなくなり底部11aが突出する。すなわち、直立状態(第2の状態)から揺動状態(第1の状態)へ遷移する。
【0028】
このワンウェイクラッチダンパ51による効果を説明する。撮像装置1の重心は底部11aの円弧中心より低い位置にあるため、胴部11cが外力で倒された場合には底部11aが付勢部材としてのコイルバネ53の付勢により突出し、胴部11cは揺動状態(起き上がりこぼし状態)になる。しかしながら、その復帰力で胴部11cが鉛直状態に戻ろうとする時、底部11aが胴部11cの重みでダンパ無しで直ぐに格納されてしまうと、鉛直状態への復帰がスムーズに行えない。このため、鉛直状態への復帰時に、振動の発生や衝撃音を発生させる可能性が高いため品位が低下し、更に撮像装置に振動が加わり信頼性上好ましくない。
【0029】
これに対して撮像装置1は、ワンウェイクラッチダンパ51によって胴部11cの重みが底部11aに加わっても底部11aの格納速度が制御されるため、胴部11cが鉛直状態に安定した後に、底部11aが胴部11cに格納する。これによって品位の低下や振動を防ぐことができる。
【0030】
フック部56は、胴部11cに対して支点54回りに回転可能に支持されており、底部形状保持部材としての役割を果たす。そして、フック部56は支点54に対して鉛直と略45度のなす角度で感知質量55が設けられている。
【0031】
このフック部56による効果を説明する。図5(a)のにように撮像装置1が鉛直状態では、感知質量55は矢印55a方向に重力を受けて静止している。ここで何らかの外力あるいは前述した重心位置制御機構により胴部11cを紙面右回りに45度以上傾けると底部11aは胴部11cより突出するばかりではなく、フック部56も支点54周り(図5の時計回り)に回転する。そしてフック部56の先端56aが、底部11aのストッパ57と当接する。フック部56の先端56aが底部11aのストッパ57と当接することにより、底部11aは突出状態で固定されることになる。
【0032】
底部11aが固定されると胴部11cは常に揺動状態(起き上がりこぼし状態)になり、その後は後述する重心位置制御機構をアクティブに揺動させることで胴部11c、首部13a、頭部15を様々な姿勢に変化できる。
【0033】
一方で、底部11aの固定を解除するには、フック部56の先端56aが底部11aのストッパ57との当接を解除する必要がある。ここで、何らかの外力あるいは前述した重心位置制御機構により胴部11cを紙面左回りに45度以上傾けると、フック部56は図5(a)の状態に戻る。即ち、感知質量55は矢印55a方向に重力を受けて静止している状態に戻る。これにより、胴部11cの重さが付勢部材としてのコイルバネ53の付勢力とワンウェイクラッチダンパ51の抵抗に逆らって底部11aは徐々に胴部11cに格納される。
【0034】
上述したように、底部11aはこの様な簡単な構成からなり、電源を必要とせずに底部11aを制御して品位の高い撮影部の安定化が可能になる。
【0035】
(胴部11cの揺れを急速に減衰させる構造に関する詳細の説明)
図6aから図6cは図2(a)のB部を詳細な構造を説明するための図である。図6(a)はB部の側面断面図である。図6(b)は図6(a)の破線Aから見た平面断面図である。図6(c)は図6(a)の破線Bから見た平面断面図である。
【0036】
先ず、重心制御手段としての錘61は、錘部と支点部(球状支球61a)と駆動支持部(球状支球61b)からなる。そして、錘61は支点部である球状支球61a回りに紙面左右、及び前後に揺動可能であり、ケース62内に収められている。ケース62内の下部液室610b(第2の液室)には、シリコーン系の粘性流体63が充填され、錘61のダンピングを行っている。この粘性流体63は、たとえば適当な粘度を持つシリコーンオイルであるとする。
【0037】
ベース部材としてのベース部65は、錘61の球状支球61aを球状軸受け部65a(支点受け部)で支持し、球状支球61aを支点に3軸周りに回転可能に支持している。また、錘61とベース部65の間には、錘61とベース部65とを離間するように付勢された第1の弾性部材としてのコイルバネ64が設けられている。コイルバネ64のバネ定数と錘61の質量の関係は、固有周期(コイルバネ64のバネ定数と錘61の質量の関係で決まる)が、撮影部の底部11aの接地点を支点とする揺動振り子周期と略等しくなる様に設定されている。このように設定することで、錘61はいわゆる動吸振器として作用し、装置の揺れを低減させる効果が高まる。
【0038】
粘性流体63は、図6(c)に示す様に、たとえば下部液室610bの錘61で仕切られる3つの液室63a、63b、63cに満たされている。そのため、たとえば矢印Fの方向に錘61が振れると、液室63bの流体は錘61によって追い出されるように矢印Gの隙間を通って液室63a、63cに移動する。このように粘性流体63が移動することにより発生される力は、錘61の揺動速度に比例している為、減衰力を発生させて揺動の減衰を効率よく行う事が出来る。なお、第2の液室としての下部液室610bが3つの液室63a、63b、63cに分かれているのは、錘61がどの方向に揺動してもダンピング効果を発生させるためであり、3以上の液室に分かれていれば3室に限定されるものではない。
【0039】
上述の構成により、撮影部の揺動によって錘61の揺動が励起されても、粘性流体のダンピングによる位相調整が行われるため、錘61の揺動が減衰する。そして振動エネルギーが減衰を介して熱エネルギーに変換され、撮影部の揺動が減衰する。以上のように、外力などで撮影部が揺動しても、それを急速に減衰させる事が可能になっている。
【0040】
次に、ベース部65に設けられた4箇所の貫通穴65bについて述べる。この貫通穴65bによって、粘性流体63はベース部65とカバー610に囲まれた空間である上部液室610a(第1の液室)に移動可能になっている。ただし、貫通穴65bの径は粘性流体63の体積に比べて十分小さく、粘性流体63が一度に上部液室610aへ移動することはできず、時間をかけて移動する。なお、第2の液室である下部液室610bの体積は粘性流体63の体積よりも大きいが、第1の液室である上部液室610aの体積は粘性流体63の体積よりも小さいため、上部液室610aに充填できる体積は、粘性流体63の体積の一部となる。
【0041】
例えば胴部11cを把持して逆さまにして暫く待つと、粘性流体63のうち上部液室610aに充填できる量が、上部液室610aに移動する。その後、胴部11cを鉛直位置に戻しても、上部液室610aの粘性流体は直ぐにはケース62内の下部液室610bに戻ってこない。この間、下部液室610bの粘性流体63の量が少なくなる為に、錘61の揺動を減衰させるための粘性流体63が不足して、撮影部の揺れの減衰が不足する。即ち撮影部の揺れが継続する。
【0042】
図6(b)に示すように、ベース部65には駆動手段の一部としてのコイル66x、66yが設けられており、可動枠68には同じく駆動手段の一部としての永久磁石67x、67yが設けられている。なお、図6(b)においては、コイル66x、66yに対向する永久磁石67x、67yを破線で示す。そして、コイル66x、66yに電流を流すと可動枠68は矢印X、Y方向、即ち鉛直軸10に対して直交する2方向に自在に駆動され、錘61は球状支球61a周りで紙面左右方向および垂直方向に揺動される。なお、X,Y軸は互いに直交するものとする。
【0043】
可動枠68が移動することで錘61が動く構成であるが、図6(a)に示すように、可動枠68は球状軸受け部68a(駆動受け部)で錘61の球状支球61b(駆動支持部)を受けている。また、可動枠68はベース部65に対して第2の弾性部材としてのコイルバネ69で弾性付勢されている。球状軸受け部68aは下半球のみ球状となっており、可動枠68は球状支球61bに対して紙面上下方向に移動可能であるが、球状支球61bと球状軸受け部68aとの関連で位置が決まっている。これによって錘61が球状支球65a周りに揺動し、それにより球状支球61bの紙面上下方向の位置が変化しても、その変化をコイルバネ69の弾性力で吸収することができる。このようにして、可動枠68が移動することで錘61が動くことになる。
【0044】
ここで、撮影部が揺れる事による重力変化で錘61が揺動されることをパッシブな揺動、コイル66x、66yに通電する事で可動枠68を駆動し、錘61が揺動されることをアクティブな揺動と分ける事にする。まず、パッシブな揺動は前述した様に振動周期の調整やダンピングの調整により撮影部の揺動を減衰させる事が出来る。一方でアクティブな揺動に対しては、より積極的に錘61を動かす事が出来るので撮影部の揺動の収束を更に早める事が出来る。
【0045】
以上説明した構造によって、コイル66x、66yと永久磁石67x、67yを用いた電磁結合によるダイレクトドライブの場合には、コアドモータやステップモータに発生するコギングトルクやギア列を介する事による自己保持現象が無い可逆動作が行える。その為、電源を使用した場合は、撮影部の揺れを検出してそれにあわせて錘61を駆動制御する事で揺動の減衰を行う事が出来る。一方で、電源を使用しない状態においても、パッシブな揺動により撮像部の揺動を減衰させる事が出来る。
【0046】
上記構成により撮影部の揺動を急速に減衰させる事が可能になり、底面が球状の場合であっても、撮像装置の移動に伴う不安定を改善し、安定した撮影動作が行うことができる。
【0047】
(胴体をアクティブに揺動させる発明に関する詳細の説明)
上述したように、錘61は可動枠68の駆動によりアクティブに揺動させることが出来るが、この構成を用いて撮影部の方向を変更することが出来る。たとえば、頭部15は軸10回り(パンニング方向)に旋回可能であるため、パンニング方向には撮像手段16の撮影方向を設定可能である。これに加えて、チルティング方向の撮影変更も撮影部の揺動(胴部11cの揺れ角制御)で行うことが出来る。
【0048】
まず、コイル66x、66yに通電することで可動枠68を駆動させ、錘61をアクティブに揺動させる。このとき、錘61をその固有振動数で駆動すると少ない力で大きな錘変位が得られる。そして、錘61の固有周期と撮影部の揺動周期とを一致させると、錘61の揺れに合わせて撮影部が次第に大きな揺れが加わる。そのため、錘61の揺動回数が増えるごとに撮影部に蓄えられる揺動エネルギーは大きくなり、ある時点で撮影部のうち胴部11cが傾き始め、底部11aが胴部11cより突出する。
【0049】
また、コイル66x、66yに通電する量を制御することで、胴部11cの傾ける方向を変えることも可能である。可動枠68は矢印X、Yの2方向に駆動可能であるが、頭部15の揺動周期に対して、2方向のうち何れか一方の駆動周波数を若干少なめ、もう一方の駆動周波数を若干多めに設定する。その場合、錘61は所定方向に(例えば矢印F方向)に揺動を開始し、その方向は軸10周りに徐々に変化させることが出来る。このように、錘61の揺動方向を変化させることによって、任意の方向に胴部11cを傾ける事が可能になる。
【0050】
この様にして、コイル66x、66yに通電することで可動枠68の駆動により錘61を任意の方向にアクティブに揺動させることができ、この揺動によって撮像部が揺れ始める。そして、錘61の揺動回数にしたがって撮像部の揺れ角が大きくなる。この撮像部の揺れ角の変化によって後述するようにチルティング方向に撮影方向を変化させることが出来る。
【0051】
図2(a)にて示す様に、頭部15は、胴部11cに対して首部13aおよびリンク部13bを介して接続されている。詳細は後述するが、頭部15の姿勢は胴部11cと首部13aの関係で求まる。ここでは、胴部11cの揺れ角に対して頭部15の揺れ角が所定の割合だけ小さな角度となるように、胴部11cと首部13aの関係が設定されている(後述の図8において、楕円状のメインプーリ82eとサブプーリ82aとの径比)。
【0052】
撮像部を揺らすことで撮影方向の細かい制御や動作の制御を行う際に、錘61の揺動を制御して胴部11cの揺れ角の変化を制御することは難しい。このため、胴部11cの揺れ角に対する頭部15の揺れ角を所定の割合だけ小さな角度となるように設定する。このように制御することによって、胴部11cの揺れ角を発生させる際の制御誤差が頭部15の揺れ角に与える影響を小さくすることができる。
【0053】
この様に、錘61の駆動周期と錘61の固有周期をあわせてあるために、少ない駆動で錘61を大きく変位させることが出来る。また、錘61の周期と撮影部の揺動周期があわせてあるために、撮影部は大きな揺れを安定して発生させることが出来る。そしてその揺れを所定の角度だけ小さくした精度の高い撮影方向の変更が可能になっている。
【0054】
ここで、撮影部が揺れている最中に撮影を行うと、撮像画像に像ブレが発生して好ましくない。そのため、錘61が駆動するタイミングが分れば、共に周期を一致させているため、そのタイミングと実際の錘61の揺動位置、それから撮影部の傾き状態の位相関係がわかる。錘61の駆動のタイミングに同期した撮影を行うと、撮影部の揺動速度が最も遅いタイミングで撮影を行う事が出来る。
【0055】
図7は撮影タイミングのフローチャートであり、このフローは撮像装置1の撮影電源投入でスタートする。なお、実際の撮影タイミングのフローは、電源状態検出や撮影準備が出来ているか否か、焦点検出など複雑になるが、ここでは本発明を明確にする為に無関係の要素の動作は省いている。
【0056】
ステップ#7001では構図変更モードが入っているか否かを検出しており、胴部11cなどに設けられた構図変更モード切換スイッチがオンされると、構図変更モードとなりステップ#7002に進む。ステップ#7002では、コイル66x、66yに電流を流すことによって可動枠68を駆動し、錘61の揺動を開始する。ステップ#7003では錘61をN回(例えば10回)駆動したかをカウントする。このステップ#7003は、錘61の周期的揺動により撮影部の揺動が十分大きくなるのを待機するステップである。
【0057】
ステップ#7004では撮影タイミングを検出する。このステップ#7004は、前述した様に錘61の駆動タイミングとの位相から撮影部の揺動速度が最も遅くなるタイミングを求めるステップである。そしてステップ#7004にて求めた撮影タイミング、即ち揺動速度が最も遅くなるタイミングになるとステップ#7005に進み、ステップ#7005にて撮影を実行する。そしてステップ#7003に戻る。
【0058】
(首部13を胴体鉛直軸周りに回転させる発明に関する詳細の説明)
図8は胴部11cに対する首部13aの結合状態を説明する図である。首制御部82は、胴部11cの軸受け部11d、11eに嵌合して回転軸81回りに円滑に回転可能に差し込まれている。また、首制御部82は、異なる径比を有する回転軸受けとしてのサブプーリ82aと、メインプーリ軸82c回りに回転可能なメインプーリ82eという2つのプーリ部材が配置される。このうち、メインプーリ82eは回転方向に連続的に径が変化する形状、たとえば楕円形である。
【0059】
首制御部82には回転軸受けとしてのサブプーリ82a、回転軸受け82bが配置されており、サブプーリ82aには首部13aが、回転軸受け82bにはリンク部13bが、首制御部82に対して回転可能に軸支されている。また、首制御部82にはメインプーリ軸82c周りに揺動可能に錘84が軸支されている。このため、図8に示す通り、胴部11cが傾いたとしても、錘84が胴部11cに接しない限りは、錘84は常に重力方向を向いている。
【0060】
なお、ダンピングブッシュ83は首制御部82と錘84の間に設けられ、硬度の極めて低いシリコーン樹脂などで形成されている。そしてダンピングブッシュ83は錘84の不要な振動を吸収する為に設けられている。
【0061】
図8に示す通り、胴部11cが傾いている時には首制御部82の回転軸81も鉛直軸からは傾いている。それに対して、回転軸81から錘84までは矢印Hの長さだけ距離があるため、錘84には回転軸81回り(矢印J方向)に回転トルクが生ずる。
【0062】
ここで、図8のB部は、図6で説明したように撮像装置1の重心の位置を制御するための重心位置制御機構のほかにも、胴部11cの姿勢を(揺れ角)を変更可能であった。具体的には、図6(b)のコイル66x、66yに電流を流すことで可動枠68が矢印X、Y方向に自在に駆動され、錘61が球状支球61a周りで紙面左右方向および垂直方向に揺動される。この機構を利用して、コイル66x、66yに電流を流すと、錘84に回転トルクが生ずる状態(首制御部82の回転軸81が鉛直軸から傾いている状態)にし、それにあわせて錘84に生ずるトルクによって、首制御部82が回転軸81回りに回転する。そして、胴部11cの揺動方向に首部13aが向く様になっている。これにより、撮像装置1が直立状態であるときの鉛直軸に対して時計回りおよび反時計回りの2方向に、頭部15、撮影手段16を回転することができる。コイル66x、66yと永久磁石67x、67yによるボイスコイルモータは回動手段としての役割も果たす。
【0063】
このように、常に首部13aの揺動方向に胴部11cの揺動方向が一致するようになるのは、外力などで胴部11cが揺動された時においても、駆動力無しで揺動方向に首部13aの揺動方向を向け、頭部15を安定させる為である。
【0064】
また、何かしらの駆動力で撮影方向を軸10もしくは回転軸81回りに駆動すると、その反力で胴部11cが回転してしまう。その問題を解決する為にはアクティブに撮影方向を変更するのではなく、胴部11cの揺動を利用してパッシブに撮影方向を変更するのが望ましい。即ち首制御部82は反力制御手段として働くこととなる。
【0065】
(首を胴体の揺動を相殺する様に揺動させる発明に関する詳細の説明)
図8に示す通り、錘84の揺動は、回転方向に連続的に径が変化する形状(たとえば楕円形)メインプーリ82e、弾性ベルト82dを介してサブプーリ82aを回転させる。
【0066】
このサブプーリ82aは、首部13aと直結しているため、首部13aは錘84の胴部11cとの相対的な揺動角度の所定の比率(メインプーリ82e、サブプーリ82aの径比)で揺動する。ここで底部11aの接地点から首部13aの胴部11cとの付け根までの長さと、首部13aの胴部11cの付け根から頭部15の付け根までの長さの比と上記径比を同じにする。
【0067】
そうすると、胴部11cが揺動すると、胴部11cの揺動を相殺する方向に首部13aが揺動するばかりではなく、頭部15の撮像手段16が鉛直軸87上に常に位置する。即ち胴部11cの揺動に関わらず、撮像手段16の位置は安定する。また、首制御部82から頭部15にはリンク部13bが設けられている為に頭部は胴部11cの揺れ角度に関わらず常に水平の姿勢を保つ。
【0068】
ここでメインプーリ82eが回転方向に連続的に径が変化する形状、たとえば楕円形状になっている理由を説明する。
【0069】
メインプーリ82eが楕円形状になっているとその回転によりサブプーリ82aとの径比が連続的に変化する。そのため、胴部11cの揺れが大きい場合には、首部13aの揺動角度はそれ以上に大きくなる。図9に示す様に、胴部11cの揺れが大きい場合には、頭部15を鉛直軸87より矢印Kの量だけずれて位置させる事になる。よって、メインプーリ82eが楕円状になっていることで、胴部11cの大きな揺動のバランスとりを行う機能を持っている。
【0070】
(首部13がチルティング角度一定でパンニング可能な発明に関する詳細の説明)
図10(a)において、首部13aが垂直な場合(軸10と一致している場合)の図2(a)の頭部と首部の拡大図を示す。図10(b)においては、首部13aを前方に傾けた場合の図2(b)の頭部と首部の拡大図を示す。図10(c)においては、首部13aが後方に傾いた場合の図9(a)の頭部と首部の拡大図を示す。
【0071】
L字リンク101はL字形状をしており、第一の軸部101aと第二の軸部101bからなり、L字の直角部分(頭連結部14の内部にあるため不図示)を有している。このL字リンク101のL字の直角部分(不図示)は、頭連結部14の内部にて、チルティング方向(紙面前後方向を軸とした回転方向)に回動可能に首部13aと連結支持されている。L字リンク101の第一の軸部101aの一端にはジョイント球体部101cが設けられている。また、L字リンク101の第二の軸部101bの一端はリンク部13b、後述するカム部13cとそれぞれ回転可能に結合している。
【0072】
スライド部材としてのスライド円板17は、カム部13cを摺動するコロ17aとL字リンク101の第一の軸部101aに沿って軸方向に摺動可能なスライド部17bとからなる。
【0073】
本実施形態においては、カム部13cは卵型をしており、リンク部13bと一体に形成されている。そして、カム部13cはリンク部13bの傾き(チルティング方向の角度)に応じてスライド円板17に設けられたコロ17aと円滑に摺動することによって、L字リンク101の第一の軸部101aに沿ってスライド円板17のスライド部17bを上下に摺動させる。これによってスライド円板17はL字リンク101の第一の軸部101aに沿って軸方向(矢印L方向)に移動することができる。なお、図10(a)のように首部13aが垂直な場合は、コロ17aはカム部13cの回転軸から最も距離の長い位置でも短い位置でもない中間の位置に接している。
【0074】
モータベース102は、第一の軸部101aと直交する平面を有する円板であり、L字リンク101の第一の軸部101aに固定されている。このモータベース102は、上面の円周方向に複数のマグネット103を備える。
【0075】
コイル104は、マグネット103と対向して頭部15の底面に配置された複数のコイルである。不図示の制御部がこのコイル104への通電指示を行い、コイル104へ通電することによって、通電方向及び電流値に応じて回転トルクを発生させることができる。この回転トルクによって撮像手段16を含む頭部15を、L字リンク101の第一の軸部101a周りに回転することができる。即ち、このコイル104はマグネット103と共に、頭部駆動手段を構成している。なお、マグネット103dとコイル104の軸10方向の間隔は、頭部15のチルティングに際に間隔の変化があったとしても、十分回転トルクが発生するものであるとする。
【0076】
回転支持部としてのジョイント球体部101cは、ジョイント受け部15bと組み合わされて、頭部15を左右方向にパンニング、上下方向にチルティングの動作を円滑に行わせる。すなわち、ジョイント球体部101cは、頭部15を首部13aや胴部11c対してそれぞれ直交する2軸方向に回転可能に支持する回転支持部としての役割を果たす。また、ガイド15cは頭部15の背面部に設けられており、第一の軸部101a周り(軸10を中心とした円周方向、パンニング方向)に、スライド円板17の上面の周辺部を回動する。なお、頭部15の重心は、第一の軸部101aの軸上(回転中心である軸10)とガイド15cとの中間付近にあり、ガイド15cが常にスライド円板17の面と当接している。また、このガイド部15cは矢印L方向にガイド距離が伸縮可能であり、スライド円板17の摺動によらずに頭部15をガイドできる。そして、スライド円板17の移動(矢印L方向の動き)に応じて頭部15がチルティング動作を行っても常にスライド円板17の面と当接している。
【0077】
これにより、ジョイント球体部101cによって球体支持されている頭部15は、ガイド部15cによって姿勢が安定し、頭部の回転やスライド円板17の移動に関わらず安定的に支持される。
【0078】
図10(b)のように、首部13aを前方に傾けると、卵型のカム部13cの回転軸からの距離がより長い位置にてコロ17aが接触することでスライド円板17が矢印L方向に上昇する。そして、ガイド15cにより頭部15はより下向きにチルティングする。従って、頭部15よりも下方向にある被写体を撮影することができるようになる。また、コイル104へ通電することによって回転トルクを発生させて頭部15をパンニング方向に回動することで、チルティング角度一定のまま、パンニング撮影が可能となる。
【0079】
また同様に、図10(c)に示すように、首部13aが後方に傾いた場合は、スライド円板17は矢印L方向に最も下降して、頭部15は最も上向きにチルティングする。よって、頭部15よりも上方向にある被写体を撮影することができ、コイル104へ通電することによって回転トルクを発生させて頭部15を回動することで、チルティング角度一定のままパンニング撮影が可能となった。
【0080】
また、カム部13cの形状によって、首部13aの傾きと頭部15のチルティング角度の関係を一定にしたり、傾きに合わせた特定の姿勢をさせたりするなど、自由に変化させることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
11a 底部
11c 胴体
13a 首部
13b リンク部
15 頭部
61 錘
61a 球状支給
64 コイルバネ
65 ベース部
65a 球状軸受け部
66 電磁コイル
67 固定磁石
68 可動枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
球面の一部をなす形状の底部を有し、前記底部を支点として揺動可能な本体部と、
前記本体部と前記撮像部とを、前記本体部の揺れに基づいて揺動可能に連結支持する撮影支持部とを有する撮像装置であって、
前記本体部は、
ベース部材と、該ベース部材に対して移動可能な可動枠と、前記撮像装置が直立状態での鉛直軸に直交する方向に前記可動枠を駆動する駆動手段と、重心制御手段とを有し、
前記重心制御手段は、前記可動枠に前記重心制御手段の一部を支持されることで前記駆動手段によって移動を制御され、また移動することで前記底部を支点とする揺れを前記本体部に発生させ、
前記撮影支持部は、撮像部の揺れを前記本体部の揺れに対して所定の割合で減衰させることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、前記重心制御手段の固有振動数で前記重心制御手段を駆動させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記重心制御手段の固有周期と、前記撮像装置の揺動周期が一致することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮影支持部はリンク部を更に有し、
前記リンク部は、前記本体部の揺れに関わらず前記撮像部を所定の方向を向くように前記撮像部と前記本体部を連結することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−235239(P2012−235239A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101326(P2011−101326)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】