説明

撮像装置

【課題】効果的に電池のガタを防止することで、部品点数・組み立て工数を抑えた撮像装
置を提供すること。
【解決手段】弾性部材で形成されているビューファインダーのアイカップと、電池のガタ
ツキを防止するために電池収納部に貼り付けられている弾性部材を一体にて構成すること
で、部品点数や組み立て工数を増やすことなく、ガタツキによる異音の発生を防ぐことが
できる。また電池のガタツキを防止する弾性部材をアイカップと一体にて成形したので、
弾性部材が剥がれるといった問題を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビューファインダーのアイカップを有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルビデオやデジタルカメラなどの撮像装置においては多機能化が進んでい
る。そして機能が拡張する一方で、部品点数・組み立て工数を増やさない撮像装置の設計
が必要とされてきている。
【0003】
図4は撮像装置の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、撮像装置10
0は、レンズ21、撮像素子22、カメラ信号処理部23、モニタ24、レコーダ25、
電源回路26、画像変換回路27、制御マイコン28、操作キー29、ビューファインダ
ー30、電池31を備える。撮像装置の原理としては、レンズ21を通ってきた光が撮像
素子22によって電気信号に変えられ、カメラ信号処理部23によってデジタル処理され
る。そして像をレコーダ25に記録し、モニタ24、ビューファインダー30に表示する
構成となっている。また、撮影者はモニタ24、ビューファインダー30に表示される像
を確認しつつ操作キー29を操作する。この操作キー29の操作内容を示すデータは、制
御マイコン28により具体的な処理内容を示すコマンドにブレークダウンされた後、各部
に供給される。
【0004】
図5は従来の撮像装置の外観を説明する図である。図4に示す通り、撮像装置100は
電池収納部11やビューファインダー12を有し、電池収納部11には弾性部材13が貼
り付けられている。また電池10は19a、19bと対向する位置の合計4箇所に爪を有
し、また、撮像装置本体側の対応する箇所にも爪が配設されている。そして電池10は矢
印方向にスライドされ、4箇所の爪により撮像装置100に収容される構造となっている

【0005】
ここで撮像装置100の電池収納部11において、電池10の取り外しのしやすさや、
部品そのものが持つ公差上の点から、電池10と電池を収納する外装カバーの間にはある
程度の隙間が存在する。そのため、撮像装置100を持ち運ぶ時や電池10を装着時の撮
影の際に電池10と外装カバーの間にスライド方向のガタツキによる異音が発生し、撮影
時にはこれが録音されてしまうといった問題があった。よって従来は緩衝材等の弾性部材
13を外装カバー側面に貼り付け、電池のガタ取りを行うなどの手段が講じられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−59076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(課題i)
しかしながら、弾性部材13を電池収納部11に貼り付けることによって、部品点数や
組み立て工数が増加するためにコストアップするといった問題があった。
【0008】
(課題ii)
さらに、外部から両面テープなどで弾性部材13を貼り付ける構造では弾性部材13が
剥がれ易いといった問題があった。
【0009】
本発明の目的は、効果的に電池のガタを防止する撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、弾性部材で形成されたビューファインダーのアイカップと撮像装
置を駆動するための電池と前記電池を押圧するための弾性部材を有する撮像機器において
、前記アイカップと前記弾性部材を一体にて成形したことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記アイカップは少なくとも1箇所で前記電
池を押圧していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、弾性部材で形成されているビューファインダーのアイカップと、
電池のガタツキを防止するために電池収納部に貼り付けられている弾性部材を一体にて構
成することで、部品点数や組み立て工数を増やすことなく、ガタツキによる異音の発生を
防ぐことができるという点で効果的な撮像装置の提供が可能である。また電池のガタツキ
を防止する弾性部材をアイカップと一体にて成形したので、弾性部材が剥がれるといった
問題を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る撮像装置の外観を説明する図である。
【図2】本発明の実施例に係る撮像装置の外観を説明する図である。
【図3】本発明の実施例に係る撮像装置の弾性突起部における断面図である。
【図4】従来の撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】従来の撮像装置の外観を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(図1の説明)
図1は本発明の実施例に係る撮像装置の外観を説明する図である。
【0016】
図1において、200はデジタルビデオカメラ本体、110は電池、111は電池収納
部、112はアイカップ、114は電池110を保持するための電池ロック部材、129
は動画撮影のスタート/ストップを行うための操作キーである。位置関係は図1に示す通
り、撮像装置200の背面に電池110が配設され、電池110の上部にアイカップ11
2、下部に電池ロック部材114が配設されている。ここで、撮影者はアイカップ112
へ目を押しつけて使用するため、アイカップ112は弾性部材で形成されている。
【0017】
(図2の説明)
図2は本発明の実施例に係るアイカップの外観を説明する図である。
【0018】
112は弾性部材で形成されたアイカップ、113a、113bは弾性突起部である。
図2に示す通り、弾性突起部113a、113bは円柱形の突起部の先端が半球状の形を
しており、この半球状部を変形させることで電池110を押す力を発生させる。
【0019】
また図2に示すように、弾性突起部113a、113bはアイカップ112と一体で成
形されている。そして弾性突起部113a、113bはアイカップ112の中心に対し対
称に配設されている。
【0020】
(図3の説明)
図3は本発明の実施例に係る撮像装置200の弾性突起部113bにおける断面図であ
る。
【0021】
図3において、110は電池、111は電池収納部、112は弾性部材で形成されたア
イカップ、113bは弾性突起部、114は電池110を保持するための電池ロック部材
である。
【0022】
図3に示すように、電池110の上面に弾性突起部113bを配設し下面に電池ロック
部材114が配設されており、電池110をスライドして電池収納部111へ収納する際
、スライド方向へ弾性突起部113bは変形する構造となっている。そして弾性突起部1
13bが電池110を下方向へ押圧して電池ロック部材114で電池110を保持しガタ
ツキを防ぐ構造となっている。ここで図2に示した通り、弾性突起部113a、113b
はアイカップ112の中心に対し対称に配設されているため電池110の上面を下方向へ
左右バランス良く押圧するため効率よく電池110のガタツキを防ぐ構造となっている。
【0023】
また、弾性突起部113bはアイカップ112と一体で成形されているので、部品点数
や組み立て工数を増やすことなく、ガタツキによる異音の発生を防ぐことができる。また
従来のように貼りつけた弾性部材が剥がれるといった問題を防ぐことができる。
【0024】
また、本実施例では弾性突起部は2箇所で説明したが、電池収容構造によって、ガタ取
りが可能な構造であれば、1箇所や3箇所以上でも良い。
【符号の説明】
【0025】
100‥‥撮像装置
10‥‥電池
11‥‥電池収納部
12‥‥ビューファインダー
13・・・・弾性部材
19a、19b・・・・爪
21・・・・レンズ
22・・・・撮像素子
23・・・・カメラ信号処理部
24・・・・モニタ
25・・・・レコーダ
26・・・・電源
27・・・・画像変換回路
28・・・・制御マイコン
29・・・・操作キー
30・・・・ビューファインダー
31・・・・電池
200‥‥撮像装置
110・・・・電池
111‥‥電池収納部
112・・・・アイカップ
113a、113b・・・・弾性突起部
114・・・・電池ロック部材
129・・・・操作キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材で形成されたビューファインダーのアイカップと撮像装置を駆動するための電
池と前記電池を押圧するための弾性部材を有する撮像機器において、前記アイカップと前
記弾性部材を一体にて成形したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記アイカップは少なくとも1箇所で前記電池を押圧していることを特徴とする請求項
1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−89982(P2012−89982A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233451(P2010−233451)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】