説明

撮像装置

【課題】光ファイバーに伝送するHD−SDIの映像フォーマットを、撮像部と制御部と確実に切り替える。
【課題を解決するための手段】撮像部(カメラヘッド)と伝送路(光ファイバー)と制御部(CCU)と操作部(RC)とからなり前記伝送路に伝送する映像フォーマットを切替える機能を有する撮像装置(マルチフォーマットハイビジョンカメラ)において、前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替の可否を前記制御部の映像出力に表示し、前記操作部での操作により前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替を撮像部と制御部とで同時に行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像部と伝送路と制御部とからなる撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョンカメラシステムでは撮像部(カメラヘッド)と接続された制御部(Camera-Control-Unit:CCU)との間で本線映像信号,送り返し映像信号,音声信号,コントロール用シリアルデータ信号,及び電源の送受信の時分割双方向伝送を3重同軸(トライアックス)ケーブル1本の伝送路で行う方法をデジタルトライアックスシステムと称する(特許文献1)。
【0003】
有効走査線720本と有効走査線1080本のハイビジョンでは、本線映像信号,送り返し映像信号,音声信号,コントロール用シリアルデータ信号の送受信伝送と電源供給を光ケーブルで用いる方が一般であるが、トライアックスケーブルを施設に敷設してある場合は、デジタルトライアックスシステムを用いる。
【0004】
従来の一実施例の概要を図1で説明する。
【0005】
カメラヘッド101とカメラコントロールユニット103を光ケーブル102で接続したテレビジョンカメラシステムでは、カメラコントロールユニット103からカメラヘッド101へゲンロック信号を送信して、同期した映像信号をカメラヘッド101からカメラコントロールユニット103へ送信して、モニタ104に確認映像出力(以下MON出力)を出力している。このときカメラヘッド101及びカメラコントロールユニット103のフォーマットがそれぞれ同一である必要があり、どちらかのフォーマットが異なる場合は双方のデータ伝送が行なわれず正常な映像出力を行なう事が不可となる。たとえばカメラコントロールユニット103から一方的にカメラシステムのフォーマットを切替える指示を出した際、カメラヘッド101が切替え不可なタイプの機種が接続されていた場合にカメラコントロールユニット103のみフォーマットが切替わってしまい、データ伝送及び正常な映像出力が出来なくなってしまうので、カメラシステムのフォーマット切替えに手順が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−203399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
撮像装置の伝送路(光ファイバー)に伝送するHD−SDIの映像フォーマットを、撮像部と制御部と確実に切り替えることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、撮像部と伝送路と制御部と操作部とからなり前記伝送路に伝送する映像フォーマットを切替える機能を有する撮像装置において、前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替の可否を前記制御部の映像出力に表示し、前記操作部での操作により前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替を前記撮像部と前記制御部とで同時に行なうことを特徴とする撮像装置である。
【0009】
また、上記撮像装置において、映像フォーマット切替えを実施した後、前記伝送路に伝送する映像が正常に接続された事を双方で確認を行ない、確認映像出力(以下MON出力)にて切替え操作終了を表示し、逆に確認が出来ない場合はフォーマットを切替える前の状態に戻して、異常終了した内容をMON出力に表示することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像装置の伝送路(光ファイバー)に伝送するHD−SDIの映像フォーマットを、撮像部と制御部と確実に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カメラシステムの概要を示すブロック図
【図2】本発明の一実施例の電源ON時のカメラシステムフォーマット設定の概要を示すフローチャート
【図3】本発明の一実施例の動作中のカメラシステムフォーマット切替えの概要を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
本発明による撮像装置の一実施例の動作の概要を、カメラシステムの概要を示すブロック図の図1と本発明の一実施例の電源ON時のカメラシステムフォーマット設定の概要を示すフローチャートの図2と本発明の一実施例の動作中のカメラシステムフォーマット切替えの概要を示すフローチャートの図3とを用いて説明する。
【0013】
まずは図1及び図2にて電源立ち上げ時のフォーマット設定手順について説明する。
図1のカメラコントロールユニット103に電源をONした後、カメラヘッド101の電源をONしてカメラシステムが立ち上がるが、図2に示すように電源立ち上げ時はNTSCフォーマットにてシステムを動作させる(ステップ101,ステップ112)。次にカメラヘッド101の機種を確認して(ステップ102,ステップ113,ステップ103)、フォーマットの切替えが可能な機種の場合は前回電源をOFFした時のカメラシステムのフォーマットに切替えるコマンド指示をカメラヘッド101へ送信し(ステップ105)、カメラヘッド101はそのコマンド指示を受けてから2フレーム後にフォーマット切替えの制御をスタートすると同時にフォーマット切替えの受付けを完了した事をカメラコントロールユニット103へ返信する(ステップ114,ステップ115)。カメラコントロールユニット103はその返信を受けて2フレーム後にフォーマットを切替える(ステップ106)。フォーマットの切替えが完了した後、フォーマットを確認するコマンドをカメラヘッド101へ送信し(ステップ107)、カメラヘッド101は切替えたフォーマットをカメラコントロールユニット103へ返信する(ステップ116)。カメラコントロールユニット103は、その返信がある場合はカメラシステムのフォーマット切替えが正常終了した事と切替えたフォーマット情報をカメラコントロールユニット103のPIX出力に表示する(ステップ109)。もしも返信が無い場合はカメラコントロールユニット103のPIX出力に異常終了した事を表示し、切替え前のフォーマットに戻す(ステップ110)。それ以外にカメラヘッド101の機種確認にてフォーマット切替えが不可の場合はPIX出力にフォーマット切替えが出来ない事を表示し、切替え制御を行なわずに設定を完了する(ステップ104,111)。
【0014】
次に、図1及び図3にてカメラシステム動作中におけるフォーマット切替えの設定手順について説明する。
電源起動時にカメラヘッド101から受信した機種情報により、切替え可能なフォーマットをフォーマット切替え用メニュー上に表示する(ステップ117)。接続されているカメラヘッド101がフォーマット切替え可能な場合はカメラコントロールユニット103のPIX出力におけるメニュー操作によりフォーマット切替えコマンド指示をカメラヘッド101へ送信する(ステップ119)。カメラヘッド101はそのコマンド指示を受けてから2フレーム後にフォーマット切替えの制御をスタートすると同時にフォーマット切替えの受付けを完了した事をカメラコントロールユニット103へ返信する(ステップ126,ステップ127)。カメラコントロールユニット103はその返信を受けて2フレーム後にフォーマットを切替える(ステップ120)。フォーマットの切替えが完了した後、フォーマットを確認するコマンドをカメラヘッド101へ送信し(ステップ121)、カメラヘッド101は切替えたフォーマットをカメラコントロールユニット103へ返信する(ステップ128)。カメラコントロールユニット103は、その返信がある場合はカメラシステムのフォーマット切替えが正常終了した事と切替えたフォーマット情報をカメラコントロールユニット103のPIX出力に表示する(ステップ123)。もしも返信が無い場合はカメラコントロールユニット103のPIX出力に異常終了した事を表示し、切替え前のフォーマットに戻す(ステップ124)。それ以外にカメラヘッド101の機種確認にてフォーマット切替えが不可の場合はPIX出力にフォーマット切替えが出来ない事を表示し、切替え制御を行なわずに設定を完了する(ステップ118,125)。
【0015】
以上のように、カメラシステムのフォーマット設定の手順を行なえば、カメラコントロールユニット103から確実にカメラヘッド101への制御を行なう事が可能となり、使い勝手の良いカメラシステムを構築できる。
【0016】
つまり、本発明では、カメラコントロールユニットからカメラシステムのフォーマットを切替えを行なうためにカメラヘッドの機種を判別し、フォーマットの切替えが可能か確認をする必要があるので電源立ち上げ時はカメラヘッド及びカメラコントロールユニットをNTSCフォーマットに設定してデータ伝送を行なう事で相互の情報を交換してカメラシステムのフォーマット切替えを行なう。同様にシステム稼働中もフォーマット切替えの前に相互データ伝送確認を行なった上で、カメラシステムのフォーマット切替えを行ない、切替えた後もデータ伝送及び映像出力が正常か確認をして、正常な場合はカメラシステムのフォーマット確定、異常な場合は切替える前のカメラシステムのフォーマットに戻す事で確実なカメラシステムの切替えを確立させる。

【符号の説明】
【0017】
101:カメラヘッド(撮像部)、102:光ケーブル(伝送路)、103:カメラコントロールユニット(制御部)、104:モニタ、105:リモコン(操作部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と伝送路と制御部と操作部とからなり前記伝送路に伝送する映像フォーマットを切替える機能を有する撮像装置において、前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替の可否を前記制御部の映像出力に表示し、前記操作部での操作により前記伝送路に伝送する映像フォーマット切替を前記撮像部と前記制御部とで同時に行なうことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−89988(P2012−89988A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233525(P2010−233525)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】