説明

撹拌機

【課題】1本のプロペラ軸で処理物を均一に撹拌する。
【解決手段】円筒形容器1の中心に回転軸2を回転自在に支持する。回転軸の周りに間隔を存して複数のプロペラブレード3を植え付ける。各プロペラブレードは長さの略中央で捻れており、根元側半分3aと先端側半分3bが正負逆のピッチを備えていて、一方が右ねじ、他方が左ねじになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥等の工程において生ゴミ等の処理物を容器内に設けた回転撹拌具で混合する撹拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
処理物を容器内に設けた回転撹拌具で混合する装置は乾燥工程等で広く使用されている。従来のものは容器内を万遍なく撹拌するために回転撹拌具を複数必要とし、また、容器を傾ける等の搬出装置が別に必要であったりして、製造コストが高いものになっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、均一な撹拌および撹拌後の処理物の排出が1本のプロペラ軸だけでできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の撹拌機は、処理物を受容する容器と、その中に支持されている回転軸と、その軸の周りに間隔をおいて植設された複数のプロペラブレードからなる。そして、プロペラブレードは根元側と先端側とでピッチが正負逆に形成され、根元側と先端側が処理物を互に反対方向に押しやるように構成されている。回転軸は水平に支持するが、少し傾斜を設けてもよい。
【0005】
この装置では、容器内に生ゴミ等の処理物を入れてプロペラ軸を駆動すると、処理物がプロペラブレードで掻き揚げられては落下するという動きを繰り返し、その過程で撹拌される。他方、プロペラブレードの根元側と先端側は、ピッチが逆になっているので、それぞれ反対方向に処理物を押しやる。この結果、処理物が容器内で連続的に循環し、その動きの中で前述の撹拌が行われるので、効率よい撹拌が行われる。また、このように処理物が循環しているので、循環する処理物を待ち構える位置に排出口を設けて、それを開閉するだけで、処理物を容器の外に取り出すことができる。
【0006】
このように、この装置は、一本のプロペラ軸だけで効率よい撹拌ができ、構造が極めてシンプルであり、安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1に示す撹拌機は、残飯・野菜屑等の生ゴミを乾燥して肥料を作るためのものであり、円筒形容器1の中心に回転軸2を回転自在に支持する。回転軸の周りに間隔を存して複数のプロペラブレード3を植え付ける。図2、図3に示すように、各プロペラブレードは長さの略中央で捻れており、根元側半分3aと先端側半分3bが正負逆のピッチを備えている。プロペラをねじに例えれば、根元側が右ねじ、先端側が左ねじになっている。
【0008】
容器1の上部中央には、処理物の投入口5、下部一端には排出口6を設ける。また、容器上部に熱風吹込み口7と排気口8を設ける。容器1の周面にはジャケット9を設け、中に熱媒体としての作動液を入れる。容器の下部には、その作動液を加熱するための電熱ヒータ10を設ける。符号11は冷却用の水パイプである。
【0009】
この装置の動作を説明すると、投入口5から容器内に処理物(生ゴミ)12を回転軸2が隠れる程度入れ、図示しないモータで回転軸2を回転駆動する。回転数は50〜100rpmほどである。
【0010】
このときの容器内の処理物12の動きであるが、図2に矢印14で示すように、1枚1枚のプロペラブレード3は処理物の中から外に出るときに処理物12を空中に掻き揚げ、掻き揚げられた処理物は自重で落下する。処理物は、こうして掻き揚げ、落下の動きによって撹拌される。
【0011】
次に図1で見ると、各プロペラブレード3の根元側半分3aは右ねじになっているので、回転軸2の近くにあるの処理物は右方向に送られ、他方、先端側半分3bは左ねじになっているので、回転軸から離れたところの処理物は右方向に搬送される。こうして、容器内には、容器の軸方向に沿った処理物の連続的な循環流が生成され、前記のプロペラブレードの掻き揚げと相まって、効率よい撹拌が行われる。
【0012】
撹拌運転中、容器内には吹込み口7から熱風が吹き込まれ、また、ジャケット9の作動液がヒータ10で加熱されるので、容器内は高温に保たれ、処理物12から水分が蒸発して短時間のうちに粉末肥料になる。
【0013】
容器下部の排出口6は、循環して動いているゴミを待ち構える位置にあり、これを開けるだけで、粉末肥料が排出口を通り抜け、シュータ13から外部に排出される。
【0014】
各ブレードの先端形状は処理物の種類に適合した形状にすることができ、例えば処理物の比重が小さい場合、図4に示すように、各ブレードの先端にピッチングプレート15を取り付けると、軽いものも確実に捕捉でき撹拌効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】撹拌機の縦断面図である。
【図2】同じく横断面図である。
【図3】プロペラ軸の斜視図である。
【図4】先端にピッチングプレートを取り付けたプロペラブレードの説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1 容器
2 回転軸
3 プロペラブレード
3a 根元側
3b 先端側
12 処理物(生ゴミ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理物を受容する容器と、その中に支持されている回転軸と、該回転軸の周りに相互に間隔をおいて植設された複数のプロペラブレードからなり、各プロペラブレードは根元側と先端側とでピッチが正負逆に形成され、根元側と先端側が処理物を互に反対方向に押しやるように構成されていることを特徴とする撹拌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−297250(P2006−297250A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120825(P2005−120825)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(505264901)
【Fターム(参考)】