説明

操作パネル

【課題】 小型化した操作領域であっても操作性に優れる操作パネルを提供する。
【解決手段】 弾性部材50は、表示部材40を保持する。支持体60は、弾性部材50を支持する。スイッチ30は、弾性部材50により押圧される。ケース体10は、スイッチ30を収容する。発光素子80は、表示部材40を透過照明する。弾性部材50は、表示部材40が嵌入される溝部51aを有する保持部50と、ケース体10と支持体60とに挟持される固定部52と、が一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防塵性を有する操作パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、操作パネルが種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる操作パネルは、操作部を有するパネルシートと、前記パネルシートの背面側に位置し前記操作部に対応して開口する操作孔を有する支持体と、前記操作部に対応する箇所にスイッチを有する回路基板と、前記操作部の押圧操作に応じて前記スイッチを作動させる操作軸部を有する弾性部材と、を備えたものである。このような操作パネルは、パネルシートにエンボス加工によって形成される操作部と操作軸部を有する弾性部材とを押圧操作することによってスイッチを作動させる構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−266695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような操作パネルは、エンボス加工された領域が小型化された場合にあっては、支点と作用点の距離が短くなることからエンボス加工部を下方へ押し込む力が大きくなり、さらには弾性部材を介してスイッチを作動させなくてはいけない為、操作性が悪くなってしまうといった問題点を有している。
そこで、本発明は、前述の問題点に着目し、小型化した操作領域であっても操作性に優れる操作パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、表示部材40と、前記表示部材40を保持する弾性部材50と、前記弾性部材50を支持する支持体60と、前記弾性部材50により押圧されるスイッチ30と、前記スイッチ30を収容するケース体10と、を備えた操作パネルであって、前記弾性部材50は、前記表示部材40が嵌入される溝部51aを有する保持部50と、前記ケース体10と前記支持体60とに挟持される固定部52と、が一体形成されているものである。
【0006】
また、本発明は、前記表示部材40を透過照明する発光素子80を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
弾性部材によって表示部材を保持する構造とすることによって、操作性に優れた操作パネルとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図。
【図2】同上実施形態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。操作パネルは、ケース体10,回路基板20,スイッチ30,スイッチパネル(表示部材)40,弾性部材50,支持体60,パネルシート70,発光素子80,伝達部材90を備えている。
【0010】
ケース体10は、不透明な合成樹脂からなるものであり、箱型形状に成形され、正面視で円形の開口11を有している。回路基板20は、ガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、スイッチ30,発光素子80や、抵抗,コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)が前記配線パターンに導通接続されている。スイッチ30,発光素子80等を搭載した回路基板20は、ケース体10に収納されている。
【0011】
スイッチ30は、角形のタクトスイッチからなり、回路基板20上の前記配線パターンに半田付け等の手段により導通接続されており、スイッチパネル40の押圧操作により、伝達部材90及び弾性部材50を介して押圧作動され、所定の信号を出力する。スイッチパネル40は、透光性樹脂からなる基材に所定の表示部41を印刷形成したものであり、略円板形状になっている。スイッチパネル40は、発光素子80が発した照明光によって、透過照明される。
【0012】
弾性部材50は、シリコーンゴム等の透光性材料からなり、ケース体10内に塵埃の侵入を防ぐ防塵部材である。弾性部材50は、スイッチパネル40及び伝達部材90を保持する保持部51と、ケース体10と支持体60とに挟持される固定部52と、保持部51と固定部とを連結する薄肉部53と、が一体形成されたものである。弾性部材50の保持部51は、スイッチパネル40が嵌入される溝部51aを有している。弾性部材50の固定部52は、ケース体10と支持体60とにより圧縮されて、防塵性,防水性を発揮する。
【0013】
支持体60は、アクリル等の透光性合成樹脂からなり、弾性部材50を支持する。支持体60は、弾性部材50の保持部51を挿通可能にする貫通部61と、保持部51が広がってスイッチパネル40が溝部51aから外れることを防ぐ周壁部62と、を有している。支持体60の周壁部62は、ケース体10の開口11に挿通されており、スイッチパネル40が押圧されたときに、開口11と薄肉部53との隙間が過度に大きくなることがなく、開口11と薄肉部53との隙間に異物が入ることを防止している。支持体60は、ケース体60に超音波溶着されている。パネルシート70は、スイッチパネル40を露出させる円形の開口71を有しており、ケース体10の前面に貼着されている。
【0014】
発光素子80は、発光ダイオードからなり、回路基板20に搭載されている。発光素子80が発した照明光は、支持体60,弾性部材50,伝達部材90を透過して、スイッチパネル40を後面側から照明する。伝達部材90は、透光性樹脂からなるものであり、弾性部材50の保持部51に保持されている。伝達部材90は、弾性部材50を介してスイッチ30を押圧する突出部91を有している。
【0015】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものでなく、種々の変形が可能であり、例えば、スイッチパネル40と伝達部材90とは一体形成されていても良く、本実施形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態では、弾性部材50は、全体が光透過性を有するものであったが、例えば、弾性部材50の固定部52及び薄肉部53は不透過で、保持部51だけが光透過性を有するように、2色成型によって弾性部材50を形成しても良い。
【符号の説明】
【0016】
10 ケース体
30 スイッチ
40 スイッチパネル(表示部材)
50 弾性部材
51a 溝部
52 固定部
60 支持体
80 発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部材と、前記表示部材を保持する弾性部材と、前記弾性部材を支持する支持体と、前記弾性部材により押圧されるスイッチと、前記スイッチを収容するケース体と、を備えた操作パネルであって、
前記弾性部材は、前記表示部材が嵌入される溝部を有する保持部と、前記ケース体と前記支持体とに挟持される固定部と、が一体形成されていることを特徴とする操作パネル。
【請求項2】
前記表示部材を透過照明する発光素子を備えたことを特徴とする請求項1に記載の操作パネル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−164573(P2012−164573A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25209(P2011−25209)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】