説明

操作入力装置

【課題】非接触操作を光学的に検出する操作可能な操作入力装置であって、受発光素子等の光学手段を配置する際の設計自由度を向上し、小型化を実現した操作入力装置を提供すること。
【解決手段】非接触操作を入力可能な操作面10を備えた操作スイッチパネル1は、非接触操作を検出するために操作面10の表側に設けられた検出領域300と、検出領域300に光を投射するように操作面10の裏側に配置された発光ユニット310と、検出領域300から反射されて来る光を受光するように操作面10の裏側に配置された受光ユニットと、発光ユニット310による光の投射に応じて受光ユニットに入射する反射光を利用して非接触操作を検出する操作検出部と、発光ユニット310の光を操作面10の表側の検出領域300に向けて反射すると共に、検出領域300からの光を受光ユニットに向けて反射する反射板14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触操作を光学的に検出する操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象機器を動作させるための各種操作を入力する操作入力装置として、浮かび上がって立体的に目視される虚像を操作目標として立体表示すると共に、その操作目標に対する非接触操作を実現した入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような非接触操作を可能とした操作入力装置は、濡れ手による操作が必要なキッチンや洗面台、タッチ操作が敬遠されることもある多機能便器等への適用に好適である。
【0003】
このような操作入力装置の検出手段としては、例えば、LED素子等の発光素子を含む発光部と、PSD(Position Sensitive Detector:光位置センサ)等の受光素子を含む受光部と、が離れて配置された光学的な検出手段が知られている。この検出手段は、被検出対象からの反射光がPSDに入射する位置を特定し、いわゆる三角測量の原理により被検出対象までの距離を計測して非接触操作の有無を検出する。このような検出手段を操作入力装置に組み込むに当たっては、非接触操作の検出領域に向かうように発光部・受光部の光軸を設定する必要がある。
【0004】
しかしながら、前記従来の操作入力装置では、次のような問題がある。すなわち、受光部及び発光部を配置する際の制約により設計自由度が低下しており、コンパクト設計等のニーズに適切に対応することが難しくなっているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−223102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、非接触操作を光学的に検出する操作入力装置であって、受発光素子等の光学手段を配置する際の設計自由度を向上し、小型化を実現した操作入力装置を提供するための発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、非接触操作を入力可能な操作面を備えた操作入力装置であって、
前記操作面の表側の空間に設けられ、指先等の人体を検知することで非接触操作を検出する検出領域と、
前記検出領域に光を投射するために前記操作面の裏側に配置された発光部と、
前記検出領域からの光を受光するために前記操作面の裏側に配置された受光部と、
前記発光部による光の投射に応じて前記受光部に入射する反射光を利用して非接触操作を検出する操作検出部と、
前記発光部が投射した光を前記操作面の表側の前記検出領域に向けて反射する第1の反射板と、
前記検出領域からの光を前記受光部に向けて反射する第2の反射板と、を備えた操作入力装置にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の操作入力装置では、光を投射する前記発光部、及び光を受光する前記受光部が前記操作面の裏側に配置されている。前記発光部が投射する光は、前記第1の反射板によって前記検出領域に向けて反射される。前記検出領域からの光は、前記第2の反射板によって前記受光部に向けて反射される。
【0009】
この操作入力装置では、前記操作面の外周側に前記発光部や前記受光部を配置する必要がなく、設計自由度が高くなっている。前記操作面の外周側ではなく、前記発光部や前記受光部を前記操作面の裏側に配置すれば、この操作面側の表面積を(占有面積)を抑制でき、前記操作入力装置の小型化を比較的容易に実現できる。
【0010】
本発明の操作入力装置としては、前記検出領域を1カ所のみ有する装置であっても良く、前記検出領域を複数有する装置であっても良い。
前記発光部としては、LED素子、レーザー素子等を利用した様々なタイプを採用できる。前記受光部としては、PSD、フォトトランジスタ、CCD、CMOS、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ等の受光素子を利用した様々なタイプを採用できる。
【0011】
本発明の好適な一態様の操作入力装置では、前記第1の反射板と前記第2の反射板とが一体化され、一枚の反射板として構成されていても良い。また、前記第1又は第2の反射板は一枚のみであっても良いが、複数枚の反射板を組み合わせて構成することも良い。例えば、複数枚の反射板を組み合わせた第1の反射板であれば、前記発光部による光が複数回、反射を繰り返した後、前記検出領域に向けて投射される。
【0012】
本発明の好適な一態様の操作入力装置においては、前記操作面側には、前記検出領域に対応する操作目標を立体的に表示する立体表示手段が設けられていることが好ましい。
この場合には、前記立体表示手段の構成部品に対して、前記発光部及び前記受光部の配置自由度を向上できる。前記立体表示手段を備えた操作入力装置について、コンパクト設計が容易になる。
【0013】
本発明の好適な一態様の操作入力装置においては、前記立体表示手段は、左目に観察させる左像が所定方向に分割された分割左像と、右目に観察させる右像が所定方向に分割された分割右像と、が交互に配置された3D元画像に対して、前記分割左像を見込む左目の視線方向と、前記分割右像を見込む右目の視線方向と、を区分する視差シートが積層された立体表示シートを含み、
この立体表示シートには、前記第1の反射板により反射された前記発光部の光を前記操作面の表側に透過させると共に、前記検出領域からの光を前記操作面の裏側に透過させる透過窓が設けられていることが好ましい。
【0014】
この場合には、前記立体表示シートの外周側に反射板を配置する必要がなくなる。前記第1及び第2の反射板を前記立体表示シートの裏面側に配置することにより、前記操作入力装置をコンパクトに構成できる。
【0015】
本発明の好適な一態様の操作入力装置においては、前記発光部が投射した光のうち、前記操作面の表側を経由せずに前記受光部に直接、入射する光を遮断する遮光板を備えていることが良い。
この場合には、前記操作入力装置の内部で反射を繰り返し、前記発光部が投射した光が前記受光部に直接、入射するおそれを抑制できる。このような光学的経路の短絡(ショート)を回避して前記受光部に対するノイズ的な光の入射を抑制すれば、非接触操作の検出性能を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例における、操作スイッチパネルを示す斜視図。
【図2】実施例における、操作スイッチパネルが取り付けられた洗面台を示す正面図。
【図3】実施例における、操作スイッチパネルの断面構造を示す断面図。
【図4】実施例における、操作スイッチパネルの組立て構造を示す説明図。
【図5】実施例における、立体表示シートの積層構造を示す説明図。
【図6】実施例における、操作スイッチパネルのシステム構成を示すブロック図。
【図7】実施例における、非接触操作を検出する様子を示す説明図。
【図8】実施例における、光学的経路の短絡(ショート)を防止する遮光板を取り付けた操作スイッチパネルの内部構造を示す斜視図。
【図9】実施例における、受発光ユニットのその他の配置構造を示す説明図。
【図10】実施例における、受発光ユニットのその他の配置構造を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施例)
本例は、非接触操作を光学的に検出する操作スイッチパネル(操作入力装置)1に関する例である。この内容について、図1〜図10を用いて説明する。
本例の操作スイッチパネル1は、図1及び図2のごとく、洗面台7の照明ランプ71、鏡72の曇り止めヒータ(図示略)をオンオフ操作するための操作入力装置である。この操作スイッチパネル1は、鏡72の下縁に沿って設けられた庇状のカウンタ73の前面に取り付けられる。
【0018】
操作スイッチパネル1の凸凹のない平滑な操作面10には、図1〜図3のごとく、2箇所の操作スイッチ15が設けられている。操作スイッチ15としては、左側の照明スイッチ15A、右側の曇り止めスイッチ15Bがある。各操作スイッチ15は、立体表示された操作マーク(操作目標)200と、非接触操作を検出する検出領域300(図3)と、を組み合せた非接触スイッチである。
【0019】
操作マーク200の浮かび上がり量は、検出領域300の高さに略一致するように設定されている。この操作スイッチパネル1では、何れかの操作マーク200を指先等で触れるように操作することで、対応する操作スイッチ15を非接触で操作可能である。
操作面10においては、各操作スイッチ15の上側の隣り合う位置にスイッチ機能を平面的(非立体的)に表示する機能表示155が配置されている。さらに、各操作スイッチ15の下側に当たる操作面10の下部には、LED光を透過する半透明の帯状の窓12が幅方向全域に渡って形成されている。
【0020】
操作スイッチパネル1は、図3及び図4のごとく、底の浅い箱状の筐体11を利用して形成されている。操作面10側の表面には、操作マーク200を立体的に表示するための立体表示シート(立体表示手段)2が貼り付けられている。筐体11の内部には、制御基板3や、光学要素をなす反射板14等が収容されている。帯状の窓12を介して見込まれる位置には、操作面10に対して傾けた状態で長細い矩形板状の反射板14が配設されている。
【0021】
立体表示シート2は、図4及び図5のごとく、裏面側から順番に、3D元画像200Sがプリントされた3D画像シート25、レンチキュラーレンズシート(視差シート)23、及び透明シート21が積層された3層構造を有している。立体表示シート2には、前記窓12(図3及び図4参照。)を構成する透過窓20が形成されている。
【0022】
3D画像シート25は、図1及び図5のごとく、操作マーク200の元絵となる3D元画像200Sが透明基材シートの表面に印刷されたシートである。3D画像シート25では、左目に観察される左像を縦方向に分割した分割左像が印刷された短冊状の左像エリア251と、右目に観察される右像を縦方向に分割した分割右像が印刷された短冊状の右像エリア253と、が視差方向に当たる左右方向に交互に配置されている。3D元画像200Sは、左像と右像との間に所定の視差が設けられた立体画像の元絵である。本例では、3D元画像200Sとして、照明スイッチ15Aの操作マーク200に対応する元絵と、曇り止めスイッチ15Bの操作マーク200に対応する元絵と、が設けられている。
【0023】
各3D元画像200Sの上側には、スイッチ機能を表示する機能表示155(図1参照。)が印刷されている。この機能表示155は、左像と右像との視差をゼロとし、立体表示効果が生じないように印刷されている。
また、3D元画像200Sの下側には、何も印刷されていない帯状の透明領域250が幅方向全域に渡って形成されている。この透明領域250は、立体表示シート2の透過窓20を構成している。
【0024】
レンチキュラーレンズシート23は、1組の左像エリア251及び右像エリア253を覆う畝状の凸部231を、左像エリア251・右像エリア253の組毎に複数設けた透明シートである。畝状の凸部231の1本1本は、3D画像シート25の左像を観者の左目の網膜に結像させ、右像を右目の網膜に結像させるレンズ効果を生じる。
【0025】
透明シート21は、無色透明の平滑フィルムシートである。この透明シート21は、裏面全面に渡って散点(ドット)状に塗布された透明接着剤によりレンチキュラーレンズシート23に貼付される。この透明シート21によれば、平滑な操作面10を実現でき、操作スイッチパネル1の美観を向上できるほか、操作面10への汚れの付着を抑制できると共にそのふき取り作業を容易にできる。
【0026】
レンチキュラーレンズシート23を介して3D画像シート25を見込んだとき、観者の右目で右像が視認され、左目で左像が視認される。本例の3D画像シート25では、操作マーク200(図1参照。)の元絵である3D元画像200Sについて、左像と右像の視差が設定されている。そのため、操作マーク200は、操作面10から立体的に浮かび上がって目視される。一方、左像と右像の視差がゼロである各機能表示155については、操作面10から浮かび上がって見えることなく平面的に目視される。
【0027】
制御基板3は、図6のごとく、LED素子を利用した発光部31、PSD(光位置センサ)を利用した受光部33、発光部31・受光部33を制御する検出制御部301、操作を検出する操作検出部302、操作に応じてスイッチ動作(オンオフ動作)を実行する切換制御部303を有している。制御基板3の基板上には、検出制御部301、操作検出部302及び切換制御部303の機能を備える1チップマイコン30のほか、発光部31をなす発光ユニット310、受光部33をなす受光ユニット330等が配置されている(図3、図4参照。)。
【0028】
本例の制御基板3では、発光ユニット310及び受光ユニット330が2組配置されている。一方の組は、照明スイッチ15A(図1参照。)に対応しており、他方の組は、曇り止めスイッチ15B(図1参照。)に対応している。制御基板3では、反射板14を見込むように発光ユニット310及び受光ユニット330が配置されている。
【0029】
検出制御部301は、受発光動作が同期して実行されるように発光ユニット310及び受光ユニット330を制御すると共に、受光ユニット330を構成するPSDが出力するセンサ信号を取り込んで操作検出部302に入力する。
操作検出部302は、検出制御部301から取り込んだセンサ信号に基づいてPSDに対する反射光の入射位置を特定し、三角測量の原理により被検出対象までの距離を計測する。操作検出部302は、検出領域300(図3参照。)に対応する距離が計測されたときに操作有りと判断して操作検出信号を出力する。なお、操作検出信号としては、照明スイッチ15Aに対応する信号と、曇り止めスイッチ15Bに対応する信号と、がある。
【0030】
切換制御部303は、操作検出部302から操作検出信号を取り込んだとき、所定のスイッチ動作を実行する。照明スイッチ15Aに対応する操作検出信号を取り込んだときには、照明ランプ71のオンオフを切り換える。曇り止めスイッチ15Bに対応する操作検出信号を取り込んだときには、曇り止めヒータ(図示略)のオンオフを切り換える。
【0031】
以上のように構成された操作スイッチパネル1は、図7のごとく、発光ユニット310による光の投射に応じた(被検出対象からの)反射光がPSD(受光ユニット330)に入射する位置を特定し、いわゆる三角測量の原理により被検出対象までの距離を計測する。そして、計測距離に応じて非接触操作の有無を検出し、検出に応じて対応する操作スイッチ15のオンオフを切り換える。この操作スイッチパネル1によれば、立体表示された操作マーク200に対する非接触操作により照明ランプ71等のオンオフ操作を実行可能である。
【0032】
特に、本例の操作スイッチパネル1では、図7に示すごとく、発光ユニット310による投射光の経路のうち、反射板14に対する入射光と反射光とのなす角θ1、及び受光ユニット330に対する入射光の経路のうち、反射板14に対する入射光と反射光とのなす角θ2が、いずれも90度未満の狭角に設定されている。また、図3のごとく、窓12を通過する投射光及び反射光の経路方向と、操作面10と、のなす角θs(3D元画像200Sが配置された側の角度)についても、90度未満の狭角に設定されている。
【0033】
本例の操作スイッチパネル1では、上記のような設定により、光軸が操作面10と略平行をなす発光ユニット310及び受光ユニット330について、3D元画像200Sの裏側への配置が可能になっている(図3参照。)。発光ユニット310による投射光は、反射板14で反射された後、操作面10の下部に設けられた窓12を透過し、3D元画像200Sを回り込むようにして検出領域300に投射される。同様に、検出領域300からの光は、窓12を透過し、反射板14により反射されることにより、3D元画像200Sの裏側に回り込むようにして受光ユニット330に入射する。
【0034】
この操作スイッチパネル1では、操作面10の外周側に発光ユニット310や受光ユニット330を配置する必要がなく、これらのユニットを配置する際の設計自由度が高くなっている。発光ユニット310や受光ユニット330を操作面10の裏側に配置できれば、操作面10側の表面積を抑制して操作スイッチパネル1の小型化を実現可能である。また、本例のごとく、高さや幅方向の寸法に比べて光軸方向の奥行き寸法が長い発光ユニット310あるいは受光ユニット330を採用する場合には、操作面10に沿って発光ユニット310・受光ユニット330を配置することで厚さ方向の寸法を低減できるという顕著な効果が生じる。光軸方向の寸法を抑制した特別仕様の発光ユニット等を採用する場合と比べて、安価な部品を活用でき製品コストを低減できる。
【0035】
さらに、本例の操作スイッチパネル1では、発光ユニット310及び受光ユニット330が制御基板3の表面に取り付けられている。制御基板3とは別に、発光ユニット310や受光ユニット330を取り付ける場合と比べて、これらのユニットの組み付け位置精度の確保が容易である。また、操作スイッチパネル1の組み立て作業における組み付け部品点数を削減でき、組み立て作業に要するコストの抑制により生産コストを低減できる。さらに、制御基板3に対して発光ユニット310等を取り付ける場合であれば、表示実装可能なチップ部品の発光ユニット310あるいは受光ユニット330を採用できる。チップ部品は、パッケージに収容した場合と比べて格段に小型になるため、寸法の小型化に有効である。
【0036】
なお、図8のごとく、発光ユニット310と受光ユニット330との間の光学的経路の短絡を防止するための遮光板145を設けることも良い。このような遮光板145を設ければ、発光ユニット310の投射光のうち、操作スイッチパネル1の内部で反射を繰り返して直接、受光ユニット330に入射する光量を効果的に抑制できる。受光ユニット330に入射するノイズ的な光を抑制すれば、非接触操作の検出性能を向上して操作性を向上できる。
なお、本例では、発光ユニット310による光の投射経路を構成する第1の反射板と、受光ユニット330に対する光の入射経路を構成する第2の反射板と、が一体となった反射板14を採用した例である。これに代えて、第1及び第2の反射板を個別に設けることも良い。
【0037】
なお、本例では、各装置スイッチ15に対応して発光ユニット310及び受光ユニット330を1個ずつ配置した例である。これに代えて、図9のごとく、1個の発光ユニット310に対して受光ユニット330を2個配置することも良い。この場合には、所定方向から入射する外乱光による影響を抑制でき、受光ユニット330による距離計測精度を向上して操作検出の精度を向上できる。なお、図9では、理解を容易にするため、反射板14により反射されて反転する光路を直線的に図示してある。次に参照する図10についても同様である。
【0038】
さらに、図10のごとく、各操作スイッチ15に対応して発光ユニット310及び受光ユニット330を2個ずつ配置することも良い。この場合には、その配置方向において、検出領域300を幅方向に拡大して操作性を向上できる。さらに、この場合には、2個の発光ユニット310を挟み込むように両側に受光ユニット330を配置することも良い。このような配置によれば、検出感度が十分でない不感帯が検出領域300の中央に生じるおそれを抑制できる。さらに、各発光ユニット310による光の投射に応じた反射光を2個の受光ユニット330で受光するように制御することも良い。このように制御すれば、図9の構成と同様の作用効果が得られる。
【0039】
なお、本例は、洗面台の操作スイッチパネル1に関する例であるが、操作対象としては、シャワー機能付きの便器や、給湯装置や、空調設備や、給水装置や、キッチン水栓や、キッチンコンロ等であっても良い。給湯装置が操作対象の場合、本例の操作スイッチパネル1と似通った操作パネルを浴室等の壁面に設定することも良い。さらに、本例の操作入力装置を対象機器に組み込むことも可能である。
【0040】
なお、本例は、レンチキュラーレンズシート23を利用した立体表示手段を採用した例である。立体表示の方法としては、本例のレンチキュラー方式に代えて、スリットや液晶等を利用して左右の目に異なる像を結像させて立体表示を実現するパララックスバリア(視差バリア)方式や、ホログラムによる立体表示を可能とするホログラフィー方式や、マイクロレンズアレイ等、他の立体表示方法を採用することもできる。
【0041】
なお、本例では、LED素子とPSDとの組合せにより非接触操作を光学的に検出している。PSDに代えて受光の有無を検知する受光ユニットを採用することもできる。この構成によれば、反射光の有無によって検出領域に差し入れられた指先等を検知可能である。さらに、PSDに代えて受光量を計測可能な受光ユニットを適用することもできる。この構成によれば、投射光に対する反射光の減衰割合に応じて距離を計測でき、非接触操作を検出できる。
【0042】
なお、本例のように指先で操作する操作スイッチパネルの場合、図3のごとく、操作する指の付け根側に当たると想定される側に反射板14を配置することが好ましい。同図のごとく、発光ユニット310の投射光が指先ではなく指の腹(指紋の部分)で反射されるようになり、受光ユニット330に入射する反射光の光量が多くなる。操作スイッチパネルの上側及び下側に反射板を配置することも良い。下側から手を差しのべて操作される場合には、操作面10の下側に配置された反射板を経由する光学的経路が有効に作用し、上側から操作される場合には上側に配置された反射板が有効となる。
【0043】
本例では、操作スイッチとしてオンオフスイッチを例示している。操作スイッチとしては、操作面に沿って指先を横に移動させるスライド操作や、操作面に沿って指先で円弧を描くように移動させるダイアル操作を入力するスイッチであっても良い。さらには、操作面の法線方向に沿って指先を近づけたり遠ざけたりする3次元的な操作を入力するスイッチであっても良い。
また、本例では、操作スイッチパネル1として、平面的な操作面10を備えた装置を例示している。操作面は、平面に限定されず、曲面であっても良い。
【0044】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0045】
1…操作スイッチパネル(操作入力装置)、10…操作面、12…窓、14…反射板、145…遮光板、15…操作スイッチ、155…機能表示、2…立体表示シート(立体表示手段)、20…透過窓、200…操作マーク(操作目標)、200S…3D元画像、21…透明シート、23…レンチキュラーレンズシート、25…3D画像シート、3…制御基盤、30…1チップマイコン、300…検出領域、302…操作検出部、31…発光部、310…発光ユニット、33…受光部、330…受光ユニット、7…洗面台、71…照明ランプ、72…鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触操作を入力可能な操作面を備えた操作入力装置であって、
前記操作面の表側の空間に設けられ、指先等の人体を検知することで非接触操作を検出する検出領域と、
前記検出領域に光を投射するために前記操作面の裏側に配置された発光部と、
前記検出領域からの光を受光するために前記操作面の裏側に配置された受光部と、
前記発光部による光の投射に応じて前記受光部に入射する反射光を利用して非接触操作を検出する操作検出部と、
前記発光部が投射した光を前記操作面の表側の前記検出領域に向けて反射する第1の反射板と、
前記検出領域からの光を前記受光部に向けて反射する第2の反射板と、を備えた操作入力装置。
【請求項2】
請求項1において、前記操作面側には、前記検出領域に対応する操作目標を立体的に表示する立体表示手段が設けられている操作入力装置。
【請求項3】
請求項2において、前記立体表示手段は、左目に観察させる左像が所定方向に分割された分割左像と、右目に観察させる右像が所定方向に分割された分割右像と、が交互に配置された3D元画像に対して、前記分割左像を見込む左目の視線方向と、前記分割右像を見込む右目の視線方向と、を区分する視差シートが積層された立体表示シートを含み、
この立体表示シートには、前記第1の反射板により反射された前記発光部の光を前記操作面の表側に透過させると共に、前記検出領域からの光を前記操作面の裏側に透過させる透過窓が設けられている操作入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、前記発光部が投射した光のうち、前記操作面の表側を経由せずに前記受光部に直接、入射する光を遮断する遮光板を備えた操作入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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