操作受付装置
【課題】タッチパッドなどの押し込みを、パッドの全域で均一な荷重で実現する。
【解決手段】操作受付装置は、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部と、前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部に当接することで前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる当接部と、前記第1の方向から見て前記当接部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、を備える。
【解決手段】操作受付装置は、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部と、前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部に当接することで前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる当接部と、前記第1の方向から見て前記当接部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、押し込みによる操作が可能なタッチパネルセンサー板の構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−182855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載された技術では、タッチパネルセンサー板が押されると、緩衝材であるバネが押圧されるが、タッチパネルセンサー板の端部ではクリックの荷重が増加する問題がある。
【0005】
そこで、タッチパッドなどの押し込みを、パッドの全域で均一な荷重で実現可能な操作受付装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、を備えた、操作受付装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、押し込み部の全域で均一な押し込み荷重を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】タッチパッド上で指を押し込んだ場合に、タッチパッドが下方向に移動し、スイッチがタッチパッドの押し下げを検知する構成の一例を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るタッチパッドの押し込み構造の原理を説明するための模式図である。
【図3】図2の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図4】スイッチ(SW)から圧縮ばねまでの距離をXb、スイッチからストッパーまでの距離をXa、スイッチのストロークをYswとした場合に、圧縮ばねのストロークYbを説明するための模式図である。
【図5】圧縮ばねのストロークが、スイッチの押下までのストロークに対して限られている場合について説明するための模式図である。
【図6】図5の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図7】圧縮ばねの反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明するための模式図である。
【図8】圧縮ばねの反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明するための模式図である。
【図9】図7及び図8の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図10】図2、図5、図7の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図11】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点の位置を設定する例を示す特性図である。
【図12】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点の位置を設定し、これより外側にはユーザの指が接触しない構成を示す模式図である。
【図13】図8と同様に、タッチパッドのたわみによってスイッチを押下する場合を示す模式図である。
【図14】図13の構成の場合の押込力Fの理論値をシミュレーションした結果を示す特性図である。
【図15】図2の構成において、スイッチとタッチパッドの下面にばね要素を配置した例を示す模式図である。
【図16】タッチパッドの左右の端部の押し下げを検知するため、スイッチを設けた構成例を示す模式図である。
【図17】本実施形態のタッチパッドの押し込み構造を適用したリモートコントローラの外観を示す斜視図である。
【図18】リモートコントローラの構成を詳細に示す模式図である。
【図19】リモートコントローラ400のタッチパッド202の押し込み力を示す特性図である。
【図20】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くした例を示す模式図である。
【図21】タッチパッドが正方形の場合に、タッチパッドを押し込んだ際の荷重の大きさをシミュレーションした結果を示す特性図である。
【図22】圧縮ばねと規制部材とを異なる位置に設けた例を示す模式図である。
【図23】圧縮ばねと規制部材とを異なる位置に設けた例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.前提となる技術
2.本実施形態の基本的構成
3.本実施形態の具体的構成例
【0011】
1.前提となる技術
携帯電話などのモバイル機器、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、テレビ受像機のリモートコントローラなど、多種の機器においてタッチパッドが広く利用されている。タッチパッド上でユーザが指を操作すると、感圧センサ、静電容量センサ等により指が触れている位置が検出される。これにより、タッチパッド上での指の操作により、画面上のカーソルの移動、アイコンの選択、クリック、ドラッグ等の各種操作が可能となる。なお、本実施形態において、タッチパッドは表示画面を有するタッチパネルを含む。
【0012】
このようなタッチパッドにおいて、タッチパッド上での指の押し下げ(押し込み)を検出する技術がある。図1(A)及び図1(B)は、タッチパッド100上で指を押し込んだ場合に、タッチパッド100が下方向に移動し、スイッチ102がタッチパッド100の押し下げを検知する構成を示している。図1(A)及び図1(B)に示す構成では、タッチパッド100の一端が領域Aにおいてヒンジを介して筐体104と接続されている。ユーザが指を押し下げると、タッチパッド100がヒンジを中心として矢印A1方向に回動し、タッチパッド100の裏面がスイッチ102の突起を押し下げる。これにより、スイッチ102の導通/非導通の状態が切り換わり、スイッチ102の出力に応じてタッチパッド100の押し込み操作を検知することができる。
【0013】
しかし、図1(A)及び図1(B)に示す構成では、ヒンジ(領域A)と指がタッチパッド100を押す際の力点106との距離Xに応じて、タッチパッド100を押し込む際の指の力が変動する問題がある。
【0014】
図1(A)に示すように、ヒンジと力点106との距離が比較的大きい場合は、タッチパッド100を押し下げる際の指の力は比較的小さい。一方、図1(B)に示すように、ヒンジと力点106との距離が比較的小さい場合は、タッチパッド100を押し下げる際の指の力が大きくなる。特に、力点106とヒンジが近接すると、タッチパッド100を押し下げる際に、非常に大きな指の力が必要となる。このように、図1に示す構成例では、タッチパッド102を押し込む際の指の位置に応じて押し込みの力に大きな変動が生じるため、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0015】
このため、本実施形態では、タッチパッド100上で指が押し込む力点106の位置に影響を受けることなく、タッチパッド100上の全ての位置で均一な押し込み力を実現する。
【0016】
2.本実施形態の基本的構成
以下、図面に基づいて、本実施形態の基本的構成について説明する。図2(A)及び図2(B)は、本実施形態に係るタッチパッドの押し込み構造(操作受付装置)200の原理を説明するための模式図である。図2(A)に示すように、押し込み構造200は、タッチパッド(移動部)202、筐体204、圧縮ばね(付勢部)206、スイッチ208、筐体204の上端に形成されたストッパー210を備える。
【0017】
図2(A)に示すように、タッチパッド202の下部にスイッチ208が配置され、その両側に圧縮ばね206が配置され、タッチパッド202の端部の上部にストッパー210が配置されている。そして、圧縮ばね206の反力により、タッチパッド202の上面がストッパー210の下部に付勢されている。つまり、圧縮ばね206は、タッチパッド202を上方向へ付勢する付勢部として機能する。なお、圧縮ばね206の代わりに、スポンジ材、ゴム材などの他の弾性部材を用いても良い。この場合、スポンジ材またはゴム材の下面を筐体204に接着し、上面をタッチパッド202の下面に接着することで、タッチパッド202の上方向への移動をスポンジ材またはゴム材によって規制することができる。従って、ストッパー210を設けることなく、押し込み構造200を構成することができる。ゴム材を用いる場合、特にシリコンゴムを用いることが好適である。
【0018】
図2(B)は、指でタッチパッド202の上面を押し下げた状態を示している。図2(B)に示す状態では、指による力点212がスイッチ208の左側であるため、左側の圧縮ばね206が圧縮され、タッチパッド202の右側の端部の上面はストッパー210に当接している。従って、タッチパッド202の右側の端部とストッパー210との当接部を中心としてタッチパッド202が矢印A2方向に回動する。これにより、スイッチ208の突起が押し下げられ、スイッチ208の出力が変化し、タッチパッド202の押し下げが検知される。
【0019】
ここで、図2に示す構造では、圧縮ばね206のストロークが、スイッチ208の押下までのストロークに対して十分に大きくなっている。すなわち、図2(B)のように、スイッチ208の突起が完全に押し下げられた状態においても、圧縮ばね206のストロークには余裕があり、圧縮ばね206は完全に押し下げられた状態とはならない。また、圧縮ばね206の反力はスイッチ208の反力に対して十分小さいものとする。このような構成の場合、タッチパッド202の押し込み位置と、押し込み力Fの分布(実測値)は、図3に示す分布となる。
【0020】
図3に示す横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。図3に示すように、圧縮ばね206の反力はスイッチ208の反力に対して十分小さいため、指の力点212の位置がスイッチ208の位置(タッチパッド202の中央)に近いほど、押し込み力Fが大きくなる。押し込み力Fは、スイッチ208の位置で最大値f1となる。また、図2(B)に示すように、力点212の位置がスイッチ208から離れるほど、タッチパッド202の回転中心と力点212との距離がタッチパッド202の回転中心とスイッチ208との距離よりも大きくなるため、てこの原理により押し込み力Fは小さくなる。従って、図3に示すような分布が得られる。
【0021】
また、図4に示すように、スイッチ(SW)208から圧縮ばね206までの距離をXb、スイッチ(SW)208からストッパーまでの距離をXa、スイッチ(SW)208のストロークをYswとする。圧縮ばね206のストロークYbが、スイッチ208の押下までのストロークに対して大きい場合、スイッチ(SW)208から圧縮ばね206までの距離をXb、スイッチ(SW)208からストッパーまでの距離をXa、スイッチ(SW)208のストロークをYswとすと、圧縮ばね206のストロークYbは、以下の式で表される。
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
なお、上式を満たす場合、押し込み力Fの特性は凸型となり、タッチパッド202の外縁部も軽く押すことができる。一方、上式を満たさない場合、押し込み力Fの特性は凹型になり、タッチパッド202の外縁部で荷重が大きくなるため、後述する非接触範囲を設けることが望ましい。なお、図4に示すように、圧縮ばね206の位置とストッパー210の水平方向の位置は一致していなくても良く、いずれか一方が内側(スイッチ208に近い側)に位置していても構わない。
【0022】
次に、図5(A)、図5(B)及び図5(C)に基づいて、図5(A)に示す例では、圧縮ばね206が長さDだけ圧縮されると、圧縮ばね206のストロークが限界に達し、これ以上圧縮ばね206が圧縮されない場合を示している。なお、図5(A)、図5(B)及び図5(C)では、規制部材(停止部)220によって圧縮ばね206のストロークを限定している例を示すが、圧縮ばね206は、長さDだけ圧縮された場合に、巻線が相互に密着してストロークが限定されるように構成されたものであっても良い。この場合、圧縮ばね206が停止部として機能する。なお、停止部による押し込みのストロークの制限は、スイッチ(SW)208のオン点までのストロークよりも大きく、スイッチ(SW)208のオン点までのストロークの2倍よりも小さくすることが好適である。
【0023】
図5(B)に示すように、タッチパッド202が剛体とみなせる場合は、圧縮ばね206をDだけ圧縮すると、タッチパッド202の左端でタッチパッド202が規制部材220に当接し、圧縮ばね206のストロークが限界に達する。タッチパッド202が規制部材220に当接するまでの間は、図2(B)と同様に、タッチパッド202の右側の端部とストッパー210との当接部を中心としてタッチパッド202が矢印A2方向に回動する。
【0024】
図5(B)に示す状態から更にタッチパッド202を押し込むと、図5(C)に示すように、タッチパッド202の左端と規制部材220との接触部を支点としてタッチパッド202が矢印A3方向へ回動する。つまり、左側の圧縮ばね206のストロークが限界に達した後は、左側を支点にしてタッチパッド202の右側が押し下げられ、右側の圧縮ばね206が圧縮される。これにより、タッチパッド202の中央において、タッチパッド202が十分に押し込まれ、スイッチ208の突起が押し込まれることによってスイッチ208の出力が切り換わる。
【0025】
ここでも、圧縮ばね206の反力がスイッチ208の反力よりも十分に小さいものとすると、図5(B)に示す状態からタッチパッド202を押し下げる場合、指の力点212がスイッチ208から離れるほど、タッチパッド202を押し下げる力が大きくなる。つまり、力点212がタッチパッド202の左端に近づくほど、タッチパッド202の押し込み力Fは大きくなる。従って、図6に示すように、スイッチ208を押すのに必要な押し込み力F(理論値)は、スイッチ208の直上位置X1を中心として、反比例のグラフを折り返した分布となる。なお、図6においても、横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。従って、押し込み力Fは、タッチパッド202の両端(圧縮ばね206または規制部材220の位置)で最も大きくなり、スイッチ208の位置で最小値f1となる。
【0026】
次に、図7及び図8に基づいて、圧縮ばね206の反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明する。この場合、先ず、図7に示すように、力点212から近い左の圧縮ばね206が弾性変形し、規制部材220とタッチパッド202が当接する。一方、右の圧縮ばね206は力点から遠いため、あまり変形しない。
【0027】
なお、図7において規制部材220を設けていない場合においても、圧縮ばね206の巻線が相互に密着することにより(いわゆる「どんつき」の状態)、または圧縮ばね206の巻線が相互に近接して反力が大きくなり圧縮ばね206が変形しにくくなることにより、圧縮ばね206のストロークに限界を持たせることができる。特に、圧縮ばね206の反力が高い場合は、巻線が近接すると反力が相当程度に大きくなるため、実質的にストロークに限界を持たせることができる。
【0028】
その後、更にタッチパッド202を押し込むと、図8に示すように、タッチパッド202にたわみが発生し、タッチパッド202がスイッチ208のストローク以上にたわむことで、スイッチ208が押下される。
【0029】
図7及び図8に示す構成の場合、スイッチ208を押すのに必要な力は、図5の構成(両持ちばりの変形モデル)に近くなり、図9のような分布(実測値)になる。なお、図9においても、横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。従って、押し込み力Fは、タッチパッド202の両端(圧縮ばね206または規制部材220の位置)で最も大きくなり、スイッチ208の位置で最小値となる。
【0030】
以上のように、圧縮ばね206のストロークが限られる場合には、図5と図7(図8)のいずれの場合においても、スイッチ208から離れるほど押し下げに必要な力Fは大きくなる。従って、圧縮ばね206のストロークが限られていない図3の特性(上に凸)と、圧縮ばね206のストロークが限られている図6及び図9の特性(下に凸)とは、特性が逆の関係になることが判る。
【0031】
図10は、以上の特性をまとめて示す特性図である。図1の構成のように圧縮ばね206の反力が十分に小さい場合には、図3のような中央部(スイッチ208の位置)での押し込み力Fが大きい分布になり(図10中の特性300)、この特性を系列2と称することとする。また、圧縮ばね206の反力が十分に大きい場合には、図9のような中央部の力Fが小さい分布になり(図10中の特性310)、この特性を系列3と称することとする。また、圧縮ばね206がその中間的な硬さの場合には、図1と図7(図8)の動作モデルに基づき、その中間的な押し込み力の分布になる。そして、図10に示すように、特性300と特性310を加算することで、特性320(系列4)が得られる。このように、特性300(上に凸)と特性310(下に凸)は、特性が逆の関係であるため、両者を加算した特性320はタッチパッド202の全域で押し込み力Fの変化がより少なくなることが判る。
【0032】
以上の結果から、図2のような構造をもつタッチパッド202の押し込み構造において、タッチパッド202の剛性と圧縮ばね206の弾性係数の関係から、タッチパッド202の変形が生じるように圧縮ばね206の硬さを設定することにより、押し込み力Fの分布を一様に近い状態にすることができる。
【0033】
また、この場合に、図6及び図9に示すように、圧縮ばね206(または規制部材220)の位置の近傍では、押し込み力Fが急激に増加する。このため、本実施形態では、図11及び図12に示すように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212の位置を設定し、これより外側にはユーザの指が接触しない構成とする。なお、図11に示す特性は、図9の特性と同様である。これにより、ユーザの指がタッチパッド202に接触する範囲では、均一な押下力を得ることができる。
【0034】
図13は、図8と同様に、タッチパッド202のたわみによってスイッチ208を押下する場合を示す模式図である。また、図14は、図13の構成の場合の押込力Fの理論値をシミュレーションした結果を示す特性図である。図9の分布に示したように、押し込みの力点212の位置が圧縮ばね206(または規制部材220)に近くなると、急激に押込力Fが大きくなる。従って、押込力Fが急激に大きくなる位置よりも内側の範囲Xallに力点212の位置を設定することによって、範囲Xall内では均一な押込力を得ることができる。
【0035】
従って、図14(B)に示すように、圧縮ばね206(または規制部材220)と範囲Xallとの間には、指がタッチパッド202に接触しない非接触領域を設けることが望ましい。これにより、力点212が圧縮ばね206(または規制部材220)と近接することによる押込力Fの上昇を確実に抑えることができ、指が接触するタッチパッド202上の全域で均一な押し込み力Fを実現することが可能となる。
【0036】
また、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが4〜5倍、若しくはそれ以上となると、ユーザに違和感を与えてしまう。従って、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが4〜5倍以下となるように、範囲Xallを設定することが望ましい。より好適には、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが3倍以下となるように、範囲Xallを設定することで、ユーザに対してタッチパッド202上での均一な操作感を与えることが可能である。
【0037】
以上のように、本実施形態の構成では、タッチパッド202の押し下げを検知する構造において、タッチパッド202を周辺に配置した圧縮ばね206の反力により上方向に付勢した。また、本実施形態の構成では、圧縮ばね206のストロークに限界を持たせ、指の接触範囲を圧縮ばね206(または規制部材220)よりもスイッチ208側とした。これにより、タッチパッド202の全面において、均一な押込力Fを実現することが可能となる。
【0038】
図15は、図2の構成において、スイッチ208とタッチパッド202の下面にばね要素(圧縮ばね230)を配置した例を示す模式図である。部品精度、公差等によりスイッチ208の突起とタッチパッド202の下面との間に隙間が生じる場合、スイッチ208を押下するために余分なストロークが必要となり操作性が悪化することが想定される。
【0039】
図15に示す構成によれば、スイッチ208とタッチパッド202の下面にばね要素(圧縮ばね230)を配置したことにより、スイッチ208とタッチパッド202の下面との間に隙間が生じることを抑止することができる。従って、スイッチ208を押下するために余分なストロークを生じさせることがなく、操作性を良好にすることができる。なお、ばね要素は圧縮ばねに限られるものではなく、スポンジ、ゴム等の他の要素を用いることが可能である。また、ばね要素は、スイッチ208の下面と筐体204との間に配置しても良い。
【0040】
また、図16は、タッチパッド202の左右の端部の押し下げを検知するため、スイッチ240を設けた構成例を示す模式図である。このような構成によれば、左右のスイッチ240のオン/オフを検知することにより、スイッチ208の左側または右側のいずれかに力点212が位置するかを判定することができる。従って、右手と左手の双方でタッチパッド202を操作するマルチタッチの場合に、いずれの手でタッチパッドを操作したかを検出することが可能となる。例えば、左側のスイッチ240が押し下げによりオンとなり、右側のスイッチ240がオンとなっていない場合は、左手でタッチパッド202が操作されたものと検知することができる。
【0041】
3.本実施形態の具体的構成例
次に、本実施形態のタッチパッド202の押し込み構造の具体的な適用例について説明する。図17は、本実施形態のタッチパッド202の押し込み構造を適用したリモートコントローラ400の外観を示す斜視図である。図17に示すように、リモートコントローラ400は、その中央にタッチパッド202を備えている。また、リモートコントローラ400は、タッチパッド202よりも外側に操作ボタン等の入力部410を備えている。
【0042】
図17に示すリモートコントローラ400は、タッチパッド202を上方向に付勢する圧縮ばね206と、タッチパッド202を規制するストッパー210を備えている。図17において、領域AR1は、圧縮ばね206が配置される領域を示している。また、領域AR2は、ストッパー210が配置される領域を示している。
【0043】
図18(A)及び図18(B)は、リモートコントローラ400の構成を詳細に示す模式図である。ここで、図18(A)はリモートコントローラ400の上面図を、図18(B)は図18(A)中の一点鎖線I−I’に沿った断面を示している。
【0044】
図18(B)の断面図に示すように、リモートコントローラ400は、上部の筐体420と下部の筐体430を有して構成される。タッチパッド202は、上部の筐体420に設けられた開口420aから露出している。
【0045】
図18(B)に示すように、タッチパッド202は筐体420の下部に延在しており、タッチパッド202の両端の下部の位置には、圧縮ばね206が筐体430上に設けられている。タッチパッド202は、圧縮ばね206により上方向に付勢されている。また、筐体420の開口420aの周辺には、ストッパー210が設けられており、上方向に付勢されたタッチパッド202は、ストッパー210に当接している。
【0046】
タッチパッド202の中央の下面には、スイッチ208が固定されている。また、スイッチ208の下部には筐体430が位置しており、スイッチ208と筐体430との間には弾性部材440が配置されている。弾性部材440は、図15に示したばね要素(圧縮ばね230)に対応する。なお、図18(B)に示す構成では、スイッチ208がタッチパッド202に固定されているが、スイッチ208は筐体430側に固定されていても良い。
【0047】
図7及び図8の構成と同様に、図18(A)及び図18(B)のリモートコントローラ400においても、圧縮ばね206の反力が大きいものとされており、タッチパッド202が弾性変形するように構成されている。従って、図18(A)及び図18(B)に示す構成によれば、圧縮ばね206によりタッチパッド202を付勢し、タッチパッド202が押し下げられる範囲Xallを圧縮ばね206よりも内側の領域とすることで、タッチパッド202上の全面において均一な押下力を確保することが可能となる。図18(B)に示すように、上部の筐体420が圧縮ばね206の上部のタッチパッド202を覆うようにすることで、押し込み力の力点が圧縮ばね206の位置から外れた位置となるように制限することができる。つまり、筐体420は、圧縮ばね206と重なる位置に押圧力を受けないように、押圧力の領域を明示する明示部として機能する。
【0048】
図19は、リモートコントローラ400のタッチパッド202の押し込み力を示す特性図である。図19において、縦軸は押込力Fを、横軸はタッチパッド202の一点鎖線I−I’に沿った位置を示している。図19に示すように、範囲Xallにおいてほぼ均一な押込力Fが得られることが判る。上述のように、筐体420によって押し込み力の力点が圧縮ばね260位置から外れた位置となるように制限することができるため、範囲Xallにおいてほぼ均一な押込力Fを得ることができる。
【0049】
また、特に図18(B)の左側のストッパー210の近傍には、タッチパッド202の端部に有効なスペースが存在するため、ユーザが操作するスイッチ等を配置することもできる。
【0050】
次に、タッチパッド202の操作範囲を設定する手法について説明する。本実施形態の構成により、図12等で説明したように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212の位置を設定することで、ユーザの指がタッチパッド202に接触する範囲では、均一な押下力を得ることができる。上述した例では、筐体420が、圧縮ばね206と重なる位置に押圧力を受けないように、押圧力の領域を明示する明示部として機能する。以下では、筐体420以外の構成により、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212を明示する明示部を構成した場合について説明する。
【0051】
先ず、図20に示すように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くしておくことで、ユーザがタッチパッド202を押した際に、ユーザの指が距離Xallの範囲に接触するようにすることができる。また、距離Xallの範囲の表面をその外側の領域と同一面とした場合においても、距離Xallの範囲の表面の触感をその外側の領域と異なるようにすることで、ユーザに対して、距離Xallの範囲とその外側の領域を区別させることができる。この場合、例えば距離Xallの範囲の表面をざらつき感のある粗い表面とし、その外側の表面を滑らかな面とする。あるいは、その逆であっても良い。このような構成により、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示することができる。
【0052】
また、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示する明示部は、構造部材以外によっても構成することができる。例えば、タッチパッド202の押し込み操作、タッチ操作を検出する検出方法(ソフトウェア)によって明示部を構成することができる。この場合、例えば、タッチパッド202の操作の検出範囲を距離Xallの範囲のみに設定し、距離Xallの範囲の外側では操作を検出しないようにしても良い。更に、操作の検出範囲を距離Xallの範囲とその外側を含む領域とした場合においても、距離Xallの外側の領域で操作を検出した場合は、操作を受け付ない(操作に対して反応しない)ようにしても良い。すなわち、操作が行われた位置の座標が距離Xallの範囲よりも外側であった場合は、操作を無効とすることにより、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示することができる。
【0053】
また、タッチパッド202が表示画面を有するタッチパネルとして構成されている場合は、距離Xallの範囲に表示画面を構成し、その外側には表示画面を構成しないようにする。これにより、ユーザは、タッチパネルの表示画面の範囲を操作することとなり、ユーザが距離Xallの範囲でのみタッチパッド202を操作するように構成することができる。また、タッチパッド202が表示画面を有するタッチパネルとして構成されている場合、ユーザが距離Xallの範囲よりも外側でタッチパッド202を操作した場合に、アラートを表示するようにしても良い。
【0054】
以上のように、ユーザが距離Xallの範囲で操作を行うようにするため、構造部材の構成、またはソフトウェア的な処理により、距離Xallの範囲のみでユーザが操作を行うように明示部を構成することができる。
【0055】
次に、図21に基づいて、本実施形態に係るタッチパッド202において、タッチパッド202が正方形の場合の荷重について説明する。図21は、タッチパッド202が正方形の場合に、タッチパッド202を押し込んだ際の荷重の大きさをシミュレーションした結果を示す特性図である。ここで、図21(A)は、シミュレーション結果の特性を斜視的に示した特性図であって、Z軸方向の値が大きいほど荷重が大きくなることを示している。また、図21(B)は、図21(A)をZ軸方向から見た様子を示す特性図である。また、図21(C)は、図21(A)及び図21(B)において、図12における距離Xallの範囲を一点鎖線400の範囲とした場合を示している。また、図21(C)では、圧縮ばね206の位置も示している。図21(A)、図21(B)、図21(C)に示すように、一点鎖線400の外側では、荷重が急激に増加していることが判る。従って、一点鎖線400の範囲のみでユーザが操作を行うように明示部を構成することで、クリック操作の荷重が大きくなることを抑止できる。
【0056】
次に、図22及び図23に基づいて、圧縮ばね206と規制部材220とを異なる位置に設けた例について説明する。図5では、圧縮ばね206と規制部材220とを同じ位置に設けた例を示したが、図22及び図23では、圧縮ばね206と規制部材220とを異なる位置に設けている。具体的には、図22及び図23では、圧縮ばね206よりも内側に規制部材220を設けている。
【0057】
このように、圧縮ばね206と規制部材220とは、異なる位置に設けることも可能である。図22及び図23では、圧縮ばね206よりも内側に規制部材220を設けているが、規制部材220よりも内側に圧縮ばね206を設けても良い。換言すれば、圧縮ばね(付勢部)206と規制部材(停止部)220は分離して設けることが可能である。
【0058】
図22及び図23では、図12、図20と同様に、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くしている。これにより、ユーザがタッチパッド202を押した際に、ユーザの指が距離Xallの範囲に接触するようにすることができる。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、タッチパッド202をその周辺に配置した圧縮ばね206の反力により上方向に付勢し、指の接触範囲を圧縮ばね206よりも内側(スイッチ208側)としたことにより、タッチパッド202の全面において、均一な押下力を実現することが可能となる。
【0060】
なお、上述した説明では、スイッチの押し込み構造200としてタッチパッドを例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、タッチパッド以外の押し込み構造にも広く適用することができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、
前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、
前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、
を備えた、操作受付装置。
【0063】
(2)前記明示部は、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように前記領域を制限する部材からなる、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0064】
(3)前記停止部は、前記操作受付装置に複数備えられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に前記領域を明示する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0065】
(4)前記第1の方向から見て前記停止部は前記移動部の周縁に設けられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に、前記押圧力を受けないように前記領域を明示する、前記(3)に記載の操作受付装置。
【0066】
(5)前記移動部の移動に応じて作動するスイッチを更に備える、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0067】
(6)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、前記第1の方向から見て前記移動部の周縁部に複数設けられた、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0068】
(7)前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側に前記領域を明示する、前記(4)に記載の操作受付装置。
【0069】
(8)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側で前記移動部の周縁部に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0070】
(9)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記付勢部は、圧縮ばねから構成される、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0071】
(10)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、圧縮ばねから構成され、前記移動部が押し込まれた場合に、前記圧縮ばねの巻線が密着または近接することによって、前記圧縮ばねが前記停止部として機能する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0072】
(11)前記第1の方向から見た前記移動部の周縁部における押圧力が、前記第1の方向から見た前記移動部の中央における押圧力の5倍以下である、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0073】
(12)前記移動部は、タッチパッドである、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0074】
(13)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記スイッチから前記付勢部までの距離をXb、前記スイッチから前記ストッパーまでの距離をXa、前記スイッチのストロークをYswとすると、前記付勢部のストロークYbは、
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
の関係を満たす、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0075】
(14)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記移動部の剛性と前記付勢部の弾性係数との関係から、前記移動部が前記押圧力を受けた際に、前記移動部に変形が生じるように前記付勢部の反力が設定された、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0076】
(15)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、スポンジ材またはゴム材から構成される、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0077】
(16)前記移動部と前記スイッチとの間、または前記スイッチと前記スイッチが載置される筐体の間にばね要素を備える、前記(5)に記載の操作受付装置。
【0078】
(17)前記規制部と前記付勢部が同一の位置に設けられた、前記(6)に記載に記載の操作受付装置。
【0079】
(18)前記規制部と前記付勢部が異なる位置に設けられた、前記(6)に記載に記載の操作受付装置。
【符号の説明】
【0080】
200 押し込み構造
202 タッチパッド
206 圧縮ばね
208 スイッチ
210 ストッパー
220 規制部材
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作受付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、押し込みによる操作が可能なタッチパネルセンサー板の構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−182855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献に記載された技術では、タッチパネルセンサー板が押されると、緩衝材であるバネが押圧されるが、タッチパネルセンサー板の端部ではクリックの荷重が増加する問題がある。
【0005】
そこで、タッチパッドなどの押し込みを、パッドの全域で均一な荷重で実現可能な操作受付装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、を備えた、操作受付装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、押し込み部の全域で均一な押し込み荷重を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】タッチパッド上で指を押し込んだ場合に、タッチパッドが下方向に移動し、スイッチがタッチパッドの押し下げを検知する構成の一例を示す模式図である。
【図2】本実施形態に係るタッチパッドの押し込み構造の原理を説明するための模式図である。
【図3】図2の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図4】スイッチ(SW)から圧縮ばねまでの距離をXb、スイッチからストッパーまでの距離をXa、スイッチのストロークをYswとした場合に、圧縮ばねのストロークYbを説明するための模式図である。
【図5】圧縮ばねのストロークが、スイッチの押下までのストロークに対して限られている場合について説明するための模式図である。
【図6】図5の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図7】圧縮ばねの反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明するための模式図である。
【図8】圧縮ばねの反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明するための模式図である。
【図9】図7及び図8の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図10】図2、図5、図7の構成において、タッチパッドの押し込み位置と、押し込み力Fの分布を示す特性図である。
【図11】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点の位置を設定する例を示す特性図である。
【図12】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点の位置を設定し、これより外側にはユーザの指が接触しない構成を示す模式図である。
【図13】図8と同様に、タッチパッドのたわみによってスイッチを押下する場合を示す模式図である。
【図14】図13の構成の場合の押込力Fの理論値をシミュレーションした結果を示す特性図である。
【図15】図2の構成において、スイッチとタッチパッドの下面にばね要素を配置した例を示す模式図である。
【図16】タッチパッドの左右の端部の押し下げを検知するため、スイッチを設けた構成例を示す模式図である。
【図17】本実施形態のタッチパッドの押し込み構造を適用したリモートコントローラの外観を示す斜視図である。
【図18】リモートコントローラの構成を詳細に示す模式図である。
【図19】リモートコントローラ400のタッチパッド202の押し込み力を示す特性図である。
【図20】押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くした例を示す模式図である。
【図21】タッチパッドが正方形の場合に、タッチパッドを押し込んだ際の荷重の大きさをシミュレーションした結果を示す特性図である。
【図22】圧縮ばねと規制部材とを異なる位置に設けた例を示す模式図である。
【図23】圧縮ばねと規制部材とを異なる位置に設けた例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.前提となる技術
2.本実施形態の基本的構成
3.本実施形態の具体的構成例
【0011】
1.前提となる技術
携帯電話などのモバイル機器、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、テレビ受像機のリモートコントローラなど、多種の機器においてタッチパッドが広く利用されている。タッチパッド上でユーザが指を操作すると、感圧センサ、静電容量センサ等により指が触れている位置が検出される。これにより、タッチパッド上での指の操作により、画面上のカーソルの移動、アイコンの選択、クリック、ドラッグ等の各種操作が可能となる。なお、本実施形態において、タッチパッドは表示画面を有するタッチパネルを含む。
【0012】
このようなタッチパッドにおいて、タッチパッド上での指の押し下げ(押し込み)を検出する技術がある。図1(A)及び図1(B)は、タッチパッド100上で指を押し込んだ場合に、タッチパッド100が下方向に移動し、スイッチ102がタッチパッド100の押し下げを検知する構成を示している。図1(A)及び図1(B)に示す構成では、タッチパッド100の一端が領域Aにおいてヒンジを介して筐体104と接続されている。ユーザが指を押し下げると、タッチパッド100がヒンジを中心として矢印A1方向に回動し、タッチパッド100の裏面がスイッチ102の突起を押し下げる。これにより、スイッチ102の導通/非導通の状態が切り換わり、スイッチ102の出力に応じてタッチパッド100の押し込み操作を検知することができる。
【0013】
しかし、図1(A)及び図1(B)に示す構成では、ヒンジ(領域A)と指がタッチパッド100を押す際の力点106との距離Xに応じて、タッチパッド100を押し込む際の指の力が変動する問題がある。
【0014】
図1(A)に示すように、ヒンジと力点106との距離が比較的大きい場合は、タッチパッド100を押し下げる際の指の力は比較的小さい。一方、図1(B)に示すように、ヒンジと力点106との距離が比較的小さい場合は、タッチパッド100を押し下げる際の指の力が大きくなる。特に、力点106とヒンジが近接すると、タッチパッド100を押し下げる際に、非常に大きな指の力が必要となる。このように、図1に示す構成例では、タッチパッド102を押し込む際の指の位置に応じて押し込みの力に大きな変動が生じるため、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0015】
このため、本実施形態では、タッチパッド100上で指が押し込む力点106の位置に影響を受けることなく、タッチパッド100上の全ての位置で均一な押し込み力を実現する。
【0016】
2.本実施形態の基本的構成
以下、図面に基づいて、本実施形態の基本的構成について説明する。図2(A)及び図2(B)は、本実施形態に係るタッチパッドの押し込み構造(操作受付装置)200の原理を説明するための模式図である。図2(A)に示すように、押し込み構造200は、タッチパッド(移動部)202、筐体204、圧縮ばね(付勢部)206、スイッチ208、筐体204の上端に形成されたストッパー210を備える。
【0017】
図2(A)に示すように、タッチパッド202の下部にスイッチ208が配置され、その両側に圧縮ばね206が配置され、タッチパッド202の端部の上部にストッパー210が配置されている。そして、圧縮ばね206の反力により、タッチパッド202の上面がストッパー210の下部に付勢されている。つまり、圧縮ばね206は、タッチパッド202を上方向へ付勢する付勢部として機能する。なお、圧縮ばね206の代わりに、スポンジ材、ゴム材などの他の弾性部材を用いても良い。この場合、スポンジ材またはゴム材の下面を筐体204に接着し、上面をタッチパッド202の下面に接着することで、タッチパッド202の上方向への移動をスポンジ材またはゴム材によって規制することができる。従って、ストッパー210を設けることなく、押し込み構造200を構成することができる。ゴム材を用いる場合、特にシリコンゴムを用いることが好適である。
【0018】
図2(B)は、指でタッチパッド202の上面を押し下げた状態を示している。図2(B)に示す状態では、指による力点212がスイッチ208の左側であるため、左側の圧縮ばね206が圧縮され、タッチパッド202の右側の端部の上面はストッパー210に当接している。従って、タッチパッド202の右側の端部とストッパー210との当接部を中心としてタッチパッド202が矢印A2方向に回動する。これにより、スイッチ208の突起が押し下げられ、スイッチ208の出力が変化し、タッチパッド202の押し下げが検知される。
【0019】
ここで、図2に示す構造では、圧縮ばね206のストロークが、スイッチ208の押下までのストロークに対して十分に大きくなっている。すなわち、図2(B)のように、スイッチ208の突起が完全に押し下げられた状態においても、圧縮ばね206のストロークには余裕があり、圧縮ばね206は完全に押し下げられた状態とはならない。また、圧縮ばね206の反力はスイッチ208の反力に対して十分小さいものとする。このような構成の場合、タッチパッド202の押し込み位置と、押し込み力Fの分布(実測値)は、図3に示す分布となる。
【0020】
図3に示す横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。図3に示すように、圧縮ばね206の反力はスイッチ208の反力に対して十分小さいため、指の力点212の位置がスイッチ208の位置(タッチパッド202の中央)に近いほど、押し込み力Fが大きくなる。押し込み力Fは、スイッチ208の位置で最大値f1となる。また、図2(B)に示すように、力点212の位置がスイッチ208から離れるほど、タッチパッド202の回転中心と力点212との距離がタッチパッド202の回転中心とスイッチ208との距離よりも大きくなるため、てこの原理により押し込み力Fは小さくなる。従って、図3に示すような分布が得られる。
【0021】
また、図4に示すように、スイッチ(SW)208から圧縮ばね206までの距離をXb、スイッチ(SW)208からストッパーまでの距離をXa、スイッチ(SW)208のストロークをYswとする。圧縮ばね206のストロークYbが、スイッチ208の押下までのストロークに対して大きい場合、スイッチ(SW)208から圧縮ばね206までの距離をXb、スイッチ(SW)208からストッパーまでの距離をXa、スイッチ(SW)208のストロークをYswとすと、圧縮ばね206のストロークYbは、以下の式で表される。
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
なお、上式を満たす場合、押し込み力Fの特性は凸型となり、タッチパッド202の外縁部も軽く押すことができる。一方、上式を満たさない場合、押し込み力Fの特性は凹型になり、タッチパッド202の外縁部で荷重が大きくなるため、後述する非接触範囲を設けることが望ましい。なお、図4に示すように、圧縮ばね206の位置とストッパー210の水平方向の位置は一致していなくても良く、いずれか一方が内側(スイッチ208に近い側)に位置していても構わない。
【0022】
次に、図5(A)、図5(B)及び図5(C)に基づいて、図5(A)に示す例では、圧縮ばね206が長さDだけ圧縮されると、圧縮ばね206のストロークが限界に達し、これ以上圧縮ばね206が圧縮されない場合を示している。なお、図5(A)、図5(B)及び図5(C)では、規制部材(停止部)220によって圧縮ばね206のストロークを限定している例を示すが、圧縮ばね206は、長さDだけ圧縮された場合に、巻線が相互に密着してストロークが限定されるように構成されたものであっても良い。この場合、圧縮ばね206が停止部として機能する。なお、停止部による押し込みのストロークの制限は、スイッチ(SW)208のオン点までのストロークよりも大きく、スイッチ(SW)208のオン点までのストロークの2倍よりも小さくすることが好適である。
【0023】
図5(B)に示すように、タッチパッド202が剛体とみなせる場合は、圧縮ばね206をDだけ圧縮すると、タッチパッド202の左端でタッチパッド202が規制部材220に当接し、圧縮ばね206のストロークが限界に達する。タッチパッド202が規制部材220に当接するまでの間は、図2(B)と同様に、タッチパッド202の右側の端部とストッパー210との当接部を中心としてタッチパッド202が矢印A2方向に回動する。
【0024】
図5(B)に示す状態から更にタッチパッド202を押し込むと、図5(C)に示すように、タッチパッド202の左端と規制部材220との接触部を支点としてタッチパッド202が矢印A3方向へ回動する。つまり、左側の圧縮ばね206のストロークが限界に達した後は、左側を支点にしてタッチパッド202の右側が押し下げられ、右側の圧縮ばね206が圧縮される。これにより、タッチパッド202の中央において、タッチパッド202が十分に押し込まれ、スイッチ208の突起が押し込まれることによってスイッチ208の出力が切り換わる。
【0025】
ここでも、圧縮ばね206の反力がスイッチ208の反力よりも十分に小さいものとすると、図5(B)に示す状態からタッチパッド202を押し下げる場合、指の力点212がスイッチ208から離れるほど、タッチパッド202を押し下げる力が大きくなる。つまり、力点212がタッチパッド202の左端に近づくほど、タッチパッド202の押し込み力Fは大きくなる。従って、図6に示すように、スイッチ208を押すのに必要な押し込み力F(理論値)は、スイッチ208の直上位置X1を中心として、反比例のグラフを折り返した分布となる。なお、図6においても、横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。従って、押し込み力Fは、タッチパッド202の両端(圧縮ばね206または規制部材220の位置)で最も大きくなり、スイッチ208の位置で最小値f1となる。
【0026】
次に、図7及び図8に基づいて、圧縮ばね206の反力が高く、タッチパッド202の変形が発生する場合について説明する。この場合、先ず、図7に示すように、力点212から近い左の圧縮ばね206が弾性変形し、規制部材220とタッチパッド202が当接する。一方、右の圧縮ばね206は力点から遠いため、あまり変形しない。
【0027】
なお、図7において規制部材220を設けていない場合においても、圧縮ばね206の巻線が相互に密着することにより(いわゆる「どんつき」の状態)、または圧縮ばね206の巻線が相互に近接して反力が大きくなり圧縮ばね206が変形しにくくなることにより、圧縮ばね206のストロークに限界を持たせることができる。特に、圧縮ばね206の反力が高い場合は、巻線が近接すると反力が相当程度に大きくなるため、実質的にストロークに限界を持たせることができる。
【0028】
その後、更にタッチパッド202を押し込むと、図8に示すように、タッチパッド202にたわみが発生し、タッチパッド202がスイッチ208のストローク以上にたわむことで、スイッチ208が押下される。
【0029】
図7及び図8に示す構成の場合、スイッチ208を押すのに必要な力は、図5の構成(両持ちばりの変形モデル)に近くなり、図9のような分布(実測値)になる。なお、図9においても、横軸は、タッチパッド202の水平方向の全長に対応している。従って、押し込み力Fは、タッチパッド202の両端(圧縮ばね206または規制部材220の位置)で最も大きくなり、スイッチ208の位置で最小値となる。
【0030】
以上のように、圧縮ばね206のストロークが限られる場合には、図5と図7(図8)のいずれの場合においても、スイッチ208から離れるほど押し下げに必要な力Fは大きくなる。従って、圧縮ばね206のストロークが限られていない図3の特性(上に凸)と、圧縮ばね206のストロークが限られている図6及び図9の特性(下に凸)とは、特性が逆の関係になることが判る。
【0031】
図10は、以上の特性をまとめて示す特性図である。図1の構成のように圧縮ばね206の反力が十分に小さい場合には、図3のような中央部(スイッチ208の位置)での押し込み力Fが大きい分布になり(図10中の特性300)、この特性を系列2と称することとする。また、圧縮ばね206の反力が十分に大きい場合には、図9のような中央部の力Fが小さい分布になり(図10中の特性310)、この特性を系列3と称することとする。また、圧縮ばね206がその中間的な硬さの場合には、図1と図7(図8)の動作モデルに基づき、その中間的な押し込み力の分布になる。そして、図10に示すように、特性300と特性310を加算することで、特性320(系列4)が得られる。このように、特性300(上に凸)と特性310(下に凸)は、特性が逆の関係であるため、両者を加算した特性320はタッチパッド202の全域で押し込み力Fの変化がより少なくなることが判る。
【0032】
以上の結果から、図2のような構造をもつタッチパッド202の押し込み構造において、タッチパッド202の剛性と圧縮ばね206の弾性係数の関係から、タッチパッド202の変形が生じるように圧縮ばね206の硬さを設定することにより、押し込み力Fの分布を一様に近い状態にすることができる。
【0033】
また、この場合に、図6及び図9に示すように、圧縮ばね206(または規制部材220)の位置の近傍では、押し込み力Fが急激に増加する。このため、本実施形態では、図11及び図12に示すように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212の位置を設定し、これより外側にはユーザの指が接触しない構成とする。なお、図11に示す特性は、図9の特性と同様である。これにより、ユーザの指がタッチパッド202に接触する範囲では、均一な押下力を得ることができる。
【0034】
図13は、図8と同様に、タッチパッド202のたわみによってスイッチ208を押下する場合を示す模式図である。また、図14は、図13の構成の場合の押込力Fの理論値をシミュレーションした結果を示す特性図である。図9の分布に示したように、押し込みの力点212の位置が圧縮ばね206(または規制部材220)に近くなると、急激に押込力Fが大きくなる。従って、押込力Fが急激に大きくなる位置よりも内側の範囲Xallに力点212の位置を設定することによって、範囲Xall内では均一な押込力を得ることができる。
【0035】
従って、図14(B)に示すように、圧縮ばね206(または規制部材220)と範囲Xallとの間には、指がタッチパッド202に接触しない非接触領域を設けることが望ましい。これにより、力点212が圧縮ばね206(または規制部材220)と近接することによる押込力Fの上昇を確実に抑えることができ、指が接触するタッチパッド202上の全域で均一な押し込み力Fを実現することが可能となる。
【0036】
また、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが4〜5倍、若しくはそれ以上となると、ユーザに違和感を与えてしまう。従って、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが4〜5倍以下となるように、範囲Xallを設定することが望ましい。より好適には、タッチパッド202の中央のスイッチ208の位置での押込力Fに対して、範囲Xallの端部での押込力Fが3倍以下となるように、範囲Xallを設定することで、ユーザに対してタッチパッド202上での均一な操作感を与えることが可能である。
【0037】
以上のように、本実施形態の構成では、タッチパッド202の押し下げを検知する構造において、タッチパッド202を周辺に配置した圧縮ばね206の反力により上方向に付勢した。また、本実施形態の構成では、圧縮ばね206のストロークに限界を持たせ、指の接触範囲を圧縮ばね206(または規制部材220)よりもスイッチ208側とした。これにより、タッチパッド202の全面において、均一な押込力Fを実現することが可能となる。
【0038】
図15は、図2の構成において、スイッチ208とタッチパッド202の下面にばね要素(圧縮ばね230)を配置した例を示す模式図である。部品精度、公差等によりスイッチ208の突起とタッチパッド202の下面との間に隙間が生じる場合、スイッチ208を押下するために余分なストロークが必要となり操作性が悪化することが想定される。
【0039】
図15に示す構成によれば、スイッチ208とタッチパッド202の下面にばね要素(圧縮ばね230)を配置したことにより、スイッチ208とタッチパッド202の下面との間に隙間が生じることを抑止することができる。従って、スイッチ208を押下するために余分なストロークを生じさせることがなく、操作性を良好にすることができる。なお、ばね要素は圧縮ばねに限られるものではなく、スポンジ、ゴム等の他の要素を用いることが可能である。また、ばね要素は、スイッチ208の下面と筐体204との間に配置しても良い。
【0040】
また、図16は、タッチパッド202の左右の端部の押し下げを検知するため、スイッチ240を設けた構成例を示す模式図である。このような構成によれば、左右のスイッチ240のオン/オフを検知することにより、スイッチ208の左側または右側のいずれかに力点212が位置するかを判定することができる。従って、右手と左手の双方でタッチパッド202を操作するマルチタッチの場合に、いずれの手でタッチパッドを操作したかを検出することが可能となる。例えば、左側のスイッチ240が押し下げによりオンとなり、右側のスイッチ240がオンとなっていない場合は、左手でタッチパッド202が操作されたものと検知することができる。
【0041】
3.本実施形態の具体的構成例
次に、本実施形態のタッチパッド202の押し込み構造の具体的な適用例について説明する。図17は、本実施形態のタッチパッド202の押し込み構造を適用したリモートコントローラ400の外観を示す斜視図である。図17に示すように、リモートコントローラ400は、その中央にタッチパッド202を備えている。また、リモートコントローラ400は、タッチパッド202よりも外側に操作ボタン等の入力部410を備えている。
【0042】
図17に示すリモートコントローラ400は、タッチパッド202を上方向に付勢する圧縮ばね206と、タッチパッド202を規制するストッパー210を備えている。図17において、領域AR1は、圧縮ばね206が配置される領域を示している。また、領域AR2は、ストッパー210が配置される領域を示している。
【0043】
図18(A)及び図18(B)は、リモートコントローラ400の構成を詳細に示す模式図である。ここで、図18(A)はリモートコントローラ400の上面図を、図18(B)は図18(A)中の一点鎖線I−I’に沿った断面を示している。
【0044】
図18(B)の断面図に示すように、リモートコントローラ400は、上部の筐体420と下部の筐体430を有して構成される。タッチパッド202は、上部の筐体420に設けられた開口420aから露出している。
【0045】
図18(B)に示すように、タッチパッド202は筐体420の下部に延在しており、タッチパッド202の両端の下部の位置には、圧縮ばね206が筐体430上に設けられている。タッチパッド202は、圧縮ばね206により上方向に付勢されている。また、筐体420の開口420aの周辺には、ストッパー210が設けられており、上方向に付勢されたタッチパッド202は、ストッパー210に当接している。
【0046】
タッチパッド202の中央の下面には、スイッチ208が固定されている。また、スイッチ208の下部には筐体430が位置しており、スイッチ208と筐体430との間には弾性部材440が配置されている。弾性部材440は、図15に示したばね要素(圧縮ばね230)に対応する。なお、図18(B)に示す構成では、スイッチ208がタッチパッド202に固定されているが、スイッチ208は筐体430側に固定されていても良い。
【0047】
図7及び図8の構成と同様に、図18(A)及び図18(B)のリモートコントローラ400においても、圧縮ばね206の反力が大きいものとされており、タッチパッド202が弾性変形するように構成されている。従って、図18(A)及び図18(B)に示す構成によれば、圧縮ばね206によりタッチパッド202を付勢し、タッチパッド202が押し下げられる範囲Xallを圧縮ばね206よりも内側の領域とすることで、タッチパッド202上の全面において均一な押下力を確保することが可能となる。図18(B)に示すように、上部の筐体420が圧縮ばね206の上部のタッチパッド202を覆うようにすることで、押し込み力の力点が圧縮ばね206の位置から外れた位置となるように制限することができる。つまり、筐体420は、圧縮ばね206と重なる位置に押圧力を受けないように、押圧力の領域を明示する明示部として機能する。
【0048】
図19は、リモートコントローラ400のタッチパッド202の押し込み力を示す特性図である。図19において、縦軸は押込力Fを、横軸はタッチパッド202の一点鎖線I−I’に沿った位置を示している。図19に示すように、範囲Xallにおいてほぼ均一な押込力Fが得られることが判る。上述のように、筐体420によって押し込み力の力点が圧縮ばね260位置から外れた位置となるように制限することができるため、範囲Xallにおいてほぼ均一な押込力Fを得ることができる。
【0049】
また、特に図18(B)の左側のストッパー210の近傍には、タッチパッド202の端部に有効なスペースが存在するため、ユーザが操作するスイッチ等を配置することもできる。
【0050】
次に、タッチパッド202の操作範囲を設定する手法について説明する。本実施形態の構成により、図12等で説明したように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212の位置を設定することで、ユーザの指がタッチパッド202に接触する範囲では、均一な押下力を得ることができる。上述した例では、筐体420が、圧縮ばね206と重なる位置に押圧力を受けないように、押圧力の領域を明示する明示部として機能する。以下では、筐体420以外の構成により、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲に、ユーザの指が接触する力点212を明示する明示部を構成した場合について説明する。
【0051】
先ず、図20に示すように、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くしておくことで、ユーザがタッチパッド202を押した際に、ユーザの指が距離Xallの範囲に接触するようにすることができる。また、距離Xallの範囲の表面をその外側の領域と同一面とした場合においても、距離Xallの範囲の表面の触感をその外側の領域と異なるようにすることで、ユーザに対して、距離Xallの範囲とその外側の領域を区別させることができる。この場合、例えば距離Xallの範囲の表面をざらつき感のある粗い表面とし、その外側の表面を滑らかな面とする。あるいは、その逆であっても良い。このような構成により、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示することができる。
【0052】
また、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示する明示部は、構造部材以外によっても構成することができる。例えば、タッチパッド202の押し込み操作、タッチ操作を検出する検出方法(ソフトウェア)によって明示部を構成することができる。この場合、例えば、タッチパッド202の操作の検出範囲を距離Xallの範囲のみに設定し、距離Xallの範囲の外側では操作を検出しないようにしても良い。更に、操作の検出範囲を距離Xallの範囲とその外側を含む領域とした場合においても、距離Xallの外側の領域で操作を検出した場合は、操作を受け付ない(操作に対して反応しない)ようにしても良い。すなわち、操作が行われた位置の座標が距離Xallの範囲よりも外側であった場合は、操作を無効とすることにより、ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を明示することができる。
【0053】
また、タッチパッド202が表示画面を有するタッチパネルとして構成されている場合は、距離Xallの範囲に表示画面を構成し、その外側には表示画面を構成しないようにする。これにより、ユーザは、タッチパネルの表示画面の範囲を操作することとなり、ユーザが距離Xallの範囲でのみタッチパッド202を操作するように構成することができる。また、タッチパッド202が表示画面を有するタッチパネルとして構成されている場合、ユーザが距離Xallの範囲よりも外側でタッチパッド202を操作した場合に、アラートを表示するようにしても良い。
【0054】
以上のように、ユーザが距離Xallの範囲で操作を行うようにするため、構造部材の構成、またはソフトウェア的な処理により、距離Xallの範囲のみでユーザが操作を行うように明示部を構成することができる。
【0055】
次に、図21に基づいて、本実施形態に係るタッチパッド202において、タッチパッド202が正方形の場合の荷重について説明する。図21は、タッチパッド202が正方形の場合に、タッチパッド202を押し込んだ際の荷重の大きさをシミュレーションした結果を示す特性図である。ここで、図21(A)は、シミュレーション結果の特性を斜視的に示した特性図であって、Z軸方向の値が大きいほど荷重が大きくなることを示している。また、図21(B)は、図21(A)をZ軸方向から見た様子を示す特性図である。また、図21(C)は、図21(A)及び図21(B)において、図12における距離Xallの範囲を一点鎖線400の範囲とした場合を示している。また、図21(C)では、圧縮ばね206の位置も示している。図21(A)、図21(B)、図21(C)に示すように、一点鎖線400の外側では、荷重が急激に増加していることが判る。従って、一点鎖線400の範囲のみでユーザが操作を行うように明示部を構成することで、クリック操作の荷重が大きくなることを抑止できる。
【0056】
次に、図22及び図23に基づいて、圧縮ばね206と規制部材220とを異なる位置に設けた例について説明する。図5では、圧縮ばね206と規制部材220とを同じ位置に設けた例を示したが、図22及び図23では、圧縮ばね206と規制部材220とを異なる位置に設けている。具体的には、図22及び図23では、圧縮ばね206よりも内側に規制部材220を設けている。
【0057】
このように、圧縮ばね206と規制部材220とは、異なる位置に設けることも可能である。図22及び図23では、圧縮ばね206よりも内側に規制部材220を設けているが、規制部材220よりも内側に圧縮ばね206を設けても良い。換言すれば、圧縮ばね(付勢部)206と規制部材(停止部)220は分離して設けることが可能である。
【0058】
図22及び図23では、図12、図20と同様に、押し込み力Fが急激に増加する位置よりも内側の距離Xallの範囲の表面を、その外側の領域よりも一段高くしている。これにより、ユーザがタッチパッド202を押した際に、ユーザの指が距離Xallの範囲に接触するようにすることができる。
【0059】
以上説明したように本実施形態によれば、タッチパッド202をその周辺に配置した圧縮ばね206の反力により上方向に付勢し、指の接触範囲を圧縮ばね206よりも内側(スイッチ208側)としたことにより、タッチパッド202の全面において、均一な押下力を実現することが可能となる。
【0060】
なお、上述した説明では、スイッチの押し込み構造200としてタッチパッドを例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、タッチパッド以外の押し込み構造にも広く適用することができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、
前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、
前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する明示部と、
を備えた、操作受付装置。
【0063】
(2)前記明示部は、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように前記領域を制限する部材からなる、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0064】
(3)前記停止部は、前記操作受付装置に複数備えられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に前記領域を明示する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0065】
(4)前記第1の方向から見て前記停止部は前記移動部の周縁に設けられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に、前記押圧力を受けないように前記領域を明示する、前記(3)に記載の操作受付装置。
【0066】
(5)前記移動部の移動に応じて作動するスイッチを更に備える、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0067】
(6)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、前記第1の方向から見て前記移動部の周縁部に複数設けられた、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0068】
(7)前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側に前記領域を明示する、前記(4)に記載の操作受付装置。
【0069】
(8)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側で前記移動部の周縁部に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0070】
(9)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記付勢部は、圧縮ばねから構成される、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0071】
(10)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、圧縮ばねから構成され、前記移動部が押し込まれた場合に、前記圧縮ばねの巻線が密着または近接することによって、前記圧縮ばねが前記停止部として機能する、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0072】
(11)前記第1の方向から見た前記移動部の周縁部における押圧力が、前記第1の方向から見た前記移動部の中央における押圧力の5倍以下である、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0073】
(12)前記移動部は、タッチパッドである、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0074】
(13)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記スイッチから前記付勢部までの距離をXb、前記スイッチから前記ストッパーまでの距離をXa、前記スイッチのストロークをYswとすると、前記付勢部のストロークYbは、
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
の関係を満たす、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0075】
(14)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記移動部の剛性と前記付勢部の弾性係数との関係から、前記移動部が前記押圧力を受けた際に、前記移動部に変形が生じるように前記付勢部の反力が設定された、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0076】
(15)前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、スポンジ材またはゴム材から構成される、前記(1)に記載の操作受付装置。
【0077】
(16)前記移動部と前記スイッチとの間、または前記スイッチと前記スイッチが載置される筐体の間にばね要素を備える、前記(5)に記載の操作受付装置。
【0078】
(17)前記規制部と前記付勢部が同一の位置に設けられた、前記(6)に記載に記載の操作受付装置。
【0079】
(18)前記規制部と前記付勢部が異なる位置に設けられた、前記(6)に記載に記載の操作受付装置。
【符号の説明】
【0080】
200 押し込み構造
202 タッチパッド
206 圧縮ばね
208 スイッチ
210 ストッパー
220 規制部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、
前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、
前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域をユーザに明示する明示部と、
を備えた、操作受付装置。
【請求項2】
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように前記領域を制限する部材からなる、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項3】
前記停止部は、前記操作受付装置に複数備えられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に前記領域を明示する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項4】
前記第1の方向から見て前記停止部は前記移動部の周縁に設けられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に、前記押圧力を受けないように前記領域を明示する、請求項3に記載の操作受付装置。
【請求項5】
前記移動部の移動に応じて作動するスイッチを更に備える、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項6】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、前記第1の方向から見て前記移動部の周縁部に複数設けられた、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項7】
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側に前記領域を明示する、請求項6に記載の操作受付装置。
【請求項8】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側で前記移動部の周縁部に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項9】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記付勢部は、圧縮ばねから構成される、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項10】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、圧縮ばねから構成され、前記移動部が押し込まれた場合に、前記圧縮ばねの巻線が密着または近接することによって、前記圧縮ばねが前記停止部として機能する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項11】
前記第1の方向から見た前記移動部の周縁部における押圧力が、前記第1の方向から見た前記移動部の中央における押圧力の5倍以下である、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項12】
前記移動部は、タッチパッドである、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項13】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記スイッチから前記付勢部までの距離をXb、前記スイッチから前記ストッパーまでの距離をXa、前記スイッチのストロークをYswとすると、前記付勢部のストロークYbは、
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
の関係を満たす、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項14】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記移動部の剛性と前記付勢部の弾性係数との関係から、前記移動部が前記押圧力を受けた際に、前記移動部に変形が生じるように前記付勢部の反力が設定された、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項15】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、スポンジ材またはゴム材から構成される、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項16】
前記移動部と前記スイッチとの間、または前記スイッチと前記スイッチが載置される筐体の間にばね要素を備える、請求項5に記載の操作受付装置。
【請求項17】
前記規制部と前記付勢部が同一の位置に設けられた、請求項6に記載に記載の操作受付装置。
【請求項18】
前記規制部と前記付勢部が異なる位置に設けられた、請求項6に記載に記載の操作受付装置。
【請求項1】
ユーザの押圧操作による押圧力を受ける領域を有し、前記押圧力を受けて第1の方向へ移動する移動部と、
前記移動部が前記押圧力を受けている際に、前記移動部の前記第1の方向への移動を停止させる停止部と、
前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように、前記領域をユーザに明示する明示部と、
を備えた、操作受付装置。
【請求項2】
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記停止部と重なる位置に前記押圧力を受けないように前記領域を制限する部材からなる、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項3】
前記停止部は、前記操作受付装置に複数備えられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に前記領域を明示する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項4】
前記第1の方向から見て前記停止部は前記移動部の周縁に設けられ、
前記明示部は、前記第1の方向から見て複数の前記停止部で囲まれた領域の内側に、前記押圧力を受けないように前記領域を明示する、請求項3に記載の操作受付装置。
【請求項5】
前記移動部の移動に応じて作動するスイッチを更に備える、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項6】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、前記第1の方向から見て前記移動部の周縁部に複数設けられた、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項7】
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側に前記領域を明示する、請求項6に記載の操作受付装置。
【請求項8】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記明示部は、前記第1の方向から見て前記付勢部よりも内側で前記移動部の周縁部に前記押圧力を受けないように、前記領域を明示する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項9】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え
前記付勢部は、圧縮ばねから構成される、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項10】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、圧縮ばねから構成され、前記移動部が押し込まれた場合に、前記圧縮ばねの巻線が密着または近接することによって、前記圧縮ばねが前記停止部として機能する、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項11】
前記第1の方向から見た前記移動部の周縁部における押圧力が、前記第1の方向から見た前記移動部の中央における押圧力の5倍以下である、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項12】
前記移動部は、タッチパッドである、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項13】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記スイッチから前記付勢部までの距離をXb、前記スイッチから前記ストッパーまでの距離をXa、前記スイッチのストロークをYswとすると、前記付勢部のストロークYbは、
Yb<Ysw×((Xa+Xb)/Xa)
の関係を満たす、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項14】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記移動部の剛性と前記付勢部の弾性係数との関係から、前記移動部が前記押圧力を受けた際に、前記移動部に変形が生じるように前記付勢部の反力が設定された、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項15】
前記移動部を前記第1の方向と逆の向きである第2の方向に付勢する付勢部を備え、
前記付勢部は、スポンジ材またはゴム材から構成される、請求項1に記載の操作受付装置。
【請求項16】
前記移動部と前記スイッチとの間、または前記スイッチと前記スイッチが載置される筐体の間にばね要素を備える、請求項5に記載の操作受付装置。
【請求項17】
前記規制部と前記付勢部が同一の位置に設けられた、請求項6に記載に記載の操作受付装置。
【請求項18】
前記規制部と前記付勢部が異なる位置に設けられた、請求項6に記載に記載の操作受付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−20604(P2013−20604A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250525(P2011−250525)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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