説明

操作装置、スイッチ装置

【課題】揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するための構造を簡略化した操作装置およびスイッチ装置を提供する。
【解決手段】操作軸4をストライカ5、6とケース1の筒1aにより揺動可能でかつ回転可能に支持する。側面に突起9aが設けられたプランジャ9を操作軸4の下部に装着して、プランジャ9を操作軸4の先端とし、操作軸4の側面から突起9aを突出させる。操作軸4が揺動操作されたときにプランジャ9と接触して操作軸4に節度を与える揺動節度部2xと、操作軸4が回転操作されたときに突起9aと接触して操作軸4に節度を与える回転節度部2yとをカバー2に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向に操作可能な操作装置およびスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多方向に操作可能な操作装置として、例えば自動車のパワーミラー装置に用いられるスイッチ装置がある。パワーミラー装置は、自動車の左右のサイドミラーを、運転席に座っている運転者が目視できるように車体に対して垂直に起立させたり、格納するために車体に沿うように倒伏させたり、視角調節のために上下および左右に傾動させたりする。上記スイッチ装置は、自動車の運転席のアームレストや前面パネル等に配設されていて、上記左右のサイドミラーの視角調節や起立・倒伏を行う際に回転操作、揺動操作、または押し操作される。
【0003】
従来から上記スイッチ装置には、例えば特許文献1に開示されているように、回転操作可能でかつ揺動操作可能な操作軸と、操作軸の回転操作および揺動操作に節度(クリック感)を与える構造とを備えたものがある。特許文献1では、回転節度構造は、操作軸を支持する軸受け部に保持されたコイルスプリングと、ケースの内面に形成された凹凸を有する節度部と、コイルスプリングにより節度部に押圧されるボールとから構成され、揺動節度構造は、操作軸の下端に装着されたコイルスプリングおよびアクチュエータと、上面にアクチュエータがコイルスプリングにより押圧される凹凸を有するカム部が形成されたウエハとから構成されている。
【0004】
また、例えば特許文献2に開示されているように、回転操作可能でかつ揺動操作可能でかつ押し操作可能な操作軸と、操作軸の回転操作および押し操作に節度を与える構造とを備えたものもある。特許文献2では、回転節度構造は、特許文献1と同様であり、押し節度構造は、クランク状に形成された係合ピンと、操作軸に追従して上下に移動し、側面に係合ピンの一端が係合されるハート形のカム溝が形成されたスライダと、係合ピンの他端を旋回自在に装着するホルダと、係合ピンをスライダ側へ付勢して上記カム溝に確実に係合させるコイルスプリングとから構成されている。
【0005】
さらに、例えば特許文献3に開示されているように、回転操作可能でかつ押し操作可能な操作つまみと、操作つまみの回転操作に節度を与える構造とを備えたものもある。特許文献3では、回転節度構造は、図14に示されるように操作つまみに追従して回転し、上面に放射状に凹凸が形成された可動接点体と、可動接点体の上方に固定され、上記凹凸に押圧されるダボが形成された弾性金属薄板製のばね体とから構成されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−44582号公報
【特許文献2】特開2001−291456号公報
【特許文献3】特開2000−67700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献2、3の構造では、操作軸の回転操作に節度を与えることはできるが、揺動操作に節度を与えることはできない。これに対して、上述した特許文献1の構造では、操作軸の回転操作と揺動操作の両方に節度を与えることができる。しかしながら、特許文献1の構造では、回転操作の節度と揺動操作の節度をそれぞれ別々の部品によって実現しているので、部品点数が多く、構造が複雑である。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するものであって、その課題とするところは、揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するための構造を簡略化した操作装置およびスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る操作装置では、操作軸と、操作軸を揺動可能でかつ回転可能に支持する軸受け部と、操作軸に軸線方向へ弾性を与える弾性体と、操作軸の側面に設けられた突起と、操作軸が揺動操作されたときに操作軸の先端と接触して操作軸に節度を与える揺動節度部と、操作軸が回転操作されたときに突起と接触して操作軸に節度を与える回転節度部とを備えている。
【0010】
このようにすると、操作軸を揺動操作したときに、弾性体と操作軸の先端と揺動節度部により節度を与えることができ、操作軸を回転操作したときに、弾性体と操作軸の突起と回転節度部により節度を与えることができる。このため、操作装置において、揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するのに弾性体と操作軸を兼用して、部品点数を少なくし、構造を簡略化することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る操作装置の一実施形態では、揺動節度部は、操作軸の揺動方向に並設された凹凸から構成され、回転節度部は、操作軸の回転方向に並設された凹凸から構成される。
【0012】
このようにすると、操作軸を揺動操作したときに、操作軸の先端が揺動節度部を構成する凹凸に接触しながら移動することにより節度を確実かつ明確に発生させることができ、操作軸を回転操作したときに、操作軸の突起が回転節度部を構成する凹凸に接触しながら移動することにより節度を確実かつ明確に発生させることができる。
【0013】
また、本発明に係るスイッチ装置では、操作軸と、操作軸を揺動可能でかつ回転可能に支持する軸受け部と、操作軸に軸線方向へ弾性を与える弾性体と、操作軸の側面に設けられた突起と、操作軸が揺動操作されたときに操作軸の先端と接触して操作軸に節度を与える揺動節度部と、操作軸が回転操作されたときに突起と接触して操作軸に節度を与える回転節度部と、操作軸が揺動操作されることにより切り換えられる第1の接点と、操作軸が回転操作されることにより切り換えられる第2の接点とを備えている。
【0014】
このようにすると、操作軸を揺動操作したときに、第1の接点を切り換えつつ弾性体と操作軸の先端と揺動節度部により節度を与えることができ、操作軸を回転操作したときに、第2の接点を切り換えつつ弾性体と操作軸の突起と回転節度部により節度を与えることができる。このため、スイッチ装置において、揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するのに弾性体と操作軸を兼用して、部品点数を少なくし、構造を簡略化することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係るスイッチ装置の一実施形態では、上記構成に加えて、操作軸が軸線方向へ押し操作されることによりアクチュエータが押し込まれて内部接点が切り換えられるプッシュスイッチを備え、プッシュスイッチの内部接点の切り換えに要する操作軸の軸線方向の変位量を、回転操作時と揺動操作時の節度の発生に要する操作軸の軸線方向の変位量より大きくしている。
【0016】
操作軸は揺動操作時と回転操作時に軸線方向へ若干変位することがあるが、上記のように各操作時の変位量を設定すると、揺動操作時と回転操作時に操作軸が軸線方向へ変位しても、プッシュスイッチの内部接点が誤って切り換わるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作軸を揺動操作したときに、弾性体と操作軸の先端と揺動節度部により節度を与えることができ、操作軸を回転操作したときに、弾性体と操作軸の突起と回転節度部により節度を与えることができるので、揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するのに弾性体と操作軸を兼用して、部品点数を少なくし、構造を簡略化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態につき、図を参照しながら説明する。図1は、自動車の運転席のアームレスト等に配設されるスイッチ装置100の斜視図である。図2は、スイッチ装置100の平面図である。1はスイッチ装置100のケース、2はスイッチ装置100のカバーである。ケース1の下方Dは開口されていて、カバー2を嵌め込むことにより塞がれている。ケース1の上面には、上下U、Dに開口してケース1の内部と連通する複数の筒1a〜1dがケース1と一体で設けられている。筒1aには、自動車の左右のサイドミラーの視角調節と起立・倒伏を電動で行う図示しないパワーミラー装置を作動させる際に操作されるミラーコントローラスイッチ(以下、「ミラコンスイッチ」という。)10が設置されている。その他の筒1b〜1dには、自動車の各席のドアを電動で開かないようにロックしまたは該ロックを解除する図示しないドアロック装置を作動させる際に操作される図示しないドアロックスイッチ、各ドアの窓を電動で開閉できないようにロックしまたは該ロックを解除する図示しないウインドウロック装置を作動させる際に操作される図示しないウインドウロックスイッチ、および各窓を電動で開閉する図示しないパワーウインドウ装置を作動させる際に操作される図示しないウインドウスイッチがそれぞれ設置される。20はケース1の前側面(F方向側の側面)に設けられたコネクタであって、上記各スイッチからの出力信号を図示しないコントロールユニットへ伝送するケーブルが接続される。スイッチ装置100は、本発明における操作装置およびスイッチ装置の一実施形態を構成する。
【0019】
図3は、スイッチ装置100の要部の分解斜視図である。本図では、ミラコンスイッチ10の近傍を図1の筒1b〜1d側から見て示している。ミラコンスイッチ10は主に、ケース1、カバー2、操作軸4、外ストライカ5、内ストライカ6、基板7、およびスライダ8から構成されている。3は操作軸4の操作部を構成する別体のノブである。このノブ3は、操作軸4の上部に装着される。9は操作軸4の先端を構成する別体のプランジャである。このブランじゃ9は、操作軸4の下部に装着される。11は操作軸4とプランジャ9の間に介在されるコイルばねである。13はスライダ8に装着された端子である。
【0020】
図4〜図15は、ミラコンスイッチ10を組み立てた状態を示す図である。詳しくは、図4は、ミラコンスイッチ10の未操作状態を図1のコネクタ20側から見て示した斜視図である。図4の(a)ではケース1、外ストライカ5、および基板7の図示を省略し、(b)では(a)よりさらにスライダ8の図示を省略している。図5は、ミラコンスイッチ10の未操作状態を基板7の裏面(下面)が上方を向くように反転させてコネクタ20側から見て示した斜視図である。図5の(a)ではケース1、カバー2、および外ストライカ5の図示を省略し、(b)では(a)よりさらにスライダ8の図示を省略している。図6は、ミラコンスイッチ10の未操作状態の断面図である。図6の(a)に図2に示すX−X断面を示し、(b)に図2に示すY−Y断面を示している。図7は、下カバー2の内側要部の平面図である。図8は、基板7の裏面の平面図である。図9は、ミラコンスイッチ10の押し操作状態の断面図である。図9では、図2に示すX−X断面を示している。図10は、ミラコンスイッチ10の回転操作状態の斜視図、図11は、同状態の反転斜視図、図12は、同状態の断面図である。図13は、ミラコンスイッチ10の揺動操作状態の斜視図、図14は、同状態の反転斜視図、図15は、同状態の断面図である。図10および図13では、見る方向および省略部品が図4と同様である。図11および図14では、見る方向および省略部品が図5と同様である。図12では、図6と同様に(a)に図2に示すX−X断面を示し、(b)にY−Y断面を示している。図15は、図2に示すZ−Z断面を示しているが、スライダ8だけは端子13を装着している部分の断面を示している。
【0021】
図6等に示すように、ケース1の上面に設けられた筒1aは、内外径が上方Uに向かって段階的に小さくなっている。筒1aの内側には、操作軸4が貫通させられて上部を外部へ突出した状態で設けられている。ノブ3は、その操作軸4の上部に装着されて連結されていて、筒1aの上部開口を覆っている。この装着状態でノブ3と筒1aの間には隙間が形成されるため、ノブ3は、下方Dへ押し操作可能で、かつ図2に示す時計回りPおよび反時計回りQへ回転操作可能で、かつ前方F、後方B、右方R、および左方Lへ揺動操作可能である。操作軸4は、ノブ3に追従して軸線(図3および図6等の一点鎖線)方向への移動、軸線周りの回転、および揺動が可能である。
【0022】
操作軸4の下部には、プランジャ9が操作軸4の軸線方向へ移動可能に装着されている。プランジャ9は、先端が半球状になっている。プランジャ9の側面には、図3等に示すように軸線方向に対して垂直でかつ所定の角度間隔(本例では、90°)で放射状に突出する円柱状の複数(本例では、4つ)の突起9aが設けられている。操作軸4の下部は、図3等に示すように多角形(本例では、正方形)になっている。この多角形部4bの各側面には、プランジャ9の各突起9aを下方から嵌め込むスリット4cが設けられている。図4および図5に示すように各スリット4cの幅は各突起9aの径とほぼ同等の大きさになっていて、深さ(軸線方向の長さ)は各突起9aの径よりある程度(2倍以上)大きくなっている。即ち、各突起9aは各スリット4c内で操作軸4の軸線方向へ所定の変位量で移動可能になっている。
【0023】
操作軸4とプランジャ9の間には、図6等に示すようにコイルばね11が装填されている。コイルばね11は、操作軸4とプランジャ9に軸線方向へ反発するような弾性を与えている。即ち、コイルばね11によって操作軸4は上方Uへ付勢され、プランジャ9は下方Dへ付勢されている。コイルばね11は、本発明における弾性体の一実施形態を構成する。
【0024】
プランジャ9の下方には、案内台2aがカバー2と一体で設けられている。案内台2aには、揺動節度部2xと回転節度部2yと支持部2zが設けられている。揺動節度部2xは、ノブ3および操作軸4の揺動操作時に操作軸4およびプランジャ9の移動を案内しつつノブ3および操作軸4等に節度(クリック感)を与えるものである。回転節度部2yは、操作軸4等の回転操作時に操作軸4の移動を案内しつつ操作軸4等に節度を与えるものである。支持部2zは、スライダ8を下方から受けて操作軸4等の揺動操作時および回転操作時にスライダ8の移動を案内するものである。
【0025】
揺動節度部2xは、図7に示すように上方から見て前後左右の四方F、B、L、Rへ向かって突出するようにほぼ十字形に形成されている。揺動節度部2xの上面2f、2b、2L、2rは、図6および図15等に示すように四方F、B、L、Rへ向かうに連れて上昇するように傾斜している。これらの傾斜面2f、2b、2L、2rの中央(合流部分)には凹部2cが設けられ、途中には鈍角の段差から成る凸部2dが設けられている。即ち、揺動節度部2xは、操作軸4等の揺動方向F、B、L、Rへ拡がる傾斜面2f、2b、2L、2rに並設された凹部2cと凸部2dから構成されている。揺動節度部2xには、プランジャ9の先端がコイルばね11の弾性力によって押し付けられている。プランジャ9の先端が操作軸4の揺動に追従して凹部2cと凸部2dに接触しながら移動することにより、節度が発生する。
【0026】
回転節度部2yは、図7等に示すように各傾斜面2f、2b、2L、2rの間に所定の角度間隔(本例では、90°)で複数(本例では、4つ)設けられている。各回転節度部2yの上面の中央には、図10および図13等に示すように凹部2eが設けられ、該凹部2eの両側(傾斜面2f、2b、2L、2r側)には凸部2gが設けられている。即ち、回転節度部2yは、操作軸4等の回転方向P、Qに並設された凹部2eと凸部2gから構成されている。回転節度部2yには、プランジャ9の各突起9aがコイルばね11の弾性力によって押し付けられている。プランジャ9の各突起9aが操作軸4の回転に追従して凹部2eと凸部2gに接触しながら移動することにより、節度が発生する。揺動節度部2xと回転節度部2yの周囲には、これらを囲むように支持部2zが設けられている。支持部2zについては後でスライダ8とともに説明する。
【0027】
操作軸4の中央には、図3および図4等に示すように多角形(本例では、8角形)の鍔4aが設けられている。操作軸4をほぼ筒状の外ストライカ5内にU方向へ挿入し、次いでほぼ筒状の内ストライカ6を外ストライカ5内にU方向へ操作軸4を貫通させながら挿入することで、図6等に示すように操作軸4の鍔4aが外ストライカ5と内ストライカ6に挟み込まれて支えられる。この支持状態で操作軸4とストライカ5、6の間には隙間が形成されるため、操作軸4はノブ3に追従して揺動可能でかつ回転可能である。鍔4aを収容している外ストライカ5の空間5hは、軸線方向から見て、鍔4aと同形でかつほぼ同等の大きさの多角形(本例では、8角形)に形成されているため、外ストライカ5は操作軸4に追従して回転可能である。空間5hの高さは、鍔4aの厚みよりある程度(2倍以上)大きく形成されているため、コイルばね11の弾性力によって鍔4aの上面は外ストライカ5に押し付けられ、鍔4aの下面は内ストライカ6から所定の間隔で離間している。
【0028】
内ストライカ6の下端には、図3および図6等に示すように外ストライカ5の下端に設けられた切欠き5kを貫通して突出する押圧部6aが設けられている。この押圧部6aの上面には、外ストライカ5から所定の間隔で離間して上方へ延びる延出部6bが設けられている。延出部6bの上端は、図6に示すようにケース1と一体で設けられた2つのストッパ1e、1f間に嵌め込まれて保持されているため、内ストライカ6は回転不可能である。操作軸4が貫通するケース1の筒1a、外ストライカ5、および内ストライカ6は、本発明における軸受け部の一実施形態を構成する。
【0029】
図6等の(a)に示すように外ストライカ5の外側の上方に設けられている段差部5dは、筒1aの内側に設けられている突起1tに係合されている。外ストライカ5の下面は基板7に支持されている。基板7は、側面および下面をケース1およびカバー2に支持されている。このため、外ストライカ5は、操作軸4に追従して上下および側方へ移動不可能であり、基板7は、回転、上下、および側方への移動が不可能である。操作軸4の多角形部4bは、基板7に形成された孔7hへ貫通させられている。孔7hの径は多角形部4bの径よりある程度大きくなっているため、操作軸4は基板7と独立して軸線方向への移動、回転、および揺動が可能である。
【0030】
外ストライカ5の上方の外周面には、図2、図3および図6等に示すように所定の角度間隔(本例では、180°)で複数(本例では、2つ)の突起5eが設けられている。ケース1の筒1aの内側には、外ストライカ5が操作軸4に追従してP、Q方向に所定の角度(本例では、45°)回転したときに、突起5eが当接する複数(本例では、4つ)のストッパ1g(図2および図15)がケース1と一体で設けられている。突起5eがストッパ1gに当接することにより、外ストライカ5、操作軸4、およびノブ3の所定角度以上の過度な回転が制限される。
【0031】
内ストライカ6の押圧部6aは、図3および図6等に示すように基板7の上面に実装されているプッシュスイッチ(面実装型のタクトスイッチ)12のアクチュエータ12a上に載置されて支持されている。プッシュスイッチ12は、内ストライカ6の下方の操作軸4近傍でかつ外ストライカ5の切欠き5k内に内ストライカ6に近接させて配置されている。アクチュエータ12aはプッシュスイッチ12の本体内部へ押し込み可能であるため、内ストライカ6は上下へ移動可能である。プッシュスイッチ12の本体内部には、アクチュエータ12aを内部から突出するように上方へ付勢しつつアクチュエータ12aの押し込み時に節度を発生するハートカム機構等のような公知の機構(図示省略)や、アクチュエータ12aが押し込まれることによりOFF状態(開放・非導通状態)からON状態(接続・導通状態)に切り換わる接点(図示省略)等が備わっている。内ストライカ6が操作軸4に追従して下方へ移動することにより、プッシュスイッチ12のアクチュエータ12aが内ストライカ6の押圧部6aで押されて、プッシュスイッチ12の内部接点がOFF状態からON状態に切り換わる。プッシュスイッチ12の内部接点は、サイドミラーを起立・倒伏させる指示信号をサイドミラーの駆動を制御する図示しないコントロールユニットへ出力するためのものである。
【0032】
前述したように外ストライカ5の空間5hを操作軸4の鍔4aの厚みより大きくし、かつ操作軸4のスリット4cの深さをプランジャ9の突起9aの径より大きくすることにより、プッシュスイッチ12の内部接点の切り換えに要する操作軸4の軸線方向の変位量を、回転操作時と揺動操作時の節度の発生に要する操作軸4の軸線方向の変位量より大きくしている。基板7の上面には、プッシュスイッチ12の他にも、前述のコネクタ20や図示しないスイッチ等の電子部品が実装されていて、これら電子部品と図示しない配線パターンから成る電気回路が形成されている。
【0033】
基板7の下方には、スライダ8が設けられている。スライダ8の側部には、下方へ突出するように複数(本例では、4本)の脚部8bが設けられていて、各脚部8bの先端は半球状になっている。各脚部8bは、案内台2aの支持部2zに下方および側方を支持されている。短い間隔で離間している脚部8b同士の間には、図3、図4、および図15等に示すように端子13が上下へ移動可能に装着されている。各端子13の上面には、上方へ突出する突起状の複数(本例では、2つ)の可動接点13aが形成されている。各端子13とスライダ8の間には、図15に示すようにコイルばね14が装填されている。コイルばね14は、端子13を上方へ付勢して、各可動接点13aを基板7の下面に所定の圧力で押し付けているとともに、スライダ8を下方へ付勢して、各脚部8bを支持部2z上に所定の圧力で押し付けている。即ち、スライダ8および端子13は基板7と案内台2aに挟まれていて、可動接点13aは基板7の下面にコイルばね14の弾性力によって常時接している。操作軸4の多角形部4bは、スライダ8の中央に形成された孔8hへ貫通させられている。スライダ8の孔8hは、図3および図4等に示すように操作軸4の多角形部4bと同形でかつほぼ同等の大きさの多角形(本例では、正方形)に形成されているため、スライダ8および端子13の可動接点13aは、操作軸4に追従して回転可能でかつ基板7と平行に移動可能である。支持部2zは、該移動時にスライダ8の各脚部8bが陥落しないような大きさに形成されている。スライダ8の下面には、図11等に示すようにプランジャ9の各突起9aを嵌め込む窪み8aが設けられている。
【0034】
基板7の下面には、図5および図8等に示すように複数の固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pd、7qc、7qr、7qL、7qu、7qdが形成されている。固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdは、右のサイドミラーを上下左右へ傾動させる信号をコントロールユニットへ出力するためのものであり、固定接点7qc、7qr、7qL、7qu、7qdは、左のサイドミラーを上下左右へ傾動させる信号をコントロールユニットへ出力するためのものである。スライダ8が操作軸4に追従して回転することにより、端子13の可動接点13aが固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdの近傍位置または固定接点7qc、7qr、7qL、7qu、7qdの近傍位置へ移動する。そしてさらに、スライダ8が操作軸4に追従して基板7と平行に前後左右のいずれかへ移動することにより、可動接点13aがその移動方向にある固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pd、7qc、7qr、7qL、7qu、7qdに接触して、該固定接点がOFF状態からON状態に切り換わる。固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pd、7qc、7qr、7qL、7qu、7qdは、本発明における第1の接点および第2の接点の一実施形態を構成する。上記の他にも、基板7の下面には、図示しない電子部品が実装されていて、これら電子部品と図示しない配線パターンから成る電気回路が形成されている。
【0035】
上記構造において、ノブ3を操作していないときは、各部は図4〜図6および図8(a)に示すような状態にある。この未操作状態から、ノブ3を例えば下方Dへ一度押し操作すると、図9に示すように操作軸4が軸線と平行に下方Dへ移動して、鍔4aで内ストライカ6を押し下げる。このため、プッシュスイッチ12のアクチュエータ12aが内ストライカ6の押圧部6aに押されて、プッシュスイッチ12の内部接点がOFF状態からON状態に切り換わる。このとき、前述したプッシュスイッチ12の内部機構により、アクチュエータ12aの押圧部6aに対する抗力が急激に変化して(一旦大きくなった後小さくなる)、節度が発生し、該節度が内ストライカ6、操作軸4、およびノブ3に順次与えられる。このため、この節度を頼りにノブ3を押し操作することで、操作軸4および内ストライカ6を適正な位置(内ストライカ6の押圧部6aがプッシュスイッチ12のアクチュエータ12aを内部接点の切り換えに要するストローク分下方へ移動させる位置)まで移動させることができる。また、操作軸4等の適正位置を越える過度な下方移動は、ノブ3の下端が筒1aの中段部上面に当接すること等により制限される。上記のようにプッシュスイッチ12の内部接点が切り換わると、この切り換わり信号がサイドミラーを起立させる信号としてスイッチ装置100からコントロールユニットへ出力され、該信号を受けたコントロールユニットが電動機を駆動して左右のサイドミラーを起立させる。
【0036】
ノブ3の押し操作を解除すると、操作軸4がコイルばね11によって上方へ付勢されて、鍔4aで内ストライカ6を押さなくなる。このため、プッシュスイッチ12のアクチュエータ12aが内部機構によって上方へ付勢されて、内ストライカ6の押圧部6aを押し上げ、プッシュスイッチ12の内部接点がON状態からOFF状態に切り換わる。また、図6に示すように操作軸4、ノブ3、内ストライカ6が元の位置に復帰する。この後、ノブ3をもう一度押し操作すると、上記と同様にプッシュスイッチ12の内部接点がOFF状態からON状態に切り換わり、この切り換わり信号が今度はサイドミラーを倒伏させる信号としてスイッチ装置100からコントロールユニットへ出力され、該信号を受けたコントロールユニットが電動機を駆動して左右のサイドミラーを倒伏させる。
【0037】
また、未操作状態からノブ3を例えばQ方向へ回転操作すると、図10〜図12に示すように操作軸4が回転して、鍔4aで外ストライカ5を引っ掛けてQ方向へ回転させ、スリット4cの側壁でプランジャ9を引っ掛けてQ方向へ回転させる。このとき、プランジャ9の各突起9aが各回転節度部2yの凹部2eから凸部2gを乗り越えることにより、各突起9aと各回転節度部2yの接触力が急激に変化(一旦大きくなった後小さくなる)して、節度が発生し、該節度がプランジャ9、操作軸4、およびノブ3に順次与えられる。このため、この節度を頼りにノブ3を回転操作することで、操作軸4およびプランジャ9等を適正な位置(各突起9aが各回転節度部2yの凸部2gを乗り越える位置)まで回転させることができる。また、操作軸4等の適正位置を越える過度な回転は、前述したように外ストライカ5の突起5eがストッパ1gに当接することにより制限される。本例では、前述したように各部の回転角度は45°である。上記と同時に、操作軸4が多角形部4bやスライダ8の下面の窪み8aに嵌まり込んでいるプランジャ9の各突起9aでスライダ8を引っ掛けて、図8(b)、図10、および図11に示すようにスライダ8および端子13をQ方向へ所定角度(45°)回転させる。このため、端子13の可動接点13aが固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdの近傍位置まで移動し、右のサイドミラーの視角調節(上下左右への傾動)が可能となる。上記の回転操作時に、稀に操作軸4が軸線方向へ若干変位することがあるが、該変位量は押し操作時の軸線方向への変位量と比べて極めて小さい。
【0038】
そして、上記の回転操作状態からノブ3を例えばL方向へ揺動操作すると、図13〜図15に示すように操作軸4が揺動して、プランジャ9を操作方向Lと反対方向Rにある揺動節度部2xの傾斜面2rに沿って上方へ移動させる。このとき、プランジャ9の先端が傾斜面2rの凹部2cから凸部2dを乗り越えることにより、プランジャ9と該揺動節度部2xの接触力が急激に変化(一旦大きくなった後小さくなる)して、節度が発生し、該節度がプランジャ9、操作軸4、およびノブ3に順次与えられる。このため、この節度を頼りにノブ3を揺動操作することで、操作軸4等を適正な位置(プランジャ9が凸部2dを乗り越える位置)まで揺動させることができる。また、操作軸4の適正位置を越える過度な揺動は、外ストライカ5の空間5hの上面および側面に操作軸4の鍔4aが当接することによりに制限される。本例では、各部の揺動量は、プランジャ9が傾斜面2rから陥落しない程度である。上記と同時に、操作軸4が多角形部4bやプランジャ9の突起9aでスライダ8を引っ掛けて、図8(c)および図13〜図15に示すようにスライダ8および端子13を基板7と平行にR方向へ移動させる。このため、各端子13の各可動接点13aがそのR方向にある固定接点7pc、7pLにそれぞれ接触して、該固定接点7pc、7pLが端子13を介して接続されてOFF状態からON状態に切り換わる。そして、この切り換わり信号が右のサイドミラーを左向きに傾動させる信号としてスイッチ装置100からコントロールユニットへ出力され、該信号を受けたコントロールユニットが電動機を駆動して右のサイドミラーを左向きに所定角度傾動させる。上記の揺動操作時に、操作軸4が軸線方向へ若干変位することがあるが、該変位量は押し操作時の軸線方向への変位量と比べて極めて小さい。
【0039】
ノブ3の揺動操作を解除すると、プランジャ9がコイルばね11によって下方へ付勢されて傾斜面2rに沿って下方へ移動し、図12に示すように凹部2cに嵌まり込んで揺動前の位置に復帰する。また、操作軸4がコイルばね11によって上方へ付勢されかつプランジャ9に引っ張られて基板7に対して垂直になるように揺動し、図10〜図12に示すように操作軸4およびノブ3が揺動前の位置に復帰する。上記と同時に、スライダ8が操作軸4の多角形部4bやプランジャ9の突起9aに引っ張られて基板7と平行に移動し、図8(b)および図11等に示すようにスライダ8および端子13が揺動前の位置に復帰する。このため、端子13の可動接点13aが固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdの中間に位置して、固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdのいずれとも接触しなくなり、固定接点7pc、7pLが開放されてON状態からOFF状態に切り換わる。
【0040】
上記に対して、図8(b)および図10等に示す回転操作状態からノブ3をR方向へ揺動操作すると、操作軸4が揺動して、プランジャ9を反対方向Lの揺動節度部2xの傾斜面2L(図15等)に沿って移動させ、スライダ8を基板7と平行にL方向へ移動させるため、各可動接点13aが移動先の固定接点7pr、7pcにそれぞれ接触して、該固定接点7pr、7pcがOFF状態からON状態に切り換わる。また、ノブ3をF方向へ揺動操作すると、操作軸4が揺動して、プランジャ9を反対方向Bの揺動節度部2xの傾斜面2b(図12等)に沿って移動させ、スライダ8を基板7と平行にB方向へ移動させるため、各可動接点13aが移動先の固定接点7puにそれぞれ接触して、該固定接点7puがOFF状態からON状態に切り換わる。さらに、ノブ3をB方向へ揺動操作すると、操作軸4が揺動して、プランジャ9を反対方向Fの揺動節度部2xの傾斜面2fに沿って移動させ、スライダ8を基板7と平行にF方向へ移動させるため、各可動接点13aが移動先の固定接点7pdにそれぞれ接触して、該固定接点7pdがOFF状態からON状態に切り換わる。これらの切り換わり信号は右のサイドミラーを右向き、上向き、または下向きに傾動させる信号としてスイッチ装置100からコントロールユニットへ出力され、該信号を受けたコントロールユニットが電動機を駆動して右のサイドミラーを右向き、上向き、または下向きに所定角度傾動させる。
【0041】
ノブ3の揺動操作を解除した後、未操作状態に戻そうとしてノブ3をP方向へ回転操作すると、図4〜図6に示すように操作軸4が回転して、鍔4aで外ストライカ5を引っ掛けてP方向へ回転させ、スリット4cの側壁でプランジャ9を引っ掛けてP方向へ回転させる。このとき、プランジャ9の各突起9aが各回転節度部2yに乗り上げ、さらに凸部2gを乗り越えて凹部2eに嵌まり込むことにより、各突起9aと各回転節度部2yの接触力が急激に変化して、節度が発生し、該節度がプランジャ9、操作軸4、およびノブ3に順次与えられる。このため、この節度を頼りにノブ3を回転操作することで、操作軸4等を適正に回転させて未操作状態の位置まで復帰させることができる。上記と同時に、操作軸4が多角形部4bやプランジャ9の突起9aでスライダ8を引っ掛けて、図8(a)、図4、および図5に示すようにスライダ8および端子13をP方向へ回転させて未操作状態の位置に復帰させる。
【0042】
また、未操作状態からノブ3をP方向へ回転操作すると、操作軸4、プランジャ9、およびスライダ8等がP方向へ所定角度(45°)回転して、端子13の可動接点13aが固定接点7qc、7qr、7qL、7qu、7qdの近傍位置まで移動し、左のサイドミラーの視角調節が可能となる。そして、この回転操作状態からノブ3をL方向、R方向、F方向、B方向のいずれかへ揺動操作すると、上記と同様に操作軸4がその操作方向へ揺動して、プランジャ9、スライダ8、および端子13を反対方向へ移動させるため、可動接点13aが該移動先の固定接点7qc、7qL、7qr、7qu、7qdに接触して、該固定接点がOFF状態からON状態に切り換わる。そして、これらの切り換わり信号は左のサイドミラーを左向き、右向き、上向き、または下向きに傾動させる信号としてスイッチ装置100からコントロールユニットへ出力され、該信号を受けたコントロールユニットが電動機を駆動して左のサイドミラーを左向き、右向き、上向き、または下向きに所定角度傾動させる。
【0043】
以上によると、ノブ3を介して操作軸4をP方向またはQ方向へ回転操作したときに、スライダ8上の可動接点13aが接触可能になる基板7の固定接点を固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pdか固定接点7qc、7qr、7qL、7qu、7qdに切り換えつつ、操作軸4の側面から突出するプランジャ9の突起9aとカバー2の回転節度部2yとコイルばね11により節度を与えることができる。そしてさらに、ノブ3を介して操作軸4をL方向、R方向、F方向、またはB方向へ揺動操作したときに、可動接点13aを固定接点7pc、7pr、7pL、7pu、7pd、7qc、7qr、7qL、7qu、7qdのいずれかに接触させて、該固定接点をOFF状態からON状態に切り換えつつ、操作軸4の先端を構成するプランジャ9とカバー2の揺動節度部2xとコイルばね11により節度を与えることができる。よって、スイッチ装置100のミラコンスイッチ10において、揺動操作の節度と回転操作の節度を実現するのに操作軸4とプランジャ9とコイルばね11を兼用して、部品点数を少なくし、構造を簡略化することが可能となる。
【0044】
また、回転節度部2yを操作軸4の回転方向P、Qに並設した凹部2eと凸部2gから構成し、揺動節度部2xを操作軸4の揺動方向L、R、F、Bに並設した凹部2cと凸部2dから構成しているので、操作軸4を回転操作したときに、プランジャ9の突起9aが凹部2eと凸部2gに接触しながら移動することにより節度を確実かつ明確に発生させることができ、操作軸4を揺動操作したときに、プランジャ9が凹部2cと凸部2dに接触しながら移動することにより節度を確実かつ明確に発生させることができる。
【0045】
また、操作軸4は回転操作時および揺動操作時に軸線方向へ若干変位することがあるが、プッシュスイッチ12の内部接点の切り換えに要する操作軸4の軸線方向の変位量を、回転操作時と揺動操作時の節度の発生に要する操作軸4の軸線方向の変位量より大きくしているので、回転操作時および揺動操作時に操作軸4が軸線方向へ変位しても、プッシュスイッチ12の内部接点が誤って切り換わるのを防止することができる。
【0046】
また、操作軸4の側方に突起9aと回転節度部2yとを放射線状に複数配置しているので、ノブ3を介して操作軸4を回転操作したときに、突起9aと回転節度部2yとの接触により操作軸4が傾いて軸ブレを生じることはなく、図12等に示したように鉛直な姿勢(基板7等に対して垂直な姿勢)を維持することができ、操作軸4およびノブ3に節度を一方側だけに偏らせず全体に均等に与えることが可能となる。
【0047】
さらに、ノブ3、操作軸4、プランジャ9、および揺動節度部2xを同一直線上に配置しているので、ノブ3を介して操作軸4を揺動操作したときに、プランジャ9と揺動節度部2xとの接触により生じた節度を殆どロス無くダイレクトに操作軸4およびノブ3へ伝えることができ、一層明確かつ良好に感じることが可能となる。
【0048】
本発明は、以上の実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、操作軸4の先端を別体のプランジャ9で構成し、プランジャ9の側面に突起9aを設けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば図16に示すように、操作軸41に揺動節度部2xと接触する先端41xおよび回転節度部2yに接触する突起41yを一体的に設けてもよい。この場合、操作軸41とノブ3の間に弾性体としてばね18を装填して、操作軸41に軸線方向(この場合下向き)へ弾性を与えるようにすればよい。また、例えば図17に示すように、操作軸42に先端42xと突起42yとノブ42zも一体的に設けてもよい。この場合、ケース1と突起42yの間の操作軸42の周囲に弾性体としてばね19を装填して、操作軸42に軸線方向へ弾性を与えるようにすればよい。なお、図16および図17では、図1〜図15に示した実施形態とほぼ同様の部分を簡略化して示し、同一符号を付している。
【0049】
また、図1〜図15の実施形態では、操作軸4の側面に軸線方向に対して垂直に突出する4つの突起9aを設け、カバー2に4つの回転節度部2yを一体に設けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、突起や回転節度部の設置数は単数でも3つ以下でも5つ以上でもよい。また、回転節度部は、カバーと別体で設けてもよいし、ケースや基板等のカバー以外に一体または別体で設けるようにしてもよい。また、上記以外に、例えば図18(a)に示すように、操作軸43の側面にフランジ43fを設けて、該フランジ43fの上面または下面に操作軸の軸線方向へ突出しかつ操作軸の側方へ放射線状に延びるようにひだ状の複数の突起43tを設けてもよい。この場合、例えば図3等に示した回転節度部2yをケースまたはカバーに設ければよい。またそれに代えて、例えば図18(b)に示すような凸状の回転節度部21yを形成した円盤状の板ばね21や、図18(c)に示すような凹凸状の回転節度部22yを形成した板ばね22を、操作軸43の回転操作時に回転節度部21y、22yが図18(a)の突起43tと接触するようにケースまたはカバーに固定してもよい。これらの場合、突起43tと回転節度部2y、21y、22yとが接触していないときに、回転節度部2yまたは板ばね21、22をフランジ43fから所定の間隔で離間させるようにすれば、操作軸43を揺動操作することができる。
【0050】
また、図1〜図15の実施形態では、操作軸に軸線方向へ弾性を与える弾性体として、円筒形のコイルばね11を用いた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、これ以外に、例えば円錐形、鼓形、若しくは樽形のコイルばねや、板ばね等のような他のばねを用いてもよい。また、ばね以外に、例えばゴム等のような弾性を有する部材を用いてもよい。
【0051】
さらに、以上述べた実施形態では、本発明を、車載用のスイッチ装置100に適用した例を挙げたが、本発明は、これ以外の用途に用いられる回転操作および揺動操作可能なスイッチ装置や操作装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係るスイッチ装置の斜視図である。
【図2】スイッチ装置の平面図である。
【図3】スイッチ装置に備わるミラコンスイッチの分解斜視図である。
【図4】ミラコンスイッチの未操作状態の斜視図である。
【図5】ミラコンスイッチの未操作状態の反転斜視図である。
【図6】ミラコンスイッチの未操作状態の断面図である。
【図7】スイッチ装置に備わるカバーの内側要部の平面図である。
【図8】スイッチ装置に備わる基板の裏面の平面図である。
【図9】ミラコンスイッチの押し操作状態の断面図である。
【図10】ミラコンスイッチの回転操作状態の斜視図である。
【図11】ミラコンスイッチの回転操作状態の反転斜視図である。
【図12】ミラコンスイッチの回転操作状態の断面図である。
【図13】ミラコンスイッチの揺動操作状態の斜視図である。
【図14】ミラコンスイッチの揺動操作状態の反転斜視図である。
【図15】ミラコンスイッチの揺動操作状態の断面図である。
【図16】他の実施形態を示す図である。
【図17】他の実施形態を示す図である。
【図18】他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1a ケースの筒
2c 揺動節度部の凹部
2d 揺動節度部の凸部
2e 回転節度部の凹部
2g 回転節度部の凸部
2x 揺動節度部
2y、21y、22y 回転節度部
4、41、42、43 操作軸
5 外ストライカ
6 内ストライカ
9 プランジャ(操作軸の先端)
9a、41y、42y、43t 突起
11、18、19 コイルばね
7pc、7pL、7pr、7pu、7pd 固定接点
7qc、7qL、7qr、7qu、7qd 固定接点
12 プッシュスイッチ
12a アクチュエータ
41x、42x 操作軸の先端
100 スイッチ装置
P、Q 回転方向
L、R、F、B 揺動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作軸と、
前記操作軸を揺動可能でかつ回転可能に支持する軸受け部と、
前記操作軸に軸線方向へ弾性を与える弾性体と、
前記操作軸の側面に設けられた突起と、
前記操作軸が揺動操作されたときに操作軸の先端と接触して操作軸に節度を与える揺動節度部と、
前記操作軸が回転操作されたときに前記突起と接触して操作軸に節度を与える回転節度部と、を備えたことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記揺動節度部は、前記操作軸の揺動方向に並設された凹凸から構成され、
前記回転節度部は、前記操作軸の回転方向に並設された凹凸から構成されることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
操作軸と、
前記操作軸を揺動可能でかつ回転可能に支持する軸受け部と、
前記操作軸に軸線方向へ弾性を与える弾性体と、
前記操作軸の側面に設けられた突起と、
前記操作軸が揺動操作されたときに操作軸の先端と接触して操作軸に節度を与える揺動節度部と、
前記操作軸が回転操作されたときに前記突起と接触して操作軸に節度を与える回転節度部と、
前記操作軸が揺動操作されることにより切り換えられる第1の接点と、
前記操作軸が回転操作されることにより切り換えられる第2の接点と、を備えたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置において、
前記操作軸が軸線方向へ押し操作されることによりアクチュエータが押し込まれて内部接点が切り換えられるプッシュスイッチを備え、
前記プッシュスイッチの内部接点の切り換えに要する前記操作軸の軸線方向の変位量を、回転操作時と揺動操作時の節度の発生に要する前記操作軸の軸線方向の変位量より大きくしたことを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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