説明

操作装置

【課題】貫通孔を設けることなく潤滑剤が手につきにくい操作装置を提供する。
【解決手段】ケースに対して摺動可能に支持される摺動部13と、操作者に操作される操作部10とが射出成型により一体成形され、外面に、摺動部13から操作部10にかけて連続するパーティングラインPLが形成される操作部材9を備えた操作装置であって、操作部材9の外面において、稜線を設け、パーティングラインPLの少なくとも一部は、稜線に沿って形成されることを特徴とする操作装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外面にパーティングラインが形成された操作部材を有する操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば車両に搭載されるエアーコンディショナ装置(車両用空気調和装置)やオーディオ装置などの各種電装品は、室内に配設された操作装置の操作によって制御される。従来、この種の操作装置としては、例えば特許文献1に示されるものがある。
【0003】
特許文献1の操作装置は、ケースと、当該ケースに対し摺動する態様で保持される操作部材とからなる。図8に示すように、操作部材80は、全体として円筒状とされている。操作部材80は、先のケースに対し摺動する摺動部81と、この上部に連続するとともに当該摺動部81よりも外径の小さい段部82と、さらにこの上部に連続するとともに当該段部82よりも外径の小さい操作部83とを有している。操作部83の外周面には、四角錐状とされた複数のすべり止め用の突部84が形成されている。摺動部81の外面には、ケースとの摩擦を低減するためにグリス等の潤滑剤が塗布される。これにより、操作部材80のケースに対する回動がスムーズに行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−122992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の操作部材80は、射出成形により成形される。射出成形では、複数の金型内に熱可塑性樹脂を流し込むことにより、複雑な形状の成形品を容易に成形することができる。一方で、成形品には、複数の金型の継ぎ目にあたる部分にパーティングラインと呼ばれる微小段差が形成される。特許文献1の操作部材80においては、その外面に、4つのパーティングラインPLが形成されている。4つのパーティングラインPLは、周方向において等間隔に形成されている。パーティングラインPLは、摺動部81から操作部83にわたって直線状に形成されている。
【0006】
さて、摺動部81に塗布された潤滑剤は、いわゆる毛細管現象によりパーティングラインPLを伝って操作部83へ至るおそれがある。潤滑剤が操作部83に伝わった場合、この潤滑剤が操作部83を操作するユーザの手などに付着するおそれがあり好ましくない。
【0007】
そこで、特許文献1の操作部材80では、操作部83において、突部84が形成された部分よりも摺動部81側、且つパーティングラインPLに対応する部位に、操作部材80の外面と内面とを連通する貫通孔85を設けている。貫通孔85は、パーティングラインPLに対応する部位に一つずつ、全部で4つ形成されている。この貫通孔85により、パーティングラインPLにおける潤滑剤の毛細管現象が遮断される。
【0008】
一方で、このような操作装置では、操作部材80の内部に光源を設けることが多い。これは、操作部材80の内部を光の経路として利用し、操作部材80の先端部近傍に設けられる図示しないパネルを裏から照明するためである。ユーザは、パネルから漏れる光により、特に夜間において、操作部材80の操作位置等を確認することができる。しかしながら、特許文献1の操作部材80の内部に光源を設けた場合、この光源から発せられた光は、先の貫通孔85から漏れてしまうおそれがある。光が漏れる場合、操作部材80の周辺が照らされ、見た目に好ましくない。特許文献1には、この貫通孔85を、貫通しない穴部(凹部)としてもよい記載があるが、この場合、形成されるパーティングラインPLは分断されない。すなわち、パーティングラインPLにおける潤滑剤の毛細管現象が遮断されない。このため、貫通孔85を設けずに毛細管現象を抑制して、潤滑剤が手につきにくい操作装置の開発が望まれていた。
【0009】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、貫通孔を設けることなく潤滑剤が手につきにくい操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ケースに対して摺動可能に支持される摺動部と、操作者に操作される操作部とが射出成型により一体成形され、外面に、前記摺動部から前記操作部にかけて連続するパーティングラインが形成される操作部材とを備えた操作装置であって、前記操作部材の外面において、稜線を設け、前記パーティングラインの少なくとも一部は、前記稜線に沿って形成されることを要旨とする。
【0011】
一般的にものとものとが摺動する場合、両者間に生じる摩擦を低減するためにグリス等の潤滑剤が塗布されることが知られている。一方、液体が稜線を伝いにくいことも、一般的に知られている。同構成によれば、パーティングラインの少なくとも一部を稜線に形成した。これにより、摺動部から操作部へ向けてパーティングラインを伝ってきた潤滑剤の流れを、稜線に形成された部分で妨げることができる。このため、摺動部に塗布した潤滑剤がパーティングラインを伝って操作部へにじみ出てしまうことを抑制することができる。ひいては、操作部を操作するユーザに潤滑剤が付着してしまうことを抑制することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の操作装置において、前記稜線に形成されるパーティングラインは、前記摺動部に形成されるパーティングラインの前記操作部側の端部と、前記操作部に形成されるパーティングラインの前記摺動部側の端部とに連続することを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、摺動部に形成されるパーティングラインの操作部側の端部と、操作部に形成されるパーティングラインの摺動部側の端部は、稜線に形成されるパーティングラインの分だけ離れる。稜線に形成されるパーティングラインにより潤滑剤の流れを妨げるので、摺動部に形成されるパーティングラインを伝う潤滑剤の流れは、同パーティングラインの操作部側の端部、すなわち稜線に形成されるパーティングラインと連続する部位で妨げられることになる。このため、稜線に形成されるパーティングラインが他の部位に形成される場合と比べて、潤滑剤が操作部へにじみ出てしまうことが抑制される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の操作装置において、前記摺動部に形成されるパーティングラインと、前記操作部に形成されるパーティングラインとが、前記操作部材の外周方向においてずれていることを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、摺動部から操作部にかけて連続するパーティングラインが折れ曲がる。このため、パーティングラインを伝う潤滑剤の流れが、折れ曲がりによって妨げられる。これにより、折れ曲がりがない場合と比べて、潤滑剤が操作部へにじみ出てしまうことが抑制される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の操作装置において、前記摺動部と前記操作部との間に段差を設け、当該段差によって形成される前記稜線に前記パーティングラインが形成されることを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、段差によって、摺動部と操作部とが同一平面には形成されない。従って、段差において、連続するパーティングラインが折れ曲がる。このため、パーティングラインを伝う潤滑剤の流れが、折れ曲がりによって妨げられる。これにより、段差がない場合と比べて、潤滑剤が操作部へにじみ出てしまうことが抑制される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のうち何れか一項に記載の操作装置において、前記稜線に形成されるパーティングラインは、その両端部において、前記操作部に形成される2つのパーティングラインの前記摺動部側の端部と連続するとともに、前記両端部の間の部位において、前記摺動部に形成される1つのパーティングラインの操作部側の端部と連続することを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、摺動部に形成される1つのパーティングラインに対して、操作部には、2つのパーティングラインが形成される。パーティングラインは、潤滑剤が伝う経路である。すなわち、摺動部における潤滑剤の経路よりも、操作部における潤滑剤の経路が多い。経路が多いと、伝うのに必要な潤滑剤の量が増える。このため、同じ量の潤滑剤を塗布した場合には、経路が少ないほどその経路から潤滑剤があふれやすく、経路が多いほどあふれにくい。一方で、パーティングラインは、微小段差であることから、摺動部においてその数が多くなることは、摺動抵抗にも繋がるため好ましくない。同構成によれば、摺動部において形成されるパーティングラインは少なく、稜線に形成されるパーティングラインは多い。これにより、摺動部における摺動抵抗が抑制されるとともに、操作部において潤滑剤がにじむことが抑制された操作装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、貫通孔を設けることなく潤滑剤が手につきにくい操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】操作装置が設けられた車室内の様子を示す斜視図。
【図2】(a)は本実施形態における操作部材を備えた操作装置の断面図、(b)は(a)における係合爪の拡大断面図。
【図3】(a)は本実施形態における操作部材の斜視図、(b)は(a)における操作部の一部拡大図、(c)は、(a)における被装着部から段部にかけての一部拡大図、(d)は(a)における段部から摺動部にかけての一部拡大図。
【図4】本実施形態における操作部材の製造方法を説明するための金型等の断面図。
【図5】(a)は図4におけるA−A線の断面図、(b)は図4におけるB−B線の断面図。
【図6】操作部材の別例を示す斜視図。
【図7】図6に示す操作部材の製造方法を説明するための図4におけるB−B線の位置に対応する断面図。
【図8】従来の操作部材を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を、車両に搭載されるエアーコンディショナ装置(空気調節装置)を操作する操作装置に具体化した一実施形態を図1〜5に従って説明する。
図1に示すように、車室内のセンタークラスターパネル1には、温度を調節したり、吹き出し口を切り替えたり、風量を調節したりするための複数の操作装置2が設けられている。
【0023】
図2(a)に示すように、操作装置2のケース3は、下方へ開口する四角筒状に形成された本体部3aと、該本体部3aから上方へ延びる円筒状の装着部3bと、該装着部3bから上方へ延びる円筒状の先端部3cとを備えている。先端部3cの外径は装着部3bの外径よりも小さく設定されている。装着部3bの内部は、本体部3aの内部と連通している。先端部3cの内部は、装着部3bの内部と連通している。先端部3cの上部の開口部は、パネル4により閉塞されている。本体部3aの下部の開口部は、ハウジング5により閉塞されている。ハウジング5は、上側へ開口する断面コの字状に形成されている。ハウジング5の底部の中央には導出孔5aが形成されている。ケース3は、先端部3cがセンタークラスターパネル1から車室内側(図2(a)において上側)へ突出した状態で、車両に固定されている。
【0024】
本体部3aの上面において装着部3bの周囲には、該装着部3bの外径よりも大きい内径を有する円筒状の回転支持部3dが形成されている。また、同じく本体部3aの上面において該回転支持部3dの周囲には、4つの抜止部3eが設けられている。なお、図2(a)では、4つの抜止部3eの内、装着部3bの径方向で対向する2つの抜止部3eのみを示す。抜止部3eは、回転支持部3dから離間して設けられている。また、抜止部3eは、装着部3bを中心とする円周上に等角度間隔で設けられている。抜止部3eは、装着部3bの外面に沿って延びる板状に形成されている。抜止部3eの先端部には、装着部3b側へ向かって突出する係合爪3fが形成されている。回転支持部3dの本体部3aの上面からの突出高さは、本体部3aの上面から抜止部3eの係合爪3fまでの距離よりも小さく設定されている。
【0025】
装着部3bの内周面には、軸受部3gが形成されている。装着部3bの下端部には、ケース3の内側と外側とを連通する連通孔3hが形成されている。連通孔3hは、軸受部3gと隣接して形成されている。
【0026】
同図2(a)に示すように、ケース3の本体部3a及びハウジング5によって形成される収容空間には、インシュレータ6が設けられている。インシュレータ6は、ケース3の本体部3aの内底面に沿った平板状の固定部6aと、該固定部6aの下面から下方へ延びる円筒状の支持部6bとを備えている。支持部6bの外周面には、支持軸部6cが形成されている。固定部6aにおいて支持部6bの軸方向で支持軸部6cに対向する部位には、収容孔6dが形成されている。インシュレータ6は、支持軸部6cが装着部3b(支持部6b)の軸方向において軸受部3gに対向するように、ケース3の本体部3aの内底面に固定されている。
【0027】
ケース3の軸受部3g及びインシュレータ6の支持軸部6cには、減速ギア7が回転可能に支持されている。また、インシュレータ6の支持部6bには内歯ギア8が回転可能に支持されている。減速ギア7は、外周面に歯を有する第1ギア部7aと、該第1ギア部7aより小径で外周面に歯を有する第2ギア部7bとを備えている。第1ギア部7a及び第2ギア部7bは、同軸に一体に設けられている。第1ギア部7aの歯部は、ケース3の係合爪3fに対応する部位に配置される。一方、第2ギア部7bの先端部は、インシュレータ6よりもハウジング5側に配置され、内歯ギア8と歯合する。内歯ギア8はインシュレータ6側に開口する有底円筒状に形成されている。内歯ギア8の底部中央には、挿通孔8aが形成されており、該挿通孔8aの周囲には、インシュレータ6側へ延びる円筒状の連結部8bが設けられている。連結部8bは、挿通孔8aの直径と同一の内径を有するとともに、インシュレータ6の支持部6bの内径よりも若干小さい外径を有している。また、インシュレータ6の底部においてハウジング5側の面には、環状凸部8cが設けられている。内歯ギア8は、連結部8bがインシュレータ6の支持部6b内に配置されるとともに、環状凸部8cの先端面をハウジング5の底面に当接した状態で、インシュレータ6及びハウジング5に回転可能に支持されている。連結部8bの内側には、図示しないケーブルが連結される。該ケーブルは、ハウジング5の導出孔5aを介してハウジング5の外部へ導出されエアーコンディショナ装置に接続される。
【0028】
同図2(a)に示すように、ケース3の装着部3bには、操作部材9が装着されている。操作部材9は、射出成型により全体として両端部が開口する円筒状に形成されている。操作部材9は、先端部3cの外径よりも若干大きい内径を有する操作部10と、該操作部10の外径よりも大きな外径を有する被装着部11と、該被装着部11の外径よりも大きな外径を有する段部12と、該段部12よりも大きな外径を有する摺動部13とを備えている。被装着部11の内径は、装着部3bの外径よりも若干大きく形成されている。段部12の外径は、装着部3bの周囲において該装着部3bの径方向で対向する2つの抜止部3eの係合爪3f間の距離よりも若干小さく形成されている。摺動部13の外径は、同じく装着部3bの周囲において該装着部3bの径方向で対向する2つの抜止部3eの係合爪3f間の距離よりも大きく、且つ2つの抜止部3e間の距離よりも若干小さく形成されている。また、摺動部13の内径は、回転支持部3dの外径よりも若干大きく形成されている。
【0029】
この操作部材9は、摺動部13がケース3の抜止部3eの内側に配置された状態で装着部3bに装着される。図2(b)に示すように、操作部材9は、摺動部13の段部12側の上面13aが抜止部3eの係合爪3fに係合することにより、装着部3bに対して回転可能な状態で抜け止めされる。なお、図3に示すように、摺動部13には、その周方向に等角度間隔で4つの薄肉部14が形成されている。薄肉部14は、下方に向かうにつれて厚みが徐々に薄くされている。摺動部13の上面13aを係合爪3fに係合させるとき、同係合爪3fと薄肉部14との位置を合わせると両者を係合させやすい。
【0030】
図2(a)に示すように、段部12の内面には、歯部12aが形成されている。操作部材9が装着部3bに装着されると、歯部12aは装着部3bの係合爪3fに対応する部位に配置され、減速ギア7の第1ギア部7aと歯合する。
【0031】
同図2(a)に示すように、操作部10の先端部には、樹脂製のノブトップ15が取り付けられる。ノブトップ15は、円筒状で操作部10の内面に取り付けられる取付部15aと、その取付部15aの上部に連続する環状の傘部15bとを備えている。傘部15bは、内径がパネル4の外径よりも小さく、外径が被装着部11の先端部の外径と同じとなるように形成されている。ノブトップ15が操作部材9に取り付けられると、傘部15bは、操作部10の先端部及びパネル4の周縁部を覆う。
【0032】
操作部10は、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成されている。図2(a)及び図3(b)に示すように、操作部10の外周面には、四角錐状の複数のすべり止め用の突部10aが、該操作部10の全周に亘って形成されている。
【0033】
図3(a)に示すように、操作部材9の外面9a、すなわち、摺動部13から段部12、及び被装着部11を経て操作部10にかかる部位には、パーティングラインPLが形成されている。このパーティングラインPLは、操作部材9を射出成型により一体成形する際の型と型との合わせ目に対応する部位に形成される線状の段差である。本例では、摺動部13において、4つの薄肉部14のうち、対向する2つの薄肉部14に対応する位置に2本のパーティングラインPLが形成されている(斜視図の関係上、図3(a)では、1本のみ図示する)。このパーティングラインPLは、上方に延びて段部12に連続する。
【0034】
段部12の外面は、摺動部13の上面13aに連続する外周面12b、同外周面12bの上部に連続する上面12cとから構成される。図3(c)に示すように、外周面12bと上面12cとの境目は、全周に亘って、優角、ここでは、270°とされた頂点が連続する稜線12dとされている。ここでいう優角とは、180°を超えて360°までの角度を有する角度のことである。図3(a)に示すように、段部12において、パーティングラインPLは、外周面12b、上面12c、及び稜線12dのそれぞれに形成される。詳述すると、外周面12bに形成されるパーティングラインPLは、上下方向に延びている。このパーティングラインPLは、下部で摺動部13の上面13aに形成されたパーティングラインPLと、上部で稜線12dに沿って形成されたパーティングラインPLと、それぞれ連続する。稜線12dに沿って形成されたパーティングラインPLは、その長さが稜線12d全周の4分の1とされている。このパーティングラインPLは、その周方向の中央部で先の外周面12bに形成されたパーティングラインPLと連続する。上面12cに形成されるパーティングラインPLは、操作部材9における径方向に延びている。このパーティングラインPLは、その周方向に等角度間隔で、すなわち4本形成されている(斜視図の関係上、図3(a)では、2本のみ図示する)。この上面12cに形成されるパーティングラインPLは、径方向外側において上面12cに形成されたパーティングラインPLの周方向の両端部と連続する。また、上面12cに形成されるパーティングラインPLは、径方向内側において、被装着部11及び操作部10に形成されるパーティングラインPLに連続する。なお、図3(d)に示すように摺動部13の上面13aと外周面12bとが連続する部位、及び図3(c)に示すように上面12cと被装着部11の外面とが連続する部位は、微小にカーブする湾曲部とされている。
【0035】
また、本例では、段部12の外周面12bにおいて、2つの薄肉部14の上方の部位には、それぞれ凹部16が形成されている。各凹部16の断面形状は、V字形とされている。外周面12bにおいては、パーティングラインPLは、2本形成されている。この2本のパーティングラインPLは、2カ所の凹部16にかかっている。
【0036】
図2(a)に示すように、操作部10を回転させると、操作部材9は、摺動部13の外面と抜止部3eとが摺動しながら回転する。具体的には、摺動部13の上面13aと抜止部3eの係合爪3fとが摺動し、摺動部13の外周面と抜止部3eの内側面とが摺動しながら回転する。ケース3の抜止部3eに摺接する摺動部13の外面と、抜止部3eとの間には、該摺動部の摩擦を低減するために潤滑剤が塗布されている。
【0037】
操作部材9の操作部10が回転操作されると、減速ギア7が回転され、該減速ギア7の第2ギア部7bと歯合する内歯ギア8が回転される。この内歯ギア8の回転により、先のケーブルのワイヤが引っ張られ、これによりエアーコンディショナ装置の作動状態が切り替えられる。
【0038】
次に、操作部材9の製造方法について説明する。
この操作部材9は、図4に示す金型20を用いた射出成型により一体成形される。同金型20は、両端部が開口する円筒状に形成された外周面形成用金型21と、外周面形成用金型21の一方側(図4において下側)の開口部を閉塞するとともにその一部が外周面形成用金型21に挿入される内面形成用可動型22と、該外周面形成用金型21の他方側(図4において上側)の開口部を閉塞する固定型23とを備えている。
【0039】
まず、外周面形成用金型21について説明する。
外周面形成用金型21は、図5(a)及び図5(b)に示す2つの第1の分割型31と、図5(b)に示す2つの第2の分割型32との合計4つの分割型により構成されている。第1の分割型31は、図5(a)に示す外周面形成用金型21を周方向で等角度間隔に4分割した上部形状と、これの下部に連続して図5(b)に示す外周面形成用金型21を周方向で等角度間隔に2分割した下部形状とを有する。図4に示すように、第1の分割型31は、操作部10の外周面及び被装着部11の外周面に対応する内側面を有する上部形成部31aと、段部12の外周面に対応する内側面を有する段部形成部31bと、摺動部13の外周面に対応する内側面を有する摺動部形成部31cとを備えている。上部形状としては上部形成部31aが、下部形状としては段部形成部31b及び摺動部形成部31cが対応する。図5(a)に示すように、第2の分割型32は、先に説明した第1の分割型31の上部形状のみを有する。第2の分割型32は、操作部10の外周面及び被装着部11の外周面に対応する内側面を有する上部形成部32aを備えている。
【0040】
図4に示すように、上部形成部31a,32aには、操作部10に対応する操作部形成部33が設けられている(断面の関係上、図4への第2の分割型32、及び上部形成部32aの図示は省略する)。操作部形成部33には、四角錐状の複数の凹部33aが形成されている。また、同図4に示すように、第1の分割型31において、段部形成部31bの中央部には、周方向に等角度間隔となる位置に2つの突部37が形成されている。突部37は、内側に凸となる山形とされている。さらに、同図4に示すように、第1の分割型31において、摺動部形成部31cの下端部には、周方向に等角度間隔となる位置に4つの(同図4では2つの)分割突起35が設けられている。分割突起35の内面35aは、先端へ向かうにつれて徐々に内側に傾斜する傾斜面とされている。なお、断面の関係上、図4への図示は省略するが、1の分割型31において、摺動部形成部31cの下端部には、周方向の中央部に突起が設けられている。この突起は、先端へ向かうにつれて徐々に内側に傾斜する傾斜面とされている。
【0041】
第1及び第2の分割型31,32がそれぞれ周方向で隣り合う第1及び第2の分割型31,32と当接し、円筒状の外周面形成用金型21を構成すると、隣り合う第1の分割型31の分割突起35同士が当接し、第1の分割型31の合わせ目に対応する部位に一つの突起が形成される。第1及び第2の分割型31,32は、図示しない駆動機構により、図5(a)及び図5(b)において、実線の矢印で示す操作部材9の径方向へ移動する。第1の分割型31が径方向外側へ移動することにより、それらの周方向端面36が離間する。
【0042】
図4に示すように、各第1及び第2の分割型31,32の上部形成部31aにより操作部10の外面、及び被装着部11の外面が形成される。そして、上部形成部31a,32aの凹部33aにより操作部10の突部10aが形成される。また、第1の分割型31の段部形成部31bにより、段部12の外面が、摺動部形成部31cにより、摺動部13の外面が形成される。段部12の凹部16は、段部形成部31bに形成された突部37により形成される。また、摺動部13の薄肉部14は、摺動部形成部31cに形成された周方向で隣り合う分割突起35により構成される一つの突起、及び図示を省略する同じく摺動部形成部31cに形成された突起により形成される。
【0043】
次に、内面形成用可動型22について説明する。
図4に示すように、内面形成用可動型22は、円板状に形成された基部41と、該基部41の上面から垂直に突出して外周面形成用金型21に挿入される金型凸部42とから構成されている。
【0044】
基部41は、その外周面形成用金型21に対向する対向面41aが外周面形成用金型21(正確には2つの第1の分割型31)の下端面に当接する状態で、外周面形成用金型21の下側の開口部を閉塞する。基部41の対向面41aにおいて外周面形成用金型21の下端面に当接しない環状の部位により、操作部材9の摺動部13側の端面が形成される。
【0045】
金型凸部42は、外周面形成用金型21の内径よりも小さな外径を有する円柱状に形成されている。金型凸部42の基部41の上面からの突出長さは、基部41の上面が外周面形成用金型21の下端面に当接した状態で金型凸部42の先端面42aが固定型23に当接するように設定されている。内面形成用可動型22は、上下方向へ移動可能に設けられており、該内面形成用可動型22が図示しない駆動機構により下方へ移動することにより、基部41の対向面41aが外周面形成用金型21から離間するとともに、金型凸部42の先端面42aが固定型23から離間する。
【0046】
金型凸部42には、上側から操作部10の内面に対応する第1の段部42bと、被装着部11の内面に対応する第2の段部42cと、段部12の内面に対応する第3の段部42dと、摺動部13の内面に対応する第4の段部42eとが形成されている。すなわち、金型凸部42は、4段の階段状をなす。金型凸部42の外周面により操作部材9の内面が形成される。詳しくは、第1の段部42bにより操作部10の内面が、第2の段部42cにより被装着部11の内面が、第3の段部42dにより段部12の内面が、第4の段部42eにより摺動部13の内面が、それぞれ形成される。
【0047】
次に、固定型23について説明する。
固定型23は、外周面形成用金型21の上側の開口部を閉塞する円板状に形成されている。固定型23の下面中央には、円柱状の突部23aが形成されている。突部23aの外径は、外周面形成用金型21の内径よりも若干小さく設定されている。この突部23aの下面は、内面形成用可動型22の金型凸部42の先端面42aと当接する可動型当接面23bとされている。突部23aの直径は、第1の段部42bの直径よりも大きく設定されている。このため、可動型当接面23bの金型凸部42の先端面42aと当接する部位を除いた環状の部位と、突部23aの外周面により、操作部10の上部の内面、さらに正確に言えば、前述のノブトップ15が配設される部位が形成される。固定型23の下面おいて、突部23aの周囲には、分割型当接面23cが形成される。この分割型当接面23c、外周面形成用金型21(正確には、第1及び第2の分割型31,32の端面)と当接する。
【0048】
さて、操作部材9を製造する際には、まず、図4に示すように、外周面形成用金型21(正確には2つの第1の分割型31、及び2つの第2の分割型32)、固定型23、及び内面形成用可動型22をそれぞれ当接させる。すると、操作部材9の外形形状に対応する内形形状の空間(キャビティ)が形成される。この空間は、操作部材9の被装着部11を形成するための空間と、段部12を形成するための空間と、摺動部13を形成するための空間とを含む。
【0049】
次に、図示しない射出装置により、構成した前記空間内に溶融樹脂を射出し、充填する。次に、溶融樹脂が硬化した後、内面形成用可動型22を金型凸部42の突出方向とは反対方向へ移動させるとともに、第1及び第2の分割型31,32を径方向外側へ移動させる。こうして、外周面形成用金型21から、操作部材9を取り出すことができる。操作部材9において、第1の分割型31(上部)と第2の分割型32との合わせ目(計4カ所)、及び第1の分割型31(下部)同士の合わせ目(計2カ所)に対応する部位には、それぞれパーティングラインPLが形成される。先の空間内において分割突起35及び図示しない突起が配置される部分には溶融樹脂が充填されないため、この部分には、薄肉部14が形成される。また、同じく突部37が配置される部分には溶融樹脂が充填されないため、この部分には、凹部16が形成される。なお、分割突起35によって形成される薄肉部14及び凹部16には、パーティングラインPLが形成される。最後に、内面形成用可動型22の金型凸部42に固定されている操作部材9を該金型凸部42の突出方向へ移動させ、操作部材9を金型凸部42から取り外す。以上により、操作部材9が形成される。
【0050】
次に、操作装置2の作用について説明する。
上述したように、操作部材9において、摺動部13の外面とケース3の抜止部3eとの間には、それらの間の摩擦を低減するためにグリス等の潤滑剤が塗布される。潤滑剤Lは、温度、湿度等の使用環境に起因して、パーティングラインPLを伝う。
【0051】
さて、潤滑剤L等の液体は、稜線を伝いにくいことが分かっている。潤滑剤Lは、塗布された摺動部13から操作部10へ向かってパーティングラインPLを伝う。摺動部13と操作部10との間には、段部12が設けられている。図3に示すように、段部12において、パーティングラインPLは、稜線12dに沿って形成されている。このため、潤滑剤Lは、稜線12dに形成されているパーティングラインPLを伝いにくい。従って、被装着部11、及び操作部10への潤滑剤Lの進入が抑制される。
【0052】
また、図3に示すように、段部12の外周面12bにおけるパーティングラインPLに対応する部位に、凹部16が形成されている。このため、パーティングラインPLに沿って摺動部13から伝ってきた潤滑剤Lが、凹部16に堆積する。すなわち、この凹部16により、潤滑剤Lの摺動部13から稜線12dへの流れが妨げられる。このため、摺動部13に塗布した潤滑剤Lが、パーティングラインPLを伝って操作部10へにじみ出てしまうことを抑制することができる。
【0053】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)摺動部13(段部12)のパーティングラインPLと、被装着部11(操作部10)のパーティングラインPLとが稜線12dを境に周方向にずれている。液体が稜線を伝いにくいことは、一般的に知られている。すなわち、パーティングラインPLを伝ってきた潤滑剤Lの流れは、稜線12dにより妨げられる。このため、摺動部13に塗布した潤滑剤LがパーティングラインPLを伝って操作部10へにじみ出てしまうことを抑制することができる。
【0054】
(2)摺動部13に形成されるパーティングラインPLの延びる方向と、被装着部11に形成されるパーティングラインPLの延びる方向とをずらして形成した。そして、これらの両端を稜線12dに形成されるパーティングラインPLで接続した。これにより、稜線12dに形成されるパーティングラインPLの両端は、連続するパーティングラインPLが折れ曲がる頂点となる。これにより、パーティングラインPLを伝ってきた潤滑剤Lの流れを、頂点にて妨げることができる。このため、摺動部13に塗布した潤滑剤LがパーティングラインPLを伝って操作部10へにじみ出てしまうことを抑制することができる。
【0055】
(3)摺動部13から上方へ延びるパーティングラインPLは、稜線12dにおいて2方向に分岐させるようにした。これにより、摺動部13において形成されるパーティングラインPLの数に対して、段部12に形成されるパーティングラインPLの数が多くなる。これにより、操作部材9において、上方に向かうにつれて潤滑剤Lが伝う経路が増える。経路が増えると、潤滑剤Lが伝うのに必要な量が増える。このため、同じ量の潤滑剤Lを摺動部13に塗布した場合には、経路が少ない場合に比べて経路が多くなるので、潤滑剤Lがその経路からあふれにくい。一方で、パーティングラインPLは、微小段差であることから、摺動部13においてその数が多くなることは、摺動抵抗にも繋がるため好ましくない。この点、摺動部13において形成されるパーティングラインPLは少ないので、同摺動部13における摺動抵抗が抑制される。従って、操作しやすく、潤滑剤Lがにじみにくい操作装置を提供することができる。
【0056】
(4)上面13aと外周面12bとにより形成される角部、及び上面12cと被装着部11の外周面とにより形成される角部を、図示するのが難しいほど微小に湾曲する湾曲部とした。これにより、この湾曲部において、毛細管現象が働くことを抑制することができる。すなわち、この湾曲部により、潤滑剤Lが拡散してしまうことを抑制することができる。
【0057】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、外周面形成用金型21は、形状の異なる第1の分割型31と第2の分割型32とにより構成された。これにより、操作部材9の外面に形成されるパーティングラインPLは、稜線12dにおいて2方向に分岐するとされた。しかし、必ずしも分岐している必要はない。例えば、図6に示すように、摺動部13から操作部10にかけて周方向に等角度間隔で4本のパーティングラインPLを形成する。この各パーティングラインPLは、稜線12dにおいて、それぞれ90°ずらして形成する。このように形成する場合、図7に示すように、外周面形成用金型21する4つの分割型70は、すべて同じ形状となる。このように構成した場合、操作部材9を形成する際、図示しない駆動機構が分割型70を移動させる距離が上記実施形態に比べて少なくてすむ。このため、操作部材9を形成する工作機械を小型化することができる。
【0058】
・上記実施形態において、パーティングラインPLは、段部12の稜線12dに設けられたが、これ以外の場所にも設けてもよい。例えば、摺動部13の稜線や被装着部11と操作部10とからなる稜線に設けるようにしてもよい。また、これらの場所に複数設けてもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
・上記実施形態において、稜線12dは、270°の頂点が連続する部位とされたが、270°に限るものではない。優角、すなわち180°を超えて360°未満までの角度を有する頂点であればよい。
【0060】
・上記実施形態において、上面13aと外周面12bとにより形成される角部、及び上面12cと被装着部11の外周面とにより形成される角部には、図示するのが難しいほど微小に湾曲する湾曲部とされたが、湾曲しない角部とされていてもよい。このように構成された場合でも、上記実施形態の(1)〜(3)に示す効果を得ることができる。
【0061】
・上記実施形態において、操作部材9において、摺動部13以外の外面、すなわち、操作部10、被装着部11、及び段部12の外面は、筒状に形成されなくてもよい。例えば、稜線を有する多角形、例えば6角形や8角形に形成してもよい。この場合、パーティングラインPLを多角形の稜線に形成すれば、操作部10において、潤滑剤Lがにじむことを抑制することができる。
【0062】
・上記実施形態では、射出成型時に薄肉部14、及び凹部16を形成したが、操作部材9を射出成型した後に、例えば切削加工、研磨加工、レーザ加工、熱、超音波加工により、薄肉部14、及び凹部16を形成してもよい。また、操作部材9を射出成型した後に、パーティングラインPLを含む操作部材9の外面9aの一部を除去若しくは溶融させてパーティングラインPLを分断してもよい。
【0063】
・上記各実施の形態では、操作部材9を回転操作する操作装置(所謂ロータリスイッチ)に具体化したが、操作部材の外面に摺動部とパーティングラインとが設けられる操作装置であれば、例えば操作部材を押圧操作する操作装置(所謂プッシュスイッチ)等に具体化してもよい。
【0064】
・上記各実施の形態では、エアーコンディショナ装置の操作装置2として具体化したが、例えばオーディオ装置等のボリュームを操作する操作装置等他の車載機器として具体化してもよい。また、車載機器以外の装置のスイッチ装置に具体化してもよい。
【0065】
次に、上記実施形態及び上記別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)請求項1〜4に記載の操作装置において、前記稜線に形成されるパーティングラインは、その一方の端部において、前記操作部に形成される1つのパーティングラインの前記摺動部側の端部と連続するとともに、他方の端部において、前記摺動部に形成されるパーティングラインの操作部側の端部とに連続することを特徴とする操作装置。
【0066】
同構成によれば、摺動部に形成されるパーティングラインの操作部側の端部と操作部に形成されるパーティングラインの摺動部側の端部との距離が、これら両端部が稜線に形成されるパーティングラインの他の部分と連続する場合の距離と比べて、長くなる。稜線に形成されるパーティングラインの長さが長いほど、当該稜線における潤滑剤の流れを妨げる効果は大きい。このため、稜線が短い場合と比べて、潤滑剤が操作部へにじみ出てしまうことが抑制される。
【0067】
(ロ)請求項1〜5のうちの何れか一項、又は前記(イ)に記載の操作装置において、
前記摺動部から前記操作部までのうち、前記パーティングラインに対応する部位に、凹部を設けたことを特徴とする操作装置。
【0068】
同構成によれば、パーティングライン上に凹部が形成されているので、当該凹部によりパーティングラインを伝う潤滑剤の流れが妨げられる。
【符号の説明】
【0069】
PL…パーティングライン、1…センタークラスターパネル、2…操作装置、3…ケース、3a…本体部、3b…装着部、3c…先端部、3d…回転支持部、3e…抜止部、3f…係合爪、3g…軸受部、3h…連通孔、4…パネル、5…ハウジング、5a…導出孔、6…インシュレータ、6a…固定部、6b…支持部、6c…支持軸部、6d…収容孔、7…減速ギア、7a…第1ギア部、7b…第2ギア部、8…内歯ギア、8a…挿通孔、8b…連結部、8c…環状凸部、9…操作部材、9a…外面、10…操作部、10a…突部、11…被装着部、12…段部、12a…歯部、12b…外周面、12c…上面、12d…稜線、13…摺動部、13a…上面、14…薄肉部、15…ノブトップ、15a…取付部、15b…傘部、16…凹部、20…金型、21…外周面形成用金型、22…内面形成用可動型、23…固定型、23a…突部、23b…可動型当接面、23c…分割型当接面、31…分割型、31…第1の分割型、31a…上部形成部、31b…段部形成部、31c…摺動部形成部、32…第2の分割型、32a…上部形成部、33…操作部形成部、33a…凹部、35…分割突起、35a…内面、36…周方向端面、37…突部、41…基部、41a…対向面、42…金型凸部、42a…先端面、42b…第1の段部、42c…第2の段部、42d…第3の段部、42e…第4の段部、70…分割型。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに対して摺動可能に支持される摺動部と、操作者に操作される操作部とが射出成型により一体成形され、外面に、前記摺動部から前記操作部にかけて連続するパーティングラインが形成される操作部材とを備えた操作装置であって、
前記操作部材の外面において、稜線を設け、
前記パーティングラインの少なくとも一部は、前記稜線に沿って形成されることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記稜線に形成されるパーティングラインは、前記摺動部に形成されるパーティングラインの前記操作部側の端部と、前記操作部に形成されるパーティングラインの前記摺動部側の端部とに連続することを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の操作装置において、
前記摺動部に形成されるパーティングラインと、前記操作部に形成されるパーティングラインとが、前記操作部材の外周方向においてずれていることを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の操作装置において、
前記摺動部と前記操作部との間に段差を設け、当該段差によって形成される前記稜線に前記パーティングラインが形成されることを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の操作装置において、
前記稜線に形成されるパーティングラインは、その両端部において、前記操作部に形成される2つのパーティングラインの前記摺動部側の端部と連続するとともに、前記両端部の間の部位において、前記摺動部に形成される1つのパーティングラインの操作部側の端部と連続することを特徴とする操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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