説明

支援装置、および印刷装置

【課題】ユーザが、印刷レイアウトに新たに含めるオブジェクトの選択を、過去の履歴を参照しつつ容易に行うことができる支援装置、および印刷装置を提供する。
【解決手段】支援装置は、新たに作成する印刷レイアウトに含めるnameオブジェクト「Taro Kimura」を、ユーザから受け付ける。支援装置は、受け付けたnameオブジェクト、過去に作成した印刷レイアウトにおいて、受け付けたnameオブジェクトとともに使用されたことのあるnameオブジェクト、および、ともに使用されたことのないnameオブジェクトを並べ、nameオブジェクト612としてディスプレイに表示する。次いで支援装置は、他の種別のオブジェクト611、613、614を、同様にディスプレイに表示する。これらのうち、受け付けたnameオブジェクトとともに使用されたことのあるオブジェクト同士が線で結ばれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のオブジェクトを組み合せて印刷レイアウトを作成する場合の作業を支援する支援装置、および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
予め用意された複数のオブジェクトから、ユーザによってオブジェクトが一つ以上指定され、指定されたオブジェクトの配置をユーザが調整することによって印刷レイアウトを作成する装置が知られている。例えば、属性が氏名、住所、メールアドレス、顔のイメージ画像等である複数のオブジェクトが予め用意される。装置は、ユーザによる入力操作に基づき、用意された複数のオブジェクトから指定されたオブジェクトを属性毎に選択して組み合わせ、配置を調整する。これによって装置は、はがきや封筒の宛名、および名刺等を印刷するための印刷レイアウトを作成できる。
【0003】
過去に印刷レイアウトの作成を行った際のオブジェクトの組み合わせを参照し、新たな印刷レイアウトの作成を行いたい場合がある。例えば上述の例において、属性が「氏名」である一のオブジェクトとともに用いられたことのある、他の属性(「住所」「メールアドレス」「顔のイメージ画像」)のオブジェクトのうち一部分をそのまま利用し、他部分を他のオブジェクトに置き換え、印刷レイアウトを作成したい場合がある。このような要求に対し、過去の履歴を記憶してユーザに通知する技術(例えば特許文献1参照)を利用することによって、ユーザは、過去の印刷レイアウトにおけるオブジェクトを参照できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−132361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の方法では、過去の印刷レイアウトにおけるオブジェクトは参照できるものの、過去の組み合わせはわからない。また、新たに印刷レイアウトに含めるオブジェクトが過去の履歴にない場合には、ユーザは、印刷レイアウトに新たに含めるオブジェクトを参照できない。従ってユーザは、新たに含めるオブジェクトの選択を、過去の履歴を参照しつつ容易に行うことができず、煩わしいという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが、印刷レイアウトに新たに含めるオブジェクトの選択を、過去の履歴を参照しつつ容易に行うことができる支援装置、および印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る支援装置は、複数のオブジェクトを組み合わせて印刷レイアウトを作成する場合の作業を支援する支援装置であって、前記印刷レイアウトに含まれるオブジェクトのうち少なくとも一つを選択する指示を受け付ける第一受付手段と、記憶手段に記憶された情報であって、前記オブジェクトの組み合わせの履歴を示す履歴情報を参照し、前記第一受付手段によって受け付けられた前記オブジェクトである第一受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出する抽出手段と、前記第一受付手段によって受け付けられた前記第一受付オブジェクト、前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記第一受付オブジェクトを除く前記オブジェクトである第一抽出オブジェクト、および、前記抽出手段によって抽出されなかった前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトである第二抽出オブジェクトを関連付けて表示手段に表示する表示制御手段であって、前記第一抽出オブジェクトと前記第二抽出オブジェクトとを区別して表示する表示制御手段とを備えている。
【0008】
第一態様によれば、ユーザは、新たな印刷レイアウトに含めるオブジェクトと組み合わせて使用されたことのある他のオブジェクト(第一抽出オブジェクト)を、容易に認識できる。またユーザは、新たな印刷レイアウトに含めるオブジェクトと組み合わせて使用されたことのない他のオブジェクト(第二抽出オブジェクト)を、容易に認識できる。更にユーザは、第一抽出オブジェクトと第二抽出オブジェクトとを区別して認識できる。従ってユーザは、新たに作成する印刷レイアウトに含めるオブジェクトの選択を、第一抽出オブジェクトおよび第二抽出オブジェクトを参照することによって容易に行うことが可能となる。ユーザは、第二抽出オブジェクトを参照できるので、新たな印刷レイアウトに含めるオブジェクトと組み合わせて使用されたことのない他のオブジェクトも参照することができる。
【0009】
第一態様において、前記抽出手段によって前記履歴情報から同一の前記第一抽出オブジェクトが複数抽出された場合、同一の前記第一抽出オブジェクトの数を算出する算出手段を備え、前記表示制御手段は、前記算出手段によって算出された前記数が大きい前記第一抽出オブジェクトを更に区別して前記表示手段に表示してもよい。支援装置は、過去に組み合わせて使用されたことのある他のオブジェクトのうち、組み合わせて使用された頻度が高いオブジェクトを区別して表示できる。これによってユーザは、組み合わせて使用された頻度の高いオブジェクトを容易に認識し、新たな印刷レイアウトに含めることができる。
【0010】
第一態様において、前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトのうち一つを選択する指示を受け付ける第二受付手段を備え、前記抽出手段は、前記第二受付手段によって前記オブジェクトが受け付けられた場合には、受け付けられた前記オブジェクトである第二受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出し、前記表示制御手段は、前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記第二受付オブジェクトを除く前記オブジェクトと一致する前記オブジェクトを、前記表示手段に表示された状態の前記第一抽出オブジェクト、および前記第二抽出オブジェクトから選択し、選択された前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを新たな前記第一抽出オブジェクトとし、選択されなかった前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを新たな前記第二抽出オブジェクトとして区別し、表示してもよい。ユーザは、表示手段に表示されたオブジェクトを選択することによって、選択したオブジェクトと組み合わせて使用されたことのある他のオブジェクトを容易に認識できる。これによってユーザは、組み合せて使用されたことのあるオブジェクトを連鎖的に検索できる。
【0011】
第一態様において、前記表示制御手段は、前記第二抽出オブジェクトと比較して前記第一抽出オブジェクトを前記表示手段に大きく表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示してもよい。ユーザは、第一抽出オブジェクトと第二抽出オブジェクトとをより明確に区別して認識できる。また、第一抽出オブジェクトが際立って表示され、ユーザは、第一抽出オブジェクトと第二抽出オブジェクトとを直感的に区別できるので、新たな印刷レイアウトに第一抽出オブジェクトを含める場合、迅速且つ容易に第一抽出オブジェクトを選択できる。
【0012】
第一態様において、前記表示制御手段は、前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを前記表示手段の上下方向に並べて表示し、且つ、前記第二抽出オブジェクトと比較して前記第一抽出オブジェクトが上側に配置されるように並べて表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示してもよい。ユーザは、第一抽出オブジェクトと第二抽出オブジェクトとを表示する領域を余分に設けることを要せず、より明確に双方を区別して認識できる。
【0013】
第一態様において、前記表示制御手段は、前記第一抽出オブジェクトを区別するための所定の印を付して表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示してもよい。ユーザは、第一抽出オブジェクトと第二抽出オブジェクトとをより感覚的に区別して認識できる。
【0014】
第一態様において、前記第一受付手段は、前記印刷レイアウトに含まれる前記オブジェクトのうち複数の前記オブジェクトを選択する指示を受け付け、前記抽出手段は、前記第一受付手段によって受け付けられた前記複数の第一受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出し、前記表示制御手段は、前記第一受付手段によって受け付けられた前記複数の第一受付オブジェクト、前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記複数の第一受付オブジェクトを除く前記第一抽出オブジェクト、および、前記第二抽出オブジェクトを関連付けて表示手段に表示してもよい。ユーザは、複数のオブジェクトを選択することによって、過去に組み合わせて使用されたことのある他のオブジェクトを更に絞り込むことができる。このためユーザは、印刷レイアウトを作成する際に新たに使用するオブジェクトの選択を、第一抽出オブジェクトおよび第二抽出オブジェクトを参照することによって迅速に行うことができる。
【0015】
第一態様において、前記オブジェクトは、画像またはテキストによって構成されてもよい。ユーザは、画像およびテキストのオブジェクトを組み合わせることによって印刷レイアウトを作成することができる。
【0016】
本発明の第二態様に係る印刷装置は、第一態様に係る前記支援装置の前記表示手段に表示された状態の前記第一受付オブジェクト、前記第一抽出オブジェクト、および前記第二抽出オブジェクトのうち少なくともいずれかを組み合わせることによって作成された前記印刷レイアウトに基づき、印刷を行う印刷手段を備えている。第二態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】印刷システム1の概要を示す図である。
【図2】印刷装置2および支援装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】印刷レイアウト41、51を示す図である。
【図4】編集画面61を示す図である。
【図5】編集画面71を示す図である。
【図6】オブジェクトテーブル81を示す図である。
【図7】履歴テーブル91を示す図である。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】作成処理を示すフローチャートである。
【図10】印刷処理を示すフローチャートである。
【図11】保存処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1を参照し、印刷システム1の構成について説明する。印刷システム1は、印刷装置2および支援装置3を備えている。印刷装置2は、通信ケーブルによって支援装置3と接続している。
【0019】
印刷装置2は、ラベルへの印刷を行う印刷装置である。印刷装置2の内部には、巻回されたテープ状の印刷媒体50を備えたテープカセット(図示外)が格納される。印刷装置2は、後述する支援装置3によって作成された印刷レイアウトに基づき、印刷媒体50に印刷を行うことによって、ラベルを作成する。印刷装置2が印刷を実行する場合、テープカセットから印刷媒体50が引き出されて、印刷媒体50に対して印刷が行われる。印刷された印刷媒体50は切断され、外部に排出される。このようにしてラベルは作成される。
【0020】
支援装置3は、印刷装置2によって印刷媒体50に印刷される文字や図形等のレイアウト(以下、印刷レイアウトという。)の作成を支援する装置である。支援装置3として、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)が使用される。なお、図1の印刷システム1では、支援装置3は印刷装置2と通信ケーブルを介して直接接続している。これに対し、例えば、印刷装置2と支援装置3との間にネットワークが介在してもよい。支援装置3は、印刷装置2とネットワークを介して接続してもよい。
【0021】
図2を参照して、支援装置3の電気的構成について説明する。支援装置3は、支援装置3の制御を行うCPU301を備えている。CPU301は、ハードディスクドライブ(以下、HDD)302、RAM303、通信インターフェイス(以下、通信I/Fという。)304、入力部305、及び出力回路306と接続している。
【0022】
HDD302には、CPU301が実行する各種プログラムが記憶される。またHDD302には、後述するオブジェクトテーブル81(図6参照)、および履歴テーブル91(図7参照)が記憶される。RAM303には、種々の一時データが記憶される。入力部305は、例えば、マウス、キーボード、及びタッチパネル等である。出力回路306は、CPU301からの指示に応じてディスプレイ307に画面を表示する制御を行う。通信I/F304は、印刷装置2と通信を行うためのインターフェイスである。通信I/F304は、印刷装置2の通信I/F206(後述)と接続している。CPU301は、通信I/F304を介して印刷装置2と通信を行う。
【0023】
印刷装置2の電気的構成について説明する。印刷装置2は、印刷装置2の制御を行うCPU201を備えている。CPU201は、ROM202、フラッシュメモリ203、RAM204、CGROM205、通信I/F206、入力部207、出力部208、及び駆動回路209〜211に接続されている。
【0024】
ROM202には、CPU201が実行する各種プログラムが記憶される。フラッシュメモリ203には、種々のデータが記憶される。RAM204には、種々の一時データが記憶される。CGROM205には、種々のキャラクタ(文字、数字、及び図形等)を印刷媒体50に印刷するための印刷用のドットパターンデータが記憶されている。入力部207は、印刷装置2に対して入力操作を行うためのボタンである。出力部208は、情報をユーザに通知するための表示装置である。駆動回路209は、サーマルヘッド213を駆動するための電子回路である。CPU201は、駆動回路209を介して、サーマルヘッド213を制御し、印刷媒体50に印刷を行うことができる。駆動回路210は、印刷装置2の内部で巻回された印刷媒体50を外部に搬送するためのテープ送りモータ214を駆動するための電子回路である。駆動回路211は、印刷済みの印刷媒体50を切断する移動刃(図示外)を動作させるカッターモータ215を駆動するための電子回路である。
【0025】
図3を参照し、支援装置3において作成される印刷レイアウトの一例である、印刷レイアウト41、51について説明する。印刷レイアウト41は、imageオブジェクト411、nameオブジェクト412(「Taro Kimura」)、addressオブジェクト413(「Nagoya-shi」)、414(「Mizuho-ku」)を備えている。印刷レイアウト51は、imageオブジェクト511、nameオブジェクト512(「Taro Kimura」)、e-mailオブジェクト513(「taro.kimura@xxx.co.jp」)を備えている。imageオブジェクト411、511は、人の顔を示す画像である。nameオブジェクト412、512は、人の氏名を示す文字である。addressオブジェクト413、414は、住所を示す文字である。e-mailオブジェクト513は、e-mailアドレスを示す文字である。このように印刷レイアウト41、51は、一または複数のオブジェクトが組み合わせられ、印刷領域内に配置されることによって作成される。以下、imageオブジェクトを表す種別をimage種別という。nameオブジェクトを表す種別をname種別という。addressオブジェクトを表す種別をaddress種別という。e-mailオブジェクトを表す種別をe-mail種別という。
【0026】
支援装置3は、ユーザの操作に基づいて印刷レイアウト41、51を作成した後、印刷レイアウト41、51に基づいて印刷装置2が印刷媒体50に印刷を行うことが可能な印刷データを作成する。作成された印刷データは、通信ケーブルを介して支援装置3から印刷装置2に送信される。印刷装置2は、支援装置3から印刷データを受信し、印刷データに基づいて駆動回路209〜211を駆動する。これによって印刷装置2は、支援装置3において作成された印刷レイアウトを印刷媒体50に印刷する処理を実行する。これによって、印刷レイアウトが印刷されたラベルが作成される。
【0027】
例えば、支援装置3を使用して印刷レイアウト41が過去に作成されている状態で、ユーザが、印刷レイアウト51を新たに作成する場合を想定する。印刷レイアウト41、51は、imageオブジェクト411および511、並びに、nameオブジェクト412、512(「Taro Kitamura」)が共通している。一方、印刷レイアウト41には、addressオブジェクト413、414が含まれているのに対し、印刷レイアウト51には、addressオブジェクトは含まれていない。また印刷レイアウト51には、e-mailオブジェクト513が含まれているのに対し、印刷レイアウト41には、e-mailオブジェクトが含まれていない。
【0028】
従ってユーザは、印刷レイアウト41に含まれているimageオブジェクト411およびnameオブジェクト412をそのまま使用しつつ、addressオブジェクト413、414の代わりにe-mailオブジェクト513を使用し、それぞれのオブジェクトの配置や大きさを調整すれば、印刷レイアウト51をより効率的且つ容易に作成できることになる。またユーザは、印刷レイアウト41を参照することによって、過去のオブジェクトの組み合わせを踏襲しつつ、修正箇所や変更箇所等の微調整を行い、新たな印刷レイアウト51を作成できる。
【0029】
そこで支援装置3は、過去に作成されたことのある印刷レイアウトの履歴情報を、HDD302(図2参照)に記憶しておく。そして支援装置3は、履歴情報として記憶された印刷レイアウトに基づいてユーザが効率的且つ容易に作成作業を行えるように、後述する編集画面61(図4参照)、71(図5参照)等をディスプレイ307(図2参照)に表示する。これによってユーザは、ディスプレイ307に表示された編集画面61、71等に従って印刷レイアウトの作成作業を行うことで、過去の印刷レイアウトに基づいて新たな印刷レイアウトを容易且つ迅速に行うことができる。以下、編集画面61、71を参照しつつ具体的に説明する。
【0030】
はじめにユーザは、新たに作成する印刷レイアウトに含めるオブジェクトを一つ選択し、支援装置3に入力する。図4は、nameオブジェクト「Taro Kimura」がユーザによって選択された場合に、ディスプレイ307に表示される編集画面61を示している。編集画面61では、ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」を含むname種別のオブジェクト(以下、これらを総称して「nameオブジェクト612」という。)のまとまりは、ディスプレイ307の表示領域の略中心に配置される。nameオブジェクト612には、過去に作成された印刷レイアウトに使用された全てのnameオブジェクト(「Taro Kimura」「Jiro Tanaka」「Hanako Yamada」「Hiroki Honda」)が含まれている。それぞれのnameオブジェクトは、上下方向に並んでいる。ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」は、nameオブジェクトの中で最も上位に位置している。nameオブジェクト「Taro Kimura」を囲む枠線は、ユーザによって選択されたオブジェクトであることを示すために、他のnameオブジェクトを囲む枠線よりも太くなっている。最上位に位置するnameオブジェクト「Taro Kimura」は、下位に位置する他のnameオブジェクトと比較して大きく表示されている。
【0031】
また編集画面61では、name種別以外の種別(image種別、e-mail種別、およびaddress種別)のオブジェクトについても、nameオブジェクト612と同様、種別毎にまとめられ、且つ上下方向に並べられている(以下、image種別、e-mail種別、およびaddress種別のオブジェクトを総称し、それぞれ、imageオブジェクト611、e-mailオブジェクト613、および、addressオブジェクト614という。)。上下方向に並べられたオブジェクトのうち上位に位置するオブジェクトは、下位に位置する他のオブジェクトと比較して大きく表示されている。
【0032】
さらに編集画面61では、ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」と、大きく表示された他の種別のオブジェクトとが、線で直接結ばれている。具体的には、nameオブジェクト612のうち最上位に位置するnameオブジェクト「Taro Kimura」は、imageオブジェクト611のうち最上部に位置するimageオブジェクト615、e-mailオブジェクト613のうち最上位に位置するe-mailオブジェクト「taro.kimura@xxx.co.jp」、および、addressオブジェクト614のうち上位に位置するaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」と線で直接結ばれている。
【0033】
大きく表示され、且つ線で直接結ばれたオブジェクトは、過去に作成された印刷レイアウトにおいて、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用されたことのあるオブジェクトの組み合わせを示している。具体的には、線で直接結ばれた状態のnameオブジェクト「Taro Kimura」、imageオブジェクト615、e-mailオブジェクト「taro.kimura@xxx.co.jp」、およびaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho -ku」は、過去に作成された印刷レイアウトにおいて同時に使用されたオブジェクトの組み合わせを示している。
【0034】
これに対し、nameオブジェクト「Taro Kimura」と線で直接結ばれていないオブジェクトは、過去に作成されたいずれの印刷レイアウトにおいても、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用されていないオブジェクトを示している。具体的には、imageオブジェクト616、e-mailオブジェクト「jiro@yyy.com」「h.honda@zzz.com」、および、addressオブジェクト「Tokyo-to」は、nameオブジェクト「Taro Kimura」と線で直接結ばれていないので、過去に作成されたいずれの印刷レイアウトにおいても、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用されていないオブジェクトであることを示している。
【0035】
さらに、大きく表示されたオブジェクトの上下方向の並び順は、過去に作成された印刷レイアウトにおいて、ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用された回数を示している。上位に位置する程、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用された回数が大きいことを示している。例えばaddressオブジェクト614について、addressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」が大きく表示され、且つ、addressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」の順に並んでいる。従って、addressオブジェクト「Nagoya-shi」の方が、addressオブジェクト「Mizuho-ku」と比較して、過去に作成された印刷レイアウトにおいてnameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用された頻度が高いことを示している。
【0036】
一方、小さく表示されたオブジェクトは、過去に作成されたいずれの印刷レイアウトにおいても、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用されていないオブジェクトを示している。これらのオブジェクトについては、大きく表示されたオブジェクト、すなわち、nameオブジェクト「Taro Kimura」とともに使用されたことのあるオブジェクトの下側に、任意の順番で並べられている。
【0037】
編集画面61を視認したユーザは、選択したオブジェクト(nameオブジェクト「Taro Kimura」)と組み合わせて印刷レイアウトが作成されたことのある他のオブジェクト、および、組み合わせて印刷レイアウトが作成されたことのない他のオブジェクトを、線で結ばれているか否か、または、大きく表示されているか否かを確認することによって容易に区別して認識できる。ユーザによって選択されたオブジェクト(nameオブジェクト「Taro Kimura」)と組み合わせて使用されたことのあるオブジェクトは大きく表示されるので、ユーザはこれらのオブジェクトを直感的に認識し、組み合わせて使用されたことのないオブジェクトと容易に区別して認識できる。
【0038】
例えばユーザが特定のオブジェクトを選択し、選択したオブジェクトが使用されている過去の印刷レイアウトの一部を変更する作業を行うことによって、新たな印刷レイアウトを作成する場合を想定する。このような場合、ユーザは、編集画面61を視認することによって、選択したオブジェクトとともに使用されたことのある他のオブジェクトを容易に認識できる。またユーザは、選択したオブジェクトとともに使用されたことのない他のオブジェクトも容易に認識できる。従ってユーザは、これらの中から所望するオブジェクトを選択することによって、印刷レイアウトを効率的に作成できる。
【0039】
例えばユーザが、「木村太郎」の顔に似たimageオブジェクトを使用してラベルを作成したい場合を想定する。このような場合、ユーザは、nameオブジェクト「Taro Kimura」を選択し、編集画面61をディスプレイ307に表示させる。編集画面61では、nameオブジェクト「Taro Kimura」と、imageオブジェクト615が線で直接結ばれている。これによってユーザは、「木村太郎」の顔に似たimageオブジェクト615を特定し、nameオブジェクト「Taro Kimura」とimageオブジェクト615とを使用して印刷レイアウトを作成できる。さらに編集画面61では、nameオブジェクト「Taro Kimura」と、e-mailオブジェクト「taro.kimura@xxx.co.jp」、およびaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho -ku」が線で直接結ばれている。従って、ユーザは、「木村太郎」の住所やメールアドレスがわからない場合でも、nameオブジェクト「Taro Kimura」、e-mailオブジェクト「taro.kimura@xxx.co.jp」、およびaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho -ku」を使用して印刷レイアウトを作成できる。
【0040】
更にユーザは、大きく表示されたオブジェクトの並び順を確認することによって、選択したオブジェクトとともに使用された頻度の高いオブジェクトを認識できる。これによってユーザは、頻度の高いオブジェクトを優先的に使用して過去の印刷レイアウトを踏襲したり、逆に、頻度の高いオブジェクトを印刷レイアウトから除外することによって新たな様相の印刷レイアウトにしたりできる。従ってユーザは、新たに作成する印刷レイアウトの用途に応じて最適なオブジェクトを効率的に選択できる。
【0041】
図5を参照し、編集画面71について説明する。編集画面71は、編集画面61がディスプレイ307に表示された状態で、ユーザがimageオブジェクト615を新たに選択した場合に表示される。ユーザによって選択されたimage615を含むimageオブジェクト611のまとまりは、nameオブジェクト612のまとまりの代わりに、ディスプレイ307の表示領域の略中心に配置される。またimageオブジェクト615を囲む枠線は、ユーザによって選択されたオブジェクトであることを示すために、他のimageオブジェクトを囲む枠線よりも太くなる。
【0042】
また、上下方向に並べられた各種オブジェクト(nameオブジェクト612、e-mailオブジェクト613、および、addressオブジェクト614)において上位に位置し、且つ大きく表示されたオブジェクトは、編集画面61(図4参照)の状態と比べて変化する(nameオブジェクト612:「Taro Kimura」→「Jiro Tanaka」「Taro Kimura」、e-mailオブジェクト613:「taro.kimura@xxx.co.jp」→「jiro@yyy.com」「taro.kimura@xxx.co.jp」、addressオブジェクト614:「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」→「Tokyo-to」「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」)。さらに、ユーザによって選択されたimageオブジェクト615と、大きく表示された他の種別のオブジェクトとが線で直接結ばれている。
【0043】
imageオブジェクト615と線で直接結ばれたオブジェクトは、過去に作成された印刷レイアウトにおいて、imageオブジェクト615とともに使用されたことのあるオブジェクトの組み合わせを示している。また、大きく表示されたオブジェクトの並び順は、imageオブジェクト615とともに使用された頻度を示している。さらに、imageオブジェクト615と線で直接結ばれていないオブジェクトは、過去に作成されたいずれの印刷オブジェクトにおいても、imageオブジェクト615とともに使用されていないオブジェクトを示している。
【0044】
以上のようにユーザは、編集画面61(図4参照)に含まれるオブジェクトのうち一を選択することによって、選択したオブジェクトと組み合わせて印刷レイアウトが作成されたことのある他のオブジェクトを容易に認識できる。ユーザは、編集画面61に含まれるオブジェクトのうち一を選択することによって、選択されたオブジェクトとともに使用されたことのある他のオブジェクトを連鎖的に検索することができる。
【0045】
図6を参照し、HDD302に記憶されるオブジェクトテーブル81について説明する。オブジェクトテーブル81は、支援装置3が印刷レイアウトを作成する場合において、印刷レイアウトに含めることができるオブジェクトを管理するためのテーブルである。図6に示すように、オブジェクトテーブル81には、オブジェクトの種別、オブジェクト、およびオブジェクトの名称が対応付けて格納されている。支援装置3のCPU301(図2参照)は、オブジェクトテーブル81を参照することによってオブジェクトを特定し、編集画面61、71等をディスプレイ307に表示する。また支援装置3のCPU301は、ユーザによる印刷レイアウトの作成操作を受け付けた場合、オブジェクトテーブル81を参照することによってオブジェクトを選択、配置し、印刷レイアウトを作成する。
【0046】
図7を参照し、履歴テーブル91について説明する。履歴テーブル91は、支援装置3が過去に作成した印刷レイアウトに含まれるオブジェクトを管理するためのテーブルである。履歴テーブル91には、過去に作成された印刷レイアウトに含まれるオブジェクトが、印刷レイアウト毎に対応付けられ、履歴情報として格納されている。例えば番号0の印刷レイアウトでは、image1(imageオブジェクト615(図4参照))、name1 (nameオブジェクト「Taro Kimura」)、address1 (addressオブジェクト「Nagoya-shi」)、およびaddress2 (addressオブジェクト「Mizuho-ku」)が対応付けられている。なおこの履歴情報は、印刷レイアウト41(図3参照)に相当する。また例えば、番号3の印刷レイアウトでは、image1(imageオブジェクト615(図4参照))、name1 (nameオブジェクト「Taro Kimura」)、およびe-mail1 (e-mailオブジェクト「kimura@xxx.co.jp」)が対応付けられている。なおこの履歴情報は、印刷レイアウト51(図3参照)に相当する。なお履歴テーブル91では、それぞれのオブジェクトにカウンタ(図中「−」)が対応付けられている。カウンタの詳細は後述する。
【0047】
図8から図11を参照し、支援装置3のCPU301において実行されるメイン処理について説明する。ユーザが印刷レイアウトの作成を行うためのアプリケーションを起動する指示を、入力部305を介して入力した場合に、メイン処理は開始される。メイン処理が開始されると、はじめにCPU301は、履歴テーブル91(図7参照)に格納された履歴情報を消去することによって初期化する(S11)。CPU301は、履歴テーブル91に記憶された履歴情報の総数を示す変数Rに0を代入し、初期化する(S13)。CPU301は、印刷レイアウトを作成する処理(作成処理、図9参照)を実行する(S15)。
【0048】
図9を参照し、作成処理について説明する。はじめにCPU301は、オブジェクトテーブル81(図6参照)に格納されたオブジェクトのうちいずれかをユーザが選択可能な選択画面を、ディスプレイ307に表示する(S31)。CPU301は、いずれかのオブジェクトの選択をユーザに促す。オブジェクトのうちいずれかを選択する操作を検出した場合(S33:YES)、変数nに0を代入して初期化する(S35)。次にCPU301は、履歴テーブル91に格納されたすべてのカウンタに0を代入し、初期化する(S37)。
【0049】
CPU301は、履歴テーブル91のうち、番号が変数nである履歴情報を参照する(S39)。CPU301は、参照した履歴情報に含まれるオブジェクトの中に、S33でユーザが選択したオブジェクトがあるかを判断する(S41)。参照した履歴情報に含まれるオブジェクトの中に、ユーザが選択したオブジェクトがある場合(S41:YES)、該当する履歴情報に含まれるオブジェクトは、過去に作成された印刷レイアウトにおいて、ユーザによって選択されたオブジェクトとともに使用されたオブジェクトに相当する。従って、ディスプレイ307に編集画面61(図4参照)を表示する場合、該当する履歴情報に含まれるオブジェクトを上位に配置して大きく表示し、且つ、選択されたオブジェクトと線で直接結ぶ必要がある。
【0050】
CPU301は、S39で参照した履歴情報に含まれるオブジェクトのうち、S33でユーザが選択したオブジェクトを除く他のオブジェクトに対応するカウンタに1を加算し、更新する(S43)。これによって、編集画面61中で上位に大きく表示し、且つ、選択されたオブジェクトと線で直接結ぶオブジェクトを、他のオブジェクトと区別する。処理はS45に進む。一方、S41で、参照した履歴情報に含まれるオブジェクトの中に、ユーザが選択したオブジェクトが無い場合(S41:NO)、処理はS45に進む。CPU301は、変数nに1を加算することによって、変数nを更新する(S45)。
【0051】
CPU301は、変数nと変数Rとを比較する(S47)。変数n+1が変数Rより小さい場合(S47:NO)、履歴テーブル91に格納された履歴情報の中に、S39〜S45の処理の対象とされていない履歴情報が残っていることになる。処理の対象とされていない履歴情報に対してS39〜S45の処理を順番に実行するために、処理はS39に戻る。一方、変数n+1が変数R以上になった場合(S47:YES)、履歴テーブル91に格納された全ての履歴情報に対して、S39〜S45の処理が実行されたことになる。処理はS49に進む。
【0052】
CPU301は、履歴テーブル91に格納されたカウンタに基づき、編集画面61を作成する(S49)。編集画面61の作成方法は後述する。CPU301は、作成した編集画面61をディスプレイ307に表示する(S49)。処理はS33に戻る。
【0053】
以下、図4の編集画面61が作成される場合を想定して具体的に説明する。CPU301は、ユーザがnameオブジェクト「Taro Kimura」を選択したことを検出している(S33参照)。はじめに、ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」が、ディスプレイ307の表示領域の略中心に配置される。nameオブジェクト「Taro Kimura」を囲む線は太くされる。次に、選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」と種別が同一である他のnameオブジェクトが、履歴テーブル91に格納された履歴情報から抽出される。抽出されたオブジェクトのうち、対応するカウンタが1以上であるnameオブジェクトが更に抽出される。抽出されたオブジェクトは、選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」の下側に、カウンタの値の順で上側から並べて配置される。なお編集画面61では、カウンタが1以上であるnameオブジェクトが無いことになるため、この処理は省略される。
【0054】
次に、対応するカウンタが0であるnameオブジェクト「Jiro Tanaka」「Hanako Yamada」「Hiroko Honda」が抽出される。抽出されたnameオブジェクトは、選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」の下側に任意の順で配置される。なお上述とは異なり、カウンタが1以上であるオブジェクトが抽出された場合には、カウンタが0であるオブジェクトは、カウンタが1以上であるオブジェクトの下側に任意の順で配置される。最後に、選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」が、カウンタが0であるnameオブジェクト「Jiro Tanaka」「Hanako Yamada」「Hiroko Honda」と比較して大きくなるように調整される。以上によって、nameオブジェクト612が表示領域内に配置される。
【0055】
次に、ユーザによって選択されたnameオブジェクト「Taro Kimura」と種別が異なる他のオブジェクト(imageオブジェクト611、e-mailオブジェクト613、addressオブジェクト614)が、次のようにして順番にディスプレイ307の表示領域上に配置される。履歴テーブル91に格納された履歴情報から、imageオブジェクトが抽出される。抽出されたimageオブジェクトのうち、対応するカウンタが1以上であるimageオブジェクト(imageオブジェクト615)が更に抽出される。抽出されたimageオブジェクト615は、nameオブジェクト612に隣接する位置に配置される。次に、imageオブジェクト615と、nameオブジェクト「Taro Kimura」とが線で結ばれる。次に、対応するカウンタが0であるimageオブジェクト616が抽出される。抽出されたimageオブジェクト616は、imageオブジェクト615の下側に配置される。最後にカウンタが1以上であるimageオブジェクト615が、カウンタが0であるimageオブジェクト616と比較して大きくなるように調整される。以上によって、imageオブジェクト611が表示領域内に配置される。なお詳細は省略するが、e-mailオブジェクト613も同様の処理によって表示領域内に配置される。
【0056】
履歴テーブル91に格納された履歴情報から、addressオブジェクトが抽出される。抽出されたaddressオブジェクトのうち、対応するカウンタが1以上であるaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」が更に抽出される。抽出されたaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」は、対応するカウンタの値の順(「Nagoya-shi」→「Mizuho-ku」)で上側から並べて配置され、nameオブジェクト612に隣接する位置に配置される。次に、addressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」と、nameオブジェクト「Taro Kimura」とが線で結ばれる。次に、対応するカウンタが0であるaddressオブジェクト「Tokyo-to」が抽出される。抽出されたaddressオブジェクト「Tokyo-to」は、addressオブジェクト「Mizuho-ku」の下側に配置される。最後に、カウンタが1以上であるaddressオブジェクト「Nagoya-shi」「Mizuho-ku」が、カウンタが0であるaddressオブジェクト「Tokyo-to」と比較して大きくなるように調整される。以上によって、addressオブジェクト614が表示領域内に配置される。
【0057】
ここで、編集画面61が作成されてディスプレイ307に表示された(S49)後、ユーザによって、編集画面61に含まれるオブジェクトのうち一が選択されたとする(S33:YES)。この場合も、上述した方法と同様の処理が実行され(S35〜S49)、新たな編集画面71(図5参照)が作成される。作成された編集画面71は、ディスプレイ307に表示される(S49)。
【0058】
一方、S33でオブジェクトがユーザによって選択されていない場合(S33:NO)、CPU301は、編集画面61、71に表示されたオブジェクトの中から、新たに作成する印刷レイアウトに含めるオブジェクトをユーザが決定したかを判断する(S51)。ユーザが、新たに作成する印刷レイアウトに含めるオブジェクトを、入力部305を介して入力したとする。CPU301は、入力されたオブジェクトを検出することによって、新たに作成する印刷オブジェクトに含めるオブジェクトをユーザが決定したと判断する(S51:YES)。CPU301は、オブジェクトのレイアウトを作成することが可能な画面をディスプレイ307に表示する。例えば、imageオブジェクト411(図3参照)、nameオブジェクト412(図3参照)、およびaddressオブジェクト413、414(図3参照)が、印刷レイアウトに含めるオブジェクトとして決定された場合、CPU301は、印刷レイアウト41(図3参照)を示す画像を、ディスプレイ307に表示する。ユーザは、それぞれのオブジェクトの位置や大きさを調整する操作を、入力部305を介して実行できるようになる。CPU301は、ユーザによる操作に基づき、オブジェクトの位置や大きさを調整し、印刷レイアウトを作成する(S53)。処理はS33に戻る。
【0059】
S53で新たなオブジェクトの位置や大きさが調整された後、印刷レイアウトを確定する指示をユーザが入力部305を介して入力したとする。印刷レイアウトを確定する指示が検出された場合(S51:NO、S55:YES)、作成処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。印刷レイアウトを確定する指示が検出されていない場合(S55:NO)、処理はS33に戻る。
【0060】
図8に示すように、作成処理(S15)の終了後、確定された印刷レイアウトの印刷を印刷装置2に実行させる指示がユーザによって入力部305を介して入力されたとする。CPU301は、印刷レイアウトの印刷を印刷装置2に対して実行させる指示を検出する(S17:YES)。CPU301は、印刷装置2に印刷を実行させる処理(印刷処理、図10参照)を実行する(S19)。
【0061】
図10を参照し、印刷処理について説明する。CPU301は、S55(図9参照)によって確定された、新たな印刷レイアウトに含まれるオブジェクトの組み合わせを、履歴情報として履歴テーブル91(図7参照)に格納する。これによって、新たな履歴情報が履歴テーブル91に追加される(S61)。CPU301は、履歴テーブル91に格納された履歴情報の総数を示す変数Rに1を加算することによって、変数Rを更新する(S63)。CPU301は、履歴テーブル91に追加した履歴情報に含まれるオブジェクトを、オブジェクトテーブル81(図6参照)から抽出する(S65)。CPU301は、S55によって確定された印刷レイアウトに基づき、抽出したオブジェクトの位置や大きさを調整することによって、印刷装置2が印刷媒体50に印刷レイアウトの印刷を行うことが可能な印刷データを作成する(S67)。CPU301は、通信ケーブルを介して印刷装置2に対して、作成した印刷データを送信する(S69)。印刷処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。図8に示すように、メイン処理において印刷処理(S19)が終了した場合、処理はS15に戻る。
【0062】
なお印刷装置2は、支援装置3から印刷データを受信した場合、受信した印刷データに基づき、サーマルヘッド213(図2参照)、テープ送りモータ214(図2参照)、およびカッターモータ215(図2参照)を駆動する。これによって印刷装置2は、支援装置3において作成された印刷レイアウトに基づき、印刷媒体50への印刷を行う。印刷レイアウトが印刷されたラベルが作成される。
【0063】
一方、作成処理(S15)によって作成された印刷レイアウトに含まれるオブジェクトの組み合わせを履歴情報として保存する指示が、ユーザによって入力部305を介して入力されたとする。CPU301は、履歴情報を保存する指示を検出する(S17:NO、S21:YES)。CPU301は、印刷レイアウトに含まれるオブジェクトの組み合わせを履歴情報として保存する処理(保存処理、図11参照)を実行する(S23)。
【0064】
図11を参照し、保存処理について説明する。CPU301は、S55(図9参照)によって確定された、新たな印刷レイアウトに含まれるオブジェクトの組み合わせを、履歴情報として履歴テーブル91(図7参照)に格納する。これによって、新たな履歴情報が履歴テーブル91に追加される(S71)。CPU301は、履歴テーブル91に格納された履歴情報の総数を示す変数Rに1を加算することによって、変数Rを更新する(S73)。保存処理は終了し、処理はメイン処理(図8参照)に戻る。図8に示すように、メイン処理において保存処理(S23)が終了した場合、処理はS15に戻る。
【0065】
他方、印刷指示および保存指示のいずれも検出されない場合(S21:NO)、処理はS15に戻る。
【0066】
以上説明したように、支援装置3は、ユーザによって選択されたオブジェクトと組み合わせて使用されたことのある他のオブジェクト、および、組み合わせて使用されたことのない他のオブジェクトをディスプレイ307に区別して表示することによって、ユーザにこれらのオブジェクトを容易に認識させることができる。従ってユーザは、新たな印刷レイアウトに組み込んで使用するオブジェクトの選択を容易に行うことが可能となる。
【0067】
なお本発明は上述の実施例に限定されず、種々の変更が可能である。上述した実施形態において、CPU301は、作成された印刷レイアウトを印刷するための印刷データを、通信ケーブルを介して印刷装置2に対して送信した。印刷装置2は、支援装置3から受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行することによって、印刷レイアウトが印刷されたラベルを作成した。これに対し、印刷装置2のCPU201が編集画面61(図4参照)等を出力部208に表示し、入力部207を介してユーザから指示を受け付けることによって、印刷レイアウトを作成してもよい。CPU201は、作成した印刷レイアウトの印刷を行うための印刷データを作成し、作成した印刷データに基づいて、ラベルへの印刷を実行してもよい。この場合、オブジェクトテーブル81(図6参照)および履歴テーブル91(図7参照)は、フラッシュメモリ203に記憶される。図8〜図11において示されるメイン処理の各ステップが、印刷装置2のCPU201において実行される。なお、印刷処理(図10参照)のS69(図10参照)では、上述の実施形態と異なり、CPU201は、S67で作成された印刷データに基づき、サーマルヘッド213(図2参照)、テープ送りモータ214(図2参照)、およびカッターモータ215(図2参照)を駆動する。これによって印刷装置2は、印刷レイアウトに基づき、印刷媒体50への印刷を行う。これによって、印刷レイアウトが印刷されたラベルが作成される。
【0068】
編集画面61(図4参照)、および、編集画面71(図5参照)の表示態様は一例であり、他の表示態様で編集画面がディスプレイ307に表示されてもよい。例えばCPU301は、特定のオブジェクトの大きさを大きくする代わりに、所定の印をオブジェクトに付してもよい。これによってユーザは、所定の印が付されたオブジェクトを、選択されたオブジェクトとともに使用されたことのあるオブジェクトとして認識できる。またCPU301は、選択されたオブジェクトとともに使用されたことのあるオブジェクトと、使用されたことのないオブジェクトとを、それぞれ異なる形状の枠で覆うことによって、双方を区別してもよい。さらに、枠内の色を、選択されたオブジェクトとともに使用されたことのあるオブジェクトと、使用されたことのないオブジェクトとで変化させてもよい。オブジェクトの並び順は、選択されたオブジェクトとともに使用された回数に限定されず、五十音順やアルファベット順であってもよい。
【0069】
S33でユーザが選択するオブジェクトは、複数であってもよい。CPU301は、複数のオブジェクトを検出した場合、複数のオブジェクトをすべて含む履歴情報を、履歴テーブル91から選択してもよい(S41)。CPU301は、該当する履歴情報から、ユーザによって選択された複数のオブジェクトを除く他のオブジェクトを抽出し、カウンタを更新してもよい(S43)。CPU301は、カウンタが更新された状態の履歴テーブル91に記憶された履歴情報に基づき、編集画面を作成し、ディスプレイ307に表示してもよい。このようにユーザは、複数のオブジェクトを選択することによって、過去に組み合わせて使用されたことのあるオブジェクトを更に絞り込むことができる。このためユーザは、印刷レイアウトを作成する際に新たに使用するオブジェクトを、編集画面を参照することによって更に容易に選択できる。
【0070】
S33の処理を行うCPU201またはCPU301が本発明の「第一受付手段」「第二受付手段」に相当する。S41の処理を行うCPU201またはCPU301が本発明の「抽出手段」に相当する。S49の処理を行うCPU201またはCPU301が本発明の「表示制御手段」に相当する。S43の処理を行うCPU201またはCPU301が本発明の「算出手段」に相当する。S69で、印刷処理を行うCPU301が本発明の「印刷手段」に相当する。
【符号の説明】
【0071】
1 印刷システム
2 印刷装置
3 支援装置
41、51 印刷レイアウト
50 印刷媒体
61、71 編集画面
81 オブジェクトテーブル
91 履歴テーブル
201 CPU
203 フラッシュメモリ
207 入力部
208 出力部
301 CPU
305 入力部
306 出力回路
307 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを組み合わせて印刷レイアウトを作成する場合の作業を支援する支援装置であって、
前記印刷レイアウトに含まれるオブジェクトのうち少なくとも一つを選択する指示を受け付ける第一受付手段と、
記憶手段に記憶された情報であって、前記オブジェクトの組み合わせの履歴を示す履歴情報を参照し、前記第一受付手段によって受け付けられた前記オブジェクトである第一受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出する抽出手段と、
前記第一受付手段によって受け付けられた前記第一受付オブジェクト、前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記第一受付オブジェクトを除く前記オブジェクトである第一抽出オブジェクト、および、前記抽出手段によって抽出されなかった前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトである第二抽出オブジェクトを関連付けて表示手段に表示する表示制御手段であって、前記第一抽出オブジェクトと前記第二抽出オブジェクトとを区別して表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする支援装置。
【請求項2】
前記抽出手段によって前記履歴情報から同一の前記第一抽出オブジェクトが複数抽出された場合、同一の前記第一抽出オブジェクトの数を算出する算出手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記算出手段によって算出された前記数が大きい前記第一抽出オブジェクトを更に区別して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトのうち一つを選択する指示を受け付ける第二受付手段を備え、
前記抽出手段は、
前記第二受付手段によって前記オブジェクトが受け付けられた場合には、受け付けられた前記オブジェクトである第二受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出し、
前記表示制御手段は、
前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記第二受付オブジェクトを除く前記オブジェクトと一致する前記オブジェクトを、前記表示手段に表示された状態の前記第一抽出オブジェクト、および前記第二抽出オブジェクトから選択し、選択された前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを新たな前記第一抽出オブジェクトとし、選択されなかった前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを新たな前記第二抽出オブジェクトとして区別し、表示することを特徴とする請求項1または2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記第二抽出オブジェクトと比較して前記第一抽出オブジェクトを前記表示手段に大きく表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記第一抽出オブジェクトおよび前記第二抽出オブジェクトを前記表示手段の上下方向に並べて表示し、且つ、前記第二抽出オブジェクトと比較して前記第一抽出オブジェクトが上側に配置されるように並べて表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の支援装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記第一抽出オブジェクトを区別するための所定の印を付して表示することによって、前記第一抽出オブジェクトを区別して表示することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の支援装置。
【請求項7】
前記第一受付手段は、
前記印刷レイアウトに含まれる前記オブジェクトのうち複数の前記オブジェクトを選択する指示を受け付け、
前記抽出手段は、
前記第一受付手段によって受け付けられた前記複数の第一受付オブジェクトを含む前記組み合わせを、前記履歴情報から抽出し、
前記表示制御手段は、
前記第一受付手段によって受け付けられた前記複数の第一受付オブジェクト、前記抽出手段によって抽出された前記組み合わせに含まれる前記オブジェクトのうち、前記複数の第一受付オブジェクトを除く前記第一抽出オブジェクト、および、前記第二抽出オブジェクトを関連付けて表示手段に表示することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の支援装置。
【請求項8】
前記オブジェクトは、画像またはテキストによって構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の支援装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の前記支援装置の前記表示手段に表示された状態の前記第一受付オブジェクト、前記第一抽出オブジェクト、および前記第二抽出オブジェクトのうち少なくともいずれかを組み合わせることによって作成された前記印刷レイアウトに基づき、印刷を行う印刷手段を備えたことを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−101518(P2013−101518A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245186(P2011−245186)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】