改善された励磁コイルを有するフラックスゲート型マイクロ磁力計
【課題】磁力計の立ち上がり、その磁力計によって行われる測定の“オフセット”の減少、及び、同相除去において特に改善をもたらす配置と構造を有する少なくとも1つの励磁コイルを備える薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計を提供する。
【解決手段】本発明のフラックスゲート型マイクロ磁力計は、所定の主平面を有する支持体と、所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コアと、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コアと、を備えた磁気回路と、直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイルと、前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含む。前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域を含む。
【解決手段】本発明のフラックスゲート型マイクロ磁力計は、所定の主平面を有する支持体と、所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コアと、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コアと、を備えた磁気回路と、直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイルと、前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含む。前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ技術及び磁力計または磁気センサの分野に関し、少なくとも1つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとを有する磁気回路を備えた、薄膜に実現されるフラックスゲート型の磁力計装置を提供する。特に、励磁コイルは、改善された配置と構造を有する。
【0002】
本発明による装置は、磁力計の立ち上がり点、測定精度、特に測定“オフセット”減少に関する測定精度、同相除去において改善をもたらす。
【背景技術】
【0003】
“フラックスゲート”型磁力計は、磁界を測定するために使用され、その磁界は、弱いこともあり、場合によっては非常に弱いこともあり、磁力計の寸法によるが、例えば、1ナノテスラないしは数ピコテスラ程度の分解能を有する1マイクロテスラ程度である。通常、“フラックスゲート”型磁力計は、センサ、そのセンサに周期的な励磁信号を提供することができる励磁手段または励磁回路、及び、そのセンサの出力部にある検出手段または検出回路を備える。一般的に、このセンサは、磁気コアで形成される磁気回路、磁気回路の励磁に関与する1つ又は複数のコイル、及び、測定に関与する1つ又は複数の“受信”または“検出”コイルを含む。これらの要素は、接近して動作する。例えば、検出は、いわゆる“ベーカイヤー(Vacquire)”または“フォスター(Foster)”タイプのフラックスゲート型磁力計で励磁信号の周波数の2倍で実行される。
【0004】
図1Aには、“ベーカイヤー”タイプのフラックスゲート型磁力計の第1例、特に励磁コイル及び検出コイルに関連するこの磁力計の磁気回路が与えられる。この磁気回路は、オープンタイプであり、第1コア2及びその第1コア2に平行な第2コア4を含む。励磁コイル6は、第2コア4に巻かれた一連の第1巻線6bに直列に接続される、第1コア2に巻かれた一連の第1巻線6aで形成される。検出コイル8は、第2コア4に巻かれた一連の巻線8bに直列に接続される、第1コア2に巻かれた一連の巻線8aで形成される。励磁コイル6と検出コイル8は、インターレース(組み合わせ)されていてもよい。
【0005】
図1Bには、励磁コイル及び検出コイルに関連する“フォスター”タイプのフラックスゲート型磁力計の磁気回路の第2例が示される。この装置でも、磁気回路は、第1コア2及びこの第1コア2に平行な第2コア4で形成される。前述の“ベーカイヤー”装置の励磁コイルと同様の配置を有する励磁コイル6が提供される。検出コイル10は、第1コア2及び第2コア4に巻かれた一連の巻線で形成され、この巻線は、2つのコア2、4の上に位置する平面、次いで2つのコア2、4の下に位置する他の平面を交互に通過する。励磁コイル6と検出コイル8は、インターレースされてもよい。
【0006】
前述の一方または他方のフラックスゲート型磁力計において、この磁力計は、励磁コイル6によって生成される磁場Hexcによって励磁されるコア2及びコア4から生じる信号を組み合わせる方法によって与えられる外部磁場を測定する。コイルの配置は、例えば、Hexc+H0に等しい磁場が第1コア2内で生成され、−Hexc+H0の磁場が第2コア4内で生成されるようなものである。検出コイル出力部で収集される信号は、通常、特に測定されるべき磁場の大きさの程度が弱い場合にオフセットを含み、それは、特に大きいものとなる。
【0007】
磁力計は、マイクロ技術の分野に適用されることができ、例えば集積回路に内蔵される。次いで、それらは、薄膜内での実施技術を用いて製造される。薄膜内に形成される磁力計は、1マイクロメートルまたはそれ未満の程度でありえる薄層を有して1ミリメートル未満の程度のサイズに達することができる。
【0008】
磁力計の磁気回路の磁気コア22に巻かれる励磁コイル25は、図2に示される。磁気コア22は、所定の主方向(図2で定義される直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル、kベクトル]のiベクトルに平行)に延び、薄膜の積層体21で覆われた基板20の形態であり得る支持体上に置かれる。励磁コイル25は、基板20とコア22との間に位置する平面に形成された複数の第1導電領域26と、磁気コア22の上に位置する複数の第2導電領域28とで形成され、複数の第2導電領域28のそれぞれの導電領域は、一般的にビアとして知られる垂直配線27によって複数の第1導電領域26の導電領域26に接続される。この装置では、励磁コイルの配置は、複数の第2導電領域28の導電領域がコア22の主方向に対して直交する平面を有してゼロではない角度を形成するようになる。さらに、励磁コイル25は、検出コイル(不図示)とインターレースされない。
【0009】
文献“Integrated microfluxgate study and characterization”(Proc. Eurosensors XI, vol.1, 199, p.267-270, Leger et al.)と文献“Microfluxgate Performance Improvement in Microtechnology”(Joistn and al. November 2005, IEEE transaction on magnetics, vol.41 issue 11 p.4356-4358)は、互いに接続され、閉磁路を形成する2つのコア32、34と、検出コイル38の両側の磁気回路のコア32、34に巻かれた励磁コイル36、37とを含むフラックスゲート型磁力計を示す(図3)。この装置は、図3に関連して前述されたものとは異なる。特に、より大きな誘導される磁場振幅を得ることを可能にするコア32、34に直交する平面にそれぞれ位置する巻線を励磁コイルが含むという点で異なる。しかしながら、この種の装置では、図3に関連して前述されたもののように、励磁コイル及び検出コイルは、離隔した領域内のコア付近に配置され、それは、立ち上がり点の問題をもたらす。
【0010】
従来技術によるフラックスゲート型磁力計の薄膜の実施形態の他の例、特に、励磁コイルと検出コイルに関連する磁力計の磁気回路を含むマイクロ技術装置は、図4Aに正面図が、図4BにX’X断面図が示される(断面X’Xは、図4Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向によって示される。)。この装置は、磁気コア40にインターレースされて配置された励磁コイル42と検出コイル44とを含む。この励磁コイル42と検出コイル44は、特に、磁気コア40上に位置する一連の平行な第1導電領域46と、磁気コア6の下に位置する一連の平行な第2導電領域48とを含む。励磁コイル42と検出コイル44のそれぞれにおいて、第1のシリーズの導電領域46は、第2のシリーズの導電領域44の反対側に位置する。第1のシリーズの導電領域46と第2のシリーズの導電領域44は、一般に“ビア”として知られる垂直配線49によって接続される。励磁コイル42と検出コイル44は、それぞれソレノイドを形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、立ち上がり及び測定性能の点において改善をもたらす新規なフラックスゲート型磁力計装置を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、いくつかのコアとそのコアに対して改善された構造及び配置を有する少なくとも1つの励磁コイルとで形成される磁気回路を含む、薄膜内に実現された磁気測定装置または磁力計を提供することである。この励磁コイルは、通常のソレノイドとは異なる構造を有する。この励磁コイルの配置は、通常の励磁コイル配置で見られる分配ラインを避け、または、位相シフト効果を防止することを可能にする。
【0013】
この励磁コイルは、コアを囲う一連の閉じられた導電外形部で形成され、この導電外形部は直列に接続されている。
【0014】
導電外形部は、このコアの周囲のカラーを形成する電気的導電部分を意味する。
【0015】
本発明によるマイクロ磁力計または磁力計のコアの数は、2つに限定されない。この励磁コイルは、2つより多いコアを囲う一連の閉じられた導電外形部で形成されてもよく、この導電外形部は、互いに接続される。
【0016】
本発明は、これらのコアによって生じる磁気現象が空間的に同期されることを可能にする。
【0017】
本発明は、第1に、所定の主平面を有する支持体と、所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コアと、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コアと、を備えた磁気回路と、直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイルと、前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含み、前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域を含み、複数の第1の平坦な導電領域は、前記第1コアに対向して位置し、複数の第2の平坦な導電領域は、前記第2コアに対向して位置し、前記励磁コイルの少なくともいくつかの導電部材は、前記複数の第1の平坦な導電領域に属する第2の平坦な導電領域に接続され、前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する前記複数の第2の導電領域に属する少なくとも1つの第1の平坦な導電領域でそれぞれ形成される、薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計に関する。
【0018】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コアを囲う閉じられた外形部または前記コアを囲うカラーを与え、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域とを含む導電部分で形成されてもよい。
【0019】
この種の導電部材の配置に関して、導電部材内の潜在的な幾何学的欠陥によってもたらされるあらゆる寄生効果は、次の導電部材に順送りされない。
【0020】
また、この磁力計は、少なくとも1つの検出コイルを含んでもよい。
【0021】
前記複数の第1の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域と前記複数の第2の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域は、前記所定の主方向に直交する方向に沿って方向付けられてもよい。
【0022】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コアを囲う閉じられた外形部または前記コアを囲うカラーを与え、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域とを含む導電部分と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の前の導電部材または前記励磁信号を与える手段からの電流を送るための第1導電連結部と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の次の導電部材または前記励磁信号を与える手段から電流を送るための第2導電連結部とでそれぞれ形成されてもよい。
【0023】
考えられる実施形態によれば、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域は、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面に位置し、前記第2の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている。
【0024】
閉じられた導電外形部を与える前記導電部分は、第3の平坦な導電領域と、前記第3の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている第4の平坦な導電領域と、をさらに含んでもよく、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域にそれぞれ接続されると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面に位置してもよい。
【0025】
第2の可能性によれば、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置してもよい。
【0026】
閉じられた外形部を与える前記導電部分は、前記第1コアを部分的に囲う第1導電部と前記第2コアを部分的に囲う第2導電部とで形成されてもよく、前記第1導電部と前記第2導電部は同一であってもよい。
【0027】
前記第1導電接続部と前記第2導電接続部は、コアの間に位置し、前記所定の主方向に平行な方向に方向付けられもよく、前記第2接続部と前記第1接続部は、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面と前記支持体の前記主平面に平行な第2平面にそれぞれ位置してもよい。
【0028】
本発明による装置は、前記コアの周囲に巻かれる少なくとも1つの検出コイルを追加的に含み、前記検出コイルと前記励磁コイルがインターレースされるような方法で配置されうる。
【0029】
考えられる実施形態によれば、前記検出コイルは、前記コアが前記第1平面と前記第2平面の間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面の全ての前記コアに対向すると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面の全てのコアに対向して交互にそれぞれ通過する一連の巻線で形成されてもよい。
【0030】
ある変形例によれば、前記検出コイルは、直列に接続される一連の導電巻線で形成されてもよく、前記検出コイルの複数の巻線は、互いに平行で、前記支持体の前記主平面に平行な平面の前記磁気回路の前記コアに対向してそれぞれ位置し、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向にそれぞれ延長する複数の平坦な導電領域をそれぞれ含んでもよく、前記検出コイルの前記平坦な導電領域は、前記励磁コイルの前記平坦な導電領域の幅lcより大きい幅l’cを有してもよい。
【0031】
また、本発明は、第1の主方向に沿って方向付けられるコアを備えた上記に定義される第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、前記第1の主方向に対して直交する第2の主方向に沿って方向付けられたコアを備えた上記に定義される少なくとも1つの第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、を含む装置に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、単に説明のために与えられ、限定的なものではない実施例の説明を読み、添付の図面を参照することによってより明らかになるであろう。
【0033】
図1A及び1Bは、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“ベーカイヤー”コイルの配置と“フォスター”コイルの配置をそれぞれ示す。図2は、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の例を示す。図3は、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の他の例を示す。図4A及び4Bは、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における正面図と断面図を示す。図5A及び5Bは、特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。図6は、本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の励磁コイルと検出コイルの配置と構造の例を示す。図7は、本発明による2軸マイクロ磁力計の例を示す。図8は、図6のマイクロ磁力計を用いて実現される励磁の等価電気回路図を示す。図9は、2より多いコア数を有する本発明によるフラックスゲート型磁力計の例の励磁の等価電気回路図を示す。
【0034】
異なる図において全く同一の又は均等な部材は、ある図から他の図へ移動することを容易にするために同じ参照符号が付されている。
【0035】
図に示される様々な部材は、図をより分かりやすくするために均一な大きさで示されている必要はない。
【0036】
薄膜内に提供されたフラックスゲート型磁力計のある例、特に励磁コイル410及び検出コイル420に関連する磁気回路を含む装置は、図5A及び5Bに示される。この装置は、図5Aに正面図が、図5BにC’C断面図(図5Aに示されるC’C断面)が示される。この装置は、特に改善された配置と構造の励磁コイル410を含む。また、検出コイル420は、改善された配置と構造を有してもよい。
【0037】
この磁気回路は、支持体上に提供される。その支持体は、基板100の形態でありえ、それは例えば半導体であり、薄層の積層体101によって覆われる。この磁気回路は、所定の主方向を有する第1磁気コア102(第1コア102の主方向は、図5A、5Bで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向によって定義される)と、この第1コア102の主方向に対して平行な主方向の第2磁気コア104とで形成される。
【0038】
この例では、第1コア102と第2コア104は、互いに接続されておらず、支持体の主平面に平行な同一平面に位置する(支持体の主平面は、基板100または積層体101を通過する平面であって、直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルの[0;iベクトル;jベクトル]平面に平行として定義される)。
【0039】
この第1磁気コア102と第2磁気コア104は、例えばFeNiのような磁気材料に基づく平行六面体ブロック形状でありえ、誘電材料層上に置かれている。このコア102、104は、例えば100μmから10,000μmの長さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定された長さ)をそれぞれ有することができ、1,000μm程度でありえる。
【0040】
このコア102、104のそれぞれの幅は、例えば10μmから1,000μmの長さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のjベクトルに平行な方向で測定された長さ)を有することができ、100μm程度でありえる。このコア102、104は、例えば0.1μmから50μmの厚さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のkベクトルに平行な方向で測定された長さ)、または、1μmから5μmの厚さをそれぞれ有することができる。
【0041】
この励磁コイル410と検出コイル420は、インターレースされてもよい。
【0042】
この励磁コイル410と検出コイル420は、複数の平坦な導電領域を含む。例えばコア102、104の下に位置する支持体の主平面に平行な第1面に位置する平坦な導電領域があり、例えば支持体の主平面に平行でコア102、104の上に位置する第2平面に位置する平坦な導電領域もある。前記平坦な導電領域は、互いに平行であり、ゼロではない角度を形成する方向、例えば第1コア102の主方向に対する直交方向にそれぞれ延びる(この第1コアの主方向は、図5Aの直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向である)。“平坦な導電領域”は、形状が平行六面体または実質的な平行六面体である金属ブロックを意味するものとして本明細書を通して用いられる。
【0043】
この平坦な導電領域411、412、413、414は、それらのそれぞれの厚さec(図5A及び5Bで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)よりも大きい幅lc(図5Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)を有してもよい。例えば、幅lcは、それぞれの厚さecの大きさの少なくとも2倍であり、または、それぞれの厚さecの大きさの少なくとも3倍である。この導電領域411、412、413、414は、0.1μmから50μm、例えば1μmから5μmの厚さecを有してもよく、例えば3μm程度である。この導電領域411、412、413、414は、1μmから50μmの幅lcをそれぞれ有してもよく、例えば10μm程度であり、または、例えば3μm程度である。
【0044】
例えば0.1μmから10μm、または、例えば0.1μmから3μm、好ましくは1マイクロメートル未満の厚さを有する誘電材料層107は、コア102、104とこの第1面に位置する前記平坦な導電領域411、412との間に位置する。例えば0.1μmから10μm、または、例えば0.1μmから3μm、好ましくは1マイクロメートル未満の厚さを有する誘電材料層109は、この第2面に位置する前記平坦な導電領域413、414のコア102、104を分離する。
【0045】
この励磁コイル410は、コア102及びコア104に沿って直列に接続された一連の導電部材からなる。この励磁コイルの導電要素は、2つのコア102、104を囲う閉じられた外形部(輪郭)を提供する導電部分と、前記導電部分に接続される第1導電リンク418と、前記導電部分と接続され、第1リンク418と異なる第2導電リンク419とで形成される。閉じられた外形部を提供する導電部分は、第1コア102を部分的に囲う第1導電部分と、第2コア104を部分的に囲う第2導電部分とで形成される(図5B、この第2リンクは、この図に示されていない)。この第1導電部分と第2導電部分は、U形状であってもよい。この第1導電部分と第2導電部分は、同一物であってもよい。
【0046】
この第1リンク418と第2リンク419は、コア102、104の所定の主方向に平行な方向に方向付けられ、第1面及び第2面に位置する。この励磁コイルの導電部材において、前記第1リンク418または第2リンク419の一方は、2つのコア102、104の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部分に向けて電流Iを送るためのものであり、前記第2リンク419または第1リンク418の他方は、閉じられた外形部を提供する前記導電部分から来る電流Iを送るためのものである。所定の導電部材が前記励磁コイルの一端に位置する場合には、この所定の導電部材の前記第1リンクまたは第2リンクの一方は、励磁信号を印加するための導電接触部230、232に接続され、前記第1リンク及び第2リンクの他方は、励磁コイル410の他の導電部材に接続される。この励磁コイル410の他の導電部材において、前記第1リンクまたは第2リンクの一方、例えば、第1リンク418は、励磁コイルを形成する一連の導電部材の前述の導電部材に接続され、前記第1リンクまたは第2リンクの他方、例えば第2リンク419は、励磁コイル410を形成する一連の導電部材の次の導電部材に接続される。この励磁コイルの導電部材は、前記導電部材の一方に達する電流Iが、例えば第1リンク418を介して、閉じられた外形部を形成する前記導電部分に接続されるリンク418、419の一方を通過し、次いで、導電部材の出力部において前記導電部分を形成する2つの部分の間の2つの電流要素に分割され、この2つの電流要素が、2つのリンクの他方、例えば第2リンク419で再び集められるように配置される。
【0047】
この実施形態では、この電流は、第1コア102と第2コア104の周囲の閉じられた外形部を提供する導電部分の前記2つの導電部分の間に同期方法で分割される。この種の導電部材の配置に関して、導電部材内で起こり得る幾何学的な欠陥によってもたらされるあらゆる寄生効果は、後続の導電部材上に順送りされない。
【0048】
この励磁コイル410の導電部材は、特に、第1コア102に対向する第1平面に位置し、所定の主方向に直交する方向に伸び、所定の主方向に直交する方向に延長する第2コア104に対向して位置する平坦な第2導電領域412に接続される平坦な第1導電領域411でそれぞれ形成される。平坦な第2導電領域412は、平坦な第1導電領域411に位置合わせされ、その延長部に位置する。この励磁コイル410の導電部材は、さらに、第1コア102に対向する第2面に位置し、所定の主方向に直交する方向に延長する第3の平坦な導電領域413と、平坦な第3導電領域413に接続され、第2コア104に対向して位置する平坦な第4導電領域414とでそれぞれ形成される。この平坦な第3導電領域413は、平坦な第4導電領域414に位置合わせされ、その延長部に位置する。この平坦な第1導電領域411と平坦な第3導電領域413は、一方が他方の上に積層されることができる。この平坦な第2導電領域412と平坦な第4導電領域414は、一方が他方の上に積層されることができる。支持体の主平面に直交する第1垂直配線416または第1ビア416は、平坦な第1導電領域411を平坦な第3導電領域413に接続するために提供することができる。この基板の主平面に直交する第2垂直配線417または第2ビア417は、平坦な第2導電領域412を平坦な第4導電領域414に接続する。第1導電領域411、第2導電領域412、第3導電領域413、第4導電領域414、第1垂直配線416及び第2垂直配線417は、コア102、104の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部分を形成する。
【0049】
励磁コイル410の一連の導電部材は、垂直配線415を介して互いに接続され、導電部材の前記第1リンク418または第2リンク419の一方を他の導電部材の前記第2リンクまたは第1リンクに接続する。
【0050】
検出コイル420は、コア102、104に沿って直列に接続された一連の導電巻線からなる。この検出コイルの導電巻線は、一般に“フォスター”と呼ばれるタイプの配置を有してもよい。
【0051】
この検出コイル420は、第1コア102と第2コア104との周囲を巻く一連の巻線で形成され、この巻線は、コア102、104に対向する第2平面とコア104、102に対向する第1平面とを交互に通過する。この検出コイル410は、特に、第1平面または第2平面に位置し、コア102、104に沿って配置された平坦な異なる導電領域421、422で形成される。この検出コイル420の前記平坦な導電領域421、422は、互いに平行であり、それぞれ第1コア102の主方向に対してゼロでない角度を形成する方向、例えば直交方向にそれぞれ延長する。この検出コイル420の平坦な導電領域は、検出コイル420の平坦な導電領域のそれぞれの幅lcより大きい(例えば少なくとも2倍大きい)それぞれの幅l’cを有してもよい(幅lc及びl’cは、図9Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)。この検出コイル420の平坦な導電領域の幅l’cは、例えば5μmから30μmでありえ、励磁コイル410の平坦な導電領域の幅lcは、例えば5μmから15μmでありえる。
【0052】
励磁コイル410よりも幅広い導電領域からなる検出コイル420は、フィールドフリーを行うために、磁力計の感度を改善することを可能にし、カウンターリアクションフィールドを均一化させる。
【0053】
この装置は、導電接触部230、232、240、242も含む。第1導電接触部230と第2導電接触部232は、コア102、104の第1端に位置する励磁コイル410の第1導電部材と、コア102、104の第2端に位置する励磁コイル410の第2導電部材にそれぞれ接続される。第3導電接触部240と第4導電接触部242は、コア102、104の第1端に位置する検出コイル120の第1巻線と、コア102、104の第2端に位置する検出コイル120の第2巻線にそれぞれ接続される。
【0054】
前述のような装置に関して、励起磁場は、検出コイル内で相殺されることができる。検出される信号は、比例的に増加されるノイズなしに2倍になる。この種の配置に関して、ノイズ源は、2つのコア間で相関しない。
【0055】
図8には、コア102、104の周囲に提供される励磁の等価電気回路図が提供される。
【0056】
この励磁は、電流Iがコア102、104の周囲の第1回転に従って流れ、それ自体が2つの分流I/2に分割され、それぞれがこの2つのコアの一方の付近に流れるように行われる。次いで、この第1回転の端部では、この2つの分流I/2は、組み合わされ、全体の電流Iを形成し、再び2つのコアのそれぞれの付近で2つの分流I/2に分割され、第2回転を生じさせるために、再び組み合わされ、全体の電流Iを形成する。それが磁気回路の他端に至るまで続けられる。
【0057】
第1導電接触部230と第2導電接触部232は、励磁信号発生器250に接続されることができ、コア102、104に励磁信号を送るために提供される(図6)。
【0058】
直前に記載された装置の変形例(不図示)は、閉磁路を含む。この種の変形例では、コア102、104は、第3コアと第4コアをそれぞれ形成する磁気材料に基づく2つの領域によって接続される。第3コアと第4コアは、第1コア102と第2コアにそれぞれ接続され、第1コア102と第2コア104の主方向に直交する方向に方向付けられている。この第1コア102、第2コア104、第3コア及び第4コアは、閉じられた外形部を提供する。
【0059】
2軸マイクロフラックスゲート装置は、図7に示される。
【0060】
この装置は、前述の第1コア102、第2コア104、励磁コイル410及び検出コイル420を有する第1磁気回路を含む、図6に関連して示されたような第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計M1を含む。
【0061】
2軸マイクロフラックスゲートは、他の2つの並置されたコア102、104、他の励磁コイル410及び他の検出コイル420を有する第2磁気回路を含む、追加的に第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計M2を含む。この第2のマイクロ磁力計M2は、第1のマイクロ磁力計M1と同一の構造を有し、第1の磁力計M1のコアの主方向に対する第2の所定の主方向に延長するコア102、104を備える。
【0062】
コイル410、420に関連する第1の磁気回路は、前記第1の主方向に沿って磁界測定を行うために提供され、他のコイル410、420に関連する第2の磁気回路は、前記第1の主方向に直交な第2の方向に沿って磁界測定を行うために提供される。
【0063】
他の実験例によれば、本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計は、支持体上に並置された平行な磁気コアが数k(kは、2より大きい整数、例えば5である)を有して備えられる。このマイクロ磁力計は、インターレースされる励磁コイル410と検出コイル420とを備えている。
【0064】
一対よりもN対のコアを備える装置を用いることによって、信号対ノイズ比を2×Nの平方根の関係で増加させることができ、検出された信号は、2×Nの比で増加し、ノイズは、2×Nの平方根の関係で増加する。
【0065】
典型的には、5対のコアを有する装置が使用され、信号対ノイズ比は、√10、つまり約3.16の比で改善されることができる。
【0066】
コアあたりの励磁コイルの導電外形部の数を減少することによって信号を増加することなしに信号対ノイズ比を改善することを選択することも可能である。
【0067】
本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の変形例は、kが6である、すなわち6つのコア402、404、502、504、602、604を備えることもできる。
【0068】
図9では、コア302、304、402、404、502、504の周囲に提供されるこの種の装置の励磁の等価電気回路が与えられる。この励磁コイルの平坦な導電領域は、コアの下に位置し、不連続線で図示され、コアの上に位置する励磁コイルの平坦な導電領域は、実線で図示される。
【0069】
k個のコアの場合、この励磁コイルは、電流の全体の分流をIからk×lに増加するように配置されることができ、コアのそれぞれの対は、電流の分流Iを受け取り、それぞれのコアは、電流の分流I/2を受け取る。
【0070】
この励磁コイルの導電部材は、6つのコア302、304、402、404、502、504の周囲の閉じられた外形部を提供する導電部分でそれぞれ形成される。コア302、304の間に位置する第1リンク518、コア402、404の間に位置する第2リンク618、コア502、503に位置する第3リンクは、それぞれ、6つのコア302、304、402、404、502、504の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部材に向けて電流Iを送るためのものである。コア302、304の間に位置する第4リンク519、コア302、304の間に位置する第5リンク、コア302、304の間に位置する第6リンクは、閉じられた外形部を提供する導電部材から電流Iを送るためのものである。
【0071】
この励磁コイルの導電部材は、第1リンク518に到達する電流Iが2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続した近接するコア304、402に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第5リンク519に達し、2つの要素の他方が第5リンク619に達するようなものである。
【0072】
第2リンク618に達する電流Iは、2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続した近接するコア402、304に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第5リンク519に達し、2つの連続した近接するコア404、502に対向して通過した後に、2つの要素の他方が第7リンク619に達する。
【0073】
第3リンク718に達する電流Iは、2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続したコア502、404に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第6リンク619に達し、2つの要素の他方が第7リンク719に達する。
【0074】
1つの分流I/2は、それぞれの回転の端部において、このようは方法で、コア付近の第1の半分の回転と並置された近接したコアの付近の第2の半分の回転とをもたらし、それぞれの対は、実際に全体の分流Iを受け取る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“ベーカイヤー”コイルの配置を示す。
【図1B】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“フォスター”コイルの配置を示す。
【図2】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の例を示す。
【図3】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の他の例を示す。
【図4A】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における正面図を示す。
【図4B】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における断面図を示す。
【図5A】特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。
【図5B】特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。
【図6】本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の励磁コイルと検出コイルの配置と構造の例を示す。
【図7】本発明による2軸マイクロ磁力計の例を示す。
【図8】図6のマイクロ磁力計を用いて実現される励磁の等価電気回路図を示す。
【図9】2より多いコア数を有する本発明によるフラックスゲート型磁力計の例の励磁の等価電気回路図を示す。
【符号の説明】
【0076】
100 基板
101 積層体
102 第1磁気コア
104 第2磁気コア
107 誘電材料層
230、232、240、242 導電接触部
302、304、402、404、502、504、602、604 コア
410 励磁コイル
411、412、413、414 導電領域
420 検出コイル
418 第1導電リンク
419 第2導電リンク
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ技術及び磁力計または磁気センサの分野に関し、少なくとも1つの励磁コイルと少なくとも1つの検出コイルとを有する磁気回路を備えた、薄膜に実現されるフラックスゲート型の磁力計装置を提供する。特に、励磁コイルは、改善された配置と構造を有する。
【0002】
本発明による装置は、磁力計の立ち上がり点、測定精度、特に測定“オフセット”減少に関する測定精度、同相除去において改善をもたらす。
【背景技術】
【0003】
“フラックスゲート”型磁力計は、磁界を測定するために使用され、その磁界は、弱いこともあり、場合によっては非常に弱いこともあり、磁力計の寸法によるが、例えば、1ナノテスラないしは数ピコテスラ程度の分解能を有する1マイクロテスラ程度である。通常、“フラックスゲート”型磁力計は、センサ、そのセンサに周期的な励磁信号を提供することができる励磁手段または励磁回路、及び、そのセンサの出力部にある検出手段または検出回路を備える。一般的に、このセンサは、磁気コアで形成される磁気回路、磁気回路の励磁に関与する1つ又は複数のコイル、及び、測定に関与する1つ又は複数の“受信”または“検出”コイルを含む。これらの要素は、接近して動作する。例えば、検出は、いわゆる“ベーカイヤー(Vacquire)”または“フォスター(Foster)”タイプのフラックスゲート型磁力計で励磁信号の周波数の2倍で実行される。
【0004】
図1Aには、“ベーカイヤー”タイプのフラックスゲート型磁力計の第1例、特に励磁コイル及び検出コイルに関連するこの磁力計の磁気回路が与えられる。この磁気回路は、オープンタイプであり、第1コア2及びその第1コア2に平行な第2コア4を含む。励磁コイル6は、第2コア4に巻かれた一連の第1巻線6bに直列に接続される、第1コア2に巻かれた一連の第1巻線6aで形成される。検出コイル8は、第2コア4に巻かれた一連の巻線8bに直列に接続される、第1コア2に巻かれた一連の巻線8aで形成される。励磁コイル6と検出コイル8は、インターレース(組み合わせ)されていてもよい。
【0005】
図1Bには、励磁コイル及び検出コイルに関連する“フォスター”タイプのフラックスゲート型磁力計の磁気回路の第2例が示される。この装置でも、磁気回路は、第1コア2及びこの第1コア2に平行な第2コア4で形成される。前述の“ベーカイヤー”装置の励磁コイルと同様の配置を有する励磁コイル6が提供される。検出コイル10は、第1コア2及び第2コア4に巻かれた一連の巻線で形成され、この巻線は、2つのコア2、4の上に位置する平面、次いで2つのコア2、4の下に位置する他の平面を交互に通過する。励磁コイル6と検出コイル8は、インターレースされてもよい。
【0006】
前述の一方または他方のフラックスゲート型磁力計において、この磁力計は、励磁コイル6によって生成される磁場Hexcによって励磁されるコア2及びコア4から生じる信号を組み合わせる方法によって与えられる外部磁場を測定する。コイルの配置は、例えば、Hexc+H0に等しい磁場が第1コア2内で生成され、−Hexc+H0の磁場が第2コア4内で生成されるようなものである。検出コイル出力部で収集される信号は、通常、特に測定されるべき磁場の大きさの程度が弱い場合にオフセットを含み、それは、特に大きいものとなる。
【0007】
磁力計は、マイクロ技術の分野に適用されることができ、例えば集積回路に内蔵される。次いで、それらは、薄膜内での実施技術を用いて製造される。薄膜内に形成される磁力計は、1マイクロメートルまたはそれ未満の程度でありえる薄層を有して1ミリメートル未満の程度のサイズに達することができる。
【0008】
磁力計の磁気回路の磁気コア22に巻かれる励磁コイル25は、図2に示される。磁気コア22は、所定の主方向(図2で定義される直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル、kベクトル]のiベクトルに平行)に延び、薄膜の積層体21で覆われた基板20の形態であり得る支持体上に置かれる。励磁コイル25は、基板20とコア22との間に位置する平面に形成された複数の第1導電領域26と、磁気コア22の上に位置する複数の第2導電領域28とで形成され、複数の第2導電領域28のそれぞれの導電領域は、一般的にビアとして知られる垂直配線27によって複数の第1導電領域26の導電領域26に接続される。この装置では、励磁コイルの配置は、複数の第2導電領域28の導電領域がコア22の主方向に対して直交する平面を有してゼロではない角度を形成するようになる。さらに、励磁コイル25は、検出コイル(不図示)とインターレースされない。
【0009】
文献“Integrated microfluxgate study and characterization”(Proc. Eurosensors XI, vol.1, 199, p.267-270, Leger et al.)と文献“Microfluxgate Performance Improvement in Microtechnology”(Joistn and al. November 2005, IEEE transaction on magnetics, vol.41 issue 11 p.4356-4358)は、互いに接続され、閉磁路を形成する2つのコア32、34と、検出コイル38の両側の磁気回路のコア32、34に巻かれた励磁コイル36、37とを含むフラックスゲート型磁力計を示す(図3)。この装置は、図3に関連して前述されたものとは異なる。特に、より大きな誘導される磁場振幅を得ることを可能にするコア32、34に直交する平面にそれぞれ位置する巻線を励磁コイルが含むという点で異なる。しかしながら、この種の装置では、図3に関連して前述されたもののように、励磁コイル及び検出コイルは、離隔した領域内のコア付近に配置され、それは、立ち上がり点の問題をもたらす。
【0010】
従来技術によるフラックスゲート型磁力計の薄膜の実施形態の他の例、特に、励磁コイルと検出コイルに関連する磁力計の磁気回路を含むマイクロ技術装置は、図4Aに正面図が、図4BにX’X断面図が示される(断面X’Xは、図4Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向によって示される。)。この装置は、磁気コア40にインターレースされて配置された励磁コイル42と検出コイル44とを含む。この励磁コイル42と検出コイル44は、特に、磁気コア40上に位置する一連の平行な第1導電領域46と、磁気コア6の下に位置する一連の平行な第2導電領域48とを含む。励磁コイル42と検出コイル44のそれぞれにおいて、第1のシリーズの導電領域46は、第2のシリーズの導電領域44の反対側に位置する。第1のシリーズの導電領域46と第2のシリーズの導電領域44は、一般に“ビア”として知られる垂直配線49によって接続される。励磁コイル42と検出コイル44は、それぞれソレノイドを形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、立ち上がり及び測定性能の点において改善をもたらす新規なフラックスゲート型磁力計装置を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、いくつかのコアとそのコアに対して改善された構造及び配置を有する少なくとも1つの励磁コイルとで形成される磁気回路を含む、薄膜内に実現された磁気測定装置または磁力計を提供することである。この励磁コイルは、通常のソレノイドとは異なる構造を有する。この励磁コイルの配置は、通常の励磁コイル配置で見られる分配ラインを避け、または、位相シフト効果を防止することを可能にする。
【0013】
この励磁コイルは、コアを囲う一連の閉じられた導電外形部で形成され、この導電外形部は直列に接続されている。
【0014】
導電外形部は、このコアの周囲のカラーを形成する電気的導電部分を意味する。
【0015】
本発明によるマイクロ磁力計または磁力計のコアの数は、2つに限定されない。この励磁コイルは、2つより多いコアを囲う一連の閉じられた導電外形部で形成されてもよく、この導電外形部は、互いに接続される。
【0016】
本発明は、これらのコアによって生じる磁気現象が空間的に同期されることを可能にする。
【0017】
本発明は、第1に、所定の主平面を有する支持体と、所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コアと、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コアと、を備えた磁気回路と、直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイルと、前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含み、前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域を含み、複数の第1の平坦な導電領域は、前記第1コアに対向して位置し、複数の第2の平坦な導電領域は、前記第2コアに対向して位置し、前記励磁コイルの少なくともいくつかの導電部材は、前記複数の第1の平坦な導電領域に属する第2の平坦な導電領域に接続され、前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する前記複数の第2の導電領域に属する少なくとも1つの第1の平坦な導電領域でそれぞれ形成される、薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計に関する。
【0018】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コアを囲う閉じられた外形部または前記コアを囲うカラーを与え、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域とを含む導電部分で形成されてもよい。
【0019】
この種の導電部材の配置に関して、導電部材内の潜在的な幾何学的欠陥によってもたらされるあらゆる寄生効果は、次の導電部材に順送りされない。
【0020】
また、この磁力計は、少なくとも1つの検出コイルを含んでもよい。
【0021】
前記複数の第1の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域と前記複数の第2の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域は、前記所定の主方向に直交する方向に沿って方向付けられてもよい。
【0022】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コアを囲う閉じられた外形部または前記コアを囲うカラーを与え、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域とを含む導電部分と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の前の導電部材または前記励磁信号を与える手段からの電流を送るための第1導電連結部と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の次の導電部材または前記励磁信号を与える手段から電流を送るための第2導電連結部とでそれぞれ形成されてもよい。
【0023】
考えられる実施形態によれば、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域は、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面に位置し、前記第2の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている。
【0024】
閉じられた導電外形部を与える前記導電部分は、第3の平坦な導電領域と、前記第3の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている第4の平坦な導電領域と、をさらに含んでもよく、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域にそれぞれ接続されると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面に位置してもよい。
【0025】
第2の可能性によれば、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置してもよい。
【0026】
閉じられた外形部を与える前記導電部分は、前記第1コアを部分的に囲う第1導電部と前記第2コアを部分的に囲う第2導電部とで形成されてもよく、前記第1導電部と前記第2導電部は同一であってもよい。
【0027】
前記第1導電接続部と前記第2導電接続部は、コアの間に位置し、前記所定の主方向に平行な方向に方向付けられもよく、前記第2接続部と前記第1接続部は、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面と前記支持体の前記主平面に平行な第2平面にそれぞれ位置してもよい。
【0028】
本発明による装置は、前記コアの周囲に巻かれる少なくとも1つの検出コイルを追加的に含み、前記検出コイルと前記励磁コイルがインターレースされるような方法で配置されうる。
【0029】
考えられる実施形態によれば、前記検出コイルは、前記コアが前記第1平面と前記第2平面の間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面の全ての前記コアに対向すると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面の全てのコアに対向して交互にそれぞれ通過する一連の巻線で形成されてもよい。
【0030】
ある変形例によれば、前記検出コイルは、直列に接続される一連の導電巻線で形成されてもよく、前記検出コイルの複数の巻線は、互いに平行で、前記支持体の前記主平面に平行な平面の前記磁気回路の前記コアに対向してそれぞれ位置し、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向にそれぞれ延長する複数の平坦な導電領域をそれぞれ含んでもよく、前記検出コイルの前記平坦な導電領域は、前記励磁コイルの前記平坦な導電領域の幅lcより大きい幅l’cを有してもよい。
【0031】
また、本発明は、第1の主方向に沿って方向付けられるコアを備えた上記に定義される第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、前記第1の主方向に対して直交する第2の主方向に沿って方向付けられたコアを備えた上記に定義される少なくとも1つの第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、を含む装置に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は、単に説明のために与えられ、限定的なものではない実施例の説明を読み、添付の図面を参照することによってより明らかになるであろう。
【0033】
図1A及び1Bは、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“ベーカイヤー”コイルの配置と“フォスター”コイルの配置をそれぞれ示す。図2は、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の例を示す。図3は、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の他の例を示す。図4A及び4Bは、従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における正面図と断面図を示す。図5A及び5Bは、特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。図6は、本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の励磁コイルと検出コイルの配置と構造の例を示す。図7は、本発明による2軸マイクロ磁力計の例を示す。図8は、図6のマイクロ磁力計を用いて実現される励磁の等価電気回路図を示す。図9は、2より多いコア数を有する本発明によるフラックスゲート型磁力計の例の励磁の等価電気回路図を示す。
【0034】
異なる図において全く同一の又は均等な部材は、ある図から他の図へ移動することを容易にするために同じ参照符号が付されている。
【0035】
図に示される様々な部材は、図をより分かりやすくするために均一な大きさで示されている必要はない。
【0036】
薄膜内に提供されたフラックスゲート型磁力計のある例、特に励磁コイル410及び検出コイル420に関連する磁気回路を含む装置は、図5A及び5Bに示される。この装置は、図5Aに正面図が、図5BにC’C断面図(図5Aに示されるC’C断面)が示される。この装置は、特に改善された配置と構造の励磁コイル410を含む。また、検出コイル420は、改善された配置と構造を有してもよい。
【0037】
この磁気回路は、支持体上に提供される。その支持体は、基板100の形態でありえ、それは例えば半導体であり、薄層の積層体101によって覆われる。この磁気回路は、所定の主方向を有する第1磁気コア102(第1コア102の主方向は、図5A、5Bで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向によって定義される)と、この第1コア102の主方向に対して平行な主方向の第2磁気コア104とで形成される。
【0038】
この例では、第1コア102と第2コア104は、互いに接続されておらず、支持体の主平面に平行な同一平面に位置する(支持体の主平面は、基板100または積層体101を通過する平面であって、直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルの[0;iベクトル;jベクトル]平面に平行として定義される)。
【0039】
この第1磁気コア102と第2磁気コア104は、例えばFeNiのような磁気材料に基づく平行六面体ブロック形状でありえ、誘電材料層上に置かれている。このコア102、104は、例えば100μmから10,000μmの長さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定された長さ)をそれぞれ有することができ、1,000μm程度でありえる。
【0040】
このコア102、104のそれぞれの幅は、例えば10μmから1,000μmの長さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のjベクトルに平行な方向で測定された長さ)を有することができ、100μm程度でありえる。このコア102、104は、例えば0.1μmから50μmの厚さ(直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のkベクトルに平行な方向で測定された長さ)、または、1μmから5μmの厚さをそれぞれ有することができる。
【0041】
この励磁コイル410と検出コイル420は、インターレースされてもよい。
【0042】
この励磁コイル410と検出コイル420は、複数の平坦な導電領域を含む。例えばコア102、104の下に位置する支持体の主平面に平行な第1面に位置する平坦な導電領域があり、例えば支持体の主平面に平行でコア102、104の上に位置する第2平面に位置する平坦な導電領域もある。前記平坦な導電領域は、互いに平行であり、ゼロではない角度を形成する方向、例えば第1コア102の主方向に対する直交方向にそれぞれ延びる(この第1コアの主方向は、図5Aの直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向である)。“平坦な導電領域”は、形状が平行六面体または実質的な平行六面体である金属ブロックを意味するものとして本明細書を通して用いられる。
【0043】
この平坦な導電領域411、412、413、414は、それらのそれぞれの厚さec(図5A及び5Bで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)よりも大きい幅lc(図5Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)を有してもよい。例えば、幅lcは、それぞれの厚さecの大きさの少なくとも2倍であり、または、それぞれの厚さecの大きさの少なくとも3倍である。この導電領域411、412、413、414は、0.1μmから50μm、例えば1μmから5μmの厚さecを有してもよく、例えば3μm程度である。この導電領域411、412、413、414は、1μmから50μmの幅lcをそれぞれ有してもよく、例えば10μm程度であり、または、例えば3μm程度である。
【0044】
例えば0.1μmから10μm、または、例えば0.1μmから3μm、好ましくは1マイクロメートル未満の厚さを有する誘電材料層107は、コア102、104とこの第1面に位置する前記平坦な導電領域411、412との間に位置する。例えば0.1μmから10μm、または、例えば0.1μmから3μm、好ましくは1マイクロメートル未満の厚さを有する誘電材料層109は、この第2面に位置する前記平坦な導電領域413、414のコア102、104を分離する。
【0045】
この励磁コイル410は、コア102及びコア104に沿って直列に接続された一連の導電部材からなる。この励磁コイルの導電要素は、2つのコア102、104を囲う閉じられた外形部(輪郭)を提供する導電部分と、前記導電部分に接続される第1導電リンク418と、前記導電部分と接続され、第1リンク418と異なる第2導電リンク419とで形成される。閉じられた外形部を提供する導電部分は、第1コア102を部分的に囲う第1導電部分と、第2コア104を部分的に囲う第2導電部分とで形成される(図5B、この第2リンクは、この図に示されていない)。この第1導電部分と第2導電部分は、U形状であってもよい。この第1導電部分と第2導電部分は、同一物であってもよい。
【0046】
この第1リンク418と第2リンク419は、コア102、104の所定の主方向に平行な方向に方向付けられ、第1面及び第2面に位置する。この励磁コイルの導電部材において、前記第1リンク418または第2リンク419の一方は、2つのコア102、104の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部分に向けて電流Iを送るためのものであり、前記第2リンク419または第1リンク418の他方は、閉じられた外形部を提供する前記導電部分から来る電流Iを送るためのものである。所定の導電部材が前記励磁コイルの一端に位置する場合には、この所定の導電部材の前記第1リンクまたは第2リンクの一方は、励磁信号を印加するための導電接触部230、232に接続され、前記第1リンク及び第2リンクの他方は、励磁コイル410の他の導電部材に接続される。この励磁コイル410の他の導電部材において、前記第1リンクまたは第2リンクの一方、例えば、第1リンク418は、励磁コイルを形成する一連の導電部材の前述の導電部材に接続され、前記第1リンクまたは第2リンクの他方、例えば第2リンク419は、励磁コイル410を形成する一連の導電部材の次の導電部材に接続される。この励磁コイルの導電部材は、前記導電部材の一方に達する電流Iが、例えば第1リンク418を介して、閉じられた外形部を形成する前記導電部分に接続されるリンク418、419の一方を通過し、次いで、導電部材の出力部において前記導電部分を形成する2つの部分の間の2つの電流要素に分割され、この2つの電流要素が、2つのリンクの他方、例えば第2リンク419で再び集められるように配置される。
【0047】
この実施形態では、この電流は、第1コア102と第2コア104の周囲の閉じられた外形部を提供する導電部分の前記2つの導電部分の間に同期方法で分割される。この種の導電部材の配置に関して、導電部材内で起こり得る幾何学的な欠陥によってもたらされるあらゆる寄生効果は、後続の導電部材上に順送りされない。
【0048】
この励磁コイル410の導電部材は、特に、第1コア102に対向する第1平面に位置し、所定の主方向に直交する方向に伸び、所定の主方向に直交する方向に延長する第2コア104に対向して位置する平坦な第2導電領域412に接続される平坦な第1導電領域411でそれぞれ形成される。平坦な第2導電領域412は、平坦な第1導電領域411に位置合わせされ、その延長部に位置する。この励磁コイル410の導電部材は、さらに、第1コア102に対向する第2面に位置し、所定の主方向に直交する方向に延長する第3の平坦な導電領域413と、平坦な第3導電領域413に接続され、第2コア104に対向して位置する平坦な第4導電領域414とでそれぞれ形成される。この平坦な第3導電領域413は、平坦な第4導電領域414に位置合わせされ、その延長部に位置する。この平坦な第1導電領域411と平坦な第3導電領域413は、一方が他方の上に積層されることができる。この平坦な第2導電領域412と平坦な第4導電領域414は、一方が他方の上に積層されることができる。支持体の主平面に直交する第1垂直配線416または第1ビア416は、平坦な第1導電領域411を平坦な第3導電領域413に接続するために提供することができる。この基板の主平面に直交する第2垂直配線417または第2ビア417は、平坦な第2導電領域412を平坦な第4導電領域414に接続する。第1導電領域411、第2導電領域412、第3導電領域413、第4導電領域414、第1垂直配線416及び第2垂直配線417は、コア102、104の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部分を形成する。
【0049】
励磁コイル410の一連の導電部材は、垂直配線415を介して互いに接続され、導電部材の前記第1リンク418または第2リンク419の一方を他の導電部材の前記第2リンクまたは第1リンクに接続する。
【0050】
検出コイル420は、コア102、104に沿って直列に接続された一連の導電巻線からなる。この検出コイルの導電巻線は、一般に“フォスター”と呼ばれるタイプの配置を有してもよい。
【0051】
この検出コイル420は、第1コア102と第2コア104との周囲を巻く一連の巻線で形成され、この巻線は、コア102、104に対向する第2平面とコア104、102に対向する第1平面とを交互に通過する。この検出コイル410は、特に、第1平面または第2平面に位置し、コア102、104に沿って配置された平坦な異なる導電領域421、422で形成される。この検出コイル420の前記平坦な導電領域421、422は、互いに平行であり、それぞれ第1コア102の主方向に対してゼロでない角度を形成する方向、例えば直交方向にそれぞれ延長する。この検出コイル420の平坦な導電領域は、検出コイル420の平坦な導電領域のそれぞれの幅lcより大きい(例えば少なくとも2倍大きい)それぞれの幅l’cを有してもよい(幅lc及びl’cは、図9Aで直交マーカー[0;iベクトル、jベクトル;kベクトル]のiベクトルに平行な方向で測定される)。この検出コイル420の平坦な導電領域の幅l’cは、例えば5μmから30μmでありえ、励磁コイル410の平坦な導電領域の幅lcは、例えば5μmから15μmでありえる。
【0052】
励磁コイル410よりも幅広い導電領域からなる検出コイル420は、フィールドフリーを行うために、磁力計の感度を改善することを可能にし、カウンターリアクションフィールドを均一化させる。
【0053】
この装置は、導電接触部230、232、240、242も含む。第1導電接触部230と第2導電接触部232は、コア102、104の第1端に位置する励磁コイル410の第1導電部材と、コア102、104の第2端に位置する励磁コイル410の第2導電部材にそれぞれ接続される。第3導電接触部240と第4導電接触部242は、コア102、104の第1端に位置する検出コイル120の第1巻線と、コア102、104の第2端に位置する検出コイル120の第2巻線にそれぞれ接続される。
【0054】
前述のような装置に関して、励起磁場は、検出コイル内で相殺されることができる。検出される信号は、比例的に増加されるノイズなしに2倍になる。この種の配置に関して、ノイズ源は、2つのコア間で相関しない。
【0055】
図8には、コア102、104の周囲に提供される励磁の等価電気回路図が提供される。
【0056】
この励磁は、電流Iがコア102、104の周囲の第1回転に従って流れ、それ自体が2つの分流I/2に分割され、それぞれがこの2つのコアの一方の付近に流れるように行われる。次いで、この第1回転の端部では、この2つの分流I/2は、組み合わされ、全体の電流Iを形成し、再び2つのコアのそれぞれの付近で2つの分流I/2に分割され、第2回転を生じさせるために、再び組み合わされ、全体の電流Iを形成する。それが磁気回路の他端に至るまで続けられる。
【0057】
第1導電接触部230と第2導電接触部232は、励磁信号発生器250に接続されることができ、コア102、104に励磁信号を送るために提供される(図6)。
【0058】
直前に記載された装置の変形例(不図示)は、閉磁路を含む。この種の変形例では、コア102、104は、第3コアと第4コアをそれぞれ形成する磁気材料に基づく2つの領域によって接続される。第3コアと第4コアは、第1コア102と第2コアにそれぞれ接続され、第1コア102と第2コア104の主方向に直交する方向に方向付けられている。この第1コア102、第2コア104、第3コア及び第4コアは、閉じられた外形部を提供する。
【0059】
2軸マイクロフラックスゲート装置は、図7に示される。
【0060】
この装置は、前述の第1コア102、第2コア104、励磁コイル410及び検出コイル420を有する第1磁気回路を含む、図6に関連して示されたような第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計M1を含む。
【0061】
2軸マイクロフラックスゲートは、他の2つの並置されたコア102、104、他の励磁コイル410及び他の検出コイル420を有する第2磁気回路を含む、追加的に第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計M2を含む。この第2のマイクロ磁力計M2は、第1のマイクロ磁力計M1と同一の構造を有し、第1の磁力計M1のコアの主方向に対する第2の所定の主方向に延長するコア102、104を備える。
【0062】
コイル410、420に関連する第1の磁気回路は、前記第1の主方向に沿って磁界測定を行うために提供され、他のコイル410、420に関連する第2の磁気回路は、前記第1の主方向に直交な第2の方向に沿って磁界測定を行うために提供される。
【0063】
他の実験例によれば、本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計は、支持体上に並置された平行な磁気コアが数k(kは、2より大きい整数、例えば5である)を有して備えられる。このマイクロ磁力計は、インターレースされる励磁コイル410と検出コイル420とを備えている。
【0064】
一対よりもN対のコアを備える装置を用いることによって、信号対ノイズ比を2×Nの平方根の関係で増加させることができ、検出された信号は、2×Nの比で増加し、ノイズは、2×Nの平方根の関係で増加する。
【0065】
典型的には、5対のコアを有する装置が使用され、信号対ノイズ比は、√10、つまり約3.16の比で改善されることができる。
【0066】
コアあたりの励磁コイルの導電外形部の数を減少することによって信号を増加することなしに信号対ノイズ比を改善することを選択することも可能である。
【0067】
本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の変形例は、kが6である、すなわち6つのコア402、404、502、504、602、604を備えることもできる。
【0068】
図9では、コア302、304、402、404、502、504の周囲に提供されるこの種の装置の励磁の等価電気回路が与えられる。この励磁コイルの平坦な導電領域は、コアの下に位置し、不連続線で図示され、コアの上に位置する励磁コイルの平坦な導電領域は、実線で図示される。
【0069】
k個のコアの場合、この励磁コイルは、電流の全体の分流をIからk×lに増加するように配置されることができ、コアのそれぞれの対は、電流の分流Iを受け取り、それぞれのコアは、電流の分流I/2を受け取る。
【0070】
この励磁コイルの導電部材は、6つのコア302、304、402、404、502、504の周囲の閉じられた外形部を提供する導電部分でそれぞれ形成される。コア302、304の間に位置する第1リンク518、コア402、404の間に位置する第2リンク618、コア502、503に位置する第3リンクは、それぞれ、6つのコア302、304、402、404、502、504の周囲の閉じられた外形部を提供する前記導電部材に向けて電流Iを送るためのものである。コア302、304の間に位置する第4リンク519、コア302、304の間に位置する第5リンク、コア302、304の間に位置する第6リンクは、閉じられた外形部を提供する導電部材から電流Iを送るためのものである。
【0071】
この励磁コイルの導電部材は、第1リンク518に到達する電流Iが2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続した近接するコア304、402に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第5リンク519に達し、2つの要素の他方が第5リンク619に達するようなものである。
【0072】
第2リンク618に達する電流Iは、2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続した近接するコア402、304に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第5リンク519に達し、2つの連続した近接するコア404、502に対向して通過した後に、2つの要素の他方が第7リンク619に達する。
【0073】
第3リンク718に達する電流Iは、2つの電流要素I/2に分割され、2つの連続したコア502、404に対向して通過した後に、2つの要素の一方が第6リンク619に達し、2つの要素の他方が第7リンク719に達する。
【0074】
1つの分流I/2は、それぞれの回転の端部において、このようは方法で、コア付近の第1の半分の回転と並置された近接したコアの付近の第2の半分の回転とをもたらし、それぞれの対は、実際に全体の分流Iを受け取る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“ベーカイヤー”コイルの配置を示す。
【図1B】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の“フォスター”コイルの配置を示す。
【図2】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の例を示す。
【図3】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルの配置の他の例を示す。
【図4A】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における正面図を示す。
【図4B】従来技術によるフラックスゲート型磁力計の励磁コイルと検出コイルの他の例における断面図を示す。
【図5A】特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。
【図5B】特有の構造と配置を有する励磁コイルと検出コイルをそれぞれ備える本発明によるフラックスゲート型磁力計の例を示す。
【図6】本発明によるフラックスゲート型マイクロ磁力計の励磁コイルと検出コイルの配置と構造の例を示す。
【図7】本発明による2軸マイクロ磁力計の例を示す。
【図8】図6のマイクロ磁力計を用いて実現される励磁の等価電気回路図を示す。
【図9】2より多いコア数を有する本発明によるフラックスゲート型磁力計の例の励磁の等価電気回路図を示す。
【符号の説明】
【0076】
100 基板
101 積層体
102 第1磁気コア
104 第2磁気コア
107 誘電材料層
230、232、240、242 導電接触部
302、304、402、404、502、504、602、604 コア
410 励磁コイル
411、412、413、414 導電領域
420 検出コイル
418 第1導電リンク
419 第2導電リンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の主平面を有する支持体(100−101)と、
所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コア(102)と、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コア(104)と、を備えた磁気回路と、
直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイル(110、410)と、
前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含み、
前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域(411、412、413、414)を含み、
複数の第1の平坦な導電領域(411、413)は、前記第1コアに対向して位置し、
複数の第2の平坦な導電領域(412、414)は、前記第2コアに対向して位置し、
前記励磁コイルの少なくともいくつかの導電部材は、前記複数の第1の平坦な導電領域に属する第2の平坦な導電領域(412)に接続され、前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する前記複数の第2の導電領域に属する少なくとも1つの第1の平坦な導電領域(411)でそれぞれ形成され、
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コア(102、104)を囲う閉じられた外形部を与え、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)とを含む導電部分で形成される、薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項2】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の前の導電部材または前記励磁信号を与える手段からの電流を送るための第1導電連結部(418)と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の次の導電部材または前記励磁信号を与える手段から電流を送るための第2導電連結部と、でそれぞれさらに形成される、請求項1に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項3】
前記複数の第1の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域と前記複数の第2の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域は、前記所定の主方向に直交する方向に沿って方向付けられている、請求項1または2に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項4】
前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)は、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面に位置し、前記第2の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている、請求項1から3の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項5】
前記閉じられた導電外形部は、第3の平坦な導電領域(413)と、前記第3の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている第4の平坦な導電領域(414)と、を追加的に含み、
前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(414)にそれぞれ接続されると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面に位置する、請求項1から4の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項6】
前記第3の平坦な導電領域(413)と前記第4の平坦な導電領域(414)は、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する、請求項5に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項7】
閉じられた外形部を与える前記導電部分は、前記第1コアを部分的に囲う第1導電部と前記第2コアを部分的に囲う第2導電部とで形成され、前記第1導電部と前記第2導電部は同一である、請求項1から6の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項8】
前記第1導電接続部(418)と前記第2導電接続部(419)は、コア(102、104)の間に位置し、前記所定の主方向に平行な方向に方向付けられ、前記第2接続部と前記第1接続部は、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面と前記支持体の前記主平面に平行な第2平面にそれぞれ位置する、請求項1から7の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項9】
前記磁気回路は、互いに平行であると共に前記第1コア及び前記第2コアに平行な1つ又は複数の他の並置されたコアをさらに含み、前記励磁コイルのいくつかの導電部材は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域として、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する複数の平坦な導電領域でそれぞれさらに形成される、請求項1から8の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項10】
前記磁気回路は、互いに平行であると共に前記第1コア及び前記第2コアに平行な1つ又は複数の他の並置されたコアをさらに含み、前記導電部分は、前記他方のコアを囲う、請求項1から9の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項11】
前記コア(102、104)の周囲に巻かれる少なくとも1つの検出コイル(420)をさらに含む、請求項1から10の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項12】
前記検出コイル(120、520)と前記励磁コイル(110、510)は、インターレースされている、請求項11に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項13】
前記検出コイルは、前記コアが前記第1平面と前記第2平面の間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面の全ての前記コア(102、104)に対向すると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面の全てのコア(102、104)に対向して交互にそれぞれ通過する一連の巻線で形成される、請求項11または12に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項14】
前記検出コイルは、直列に接続される一連の導電巻線で形成され、前記検出コイルの複数の巻線は、互いに平行で、前記支持体の前記主平面に平行な平面の前記磁気回路の前記コアに対向してそれぞれ位置し、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向にそれぞれ延長する複数の平坦な導電領域をそれぞれ含み、前記検出コイル(420)の前記平坦な導電領域は、前記励磁コイル(410)の前記平坦な導電領域の幅(lc)より大きい幅(l’c)を有する、請求項11から13の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項15】
第1の主方向に沿って方向付けられるコアを備えた請求項1から14の何れか一項に記載の第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、前記第1の主方向に対して直交する第2の主方向に沿って方向付けられたコアを備えた請求項1から14の何れか一項に記載の少なくとも1つの第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、を含む、薄膜内に実現される装置。
【請求項1】
所定の主平面を有する支持体(100−101)と、
所定の主方向の少なくとも1つの第1磁気コア(102)と、前記第1磁気コアに平行な少なくとも1つの第2磁気コア(104)と、を備えた磁気回路と、
直列に接続された一連の導電部材で形成された少なくとも1つの励磁コイル(110、410)と、
前記一連の導電部材に励磁信号を与える手段と、を含み、
前記励磁コイルは、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に対して平行な平面にそれぞれ位置する互いに平行な平坦な導電領域(411、412、413、414)を含み、
複数の第1の平坦な導電領域(411、413)は、前記第1コアに対向して位置し、
複数の第2の平坦な導電領域(412、414)は、前記第2コアに対向して位置し、
前記励磁コイルの少なくともいくつかの導電部材は、前記複数の第1の平坦な導電領域に属する第2の平坦な導電領域(412)に接続され、前記第2の平坦な導電領域として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する前記複数の第2の導電領域に属する少なくとも1つの第1の平坦な導電領域(411)でそれぞれ形成され、
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記コア(102、104)を囲う閉じられた外形部を与え、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)とを含む導電部分で形成される、薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項2】
前記励磁コイルの前記導電部材は、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の前の導電部材または前記励磁信号を与える手段からの電流を送るための第1導電連結部(418)と、前記導電部分に接続され、前記一連の導電部材の次の導電部材または前記励磁信号を与える手段から電流を送るための第2導電連結部と、でそれぞれさらに形成される、請求項1に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項3】
前記複数の第1の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域と前記複数の第2の平坦な導電領域の前記平坦な導電領域は、前記所定の主方向に直交する方向に沿って方向付けられている、請求項1または2に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項4】
前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)は、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面に位置し、前記第2の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている、請求項1から3の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項5】
前記閉じられた導電外形部は、第3の平坦な導電領域(413)と、前記第3の平坦な導電領域に接続されて位置合わせされている第4の平坦な導電領域(414)と、を追加的に含み、
前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記第3の平坦な導電領域と前記第4の平坦な導電領域は、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(414)にそれぞれ接続されると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面に位置する、請求項1から4の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項6】
前記第3の平坦な導電領域(413)と前記第4の平坦な導電領域(414)は、前記第1の平坦な導電領域(411)と前記第2の平坦な導電領域(412)として前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する、請求項5に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項7】
閉じられた外形部を与える前記導電部分は、前記第1コアを部分的に囲う第1導電部と前記第2コアを部分的に囲う第2導電部とで形成され、前記第1導電部と前記第2導電部は同一である、請求項1から6の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項8】
前記第1導電接続部(418)と前記第2導電接続部(419)は、コア(102、104)の間に位置し、前記所定の主方向に平行な方向に方向付けられ、前記第2接続部と前記第1接続部は、前記コアが前記第1平面と前記第2平面との間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面と前記支持体の前記主平面に平行な第2平面にそれぞれ位置する、請求項1から7の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項9】
前記磁気回路は、互いに平行であると共に前記第1コア及び前記第2コアに平行な1つ又は複数の他の並置されたコアをさらに含み、前記励磁コイルのいくつかの導電部材は、前記第1の平坦な導電領域と前記第2の平坦な導電領域として、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向に延長し、前記支持体の前記主平面に直交する前記同一平面に位置する複数の平坦な導電領域でそれぞれさらに形成される、請求項1から8の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項10】
前記磁気回路は、互いに平行であると共に前記第1コア及び前記第2コアに平行な1つ又は複数の他の並置されたコアをさらに含み、前記導電部分は、前記他方のコアを囲う、請求項1から9の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項11】
前記コア(102、104)の周囲に巻かれる少なくとも1つの検出コイル(420)をさらに含む、請求項1から10の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項12】
前記検出コイル(120、520)と前記励磁コイル(110、510)は、インターレースされている、請求項11に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項13】
前記検出コイルは、前記コアが前記第1平面と前記第2平面の間に位置するように、前記支持体の前記主平面に平行な第1平面の全ての前記コア(102、104)に対向すると共に前記支持体の前記主平面に平行な第2平面の全てのコア(102、104)に対向して交互にそれぞれ通過する一連の巻線で形成される、請求項11または12に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項14】
前記検出コイルは、直列に接続される一連の導電巻線で形成され、前記検出コイルの複数の巻線は、互いに平行で、前記支持体の前記主平面に平行な平面の前記磁気回路の前記コアに対向してそれぞれ位置し、前記所定の主方向に対してゼロではない角度を形成する方向にそれぞれ延長する複数の平坦な導電領域をそれぞれ含み、前記検出コイル(420)の前記平坦な導電領域は、前記励磁コイル(410)の前記平坦な導電領域の幅(lc)より大きい幅(l’c)を有する、請求項11から13の何れか一項に記載の薄膜内に実現されるフラックスゲート型マイクロ磁力計。
【請求項15】
第1の主方向に沿って方向付けられるコアを備えた請求項1から14の何れか一項に記載の第1のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、前記第1の主方向に対して直交する第2の主方向に沿って方向付けられたコアを備えた請求項1から14の何れか一項に記載の少なくとも1つの第2のフラックスゲート型マイクロ磁力計と、を含む、薄膜内に実現される装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−298509(P2007−298509A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−116045(P2007−116045)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116045(P2007−116045)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】
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