説明

改善された振動減衰を有するランプ

本発明は、ランプ(8)、詳細には乗物のランプであって、ベース(17)と、光発生素子(11、12)を有するバーナ(7)と、接続領域(2)及び収容部(3)を有するアダプタプレート(1)とを有するランプにおいて、接続領域(2)はベース(17)に接続されており、収容部(3)はバーナ(7)に接続されているランプ(8)に関する。アダプタプレート(1)は、接続領域(2)がもはや剛性のものではなく一定の可撓性を有するように、接続領域(2)と収容部(3)との間にカットアウト(4)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプ、より詳細には乗物のランプであって、
− ベースプレートと、
− 光発生素子を有するバーナと、
− 接続領域及び収容部を有するアダプタプレートと、
を有するランプであって、前記接続領域が前記のようなベースに接続されており、前記収容部は前記バーナに接続されているランプに関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭段落において特定された種類の既知のランプは、例えば、1つ以上の白熱フィラメントのような、適当な前記光発生素子がガラスの封体部内に形成されている、バーナを有している。この種のランプにおいて、ランプのベースへの前記バーナの接続は、例えば、金属製のアダプタプレートを使用することによってなされており、該金属製のアダプタプレートは、一方では、前記ランプのベースに接続されており、他方では、前記バーナに接続されている。前記バーナが前記ランプの前記ベースに電気的に接続されるのを可能にするように、前記ランプのベースは、導体ガイドを有し、該導体ガイドを介して前記バーナから突出している電源ワイヤが、前記バーナから、前記ランプのベースの、前記ランプと接続するのに使用されている端末領域内に配されている対応する端末まで達している。
【0003】
ドイツ国特許出願第196 01 396号から知られているのは、冒頭段落において特定した種類の、セメントを用いずにキャップをされたハロゲン白熱ランプであって、前記バーナがホルダ部における開口内の締付けによって固定されており、前記ホルダ部自体が、前記ランプのベースのスリーブ形成部に固定されているハロゲン白熱ランプである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冒頭段落において特定された種類の全てのランプは、乗物において使用される場合、前記のような剛性的な構造のため、減衰されていない前記乗物の動作の間に生じる振動を前記バーナに(特に前記乗物内に配されている前記フィラメントに)伝達し、この結果として、前記ランプの寿命は、前記フィラメント内で規則的に生じる破断によりかなり短縮されるという不利な点を有する。特に、低い共振が、この場合における前記ランプの寿命に対して特に不利な効果を有する。
【0005】
本発明の目的は、振動及び発振(oscillation)に耐えるための高機能を有する単純で強力な構造のランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、この目的を添付請求項1に記載のランプ及び添付請求項8に記載のヘッドライトによって達成する。本発明の有利な実施例は、添付の従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明による前記ランプの特徴的なフィーチャは、アダプタプレートの設計であり、該アダプタプレートの設計は、前記接続領域と前記収容部との間にカットアウトを有している。前記カットアウトは、前記収容部と前記接続領域との間に空間を作り、前記カットアウトは、この場合において、該収容部と前記接続領域との間の接続が、もはや剛性のものではなく一定の可撓性を有するような、形状のものである。従って、本発明によるランプが乗物内で使用される場合、前記乗物の動作中に必然的に生じる発振及び振動は、前記バーナに伝達されると共に前記白熱フィラメントに損傷を与え得る前記振動がかなり低減されるような仕方で、減衰される。
【0008】
従って、本発明による前記ランプの寿命は、該ランプの内部構造に対して減衰されていない前記振動が伝達される同じ種類のランプと比較して、増加されている。フィラメントの破断の発生は、特に、前記ランプの本発明による構造によってかなり減少される。
【0009】
基本的に、前記カットアウトによってとられる形状、従って、前記収容部と前記接続領域との間の前記接続によって取られる形状は、前記ランプの減衰特性に対してかなりの効果を有する、所望の前記カットアウトの位置、大きさ及び形状のものであって良い。しかしながら、本発明の有利な実施例において、前記カットアウトは、前記接続領域と前記収容部とがブリッジによって(好ましくは、前記バーナの軸に対してほぼ垂直に延在している4つのブリッジによって)一緒に接続されるような設計のものである。
【0010】
前記ブリッジは、この場合、何らかの所望の寸法であることもでき、所望の通りに並べられる(aligned)こともできる。前記ブリッジは、好ましくは、対向する対状に前記接続領域上に配される。しかしながら、代替的なものとして、更に可能であるものは、前記ブリッジが前記接続領域の周囲の周りに均一に分配されている該ブリッジの配列であり、前記ブリッジの対向する対状の好適な配列は、一方では、前記ランプが特に高い減衰作用を有することを保証すると共に、他方では同時に、前記接続領域と前記収容部との間の接続が十分な強さのものであり、従って、前記バーナがヘッドライトのリフレクタ内に確実に位置されることを保証する。
【0011】
このことは、前記ヘッドライトから一貫して整列されたビームに対して本質的に不可欠なものであり、乗物に対する必須のものとして存在するものである。
【0012】
本発明のこの実施例の更に有利な点は、前記のような既知のアダプタプレートに対して、全体として新しい設計を必要としないことにある。従って、本発明によるアダプタプレートは、従来の固いアダプタプレートの単純な修正及び/又は後処理によって製作されることができる。代替的には、前記カットアウトの作製(例えば穿孔による)は、何らかの適切な時点で前記のような製造工程に組み込まれることができる。
【0013】
本発明の有利な実施例において、前記収容部の上面は、前記上面に対して平行であり、かつ、前記接続領域の前記カットアウトに隣接する部分を通過して延在する平面から偏位されている(offset)ように配される。本発明のこの実施例において、前記収容部は、前記接続部に対して変位されており、前記収容部は、好ましくは、前記接続領域よりも上方に配されている。互いに対する構成要素の配置を記述するのに使用される「上方」及び「下方」のような語は、この場合において、前記バーナが上部に配されている前記ランプの垂直位置を称している。参照方向についてのこの言い方は、単に理解を助けるためのものであり、制限であると解釈されてはならない。
【0014】
本発明のこの実施例は、前記主要部と前記接続領域との間の領域が、例えば、前記バーナの軸に対して垂直であるように傾斜されることもでき、前記接続領域の上方の前記収容部の好適な配置の場合において、発せられる光の角度が、前記収容部と前記接続領域とが平面内に配置されているランプと比較して増大されることを可能にする。
【0015】
更に、本発明の実施例は、前記減衰特性は、前記ランプが前記振動及び前記発振の方向に適合する種々の減衰特性を有するような仕方で固定されることを可能にする。
【0016】
本発明の特に有利な実施例において、前記収容部の前記上面は、前記ブリッジによって形成される平面に平行であるが、該平面から偏位されているように配される。従って、前記収容部と前記ブリッジとは、前記上面及び前記ブリッジに対してほぼ直角に延在する段によって一緒に接続される。
【0017】
前記収容部に対して平行に延在する前記ブリッジのために、本発明のこの実施例は、前記バーナに軸方向に作用する全ての振動であって、前記バーナ内に配されている前記フィラメントの寿命に対して特に不利な効果を有する振動に対して、特に良好な減衰を保証する。本発明のこの実施例は、前記発せられた光の角度が、前記接続領域と前記収容部とが平面内にある配置と比較して特別な仕方で、前記ランプベースに向かって増加されることができるという有利な点も有する。
【0018】
基本的に、前記バーナが前記収容部上に配される仕方は、自由に選択されることができる。前記バーナは、例えば、前記収容分内に結合されることもできる。しかしながら、本発明の有利な実施例において、前記収容部は、前記バーナが締付けによって固定される開口を有しており、従って、前記バーナの前記アダプタプレートに対する何らかの付加的な物理的に接合される接続を省くことを可能にする。
【0019】
前記バーナが、特に良好に前記収容部内に固定されるのを保証するために、かつ、同時に、前記バーナが、組み立ての時点で前記収容部内に挿入される際に傾斜するのを防止するために、本発明の更に特別な実施例において、前記バーナは、前記収容部と接触される領域において2つの広い側面と2つの狭い側面とを有し、前記開口は、前記狭い側面に向かって向けられている支持タブを有する。前記バーナが確実に位置決めされるのを保証するだけでなく、本発明のこの実施例は、前記支持タブが付加的な減衰効果を生じるので、前記ランプの減衰特性も向上させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のこれら及び他の目的は、以下で記載する実施例を参照して、明らかになり、説明されるであろう。
【0021】
図1に示されている本発明によるランプ8の実施例は、自動車のヘッドライト(この場合において図示略)において使用されるランプ8である。
【0022】
ランプ8は、2つの白熱フィラメント11、12が内部に位置されているガラス製の封体部によって形成されているバーナ7を有している。白熱フィラメント11、12は、ランプベース17の内部で対応する端末要素(ここでは図示略)に固定されているヒューズ内蔵(fused-in)電源ワイヤ14を介して電流を供給されている。白熱フィラメントの一方11は、ディップドビーム(dipped-beam)ベース13を備えている。
【0023】
位置決めフランジ15及び端末領域16は、一緒にランプベース17を形成している。アダプタプレート1は、位置決めフランジ15に溶接されており、位置決めフランジ15は、ヘッドライト内のランプ8を整列させるのに使用されている。
【0024】
ランプベース17の近傍の自身の端部によって、バーナ7は、アダプタプレート1の収容部3内の開口9における締付けによって固定され、この場合において、バーナ7の広い側面に対して押圧する支持タブ10が、前記バーナがアダプタプレート1に堅固に接続されるような仕方で、前記バーナを前記アダプタプレートに固定する(図2及び図4参照)。
【0025】
図2及び3から分かるように、接続領域2(断面において円形であると共に円筒形であるリングに接続されている)と収容部3との間の領域は、カットアウト4を有しており、このことは、接続領域2と収容部3とが、計4つのブリッジ5によって一緒に接続されていることを意味する。
【0026】
ブリッジ5によって規定される平面は、この場合、収容部3の上面6に平行に延在しており、このことは、前記自動車が動作している場合、振動、即ち特に前記バーナの軸に沿って向けられている振動が、減衰された形態においてのみ前記バーナ7の内部構造に向かって伝達されることを保証し、このことは、ランプ8全体が高い振動耐性を有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】二段型のアダプタプレートを有するランプの側面図である。
【図2】図1のランプの前記アダプタプレートの斜視図である。
【図3】図2のアダプタプレートの平面図である。
【図4】図2のアダプタプレートの断面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ、特に乗物のランプであって、
− ベースと、
− 光発生素子を有するバーナと、
− 接続領域及び収容部を有するアダプタプレートであって、前記接続領域は前記ベースに接続されており、前記収容部は前記バーナに接続されているアダプタプレートと、
を有するランプにおいて、
前記アダプタプレートは、前記接続領域と前記収容部との間にカットアウトを有することを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記カットアウトは、前記接続領域と前記収容部とがブリッジによって、好ましくは、前記バーナの軸に対してほぼ垂直に延在している4つのブリッジによって、一緒に接続されているような形態であることを特徴とする、請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記収容部の上面が、前記上面に対して平行に、かつ、前記接続領域の前記カットアウトに隣接する部分を通過して延在する平面から偏位されているように配されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のランプ。
【請求項4】
前記収容部の上面が、前記ブリッジによって規定される平面から偏位されていると共に、該平面に対して平行であるように配されていることを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一項に記載のランプ。
【請求項5】
前記収容部は、前記バーナが締付けによって固定されている開口を有することを特徴とする、請求項1ないし4の何れか一項に記載のランプ。
【請求項6】
前記収容部との接触の領域において、前記バーナは、2つの広い側面と2つの狭い側面とを有し、前記開口は、前記広い側面に向かって向けられている支持タブを有することを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一項に記載のランプ。
【請求項7】
前記接続領域は、前記ランプが、前記接続領域及び前記収容部が平面内にある配置と比較して拡大されている前記発せられる光の角度を有するような仕方で、前記収容部から偏位されているように配されていることを特徴とする、請求項1ないし6の何れか一項に記載のランプ。
【請求項8】
− リフレクタと、
− 前記リフレクタ上に取付けられている請求項1に記載のランプと、
− 前記リフレクタのハウジング内に配されている前記バーナと、
− 主に前記リフレクタの領域の外側に配されている前記ランプの端末領域と
を有する自動車のヘッドライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−509514(P2008−509514A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524448(P2007−524448)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052544
【国際公開番号】WO2006/016314
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】