説明

改良されたサーキット・ブレーカ定格を備えた高電圧サーキット・ブレーカ

【課題】 本発明は、電気的ブレーカ・デバイス(1)、特に高電圧サーキット・ブレーカ(1)、及び、改良されたクエンチング・ガス冷却をするための方法に係る。
【解決手段】 本発明によれば、コールド・ガス(111)が、排出領域(7,8)の中に中間的に貯えられ、そして、第一の部分ガス流れ(11a)が、この中間的に貯えられたコールド・ガス(111)をバイパスして前記ブレーカ室(2)に流れ込むようにガイドされる。前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)は、第二の部分ガス流れ(11b)の助けにより、前記排出領域(7,8)から強制的に排除され、そして、前記ブレーカ室ハウジング(3)に流れ込む前に、前記第一の部分ガス流れ(11a)と混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧エンジニアリングの分野、特に、電力分配システムの中の高電圧サーキット・ブレーカに係る。本発明は、独立特許請求項の前提節部分による方法及び高電圧サーキット・ブレーカに基づいている。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第 EP 1 444 713 B1 号明細書には、サーキット・ブレーカの流れをガイドするデバイスが記載されている、このデバイスは、同軸状にクエンチング・ガス流れを取り囲み、二つの流出開口を有するアウター・サーフェスまたはシェルを有している。この流れをガイドするデバイスのアウター・サーフェスは、排出ガスのボリュ−ムを規定している。クエンチング・ガス流れの部分流れは、流出開口から、ブレーカ室ボリュ−ムの中へ、出て来る。直接向かい合う流出開口の流出方向は、それらが互いに交差するように方向付けられている。このことは、それぞれの流出開口を通過したクエンチング・ガスが、好適に混合されることを意味している。
【0003】
その出口開口は、出口開口から出るクエンチング・ガスを追加的に旋回させるために、対応する追加的な旋回ボディまたはバッフル・プレートを持つことができる。この混合及び旋回によって、クエンチング・ガス流れが、ブレーカ室ボリュ−ムへの入口で減速され、ブレーカ室ハウジングへのフラッシュオーバーを避けるために、冷却され、そして、絶縁的に回収される。
【0004】
独国特許第 DE 102 21 580 B3 号明細書には、遮断装置を有する高電圧サーキット・ブレーカが記載されている、この装置において、排出ガスは、2回、180°で曲げられる。ガスの冷却を改善するために、同心的に配置された中空円筒状のパーフォレイテッド・プレート(その中を流れが径方向に通過する)が、固定接点側に設けられている。このパーフォレイテッド・プレートは、クエンチング・ガスから熱を奪うヒート・シンクとして用いられている。このパーフォレイテッド・プレートは、クエンチング・ガスに対する流れの抵抗を増大させる。パーフォレイテッド・プレートの領域において、一様な層流状態のクエンチング・ガス流れが維持される。
【0005】
独国実用新案第 DE 1 889 068 U 号明細書には、改良された排出ガス冷却を備えたスイッチ・ディスコネクタが記載されている。その冷却装置は、複数のパイプを備え、それらは、ガス流出チャネルの中に同心的に配置され、各パイプは、直径方向に向かい合った流出開口を有しており、それによって、層流状態で流出した場合に、クエンチング・ガスが、多くの屈曲を有する迷路状の経路を、通過しなければならず、そして、冷却パイプの広い表面に接触しなければならない。このような構成により、流出経路が延長され、排出経路の中の冷却表面が拡大される。
【0006】
欧州特許出願公開第 EP 1 403 891 Al 号明細書には、サーキット・ブレーカが記載されている。このサーキット・ブレーカにおいて、排出ガスは、同様に、アーク室から、中空接点を通って、同心的に配置された排出ボリュ−ムの中にガイドされ、そこから、更に外側に配置されたクエンチング室ボリュ−ムの中にガイドされる。遮断容量即ち定格を増大させるために、少なくとも一つの中間ボリュ−ム、及び場合によれば二次ボリュ−ムが、中空接点と排出ボリュ−ムの間に同心的に配置され、且つ、孔またはガス経路開口を有する中間ウォールにより、互いに分けられている。
【0007】
クエンチング・ガスの、内側のボリュ−ムから外側のボリュ−ムへの半径方向の流出のために、排出ガスは、ジェットの形態で、それらのボリュ−ムの中間ウォールの上に方向付けられ、そして旋回される。このようにして、熱が、中間ウォールに、乱流状態の対流によって、高い効率で伝達される。中空接点ボリュ−ムと、中間ボリュ−ム及び場合によれば二次ボリュ−ムとの間の経路開口は、周囲で、互いに対してオフセットするように配置されている。
【0008】
二次ボリュ−ムと排出ボリュ−ムの間のこれらの経路開口は、周囲でおよび/または軸方向の方向に、互いに対してオフセットするように配置されている。その結果として、曲がりくねったあるいは螺旋状の排出ガス経路が規定される。排出領域内での排出ガスの通過または滞在時間が増大され、排出ガスからの熱の除去が排出される。従って、排出ガス冷却の効率を増大させるために、全体的として、中空接点ボリュ−ム、排出ボリュ−ム、及びブレーカ室ボリュ−ムに加えて、少なくとも一つの更なる中間ボリュ−ムが、サーキット・ブレーカの中に必要になる。
【0009】
この既に知られているブレーカにおいて、スイッチング・オペレーションの前に遮断装置の中に残っているコールド・ガスは、アーク・ゾーンから流れるホット排出ガスによって、強制的に排除され、排出ガス経路から押し出される。強制的に排除されることになるコールド・ガス・コンポーネントは、ホット排出ガスの流出を遅らせ、冷却目的のために使用されることなく、廃棄される。
【0010】
本発明は、米国特許第 US 4,471,187 号明細書による先行技術に基づいている。この文献には、コールド・ガスのための貯蔵ボリュームを備えた専用の排出デザインを有する高電圧サーキット・ブレーカが記載されている。アーク・クエンチング・ゾーンから来る排出ガスまたはアーク・クエンチング・ガスは、二つの部分ガス流れに分割される。第一の部分ガス流れは、コールド・ガス貯蔵ボリュームをバイパスし、排出開口を通って、直接、ブレーカ室の中に流れ込む。第二の部分ガス流れは、コールド・ガス貯蔵ボリュームを横断し、それにより、コールド・ガスを強制的に排除し、更にそれをブレーカ室の中に送り込む。第一の部分ガス流れのための排出開口、及び排除されたコールド・ガス流れの流出開口は、排出ガスのブレーカ室への入口、互いに接近して配置されている。
【0011】
このため、ホット第一の部分ガス流れと排除されたコールド・ガス流れは、それらがブレーカ室に入るまでは、互いに混合されることがない。更にまた、ホット・ガス流れ及びコールド・ガス流れの中において、乱流状態または渦が抑えられていて、層流の流れ挙動が、可能な限り維持される。これは、アーク・クエンチング・ゾーンから流れ出て、排出領域を通り、ブレーカ室ハウジングに入るアーク・クエンチング・ガスの高いスループット速度を実現するためである。
【特許文献1】欧州特許第 EP 1 444 713 B1 号明細書
【特許文献2】独国特許第 DE 102 21 580 B3 号明細書
【特許文献3】独国実用新案第 DE 1 889 068 U 号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第 EP 1 403 891 Al 号明細書
【特許文献5】米国特許第 US 4,471,187 号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、電気的ブレーカ・デバイスの中のクエンチング・ガスを冷却するための方法、及び改良されたサーキット・ブレーカ定格を有する対応する電気的ブレーカ・デバイスを規定することにある。この目的は、本発明に基づき、独立請求項の特徴部により実現される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイスの中の、特に高電圧サーキット・ブレーカの中の、クエンチング・ガスを冷却するための方法にある。このブレーカ・デバイスは、ブレーカ室ハウジングで取り囲まれたブレーカ室を有していて、スイッチング・オペレーションの際に、ホット・クエンチング・ガスが、アーク・クエンチング・ゾーンから、コールド・ガスで満たされた排出領域に流れる。前記ホット・クエンチング・ガスは、少なくとも二つの部分ガス流れに分割される。更に、前記コールド・ガスの少なくとも一部が、前記排出領域の中に中間的に貯えられ、第一の部分ガス流れが、前記中間的に貯えられたコールド・ガスをバイパスするようにガイドされて、前記ブレーカ室の中に流れ出て行き、そして、第二の部分ガス流れの助けにより、前記中間的に貯えられたコールド・ガスが前記排出領域から強制的に排除される。更に、前記第一の部分ガス流れ及び前記中間的に貯えられたコールド・ガスは、前記ブレーカ室ハウジングに流れ込む前に、混合ゾーンの中で互いに混合される。
【0014】
前記コールド・ガスの中間貯蔵及び前記第一のホット部分ガス流れとの混合のために、このホット部分ガス流れは、効率良く冷却される。この冷却は、アーク・クエンチング・ゾーンから前記第一の部分ガス流れが流れる非常に早い時期に、起こる。前記排出ボリュ−ムの中に存在しているコールド・ガスは、使用されずに強制的に排除されることがなく、排出ガス冷却のために使用される。
【0015】
コールド・ガスの前記中間貯蔵ボリュームからの排除は、前記第二の部分ガス流れによりもたらされ、特に、中間貯蔵ボリュームを通って流れるこの第二の部分ガス流れによってもたらされ、または、この第二の部分ガス流れのためにサイズが減らされた中間貯蔵ボリュームによってもたらされ、例えば、中間貯蔵ボリュームの移動可能に配置されたウォールに作用するガスの圧力によってもたらされ、または、低圧を作り出し、その結果として、そのような効果またはその他のやり方の組み合わせにより、中間貯蔵ボリュームから前記コールド・ガスを吸い込む、前記第二の部分ガス流れによってもたらされる。
【0016】
この改良された冷却のために、クエンチング・ガスは、従来の場合と比べてより効果的に、絶縁性を回復し、サーキット・ブレーカ定格が増大されることが可能になり、および/または、ブレーカ室ハウジングのサイズが、流れ出るクエンチング・ガスとブレーカ室ハウジングとの間の電気的フラッシュオーバーの危険無しで、よりコンパクトに、特により狭く設定されることが可能になる。
【0017】
請求項2〜4及び6〜8及び12〜15、17〜18による代表的な実施形態は、排出領域のための、及び特に、中間貯蔵ボリューム、混合ゾーン、及びオプションの混合チャネルのための、有利な形状及び好ましい寸法基準を規定している。
【0018】
請求項5及び10による代表的な実施形態は、第一の部分ガス流れが、排出領域から、貯えられたコールド・ガスと実質的に同時に流れると言う優位性を備えている。そのコールド・ガスは、排出領域から強制的に排除され、特に、中間貯蔵ボリュームから第二の部分ガス流れにより排除される。
【0019】
請求項9〜10及び24〜25による代表的な実施形態は、クエンチング・ガスを追加的に冷却することができる補助手段のための、異なる変形形態及び取付け位置を規定している。有利なことに、第一のおよび/または第二の部分ガス流れは、ガス・ジェットの形成により、及び、バッフル・ウォールの上でのガス・ジェットの旋回により、追加的に冷却される。
【0020】
一つの更なる本発明のアスペクトはまた、電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイス、特に高電圧サーキット・ブレーカである。このブレーカ・デバイスは、ブレーカ室ハウジングで取り囲まれたブレーカ室を備え、且つ、ホット・クエンチング・ガスを冷却するためのアーク・クエンチング・ゾーン及び排出ボリュ−ムを有している。前記排出ボリュ−ムの排出領域は、スイッチング・オペレーションの開始時に、コールド・ガスで満たされている。前記ホット・クエンチング・ガスを少なくとも二つの部分ガス流れに分割するための手段が設けられている。
【0021】
それに加えて、中間貯蔵ボリュームが、前記排出領域の中にコールド・ガスを貯えるために設けられている。第一の部分ガス流れを、前記中間貯蔵ボリュームをバイパスさせながら、前記ブレーカ室ハウジングの中にガイドする第一の手段が設けられている。第二の部分ガス流れを、前記貯えられたコールド・ガスの方向へガイドし、その結果として、前記貯えられたコールド・ガスを前記中間貯蔵ボリュームから強制的に排除する第二の手段が設けられている。更に、前記第一の部分ガス流れを前記コールド・ガスと混合するために、前記中間貯蔵ボリュームの出口開口の領域に、混合ゾーンが設けられており、それにより、前記第一の部分ガス流れと前記中間的に貯えられたコールド・ガスが、前記ブレーカ室ハウジングに流れ込む前に、互いに混合されるように構成されている。
【0022】
請求項19〜23による代表的な実施形態は、前記中間貯蔵ボリュームのための好ましいデザインの実施形態を規定している。
【0023】
本発明の更なる実施形態、優位点、及び適用形態は、従属請求項の中で、従属請求項の組み合わせの中で、並びに、以下に続く説明及び図面の中で、与えられる。
【0024】
図の中で、同一の参照符号は、同一の部分のために使用され、繰り返しの多い参照符号は、省略されることもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、単純化された形態で、従来の高電圧サーキット・ブレーカの排出領域を示しており、この排出領域は、ブレーカ軸1aの周りに同心的にデザインされていて、その中を、ホット・クエンチング・ガス11,110が、アーク・クエンチング・ゾーン6から、経路に沿って、このケースでは、排出ボリュ−ム4からブレーカ室2の中への曲がりくねった経路に沿って、流れる。このケースでは、コールド・ガス111は、クエンチング・ガス11,110の冷却に寄与することなく、排出領域から強制的に排除される。
【0026】
図2は、単純化された形態で、本発明に基づくクエンチングガス冷却のための代表的な実施形態を示している。ホット・クエンチング・ガス11,110は、二つの部分ガス流れ11a,11bに分割され、コールド・ガス111の少なくとも一部は、排出領域7,8の中に、中間的に貯えられる。第一の部分ガス流れ11aは、中間的に貯えられたコールド・ガス111をバイパスするようにガイドされて、ブレーカ室2の中に流れ込み、そして、第二の部分ガス流れ11bの助けにより、中間的に貯えられたコールド・ガス111は、排出領域7,8から強制的に排除され、ブレーカ室ハウジング3に流れ込む前に、第一の部分ガス流れ11aと混合される。
【0027】
クエンチング・ガスの放出の開始時であっても、図1に示された従来の排出と比較して、混合されたクエンチング・ガス13は、顕著に低い温度を有している。従来の場合には、最初にコールド・ガス111が、その後に相対的に僅かに冷却されたホット・ガス110が、流れ出る。クエンチング・ガス冷却の方法の更なる代表的な実施形態は、後に、図2〜9とともに説明される。
【0028】
このクエンチング・ガス冷却方法において、第二の部分ガス流れ11bは、それを排出ボリュ−ム7,8から、直接的にまたは間接的に、強制的に排除するために、中間的に貯えられたコールド・ガス111の方向にガイドされる。図2〜9は、それぞれ、直接的な強制排除方法を示しており、その中で、第二の部分ガス流れ11bは、中間貯蔵ボリューム7,8を通って流れ、コールド・ガス111を置換する。しかしながら、間接的な強制排除方法も、例えば、中間貯蔵ボリューム7,8のサイズを減らすことにより、および/または、中間貯蔵ボリューム7,8からガスを吸い込むことにより、同じく可能である。
【0029】
第一の部分ガス流れ11aは、好ましくは、相対的に短い経路を通って、ブレーカ室ハウジング3の中に流れ込み、そして、第二の部分ガス流れ11b、及び場合によれば、第三、第四その他の部分ガス流れ11cは、相対的に長い経路を通って、ブレーカ室ハウジング3の中に流れ込む。第三のまたは更なる部分ガス流れ11cの助けにより、相対的に長い経路が少なくとも二つのサブ経路に分けられること、即ち、第二の部分ガス流れ11bと、前記第二の部分ガス流れ11bを助ける第三のまたは更なる部分ガス流れ11cに分けられることが可能である。その結果として、クエンチング・ガス11の改良された混合を実現することが可能である。
【0030】
コールド・ガス111の中間的に貯えられる部分は、好ましくはコールド・ガス容器または中間貯蔵ボリューム7,8の中の排出領域の中に、中間的に貯えられる。その中間貯蔵ボリューム7,8は、第二の部分ガス流れ11bのための入口開口70及び出口開口80を有しており、そしてオプションの、更なるアシスト用の部分ガス流れ11cは、出口開口80の領域でに、混合ゾーン12を有し、その中で、上記の貯えられたコールド・ガス111は、第一の部分ガス流れ11aと混合される。
【0031】
好ましくは、混合ゾーン12の領域で、第一の部分ガス流れ11aにより低圧が作り出され、その低圧によって、上記の中間的に貯えられたコールド・ガス111が、中間貯蔵ボリューム7,8から吸い出される。この吸引は、それ自身でまたはコールド・ガスの強制排除の助けで効果を生じる。更にまた、混合チャネル10が、混合ゾーン12の前または下流、且つブレーカ室2またはブレーカ室ハウジング3への入口の後または上流に、存在することができる。第一の部分ガス流れ11aは、混合チャネル10の中で、中間的に貯えられたコールド・ガス111と、特に、予冷された第二の部分ガス流れ11bと、またオプションとして、第三のまたは更なる部分ガス流れ11cと、混合されることが可能である。
【0032】
この混合チャネル10は、オプションの要素である。例えば、ガス・ジェットが、第一の部分ガス流れ11aの中及び強制的に排除されたコールド・ガス流れ111の中に形成され、互いに向けて吹き出されことも可能であり、それにより、それらが、混合ゾーン12の領域で互いに旋回されて、混合されることになる。特に、ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットは、ブレーカ室ハウジング3に流れ込む前に、互いに渦を形成して、第一の部分ガス流れ11aとコールド・ガス111の乱流状態の混合物を作り出す。その結果として、混合チャネル10無しでもまたはそれに加えて、クエンチング・ガス11が流れ出る前に、または、ブレーカ室ハウジング3の中に流れ込むときに、クエンチング・ガス11が効率良く冷却される。
【0033】
好ましくは、中間貯蔵ボリューム7,8の貯蔵容量は、第一の部分ガス流れ11aと中間的に貯えられたコールド・ガス111の所望の混合期間及び混合温度に基づいてデザインされる。それに加えて、相対的に長い経路と相対的に短い経路の間の経路の相違は、中間貯蔵ボリューム7,8を通る通過流れの長さに等しくなるように、デザインされることが可能である。例えば、図3及び4に示されているように、この経路の相違は2*lであり、ここで、“l”は、その中を通って第二の部分ガス流れ11bが流れる(最初に一つの軸方向の方向に、それから方向を曲げられた後にその反対の軸方向に流れる)中間貯蔵ボリューム7,8の軸方向の大きさである。
【0034】
特に好ましくは、第一の部分ガス流れ11aは、中間貯蔵ボリューム7,8をバイパスしながら、最短の経路に沿ってブレーカ室ハウジング3に流れ込む;および/または、第二の部分ガス流れ11bは、中間貯蔵ボリューム7,8を通る最長の経路に沿って、ブレーカ室ハウジング3に流れ込む;および/または、更なる部分ガス流れ11c(図8)は、中間貯蔵ボリューム7,8を少なくとも部分的にまたは断片的に通って、ブレーカ室ハウジング3に流れ込む。
【0035】
更にまた、クエンチング・ガス11は、予冷のための補助手段9,9a,9b,9c;74,75を用いて、ブレーカ・デバイス1(図5−9)の排出ボリュ−ム4の中で、予冷されることが可能である。特に、ホット・ガス110は、それが部分ガス流れ11a,11b,11cに分割される予冷されることが可能である(図8,左手側);および/または、第一の部分ガス流れ11aおよび/または第二の部分ガス流れ11b、また場合によれば更なる部分ガス流れ11cが、予冷されることが可能である。
【0036】
特に、ガス・ジェットが、中間貯蔵ボリューム7,8の中および/または二次ボリュ−ム9aの中の、ジェットを形成する流出開口74によって、クエンチング・ガス11の中に形成されることが可能であり、このガス・ジェットは、バッフル・ウォール75の上にガイドされ、そこで旋回される(図5〜8);および/または、クエンチング・ガス11が、バッフル・プレート9bの上にガイドされ、そこで冷却されることが可能である(図9);および/または、拡張された経路、特に曲がりくねった経路が、クエンチング・ガス11の中に、ガイド手段9cにより規定されることが可能であり、および/または、再循環領域が、旋回手段9cにより形成されることが可能である(図9)。それに加えて、クエンチング・ガスを冷却するために、以上で挙げられていない他の補助手段を使用することも可能である。
【0037】
本発明の主題はまた、電気的ブレーカ・デバイス1である。次に、その電気的ブレーカ・デバイスについて、先ず図3を参照しながら、より詳細に説明する。ブレーカ・デバイス1は、ブレーカ室2を備えていて、このブレーカ室は、ブレーカ室ハウジング3で取り囲まれていて、且つ、ホット・クエンチング・ガス11,110を冷却するのためのアーク・クエンチング・ゾーン6及び排出ボリュ−ム4を有している。このアーク・クエンチング・ゾーン6は、アーク接点システム5の接点5の間に拡がり、絶縁ノズル6aにより横方向から取り囲まれている。これらのアーク接点5は、典型的には、接点ピンとチューリップ接点を備え、それらの内の少なくとも一つは、ブレーカ・ドライブ(図示せず)により移動可能である。
【0038】
例として、この図の中には、接点ピンが、固定接点として、右手側に描かれ、チューリップ接点が、可動接点として、左手側に描かれている。このチューリップ接点は、同時に、中空の接点流出開口5aを有する中空の排出流れパイプの形態であっても良い。予冷された電流接点は、それらとしては、ブレーカ室 インシュレータ3aにより取り囲まれており、アーク接点システム5に対して同心的に配置されている。
【0039】
スイッチング・オペレーションの開始時に、排出ボリュ−ム4の排出領域7,8は、コールド・ガス111で満たされている。ホット・クエンチング・ガス11,110を少なくとも二つの部分ガス流れ11a,11b,11cを分割するための手段71,72,73;7a,7b;8a,8bが、設けられている。排出領域7,8の中には、コールド・ガス111を貯えるための中間貯蔵ボリューム7,8が、配置されている。第一の部分ガス流れ11aを、中間貯蔵ボリューム7,8をバイパスさせながら、ブレーカ室ハウジング3の中にガイドする第一の手段71;101,102が設けられ、第二の部分ガス流れ11bを貯えられたコールド・ガス111の方向へガイドし、その結果として、貯えられたコールド・ガス111を中間貯蔵ボリューム7,8から強制的に排除する第二の手段7a,7b,72が設けられている。
【0040】
図3〜9には、この点に関して、実施形態のデザインの例が示されている。第一の部分ガス流れ11aのための相対的に短い経路、及び、第二の部分ガス流れ11b、また場合によれば少なくとも一つの更なる部分ガス流れ11cのための相対的に長い経路が、アーク・クエンチング・ゾーン6とブレーカ室ハウジング3の間の排出領域7,8の中に予め定められる。好ましくは、相対的に長い経路と相対的に短い経路の間の経路長さの相違2*lは、中間貯蔵ボリューム7,8を通る通過流れの長さ2*lにより予め定められる。経路長さの相違または通過流れの長さは、長さDに等しい二つまたはそれ以上のサブ経路を持つことも可能である(図5〜8)。
【0041】
図3〜9において、中間貯蔵ボリューム7,8は、入口開口70及び出口開口80を有している。第一の手段71は、第一の部分ガス流れ11aを、中間貯蔵ボリューム7,8をバイパスさせながら、出口開口80の方向へガイドする。第二の手段7a,7b,72は、第二の部分ガス流れ11b、あるいは場合によれば更なる部分ガス流れ11cを、入口開口70の方向へガイドし、そして、中間貯蔵ボリューム7を通って、出口開口80の方向へガイドする。
【0042】
混合ゾーン12が、中間貯蔵ボリューム7,8の出口開口80の領域に、第一の部分ガス流れ11aと、中間貯蔵ボリューム7,8の中に貯えられたコールド・ガス111を混合するために、設けられている。このコールド・ガスは、第二の部分ガス流れ11bにより、中間貯蔵ボリューム7,8から強制的に排除され、それによって、ブレーカ室ハウジング3に流れ込む前に、第一の部分ガス流れ11aと中間的に貯えられたコールド・ガス111が互いに混合されるようになっている。
【0043】
この混合ゾーン12は、同時に、中間貯蔵ボリューム7,8から、貯えられたコールド・ガス111を吸い込むための、低圧ゾーン12の形態とすることが可能である。このことは、例えば、流量比率により、そして特に、低圧ゾーン12の領域内の部分流れ11a,11b、また場合によれば部分流れ11cの流速により、実現されることが可能である。更にまた、混合ゾーン12は、第一の部分ガス流れ11aとコールド・ガス111のための、そして特に、第一の部分ガス流れ11aのガス・ジェット及びコールド・ガス111のガス・ジェットのための、旋回ゾーン12の形態とすることが可能である。
【0044】
更にまた、混合チャネル10が、混合ゾーン12の後または下流及びブレーカ室ハウジング3の中への入口の前または上流に配置されることが可能である。この混合チャネル10の中で、第一の部分ガス流れ11aと、コールド・ガス111(これは中間貯蔵ボリューム7,8から強制的に排除されたものである)との追加的な混合、そして特に、予冷された第二の部分ガス流れ11bとの、また場合によれば更なる部分ガス流れ11cとの追加的な混合が生じる。
【0045】
混合チャネル10は、例えば、内側のチャネル・ウォール10aにより中間貯蔵ボリューム8から分けられ、チャネル入口開口101を介して、それに接続される。チャネル入口開口101は、従って、中間貯蔵ボリューム7,8からの流出開口として機能し、チャネル出口開口は、実際の排出開口102として機能する。混合チャネル10は、直径Dを有し、チャネル入口開口101とチャネル出口開口102の間の長さLを有している。これらの直径D及び長さLは、既に予め混合された部分ガス流れ11a,11b,11cとコールド・ガス11の混合、及び相互の混合が、効果的に実現されるように、決定されるべきである。混合チャネル10は、軸方向に(図3〜4,7〜9)および/または径方向に(図5〜6)、並べられまたは方向付けられることが可能である。
【0046】
中間貯蔵ボリューム7,8の貯蔵容量は、第一の部分ガス流れ11aと中間的に貯えられたコールド・ガス111の所望の混合期間及び混合温度が実現されることが可能なように、定められる。同様に、中間貯蔵ボリューム7,8を通る通過流れの長さ(例えば、図3〜4の中の2*l)は、中間貯蔵ボリューム7,8の中の第二の部分ガス流れ11aの、第一の部分ガス流れ11bに対する所望の時間遅れが得らることが可能なように、定められる。
【0047】
図3〜9はまた、ブレーカ・デバイス1の好ましいデザインを示している。排出ボリュ−ム4は、排出ハウジング4aで取り囲まれ、この排出ボリュ−ムは、流出開口101、及びブレーカ室ハウジング2の方向への排出開口102を有している。中間貯蔵ボリューム7,8は、ボディ7a,7b,8a,8bにより形成され、その中を流れが通ることが可能であり、そしてこの中間貯蔵ボリュームは排出ボリュ−ム4の中に配置されている。
【0048】
その中を流れが通ることができる上記ボディ7a,7b,8a,8bは、ボディ7a,7b,8a,8bの領域内に、第一の部分ガス流れ11aを分岐するための第一の開口71を有している。この開口は、アーク・クエンチング・ゾーン6に面している。そして、上記ボディは、第二の部分ガス流れ11bのために第二の開口72を、また場合によれば、更なるアシスト用の部分ガス流れ11cのために第三のまたは更なる開口73を、ボディ7a,7b,8a,8bの領域内に、を有している。この開口は、アーク・クエンチング・ゾーン6から遠く離れている。
【0049】
第一の部分ガス流れ11aのための最短の経路を提供するために、第一の開口71は、好ましくは、流出開口101の近くに、特に、流出開口101に対して径方向の反対側に配置され;および/または、第二の部分ガス流れ11bのための最長の経路を提供するために、第二の開口72は、排出流出開口101から遠く離れて、特に、流出開口101から最大軸方向距離の位置に配置され;および/または、第三のまたは更なる開口73は,軸方向の方向1aの更なる部分ガス流れ11cのために、第一の開口71と第二の開口72(図8,右手側)の間に配置される。上記更なる部分ガス流れ11cの助けによって、上記長い経路は、少なくとも二つのサブ経路11b,11cに分割されることが可能である。その結果として、外側のボリュ−ム8の中でのクエンチング・ガス11の混合が改善されることが可能である。
【0050】
好ましくは、第二の開口72は、貯えられたコールド・ガス111をガイドするために、偏向デバイス7b,8b,8aとの間で相互作用を行い、そして、第二の部分ガス流れ11bは、中間貯蔵ボリューム7,8の出口開口80の方向へ戻される;および/または、第一の部分ガス流れのための相対的に短い経路11aと、第二の部分ガス流れのための相対的に長い経路11bの間の経路長さの相違は、第一の開口71と第二の開口72の間の軸方向距離により与えられる。開口71,72,73は、ボディ7a,7b,8a,8bのウォール7a,7bの中の、孔またはスロットであってよい。開口71,72,73は、半径方向のウォール7aの中に、および/または、ボディ7a,7b,8a,8bの軸方向のウォール7bの中に、配置されることが可能である。
【0051】
第一の開口71、第二の開口72、また場合によれば第三の開口73の数,サイズ(即ち、断面積A1,A2,A3)及び位置は、第一の部分ガス流れ11aが、排出ボリュ−ム4の中で、貯えられたコールド・ガス111と大きく混合されることが可能であるようにデザインされることが可能である。特に、複数の孔またはスロット72(また場合によれば73)は、周囲に、および/または、軸方向の広がりに沿って、その中を流れが通ることができるボディ7a,7b,8a,8bの中に、配置され、それによって、ホット・ガスのフロントが、第二の部分ガス流れ11b、また場合によれば更なる部分ガス流れ11cの中に形成され、そして、中間貯蔵ボリューム7,8の中に、コールド・ガス・ポケットが残らないようになる。
【0052】
開口71,72,73の領域の中で、トータルの通過流れ断面積 A0=A1+A2 場合によれば A0=A1+A2+A3 は、典型的には、その最小値であり、従って、通過流れの速度は、その最大値である。
【0053】
その中を流れが通ることができるボディ7a,7b,8a,8bは、内側シリンダ7a,7b及び外側シリンダ8a,8bを有することができる。内側シリンダ及び外側シリンダ7a,7b,8a,8bは、好ましくは、互いに対して及びブレーカ軸1aに対して、同軸状に配置される。内側シリンダと外側シリンダ7a,7b,8a,8bは、中間貯蔵ボリューム7,8の境界を、少なくとも二つの外側のまたはシリンダ表面7a,8aにより径方向に、及び、対応するベース表面7b,8bにより、その端部で軸方向に、定める。
【0054】
内側シリンダ7a,7bは、内側のボリュ−ムV1を規定し、且つ、第二の部分ガス流れ11aのための、アーク・クエンチング・ゾーン6の方向への入口開口70を有している。外側シリンダ8a,8bは、内側シリンダ7a,7bを取り囲み、外側のボリュ−ムV2を規定し、且つ、貯えられたコールド・ガス111及び第二の部分ガス流れ11bのための、アーク・クエンチング・ゾーン6の方向への出口開口80を有している。内側シリンダ7a,7b及び外側シリンダ8a,8bは、第二の開口72により、また場合によれば第三の開口73により、互いに接続されている。内側のボリュ−ムV1及び外側のボリュ−ムV2は、好ましくは、コールド・ガス111のための所望の貯蔵容量、及びのための第二の部分ガス流れ11b所望の通過流れの動力学が実現されるように、互いに適合される。
【0055】
中間貯蔵ボリューム7,8、第一の手段71;101,102及び第二の手段7a,7b,72は,ブレーカ・デバイス1の第一のおよび/または第二の接点5の排出領域7,8の中に配置されることが可能である。ブレーカ・デバイス1は、高電圧サーキット・ブレーカ1、または高電流サーキット・ブレーカ、またはスイッチ・ディスコネクタなどであって良い。
【0056】
詳細を述べると、図3〜8は、下記の変形形態を示している:
図3:左手側または可動接点側及び右手側または固定接点側、各ケースにおいて、二つの部分ガス流れ11a,11bが孔71,72によって実現されている;
図4:内側シリンダ7a,7bのリア・ウォール7bの中に、孔の代わりにスロット71,72を備えた左手側、及び大きな断面積の第二の開口72を備えた右手側;
図5〜6: 軸方向に向いた第一の開口71及び第二の開口72、並びに軸方向に短くされた(左手側)および/または径方向にサイズが縮小された(右手側)内側シリンダ7a,7b;半径方向の排出またはガス出口102を備えた更なる混合チャネル10;
図7:第二の部分ガス流れ11bのためのスロット72、このスロットは、更に以下において論ずるように、ホット・ガス・ジェットが作り出され、外側シリンダ8a,8bの外側のウォール8aに当たって跳ね返るように、その寸法が定められている;
図8:ホット・ガスの流れまたはジェットを形成するための二次ボリュ−ム9a(左手側)、及び、第三の部分ガス流れ11cを分割するための第三の開口73;
図9:第一の部分ガス流れ11a、または示されているように、更なる冷却メカニズム9を備えた第二の部分ガス流れ11b。
【0057】
クエンチング・ガス11の予冷のための補助手段9,9a,9b,9c;74,75を、ブレーカ・デバイス1の排出ボリュ−ム4の中に配置されることが可能である。補助手段9,9a,9b,9c;74,75は、ホット・ガスの流れ110の中に、それが部分ガス流れ11a,11b,11に分割される前に、および/または第一の部分ガス流れの中に、および/または第二の部分ガス流れ11a,11bの中に、また場合によれば更なる部分ガス流れ11cの中に、配置されることが可能である。
【0058】
そのような補助手段は、一方では、中間貯蔵ボリューム7,8の中のおよび/またはガス・ジェットを形成するための二次ボリュ−ム9aの中の、ジェット形成用の流出開口74に関係し、それと共に、旋回目的及び激しい乱流状態の対流によるガス・ジェットの冷却のためのバッフル・ウォール75に関係する。
【0059】
この冷却メカニズムについての更なる詳細部は、欧州特許出願公開 EP 1 403 891 Al 号明細書(優先日の前に発行されている)、及び欧州特許出願、PCT/CH2004/000752 号(優先日の前に発行されていない)から見つけ出すことが可能であり、それらは、この記載の中に、その全体の開示内容で、ここにリファレンスとして組み込まれる。特に、開口71,72,73の流出または噴出の特性は、反対側のバッフル・ウォール75(例えば、外側シリンダ8a,8b外側のウォール8aまたはリア・ウォール8b)からの距離に適合されることが可能であり、それによって、渦が、バッフル・ウォール75の領域に形成されることになる。
【0060】
それに加えて、クエンチング・ガス、及び特に渦が、環状の経路、螺旋状の経路、またはスパイラル経路の上に、ガイドされることが可能である。特に、環状の経路、螺旋状の経路、またはスパイラル経路が、バッフル・ウォール75に沿って、内側シリンダ7a,7bの周りに、中間貯蔵ボリューム7,8の流出開口80の方向へ、ガイドされることが可能である。
【0061】
図8に示されているように、二次ボリュ−ム9aは、例えば、円筒形の金属製スリーブ9aの形状であることが可能である。このジェット形成金属製スリーブ9aは、例えば、チューリップ接点側即ち可動接点側の上で中空接点の流出開口5aの周りに同心的に、また、中間貯蔵ボリューム7,8の中に、または、中間貯蔵ボリューム7,8の上流のクエンチング・ガスの流出経路11上に、配置されることが可能である、
図9に示されているように、補助手段はまた、クエンチング・ガス11のための、バッフル・プレート9b、および/またはガイド手段9c、および/または旋回手段9cを有することができる。
【0062】
もう一つの本発明のアスペクトは、独立請求項1のプリアンブル部分による、電気的ブレーカ・デバイス1の中のクエンチング・ガス11を冷却するための方法に関係している。これにおいては、ガス・ジェットが、第一の部分ガス流れ11aの中及びコールド・ガス111の中に作り出され、混合ゾーン12の領域で互いに向けて吹き出され、その結果として、混合される。特に、ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットは、互いに渦を形成して、ホット第一の部分ガス流れ11aとコールド・ガス流れ111の乱流状態の混合物を形成する。ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットのこの乱流状態の混合は、排出ガス11;11a,11b,11c;110,111;13が排出領域7,8から出てブレーカ室ハウジング3の中に入る間にまたは前にまたは後に、起こることが可能である。
【0063】
更に他のアスペクトにおいて、本発明は、独立請求項11のプリアンブル部分による電気的ブレーカ・デバイス1に関係している。これにおいては、第一の部分ガス流れ11aをコールド・ガス111と混合するための混合ゾーン12が、中間貯蔵ボリューム7,8の出口開口80の領域に、設けられている。第一の部分ガス流れ11aのガス・ジェット及びコールド・ガス111のガス・ジェットを形成するためのジェット形成手段が、設けられ、その混合ゾーン12は、第一の部分ガス流れ11a及びコールド・ガス111のガス・ジェットのための旋回ゾーン12として機能する。
【0064】
特に、ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットは、混合ゾーン12の中で、互いに向けて吹き出され、その結果として、互いに渦を形成して、ホット第一の部分ガス流れ11aとコールド・ガス流れ111の乱流状態の混合物を形成する。ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットのこの乱流状態の混合は、排出ガス11;11a,11b,11c;110,111;13が、排出領域7,8から出てブレーカ室ハウジング3の中に入る間にまたは前にまたは後に、起こることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1には、先行技術に基づく、コールド・ガスの損失を伴う遮断装置が概略的に示されている。
【図2】図2には、本発明に基づく、ホット・ガスとコールド・ガスの混合伴う排出領域の第一の実施形態が概略的に示されている。
【図3】図3には、第二の実施形態が概略的に示されていて、そのそれぞれは、可動接点側及び固定接点側の上に二つの部分流れを有している。
【図4】図4には、中間貯蔵ボリュームの中に開口スロットを備えた第三の実施形態が概略的に示されている。
【図5】図5には、中間貯蔵ボリュームの中に軸方向の開口、及び排出ガス経路からの半径方向のガス出口を備えた第四の実施形態が概略的に示されている。
【図6】図6には、中間貯蔵ボリュームの中に軸方向の開口、及び排出ガス経路からの半径方向のガス出口を備えた第四の実施形態が概略的に示されている。
【図7】図7には、クエンチング・ガスの予冷のための、ガス・ジェットの旋回を備えた第五の実施形態が概略的に示されている。
【図8】図8には、クエンチング・ガスの予冷のための、ガス・ジェットの旋回を備えた第五の実施形態が概略的に示されている。
【図9】図9、第二の部分ガス流れの予冷のための、更なるメカニズムを備えた第六の実施形態が概略的に示されている。
【符号の説明】
【0066】
1・・・電気的ブレーカ・デバイス,遮断装置;高電圧サーキット・ブレーカ;1a・・・中心軸,ブレーカ軸;2・・・ブレーカ室,ブレーカ室ボリュ−ム;3・・・ブレーカ室ハウジング,ブレーカ室ウォール;3a・・・ブレーカ室インシュレータ;4・・・排出ボリュ−ム;
4a・・・排出ハウジング,排出ウォール;電流接続フィッティング;5・・・アーク接点システム,第一の接点,接点ピン,固定接点;第二の接点,チューリップ接点,中空接点,可動接点;5a・・・中空接点流出開口;6・・・アーク・クエンチング・ゾーン;6a・・・絶縁ノズル;7,8・・・コールド・ガスが満たされた排出領域,中間貯蔵ボリューム,コールド・ガス容器;7・・・第一のボリュ−ムV1,内側のボリュ−ム;7a,7b,8a,8b・・・その中を流れが通ることができるボディ;7a,7b・・・外側のウォール,内側のボリュ−ムのリア・ウォール;その中を流れが通ることができるボディ;70・・・中間貯蔵ボリュームへの入口開口;71・・・第一の流出開口;72・・・第二の流出開口,通過流れ開口;73・・・第三の流出開口,更なる流出開口,通過流れ開口;74・・・ジェット形成流出開口;75・・・バッフル・ウォール;8・・・第二のボリュ−ムV2,外側のボリュ−ム;80・・・中間貯蔵ボリュームの中の流出開口;8a,8b・・・外側のウォール,中間貯蔵ボリュームまたはコールド・ガス容器のリア・ウォール;9・・・予冷のための補助手段;9a・・・二次ボリュ−ム,予冷ボリュ−ム,ジェット形成ボリュ−ムV3;9b・・・バッフル・プレート;9c・・・ガイド手段,クエンチングのためのガス旋回手段;10・・・混合チャネル,追加的な混合長さ;10a・・・内側のチャネル・ウォール;101・・・チャネル入口開口,流出開口;102・・・チャネル出口開口,排出開口;11・・・クエンチング・ガス流れ;11a,11b・・・第一の,第二の部分ガス流れ;11c・・・第三の部分ガス流れ,更なる部分ガス流れ;11・・・ホット・ガス;111・・・コールド・ガス;12・・・混合ゾーン;低圧ゾーン;旋回ゾーン;13・・・混合された排出ガス;A1,A2,A3・・・第一の,第二の,第三の流出開口の断面積;A0・・・合計の流出断面積;L,D・・・長さ,混合チャネルの直径;l・・・流出開口の間の距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイス(1)の中、特に高電圧サーキット・ブレーカ(1)の中で、クエンチング・ガス(11)を冷却するための方法であって、
前記ブレーカ・デバイス(1)は、ブレーカ室ハウジング(3)で取り囲まれたブレーカ室(2)を有しており、
スイッチング・オペレーションの際に、ホット・クエンチング・ガス(11,110)が、アーク・クエンチング・ゾーン(6)からコールド・ガス(111)で満たされた排出領域(7,8)へ流れ;
前記ホット・クエンチング・ガス(11,110)は、少なくとも二つの部分ガス流れ(11a,11b,11c)に分割され;更に、
a) 前記コールド・ガス(111)の少なくとも一部が、前記排出領域(7,8)の中に中間的に貯えられ、第一の部分ガス流れ(11a)が、この中間的に貯えられたコールド・ガス(111)をバイパスするようにガイドされて前記ブレーカ室(2)の中に流れ込み;
b) 第二の部分ガス流れ(11b)の助けにより、前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)が、前記排出領域(7,8)から強制的に排除される;方法において、
c) 前記第一の部分ガス流れ(11a)と前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)が、前記ブレーカ室ハウジング(3)に流れ込む前に、混合ゾーン(12)の中で互いに混合されることを特徴とする方法。
【請求項2】
下記特徴を備えた請求項1に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) ガス・ジェットが、前記第一の部分ガス流れ(11a)の中及び前記コールド・ガス(111)の中で作り出され、前記混合ゾーン(12)の領域で、互いに向けて吹き出され、その結果として混合される;
b) 特に、前記ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットは、前記ブレーカ室ハウジング(3)に流れ込む前に、互いに渦を形成して、前記第一の部分ガス流れ(11a)と前記コールド・ガス(111)の乱流状態の混合物を形成する。
【請求項3】
下記特徴を備えた請求項1または2に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 混合チャネル(10)が、前記混合ゾーン(12)の下流、且つ前記ブレーカ室ハウジング(3)への入口の上流に、存在する;
b) 前記第一の部分ガス流れ(11a)は、前記混合チャネル(10)の中で、前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)と、特に、予冷された第二の部分ガス流れ(11b)と、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)と、追加的に混合される。
【請求項4】
下記特徴を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
前記混合ゾーン(12)の領域で、低圧が、第一の部分ガス流れ(11a)により作り出され、その低圧によって、前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)が、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)から吸い出される。
【請求項5】
下記特徴を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 前記第二の部分ガス流れ(11b)は、前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)の方向にガイドされる;および/または、
b) 前記第一の部分ガス流れ(11a)は、相対的に短い経路を介して、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中にガイドされ、前記第二の部分ガス流れ(11b)、また場合によれば、それを助ける更なるまたは第三の部分ガス流れ(11c)は、相対的に長い経路を介して、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中にガイドされる。
【請求項6】
下記特徴を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 前記コールド・ガス(111)の前記中間的に貯えられた部分は、中間貯蔵ボリューム(7,8)の中の前記排出領域の中に、中間的に貯えられる;
b) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)は、前記第二の部分ガス流れ(11b)のための、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)のための、入口開口(70)及び出口開口(80)を有し、且つ、前記出口開口(80)の領域で、前記混合ゾーン(12)を有し、その中で、前記貯えられたコールド・ガス(111)が前記第一の部分ガス流れ(11a)と混合される。
【請求項7】
下記特徴を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の貯蔵容量は、前記第一の部分ガス流れ(11a)と前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)の所望の混合期間及び混合温度に基づいてデザインされている;および/または、
b) 前記相対的に長い経路と前記相対的に短い経路の間の相違(2*l)は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)を通る通過流れの長さ(2*l)に等しいように、デザインされている。
【請求項8】
下記特徴を備えた請求項1から7のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 前記第一の部分ガス流れ(11a)は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)をバイパスしながら、最短の経路を介して前記ブレーカ室ハウジング(3)の中に流れ込む;および/または、
b) 前記第二の部分ガス流れ(11b)は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)を通る最長の経路を介して、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中に流れ込む;および/または、
c) 更なる部分ガス流れ(11c)は、少なくとも部分的に前記中間貯蔵ボリューム(7,8)を通って、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中に流れ込む。
【請求項9】
下記特徴を備えた請求項1から8のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) 前記クエンチング・ガス(11)は、予冷のための補助手段(9,9a,9b,9c;74,75)を用いて、前記ブレーカ・デバイス(1)の前記排出ボリューム(4)の中で、予冷される;
b) 特に、前記ホット・ガス(110)は、それが前記部分ガス流れ(11a,11b,11c)に分割される前に予冷され、および/または、前記第一の部分ガス流れ(11a)、および/または前記第二の部分ガス流れ(11b)、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)が、予冷される。
【請求項10】
下記特徴を備えた請求項1から9のいずれか1項に記載のクエンチング・ガス(11)を冷却するための方法:
a) ガス・ジェットが、前記クエンチング・ガス(11)の中に、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の中および/または二次ボリューム(9a)の中のジェット形成用の流出開口(74)により、形成され、このガス・ジェットは、バッフル・ウォール(75)の上にガイドされ、且つそこで旋回される;および/または、
b) 前記クエンチング・ガス(11)は、バッフル・プレート(9b)の上にガイドされる;および/または、
c) 拡張された経路、特に曲がりくねった経路が、前記クエンチング・ガス(11)の中に、ガイド手段(9c)により、予め定められ、および/または、再循環領域が、旋回手段(9c)により形成される。
【請求項11】
電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイス(1)、特に、高電圧サーキット・ブレーカ(1)であって、
ブレーカ室ハウジング(3)により取り囲まれ、アーク・クエンチング・ゾーン(6)、及びホット・クエンチング・ガス(11,110)を冷却するための排出ボリューム(4)を有するブレーカ室(2)を備えており、
前記排出ボリューム(4)の排出領域(7,8)は、スイッチング・オペレーションの開始時に、コールド・ガス(111)で満たされており;
前記ホット・クエンチング・ガス(11,110)を少なくとも二つの部分ガス流れ(11a,11b,11c)にを分割するための手段(71,72,73;7a,7b;8a,8b)が設けられ;更に、
a) コールド・ガス(111)を貯えるための中間貯蔵ボリューム(7,8)が、前記排出領域(7,8)の中に配置され;
b) 第一の部分ガス流れ(11a)を、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)をバイパスさせながら、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中にガイドする第一の手段(71;101,102)が設けられ;
c) 第二の部分ガス流れ(11b)を前記貯えられたコールド・ガス(111)の方向へガイドし、その結果として、前記貯えられたコールド・ガス(111)の前記中間貯蔵ボリューム(7,8)から排除する第二の手段(7a,7b;72)が設けられた;
電気的ブレーカ・デバイスにおいて、
d) 混合ゾーン(12)が、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の出口開口(80)の領域に、前記第一の部分ガス流れ(11a)を前記コールド・ガス(111)と混合するために設けられ、それによって、前記第一の部分ガス流れ(11a)と前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)が、前記ブレーカ室ハウジング(3)に流れ込む前に、互いに混合されるように構成されていること、を特徴とする電気的ブレーカ・デバイス。
【請求項12】
下記特徴を備えた請求項11に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記混合ゾーン(12)は、同時に、前記第一の部分ガス流れ(11a)及び前記コールド・ガス(111)のための旋回ゾーン(12)として、デザインされている;
b) 特に、前記混合ゾーン(12)は、前記第一の部分ガス流れ(11a)及び前記コールド・ガス(111)のガス・ジェットのための旋回ゾーン(12)として、デザインされ、特に好ましくは、前記ホット・ガス・ジェット及びコールド・ガス・ジェットは、前記混合ゾーン(12)の中で、互いに向けて吹き出される。
【請求項13】
下記特徴を備えた請求項11または12に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 混合チャネル(10)が、前記混合ゾーン(12)の下流、且つ前記ブレーカ室ハウジング(3)への入口の上流に配置されている;
b) 前記混合チャネル(10)の中で、前記第一の部分ガス流れ(11a)と、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)から強制的に排除された前記コールド・ガス(111)との、特に、予冷された第二の部分ガス流れ(11b)との、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)との、追加的な混合が行われる。
【請求項14】
下記特徴を備えた請求項13に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記混合チャネル(10)は、前記中間貯蔵ボリューム(6)から、内側のチャネル・ウォール(10a)により分けられ、チャネル入口開口(101)を介して、前記中間貯蔵ボリューム(6)に接続されている;および/または、
b) 前記混合チャネル(10)の直径D及び長さLは、既に予め混合された部分ガス流れ(11a,11b,11c)と前記コールド・ガス(111)の、及び相互の、有効な混合が実現するように定められる;および/または、
c) 前記混合チャネル(10)は、軸方向および/または径方向に並べられている。
【請求項15】
下記特徴を備えた請求項11から14のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
前記混合ゾーン(12)は、同時に、前記貯えられたコールド・ガス(111)を前記中間貯蔵ボリューム(7,8)から吸い込むための低圧ゾーン(12)としてデザインされている。
【請求項16】
下記特徴を備えた請求項11から15のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記第一の部分ガス流れ(11a)のための相対的に短い経路、及び前記第二の部分ガス流れ(11b)のための、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)のための相対的に長い経路は、前記アーク・クエンチング・ゾーン(6)と前記ブレーカ室ハウジング(3)の間の、前記排出領域(7,8)の中に予め定められている;
b) 特に、前記相対的に長い経路と前記相対的に短い経路の間の経路長さの相違(2*l)は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)を通る通過流れの長さ(2*l)により規定される。
【請求項17】
下記特徴を備えた請求項11から16のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)は、入口開口(70)及び出口開口(80)を有している;
b) 前記第一の手段(71)は、前記第一の部分ガス流れ(11a)を、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)をバイパスさせながら、前記出口開口(80)の方向へガイドする;
c) 前記第二の手段(7a,7b;72)は、前記第二の部分ガス流れ(11b)、または場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)を、前記入口開口(70)の方向へ、そして、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)を通って前記出口開口(80)の方向へ、ガイドする。
【請求項18】
下記特徴を備えた請求項11から17のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の貯蔵容量は、前記第一の部分ガス流れ(11a)と前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)の所望の混合期間及び混合温度に基づいてデザインされている;および/または、
b) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の通過流れの長さ(2*l)は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の中の前記第二の部分ガス流れ(11b)の、前記第一の部分ガス流れ(11a)に対する所望の時間遅れに基づいてデザインされている。
【請求項19】
下記特徴を備えた請求項11から18のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記排出ボリューム(4)は、排出ハウジング(4a)により取り囲まれ、この排出ハウジングは、流出開口(101)、及び前記ブレーカ室ハウジング(3)の方向への排出開口(102)を有している;
b) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)は、その中を流れが通ることができるボディ(7a,7b,8a,8b)であって、前記排出ボリューム(4)の中に配置されたボディにより形成されている;
c) その中を流れが通ることができる前記ボディ(7a,7b,8a,8b)は、当該ボディ(7a,7b,8a,8b)の領域の中の前記第一の部分ガス流れ(11a)を分岐するための第一の開口(71)を有し、この第一の開口は、前記アーク・クエンチング・ゾーン(6)に面しており、且つ、
前記ボディは、当該ボディ(7a,7b,8a,8b)領域の中の前記第二の部分ガス流れ(11b)のための第二の開口(72)を有し、この第二の開口は、前記アーク・クエンチング・ゾーン(6)から離れた位置に面している。
【請求項20】
下記特徴を備えた請求項19に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記第一の開口(71)は、前記流出開口(101)の近くに、特に、径方向にそれに向かい合って、配置され;および/または、
b) 前記第二の開口(72)は、前記流出開口(101)から遠く離れて、特に、前記流出開口(101)から最大の軸方向距離に配置され、および/または、
c) 第三のまたは更なる部分ガス流れ(11c)のための第三のまたは更なる開口(73)は、前記第一の開口(71)と前記第二の開口(72)の間で、軸方向の方向(1a)に配置されている。
【請求項21】
下記特徴を備えた請求項19または20に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記第二の開口(72)は、前記貯えられたコールド・ガス(111)及び前記第二の部分ガス流れ(11b)を、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の前記出口開口(80)に向けて戻すようにガイドするための、偏向デバイス(7b,8b,8a)と協働する;および/または、
b) 前記第一の部分ガス流れ(11a)のための前記相対的に短い経路と、前記第二の部分ガス流れ(11b)のための前記相対的に長い経路との間の、経路長さの相違(2*l)は、前記第一の開口(71)と前記第二の開口(72)の間の軸方向距離により規定される。
【請求項22】
下記特徴を備えた請求項19から21のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記開口(71,72,73)は、前記ボディ(7a,7b,8a,8b)のウォール(7a,7b)の中の、孔またはスロットである;および/または、
b) 前記開口(71,72,73)は、前記ボディ(7a,7b,8a,8b)の半径方向のウォール(7a)の中、および/または、軸方向のウォール(7b)の中に配置されている;および/または、
c) 前記第一の開口(71)、前記第二の開口(72)、また場合によれば第三の開口(73)の数、サイズ及び位置は、前記第一の部分ガス流れ(11a)が、前記排出ボリューム(4)の中で、前記貯えられたコールド・ガス(111)と、更に大きく混合されることが可能であるように選択される。
【請求項23】
下記特徴を備えた請求項19から22のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) その中を流れが通ることができる前記ボディ(7a,7b,8a,8b)は、同軸状に配置された内側シリンダ(7a,7b)を有し、この内側シリンダは、前記第二の部分ガス流れ(11b)のための前記アーク・クエンチング・ゾーン(6)の方向への入口開口(70)を有している;
b) 前記ボディ(7a,7b,8a,8b)は、その中を流れが通ることができる外側シリンダ(8a,8b)を有し、この外側シリンダは、前記内側シリンダ(7a,7b)を取り囲み、且つ、前記貯えられたコールド・ガス(111)及び前記アーク・クエンチング・ゾーン(6)の方向への前記第二の部分ガス流れ(11b)のための出口開口(80)を有している;
c) 前記内側シリンダ(7a,7b)及び前記外側シリンダ(8a,8b)は、前記第二の開口(72)を介して、また場合によれば第三の開口(73)を介して、互いに接続されている。
【請求項24】
下記特徴を備えた請求項11から23のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記クエンチング・ガス(11)の予冷のための補助手段(9,9a,9b,9c;74,75)が、前記ブレーカ・デバイス(1)の前記排出ボリューム(4)の中に配置されている+
b) 特に、前記補助手段(9,9a,9b,9c;74,75)は、前記ホット・ガスの流れ(110)の中に、それが、前記部分ガス流れ(11a,11b,11c)に分割される前に配置され、および/または前記第一の部分ガス流れの中に、および/または前記第二の部分ガス流れ(11a,11b)の中に、また場合によれば更なる部分ガス流れ(11c)の中に、配置されている。
【請求項25】
下記特徴を備えた請求項24に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記補助手段は、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の中に、および/またはガス・ジェットを形成するための二次ボリューム(9a)並びに前記ガス・ジェットを旋回させるためのバッフル・ウォール(75)の中に、ジェット形成用の流出開口(74)を有している;および/または、
b) 前記補助手段は、前記クエンチング・ガス(11)のための、バッフル・プレート(9b)および/またはガイド手段(9c)および/または旋回手段(9c)を有している。
【請求項26】
下記特徴を備えた請求項11から25のいずれか1項に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
a) 前記中間貯蔵ボリューム(7,8)、前記第一の手段(71;101,102)、及び前記第二の手段(7a,7b;72)は、前記ブレーカ・デバイス(1)の第一のおよび/または第二の接点(5)の前記排出領域(7,8)の中に配置されている;および/または、
b) 前記ブレーカ・デバイス(1)は、高電圧サーキット・ブレーカ(1)、または高電流サーキット・ブレーカ、またはスイッチ・ディスコネクタである。
【請求項27】
電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイス(1)の中の、特に、高電圧サーキット・ブレーカ(1)の中の、クエンチング・ガス(11)を冷却するための方法であって、
前記ブレーカ・デバイス(1)は、ブレーカ室ハウジング(3)で取り囲まれたブレーカ室(2)を有しており、
スイッチング・オペレーションの際に、ホット・クエンチング・ガス(11,110)が、アーク・クエンチング・ゾーン(6)から、コールド・ガス(111)で満たされた排出領域(7,8)へ流れ;
前記ホット・クエンチング・ガス(11,110)は、少なくとも二つの部分ガス流れ(11a,11b,11c)に分割され;更に、
a) 前記コールド・ガス(111)の少なくとも一部が、前記排出領域(7,8)の中に中間的に貯えられ、第一の部分ガス流れ(11a)は、この中間的に貯えられたコールド・ガス(111)をバイパスするようにガイドされて、前記ブレーカ室(2)の中に流れ込み;
b) 第二の部分ガス流れ(11b)の助けにより、前記中間的に貯えられたコールド・ガス(111)が、前記排出領域(7,8)から強制的に排除される、
方法において:
c) ガス・ジェットが、前記第一の部分ガス流れ(11a)の中及び前記コールド・ガス(111)の中で作り出されて、混合ゾーン(12)の領域で互いに向けて吹き出される、その結果として、混合されることを特徴とする方法。
【請求項28】
下記特徴を備えた請求項27に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
前記ホット・ガス・ジェット及びコールド・ガス・ジェットは、互いに渦を形成して、前記ホット第一の部分ガス流れ(11a)と前記コールド・ガス流れ(111)の乱流状態の混合物を形成する。
【請求項29】
電力供給システムのための電気的ブレーカ・デバイス(1)、特に高電圧サーキット・ブレーカ(1)であって、
ブレーカ室ハウジング(3)で取り囲まれたブレーカ室(2)を有し、且つ、
アーク・クエンチング・ゾーン(6)、及びホット・クエンチング・ガス(11,110)を冷却するための排出ボリューム(4)を有し、
前記排出ボリューム(4)の排出領域(7,8)は、スイッチング・オペレーションの開始時に、コールド・ガス(111)で満たされており;
前記ホット・クエンチング・ガス(11,110)を、少なくとも二つの部分ガス流れ(11a,11b,11c)に分割するための手段(71,72,73;7a,7b;8a,8b)が設けられ;更に、
a) コールド・ガス(111)を貯えるための中間貯蔵ボリューム(7,8)が、前記排出領域(7,8)の中に配置され;
b) 第一の部分ガス流れ(11a)を、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)をバイパスさせながら、前記ブレーカ室ハウジング(3)の中にガイドする第一の手段(71;101,102)が存在し、
c) 第二の部分ガス流れ(11b)を、前記貯えられたコールド・ガス(111)の方向へガイドし、その結果として、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)から前記貯えられたコールド・ガス(111)を排除する第二の手段(7a,7b;72)が存在する、
電気的ブレーカ・デバイスにおいて、
d) 前記第一の部分ガス流れ(11a)を前記コールド・ガス(111)と混合するための混合ゾーン(12)が、前記中間貯蔵ボリューム(7,8)の出口開口(80)の領域に設けられていること、
前記第一の部分ガス流れ(11a)及び前記コールド・ガス(111)のガス・ジェットを形成するための、ジェット形成手段が設けられていること、そして、
前記混合ゾーン(12)は、前記第一の部分ガス流れ(11a)及び前記コールド・ガス(111)のガス・ジェットのための、旋回ゾーン(12)として使用されること、
を特徴とする電気的ブレーカ・デバイス。
【請求項30】
下記特徴を備えた請求項29に記載の電気的ブレーカ・デバイス(1):
前記ホット・ガス・ジェットとコールド・ガス・ジェットは、前記混合ゾーン(12)の中で、互いに向けて吹き出され、その結果として、互いに渦を形成して、前記ホット第一の部分ガス流れ(11a)と前記コールド・ガス流れ(111)の乱流状態の混合物を形成する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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