説明

改良されたプライミングを有する、液体製品を投与するポンプ

【課題】改良されたプライミングを有するポンプを提供すること。
【解決手段】医薬品または化粧品の分野において使用されるように設計された、液体または半液体の製品を投与するポンプであって、該ポンプは、ポンプ本体と、不作動位置と正確な製品投与位置との間で該ポンプ本体において手動で動かすことができる投与ヘッドとを備えており、該投与ヘッドは、投薬チャンバを形成する円筒であって、該円筒は、該ポンプ本体内に滑動するように据え付けられている、円筒と、該製品または空気が、該投薬チャンバから該液体製品または空気の排出オリフィスに向けて進むことを可能にするチャネルと、ロッドで作られた排出バルブであって、該排出バルブの下端は、該投薬チャンバを上部で密閉している、排出バルブと、第1のスカートによって該円筒の上部に嵌められ、かつ、該円筒の該軸方向の動きを始動するように設計された押しボタンとを備えている、ポンプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、投与される液体製品を含む容器を密閉するために設計された、液体または半液体の製品を投与するポンプに関する。
【0002】
本発明に従ったポンプは、限定するものではないが、特に、医薬品の分野において使用されるように設計されている。
【背景技術】
【0003】
液体または半液体の製品を投与するために一般的に使用されるポンプは、所謂「ニードルバルブ」タイプである。かかるポンプは、ニードルバルブがポンプの開口端を塞ぎ製品の投与を防止する閉位置と、液体が該開口端を通過することをニードルバルブが可能にする開位置との間で自由に動くように据え付けられたニードルバルブを上部に備えている。
【0004】
かかるポンプは、標準的な態様においては、ポンプチャンバを形成する第1の円筒を備え、該第1の円筒は、抑制バルブによって吸入チューブと連通し、該第1の円筒においては、中空のピストンが滑動するように据え付けられている。ポンプは、第2の円筒も備えており、該第2の円筒は、第1の円筒と連通し、該第2の円筒においては、ニードルバルブによって形成された第2のピストンが滑動するように据え付けられ、第1の円筒と投与ノズルとの間の連通を妨害することが可能である。最後に、ポンプは、金属の圧縮バネのような弾性的な手段を備えており、該弾性的な手段は、連通が妨害される塞ぐ位置にニードルバルブを維持するようにニードルバルブに作用する。
【0005】
かかるポンプは、以下のような動作原理を有する:第1のピストンが動かされるときに、第1の円筒内に位置を決められた液体は第2の円筒に押され、該第2の円筒において、圧力は増加する。第2のピストンは第2の円筒に押し入ろうとし、バネを圧縮する。液体の圧力がこの作用とつりあうように充分に高い値に達すると、第2のピストンが動き、第2のピストンに結合されたバルブを駆動し、それにより円筒は投与ノズルと連通される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかるポンプは、現在の要求の品質水準を満たしていない。なぜならば、例えば、液体製品を投与した後に、液体製品は、ニードルバルブを塞ぐ位置に戻す金属バネとの接触により汚染され得るからである。
【0007】
さらに、投与された液体の服用量は多くの場合に不正確であり、このことが、特定の製品を投与することに対するかかるポンプの使用を制限している。
【0008】
これらの不利な点を克服することを試みるために、本出願人によって出願された国際公開第2006/125880号は、ロッドが上にあるベースで作られたニードルバルブと、不作動位置と正確な製品投与位置との間でポンプ本体において手動で動くことができる投与ヘッドとを備えているポンプを既に記述している。ヘッドは、ニードルバルブが投与オリフィスを塞ぐ位置までニードルバルブを戻すことと、不作動位置に投与ヘッドを戻すこととのそれぞれを行うための弾性的な手段を備えている。戻し手段は、投与される液体製品と接触しないように、投与ヘッド内に配置されている。投与ヘッドは、投与ヘッドのオリフィスと連通するために、投薬チャンバと、該投与ヘッドの端に提供される第2のチャンバとの間を液体製品が通ることを可能にするチャネルも備えている。
【0009】
液体製品がポンプの外側に向けて排出されることを可能にする、投与オリフィスの開きは、ニードルバルブにおける第2のチャンバに含まれる液体製品によって及ぼされる圧力の作用の下で生じる。さらに詳細には、ユーザによって投与ヘッドに及ぼされる圧力の作用の下で、投薬チャンバに含まれる液体製品は圧縮される。次に、投薬チャンバに含まれる液体製品が、チャネルに含まれる液体製品に圧力を及ぼし、そして第2のチャンバに含まれる液体製品に間接的に圧力を及ぼす。次に、ニードルバルブのベースに圧力を及ぼす、第2のチャンバに含まれる液体製品が、ニードルバルブの弾性的な戻し手段を圧縮する。この作用の下で、ニードルバルブのロッドが、投与オリフィスから離れ、通路を使える状態にし、該通路を通って、液体製品がポンプの外側に排出される。
【0010】
しかしながら、このタイプのポンプは、製品を投与することに先立ってプライミングされることが必要であり、このことは、ポンプの組み立ての間に、投薬チャンバとチャネルと第2のチャンバとに閉じ込められた空気を排気することを意味する。排気の原理は、先に記述された液体製品の投与原理と同様である。そしてさらに、第2の投薬チャンバに含まれる空気によって及ぼされる圧力は、投与オリフィスからニードルバルブを離し、次に、ポンプから空気を排出する通路を開くために常に充分であるわけではない。これが、ポンプをプライミングするときに問題をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、主に、従来技術に関する先に記述された不利な点を克服することを目的としており、さらに詳細には、改良されたプライミングを有するポンプを提供することによって、国際公開第2006/125880号の不利な点を克服することを目的としている。
【0012】
この目的のために、そして第1の局面に従って、本発明は、特に、医薬品または化粧品の分野において使用されるように設計された液体または半液体の製品を投与するポンプに関し、該ポンプは、ポンプ本体と、不作動位置と正確な製品投与位置との間でポンプ本体において手動で動くことができる投与ヘッドとを備えており、該投与ヘッドは、ポンプの投薬チャンバを形成する円筒であって、該チャンバは、吸入バルブによって液体吸入チューブと連通し、該円筒は、ポンプ本体に滑動するように据え付けられている、円筒と、製品または空気が、投薬チャンバから液体製品または空気を排出するオリフィスに向けて進むことを可能にするチャネルとを備えている。
【0013】
投与ヘッドは、円筒の内側で滑動するように据え付けられたロッドで作られた排出バルブを備え、該排出バルブの下端は、投薬チャンバを上部で密閉し、ロッドは、円筒内に配置されたぴたりと合う密閉座部に着座した状態となることが可能な周囲肩部から成る、該チャネルを気密に密閉する手段を備え、ポンプ本体における円筒の軸方向の動きの間の早いうちの、ロッドが止めに到達した後に、チャネルは、ロッドの肩部の反対側へ円筒から密閉座部を離すことによって開かれるという点で優れている。
【0014】
従って、円筒の停止よりも早い排出バルブの停止は、ポンプを機械的に開き続けて進むことを可能にする。明確に言うと、円筒との共同の軸方向の動きの間に、排出バルブが停止させられたときに、円筒の密閉座部は、排出バルブの肩部から離れ、それにより投薬チャンバからポンプの排出オリフィスまで延びている通過チャネルを開く。
【0015】
有利にも、チャネルは、吸入バルブを形成する手段にロッドの下端を停止させることによって開かれ、円筒は、ポンプ本体における軸方向の動きを続ける。この構成は、さらに詳細には、投薬チャンバに含まれる空気を排気する先の段階(ポンプのプライミング段階)に関連する。
【0016】
別の構成に従って、チャネルは、投薬チャンバに含まれる製品によって及ぼされる圧力の作用の下で、ロッドの下端を停止することによって開かれ、円筒は、ポンプ本体における軸方向の動きを続ける。この構成は、さらに詳細には、投薬チャンバに含まれる製品を投与する段階に関連する。
【0017】
有利にも、排出バルブは、コンパートメントを画定するように円筒と共に配置されており、該コンパートメントは、チャネルの閉じた位置への排出バルブの弾性的な戻し手段を含み、該コンパートメントは、気密密閉手段によって投薬チャンバから隔離されている。このようにして、円筒の密閉座部に戻るように排出バルブを押すことによって、上部における投薬チャンバに対する完全な密閉を保証するバネは、液体製品に決して接触しない。その結果、液体製品の汚染の全てのリスクが回避される。1つの特定の構成に従って、気密密閉手段は、ロッドの外壁の上端に配置された半径方向のリップから成る。
【0018】
有利にも、投与ヘッドは、ポンプ本体における投与ヘッドの手動の動きの間、コンパートメントに含まれる空気を排気する導管を備えており、該排気導管は、コンパートメントより上に配置される。ポンプを作動するときの、排出バルブの軸方向の動きの間、この導管は、コンパートメント内で圧縮された空気を排出することを可能にする。導管は、投薬チャンバからコンパートメントを隔離する密閉手段の気密性を制御することも可能にする。
【0019】
有利にも、投与ヘッドは、ポンプ本体内の円筒の軸方向の動きを始動するように設計された押しボタンを備え、該押しボタンは、第1のスカートによって円筒の上部に嵌められる。特定の構成に従って、チャネルは、円筒の外壁と、フィッティングスカートの内壁との間に配置される。
【0020】
有利にも、ポンプは、フィッティングスカートと、フィッティングスカートの外側の第2のスカートとの間に収容された、不作動位置に投与ヘッドを戻す弾性的な手段を備えている。かかる構成は、弾性的な戻し手段が製品と接触せず、それにより製品が汚染されるあらゆる危機を回避するという利点を有する。
【0021】
有利にも、ポンプは、液体または半液体の製品のディスペンサへの支持および取り付けのための手段を備えている。
【0022】
第2の局面に従って、本発明は、下記の項目1〜項目8のうちのいずれか1項に記載のポンプを装着された、治療または美容の処置向けの液体または半液体の製品のためのディスペンサに関する。
【0023】
本発明はさらに以下の手段を提供する。
【0024】
(項目1)
特に、医薬品または化粧品の分野において使用されるように設計された、液体または半液体の製品を投与するポンプ(1)であって、該ポンプ(1)は、ポンプ本体(2)と、不作動位置と正確な製品投与位置との間で該ポンプ本体(2)において手動で動かすことができる投与ヘッド(3)とを備えており、該投与ヘッドは、
−投薬チャンバ(41)を形成する円筒(4)であって、該チャンバは、吸入バルブ(6)を形成するデバイスによって液体吸入チューブ(5)と連通し、該円筒(4)は、該ポンプ本体(2)内に滑動するように据え付けられている、円筒(4)と、
−該製品または空気が、該投薬チャンバ(41)から該液体製品または空気の排出オリフィス(8)に向けて進むことを可能にするチャネル(7)と、
−ロッドで作られた排出バルブ(9)であって、該排出バルブ(9)の下端は、該投薬チャンバ(41)を上部で密閉し、該排出チャンバ(9)は、ぴたりと合う密閉座部(11)に着座した状態となることが可能な周囲肩部(10)から成る、該チャネル(7)を気密に密閉する手段を備え、該ポンプ本体(2)における該円筒(4)の軸方向の動きの間の早いうちの、該ロッドが止めに到達した後に、該チャネル(7)は、該円筒(4)の座部(11)から該肩部を離すことによって開かれる、排出バルブ(9)と、
第1のスカート(14)によって該円筒(4)の上部に嵌められ、かつ、該円筒(4)の該軸方向の動きを始動するように設計された押しボタン(18)と
を備え、該密閉座部(11)は、該円筒(4)内に配置され、該チャネル(7)は、該円筒(4)の外壁と該第1のスカート(14)の内壁との間に配置されているということを特徴とする、ポンプ(1)。
【0025】
(項目2)
上記チャネル(7)は、早いうちに、上記吸入バルブ(6)を形成する手段に上記ロッドの下端(91)を停止させることによって開かれるということを特徴とする、項目1に記載のポンプ(1)。
【0026】
(項目3)
上記チャネル(7)は、上記投薬チャンバ(41)に含まれる製品によって及ぼされる圧力の作用下で、早いうちに、上記ロッドの上記下端(91)を停止させることによって開かれるということを特徴とする、項目1に記載のポンプ(1)。
【0027】
(項目4)
上記排出バルブ(9)は、コンパートメント(42)を画定するように上記円筒(4)と共に配置されており、該コンパートメント(42)は、上記チャネル(7)の閉じた位置への該排出バルブ(2)の弾性的な戻し手段(12)を含み、該コンパートメント(42)は、気密密閉手段(92)によって上記投薬チャンバ(41)から隔離されるということを特徴とする、項目1〜項目3のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【0028】
(項目5)
上記気密密閉手段(92)は、上記ロッドの外壁の上端に配置される半径方向のリップから成るということを特徴とする、項目1〜項目4のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【0029】
(項目6)
上記ポンプ(1)は、上記フィッティングスカート(14)と、該フィッティングスカート(14)の外側の第2のスカート(15)との間に収容された、上記不作動位置に上記投与ヘッド(3)を戻す弾性的な手段(16)を備えているということを特徴とする、項目1〜項目5のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【0030】
(項目7)
上記投薬ヘッド(3)は、上記ポンプ本体(2)における該投薬ヘッド(3)の手動の動きの間、上記コンパートメント(42)に含まれる上記空気を排気する導管(13)を備えており、該排気導管(13)は、該コンパートメント(42)より上に配置される、項目4〜項目6のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【0031】
(項目8)
上記ポンプ(1)は、液体または半液体の製品のディスペンサへの支持および取り付けのための手段(17)を備えているということを特徴とする、項目1〜項目7のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【0032】
(項目9)
項目1〜項目8のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)を装着された、治療または美容の処置向けの液体または半液体の製品のためのディスペンサ。
【0033】
(摘要)
本発明は、液体製品を投与するポンプ(1)に関し、該ポンプ(1)は、ポンプ本体(2)と、ポンプ本体(2)において手動で動かせる投与ヘッド(3)とを備えており、該ヘッドは、ポンプ本体(2)内に滑動するように据え付けられた、ポンプの投薬チャンバ(41)を形成する円筒(4)と、投薬チャンバ(41)から排出オリフィス(8)に向けて製品または空気の通過を可能にするチャネル(7)とを備えている。ロッド(3)は、円筒(4)に配置された補完的密閉座部に着座した状態となることが可能である周囲肩部から成る、チャネル(7)を気密に密閉する手段を備えており、ポンプ本体(2)における円筒(4)の軸方向の動きの間の早いうちの、ロッドが止めに到達した後に、チャネル(7)を開くことが、ロッドの肩部の反対側へ円筒(4)から密閉座部を離すことによって行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の更なる目的および利点は、添付の図面に参照を行った以下の記述から明らかになる。
【0035】
図面に関して、以下で記述されるようなポンプは、鼻スプレーの形式で液体または半液体の医薬品を投与することに特に適している。しかしながら、本発明に従ったポンプは、様々な形状を有し、化粧品の分野のような他の分野に適用され得るということが理解される。
【0036】
ポンプ1は、ポンプ本体2と、不作動位置(図1)と下げられた位置(図2)との間でポンプ本体2において手動で動くことができる投与ヘッド3とを備えている。
【0037】
投与ヘッド3は、ポンプ本体2に滑動するように据え付けられた投薬チャンバ41を形成する円筒4と、該円筒4の内側で滑動するように据え付けられたロッドで作られた排出バルブ9とを備えている。投薬チャンバ41は、上部において、排出バルブ9によって密閉され、かつ、下部において、吸入バルブ6によって液体吸入チューブ5と連通する。
【0038】
投与ヘッド3はまた、円筒4の上部に嵌め込まれた押しボタン18を備えている。押しボタン18は、2つの同心スカート14、15を備え、第1のスカート14は、円筒4を囲む内側スカートと呼ばれ、第2のスカート15は、第1のスカート14から離れて置かれる外側スカートと呼ばれる。
【0039】
押しボタン18は、オリフィス8を提供されており、該オリフィス8を通って、投薬チャンバに含まれる空気が、プライミング段階の間、または製品の服用量が投与される間に、ポンプの外側に排出される。従って、流体は、投薬チャンバ41からオリフィス8にチャネル7を通って進む。記述された実施形態に従って、チャネル7は、円筒4の外壁と第1のスカート14の内壁との間に配置される。
【0040】
投与ヘッド3はまた、チャネル7を気密に密閉する手段を備え、投薬チャンバ41から投与ヘッドの投与オリフィス8に向けた流体(空気、または投与される液体製品)の通過を防止する。密閉手段は、ロッドの外壁に配置された肩部10から成り、該肩部10は、円筒4に配置される、ぴたりと合う形状を有する密閉座部11に着座した状態となることが可能である。従って、そして以下に見られるように、チャネル7は、円筒4の密閉座部11に載るロッドの肩部10を維持することによって気密に密閉され、円筒4から肩部10の反対側へ密閉座部11を離すことによって開かれる。
【0041】
ロッドの肩部10は、バネのような弾性的な戻し手段12によって、円筒の密閉座部11に載ったまま維持される。戻しバネ12は、円筒4とロッドの上端とによって画定されるコンパートメント42に収容される。バネ12は、コンパートメント42内で圧縮によって据え付けられる。
【0042】
バネ12が投薬チャンバ41からの流体と接触することを防止するために、コンパートメント42は、気密密閉手段92によって投薬チャンバ41から隔離される。記述された実施形態において、気密密閉手段92は、ロッドの外壁の上端に配置された半径方向のリップ92から成る。
【0043】
排出バルブ9は、有利にも、円筒4の密閉座部に保持されたときに、不作動位置において、下端91が投薬チャンバ41の中に延びるように、円筒4内に配置される。
【0044】
有利にも、投与ヘッド3は、導管13を備えており、該導管13は、ポンプ本体2における投与ヘッド3の手動の動きの間、コンパートメント42に含まれる空気を排気し、および工場組み立ての間、密閉手段92の気密性が制御されることを可能にするように設計されている。記述された実施形態において、導管13は、コンパートメント42の上に延びている。
【0045】
さらに、ポンプは、不作動位置への投与ヘッド3の弾性的な戻りを確実にするように設計された、バネのような第2の弾性的な戻し手段16を装備されている。液体が、バネ16と接触して、バネ16によって汚染されることを防止するために、バネ16は、有利にも、押しボタン18の内側スカート14と外側スカート15との間に収容される。
【0046】
記述された実施形態において、吸入バルブ6は、ポンプ本体2の下部に配置される変形可能な膜19から成る。膜19は、ポンプ本体2の中で立ち上がっている管状支持20に載っている。
【0047】
支持20の下端は、半径方向外側への延伸部21を提供される。以下に見られるように、延伸部21は、ポンプ本体2内で軸方向に動く円筒4に対する止めを提供する機能を有し、該円筒4の停止は、ポンプ1の下側の位置に対応する。
【0048】
支持20の上端は、接点22を提供される。オリフィス23を備えている膜19は、支持20の上端を覆い、オリフィス23は、接点22の反対側に配置されている。膜19のオリフィス23を塞ぐ機能に加えて、接点22は、ポンプをプライミングする目的のために、排出バルブ3に対する止めを提供する更なる機能を有する。
【0049】
支持20は、ポンプ本体2の中空の円筒部分24の外側に嵌められ、円筒部分24は、該ポンプ本体2の中に延び、ポンプ本体2の下部において開いている。ディスペンサに含まれた液体製品に対する吸入チューブ5は、ポンプ本体2の円筒部分24の中に嵌められる。
【0050】
ポンプは、支持および取り付けのための手段17を更に備えることにより、ポンプが、投与される液体または半液体の製品を含むディスペンサに取り付けられることを可能にする。
【0051】
ポンプの動作が以下で記述される。
【0052】
先に記述されたように、ポンプを装着されたディスペンサに含まれる製品を投与することに先立ち、該ポンプの投薬チャンバ41に閉じ込められた空気を排気することが必要である。これが所謂プライミング段階である。
【0053】
図1および図2に示されたこの段階の動作原理は、以下のようなものである:投与ヘッド3の押しボタン18における(図1において矢印によって示された)手動の圧力Pの作用の下、円筒4−排出バルブ9のアセンブリは、ポンプ本体2内で、吸入バルブ6の方向に、軸方向に滑動する。上部においては、円筒4の密閉座部11に載っている排出バルブ9によって気密にされ、かつ、下部においては、吸入バルブ6によって気密にされた投薬チャンバ41に閉じ込められた空気が、次に圧縮される。排出バブル9の下端91が膜の支持20の接点22に対する止めに来るまで、円筒4−排出バルブ9のアセンブリは、移動を続ける。このようにしてバルブ9が止められたままで、円筒4の下端43が、膜の支持20の延伸部21に到達するまで、円筒4は移動を続ける。投与ヘッド3は、次に、低位置(すなわち移動の終わりの位置)(図2)にくる。
【0054】
移動を続けると、円筒4は、排出バルブ9の肩部10から離され、排出バルブ9と円筒4との間の接触によってこの時点まで維持されていた密閉が破られる。次に、チャネル7が開く。
【0055】
密閉が破られると、投薬チャンバ41において圧縮された空気は、投薬チャンバ41からオリフィス8に向けて開いたチャネル7を通って流出し得る。
【0056】
底の位置に到達すると、投与ヘッド3の押しボタン18に及ぼされる圧力Pが解放される。バネ16の作用の下で、押しボタン18は、不作動位置に戻るように上がり、それと共に、ポンプ本体2の内側を滑動させることによって円筒4を上昇させる。上昇の間、円筒4の密閉座部11は、排出バルブ9の肩部10と接触するように戻り、円筒4は、移動の間に該バルブを押しやる。次に、投薬チャンバ41は、バネ12によって再び気密にされ、バネ12は、円筒4の密閉座部11に戻るように排出バルブ9を押す。
【0057】
投与ヘッド3が上がり続けると、気圧降下が、上部で密閉されている投薬チャンバ41において引き起こされる。投薬チャンバ41内に引き起こされる気圧降下が、膜の支持20の接点22における膜19の密閉を維持する力に勝るときには、膜19は変形し、ディスペンサに含まれる液体製品が、ディスペンサのリザーバから投薬チャンバ41に向けて液体吸入チューブ5を通って吸入される。投与ヘッド3が静止位置に到達したとき、投薬チャンバ41における気圧降下が停止し、膜19は、膜の指示20の接点22における気密の位置に戻る。
【0058】
投薬チャンバ41に含まれる全ての空気が排気されるまで、この動作は繰り返される。投薬チャンバに含まれる空気が、投与される製品と完全に置換されたときに、プライミング段階は終了する。さらに、投薬チャンバ41に含まれる製品は、投与される製品の1回の服用量に対応する。
【0059】
プライミング段階が終了すると、ポンプ1は、液体段階としても公知の製品投与段階に入る。液体段階は図3〜図6に示されている。
【0060】
投与ヘッド3の押しボタン18における(図4において矢印によって示された)下方への手動の圧力Pの作用の下、円筒4−排出バルブ9のアセンブリは、再び、ポンプ本体2内で、吸入バルブ6の方向に滑動する。しかしながら、投薬チャンバ41に含まれる製品によって及ぼされる圧力の作用の下、排出バルブ9は、依然として移動のままである。移動を続けると、次に、円筒4が排出バルブ9の肩部から離れ、それによりバルブと円筒4の密閉座部11との間の密閉を破る。次に、チャネル7が開く。
【0061】
密閉が破られると、投薬チャンバ41に含まれる製品が、開いたチャネル7の中に進むことにより、オリフィス8を通ってポンプ1から排出される(図4)。
【0062】
投薬チャンバ41に含まれる製品の作用の下で互いから離れて維持されている円筒4と排出バルブ9とは、円筒4の下端が膜の支持20の延伸部21に到達するまで、共に移動を続ける。従って、投与ヘッド3の下側の位置は、投薬チャンバ41に含まれる製品の服用量の完全な投与に対応する(図5)。
【0063】
底の位置に到達すると、投与ヘッド3の押しボタン18に及ぼされる圧力Pが解放される。プライミング段階におけるように、押しボタン18は、バネ16の作用の下で、不作動位置に戻るように上がり、それと共に、ポンプ本体2の内側を滑動させることによって円筒4を上昇させる。上昇の間、円筒4の密閉座部11は、排出バルブ9の肩部10と接触するように戻り、次に、円筒は、移動の間に排出バルブ9を押しやる。次に、投薬チャンバ41は、バネ12によって再び気密にされ、バネ12は、円筒4の密閉座部11に戻るように排出バルブ9を押す。
【0064】
投与ヘッドが上がり続けると、気圧降下が、上部で密閉されている投薬チャンバ41において引き起こされる。投薬チャンバ41内に引き起こされる気圧降下が、膜の支持20の接点22における膜の密閉を維持する力に勝るときには、膜19は変形し、ディスペンサに含まれる製品が、ディスペンサのリザーバから投薬チャンバ41に向けて液体吸入チューブ5を通って吸引される(図6)。投与ヘッド3が不作動位置に到達したとき、投薬チャンバ41における気圧降下が停止する。次に、膜19は、膜の支持20の接点22における密閉された位置に戻る(図3)。
【0065】
本発明は、上で例として記述されている。当業者は、本発明を逸脱することなく、本発明の様々な変形例を作り出すことが可能であるということが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、不作動位置における、本発明に従ったポンプの断面図を示す。
【図2】図2は、下げられた位置における、図1のポンプの断面図を示す。
【図3】図3は、液体製品の投与の間のポンプの作動の様々なステップを示す、図1のポンプの断面図を示す。
【図4】図4は、液体製品の投与の間のポンプの作動の様々なステップを示す、図1のポンプの断面図を示す。
【図5】図5は、液体製品の投与の間のポンプの作動の様々なステップを示す、図1のポンプの断面図を示す。
【図6】図6は、液体製品の投与の間のポンプの作動の様々なステップを示す、図1のポンプの断面図を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 ポンプ
2 ポンプ本体
3 投与ヘッド
4 円筒
5 液体吸入チューブ
6 吸入バルブ
7 チャネル
8 排出オリフィス
9 排出バルブ
10 周囲肩部
11 密閉座部
14 第1のスカート
15 第2のスカート
18 押しボタン
41 投薬チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、医薬品または化粧品の分野において使用されるように設計された、液体または半液体の製品を投与するポンプ(1)であって、該ポンプ(1)は、ポンプ本体(2)と、不作動位置と正確な製品投与位置との間で該ポンプ本体(2)において手動で動かすことができる投与ヘッド(3)とを備えており、該投与ヘッド(3)は、
−投薬チャンバ(41)を形成する円筒(4)であって、該チャンバは、吸入バルブ(6)を形成するデバイスによって液体吸入チューブ(5)と連通し、該円筒(4)は、該ポンプ本体(2)内に滑動するように据え付けられている、円筒(4)と、
−該製品または空気が、該投薬チャンバ(41)から該液体製品または空気の排出オリフィス(8)に向けて進むことを可能にするチャネル(7)と、
−ロッドで作られた排出バルブ(9)であって、該排出バルブ(9)の下端は、該投薬チャンバ(41)を上部で密閉し、該排出チャンバ(9)は、ぴたりと合う密閉座部(11)に着座した状態となることが可能な周囲肩部(10)から成る、該チャネル(7)を気密に密閉する手段を備え、該ポンプ本体(2)における該円筒(4)の軸方向の動きの間の早いうちの、該ロッドが止めに到達した後に、該チャネル(7)は、該円筒(4)の座部(11)から該肩部を離すことによって開かれる、排出バルブ(9)と、
第1のスカート(14)によって該円筒(4)の上部に嵌められ、かつ、該円筒(4)の該軸方向の動きを始動するように設計された押しボタン(18)と
を備え、該密閉座部(11)は、該円筒(4)内に配置され、該チャネル(7)は、該円筒(4)の外壁と該第1のスカート(14)の内壁との間に配置されているということを特徴とする、ポンプ(1)。
【請求項2】
前記チャネル(7)は、早いうちに、前記吸入バルブ(6)を形成する手段に前記ロッドの下端(91)を停止させることによって開かれるということを特徴とする、請求項1に記載のポンプ(1)。
【請求項3】
前記チャネル(7)は、前記投薬チャンバ(41)に含まれる製品によって及ぼされる圧力の作用下で、早いうちに、前記ロッドの前記下端(91)を停止させることによって開かれるということを特徴とする、請求項1に記載のポンプ(1)。
【請求項4】
前記排出バルブ(9)は、コンパートメント(42)を画定するように前記円筒(4)と共に配置されており、該コンパートメント(42)は、前記チャネル(7)の閉じた位置への該排出バルブ(2)の弾性的な戻し手段(12)を含み、該コンパートメント(42)は、気密密閉手段(92)によって前記投薬チャンバ(41)から隔離されるということを特徴とする、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【請求項5】
前記気密密閉手段(92)は、前記ロッドの外壁の上端に配置される半径方向のリップから成るということを特徴とする、請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【請求項6】
前記ポンプ(1)は、前記フィッティングスカート(14)と、該フィッティングスカート(14)の外側の第2のスカート(15)との間に収容された、前記不作動位置に前記投与ヘッド(3)を戻す弾性的な手段(16)を備えているということを特徴とする、請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【請求項7】
前記投薬ヘッド(3)は、前記ポンプ本体(2)における該投薬ヘッド(3)の手動の動きの間、前記コンパートメント(42)に含まれる前記空気を排気する導管(13)を備えており、該排気導管(13)は、該コンパートメント(42)より上に配置される、請求項4〜請求項6のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【請求項8】
前記ポンプ(1)は、液体または半液体の製品のディスペンサへの支持および取り付けのための手段(17)を備えているということを特徴とする、請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のうちのいずれか1項に記載のポンプ(1)を装着された、治療または美容の処置向けの液体または半液体の製品のためのディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−516(P2009−516A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148641(P2008−148641)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(505190655)レクサム ディスペンシング システムズ (12)
【Fターム(参考)】