説明

改良された読み出しパラメータ制御のための平均ランレングス維持符号を備えた方法、装置及び記録担体

本発明は、磁区拡大光磁気記録媒体の少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する方法及び装置に関する。読み取り信号の平均検出ランレングスが監視され、エラー信号が、符号化工程中に設定された所定の平均ランレングスと監視結果との比較に基づいて発生させられる。少なくとも1つの読み出しパラメータが更に、発生エラー信号に基づいて制御される。更に、本発明は、ランレングス制約が、記憶層におけるマーク領域及び空間領域、の数量のうちの少なくとも1つに施される方法、装置及び記録担体に関する。ランレングス制約は、所定の範囲内に所定の平均ランレングスからの累積ランレングス偏差を維持するよう選択される。本願提案のランレングス特性及び制御手法は、検出ランレングス全てが、エラー信号に寄与して、応答をずっと高速にし、読み出しエラーを削減するという利点を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録層又は記憶層、及び拡張層又は読み出し層を備える、MAMMOS(磁気増幅光磁気システム)ディスクなどの光磁気記録媒体の読み取り中に放射電力及び/又は磁界強度などの少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する方法及び装置に関する。更に、本発明は、記録層又は記憶層、及び拡張層又は読み出し層を備える記録担体に関し、データを記録担体上に記録する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光磁気記憶システムでは、記録マークの最小幅は、回折限界によって、すなわち、集束レンズの開口数(NA)、及びレーザ波長によって決まる。幅の削減は一般に、より短い波長のレーザ、及びより高いNAの集束光学系に基づくものである。光磁気記録中に、最小ビット長を、レーザ・パルス磁界変調(LP-MFM)を用いることによって光学的回折限度未満に削減することが可能である。LP-MFMでは、ビット遷移は、磁界の切り換えと、レーザの切り換えによって誘起される温度こう配とによって決まる。磁気超解像(MSR)手法又は磁区拡大(DomEx)手法を、このようにして記録された小さな三日月形状のマークを読み出すのに用いなければならない。こうした手法は、静磁気の、又は交換結合された、いくつかのRE-TM層を備えた記録媒体に基づいている。MSRによれば、光磁気ディスク上の読み出し層は読み取り中に隣接ビットをマスクするよう形成される一方、磁区拡大によれば、スポットの中心内の磁区が拡大される。磁区拡大手法のMSRに対する利点は、回折限度未満の長さを備えたビットを、回折限界スポットと同等のサイズを備えたビットのものと同様な信号対雑音比(SNR)によって検出することが可能である。MAMMOSは、静磁気結合された記憶層及び読み出し層に基づいた磁区拡大手法であって、磁界変調を、読み出し層内の拡大磁区の拡大及び崩壊に用いる手法である。
【0003】
MAMMOSのような前述の磁区拡大手法では、記憶層からの書き込みマークが、レーザ加熱によって、外部磁界の助力によって読み出し層に複製される。この読み出し層の飽和保磁力が低いことによって、光スポットを埋め、マーク・サイズとは無関係の飽和信号レベルによって検出できるように複製マークが拡大することになる。外部磁界の逆転は、拡大磁区を崩壊させる。一方、記憶層内の空間は複製されないことになり、拡大は何ら生じないことになる。
【0004】
MAMMOS読み出し処理の分解能、すなわち、隣接ビットからの干渉なしで再生することが可能な最小ビット・サイズは、ビット・パターンの、温度誘起飽和保磁力プロファイルと、漂有磁界プロファイルとの重なりによって決まる、複製処理の空間的範囲(複製ウィンドウ)によって制限される。読み出し処理において用いるレーザ電力は、複製を可能にするのに十分高いものであるべきである。他方で、より高いレーザ電力によって又、飽和保磁力Hcが減少し、漂遊磁界が温度の上昇によって増加することが理由で上記重なりが増加する。この重なりが大きくなりすぎると、空間の正確な読み出しがもう可能でなくなるが、それは偽信号が隣接マークによって生じるからである。この最大レーザ電力と最小レーザ電力との差が電力マージンを定め、この電力マージンはビット長の減少によって大きく減少する。現行の読み出し手法によって、0.10μmのビット長を正しく検出することが可能であるが、電力マージン(すなわち、16ビットDAC(ディジタル・アナログ変換器)の1ビット)が非常に狭いことを実験は明らかにしている。よって、光電力と、外部磁界の強度とのバランスをとることは、最適な条件を定めるうえで重要な要因である。
【0005】
しかし、最適な条件が読み出し処理の初期段階中に設定されても、初期のバランスが読み取り中に環境の変化によって妨げられることがあり得る。こうした環境変化には、磁界のボケ、ディスクのチルト、温度変化、ディスクの保護膜の厚さの非均一性、スライダの移動が磁気ヘッドに及ぼす影響等があり得る。よって、読み出し中に光電力及び磁界強度を制御することが必須である。
【0006】
特開第2000-215537号明細書には、ディスク上の所定部分を規定する情報アイテムと所定パルス数を規定するパルス情報とをディスク上の特定の部分から読み出すことによって放射電力、及び/又は外部磁界の磁界強度を制御する方法及び装置が開示されている。更に、所定部分から読み取られた情報が備えるパルス数がカウントされ、パルス情報と比較される。光電力又は磁界強度が更に、比較結果に基づいて調節される。
【0007】
更に、国際公開第03/023767明細書には、光磁気記録媒体からの読み取り処理中に光電力及び/又は磁界強度を制御するシステムが開示されている。読み取り信号内のパルス・パターンが解析され、解析結果が、記録媒体の記憶層に記憶されたデータのランレングス特性と比較される。放射電力及び/又は磁界強度が、比較結果に応じて制御される。この結果、電力及び/又は磁界の校正に確保しなければならないディスク容量がずっと少なくなるか、全く確保しなくてよくなるが、それは、ユーザ・データをこの目的で用いることが可能であるからである。
【0008】
ランレングス違反のロバストな検出は、例えば、最小許容マーク・ランレングスが検出されないことを意味する。同様に、最大許容長よりも大きなランレングスの検出は、ランレングス違反を示す。しかし、違反、すなわち、更なるピークの数又は欠落しているピークの数を妥当な信頼度で検出するためには、観察された(ランダムな)データ系列は十分大きくなければならない。このことは、読み出し条件を補正するのに用いることができる適切な制御信号を得る前に多くのデータ・エラーが生じることを意味する。更に、エラー信号の離散的な特性によって、ロバストな制御ループの設計は、単純なものとはかけ離れたものになる。
【0009】
図3は、エラー信号値を読み出しパラメータに対して示す図であり、この図では、エラー信号を、読み出しパラメータの値に応じてステップ単位で変化させている。図3に示すように、これは、例えば、ディスクの光学的特性又は磁気的特性における非均一性の場合、もっと悪くなる。読み出しパラメータが公称範囲のすぐ外にある場合、エラー信号がなおゼロである一方で、いくつかのデータ・エラーが生じる。例えば、+1のピークが生じ得るが、それは、しかし、判定閾値のなお下であるので、補正措置は何ら講じられない。読み出しパラメータが十分にそれる場合にのみ、エラー数は、エラー信号を発生させるのに十分大きい。よって、エラー信号の従来の離散的な特性は、粗い制御、及び、相当量の読み出しエラーを伴った遅い応答という欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ロバスト性を向上させた、改良された読み出しパラメータ制御を提供する方法、装置及びランレングス限界符号化手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1及び請求項8のそれぞれに記載の制御の方法及び装置によって達成され、請求項5及び請求項11に記載の記録方法及び記録装置によって達成され、請求項14記載の記録担体によって達成される。
【0012】
よって、施される符号制約は、特定数のランレングスよりも大きな何れのランレングス系列についても同じである保証された平均ランレングスを提供する。
【0013】
これは、この特性を備えた符号が、制御複製ウィンドウ及び/又は位相制御ループなどの読み出しパラメータのずっと改良された制御に適切な信号を自動的に備えるという利点を提供するものである。エラー信号は、平均検出ランレングスを連続的に監視し、符号器側で決定するべきである符号特性である所定の平均ランレングスを減算することによって得ることが可能である。得られたエラー信号は、よって、図3の従来技術の制御と違って、連続しており、かつ平滑であり、それによって制御ループは、設計がより簡単になり、よりロバストになる。本願提案の符号特性によって、第1の読み出しエラーの発生によって、平均検出ランレングスにおける偏差が直接生じ、よって、制御ループの入力に用いることが可能な比例したエラー信号がもたらされる。最小ランレングス及び最大ランレングスのみではなく、本願の提案の符号において検出されるランレングス全てがよって、エラー信号に寄与するので、応答はずっと速くなり、短いデータ系列が、信頼度の高い信号に既に十分である。よって、従来技術の手法よりもずっと少ない読み出しエラーが生じるが、それは、読み出しパラメータを、公称読み出しパラメータの範囲に非常に近い状態に維持することが可能であるからでもある。
【0014】
従来技術と比較した、読み取りエラー又はバースト・エラーにおけるこの大きな削減は、エラー訂正符号化(ECC)に必要な冗長度を大きく削減することが可能であるという更なる利点を有する。よって、更なる制約が符号レートを幾分削減しても、より高いユーザ密度を達成することが可能である。削減されたECC要件から得られる密度利得は、更なる符号制約によって生じる小さな損失よりもかなり大きいものである。
【0015】
考えられる他の手法と比較すれば、本願提案の解決策は、制御がユーザ・データに直接施され、記録担体上、例えば、光磁気ディスク上に備えられた電力校正領域上で容量又はフォーマッティング時間が何ら失われないという更なる利点を有する。
【0016】
少なくとも1つの読み出しパラメータは、放射電力、及び、読み取り動作中に印加される外部磁界の強度、の数量のうちの少なくとも1つを備え得る。
【0017】
更に、記憶手段を、エラー信号の値と比較結果の値との間の関係を規定する情報を記憶するのに設け得る。制御特性を、よって、ディスク条件や環境条件などのユーザ選好や他の条件に応じて個々に設定することが可能である。
【0018】
符号制約を、マーク領域のランレングスの蓄積された偏差のみを所定の範囲内に維持するように記録データに施し得る。特に、例えばMAMMOSシステムなどの、読み取り信号がマーク・ランレングスからしか発生させられない読み出しシステムでは、同じ性能を、ずっと好適な全体符号レートで達成することが可能である。
【0019】
上記施す工程は、先行するランレングスの発生の履歴に基づいた新たなランレングスの許容可能性についての判定を備え得る。メモリ機能が、それによってランレングスの発生にもたらされる。このことを達成するために、符号発生手段は、状態遷移図としても知られる有限状態マシンを備え得る。そうした図は、符号が構成される基礎になる。
【0020】
他の効果的な更なる展開を従属項に規定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を、好ましい実施例に基づいて、添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0022】
好ましい実施例を次に、図1に示すようにMAMMOSディスク・プレイヤに基づいて説明する。
【0023】
図1は、好ましい実施例によるディスク・プレイヤの構成を示す。ディスク・プレイヤは、符号データと同期化させた周期を備えるパルスに記録中に変換された光によって、光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体又は記録担体10の照射のためのレーザ光放射部と、記録及び再生中に制御されたやり方で光磁気ディスク10に磁界を印加させる磁気ヘッド12を備える磁界印加部とを有する光ピックアップ装置30を備える。光ピックアップ装置30では、レーザはレーザ駆動回路に接続され、レーザ駆動回路は記録パルス及び読み出しパルスを記録/読み出しパルス調節装置32から受信して、記録及び読み出しの動作中に光ピックアップ装置30のレーザのパルス振幅及びタイミングを制御する。記録/読み出しパルス調節回路32は、PLL(位相ロック・ループ)回路を備え得るクロック発生器26からクロック信号を受信する。
【0024】
なお、単純化する理由で、磁気ヘッド12及び光ピックアップ装置30を図1のディスク10の両側に示す。しかし、好ましい実施例によれば、ディスク10の同じ側に配置するべきである。
【0025】
磁気ヘッド12は、ヘッド・ドライバ装置14に接続され、記録中に変調器24から位相調節回路18を介して符号変換データを受信する。変調器24は入力記録データを所定符号に変換する。
【0026】
再生中、ヘッド・ドライバ14はクロック発生器26から再生調節回路20を介してクロック信号を受信し、再生調節回路20は、磁気ヘッド12に印加されるパルスのタイミング及び振幅を調節するための同期化信号を発生させる。記録/再生スイッチ16を、記録中及び再生中にヘッド・ドライバ14に供給する対象のそれぞれの信号を切り換える、又は選択するために設ける。
【0027】
更に、光ピックアップ装置30は、ディスク10から反射されたレーザ光を検出し、読み取り信号を復号化して出力データを生成するよう構成された復号器28に印加される相当する読み取り信号を生成する検出器を備える。更に、光ピックアップ装置30によって発生させられる読み取り信号は、クロック発生器26に供給され、クロック発生器26では、ディスク10のエンボス・クロック・マークから得られるクロック信号が抽出され、クロック発生器26は、同期化目的のためのクロック信号を、記録パルス調節回路32と、再生調節回路20と、変調器24とに供給する。特に、データ・チャネル・クロックをクロック発生器26のPLL回路内に生成することができる。
【0028】
データ記録の場合、光ピックアップ装置30のレーザが、データ・チャネル・クロックの周期に相当する固定周波数によって変調され、回転ディスク10のデータ記録領域又はスポットが局所で、等距離で加熱させられる。更に、クロック発生器26によって出力されるデータ・チャネル・クロック出力は、変調器24を制御して、標準的なクロック周期を備えたデータ信号を発生させる。記録データを変調器24によって変調し、符号変換して、記録データの情報に相当する2値ランレングス情報を得る。
【0029】
光磁気記録媒体10の構造は、例えば、特開第2000―260079号明細書記載の構造に相当し得る。
【0030】
大きな重なり(例えば、高すぎるレーザ電力)による偽信号の生起は通常避けるべきである。しかし、記憶層内の正確なデータが既知の場合、その生起と、偽ピーク数は、熱レーザ・プロファイルに直接関係する、複製ウィンドウの空間幅に関する直接情報を与える。この情報は、ディスク上の先行データ及び/又は後続データを補正するのに用いるのみならず、レーザ電力、及び/又は外部磁界の磁界強度などの読み出しパラメータを補正する直接的な方法も提供することが可能である。
【0031】
図1に示す好ましい実施例では、レーザ電力、及び/又は外部磁界の強度が、考えられる読み出しパラメータの例として制御される。しかし、複製ウィンドウのサイズ又は位相に影響を及ぼす他の適切な読み出しパラメータを同等にうまく制御することができる。制御装置25を、第1の制御又はエラー信号38及び第2の制御又はエラー信号39をヘッド・ドライバ14及び/又は光ピックアップ装置30に供給するために設ける。第1制御信号38は、光ピックアップ装置30に供給され、レーザ・ダイオード又は別の放射源の駆動電流を調節させて、ディスク10を加熱させるために用いる光放射又はレーザ電力を調節するのに用いることが可能である。第2のエラー信号39はヘッド・ドライバに供給され、磁気ヘッドで設けられるコイル配置の界磁電流を調節して、外部磁界の、磁界強度、すなわち磁界の強さを調節することが可能である。2つのエラー信号38、39を別のエラー信号又は合成させたエラー信号として供給することができる。後者の場合、ヘッド・ドライバ14に供給される第2のエラー信号39を光電力と磁界強度との間のバランスの細かい調節に用いることができる一方、光ピックアップ装置30に供給される第1のエラー信号39を、粗い調節に用いることができる。これは、光電力の変動が漂遊磁界にも飽和保磁力プロファイルにも影響を及ぼす一方、外部磁界の変動は、合計漂遊磁界にしか影響を及ぼさないからである。
【0032】
制御装置25は、復号器28から得た読み出しデータの解析の結果を、不揮発性メモリ、例えば、ルックアップ・テーブル23に記憶された参照データと比較する比較装置22の比較結果を受信する。解析は、復号器28から読み出しデータを受信する解析装置21によって行われる。
【0033】
図2は、ディスク10のトラック上の磁化領域の空間的配置を示す、上の線で示すように、I1個のマーク(上方磁化)によって隔てられた空間((相当する矢印によって示す)下方磁化)ランレングス
【0034】
【数1】

の範囲を備えたディスクの例の信号図を示す。表記
【0035】
【数2】

は、n個のチャネル・ビット(最小の空間又はマークの領域)に相当する持続時間を備えた空間ランレングスを表す一方、表記「In」はn個のチャネル・ビットに相当する持続時間を備えたマーク・ランレングスを表す。別々の複製ウィンドウ・サイズw1、w2及びw3によって走査した結果として生じる、重なり(上から2番目の行)の時間依存性も、外部磁界(3番目の行)によって発生させられるMAMMOSの信号又はピーク(4番目の行)とともに示す。通常の正しい読み出しのためには、複製ウィンドウは、(図2の複製ウィンドウ・サイズw1にあてはまる)チャネル・ビット長bの半分より小さいことを要する。この場合、各マーク・チャネルによって1つのMAMMOSピークがもたらされることになり、空間チャネルの場合、ピークは何ら発生させられない。よって、m個の連続したピークの検出はIm個のマークのランレングスを示す一方、s個の欠落しているピークは
【0036】
【数3】

の空間のランレングスを示す。この状況を図2の実線によって示す。更に大きなウィンドウ・サイズ、例えばw2の場合、MAMMOSのピークは、更に大きな重なり(図2の破線)のためにマーク領域の近くの空間領域についても発生させられることになる。例えば、I1個のマークによってこの場合、1個でなく3個のピークがもたらされることになる。明らかに、
【0037】
【数4】

個の空間及び
【0038】
【数5】

個の空間はその場合、もう検出することが可能でない。
【0039】
【数6】

個の空間は、(3個でなく)1個の欠落したピークを示すことになる。更に大きなウィンドウ・サイズ(2.5b<w<4.5b)、例えば、w3によって、空間ランレングス検出及びマーク・ランレングス検出において4個のピークの差がもたらされるが、
【0040】
【数7】

の空間は、(欠落した1個のピークによって)検出することが可能な最小空間ランレングスである。
【0041】
複製ウィンドウは、レーザ電力(、並びに周囲温度及び外部磁界)の増加とともに増加するので、例えば、書き込みデータにおけるランレングス違反の検出、並びに/又は既知のマーク・ランレングス及び空間ランレングスを備える所定のデータ・パターンを備えた検査領域の使用によって、読み出し中に電力及び/又は磁界を制御することが可能である。第1の選択肢は、電力の校正に確保しなければならないディスク容量がずっと少ないか、ディスク容量を何ら確保しなくてよいので特に魅力的であるが、それは、ユーザ・データがこの目的で用いられるからである。このようにして、環境変化、例えば、周囲温度における変化、外部磁界強度(コイルからディスクまでの距離)や、ディスク特定におけるゆるやかな変動の影響も実行中に補正することが可能である。
【0042】
好ましい実施例によれば、上記課題を解決する改良された複製ウィンドウ及び/又は位相制御の手法は、最小及び最大の許容マーク・ランレングス及び許容空間ランレングスについて通常のd個のランレングス制約及びk個のランレングス制約の次に更なる符号制約を施すことである。蓄積ランレングス偏差に対するこの新たな制約は、ランレングスの発生においてメモリ機能を導入することによって特定の範囲内に、所定の平均ランレングスからの偏差を維持するものである。違ったふうに述べれば、この制約は、特定の少数のランレングスよりも大きな何れのランレングス系列についても同じである保証された所定の平均ランレングスを提供するものである。
【0043】
得られる利点は、この特性を備えた符号が、ずっと改良された複製ウィンドウ及び/又は位相制御ループに適切な信号を自動的に提供することである。このエラー信号は、平均検出ランレングスを連続して監視すること、及び、変調器24の符号変換機能の一部としての特定の符号特性として選択又は設定することが可能な所定の平均ランレングスを減算することによって得られる。
【0044】
図4は、本発明の好ましい実施例による、エラー信号の連続した特性を備えた改良された読み出し制御の場合の、第1のエラー信号及び/又は第2のエラー信号38、39(垂直軸)、対読み出しパラメータ、例えば、放射電力及び/又は磁界強度(水平軸)の図を示す。図4では、それぞれの矢印は、公称読み出しパラメータの範囲であって、上記第1のエラー信号38及び/又は第2のエラー信号39がゼロである範囲と、制御読み出しパラメータの範囲とを示す。制御範囲は、読み出しパラメータに応じてエラー信号が連続して変えられる連続領域を備える。エラー信号が連続して変えられる網掛け領域は、ディスクの非均一性によってもたらされる遷移領域を表す。この特性によって、制御ループは、よりロバストになり、その設計がより簡単になる。本願提案の符号特性によって、第1の読み出しエラーの発生によって、平均検出ランレングスにおける偏差が直接生じ、よって、それぞれの制御ループの入力として制御装置25が用いる対象の比例したエラー信号がもたらされる。最小ランレングス及び最大ランレングスのみではなく、本願提案の符号において検出されるランレングス全てがよって、エラー信号に寄与するので、応答はずっと速くなり、短いデータ系列が、信頼度の高い信号を得るのに既に十分であり得るものであり、このことは以下に説明する。よって、ずっと少ない読み出しエラーが生じるが、それは、読み出しパラメータを、公称読み出しパラメータの範囲に非常に近い状態に維持することが可能であるからでもある。
【0045】
好ましい実施例では、本願提案の蓄積ランレングス偏差制約は、MAMMOS信号がマーク・ランレングスのみから発生させられ、よって、必要な読み出し情報全てを提供することが理由で、マーク・ランレングスにしか施すことが可能でない。マークのみに制約を制限することは、よって、同じ特性を、ずっと好適な符号レートで、すなわち、マークと空間との両方に対する符号制約の場合の8%から15%更に低いレートに対して、必要な符号制約に応じて、(更なるランレングス制約がない)従来技術よりも通常約5%から8%低い符号レートでもたらす。
【0046】
更なる改良又は任意的な修正はよって、例えば、既知のデータ・パターン、例えば、
【0047】
【数8】

担体、
【0048】
【数9】

担体や、
【0049】
【数10】

パターンによって等間隔で、ディスク上に設けられた、小さな検査領域、例えば、前述のもの又は更なるものを上記改良された制御と組み合わせることである。更なるピークの数は、検出ピーク数を集計し、期待数を減算することによってそうした公知のパターンから直接得られる。少数のランレングスが、この場合における高精度の検出に既に十分であるので、そうした多くの領域を、容量オーバヘッドが非常に小さい状態に留めながら設けることが可能である。
【0050】
図5は、好ましい実施例による制御手順の流れ図である。工程S101では、少なくとも1つのランレングスが、例えば解析装置21によって検出される。更に、工程S102において、平均ランレングスが、例えば、解析装置21によって判定される。工程S103では、比較装置22が判定平均ランレングスから符号特有の所定の平均ランレングスを減算し、それはルックアップ・テーブル23などのメモリ手段に記憶し得る。制御装置25は、工程S104で、第1のエラー信号38及び/又は第2のエラー信号39を減算結果から算出し、工程S105で、こうした第1のエラー信号38及び/又は第2のエラー信号39をそれぞれの制御ループに供給する。
【0051】
エラー信号38、39の算出は、比較結果とエラー信号との間の所定の関係に基づくものであり得るものであり、この関係はルックアップ・テーブル23にも記憶し得る。所定の関係を更に、ディスク特性と、制御特性と、環境条件と、ユーザ選好と、同様なものとのうちの少なくとも1つに基づいて個々に設定することが可能である。
【0052】
更なる措置又は改良として、任意的な検査領域から比較装置22によって判定されるランレングス違反結果を用いて、得られたエラー信号又は制御信号をサポート又は拡充することができる。
【0053】
好ましい実施例による、本願提案の、導入された更なる符号制約を、次に、ランレングス限界(RLL)符号の特定例を参照して更に詳細に説明する。更なる符号の制約は、蓄積ランレングス偏差の制限を備え、よって、RLL符号の平均ランレングスを維持する。このことに鑑みれば、更なる符号制約を備えた、本願提案のRLL符号を、「平均ランレングス維持RLL符号」と呼び得る。
【0054】
以下の説明では、nを用いてランレングスを表し、naを用いて想定平均ランレングス又は所望平均ランレングスを表し、naは、何れの偏差も符号レートを犠牲にすることが理由で、通常のd/k制約の場合の平均ランレングス近くで選ばれる対象の、限定されたトレリス複雑度の整数値として選定される。更に、 dn=n-naを用いてランレングス偏差を表し、dnは正の値又は負の値を呈し得る。最後に、Dnj=Dnj-1+dnjを用いて、ランレングスにわたって積分された、j番目のランレングスの累積ランレングス偏差(ARD)を表す。なお、ARD制約は、DC制御に用いるような累積ディジタル和(RDS)に対する制約である、ランレングス限界符号化におけるなお別の制約とは明らかに異なる。例として、目標平均ランレングスnaよりも全て小さなランレングス系列は、明確な限度内のRDSによって完全にDCがない状態になり得る一方、ARD制約には明らかに違反する。
【0055】
図6は、ランレングス系列を発生させるための有限状態マシン(又は状態遷移図)の種々の考えられる累積ランレングス偏差状態を示す時間依存性グラフである。そうした(有限)状態マシン(FSM)は、最小及び最大のランレングスのd及びkの制約のそれぞれなどの特定の規則によってランレングス系列を発生させるブラック・ボックスとみなし得る。特に、図6は、垂直軸上のそうした状態マシンの種々の考えられる状態と、「時間」の尺度としての水平軸上の連続したランレングスとのグラフィカル表現であるトレリスを示す。トレリスを通る経路は何れも、一意のランレングス系列に相当する。種々の状態は、累積ランレングス偏差Dnに相当する。図示した例では、想定平均ランレングスna=5であるので、ランレングス偏差dn=0が、ランレングスn=5が生じる場合に発生させられる。ARDはよって、図6の左側の第1のステップにおいて一定の状態に留まる(水平方向の矢印)。次のランレングスは、n=7、すなわち、想定値の2ユニット上であるので、経路の第2のステップをトレリス内で2個の状態分下方に移動しなければならない。次のランレングスn=6では、経路は一状態分、下方に移動しなければならず、n=3の場合、ARDが削減され、経路は2つの状態分、上方に移動する、等である。分かり得るように、最小状態数及び最大状態数にはハードリミットは何ら存在せず、こうした値は、ランレングス限界符号器によって符号化される対象のデータ系列によって変わってくることになる。
【0056】
図7は、更なる制約-dI及びdJが最小ARDと最大ARDとのそれぞれに配置された、図6と同様な状態図を示す。図7に示す例では、最小許容RADは-dI=-2に制限され、最大許容ARDはdJ=1に制限される。この更なるARD制約は、
-dI≦Dn≦dJ
として表すことが可能である。このことは、結果として生じるARDが最大許容値dJ=1を超えるか最小許容値-dI=-2を下回る場合、先行ランレングスに応じて、特定のランレングスが許容されないことを意味する。図7から分かり得るように、最後の2つのランレングスn=3は、更なる制約が理由で許容されない。上記制限によって、許容可能ARDの数が4に削減されるので、制約符号を4状態のFSMとして表すことが可能である。
【0057】
標準的なRLL符号では、特定の系列によって、所定の平均ランレングスがもたらされないものである。ARDに対する、本願提案の更なる制約によれば、結果として生じるARD符号によって、所定の平均ランレングスがもたらされるが、「メモリ」がランレングスの発生において必要であり、このことは、許容ランレングスが、先行ランレングスによって変わってくることを意味する。
数学の観点では、N個のランレングスの場合の平均蓄積ランレングス偏差(A-ARD)は、
【0058】
【数11】

として算出することが可能である。
【0059】
よって、多数の連続したランレングスが、所望の平均ランレングスnaを得るために統計的に必要である。ARD符号によってもたらされる、ランレングスの発生におけるメモリは、より小さな数Nの連続したランレングスの場合にこの要件を既に満たす役目を担う。
【0060】
図8は、図7に示すARD符号制約に鑑みて許容されるランレングスを表す要約グラフである。特に、4x4のマトリクスは、ARD状態i(垂直方向)からARD状態j(水平方向)への遷移をもたらす許容ランレングスをリストする。図示したように、通常のd及びkの制約は、図示したランレングスのうちの2つを禁止するものであり、これは、ARD制約のみに基づいて許容されることになる。
【0061】
図9は、最小ランレングス制約及び最大ランレングス制約がd=2及びk=6である通常のランレングス発生器の状態遷移図を示す。この状態マシンを通って進めば、許容ランレングス全てを発生させることが可能であり、ここでは、「1」は2値信号の一方の論理状態から他方の論理状態への遷移を示す。例えば、(遷移後に)「1」から始めれば、少なくとも2つの0(d制約による最小ランレングスを規定する非遷移)を常に取得し、状態「1」に状態「3」乃至「7」を介して戻ることが可能である(状態「7」を介した考えられる最後の戻りはk制約、すなわち、6のゼロ(0)の最大値、すなわち、7Tのランレングスに相当する。考えられる系列は、
【0062】
【数12】

になる。そうした状態遷移図から、符号の容量を算出することは単純である(1よりも小さいか、符号化が何らない場合、1に等しい、すなわち、全てのランレングスが許容されるか、d=0、k=Inf.(更なる制約なし)である。)。更に、そうした状態遷移図は、実用的な符号の構成の基礎になっている。
【0063】
図10は、図7による更なる所望のARD制約を備えた変調器24に備えたランレングス発生器機能の例の状態遷移図である。この図から分かり得るように、更なるARD制約は、ランレングスの実際に許容される範囲が先行ARD値Dによって変わってくることが理由で状態及び条件分岐の数のかなりの増加につながる。括弧内の正の値及び負の値は、ARD値における変動と、よって、状態遷移キューにおける変動とを示し、(Dnにおいて「現状」を表す)「sq」は、同じキューの第1の状態に戻ることを示す。
【0064】
図11は、dI=dJの場合であり、好ましい実施例による、更なるARD制約と組み合わせた場合の、種々の最大ランレングス制約k=3、5、6及び7を備えた符号の場合に、容量CをARD制約dIに対して示す図である(最小ランレングス制約はこの例では施していない。)。dIが2を超え、kが3を超える場合、達成される容量Cは、(水平方向の閾値線によって示す)標準的な8-9RLL符号の場合よりも大きい。
【0065】
図12は、好ましい実施例による、種々のマーク制約及び空間制約を備えた信号の略2値表現である。特に、マーク領域Mは通常のd/k制約と、本願提案の更なるARD制約とを受ける一方、空間領域は通常のd/k制約のみを受ける。既に前述したように、MAMMOSシステムは、空間に対して何らかの制約を課すことは必要でないが、それは、MAMMOS信号においてピークを何らもたらさないからである。よって、ARD制約をマーク領域Mのみに制限することは、より高い符号容量につながることになる。
【0066】
図13は、好ましい実施例による、マークのみの更なるARD制約を備えた(d=0、k=4)RLL符号の状態遷移図の例を示す。ここでは、ARD制約dI=dJ=1が設定され、それは、考えられる3つのARD状態Dnのみにつながり、よって、3x3のマトリクスの許容ランレングスにつながる。そうした状態遷移図を既知のやり方で、容量及び符号構成の算出の基礎として用いることが可能である。なお、状態遷移図は、Dn値によって3つの部分に分割される。各パーティションの下部分岐は空間に適用され、上部分岐はマークに適用される。ARD制約は、この時点では空間に適用されないので、下部分岐は全て同一であり、d,k制約を満たす。
【0067】
図14は、好ましい実施例による種々の別々の更なるARD制約dI,dJについて容量Cを最大ランレングス制約kに対して示す図である。これは、通常の最小ランレングス制約がd=0に設定される、MAMMOSシステムの実用例に関する。更なるARD制約は、マーク領域のみに適用される。dI=dJ=2の場合、ARD制約によってもたらされる符号容量Cの損失は約8%(1.0-0.92)である。
【0068】
図15は、好ましい実施例による、更なるARD制御を備えた符号についてランレングス分散を連続ランレングス数に対して示す図である。分散は、式
【0069】
【数13】

によって算出することが可能である。図15の図から分かり得るように、ランレングス分散は、約20ランレングスの後は非常に小さい、すなわち、平均ランレングスは、想定平均ランレングスに非常に近いことが保証される。このことは、水平方向の破線によって示されるように、標準RLLの場合にはあてはまらない。
【0070】
より大きなARD制約dI、dJによってそうした低分散を達成するには更なるランレングスが必要である、すなわち、ARD制約はより緩和されるが、その場合、符号容量Cはより高くなる。図14から分かり得るように、低分散は、より小さいdI、dJの場合、より早く達するが、一部の更なる容量Cを犠牲にするものである。
【0071】
なお、本発明を、磁区拡大光磁気ディスク記憶システムのための何れかの読み取りシステムに施すことができる。解析装置21、比較装置22、ルックアップ・テーブル23及び制御装置25の機能を、相当する制御プログラムによって制御されるハードウェア装置又はプロセッサ装置であり得る単一の装置において備えることができる。読み出しデータを光ピックアップ装置30から解析装置21に直接供給することができる。好ましい実施例はよって、特許請求の範囲の範囲内で変わり得る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】好ましい実施例による光磁気ディスク・プレイヤの図である。
【図2】異なる度合いの重なりを備えた読み出しストラテジの信号図である。
【図3】エラー信号の離散的な特性による従来技術の読み出し制御についてエラー信号を読み出しパラメータに対して示す図である。
【図4】好ましい実施例による、エラー信号の連続した特性による改良された読み出し制御についてエラー信号を読み出しパラメータに対して示す図である。
【図5】好ましい実施例による制御手順の流れ図である。
【図6】ランレングス系列を発生させるための有限状態マシンの考えられる種々の蓄積ランレングス偏差状態の時間依存性グラフである。
【図7】図6と同様な時間依存性グラフであって、好ましい実施例による更なる制約が理由で禁止されるものとして一部の蓄積ランレングス状態を示すグラフである。
【図8】好ましい実施例による符号制約のために禁止されたランレングスの要約グラフである。
【図9】最小ランレングス制約及び最大ランレングス制約を備えた従来のランレングス発生器の状態遷移図である。
【図10】好ましい実施例による所定の蓄積ランレングス偏差の更なる制約を備えたランレングス発生器の例の状態遷移図である。
【図11】好ましい実施例による、最小ランレングス制約なしで、かつ更なる制約と組み合わせた種々の最大ランレングス制約を備えた符号について、容量を平均ランレングス制約に対して示す図である。
【図12】好ましい実施例による、種々のマーク制約及び空間制約を備えた読み取り信号を略示する図である。
【図13】好ましい実施例による、マークのみの更なる制約の状態遷移図の例を示す図である。
【図14】最小ランレングス制約なしの場合の、好ましい実施例による、種々の更なるランレングス制約について、容量を最大ランレングス制約に対して示す図である。
【図15】好ましい実施例による、更なる制約を備えた符号について、ランレングス分散を連続ランレングス数に対して示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶層及び読み出し層を備える光磁気記録媒体からの読み取り動作中に少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する方法であって、読み取り信号におけるパルスにつながる拡大磁区が、放射電力による加熱によってマーク領域を前記記憶層から前記読み出し層に複製することによって前記読み出し層内に発生させられ、
a)読み取りパルス・パターンの平均検出ランレングスを監視する工程と、
b)該監視する工程の結果と所定の平均ランレングスとの比較に基づいてエラー信号を発生させる工程と、
c)前記エラー信号に基づいて前記少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記少なくとも1つの読み出しパラメータが、前記放射電力、及び、前記読み取り動作中に印加される外部磁界の強度、の数量のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記パルス・パターンが、前記記録媒体上に記録されたユーザ・データに相当することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の方法であって、前記比較は、前記比較結果の相当する値に前記エラー信号の値を結びつけるルックアップ・テーブルに基づいて行われることを特徴とする方法。
【請求項5】
記憶層及び読み出し層を備えた光磁気記録媒体上にデータを記録する方法であって、符号制約を前記記録データに施す工程を備え、前記符号制約が、所定の範囲内の前記記憶層内のマーク・ランレングス及び空間ランレングスの少なくとも1つの所定の平均ランレングスからの累積偏差を維持するよう選択されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法であって、前記符号制約は、マーク領域のランレングスの前記累積偏差のみが前記所定の範囲内に維持されるように前記記録データに施されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項5又は6記載の方法であって、前記施す工程は、先行ランレングスの発生の履歴に応じて新たなランレングスの許容可能性に関する決定を備え、これまで実現された累積偏差値の値に相当する符号制約の状態遷移図における発生状態によって前記履歴が特徴付けられることを特徴とする方法。
【請求項8】
記憶層及び読み出し層を備える光磁気記録媒体からの読み取り動作中に少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する装置であって、読み取り信号におけるパルスにつながる拡大磁区が、放射電力による加熱によってマーク領域を前記記憶層から前記読み出し層に複製することによって前記読み出し層内に発生させられ、
a)平均検出ランレングスを監視する監視手段と、
b)該監視の結果と前記所定の平均ランレングスとの比較に基づいてエラー信号を発生させる発生手段と、
c)前記エラー信号に基づいて前記少なくとも1つの読み出しパラメータを制御する制御手段とを備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置であって、前記少なくとも1つの読み出しパラメータが、前記放射電力、及び、前記読み取り動作中に印加される外部磁界の強度、の数量のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の装置であって、前記エラー信号の値と、前記比較の結果の値との間の関係を規定する情報を記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする装置。
【請求項11】
記憶層及び読み出し層を備えた光磁気記録媒体上にデータを記録する装置であって、符号制約を前記記録データに施す符号発生手段を備え、前記符号制約が、所定の範囲内の前記記憶層内のマーク・ランレングス及び空間ランレングスの数量のうちの少なくとも1つの所定の平均ランレングスからの累積偏差を維持するよう選択されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置であって、前記符号発生手段が有限状態マシンを備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8乃至12のうちの何れか1項に記載の装置であって、MAMMOSディスク用のディスク・プレイヤであることを特徴とする装置。
【請求項14】
記憶層及び読み出し層を備えた光磁気記録担体であって、読み取り信号におけるパルスにつながる拡大磁区が、放射加熱によって外部磁界の助力によりマーク領域を前記記憶層から前記読み出し層に複製することによって前記読み出し層内に発生させられ、ランレングス制約が、前記記憶層におけるマーク領域及び空間領域の数量の少なくとも1つに施され、前記ランレングス制約が、所定の平均ランレングスからの累積ランレングス偏差を所定の範囲内に維持するよう選択されることを特徴とする記録担体。
【請求項15】
請求項14記載の記録担体であって、MAMMOSディスクであることを特徴とする記録担体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2007−520843(P2007−520843A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548498(P2006−548498)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050036
【国際公開番号】WO2005/069281
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】