説明

改良コンピュータ化された協同作業

【課題】複数のコンピュータを使用して共同でオーサリングを行う場合のユーザ間のコミュニケーションを改善する。
【解決手段】その方法は、他のコンピュータの立体幾何データを受信して自己のコンピュータで表示可能とする。また、チャット表示ボックスを介して他のユーザとコミュニケーション可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ローカルコンピュータのオーサリング環境に表示される第1オブジェクトの視覚的表現に基づいて第1オブジェクト上で作業をする第1ユーザと、第2ローカルコンピュータのオーサリング環境において作業をする第2ユーザとの間の協同作業の方法に関する。この第1コンピュータおよび第2コンピュータは、コンピュータネットワークを介して接続する。本発明は、協同作業を可能にするためのコンピュータソフトウェアにも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、関連オブジェクト−これは通常、共通の集中データベースに格納するが必ずしもそうとは限らない−に対して共通の場で作業をする数人のユーザの協同作業に関する。各ユーザは、全てのユーザに共通のコンピュータネットワークに接続する各々のローカルコンピュータ環境上で作業をする。ユーザは、一人の作業が(単数または複数の)他のユーザの作業に影響するとき、互いに協同しなければならない。しかしながら、ユーザ間の情報共有は、ユーザが例えば、異なる建物、町または国など、互いに遠く離れた地理的に異なる地域に所在するときは特に、問題となる。このような場合ユーザは、各自のコンピュータを使用して、共通のコンピュータネットワークを介して情報を共有する必要がある。
【0003】
本発明は、さらに詳細には、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)上に表示されるその表現に基づいて、ユーザがオブジェクトに対して作業をする場合の協同作業に関する。
【0004】
このような必要性は、各種のコンピュータ支援の技術、特にCAD、CAEおよびCAMなどのようなアプリケーション、より一般的にはPLMアプリケーションに存在する。
【0005】
CADは、コンピュータ支援設計(Computer Aided Design)を表し、製品設計を行うためのソフトウェアソリューションに関する。CAEは、コンピュータ支援用エンジニアリング((Computer Aided Engineering)の頭字語で、例えば、将来製品の物理的挙動をシミュレートするためのソフトウェアソリューションに関する。CAMは、コンピュータ支援製造(Computer Aided Manufacturing)を表し、典型的に、製造工程および作業を定義するためのソフトウェアソリューションを含む。
【0006】
製品を形成する部品および部品の組立体の設計のために、商標CATIAの下でダッソーシステム(Dassault System)が作成するものなど、多数のシステムおよびプログラムが市場に提供されている。これらのCADシステムにより、ユーザは、オブジェクトまたはオブジェクトのアセンブリの複雑な三次元(3D)モデルを構築して操作することができる。CADシステムはこうして、辺または線、ある場合には面を用いて、モデル化したオブジェクトの表現を提供する。辺または線は、例えば、非一様有理化Bスプライン(NURBS)など各種の方法で表現する。このようなCADシステムは、部品または部品の組立体を、本質的には幾何の仕様であるモデル化オブジェクトとして管理する。具体的には、CADファイルは仕様を含み、そこから幾何を生成するが、これにより、次に表現を生成することができる。仕様、幾何および表現は、単一のCADファイルまたは複数のファイルに格納する。CADシステムは、モデル化オブジェクトを設計者に対して示すためのグラフィックツールを含む。これらのツールは、複雑なオブジェクトの表示に専用する−CADシステムにおいてオブジェクトを表現するファイルの典型的なサイズは、1部品当たり1メガバイトの範囲で、組立体は何千もの部品を含む。CADシステムは、電子ファイルに格納するオブジェクトのモデルを管理する。
【0007】
コンピュータ支援の技術においては、技術の効率に関して、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が重要な役割を果たす。
【0008】
PLMは、製品ライフサイクル管理(Product Lifecycle Management)を表す。これは、広範囲な企業の概念に渡って、複数の会社が製品データを共有し、共通工程を利用して、構想から製品寿命の終わりに至るまで製品開発のために協同の知識を活用することを助ける事業戦略を意味する。関係者(会社部門、提携先、サプライヤ、相手先ブランド製造者(OEM)、および顧客)を含むことにより、PLMは、このネットワークが、製品および工程の概念の確立、設計、構築、および支援をする単一の実体として働くことができるようにする。
【0009】
PLMソリューションによっては、デジタルモックアップ(製品の3Dグラフィックモデル)を作成することにより、例えば、製品の設計および開発を可能にするものもある。例えば、デジタル製品を、適切なアプリケーションを用いて、まず定義してシミュレートする。次いで、効率の良いデジタル製造工程を定義してモデル化する。
【0010】
ダッソーシステムが(CATIA、ENOVIA、およびDELMIAの商標の下で)提供するPLMソリューションは、製品エンジニアリング知識を組織するエンジニアリング・ハブ、製造エンジニアリング知識を管理する製造ハブ、ならびにエンジニアリング・ハブと製造ハブとの両者に対する企業統合および連係を可能にする企業ハブを提供する。全体としてこのシステムは、製品、工程、資源を連結するオープンオブジェクトモデルを産み出して、活力があり、知識に基づく製品創作と決定支援とを可能にするので、最適化された製品定義、製造準備、生産、およびサービスが促進される。このようなPLMソリューションは、製品のリレーショナル・データベースを含む。このデータベースは、1セットの文書データおよびデータ間の関係を含む。データは典型的に、製品に関する技術データを含み、そのデータはテータの階層で配列し、索引を付けて検索可能にする。データは、モデル化オブジェクトの代表であり、これは、モデル化された製品および工程であることが多い。
【0011】
製品構成、工程知識、および資源情報を含む製品ライフサイクル情報は、典型的には、協同する方法で編集するためのものである。
【0012】
この観点で、協同作業空間を、製品ライフサイクルへの参加者(設計および市場調査、販売、製造、OEM、サプライヤおよび顧客)が、互いの「作業中の」設計にアクセスして影響し合い、それにより、3Dでの意見交換、直接使用、シミュレーションおよび検証を通して通信を強化できる相互接続された環境として定義することができる。
【0013】
一般的に言って、ユーザが、自分のローカルコンピュータ環境におけるGUI上に表示されるオブジェクトのイメージ上で作業をする協同作業を可能にするためには、2つの流れがある。
【0014】
第1の流れは、各ユーザがアクセスできる特定の協同作業空間を、そのローカルコンピュータ上に備えることにある。この協同作業空間は、ユーザが責任を負うオブジェクトに対して作業をするユーザ自身の作業空間とは、明確に区別する。したがって、ユーザが協同したいときは、自分自身の作業空間に表示するオブジェクトを選択してコピーし、それを協同作業空間に貼り付けて、他のユーザがその協同作業空間上でそれを閲覧できるようにする。その結果、自分の作業空間は第1ウィンドウに表示され、協同作業空間は、そのユーザのコンピュータのGUIにおける別のウィンドウに表示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
その第1の欠点は、第2ユーザの要求に応じて第1ユーザがオブジェクトを協同作業空間に貼り付けるとき、第2ユーザは、自分の作業空間に表示される自分自身のオブジェクトと、協同作業空間に表示される第1ユーザのオブジェクトとを頭の中でマージさせて、オブジェクトの可能なマージの結果を理解しなければならないという事実に関する。この頭の中の作業は、ユーザに取って極めて困難であることを証明することができる。自分自身の作業空間に表示されるオブジェクトと、協同作業空間に表示される第1ユーザのオブジェクトとは、例えば、異なる縮尺または異なる視点など、異なるコンテキスト閲覧状況で表示されることが多い。
【0016】
第2の欠点は、ユーザが(その可能性を備えている場合に)協同作業空間内のオブジェクトに変更を加えて、これらの変更を確認したいとき、それに続いてもう一度同じ変更を自分自身の作業空間において行わなければならないという事実による。
【0017】
第2の流れは、各ユーザが自分自身の作業空間内で他のユーザのオブジェクトに完全にアクセスし、共通ネットワークを介して互いにチャットをする可能性を与えることにある。実際、このような場合には、グラフィックオブジェクトのための協同作業空間は存在しない。例えば、CADアプリケーションの場合には、ユーザは第2ユーザとチャットをすることはできるが、自分自身の作業空間内で自分が作業中のオブジェクトのビューを第2ユーザに送信することはできない。したがって、第2ユーザは中央データベースにアクセスして、第1ユーザのオブジェクトの完全なデータを自分自身の作業空間にロードしなければならない。その結果、第2ユーザの作業空間は、第2ユーザのオブジェクトとその中にマージされる第1ユーザのオブジェクトとの両方の完全なデータを含む。
【0018】
その欠点は、第2ユーザは、自分自身の作業空間に第1ユーザのオブジェクトの完全なデータを実際にロードしてマージしない限り、マージの結果が分からないことである。したがって、自分が満足しない場合は、マージ操作を取り消して第1ユーザのオブジェクトのデータを削除したくなることがある。例えば、第2ユーザは、第1ユーザとの誤解に起因して、第1ユーザの不所望なオブジェクトをロードしてしまうことがある。しかし、マージ操作の取り消しは、複雑で時間が掛かることが分かる。
【0019】
もう1つのその欠点は、第2ユーザが第1ユーザのオブジェクトを変更するのに必要な権利を有さないことがあることである。したがって、例えば、第2ユーザが第1ユーザに対し第1ユーザのオブジェクトの変更を提案したい場合など、第2ユーザは、自分自身の作業空間内で第1ユーザのオブジェクトを変更することができない。
【0020】
本発明の目的は、少なくとも部分的に上述の欠点を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
したがって、本発明は、
− 第1ローカルコンピュータのオーサリング環境において表示される第1オブジェク
トの視覚的表現(visual representation)に基づいて、第1オブジェクトの上で作業をする第1ユーザと
− 第2ローカルコンピュータのオーサリング環境において作業をする第2ユーザと
の間の協同作業の方法を提供し、
第1コンピュータと第2コンピュータとがコンピュータネットワークを介して接続され、その方法は、
a)第1コンピュータにおいて、第1オブジェクトに関する複数のタイプのデータ中から1つのタイプを選択し、このデータの各タイプが第1オブジェクトに関する視覚的表現データを含むステップ、
b)選択したタイプによる第1オブジェクトに関するデータを第2コンピュータに対し提供するステップおよび、
c)第2コンピュータのオーサリング環境において、第1オブジェクトの視覚的表現を表示するステップの各ステップを含む。
【0022】
好ましい実施態様は、1つまたは複数の下記の特徴を含む。
・ステップb)は、選択したタイプによる第1オブジェクトに関する少なくとも一部のデータを、第1コンピュータから第2コンピュータに対し送信するサブステップを含む。
・ステップb)は、
− ネットワーク内における経路に関する情報を、第1コンピュータから第2コンピュータに対し送信するサブステップおよび、
− 選択するタイプによる第1オブジェクトに関する少なくとも一部のデータを、ネットワーク内の経路にしたがって、第2コンピュータにダウンロードさせるサブステップを含む。
・各ステップをさらに、下記のように定義する。
− ステップb)において、第2コンピュータに提供する第1オブジェクトに関するデ
ータは、第1コンピュータの画面上に表示するままの第1オブジェクトの視覚的表
現に関する閲覧コンテキストデータを含む。
− ステップc)において、第1オブジェクトの視覚的表現は、閲覧コンテキストデー
タに対応する閲覧コンテキストで第2コンピュータのオーサリング環境において表
示する。
・第1オブジェクトは、第1立体幾何データと仕様とにより定義され、その第1立体幾何データと仕様とは、第1コンピュータにおいて利用可能である。
・第1オブジェクトに関する複数のタイプのデータ中の少なくとも1つのタイプは、仕様を含まず、そのためステップa)において選択すると、ステップc)を実行中の場合、第2コンピュータにおいて仕様を利用できない。
・第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、仕様を伴わない第1立体幾何データを含み、そのためステップa)において選択すると、ステップc)を実行中の場合、第2コンピュータにおいて仕様を利用できない。
・第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、第1立体幾何データと仕様とを含む。
・第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、第1ローカルコンピュータの画面上に表示されるままの第1オブジェクトの少なくとも一部の視覚的表現のスナップショットイメージを含む。
・この方法は、第1コンピュータの画面上にグラフィカルツールを表示するステップを含み、このグラフィカルツールは、第1コンピュータのオーサリング環境における領域を画定する。この場合、第1コンピュータのオーサリング環境においてグラフィカルツールが画定する領域は、ステップb)において提供する第1オブジェクトに関するデータ中に、そのための視覚的表現データが含まれる第1オブジェクトの部分を判定する。
・グラフィカルツールが画定する領域は、第1コンピュータのオーサリング環境においてサイズを変更および/または位置を変更するように適合される。
・この方法は、第2コンピュータの画面上にグラフィカルツールを表示するステップを含み、このグラフィカルツールは、第2コンピュータのオーサリング環境における領域を画定する。この場合、ステップc)において、第2コンピュータのオーサリング環境における第1オブジェクトの視覚的表現は、第2コンピュータのオーサリング環境においてグラフィカルツールが画定する領域中に表示される。
・この方法は、第1コンピュータの画面上と第2コンピュータの画面上に、チャット入力ボックスとチャット表示ボックスとを表示し、第1ユーザと第2ユーザとがネットワークを介してメッセージを交換できるようにするステップを含む。
・第2ユーザは、第2ローカルコンピュータのオーサリング環境において表示される第2オブジェクトの視覚的表現に基づいて、第2オブジェクト上で作業をし、ステップc)において、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組み合わせ表現が同一閲覧コンテキストで提供されるように、第1オブジェクトの視覚的表現が、第2オブジェクトの視覚的表現と共に第2コンピュータのオーサリング環境において表示される。
・ステップc)において、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組み合わせ表現が閲覧コンテキストデータに対応する同一閲覧コンテキストで提供されるように、第1オブジェクトの視覚的表現が第2オブジェクトの視覚的表現と共に第2コンピュータのオーサリング環境において表示される。
・ステップa)において選択するデータのタイプは、第1ローカルコンピュータのオーサリング環境において表示されるままの第1オブジェクトの少なくとも一部の視覚的表現のスナップショットイメージを含み、ステップc)において、第1オブジェクトのスナップショットと第2オブジェクトの視覚的表現とは、重畳状態で表示される。
・第2オブジェクトは、第2コンピュータにおいて利用可能な第2立体幾何データにより定義され、ステップa)において選択するデータのタイプは、第1立体幾何データを含み、ステップc)において、第1オブジェクトと第2オブジェクトとは、マージ状態で表示される。
・ステップa)において選択するデータのタイプが第1立体幾何データを含み、その方法はステップc)の後に、
d)第1オブジェクトを第2コンピュータにおいて変更するステップ、
e)変更した第1オブジェクトの視覚的表現を、第2コンピュータから第1コンピュー
タに対して送信するステップおよび、
f)変更した第1オブジェクトの視覚的表現を、第1コンピュータのオーサリング環境
において表示するステップ
を含む。
【0023】
別の態様によると、本発明は、第1ローカルコンピュータのオーサリング環境において表示される第1オブジェクトの視覚的表現に基づいて第1オブジェクト上で作業をする第1ユーザが、ネットワークを介して第1コンピュータに接続される第2ローカルコンピュータ上で作業をする第2ユーザと協同作業ができるようにするためのコンピュータソフトウェアを提供する。この場合、第1コンピュータ上で走るそのコンピュータソフトウェアにより、第1ユーザは、
− 第1コンピュータにおいて、第1オブジェクトに関する複数のタイプのデータ中か
ら1つのタイプを選択し、このデータの各タイプが第1オブジェクトに関する視覚
的表現のデータを含むことおよび、
− 第1コンピュータから第2コンピュータに対して、選択したタイプによる第1オブ
ジェクトに関するデータおよび/または選択したタイプによる第1オブジェクトに
関するデータをダウンロード可能なネットワーク内の経路に関する情報を送信する
ことができる。
【0024】
好ましい実施態様において、コンピュータソフトウェアは、本発明による方法の実施態様のうちいずれか1つにおいて、第1コンピュータのために定義するステップを実行する。
【0025】
別の態様によると、本発明は、ローカルコンピュータ上で作業をするユーザが、ネットワークを介してそのコンピュータに接続される別のローカルコンピュータ上で作業をする別のユーザと協同作業ができるようにするためのコンピュータソフトウェアを提供し、このコンピュータソフトウェアは、コンピュータ上で走って、本発明による方法の実施態様のうちいずれか1つにおいて、第2コンピュータのために定義するステップを実行するように適合される。
【0026】
本発明のさらなる特徴と利点とは、以下に記載する添付図面を参照し、限定されない例として示す、本発明の実施態様の以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1から図22に関連して、それぞれジーン・バフェット、デュイ・ミン・ブという名前の2人のユーザが協同作業するシナリオの例を記述する。
【0028】
ジーンとデュイは、ダッソーシステムがATIA、ENOVIA、およびDELMIAの商標の下で提供するPLMソリューションのようなPLMコンピュータアプリケーション上で作業をする。ジーンとデュイは、さらに詳細には、組立体の予備部品の設計に携わる。ジーンとデュイは共に、それぞれのコンピュータ上のオーサリング環境で作業をするが、そのコンピュータは、GUIおよびキーボードやマウスなどのグラフィカルポインタデバイスなどの、任意の通常の関連装置を有する。彼らのコンピュータは同一のネットワークに接続されている。図は、ジーンとデュイが、それぞれ関連のある予備部品を設計中の状態を示し、したがって協同作業に入ることを望む状態を示している。
【0029】
ジーンとデュイのそれぞれの作業空間に表示される要素のタイプおよびそれらの機能は同様なので、ジーンの作業空間のスクリーンショットにおける類似の要素は、それらの前に「10」を付加することを除き、デュイの作業空間のスクリーンショットにおけるのと同一の参照番号を有する。さらに、1つの作業空間における要素に与えられる機能と特性に関する記述は、他の作業空間の類似の要素にも当てはまるので、繰り返されることはない。
【0030】
図1は、ジーンとの協同作業を開始する前のデュイのコンピュータ上に表示されるデュイの作業空間のスクリーンショットを示す。デュイは自分のオーサリング環境において、担当のオブジェクト1−すなわち、本例ではブレーキ上で−目下作業中である。したがって、ブレーキ1の三次元ビューを画面の中央部分に表示している。デュイは、例えば、マウスを用いて画面内の点を選択してドラッグし、オブジェクト1の視点を変更してもよく、それによりオブジェクト1を回転させる。オブジェクト1上で、前方向または後方向にズームしてもよい。
【0031】
作業空間の左上の部分に仕様ツリー2を表示する。仕様ツリー2は、埋没型のものである。すなわち、それは、オブジェクト1以外の別の作業空間、例えば、同一の作業空間であっても、別のウィンドウに配置することはできない。仕様ツリー2は、デュイが現在作業中のオブジェクト1に関するコンテキスト情報を提供する。さらに詳細には、仕様ツリー2はオブジェクト1およびそのサブセットを識別する。仕様ツリー2は、マウスを用いてそのノードを選択することにより、ドリルダウンまたはアップをすることができる。仕様ツリー2により、ユーザは、マウスを用いてツリー内の対応する項目を選択することにより、オブジェクトおよびそのサブセットの属性にアクセスすることができる。属性は、機械的または熱的制約、プロバイダ、設計担当者など、ユーザが定義することのできる任意のタイプであってよい。
【0032】
作業空間の右側には、タイトル「PLM作業空間」を有する別のツリー3を表示する。仕様ツリー2と同様に、ツリー3は埋没型のもので、ドリルダウンおよびアップをすることができる。PLM作業空間ツリー3は、ユーザに関するコンテキスト情報を提供する。さらに詳細には、「PLMグループ」と名付けるノードは、現在の作業活動に関するコンテキストデータをリストアップする。「スペース」と名付けるノードは、現在デュイが協同作業の下にある別のユーザをリストアップする。「オフィス」と名付けるノードは、現在ネットワークに接続している別のユーザをリストアップする。ユーザは、マウスを用いてそのタイトルを含むバー32を選択して作業空間内の別の場所にドラッグすることにより、PLM作業空間ツリー3の位置を変更することができる。ユーザは、マウスを用いて対応するボックス31を選択することにより、PLM作業空間ツリー3を縮小して作業空間の下方に位置するサムネイルにすることにより、ディスプレイから削除してもよい。もちろんユーザは、例えばマウスを用いてサムネイルを選択することにより、再度作業空間内に表示することができる。
【0033】
作業空間の右上隅には、ソフトウェアツール4を表示する。ツール4も、埋没型のものである。ツール4は、作業空間の中に現在表示しているままのオブジェクト1に関する閲覧コンテキスト情報を提供する。ヨーロッパ特許出願EP 1059581に記述するように、前記埋没型ツール4は、例えば、画面上に表示されるオブジェクトを遠隔地から操作することなど、を有効にする三次元コンパスである。
【0034】
仕様ツリー2、PLM作業空間ツリー3およびツール4が埋没型のものであるとの事実により、ユーザは常に、自分が自分の作業空間内にいること、およびこれらのツリーおよびツールがオブジェクト1に関係することを承知する。
【0035】
作業空間の右下部分には、4つの異なるフィールドを有するコンパスの別のソフトウェアツール5を表示する。このツールも埋没型のもので、それによりユーザに対し、これがPLMアプリケーションの一部を成すことを示す。ツール5により、ユーザは、PLMデータベースを用いて、各種の属性による表示オブジェクト1を描写することができる。前述のデータベースは、モデル化オブジェクトと前述のモデル化オブジェクトとの間の関係を含む。モデル化オブジェクトは、データベースに格納された属性の1組の値に関連付けされるか、または、前述のモデル化オブジェクトを含む関係に基づいて計算することができる。ツール5の4つの領域のうち1つの選択を通した属性の選択の後、オブジェクト1は、属性の値に応じて視野の中に描写される。ツール5は、オブジェクト1のシミュレーションもトリガする。
【0036】
このようなツール5は、ここに参照して組み込むヨーロッパ特許出願1672548号および1672549号に開示するタイプのものである。
【0037】
図2は、デュイが自分との協同作業を開始しようとし始める前に、ジーンのコンピュータに表示されているジーンの作業空間のスクリーンショットである。見ることができるように、ジーンの作業空間は、図1に関連してデュイの作業空間について記述したものと同一の機能および特性を有する類似の要素を含む。これらの要素全部はジーンの作業空間のコンテキストに関連することは理解できるであろう。したがって、ジーンは現在、オブジェクト1とは異なるが、それらの予備部品は同一の組立体の一部となるオブジェクト101上で作業中である。あるいは、オブジェクト1とオブジェクト101は、同一予備部品の異なる部分であることもできる。さらに、仕様ツリー102およびPLM作業空間ツリー103が提供するコンテキスト情報は、ツール104と同様に、オブジェクト101に関係する。
【0038】
図3は、ジーンとの協同作業を開始するときの、デュイのコンピュータに表示されるデュイの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0039】
協同作業セッション開始の直前に、デュイは誰と協同作業に入りたいかを判定する。したがって、デュイは、仕様ツリー2を使用して、自分が協力したい別の予備部品の設計を誰が担当するかを判定する。さらに詳細には、仕様ツリー2内のこの予備部品の参照を識別して、マウスでそれを選択し、その設計の担当者の名前の属性までドリルダウンする。これらの操作は図に示さない。
【0040】
本例では、デュイはジーンと協同することを望む判定をした。協同作業セッションを開始するために、デュイは、マウスを使用して、PLM作業空間ツリー3のPLMグループにあるジーンの名前を選択する。(参照番号33を参照)あるいは、ジーンとの協同セッションを始めるため、デュイはディスプレイの下部に表示してあるツールバー34を使用してもよい。
【0041】
その結果、図4のスナップショットに示すように、デュイのオーサリング環境のデュイの作業空間の中にいくつかの要素が表示される。これらの要素は以下の通りである。
【0042】
作業空間の中央部に日除け板の一種のようなビューファインダ6を表示する。ビューファインダ6は、矩形の形状であるが、それぞれの角を2つの線分を使用してその角のみを表示する。ビューファインダ6内のオブジェクト1の全ての部品は、完全に見える状態のままである。デュイが開始している協同作業に参加するユーザ(以下、デュイの協同作業者とも呼ぶ)は、ビューファインダ6の右上方のすぐ上で識別する(参照番号61を参照)。
【0043】
ビューファインダ6は、ビューファインダ6に対応する協同作業者、すなわち、ジーンに対して送信するオブジェクト1のイメージ部分を定義する役割を果たす。ユーザは、例えば、マウスを用いてドラッグすることにより、ビューファインダ6の位置を変更することができる。ユーザは、例えば、マウスを用いてビューファインダ6の角または境界をドラッグすることにより、ビューファインダ6のサイズを変更することも、(ズーミングの方法を用いて)表示オブジェクトのサイズを変更しビューファインダ6の制限内に置くこともできる。
【0044】
チャット表示ボックス7は、ビューファインダ6の下に表示され、作業空間の背景色とは異なる背景色を有する。それでも、チャット表示ボックス7の背景は不透明ではなく透明なので、チャット表示ボックス7は、オブジェクト1上に重なって現れ、オブジェクト1は、その部分をくすんだ色にして入替わりにチャット表示ボックス7の下に現れる。チャット表示ボックス7はこの協同作業セッションのユーザ、すなわちデュイとジーンとの間で交換するメッセージおよび、各メッセージの発信者−すなわち、デュイまたはジーン−を表示する。
【0045】
チャット表示ボックス7の下にチャット入力ボックス8を表示する。チャット入力ボックス8により、ローカルユーザ−すなわちデュイ−は、メッセージをタイプして協同者、すなわちジーンに対して、送信することができる。
【0046】
チャット入力ボックス8の右端に、メッセージ送信ボタン9を表示する。メッセージ送信ボタン9により、ローカルユーザ−すなわちデュイ−は、協同者−すなわちジーン−に対し、予めチャット入力ボックス8にタイプしたメッセージを送信することができる。それでもなお、コンピュータキーボードの「Enter」キーは、同じ機能を果たす。
【0047】
チャット入力ボックス8の左端に、スナップショット送信ボタン10を表示する。スナップショット送信ボタン10により、ローカルユーザ、すなわちデュイは、協同者、すなわちジーンに対し、現在ビューファインダ6内にあるオブジェクト1の一部のスナップショットを送信することができる。
【0048】
スナップショット送信ボタン10とチャット入力ボックス8との間にセレクタ11を表示する。セレクタ11により、ローカルユーザ、すなわちデュイは、自分の作業空間内にあるオブジェクト、すなわちオブジェクト1の3D幾何データ、またはその仕様を伴う3D幾何データ、すなわち、本例では完全な設計仕様さえも、協同者、すなわちジーンに対して送信することができる。
【0049】
記載する実施態様において、デュイが、それぞれが別のレベルの詳細を備えるオブジェクト1に関する3タイプのデータ、すなわち、スナップショットタイプ、スナップ3D幾何タイプ、および仕様全体と共に3D幾何データ中に在るタイプ、の中からいずれか1つを選択する可能性を有することは、理解できるであろう。
【0050】
ビューファインダ6の上右隅の上方にボタン62を表示する。ボタン62のうちの1つにより、ユーザは−マウスを使用してそれを選択することにより−表示される協同セッションの要素全部−すなわち、ビューファインダ6、協同者識別子61、チャット表示ボックス7、チャット入力ボックス8、メッセージ送信ボタン9、スナップショット送信ボタン10、セレクタ11、ボタン62などを−作業空間下のバーに位置するサムネイルに縮小することにより、作業空間から削除することができる。協同セッションの要素は、例えばマウスを使用して、このサムネイルを選択することにより再び表示される。ボタン62中の別のボタンにより、ユーザは、協同セッションを終了することができる。その場合、協同セッションの要素はディスプレイから削除される。
【0051】
表示される協同セッションの要素全部の相対位置は固定されるため、それらの位置は、ビューファインダ6を別の位置にドラッグするとそれに追随する。しかしながら、表示される協同セッションの要素全部は、ビューファインダ6のサイズを変更する場合にも同一サイズを保つ。
【0052】
図4において、デュイは既にジーンへのメッセージをタイプし終えている。自分のマウスを使用してメッセージ送信ボタン9を選択すると、デュイのコンピュータはネットワークを介してジーンのコンピュータとの通信に入り、協同作業セッションを開始する。
【0053】
図5は、デュイのコンピュータがジーンのコンピュータとの通信に入り、協同作業セッションを開始する事実の結果として、ジーンのコンピュータ上に表示されるオーサリング環境での、ジーンの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0054】
見ることができるように、デュイの作業空間に表示される協同セッションのものと同一の機能および特性を有する類似の要素が、同様にジーンの作業空間に表示される。これらの要素は、デュイが開始した協同作業の結果、自動的に表示される。あるいは、デュイがジーンと協同作業セッションを開始するように望んでいることをジーンに知らせる情報をジーンの作業空間に表示して、デュイの要求に同意するか否かを示す可能性をジーンに与える。その結果、協同作業セッションはジーンが同意するときにのみ開始され、前述の協同セッションの要素は、いったんジーンが同意すると、ジーンの作業空間にのみ表示される。
【0055】
チャット表示ボックス107は、デュイが送信したメッセージを表示する(図4を参照)。
【0056】
図5に、ジーンがチャット入力ボックス108にデュイのメッセージに対する回答を既にタイプし終えた段階におけるジーンの作業空間を示す。ジーンはメッセージ送信ボタン109を選択するところである。
【0057】
図6は、図5に示すジーンの回答の送信の結果として、デュイのコンピュータに表示されるデュイの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0058】
ジーンが送信した回答を、チャット表示ボックス8に表示する。チャット表示8内のメッセージ発信者は見ることができないが、マウスを使用してコントロールバー71によりチャット表示ボックス8のコンテンツを横方向にスクロールして表示することができる。
【0059】
ジーンは、そのメッセージの中で、デュイの予備部品−すなわち、実はオブジェクト1であるキャリパーハウジング−を見つけることができないと述べているので、デュイはスナップショット送信ボタン10を自分のマウスで選択する。
【0060】
その結果、デュイのコンピュータはデュイの作業空間に現在表示しているオブジェクト1のイメージを送信するが、ビューファインダ6内のその部品に限定される。オブジェクト1のイメージは、オブジェクト1の背後にあるデュイの作業空間の背景なしで送信される。デュイのコンピュータは、このイメージを閲覧コンテキストデータと共に送信する。これらの閲覧コンテキストデータは、スナップショットを撮ったときにデュイの作業空間に現在表示されているままのオブジェクト1の閲覧コンテキストに関するものである。閲覧コンテキストデータは、詳細には、視点および縮尺を定義する情報を含む。実際、閲覧コンテキストデータは、協同者のコンピュータ対してスナップショットと共に送信して、受信者が自分自身のオブジェクト−すなわち、オブジェクト101−を送信スナップショットと同一のコンテキストで表示することができるようにする追加データである。したがって、閲覧コンテキストデータは、視点、ズーム、画面比などを含んでもよい。閲覧コンテキストデータは、ジーンのコンピュータがオブジェクト1とオブジェクト101との相対位置を判定することができるようにする。送信したスナップショットは、オブジェクト1のビューファインダ6の範囲内に表示する部分のイメージであるに過ぎないこと、すなわち、オブジェクト1の−いずれの視点および縮尺の下でもオブジェクト1の3D表現をすることのできる−立体幾何データはジーンのコンピュータに送信されないことは、理解できるであろう。
【0061】
図7は、スナップショットをジーンのコンピュータに送信した結果として、デュイのコンピュータの上に表示されるデュイの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0062】
唯一の相違は、デュイのコンピュータがチャット表示ボックス7内に、スナップショットを送信したことをデュイに知らせるメッセージを表示することである。
【0063】
図8は、デュイのコンピュータがスナップショットを送信した結果として、ジーンのコンピュータの上に表示されるジーンの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0064】
デュイが送信したスナップショットは、この段階では表示しない。しかしながら、デュイが送信したスナップショットをジーンのコンピュータが受信したこと、およびそのスナップショットは、閲覧するためにダウンロードする準備が整っていることを知らせるメッセージをチャット表示ボックス107内に表示する。
【0065】
デュイのコンピュータが送信したスナップショットをダウンロードするために、ジーンは、図9に示すように、マウスを使用してスナップショットの受信を知らせるメッセージを選択する。
【0066】
図10は、デュイのコンピュータが送信したスナップショットをダウンロードした結果として、ジーンのコンピュータの上に表示されるジーンの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0067】
見ることができるように、デュイのコンピュータが送信したままのオブジェクト1のスナップショットが、ジーンのオーサリング環境においてオブジェクト1の上部に表示され、それにより、オブジェクト1とオブジェクト101との組み合わせ表現を提供している。オブジェクト1のスナップショットは、ジーンのコンピュータがオブジェクト1のスナップショットのサイズに合わせてサイズを変更したビューファインダ106内にきっちりと適合する。さらに、ジーンのコンピュータはオブジェクト101の視点を変更して、デュイのコンピュータがスナップショットと共に送信した閲覧コンテキストデータに基づいてオブジェクト1のスナップショットの閲覧コンテキストと一致させる。オブジェクト1のスナップショットは、ジーンが協同作業に携わらないときに、オブジェクト101の上で作業をするジーンの作業空間自体の中のオブジェクト101の上部に表示されること、すなわち、オブジェクト101の表現は、スナップショットも同様に表示される別の環境(例えば、別のウィンドウ)にはコピーされないことは、理解できるであろう。
【0068】
その結果、ジーンは少なくともオブジェクト1とオブジェクト101との可能なマージの結果をほぼ見ることができる。
【0069】
図11は、ジーンのコンピュータ上に表示されるジーンの作業空間の引き続くスクリーンショットを示し、その中ではジーンがチャット入力ボックス108にデュイのためのメッセージをタイプし終えている。そのメッセージはデュイに対し、オブジェクト1の一部のみを別の視点から見たいことを知らせている。ジーンは次いで、メッセージ送信ボタン109を選択することにより、このメッセージをデュイのコンピュータに送信する。
【0070】
いったん送信すると、このメッセージは図12に示すようにチャット表示ボックス107内に表示される。さらに、ジーンは、オブジェクト1をより良く見る観点から、オブジェクト101をディスプレイの外の3D場面に移動することにより自分の作業空間内のディスプレイから削除した。
【0071】
受信に際して、デュイのコンピュータは−図13に示すように−ジーンのコンピュータが送信したメッセージ、すなわち、図11に関連して述べたジーンのメッセージを表示する。その結果として、デュイは自分の作業空間内のディスプレイから、オブジェクト1のジーンに関心のない部分を削除した。さらに、ジーンの希望に応じてオブジェクト1の視点を変更した。オブジェクト1の新たに生じたコンテキスト状況を図13に示す。
【0072】
続いて、デュイはスナップショット送信ボタン10を選択して、新たなスナップショットを対応する閲覧コンテキストデータと共にジーンのコンピュータに送信する。
【0073】
その結果、デュイのコンピュータは、図14に示すように、スナップショットを送信した旨を知らせるメッセージを再度チャット表示ボックス7内に表示する。
【0074】
その一方で、図15に示すように、ジーンはオブジェクト1のスナップショットを自分の作業空間から削除して、代わりに再度オブジェクト101を表示した。図15は、デュイが図13により送信したスナップショットをジーンのコンピュータがいったん受信したときのジーンの作業空間を示す。その結果、対応するメッセージがチャット表示ボックス107内に表示される。
【0075】
デュイのコンピュータが送信した新しいスナップショットをダウンロードするために、ジーンは、デュイが送信した最初のスナップショットのために既に行ったのと同様に、チャット表示ボックス10内に表示される新しいスナップショットの受信を知らせるメッセージを、マウスを使用して選択する。
【0076】
図16は、デュイのコンピュータが送信した新しいスナップショットをダウンロードした結果として、ジーンのコンピュータ上に表示されるジーンの作業空間のスクリーンショットを示す。
【0077】
見ることができるように、デュイのコンピュータが送信したままのオブジェクト1のスナップショットを、再度オブジェクト101の上部に表示する。この場合も、ジーンのコンピュータはオブジェクト101の閲覧コンテキストを変更して、デュイのコンピュータが新しいスナップショットと共に送信した閲覧コンテキストデータに基づいて、オブジェクト1の新しいスナップショットの閲覧コンテキストと一致させる。
【0078】
その結果、ジーンは少なくともオブジェクト1とオブジェクト101とのマージの結果をほぼ見ることができる。
【0079】
しかしながら、スナップショットとオブジェクト101との重畳表示は、オブジェクト1とオブジェクト101との実際の組立体の充分に現実的なビューを提供しないので、ジーンは、オブジェクト1のスナップショットを、例えば、ビューファインダ6の限界が定義する領域の上をクリックすることにより、自分の作業空間から削除する。あるいは、ジーンは、オブジェクト1のスナップショットを、マウスを使用して受信したオブジェクトまたはファインダ106の上で右クリックすることにより、自分の作業空間から削除する。このとき、ユーザが利用可能な各種の選択肢を有するコンテキストメニューが現れる。選択肢の中で、ユーザは表示されたオブジェクトを削除するか、または下方で見るように低いレベルの詳細で表示するかを決定してもよい。その結果、オブジェクト1のスナップショットは、図17に示すように、もはやジーンの作業空間には表示されない。さらに、ジーンは、デュイに対しオブジェクト1の3Dイメージを送信することを求めるさらなるメッセージを、チャット入力ボックス108内にタイプする。ジーンは、メッセージ送信ボタン109を選択することにより、このメッセージをデュイのコンピュータに対して送信する。
【0080】
受信に際して、デュイのコンピュータは、図18に示すように、受信メッセージをチャット表示ボックス7内に表示する。そこで、デュイは、ジーンが求める3Dを送信することを決定する。したがって、デュイはセレクタ11を選択する。その結果、サムネイル12がセレクタ11の下にポップアップする。サムネイル12は「スナップショット」の語を含み、ボタン10の現在の機能が、選択したときスナップショットを送信することであることを示す。サムネイル12はセレクタ13をも含む。マウスを使用してセレクタ13を選択することにより、ボタン10の機能を、スナップ3D幾何の送信または完全なデータを伴う3D幾何の送信に変更することができる(図示せず)。それが、図18においてデュイの行おうとしていることである。別の実施態様においては、セレクタ11の選択は、イメージ(「スナップショット」)、スナップ3D幾何、または完全なデータを伴う(すなわち、オブジェクト1の仕様を伴う)3D幾何のような、詳細オプションのレベルのリストを直接表示する。
【0081】
さらに、チャット表示ボックス7の左にスクロールバー72を表示する。スクロールバー72を用いて、ユーザは、交換メッセージの全部をチャット表示ボックス7内に完全に表示することができないとき、チャット表示ボックス7のコンテンツをスクロールアップおよびスクロールダウンすることができる。
【0082】
ボタン10の機能を、スナップ3D幾何を送信することへといったん変更すると、デュイはチャット入力ボックス8にデュイへのメッセージをタイプし、次いでスナップショット送信ボタン10を選択する。その結果、オブジェクト1のスナップ3D幾何およびチャット入力ボックス10にタイプしたメッセージの双方が、ジーンのコンピュータに送信される。さらに、そのメッセージは、図19に示すように、チャット表示ボックス7内に表示される。その上、オブジェクト1のスナップ3D幾何を送信したことを知らせるメッセージ−図7に示すものと同様−が、チャット表示ボックス7内に表示されてもよい。
【0083】
ジーンのコンピュータに対して送信するオブジェクト1のスナップ3D幾何は、少なくとも部分的にビューファインダ6内に位置するオブジェクト1の部分の(任意の視点および縮尺に関するその3D表現をすることのできる)立体幾何データすべてを含む。ビューファインダ6の範囲内に含まれるオブジェクト1の一部の立体幾何データだけでなく、ビューファインダ6内に含まれるオブジェクト1と同様にビューファインダ6の境界と交叉する部分の立体幾何データのすべてが送信されることは理解できるであろう。しかしながら、オブジェクトの立体幾何データは、スナップショットボタン10を選択するとき、少なくともオブジェクトの一部が現にビューファインダ6内にある場合のみ、送信される。閲覧コンテキストデータは、ジーンのコンピュータに対してスナップ3D幾何を送信するときデュイのGUIに表示されるままの、オブジェクト1の実際の閲覧コンテキストを定義するために、オブジェクト1の立体幾何データと共に送信される。したがって、ジーンのコンピュータは、デュイのコンピュータと同一の閲覧コンテキストでオブジェクト1を表示し、オブジェクト101の表示を同一の閲覧コンテキストに変更する可能性を有する。あるいは、この場合は、ジーンのコンピュータはオブジェクト1とオブジェクト101とを同一の閲覧コンテキストで表示することが可能なため、立体幾何データは、閲覧コンテキストデータを伴わないで送信される。
【0084】
しかしながら、オブジェクト1の仕様はオブジェクト1の立体幾何データと共には送信しない。
【0085】
あるいは、デュイのコンピュータはジーンのコンピュータに対し、ジーンのコンピュータがオブジェクト1の立体幾何データをダウンロードすることのできるネットワーク内の経路−例えば、ネットワークに接続されたデータベースであって、デュイとジーンが作業をしている組立体のデータを含むデータベースに対する経路−に関する情報を送信するだけである。しかしながらこの場合は、デュイのコンピュータが前述の経路に対応するネットワークの位置に先ず閲覧コンテキストデータを提供しなければならないという事実を避けるように、デュイのコンピュータはジーンのコンピュータに対し、閲覧コンテキストデータを送信することが好ましい。
【0086】
図20は、スナップ3D幾何のダウンロードの結果として、ジーンのコンピュータ上に表示されるジーンの作業空間のスクリーンショットを示す。図20では見られないが、チャット表示ボックス107は−図9に示すものと同様に−デュイが送信したスナップ3D幾何をジーンのコンピュータが受信したこと、および閲覧するためにダウンロードする準備が整ったことを知らせるメッセージを含む。ジーンは、図9に関連して、送信スナップショットの場合に関し説明したのと同様に、マウスを使用してスナップ3D幾何の受信を知らせるメッセージを選択することより、自分のコンピュータにスナップ3D幾何をダウンロードさせた。
【0087】
見ることができるように、オブジェクト1とオブジェクト101の双方が、ジーンの作業空間自体、すなわち、ジーンが協同作業に携わらないときに、オブジェクト101上で作業をするオーサリング環境において表示される。オブジェクト101は、オブジェクト1の3D場面内にそれらの組み合わせ表現で表示される。スナップ3D幾何全部が送信されるので、位置関係のマトリックスもジーンのコンピュータに送信される。したがって、送信されたオブジェクト1の位置はオブジェクト101の場面に完全に組み込まれる。すなわち、オブジェクト1とオブジェクト101とは重畳状態ではなく、マージ状態で(例えば、オブジェクト1とオブジェクト101とが実際には混ざり合う部品である場合は、混ざり合った状態で)表示される。したがって、図20の例においては、オブジェクト1のキャリパーはオブジェクト101のブレーキディスクを取り囲んでいる。オブジェクト1とオブジェクト101との双方は、同一の画面閲覧コンテキストで、すなわち、同一の視点と同一の縮尺で、表示される。オブジェクト1の立体幾何データをジーンのコンピュータで利用することができるので、これが可能である。さらに、オブジェクト1は、デュイのコンピュータと同一の閲覧コンテキストでジーンのコンピュータに表示され、その結果、オブジェクト101はジーンのコンピュータによりこの同一の閲覧コンテキストに変更される。あるいは、オブジェクト1は、ジーンがオブジェクト1のスナップ3D幾何をダウンロードしたときジーンのコンピュータに表示したオブジェクト101に関するのと同一の閲覧コンテキストで、ジーンのコンピュータに表示してもよい。しかしながら、オブジェクト1が不透明オブジェクトとして表示される一方で、オブジェクト101は暗色の要素として表示される。こうして、ジーンは少なくともオブジェクト1とオブジェクト101との実際のマージの結果をほぼ見ることができる。オブジェクト101が暗色であるという事実は、オブジェクト1とオブジェクト101との実際のマージの結果がどうなるかのいっそう現実的なビューを提供する。それでもなお、ジーンのためにオブジェクト1をオブジェクト101上に表示して、オブジェクト1を暗色にし、オブジェクト101を不透明にすることも可能である。
【0088】
ジーンは、例えば、マウスを使用して少なくとも1つのオブジェクトのどこかの点をドラッグすることにより、オブジェクト1とオブジェクト101との閲覧コンテキストを変更する可能性をも有する。ユーザが変更するとき、閲覧コンテキストは両方のオブジェクトに対し共通のままであることは、理解できるであろう。例えば、両方のオブジェクトは、同一軸の周りを同時に回転する。このような閲覧コンテキストの変更、詳細には垂直軸Zの周りの回転の結果を、この変更の後のジーンの作業空間を表す図21に示す。
【0089】
最後に、ジーンはデュイから、オブジェクト1の全体仕様を自分のオーサリング環境内にダウンロードし、その結果、オブジェクト1をその仕様と共に自分の作業空間に組み込んでもよい。選択ボタン11を介して選択することのできる詳細のこの究極のレベルにおいて、オブジェクトはそのデータの全部、すなわち、(任意の視点および縮尺の下でオブジェクト1の3D表現をすることのできる)その立体幾何データ、および、寸法記入、位置決め、許容誤差、ならびに材料、所有者、状態、構成など前述のオブジェクトに付随するあらゆる他の属性のみでなく、組立体の他の部品に対する連結などのような全体の仕様、と共に送信される。もちろん、これは、デュイがこれらを送信する権利(製品データ管理ツールが管理する権利)を有するときのみ可能である。ジーンは、自分に送信されるあらゆるオブジェクトを受信するのに必要な権利を有するが、自分のオーサリングツールがそのような設計となっている場合のみ前述のオブジェクトを変更することができ、そのために必要な権利を有する場合のみ変更をセーブすることができるであろう。ユーザがオブジェクトを完全な仕様と共に受信する場合には、ビューファインダ6を通して送受信する情報および受信者の現在のエディタに存在する情報に基づいて、両オブジェクトの実際のマージを達成して表示する。したがって、関連データベースは更新されて、設計における変更を反映する。
【0090】
オブジェクト1の全仕様をダウンロードする可能性をジーンに与えるため、デュイのコンピュータは、ジーンのコンピュータがオブジェクト1の全仕様をダウンロードすることのできるネットワーク内の経路−例えば、ネットワークに接続するデータベースであって、デュイとジーンが作業をしている組立体のデータを含むデータベースに対する経路−に関する情報を単にジーンのコンピュータに対し送信する。ここで再度、ジーンのコンピュータに対し全仕様をダウンロードする可能性を与えるとき、デュイのコンピュータがジーンのコンピュータに対し閲覧コンテキストデータを提供することが好ましい。しかし、あるいは、この場合は、ジーンのコンピュータにとってオブジェクト1とオブジェクト101とを同一の閲覧コンテキストで表示することも可能なため、全仕様をダウンロードする可能性は、デュイのコンピュータが閲覧コンテキストデータなしで提供する。
【0091】
受信者−すなわちジーン−が、送信者−すなわちデュイ−に対して送信者のオブジェクト−すなわちオブジェクト1−に関する変更を提案したいときは、受信者は、送信者が送信者のオブジェクトに関して第2レベルの詳細(スナップ3D幾何)または第3レベルの詳細(完全なデータ)を受信者に提供するときに、それを行うことができる。さらに詳細には、受信者は、受信者の作業空間内に表示される送信者のオブジェクトに変更を加え、次いで自分のコンピュータに、変更した送信者のオブジェクトを送信者のコンピュータに対し返送させる。送信者のコンピュータは、次いで、受信者が変更したオブジェクトをそのオーサリング環境において表示する。変更されたオブジェクトは、単独で送信者のコンピュータのGUI上に表示される。あるいは、変更前のオブジェクトと共に、同一の閲覧コンテキストで、重畳状態または混合状態で表示するので、提案された変更が送信者に良く分かる。受信者が、(送信者から予め受信した)完全データ表現に対し変更を加える場合は、送信者は、提案された変更に同意する場合は、それを自分の作業空間に組み込むこと−すなわち、それを設計に組み込むこと−により、自分のオブジェクトを受信者が変更したオブジェクトと置き換えることができる。
【0092】
加えて、ジーンは、ビューファインダ6上で右クリックして表示されるコンテキストメニュー内の関連オプションを選択することにより、完全データと共に送信されて受信したオブジェクトを、スナップ幾何または単純スナップショットを通して閲覧する可能性を有する。
【0093】
共通のセッションは、複数の協同者に対して単一のセッションを主導するために定義されることがあり、このような場合には、複数の受信オブジェクトを単一のビューファインダ6を通して見たり表示したりすることができ、関与する分散チームの協同作業をプレヴューできることは理解できるであろう。別の実施態様において、同一ユーザが同時に、それぞれ別の協同者との数件の協同作業セッションに入ることができる。詳細には、ユーザは各協力者と、自分自身のオブジェクトの各部品について協同してもよい。このような場合、協同セッションごとにこの同一ユーザの作業空間内に表示されるそれぞれの要素−すなわち、ビューファインダ6、チャット表示ボックス7、チャット入力ボックス8など−を有する。
【0094】
本発明を、好ましい実施態様を参照して説明した。しかしながら、本発明の範囲内で多数の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図2】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図3】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図4】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図5】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図6】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図7】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図8】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図9】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図10】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図11】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図12】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図13】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図14】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図15】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図16】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図17】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図18】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図19】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図20】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図21】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【図22】本発明により2人のユーザ間で実行する協同作業の例における、それぞれのコンピュータ上の表示の連続的なスクリーンショットを示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1、101 オブジェクト
2 仕様ツリー
3 PLM作業空間ツリー
4 ソフトウェアツール
5、104 ツール
6 ビューファインダ
7、107 チャット入力ボックス
8、108 チャット表示ボックス
9 メッセージ送信ボタン
10 スナップショット送信ボタン
11 セレクタ
31 ボックス
62 ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ローカルコンピュータのオーサリング環境において表示される第1オブジェクト(1)の視覚的表現に基づいて、前記第1オブジェクト上で作業をする第1ユーザと、
第2ローカルコンピュータのオーサリング環境において作業をする第2ユーザとの間の協同作業の方法であって、
前記第1コンピュータと前記第2コンピュータとをコンピュータネットワークを介して接続し、前記方法は、
a)前記第1コンピュータにおいて、前記第1オブジェクトに関する複数のタイプのデ
ータ中から1つのタイプを選択し、このデータの各タイプが前記第1オブジェクト
に関する視覚的表現を備えたステップ、
b)前記選択したタイプによる前記第1オブジェクトに関するデータを前記第2コンピ
ュータに対し提供するステップ、および
c)前記第2コンピュータの前記オーサリング環境において、前記第1オブジェクトの
視覚的表現を表示するステップ、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップb)は、
前記選択したタイプによる前記第1オブジェクトに関する少なくとも一部のデータを、前記第1コンピュータから前記第2コンピュータに対し送信するサブステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)は、
前記ネットワーク内における経路に関する情報を、前記第1コンピュータから前記第2コンピュータに対し送信するサブステップ、および
前記選択したタイプによる前記第1オブジェクトに関する少なくとも一部のデータを、前記ネットワーク内の前記経路にしたがって、前記第2コンピュータにダウンロードさせるサブステップ、
を備えたこと特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)において、前記第2コンピュータに提供される前記第1オブジェクトに関する前記データは、
前記第1コンピュータの画面上に表示するままの前記第1オブジェクトの前記視覚的表現に関する閲覧コンテキストデータを備えること、および
ステップc)において、前記第1オブジェクトの前記視覚的表現は、前記閲覧コンテキストデータに対応する閲覧コンテキストで、前記第2コンピュータの前記オーサリング環境において表示すること、
を特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記第1オブジェクトは、
第1立体幾何データおよび仕様により定義され、前記第1立体幾何データおよび前記仕様は、前記第1コンピュータにおいて利用可能であること、
を特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記第1オブジェクトに関する複数のタイプのデータ中の少なくとも1つのタイプは、仕様を含まず、そのためステップa)において選択するときは、ステップc)を実行中の場合、前記第2コンピュータで仕様を利用できないこと、
を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、仕様を伴わない前記第1立体幾何データを含み、そのためステップa)において選択するときは、ステップc)を実行中の場合、前記第2コンピュータで仕様を利用できないこと、
を特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、前記第1立体幾何データおよび仕様を備えたこと、
を特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1オブジェクトに関するデータの1つのタイプは、前記第1ローカルコンピュータの画面上に表示するままの、前記第1オブジェクトの少なくとも一部の前記視覚的表現のスナップショットイメージを備えたこと、
を特徴とする請求項1から8のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記第1コンピュータの画面上にグラフィカルツール(6)を表示し、前記グラフィカルツールは、前記第1コンピュータの前記オーサリング環境における領域を画定するステップ、
を備え、
前記第1コンピュータのオーサリング環境においてグラフィカルツールが画定する領域は、ステップb)において提供する前記第1オブジェクトに関する前記データ中に、そのための視覚的表現データが含まれる前記第1オブジェクトの部分を判定すること、
を特徴とする請求項1から9のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記グラフィカルツールが画定する領域は、前記第1コンピュータの前記オーサリング環境においてサイズを変更および/または位置を変更するように適合されること、
を特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2コンピュータの画面上にグラフィカルツール(106)を表示し、前記グラフィカルツールは、前記第2コンピュータの前記オーサリング環境において領域を画定するステップ、
を備え、
ステップc)において、前記第2コンピュータの前記オーサリング環境における前記第1オブジェクトの前記視覚的表現は、前記第2コンピュータの前記オーサリング環境において、前記グラフィカルツールが画定する前記領域内に表示されること、
を特徴とする請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1コンピュータの画面上と前記第2コンピュータの画面上とに、前記第1ユーザと前記第2ユーザとが前記ネットワークを介してメッセージを交換できるチャット入力ボックス(8、108)とチャット表示ボックス(7、107)とを表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1から12のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記第2ユーザは、前記第2ローカルコンピュータの前記オーサリング環境において表示される前記第2オブジェクトの視覚的表現に基づいて、第2オブジェクト(101)上で作業し、
ステップc)において、前記第1オブジェクトの前記視覚的表現が、前記第2オブジェクトの視覚的表現と共に前記第2コンピュータの前記オーサリング環境内に表示されて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの組み合わせ表現が、同一閲覧コンテキストで提供されること、
を特徴とする請求項1から13のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
ステップc)において、前記第1オブジェクトの前記視覚的表現は、前記第2オブジェクトの視覚的表現と共に前記第2コンピュータの前記オーサリング環境内に表示されて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの組み合わせ表現が、閲覧コンテキストデータに対応する同一閲覧コンテキストで提供されること、
を特徴とする請求項4および14に記載の方法。
【請求項16】
ステップa)において選択されるデータのタイプは、前記第1ローカルコンピュータの前記オーサリング環境において表示するままの、前記第1オブジェクトの少なくとも一部の前記視覚的表現のスナップショットイメージを備えること、および
ステップc)において、前記第1オブジェクトの前記スナップショットと前記第2オブジェクトの前記視覚的表現とを、重畳状態で表示すること、
を特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2オブジェクトは、前記第2コンピュータにおいて利用可能な第2立体幾何データにより定義されること、
ステップa)において選択するデータのタイプは、前記第1立体幾何データ、
を備えること、および
ステップc)において、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとは、マージ状態で表示されること、
を特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項18】
ステップa)において選択するデータのタイプは、前記第1立体幾何データを備え、ステップc)の後に、
d)前記第1オブジェクトを前記第2コンピュータにおいて変更するステップ、
e)前記変更された第1オブジェクトの視覚的表現を、前記第2コンピュータから前記
第1コンピュータに対して送信するステップ、および
f)前記変更された第1オブジェクトの前記視覚的表現を、前記第1コンピュータの前
記オーサリング環境内に表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1から17のうちいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
第1ローカルコンピュータの前記オーサリング環境に表示される前記第1オブジェクトの視覚的表現に基づいて第1オブジェクト上で作業をする第1ユーザが、ネットワークを介して前記第1コンピュータに接続される第2ローカルコンピュータ上で作業をする第2ユーザと協同作業ができるようにするためのコンピュータソフトウェアであって、前記第1コンピュータ上で走る前記コンピュータソフトウェアにより前記第1ユーザは、
前記第1コンピュータにおいて、前記第1オブジェクトに関する複数のタイプのデータ中から1つのタイプを選択し、このデータの各タイプは前記第1オブジェクトに関する視覚的表現のデータを備えること、および
前記第1コンピュータから前記第2コンピュータに対して、前記選択したタイプによる前記第1オブジェクトに関するデータおよび/または前記選択したタイプによる前記第1オブジェクトに関するデータをダウンロード可能な前記ネットワーク内の経路に関する情報を送信すること、
ができることを特徴とするコンピュータソフトウェア。
【請求項20】
前記第1コンピュータに対して請求項1から18のうちいずれか1つに定義する、各ステップを実行することを特徴とする請求項19に記載のコンピュータソフトウェア。
【請求項21】
ローカルコンピュータ上で作業をするユーザが、ネットワークを介して前記コンピュータに接続する別のローカルコンピュータ上で作業をする別のユーザと協同作業ができるようにするためのコンピュータソフトウェアであって、前記コンピュータ上で走る前記コンピュータソフトウェアは、前記第2コンピュータに対して請求項1から18のうちいずれか1つに定義する各ステップを実行するように適合されること、
を特徴とするコンピュータソフトウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−334889(P2007−334889A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153237(P2007−153237)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(500102435)ダッソー システムズ (52)
【氏名又は名称原語表記】DASSAULT SYSTEMES
【住所又は居所原語表記】9,quai Marcel Dassault, BP 310 92156 Suresnes Cedex, FRANCE
【Fターム(参考)】