説明

放光無目

【課題】従来の無目は耐強度、耐風圧等の構成上の役目が主で、コマーシャルの機能は少ない。時に企業の顔である玄関の無目に企業名、ビル名等を入れていますが、しかし多くの場合夜間、エントランス全体が消灯して暗くなっていますので読めません。暗闇でも企業名、ビル名が読め、また防犯上から少しでも明るく出来ないか。
【解決手段】無目を3重構造をし、内部の光源部を発光させ、企業名、ビル名を切抜き又コーディネイトした放光窓から光を放光することで、企業名、ビル名を放光無目に明るく浮き上がらせる事が出来、遠目からでも読み取る事が出来る。又光源部の色を時間と共に変化させ、放光窓や樹脂板のデザインや色を変えることで個性あるエントランスを演出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は従来の開口部を構成する構成部材の無目に、不足しているコマーシャル性やデザイン性を付加し、PR性を持たせることを目的とした無目である。
【背景技術】
【0002】
従来の無目は開口部を構成する構成部材の一部であり、デザイン的な要素よりも主目的は耐強度、耐風圧のための部材であった。
【0003】
従来の無目を使用した一例として、図1を示し説明する。一般的にサッシの材質はアルミ、ステンレス、スチール、木等が有り、また開口部は多くの場合、方立、上枠、無目、巾木、扉等で構成されている。
【0004】
建物の玄関の無目に、よく企業名やビル名が明記されています。しかし夜間は消灯して、暗いために見えず、企業名やビル名が分らない事も多く有った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べた様に、従来の無目は耐強度や耐風圧等を重視した形状のため、無目から直接の発信性は少なく、コマーシャル性やデザイン性の機能には乏しかった。
【0006】
本発明は、従来の無目が持っている機能を維持しながら、かつコマーシャル性やデザイン性等を付加し、PR性を高めた無目を提供するものである。
【問題を解決するための手段】
【0007】
従来の無目としての機能に加えて、内部に光源部を設けて発光させ、企業名、ビル名、業態等の文字やマークが浮き出るようなコマーシャル機能をもつ放光無目を、従来のサッシと組み合わせて開口部を構成させ、放光無目から企業のPRを発信させる。図2は図1の無目を放光無目に取替え、社名を浮かび上がらせた図で、一例として(株)アイシン技研としました。
【発明の効果】
【0008】
放光無目から企業名、ビル名等を発信する事で、新たにコマーシャル性、デザイン性が発生し、PR性も提供できる。特に夜間、周囲が暗ければ暗いほど放光無目の効果が発揮できる。
【0009】
コマーシャル性、デザイン性を有するものとして放光無目が認識されれば、改めてPRの媒体としての無目の効果が見直される。
【0010】
放光無目を使用することで、付加価値が付き、サッシ自体の価値が上がる。
【0011】
放光無目を前面部、設置部、点検カバー部の3重構造にすることで、在来の無目から放光無目に取替えたり、テナントが変わり、新しい放光無目に取替えたりが出来る。
【0012】
無目から放光することで、周辺が明るくなり深夜の防犯に効果が見込める。
【発明を実施するための最良な形態】
【0013】
図3は本発明のアルミフロントの場合の放光無目の断面図を示す。放光無目1の構成は2〜8で成り立つ。1と各々の役目を下記に記す。
放光無目1
図面の下側に寸法を入れましたが、1には見込み70ミリ用と100ミリ用が有ります。従来のフロント材と組み合わせて、開口部の構成建具としての機能と発明の主目的であるデザインやPRの機能を持ちます。前面部、設置部、点検カバー部の3重構造にし、背面には点検カバー部5、前面部3には放光窓6、樹脂板7、樹脂板取付け溝8を持つ。放光の仕組みは、内部に設けた光源部2を設置部4に取付け、発光させる。前面部3の6と7を通過した光は3より光が外部に放出されることで、無目にコマーシャルが浮かび上がる。
光源部2
2は1の内部に設置し、2の取付けに応じた穴を開けて設置部4にビスで取付ける。又2は1の一番重要な所で、光源の色の選択や時間と色を変化させることで、多様なコマーシャルのバリエーションを持たせる事が出来る。放熱による温度上昇が考えられるので、LED等の発熱の低い光源が望ましい。
前面部3
3は3重構造の一つで、無目の強度を保つ構成材のとしての機能とPR機能としての放光窓6、樹脂板7、樹脂板取付け溝8を持つ。
設置部4
4は3重構造の一つで、無目の構成材としての機能とPR機能としての光源部を取付ける役目を持つ。
点検カバー部5
5は3重構造の一つで、5を設ける事で2を隠すことが出来、1の取替、2の取付けや修理の時に開けます。5を開ける時はビスを外し、又回転機能を持たせているので、5を取外す事無く、回転させながら開けることが出来る。また爪AをBに差し込むことで、開保持ができる機能も持つ。
放光窓6
デザイン通りに、四角形や文字型に切り抜き、更にコーディネイトしたりして、外部に光を放出する窓口の役目を持つ。2と共に放光無目の重要な所。
樹脂板7
7には企業名、ビル名、業態等を表記する。デザインや色を変える事で、放光に色々な変化を持たせ、且つ防塵、防雨の役目も合わせ持つ。ボンド又はシール剤で固定させる。
樹脂板取付け溝8
7をはめ込む溝で、樹脂板の取外しが出来るよう、上溝は深く下溝は浅い構造を持つ。
【0014】
図4は本発明の放光無目21のステンレスサッシ、スチールサッシの断面図を示す。
21の構造と各々の役目を下記に記す。21は内部に光源部22が設けてあり設置部24に22を取付ける。背面には点検カバー部25、前面部23には放光窓26、樹脂板27、樹脂板取付け溝28を持つことを特徴とする。また3重構造にすることで、設置後、別の放光無目に取替えることが出来る。なお図3との大きな違いは、図3はアルミの引き抜き材で、図4は曲げ加工のオーダー製品になります。従って図3とは材質、構造、寸法等違いは有りますが、21〜28の各々の役目は図3と同じなので、前項の1〜8に既に書きましたので省略する。
【実施例】
【0015】
図2は図1と同じ正面図ですが、放光無目1や21を使用して構成したイメージ図で、一例として、(株)アイシン技研としました。
【0016】
図5は図3の3や図4の23を長方形に大きく切取り、(株)アイシン技研を1枚の樹脂板7や27にデザインし、樹脂板取付け溝8や28にはめた図。文字部分を透明にし、他の部分は暗くして、(株)アイシン技研を明るく浮き上がらせた放光窓の一例。
【0017】
図6は図3の3や図4の23を(株)、ア、イ、シ、ン、技、研と一字毎、文字の形に7つ抜き、裏から樹脂板をあて、文字形を明るく浮き上がらせた放光窓の一例。なお図5は7文字の内、代表してアのみを表す。
【0018】
図7は図3の3や図4の23を(株)、ア、イ、シ、ン、技、研と一字毎四角形に7つ抜き、個々の文字は樹脂板にデザインし、明るく浮き上がらせた放光窓の一例。なお図6は7文字の内、代表してアのみを表す。
【産業上の利用可能性】
【0019】
従来の無目には、企業名、ビル名等を表記した場合も有りますが、夜間は見えない事も多く、多少のデザイン性は持っているものの、主に開口部の構成部材の一部分としてとらえられていました。しかし新提案の放光無目は内部に光源部を持ち、放光窓を通して企業名、ビル名、業態等を放光し、PRすることが出来ますので、コマーシャルやデザイン機能がある物として認識が一般化すれば、エントランスの表情を大きく変えられるものと思います。文字、デザイン、色使い、表現等を色々変えれば独自の発信ができるエントランスになると思います。特に夜、企業名等が浮き上がることで差別化し、知名度アップや防犯にもつながりますので、採用されるチャンスは大いにあると思います。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 従来の無目を使用したサッシ正面図の一例。
【図2】 図1に本発明の放光無目1、21を使用した時のイメージ図。
【図3】 70ミリと100ミリ用アルミフロントの放光無目1の断面図。
【図4】 ステンレスとスチールサッシ用の放光無目21の断面図
【図5】 1、21に(株)アイシン技研を樹脂板一体型でデザインした一例。
【図6】 1、21に(株)アイシン技研を文字切抜き型でデザインした一例。
【図7】 1、21に(株)アイシン技研を樹脂板個別型でデザインした一例。
【符号の説明】
【0021】
1 放光無目
2 光源部
3 前面部
4 取付け部
5 点検カバー部
6 放光窓
7 樹脂板
8 樹脂板取付け溝
9 方立
10 上枠
11 巾木
12 無目
13 扉
21 放光無目
22 光源部
23 前面部
24 取付け部
25 点検カバー部
26 放光窓
27 樹脂板
28 樹脂板取付け溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成建具の一部である無目の機能を維持しながら、無目内部に光源部を持ち、発光させ、前面部の企業名、ビル名や業態等の文字を持つ窓(放光窓)を通して外部に放光させ、PR発信を目的とする光源部と放光窓を持つ放光無目。
【請求項2】
前面部と光源部を取付ける設置部と光源部の取付け、撤去、修理の時必要な点検カバー部の3重構造を持つ請求項1に記載の放光無目。
【請求項3】
前面部の放光窓の背面に、樹脂板を留める為の樹脂板取付け溝を持つ請求項1に記載の放光無目。
【請求項4】
アルミフロントの70ミリ用、100ミリ用に組み込める構造を持つ請求項1に記載の放光無目。
【請求項5】
アルミフロント用の図3で点検カバーを開ける時、カバーを取り外す事無く回転させながら開けることが出来るよう、引き抜きで丸い構造のオン、メンのアルミ丁番とカバーを開保持させる為の爪を持つ請求項1に記載の放光無目。
【請求項6】
ステンレスサッシ、スチールサッシ、木製サッシに組み込める構造を持つ請求項1に記載の放光無目。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−7444(P2010−7444A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196976(P2008−196976)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(508230237)株式会社アイシン技研 (1)
【Fターム(参考)】