説明

放射性物質貯蔵施設

【課題】貯蔵建屋の耐震性を向上させることができる放射性物質貯蔵施設を提供する。
【解決手段】放射性物質貯蔵施設1は内部に貯蔵エリア3を有する貯蔵建屋2を備え、貯蔵建屋2は給気側側壁4,6を有する。冷却空気を取り込む給気口5,7が給気側側壁4,6にそれぞれ形成される。貯蔵エリア3を画定する仕切り壁である支持壁12、及び他の仕切り壁である支持壁15が設けられる。支持壁12と給気側側壁4の間及び支持壁15と給気側側壁6の間に均圧室19,20が形成される。給気側側壁4の一端から、給気口5の一端までの間、及び給気側側壁4の他端から、給気口5の他端までの間は、給気側側壁4が連続して存在する。このため、地震時における給気側側壁4と平行な地震動に対して、給気側側壁4が受け持つことができる地震荷重を増大させることができる。貯蔵建屋2の耐震性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質貯蔵施設に係り、特に、使用済燃料集合体を収納した放射性物質収納容器(例えば、金属キャスク)を貯蔵する放射性物質貯蔵施設に適用するのに好適な放射性物質貯蔵施設に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所では、原子炉に装荷された燃料集合体が、使用年数に応じて順次新しい燃料集合体と交換される。原子炉から取り出された使用済燃料集合体は、核分裂物質の崩壊に起因した放射線及び熱を放出するため、一般には、原子炉発電所内に設けられた貯蔵プールの水中で保管され、冷却される。
【0003】
その貯蔵プール内に保管される使用済燃料集合体の体数が増加しているため、乾式の放射性物質貯蔵施設を建設し、原子力発電所内の貯蔵プールに保管されている使用済燃料集合体を放射性物質貯蔵施設に移送することが考えられている(特許文献1及び2参照)。
【0004】
特許文献1及び2は以下に述べる放射性物質貯蔵施設を記載している。貯蔵建屋を有するその放射性物質貯蔵施設は、複数の使用済燃料集合体を収納する多数の放射性物質収納容器を配置する、区画された貯蔵エリア、外部環境から貯蔵エリア内へ冷却空気を供給する冷却空気供給流路、及び貯蔵エリア内から外部環境へ冷却空気を排出する冷却空気排出流路を備えている。貯蔵エリア、冷却空気供給流路及び貯冷却空気排出流路が貯蔵建屋内に設けられる。貯蔵建屋の屋上に設けられた排気塔が冷却空気排出流路に接続されている。冷却空気を取り込む給気口が、貯蔵建屋の一つの側壁で排気塔と反対側の側壁に形成され、冷却空気供給流路に連絡される。各貯蔵エリアの相互間に隔壁が配置されている。
【0005】
特に、特許文献1は、複数の給気口が形成された側壁と貯蔵エリアの間に放射性物質収納容器に搬出入通路を形成し、貯蔵エリア相互間に隔壁が配置されている。給気口は貯蔵エリア毎に設けられる。貯蔵エリアと搬出入通路の間に給気側壁が貯蔵エリアと搬出入通路の間に設けられる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−045230号公報
【特許文献2】特開2006−292694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
乾式の放射性物質貯蔵施設は、放射性物質収納容器を配置している各貯蔵エリアに冷却空気を均一に供給するため、貯蔵建屋の側壁に貯蔵エリア毎に給気口を形成している。上記の側壁は、複数の給気口が形成される(特許文献1及び2参照)ので、その側壁と平行な地震動に対して受け持つことができる地震荷重が小さい。このため、給気側の側壁が受け持つことができる地震荷重を増大させることが望まれる。
【0008】
本発明の目的は、貯蔵建屋の耐震性を向上させることができる放射性物質貯蔵施設を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成する本発明の特徴は、放射性物質収納容器を貯蔵する貯蔵領域を内部に有する貯蔵建屋が、対向する一対の第1側壁及びこの第1側壁と交差する方向に配置されて対向する第2側壁を有し、貯蔵領域が一対の第1側壁及び一対の第2側壁によって取り囲まれており、貯蔵領域に供給される外気を取り込む給気口が一対の第1側壁の少なくとも1つに形成され、給気口の少なくとも一部が、給気口が形成された第1側壁の両端間で中央部に位置しており、給気口が形成された第1側壁が、一方の第2側壁に結合される一端から、その中央部に位置している給気口の一端までの間、及び他方の第2側壁に結合される他端から、その中央部に位置している前記給気口の他端までの間で、連続して存在していることにある。
【0010】
給気口が形成された第1側壁が、一方の第2側壁に結合される一端から、その中央部に位置している給気口の一端までの間、及び他方の第2側壁に結合される他端から、その中央部に位置している前記給気口の他端までの間で、連続して存在しているので、給気口が形成された第1側壁の、第2側壁に結合される端から、給気口の一端までにおける第1側壁の長さを長くすることができる。このため、地震時における第1側壁と平行な地震動に対して、給気口が形成された第1側壁が受け持つことができる地震荷重を増大させることができ、貯蔵建屋の耐震性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、放射性物質貯蔵施設の貯蔵建屋の耐震性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の好適な一実施例である放射性物質貯蔵施設を、図1〜図3を用いて以下に説明する。本実施例の放射性物質貯蔵施設1は、内部に貯蔵エリア3を有する貯蔵建屋2を備えている。貯蔵建屋2は、一対の給気側側壁4,6、一対の側壁8A,8B及び屋根9を有する。給気側側壁4,6及び側壁8A,8Bは貯蔵建屋2の外壁である。給気側側壁4と給気側側壁6は互いに平行に配置され、側壁8A,8Bは互いに平行に配置されて給気側側壁4,6のそれぞれに直交している。貯蔵建屋2は、内部に、側壁8A,8Bと並行に配置された隔壁10を設置している。屋根9は、給気側側壁4,6、側壁8A,8B及び隔壁10等によって支持され、貯蔵エリア3を覆っている。貯蔵エリア3は、側壁8Aと隔壁10の間に配置される。複数の放射性物質収納容器24が、貯蔵エリア3内で床23上に正方格子状に整列されて配置される。
【0014】
貯蔵建屋2は、給気側側壁4から給気側側壁6に向かって細長くなっている。給気口5は、給気側側壁4に形成され、給気側側壁4の両端の間で中央部に配置されて屋根9付近に位置している(図3参照)。水平方向において、給気側側壁4の各端(側壁8Aに結合される端及び隔壁35に結合される端)から給気口5のそれぞれの端面まで、給気側側壁4が連続して存在する。給気口7は、給気側側壁6に形成され、給気側側壁6の両端の間で中央部に配置されて屋根9付近に位置している。水平方向において、給気側側壁6の各端(側壁8Aに結合される端及び隔壁36に結合される端)から給気口7のそれぞれの端面まで、給気側側壁6が連続して存在する。給気口5,7よりも下方では、給気側側壁4,6は、それぞれの両端の間において連続して存在している。
【0015】
貯蔵エリア3を画定する仕切り壁11が、貯蔵エリア3と給気側側壁4の間に設置される。冷却空気供給用の複数の開口部13が仕切り壁11に形成される。仕切り壁11の、開口部13の相互間の部分は、支持壁12になって、貯蔵エリア3の床23に達している。貯蔵建屋2内で給気側側壁4と仕切り壁11との間に、放射線遮へい壁17が配置される。放射線遮へい壁17は、貯蔵建屋2の天井32から下方に向かって伸びており、両端が側壁8A及び隔壁35に取り付けられている。放射性物質収納容器24の搬送通路を兼ねる均圧室19が、仕切り壁11と放射線遮へい壁17の間に形成される。給気口5に連絡される冷却空気流路21が、放射線遮へい壁17と空気側側壁4の間に形成される。冷却空気流路21は、隔壁10の延長線上に位置する隔壁35から側壁8Aまでの範囲に広がっている。放射線遮へい壁17の下端と床23の間には、冷却空気流路21から均圧室19に冷却空気を供給する開口部33が形成されている。この開口部33も隔壁35から側壁8Aまでの範囲に広がっている。給気口5は給気側側壁4の外側に形成される外気取入流路28に連絡されている。
【0016】
貯蔵エリア3を画定する仕切り壁14が、貯蔵エリア3と給気側側壁6の間に設置される。冷却空気供給用の複数の開口部16が仕切り壁14に形成される。仕切り壁14の、開口部16の相互間の部分は、支持壁15になって、貯蔵エリア3の床23に達している。貯蔵建屋2内で給気側側壁6と仕切り壁14との間に、放射線遮へい壁18が配置される。放射線遮へい壁18は、貯蔵建屋2の天井32から下方に向かって伸びており、両端が側壁8A及び隔壁36に取り付けられている。放射性物質収納容器24の搬送通路を兼ねる均圧室20が、仕切り壁14と放射線遮へい壁18の間に形成される。給気口7に連絡される冷却空気供給流路22が、放射線遮へい壁18と空気側側壁6の間に形成される。冷却空気流路22は、隔壁10の延長線上に位置する隔壁36から側壁8Aまでの範囲に広がっている。放射線遮へい壁18の下端と床23の間には、冷却空気供給流路22から均圧室20に冷却空気を供給する開口部34が形成されている。この開口部34も隔壁36から側壁8Aまでの範囲に広がっている。給気口75は給気側側壁6の外側に形成される外気取入流路29に連絡されている。
【0017】
支持壁12,15は、給気側側壁と平行な方向において隣り合う放射性物質収納容器24の相互に形成される間隙に対向するように、配置される。隔壁10と側壁8Bの間に容器受入れエリア27が形成されている。上方に向かって伸びる排気筒25が屋根9に設置される。排気筒25は、給気側側壁4と給気側側壁6の間の中央部に配置されている。排気筒25内に形成される冷却空気排気流路26は、貯蔵エリア3に連絡され、排気筒25の排気口30にも連絡される。
【0018】
貯蔵プール内に貯蔵されている使用済燃料集合体は、原子力発電所内で放射性物質収納容器(例えば、金属キャスク)24内に収納される。使用済燃料集合体を収納して密封された放射性物質収納容器24は、搬送用のトラックにて、放射性物質貯蔵施設1の貯蔵建屋2内の容器受入れエリア27まで搬送される。放射性物質収納容器24は、容器受入れエリア27内でトラックから容器搬送装置(図示せず)に移される。放射性物質収納容器24は、容器搬送装置の移動によって、均圧室19(または均圧室20)を通って貯蔵エリア3まで搬送され、貯蔵エリア3内の所定の位置に貯蔵される。
【0019】
排気筒25の煙突効果によって、外気取入流路28から取り込まれた空気(外気)は、給気口5、冷却空気流路21、開口部33、均圧室19及び開口部13を経て貯蔵エリア3内に流入する。貯蔵エリア3内に置かれた放射性物質収納容器24は、流入された冷却空気によって冷却される。すなわち、放射性物質収納容器24内の使用済燃料集合体で発生する熱が、冷却空気によって除去される。放射性物質収納容器24を冷却した冷却空気は、温められて冷却空気排気流路26内を上昇し、排気口30より外部に排気される。外気取入流路29から取り込まれた空気(外気)は、給気口7、冷却空気流路22、開口部34、均圧室20及び開口部16を経て貯蔵エリア3内に流入し、放射性物質収納容器24を冷却する。この冷却空気も温められて冷却空気排気流路26内に流入する。なお、給気口5,7は、貯蔵エリア3内に貯蔵された放射性物質収納容器24の冷却に必要な冷却空気量が供給できる開口面積を有している。
【0020】
本実施例は、1つの給気口5が給気側側壁4の幅方向(側壁8Aから隔壁35に向う方向)の中央部で給気側側壁4に形成されているので、側壁8Aに結合される、給気側側壁4の一端から、給気口5の一端までの間、及び隔壁35に結合される、給気側側壁4の他端から、給気口5の他端までの間は、給気側側壁4が連続して存在する。このため、給気口5が形成された給気側側壁4の、側壁8Aに結合される端から、給気口5の一端までの給気側側壁4の長さ、及び給気側側壁4の、隔壁35に結合される端から、給気口5の一端までの給気側側壁4の長さを、それぞれ長くすることができる。このような構造は、地震時における給気側側壁4と平行な地震動に対して、給気側側壁4が受け持つことができる地震荷重を増大させることができる。すなわち、貯蔵建屋2の耐震性が向上する。給気側側壁6もその幅方向(側壁8Aから隔壁36に向う方向)の中央部に1つの給気口7を形成しているので、給気側側壁4の場合と同様に、上記の地震動に対して、給気側側壁6が受け持つことができる地震荷重を増大させることができる。貯蔵建屋2の耐震性はさらに向上する。(以上の効果に基づいて、「給気口を給気側側壁の中央部に配置し、給気側側壁の両端から給気口の両端までは給気側側壁が連続して存在する」ことを構成要件にしたクレームを作成しましたが、この構成は、貯蔵建屋の耐震性が向上しない例、逆に貯蔵建屋の耐震性が従来よりも低下する例も含まれてしまいます。例えば、横幅が10の給気側側壁に対して横幅が0.5である給気口を形成しても上記の構成要件に含まれます。しかしながら、この例では、給気側側壁4と平行な地震動に対して、給気側側壁が受け持つことができる地震荷重は従来よりも低下しないでしょうか。「中央部」の概念も人によって解釈が異なります。請求項1及び請求項2が審査官によって拒絶された場合を想定して、給気側側壁の幅に対する給気口の幅の割合を一点ではなく、範囲で規定し(例えば、『給気側側壁の幅に対して給気口の幅の割合がA%〜B%』または『給気側側壁の幅に対して給気側側壁の一端から給気口の一端までの長さがC%〜D%』)、この範囲を請求項1及び2の従属項に記載し、併せて実施例にも記載した方が良いと思います。条件によって代るでしょうが、実現の確度が高い範囲をお知らせ願います。)
貯蔵エリア3、すなわち、仕切り壁11と給気側側壁4との間に配置された放射線遮へい壁(例えば、コンクリート製または鉄製)17が、貯蔵エリア3から見たとき放射線遮へい壁17が給気口5の前面を覆っているので、貯蔵エリア3に貯蔵された放射性物質収納容器24内の使用済燃料集合体から放出されるγ線が、放射線遮へい壁17によって遮へいされる。放射線遮へい壁17の配置によって、開口部33、冷却空気流路21及び給気口5を含む、均圧室19と貯蔵建屋2の外部を連絡して冷却空気を導く通路が、折れ曲がって形成される。このため、上記のγ線がこの通路を通って外部に漏洩することも防止できる。γ線のそのような2つの遮へい機能は、放射線遮へい壁18の配置によっても達成できる。
【0021】
放射線遮へい壁17,18は、γ線の遮へい機能だけでなく、給気口5,7から流入した冷却空気を給気側側壁の幅方向において均圧室19,20内により均一に配分する機能も有する。この冷却空気の均一配分機能を、放射線遮へい壁17を例に挙げて説明する。給気口5から流入した冷却空気は、放射線遮へい壁17によって遮られ、放射線遮へい壁17に沿って冷却空気流路21内を下方に向かって流れる。冷却空気流路21を画定する放射線遮へい壁17が側壁8Aから隔壁35までの範囲に存在するので、冷却空気流路21内に流入した冷却空気は、冷却空気流路21内を下降する際に、給気口5の水平方向の幅よりも広がり、側壁8A及び隔壁35の近くまで分布するようになる。したがって、開口部33から均圧室19に供給される冷却空気は、給気口5の水平方向の幅の位置に集中せず、均圧室19の、側壁8Aから隔壁35までの幅の全域に広がっている。このように、放射線遮へい壁17は、その幅の方向において、冷却空気を均圧室19内へより均一に分配させることができる。
【0022】
本実施例は、開口部13を形成した仕切り壁11を設けているので均圧室19から貯蔵エリア3内への冷却空気の分配をさらに均一化することができ、開口部16を形成した仕切り壁14を設けているので均圧室20から貯蔵エリア3内への冷却空気の分配をさらに均一化することができる。均圧室から貯蔵エリア3に供給する冷却空気の配分をより均一化できる本実施例の効果を、仕切り壁11を例に挙げて詳細に説明する。複数の支持壁12を含む仕切り壁11が貯蔵エリア3と均圧室19の境界に配置されており、均圧室19から貯蔵エリア3にかけての圧力損失が増大する。これにより、開口部33から冷却空気が流入した均圧室19内の圧力を、上記幅方向において一様にすることができる。均圧室19から各開口部13を通して貯蔵エリア3に供給されるそれぞれの冷却空気の圧力が実質的に同じになり、貯蔵エリア3内で、側壁8Aから隔壁10までの幅の全域において冷却空気をさらに均一に分配することができる。したがって、貯蔵エリア3内の各放射性物質収納容器24は、上記幅の方向においてほぼ一様に冷却される。
【0023】
本実施例は、支持壁12が、前述したように、給気側側壁4と平行な方向において隣り合う放射性物質収納容器24の相互に形成される間隙に対向するように配置されているので、支持壁12の近辺に位置する放射性物質収納容器24の冷却効果も増大する。支持壁15近辺に位置する放射性物質収納容器24の冷却効果も増大する。
【0024】
仕切り壁11の一部である支持壁12の下端が貯蔵建屋2の床23に設置され、仕切り壁11の上端が屋根9を支えている。仕切り壁14の一部である支持壁15の下端が貯蔵建屋2の床23に設置され、仕切り壁14の上端が屋根9を支えている。仕切り壁11,14も屋根9及び排気筒25の荷重を支えることができる。したがって、側壁8Aと隔壁10の間隔及び給気側側壁4と給気側側壁6の間隔を拡げることができ、貯蔵エリア3を広くすることができる。その分、貯蔵エリア3に収納できる放射性物質収納容器24の戸数も増加できる。
【0025】
本実施例は、均圧室19,20を放射性物質収納容器24の搬送通路として使用しているため、貯蔵建屋2内に均圧室及び搬送通路を別々に設ける必要がない。したがって、貯蔵建屋2をコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性物質貯蔵施設の構成を示し、図2のI−I断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のA方向の矢視図である。
【符号の説明】
【0027】
1…放射性物質貯蔵施設、2…貯蔵建屋、3…貯蔵エリア、4,6…給気側側壁、5,7…給気口、11,14…仕切り壁、12,15…支持壁、13,16,33,34…開口部、17,18…放射線遮へい壁、19,20…均圧室、21,22…冷却空気供給流路、24…放射性物質収納容器、25…排気筒、26…冷却空気排気流路、27…容器受入エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質収納容器を貯蔵する貯蔵領域を内部に有する貯蔵建屋を備えた放射性物質貯蔵施設において、
前記貯蔵建屋は、対向する一対の第1側壁及び前記第1側壁と交差する方向に配置されて対向する第2側壁を有し、
前記貯蔵領域が前記一対の第1側壁及び前記一対の第2側壁によって取り囲まれており、
前記貯蔵領域に供給される外気を取り込む給気口が一対の前記第1側壁の少なくとも1つに形成され、前記給気口の少なくとも一部は前記給気口が形成された前記第1側壁の両端間で中央部に位置しており、
前記給気口が形成された前記第1側壁が、一方の前記第2側壁に結合される一端から、前記中央部に位置している前記給気口の一端までの間、及び他方の前記第2側壁に結合される他端から、前記中央部に位置している前記給気口の他端までの間で、連続して存在していることを特徴とする放射性物質貯蔵施設。
【請求項2】
放射性物質収納容器を貯蔵する貯蔵領域を内部に有する貯蔵建屋を備えた放射性物質貯蔵施設において、
前記貯蔵建屋は、対向する一対の第1側壁及び前記第1側壁と交差する方向に配置されて対向する第2側壁を有し、
前記貯蔵領域が前記一対の第1側壁及び前記一対の第2側壁によって取り囲まれており、
前記貯蔵領域に供給される外気を取り込む1つの給気口が一対の前記第1側壁の少なくとも1つに形成され、
前記給気口が形成された前記第1側壁が、一方の前記第2側壁に結合される一端から前記給気口の一端までの間、及び他方の前記第2側壁に結合される他端から前記給気口の他端までの間で、連続して存在していることを特徴とする放射性物質貯蔵施設。
【請求項3】
前記給気口が形成された前記第1側壁と前記貯蔵領域の間に仕切り壁を設置し、前記給気口から流入した外気を前記貯蔵領域に導く複数の第1開口部が前記仕切り壁に形成されており、前記仕切り壁と前記給気口が形成された前記第1側壁の間に前記複数の第1開口部及び前記給気口に連絡される均圧室が形成される請求項1または請求項2に記載の放射性物質貯蔵施設。
【請求項4】
前記仕切り壁が前記貯蔵建屋の屋根を支えている請求項3に記載の放射性物質貯蔵施設。
【請求項5】
前記均圧室は前記放射性物質収納容器を前記貯蔵領域に搬送する際に利用する搬送通路を兼ねている請求項3または請求項4に記載の放射性物質貯蔵施設。
【請求項6】
前記貯蔵建屋の天井から下方に向かって伸びる放射線遮へい壁が前記給気口が形成された前記第1側壁と前記仕切り壁との間に設置され、前記放射線遮へい壁の下端と前記貯蔵建屋の床との間に前記外気が通る第2開口部が形成され、前記給気口と前記第2開口部を連絡する外気供給通路が、前記給気口が形成された前記第1側壁と前記放射線遮へい壁の間に形成される請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の放射性物質貯蔵施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−267902(P2008−267902A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109250(P2007−109250)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)