放射線の1つ以上の特性を決定する方法および装置
本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法および装置に関し、方法および装置は、1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、センサは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる1つ以上の検知器ユニットを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、線量測定の分野に関する。より詳細には、線量、エネルギ・スペクトル、最大エネルギおよび/または他の特性を含む、1つ以上の放射線の特性を決定する方法および装置に関する。本方法および装置は、例えば、パーソナルまたは周囲線量計、放射設備のビーム中の線量の決定のための装置、航空機中の線量の決定のための装置、入射放射線のエネルギ・スペクトルを決定するための装置などの線量の決定のための装置において使用することができる。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
フィルム線量計、熱ルミネセンス線量計(TLD)、無線電送写真発光(RPL)線量計などの受動型線量計は、パーソナル線量測定において公知である。特に、フィルム線量計は、広く使用されている。受動型線量計は、測定を付与するための放射線への暴露後に、ある処理を必要とする。例えば、TLDは、現像段階、次に光学濃度の測定を必要とする。受動型線量計は、法則によって規定されるエネルギ範囲において十分な精度で線量を決定することができる。フィルム線量計の1つの利点は、コンパクトで軽量であるということである。それらは、また、測定値の精度の向上を可能にする入射する放射線の平均入射角を決定する可能性を提示する。入射する放射線のエネルギに関する情報は、放射線感光フィルム上に吸収器を配置することによって獲得される。平均エネルギの全体精度は限定され、精度は、20〜12KeVのエネルギ範囲において約30KeVである(P.Ambrosi、光子エネルギの測定および線量率、放射線防護線量測定(2004)、112巻、4号、483〜486頁[文献1]参照)。入射する放射線のエネルギが増加するにつれて、決定されたエネルギ増加に関する不確実性が増加する。
【0003】
受動型線量計とは対照的に、活性パーソナル線量計は、リアル・タイムで線量を決定することができ、したがって、それらは、ユーザに線量率の値に関する情報を提供する。活性パーソナル線量計は、半導体検出器、シンチレーション検出器、ガイガー・ミュラー計算器または電離箱を使用する。電離箱を備えた線量計は、衝突する放射線の下で放電する荷電コンデンサーからなる。放電量が表示される。活性パーソナル線量計で使用される半導体検出器は、シリコン、CdZnTeまたはHgGeからなる。入射する放射線のエネルギの情報は、活性パーソナル線量計によって提供されない。入射するスペクトルに関する情報を使用する線量計がある。線量計、例えば、サーモ・エレクトロン株式会社のEPDMk2線量計があり、それは、線量の精度を増加させるために、1つまたはいくつかのエネルギ・チャンネルを有する。EPDMk2は、軟ガンマ線(20〜60KeV)について1つのエネルギ・チャンネルと、硬ガンマ線(50KeV〜5MeV)についての1つのチャンネルと、を有する。文献[1]では、線量は、両方のチャンネルの組み合わせから計算されることが説明されている。文献[1]は、エネルギ情報を示す、販売されている活性パーソナル線量計はないことを記載する。市販の活性パーソナル線量計の入射放射線のエネルギに関するエネルギ範囲は、10KeV〜10MeVにある。以下の文献[2]の147頁では、線量の相対誤差は、10〜30%の範囲に及ぶ。いくつかの市販の活性パーソナル線量計のリストを、(T.Bolognese−Mislsztajnら、個々のモニタリング用活性パーソナル線量計および他の新しい開発、放射線防護線量測定(2004)、112巻、No.1、141〜168頁[文献2])で発見することができる。Hpを決定するための範囲は、以下[2]で、15nSv〜16Svにある。いくつかの公知の活性パーソナル線量計は、次のとおりである:サーモ・エレクトロンEPD1、サーモ・エレクトロンMk2、Dosiman、DositecL36、MGPD
MC2000。これらの線量計は、すべて、積分モードで動作し、つまり、それらは、放射期間に多数の衝突する粒子によって感光材料において解放された電荷を積分することにより、線量の値を導き出す。それらは、各衝突する粒子によって別々に生成された信号を分析せず、入射放射線のエネルギ・スペクトルに依存しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の検討
医療画像デバイスおよび装置は、半導体ピクセル検知器のアレイから形成されたX線検知器を有するWO02/063339から分かる。個々の各検知器は、関連する電気回路および計算器を有する。X線が検知器ピクセルに入射する場合、多数の電子/ホール対が半導体に形成される。電荷は、読出回路に移動される。アレイのピクセルに対応する読み出しを同時に読むことによって、X線ビームで物体を照射しながら、前記物体の画像を得る。しかし、線量測定のためのそのような検知器および計算器の回路の使用に関して情報は付与されていない。
【0005】
分光光子線量測定のプロセスが、本発明の優先日後に公表されたドイツ特許出願DE102005026757から分かる。そのプロセスは、多チャンネル・アナライザを必要とし、したがって、簡単な携帯機器で実行することができない。
【0006】
光子スペクトルの決定のための他のプロセスは、DE19730242から分かる。多チャンネル分析装置を使用する場合、多重チャンネル・アナライザの上記の欠点を経験する。複数のウィンドウ弁別器を使用する場合、同じ信号がこれらの弁別器によって処理される。したがって、入力信号のコピーを作成しなければならず、それは、生成された電子ノイズにより、低いエネルギ光子をもたらす。
【0007】
検知器のアレイおよび線量測定用計算器の回路を使用することが、WO2005/008286から分かる。しかし、この文献は、装置を較正する方法について記載していない。線量率と線量は長期の積分によって決定され、したがって、上記引用した積分線量計の欠点を有する。
【0008】
本発明の目的は、広いエネルギ範囲、特に、測定がリアル・タイムで行なわれる放射線診断範囲において、粒子束密度に関して、高精度、高感度および大きな測定範囲で、放射線の1つ以上の特性を決定するための方法および装置を提供することである。また、本発明の目的は、例えば、エネルギ・スペクトルまたはスペクトルで最も高いエネルギなどの入射放射線のエネルギ情報を決定するための方法および装置を提供することであり、それによって、非常に高い粒子束密度で測定を行うことができる。そのような装置は、医療放射線装置、例えば、X線管の品質保証において、または管電圧(kVp測定)のピーク値を決定するための装置において使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
第1の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。方法は、
・以下の(i)から(v)のステップを含む較正動作を行うことと、
(i)放射線のビームkを生成するステップであって、前記ビームが公知の線量Dkを生成するとともに、前記ビームが物理的に生成されるまたはモデルでシミュレートされるステップ
(ii)エネルギ付与範囲[Ei、E’i]に含まれた前記放射線ビームの計算Nkiを決定し、前記決定は、実測または前記モデルに基づいた計算によって得られるステップ
(iii)1セットの異なるエネルギ付与範囲[Ei、E’i]に関して、i=1からi=imaxまでステップ(ii)を繰り返すステップ
(iv)放射線の一連の異なるビームkに関して、ステップ(i)、(ii)および(iii)を繰り返すステップ
(v)すべてのkに関して、結合されたセットの式(1)を解くことによって、因数Liを決定するステップ;
【0010】
【数1】
【0011】
・測定される放射線にセンサを提示し、エネルギ付与範囲[Ei、E’i]で計算Niを測定することにより付与スペクトルを決定することと、
・式(2)によって線量を決定することとを含む。
【0012】
【数2】
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。方法は、
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】
式中、Mikは、ステップ(iii)で得られた標準化された計算である。
好ましい実施形態では、放射線の特性は、線量であり、この方法は、さらに、
・ユニット・フルエンスに起因する決定される線量を付与する所定の変換係数Ckを使用するステップであり、前記係数Ckは、空気中の線量に関してユニット・フルエンスあたりの空気カーマに関してICRU係数kk、または0.07mmの深さの線量に関してHp(0.07)係数、または各エネルギEkmonoに関して10mmの深さの線量に関してHp(10)係数であるステップ;
・式によってそれぞれの線量Dを決定するステップであり、Aは、前記センサの表面積であるステップ、を含む。
【0017】
【数5】
【0018】
本発明の第1と第2の態様による上記方法では、推定、最尤法または反復法によって、結合されたセットの式を解くステップが行なわれる。
【0019】
第3の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つの検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、1つ以上の決定されたエネルギ閾値の間で、または閾値を超えて、前記センサに衝突し、時間内に前記エネルギ閾値を修正するようになされた前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。この方法は、
・(a)前記検知器の1つ以上の閾値を選択された値に設定するステップと、
・(b)時間間隔の間に、前記閾値を超えるエネルギで、検知された信号の数を計算するステップと、
・(c)前記閾値を修正するステップと、
・(d)一連のエネルギが覆われ、スペクトルが得られるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとを含む。
【0020】
第4の態様によれば、本発明は、1つ以上の検知器ユニットを含む、放射線の1つ以上の特性を測定するための装置であって、
各検知器ユニットは、
・前記放射線の光子または荷電粒子に応じて電気パルスを生成するセンサであって、前記放射線が前記センサに衝突するセンサ;
・各々閾値を有し、前記電気パルスの値を前記閾値と比較し、前記閾値を越える前記電気パルスの値に応じて信号を生成するための手段を有する1つ以上の弁別器;
・前記信号の数を計算するための前記各弁別器に関連する計算器を含み、
前記装置は、計算器データからの前記放射線の前記特性を計算するようになされた計算ユニット(3)と、時間内に前記閾値を修正ようになされ、および/または各検知器ユニットのための制御ユニット(2)と、を含む。
【0021】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記パルスの高さを前記閾値と比較するための手段であってもよい。
【0022】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記電気パルスを積分するための手段と、積分値を前記閾値と比較するための手段と、を含んでいてもよい。
【0023】
放射線の前記特性は、前記放射線のエネルギ・スペクトルまたは最大放射線エネルギまたは線量を含んでいてもよい。
【0024】
吸収材料の層が、検知器ユニットの上方に設けられていてもよい。
吸収材料の複数の層が、1つ以上の検知器ユニットの上方に各々設けられ、各層は、異なる厚みを有しおよび/または異なる材料からなることが好ましい。
【0025】
本発明の他の特徴、詳細および利点が、以下に付与される限定しない詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
発明の詳細な発明
下記において、我々は、付与されたエネルギのスペクトルと、入射粒子のエネルギのスペクトルとを区別し、それぞれを、エネルギ付与スペクトルまたは簡単に付与スペクトル、およびエネルギ・スペクトルと名付ける。
【0027】
図1
本発明の装置は、少なくとも1つの検知器ユニットおよび他の部品を含む。以下に見られるように、複数のそのような検知器ユニットを使用すると、いくつかの利点がある。すべての検知器ユニットを調べるセンサを使用することが可能である。これは、実施形態の実施例における場合である。
【0028】
検知器ユニットは、下記(一部任意)部品を含む:
・吸収器(任意);
・センサ;
・回収配置(任意);
・変換器;
・アンプ(任意);
・弁別器および(任意)積分器;
・計算器。
【0029】
装置の部品は、以下を含む:
・計算ユニット2;
・伝送ユニット3(任意);
・記憶ユニット4(任意);
・制御ユニット5;
・電源ユニット6;
・ディスプレイ7(任意);
・筐体8;
伝送ユニット3、記憶ユニット4またはディスプレイ7の少なくとも1つは、必須である。
【0030】
図1は、本発明による装置を示す。検知器ユニットのアレイ1は、放射線を受けるために配置されている。入射の主な方向は、図面に垂直である。部品について以下に詳細に説明する。
【0031】
吸収器
吸収器9の使用は任意である。吸収器は、図1に示されておらず、アレイ1またはその一部の上方に位置する。電極のように、検知器ユニットの操作を確実にするのに必要な材料は、吸収器とみなさない。筐体も吸収器とみなさないものとする。吸収器は、センサ(放射線の入射の主な方向に見た)の前に位置することができる。異なる材料および厚みの使用が可能である。粒子の吸収は、それらのエネルギ、吸収材料および粒子の種類に依存する。このように、エネルギ・スペクトルは、材料、厚みおよび粒子の種類に依存して修
正される。異なる吸収器の後ろの検知器ユニットの信号を使用して、異なる粒子の種類の線量寄与を決定する、または入射スペクトルに関するエネルギ情報を得ることができる。吸収器を使用して、吸収器の下の斜線領域において検知器ユニットの信号を分析することによって入射の平均角度を決定することができる。この入射の平均角度を使用して、測定するスペクトルまたは決定する線量の修正を実行することができる。これをするために、吸収器の端の真下にいくつかの検知器ユニットを置くことが必要である。吸収器がさまざまな方向においてセンサまたは検知器ユニットを囲むように吸収器を置くことができる。
【0032】
センサ
センサ層10は、材料ボリューム(material volume)であり、入射光子や荷電粒子、例えば、電子、ポジトロン、アルファ粒子が、電子/ホール対または励起エネルギの形態でエネルギを付与する。センサ材料は、半導体(例えば、シリコン、GaAsまたはCd(Zn)Te)またはシンチレータとすることができる。半導体を使用するなら、入射粒子は、センサに電子/ホール対を生成し、それらは、印加電場によって分離される。この電場は、半導体上の電極に印加される電界によって生成される。シンチレータを使用するなら、原子の励起エネルギを、シンチレーション光に変換する。
【0033】
収集ユニット
シンチレーションセンサを使用するなら、光ガイドや波長シフタを使用して、シンチレーション光を集めて変換器に移動することが可能である。
【0034】
変換器
半導体センサを使用する場合、この変換器は、半導体センサ内に、または半導体センサ上に位置する電極である。変換器は、電極への印加電場でドリフトする電子またはホールを、電気パルスに変換する。このパルスの強度またはその期間の間に流れる電荷は、センサでのエネルギ付与に依存する。シンチレータセンサを使用する場合、シンチレーション光を電気パルスに変換することが必要である。これは、例えば、フォトダイオードやフォトアバランシェダイオード、または他のツールによって行って、光を電気パルスに変換することができる。
【0035】
アンプ
変換器の電気パルス信号は、電気回路によって増幅することができる。
【0036】
積分器と弁別器
変換器においてパルスの期間に流れる電荷が、粒子によって付与されるエネルギの良好な手段であるなら、アンプや変換器の信号は、電気回路で積分され、弁別器の少なくとも1つの調整可能な閾値と比較される。変換器におけるパルスの高さが、粒子によって付与されたエネルギのより良好な手段であるなら、アンプや変換器の信号は積分されず、パルス高さは、弁別器の少なくとも1つの調整可能な閾値と比較される。閾値を越えるなら、弁別器の出力でパルスが現われる。いくつかの閾値を使用するなら、様々な閾値を有する1つの粒子によってほとんど同時に生成された信号を比較するために、変換器、アンプまたは積分器の出力で信号コピーを生成する利点を有することができる。弁別器は、その後、登録された粒子の数を決定することができる状態で、計算器の増加または計算器の変換を可能とするように計算器に接続されている。下記では、我々は、各計算器が、各登録された事象について1ずつインクリメントされることを簡単にするために仮定する。したがって、各計算器は、弁別器の閾値を介して規定される、または弁別器の閾値より大きな間隔でエネルギ付与を有する事象の数を計算する。i番目の閾値のレベルEiは、センサにおける、あるエネルギ付与量に相当する。この閾値Eiのパルス高さやパルス積分への依存性は、公知の粒子エネルギを有する放射線の入射下でのシミュレーションや測定によって決定することができる。検知器ユニット当たり1つの閾値のみを使用するなら、検知器
ユニット当たり1つの計算器のみで動作することが可能である。この計算器は、E1より大きなセンサにおいてエネルギ付与ですべての事象を計算する。我々は、これらの事象の数をN1と分類する。検知器ユニットの弁別器において2つの閾値E1<E2を使用するなら、2つの計算器は、1つの計算器が、E1より大きなエネルギ付与ですべてのN1の事象を計算し、他の計算器が、E2より大きなエネルギ付与ですべてのN2の事象を計算するように、弁別器に接続することができる。間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与での事象の数は、そのとき、N1とN2の差:N1,2=N1−N2である。
【0037】
3つの閾値E1<E2<E3、および付与されたエネルギが、対応する閾値を超えている場合、計算する3つの計算器を、ある測定時間後、計算器が値N1、N2、N3を示すように使用するなら、間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与で事象の数N1,2は、N1−N2として計算される。間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与で事象N2,3の数は、N2−N3として、E3より大きなエネルギ付与での事象の数は、N3,4:=N3として計算される。検知器ユニット当たり3つより多い閾値を使用するなら、シーケンスの次の部品Ni,i+1が類似した方法で計算される。
【0038】
対応する閾値が超過するなら計算器がインクリメントされる操作原理は、弁別器の他の閾値が超過するかどうかという条件と無関係に、下記において超過方法と呼ばれる。1つの閾値のみを使用するなら、その方法も超過方法と呼ばれる。
【0039】
検知器ユニットが、閾値E1<E2で2つの弁別器を有するなら、ある測定時間後の値N1,2を示す計算器は、計算器の値N1,2を増加するために、エネルギ付与が、E1を超えなければならないがE2を超えてはいけないように弁別器に接続することができる。この場合、計算器の値N12は、間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与での事象の数である。計算器がインクリメントされる動作原理は、対応する閾値を超過し、あるより高い閾値を超過しないなら、下記においてウィンドウ方法と呼ばれる。
【0040】
超過方法およびウィンドウ方法を組み合わせる電気回路を実現することは可能である。すべての使用可能な電気回路の特性は、計算器の値Ni,i+1:=Ni−Ni+1の減法またはウィンドウ方法Ni,i+1において計算器の値を直接使用することによって、ある測定時間後、一定間隔[Ei;Ei+1]におけるエネルギ付与での事象の数を得ることが可能である。エネルギ間隔のオーバーラップが最小であるように、閾値やウィンドウを選択することが好ましい。1つの弁別器の閾値のみが利用可能なら、シリーズNi,i+1は、一定の閾値Eiとある時間を比較し、変更した閾値Ei+1との次の新しい測定によって導き出すことができる。我々は、簡単にするためにEi+1>Eiを仮定する。
【0041】
必要なシリーズNi,i+1を得るために、次のより高い閾値で得られた計算器の値から1つの閾値で得られた計算器の値を引かなければならない。シリーズNi,i+1が異なる閾値で次の測定によって得られる操作方法は、走査方法として下記に分類される。走査方法は、超過方法またはウィンドウ方法と組み合わせることができる。シリーズNi,i+1の決定は、多重チャンネル・アナライザを使用して可能な原理にある。そのような多重チャンネル・アナライザ電子機器を使用する不利点は、事象のエネルギ付与に属する間隔を決定するための時間が非常に長く、粒子束密度の最大値が強く限定されて、システムのダイナミック・レンジが低減されることをもたらす。
【0042】
計算ユニット
検知器ユニットの計算器は、計算ユニットに接続されており、集積回路として実現されることが好ましい。計算ユニットは、計算器から送られた計算器の値で算術演算の実行を可能にする。計算ユニットは、線量の値を計算する、または1つまたはいくつかの検知器
ユニットの計算器の値からエネルギ情報を得るための、以下に記載された手段の1つを使用する。使用される手段は、例えば、弁別器と計算器の操作原理および必要な精度に依存する。線量率の値または粒子束を決定するために、計算において測定時間に関する情報を含むことが必要である。したがって、全体システムは、時間信号を生成または計算する電気回路を含む。また、計算器が事象を登録することができた時間の一部を計算するシステムに回路を含むことが可能である。計算ユニットは、線量の値または線量率の値の計算の間に、いわゆる無駄時間の修正を実行することができる。システムは、検知器ユニットが事象を登録することができた線量率の値を計算する根拠として時間を使用することが好ましい。
【0043】
伝送ユニット
伝送ユニット3は、弁別器パルス、計算器の値または計算ユニットによって計算された値を、記憶ユニット4、ディスプレイ7、またはポスト処理、分析、保存、または表示用のシステムに属さない装置に送る電気回路である。これはケーブルで、または無線通信によって実行することができる。
【0044】
記憶ユニット
記憶ユニット4は、弁別器の信号、計算器の値、計算ユニットの計算値、または時間情報を、電気的、光学的または磁気的に記憶することができる。
【0045】
ディスプレイ
計算ユニットによって計算された値またはシステムの状態に関する情報は、ディスプレイ7に表示することができる。システムを使用する準備ができているなら、またはエラーが発生したなら、ユーザに通知してもよい。ディスプレイは、エネルギ情報またはユーザの情報に関する線量の値を示すことができる。ディスプレイ7の可能な実施形態の形式は、一般的に使用される液晶モニタまたはLCD表示装置である。
【0046】
制御ユニット
制御ユニットは、検知器ユニット、計算ユニット、伝送ユニット、記憶ユニット、ディスプレイ7および電源ユニット6にそれらの調節、制御または同期化のために電気信号を供給する電気回路であり、ひいては、時間測定用回路を含む。
【0047】
電源ユニット
電源ユニット6は、バッテリ、変流器、または外部電源へのケーブルとして実現することができる。電源6は、すべての回路および検知器ユニットが電気エネルギで供給されることを確実にする。
【0048】
筐体
筐体8は、装置の要素をすべて含む。その目的の1つは、周囲環境からの障害に対する装置の保護およびユーザの保護である。結局、筐体は、センサに粒子の通過を可能にするいくつかのウィンドウを有する。
【0049】
エネルギ・スペクトルまたは線量の値を決定する目標は、種々の組み合わせを使用して到達することができ、組み合わせは、例えば、吸収器の数および種類、検知器ユニットの数および種類、検知器ユニットでの識別および計算方法、センサ・ボリュームの種類および寸法、検知器ユニットのデータの分析のための使用される手段の種類によって特徴づけられる。本発明に記載されたすべての配置は、エネルギ・スペクトルの決定、結局、エネルギ・スペクトルで線量の値の計算を得ようとし、異なるまたは変化する弁別器の閾値でサンプリングすることによって付与スペクトルを第1ステップとして測定しなければならない。線量の値の決定も、エネルギ・スペクトルの先の決定なしで可能である。計算器の
値から線量の値を推測することは可能である。これらの手段を以下に記載する。
【0050】
入射放射線の最大粒子エネルギは、有意に0と異なる多数の事象Nj,j+1を登録した最も高いエネルギ間隔[Ej;Ej+1]で間隔限度の平均値として容易に導かれることができる。エネルギ付与および検出効率は、通常、粒子の入射角に依存する。因数または依存曲線の決定のために実行されるシミュレーションまたは測定は、以下に記載される分析手段で必要であり、異なる入射角で、またはその特性が装置で測定されるべき放射線の角度分布に類似する角度分布で実行されるべきである。下記では、検知器ユニットの配置のいくつかの実施形態の形式を記載する。エネルギ・スペクトルまたは線量の値の決定のための手段も詳細に記載する。まず、いくつかの計算検知器ユニットの配置を記載する。
【0051】
図2
我々は、検知器ユニットのアレイ1として、図2に示すように、Medipix2チップおよび700μmの厚みのシリコンのセンサ層を使用する。Medipix2チップおよびセンサ層の活性化領域は、約14mmの側面長さの正方形を有する。Medipix2チップは、256×256個の電子セルのアレイを含み、各セルは、弁別器および計算器の電子機器を含む。センサ層は、Medipix2チップの対応セルとのバンプ結合によって接触される256×256の電極を底側に備えている。2つのバンプ結合の距離は55μmである。導電層は、センサ層10の上側の全体領域を被覆し、上部電極を形成する。センサ層10にわたって電場を得るために、約50Vの電圧を、センサ層の上部電極と下部電極との間に印加する。電源ユニット6によってこの電圧を供給する。単一のMedipix2セルとその直上のセンサ層10のボリュームとの組み合わせは、バンプ結合によって接合され、検知器ユニットを形成する。センサ層10に放射線を向けるなら、単一の光子または前記放射線の単一の電子は、センサ層においてエネルギを付与してもよい。この単一の光子または電子の結果、多くの電子/ホール対が生成され、印加電場によって互いに分離される。電子およびホールの量は、衝突する光子または電子のエネルギに依存する。電子またはホールは、センサ層の底側において、電極に向けてドリフトする。電流は、Medipix2チップの電子セルの入力電極に流れている。電流パルスを積分し、調整可能な閾値Vthr,lowに比較する。積分電流パルスが、閾値を越える場合、電子検知器ユニットの計算器をインクリメントする。計算器は、2つの読み出しサイクル間で最大8000の事象を計算することができる。Medipix2チップの電子セルは、上閾値Vthr,highをさらに印加する可能性を有する。条件Vthr,low<Vthr,highを満足するなら、計算器は、対応する閾値Vthr,lowとVthr,highとの間でエネルギを付与する事象の数を計算する。これは、この場合、検知器ユニットがウィンドウ方法で操作されることを意味する。エネルギ精度は、約1KeVである。検知器ユニットは、Medipix2電子機器の256×256セル、バンプ結合ボール、バンプ結合ボールに接続された電極とセンサ層の上側との間のセンサ・ボリュームのうちの1つによって形成される。この実施形態の実施例では、計算検知器ユニットの配置は、256×256の検知器ユニットによって形成されている。
【0052】
図3
図3は、Medipix2センサの組み合わせの写真であり、全体配置が非常にコンパクトな設計を有することを示す。そのような組み合わせは、非常にコンパクトな線量計の設計を可能にする。
【0053】
いくつかの検知器ユニットを使用する方法および装置
各検知器ユニットは、少なくとも1つの弁別器および少なくとも1つの計算器を備えている。例えば、列と行のマトリックスのように、検知器ユニットを配置することが可能である。計算器は、連続的にまたは平行に読み取ることができる。計算器の値は、計算ユニ
ットで処理することができる。制御ユニットの回路は、計算器が、規定の一時的な方法で計算することが可能である、または計算が、明確に規定された時期に禁じられることを保証する。
【0054】
いくつかの検知器ユニットの使用の1つの利点は、単一の検知器ユニットの小さな活性化領域で、非常に高い粒子束密度を処理することができるということである。これは、粒子束密度に関する、したがって、線量の値に関する測定範囲の高い上限をもたらす。1つの検知器ユニットの個々の割合が入射粒子の全体の割合より小さいので、全体配置の所定の活性化領域でいくつかの検知器ユニットを用いて、検知器ユニットで生成されたパルスの一時的なオーバーラップによる計算の損失が減少する。測定用の粒子束を減少させることなく、例えば、医療設備の直接ビームにおいてエネルギ・スペクトルを測定する可能性は、複数の検知器ユニットを使用し、検知器ユニットの特性によって開かれて、それにより、弁別器閾値によって規定される間隔で、エネルギ付与で粒子を計算する。将来、ピクセルで構成された計算半導体検出器を医学的診断で画像検知器として使用する。将来、画像検知器で、印加線量の値を直接決定することが可能である。我々が発明した手段は、これらの画像検知器自体の信号で、線量計算に適用可能である。今日、これらの画像検知器のみが、数平方cmの活性化領域を達する。このように、線量推定精度および感度を改善するため、またはエネルギ情報の測定を促進するために、ピクセルで構成された検知器を有する専用装置を設計して、短いまたは中間尺度で、エネルギ情報または線量の値を決定することは妥当である。センサ材料は、また、関連のあるエネルギ範囲において高い検出効率を有するシンチレータであってもよい。検知器ユニットのセンサは、光学的に分離されるべきであり、上述の変換器として動作する光学的に敏感な半導体電子素子に結合されている。弁別器ロジックおよび計算ロジックは、集積回路として実現することができる。到達可能な精度、緊密さ、測定範囲および感度に関して、ピクセルで構成された計算半導体検出器を使用すると、いくつかの利点がある。エネルギ情報または線量の値を決定するための装置で使用することができる、既に利用可能なそのような1つの検知器があるので、必要な開発時間に関して利点がある。この検知器は、シリコン、GaAsまたはCd(Zn)Teのセンサ層と結合したMedipix2チップからなる。厚いセンサ層または原子核の高い有効電荷の半導体を使用するなら、光子の効率は低いエネルギ光子には非常に高い。小型により、そのような検知器は、容易にパーソナル線量計で使用することができる。ピクセルで構成された計算半導体検出器は、特に、小さな検知器ユニットサイズで電荷共有と呼ばれる効果を負う。小さな検知器ユニットサイズは、粒子束密度に関する測定用の高い上閾値の根拠である。電荷共有の効果では、センサ層内の入射粒子によって解放された電子/ホール分布は、時々、2つ以上の検知器ユニットによって登録される。この効果のための主な原因は、拡散による四方八方のドリフト分布の広がりである。
この広がりは、時々、2つ以上のピクセルの変換器において、閾値を超える信号をもたらす。したがって、1つの粒子は、時々、2つ以上の検知器ユニットで計算される。また、エネルギ付与は、時々、いくつかの検知器ユニットにわたって分布される。したがって、1つの検知器ユニットでのエネルギ付与の値は、付与されたエネルギの合計に反映しない。センサとしてのシンチレータ材料を使用する場合には、隣接する検知器ユニット間の光学クロストークが同様の問題を引き起こす。
【0055】
したがって、エネルギ情報または線量の値を決定するための方法は、精度を向上させるために、電荷共有や光学クロストークの影響を修正するべきである。我々は、それらの効果の影響を修正する方法を発明した。この方法の根本概念は、測定された付与スペクトルを、いくつかの単一エネルギ放射の入射によって引き起こされた付与スペクトルの線形結合と見なすことである。我々は、その離散形で測定された付与スペクトルをNi,i+1として分類する。Ni,i+1は、間隔[Ei;Ei+1](Ei<Ei+1)においてエネルギ付与で計算される事象の数である。
【0056】
エネルギEimonoの単一エネルギ放射線の付与スペクトルは、Mijとして分類する。Mijは、iにおけるシリーズである。エネルギ付与スペクトルMijは、単一エネルギ放射線下のシミュレーションまたは測定で使用される粒子の数による区分によって標準化される。インデックスiは、付与スペクトルにおける位置について記載する。インデックスjは、一次エネルギEjmonoのインデックスである。Mijは、エネルギEjmonoの入射粒子が付与間隔[Ei;Ei+1]において事象の計算をもたらす可能性である。エネルギ付与のimax間隔があるなら、測定されるまたはシミュレートされる異なる付与スペクトルの少なくとも同数があるべきであり、一方、各間隔に関して、その間隔にある少なくとも1つの一次エネルギEjがあることが好ましい。測定またはシミュレートされたjmax付与スペクトルがある。imax=jmaxなら、一次エネルギEimonoは、すべてのiに関して、(Ei+1+Ei)/2として選択することができる。Eimonoも、間隔[Ei;Ei+1]において、この間隔の検出効率で、入射放射線の予期されるエネルギ分布の加重平均値として選択することができる。その特性が装置で決定される放射線の測定された付与スペクトルNi,i+1、を下記のように記載することができる。
【0057】
【数6】
【0058】
【数7】
【0059】
【数8】
【0060】
線量率値を、測定時間の除算によって、また、装置によって決定することができる。したがって、十分な精度で線量の値を決定する課題は解決される。
【0061】
また、付与スペクトルを予め決定することなく、線量の値を直接決定することが可能である。この方法で、付与スペクトルNj,j+1の各瓶での計算の数に因数Ljを掛ける。所望のエネルギ・スペクトルの形式の推定を使用するシミュレーションまたは測定によって、測定に先立って、因数Ljを決定する。測定またはシミュレーションでのスペクト
ルの形式は、所望のエネルギ・スペクトルの形式に類似または等しい。線量は、以下の式によって決定される。
【0062】
【数9】
【0063】
【数10】
【0064】
【数11】
【0065】
線量の値またはエネルギ情報の決定の精度を増加させることが可能である。これをするために、エネルギ・スペクトルを、より大きな間隔で最初にサンプリングする。次いで、弁別器の閾値を計算し、次いで、エネルギ・スペクトルを、関連性のあるエネルギ領域にあるエネルギ間隔でより詳細な方法でサンプリングするように適用する。したがって、未知のスペクトルに関してより高い精度を得ることが可能である。
【0066】
センサと放射線源との間に吸収器を設置することのない配置を使用することが可能である。エネルギ測定範囲を拡大させる、粒子束密度に関する動力学的範囲を拡大させる、異なる種類の粒子からのエネルギ・スペクトルまたは線量寄与を決定する、または平均入射角を測定するために、配置のいくつかの場所に、センサと入射放射線との間に1つまたはいくつかの吸収器を設置することが可能である。下記では、我々は、吸収器で、および吸収器なしでの使用のために異なる弁別器の閾値調節方策を有するいくつかの方法および計算分析方法について別々に説明する。
【0067】
吸収器を使用しない方法および装置
実施形態の容易な形式では、各検知器ユニットは、調整可能な閾値を有する弁別器と、パルスが閾値を越えた場合にパルスを計算する計算器と、を有する。想像できる配置には、弁別器の閾値に関して2つの調節方策がある。まず、検知器ユニットは、すべて、弁別器の閾値と同じ高さで動作することができる。次に、1つのグループの検知器ユニットが同じ弁別器の閾値を有するが、異なるグループが異なる閾値を有する検知器ユニットのグループを形成することができる。
【0068】
配置におけるすべての検知器ユニットに関する一定の閾値
まず、閾値を適度に低い値に設定する。この値のための方向は、入射放射線のエネルギ・スペクトルから分かる。付与スペクトルを得るために、閾値を超える事象を、ある時間の間、すべての検知器ユニットで計算する。この時間以降、計算器をすべて読み取り、計算器の値のすべてを計算ユニットで合計する。したがって、N1を得る。次いで、弁別器の閾値をすべての検知器ユニットのために増加する。新しい測定時間の間、検知器ユニットは、すべて、新しい閾値を超える事象を計算する。計算器をすべて読み取り、計算器の
値を合計すると、N2が付与される。閾値は、入射放射線に依存して、最も高い適正値までΔEだけ次第に増加する。各ステップ後、計算器は、閾値を超える事象の数を決定し、次いで、読み取り、計算を合計する。ある弁別器の閾値Ei+1ですべての検知器ユニットの値の合計Ni+1を、前の、次に低い閾値Eiで合計Niから引くなら、間隔[Ei;Ei+1]でのエネルギ付与で事象の数を得る。走査方法を使用するこの方法で、入射粒子エネルギのスペクトルを再構成するまたは線量の値を決定する上記の手段を使用することができる。検知器ユニットが、エネルギ付与ウィンドウで事象を計算する能力を有するなら、同様の方法を適用することができる。この方法で、ウィンドウは、エネルギ・スペクトルで変えられ、例えば、間隔の幅で固定されるが、1つの閾値の変化のために記載されるように、より低い間隔端は変えられる。
【0069】
スペクトルの最大エネルギは、例えば、最大管電圧に対するX線の準備で一致し、測定された付与スペクトルから容易に抽出することができる。有意に0と異なる多数の計算Nl,l+1を示す最も高い間隔の間隔エッジEl、El+1の平均値によって最大エネルギを推定する。
【0070】
各グループにおいて一定の閾値であるがグループ間で異なる閾値を有する検知器ユニットの異なるグループの使用
この閾値の調節方策を使用して、検知器ユニットの各グループで一定の閾値を設定し、異なるグループで異なる閾値を設定する。閾値は、時間と共に変化しない。検知器ユニットの隣接部によってグループを形成することができる。そのようなグループの選択(位置、領域および閾値)は、検知器ユニットの種類、粒子の種類およびエネルギ、全体の配置の幾何学的構成および計算器の読み出された法則に依存する。図5は、弁別器が過剰方法で動作する検知器ユニットのアレイにおいて、8つのエネルギ付与閾値の配置の実施例を示す。図6は、弁別器がウィンドウ方法で動作する検知器ユニットのアレイにおいて、エネルギ付与閾値の配置の他の実施例を示す。エネルギ範囲は、隣接するように表されているが(つまり、範囲の上閾値は、次のエネルギ範囲の下閾値に等しい)、これは、必要な状態ではない。エネルギ範囲も等しい幅である必要がなく、測定の最適化のために選択されてもよい。
【0071】
この方策を使用して、すべての付与間隔で事象の数を同時に測定することが可能である。計算器からの読み出し後、グループで計算された事象を、すべての領域に関して別々に合計する。グループでは、閾値Eiを適用するなら、合計の結果は、Eiより大きなエネルギ付与で事象の数を付与して、過剰方法におけるNiである。閾値Ei+1でグループは、数Ni+1を付与する。Ei<E2<Ei+1で閾値E2で間隔がないと仮定される。間隔[Ei;Ei+1]でエネルギ付与で事象の数は、次のとおりである:Ni,i+1=Ni−Ni+1。付与スペクトルは、計算検知器ユニットの配置にわたる閾値のそのような分布によって、そのすべての瓶で同時に測定される。入射放射線のエネルギ・スペクトルを再構成することができ、線量の値を、上述した方法を使用して計算することができる。検知器ユニットが、間隔でエネルギ付与で事象を計算することができる弁別器ユニットを有するなら、同様の方法は適用可能である。一群の検知器によって形成されたグループでは、比エネルギ付与ウィンドウを選択し、異なる領域は、異なるウィンドウを有する。スペクトル中の最大エネルギは、例えば、最大の管電圧へのX線配置に一致し、測定された付与スペクトルから容易に抽出される可能性がある。最大エネルギは、有意に0と異なる多数の計算Nl,l+1を示す最も高い間隔エッジで、グループの間隔エッジEl,El+1の平均値によって推定される。
【0072】
グループは、同数の検知器ユニットからなる必要はない。グループの領域は、弁別器(超過方法またはウィンドウ方法)の実用的原則に適応されることが好ましい。最小統計誤差に関する最良の方法で、全体配置の領域を使用するために、異なるグループで検知器ユ
ニットの異なる数を使用することがより良好とすることができる。これは、検出効率が、入射粒子のエネルギに応じて通常変化し、最大の計算器の値が、計算器の2つの読み出し間で達せられないことを確実にすることを考慮する。エネルギへの検出効率の依存性およびエネルギの予期される分光分布を、グループの領域の選択の際に考慮するべきである。半導体検出器ユニットの配置を使用するなら、高閾値のグループは、低閾値のグループより多い検知器ユニットを含むことが好ましい。
【0073】
吸収器を使用する方法および装置
計算検知器ユニットの配置上の吸収器の設置を、個別の方法として、または上述した方法と組み合わせて使用することができ、吸収器を必要としない。空間または時間にわたる閾値やウィンドウの変化を使用して、上述の方法での吸収器の配置の組み合わせは、体系的精度を改善する可能性、測定範囲またはエネルギ・スペクトルの決定の拡大、または異なる種類の粒子に関する線量値の寄与を提示する。ある状況下で、吸収器を使用すると、全体配置の固定領域および測定時間に関する統計誤差の増加を引き起こす可能性がある。配置を薄板状に構築することができるので、吸収器の設置は、多数の検知器ユニットの配置において容易に可能である。スペクトルの低エネルギ部は、スペクトルのエネルギ部より強く減じられる。入射粒子は、吸収材料、吸収器厚み、粒子種類、エネルギおよび入射角に依存して、吸収器内で、あるエネルギ量を失う。放射線場は、吸収器によって特有のやり方で変更される。放射線に対する吸収器の影響は、パッケージROSI[4]のようなプログラムを使用して、測定またはシミュレートすることができる。十分な厚みを有する吸収材料のある選択によって、低範囲、例えば、アルファ、ベータ粒子で、例えば、粒子を吸収することが可能である。したがって、この吸収器の後ろの検知器ユニットは、これらの粒子に関する線量値の寄与を登録しない。このように、ある粒子種類の線量寄与を別々に決定することが可能である。混合された放射線場の線量の値は、すべての適切な粒子種類の線量寄与を合計することによって決定される。
【0074】
実施形態の1つの可能な形態では、異なる材料および厚みからなる吸収器のいくつかの薄板プレートは、各吸収器の後ろの検知器ユニットが、各グループで一定の弁別器の閾値で異なるグループを形成する多くの計算検知器ユニットの配置上に設置される。したがって、すべてのエネルギ瓶で吸収器の後ろの付与スペクトルを同時に測定することが可能である。また、多くの計算検知器ユニットの配置上の異なる材料および異なる厚みのいくつかの薄板吸収器プレートを設置し、同じ閾値で1つの吸収器の後ろのすべての検知器ユニットの弁別器を使用することが可能である。1つの吸収器、またはすべての吸収器の後ろの閾値を同時に変えると共に走査方法を使用することによって、各吸収器の後ろの付与スペクトルを決定することができる。
【0075】
吸収器の後ろのエネルギ・スペクトルを、各エネルギ付与の瓶で計算の数を使用して、上記の方法で再構成することができる。測定やシミュレーションを通じて公知のスペクトルへの吸収器の影響を決定することが可能なので、吸収器を通過できた放射線の知識で、入射スペクトルを計算することが可能である。シミュレートされたものまたは入射スペクトルについての知識下の測定されたスペクトルを、吸収器の後ろの測定された再構成スペクトルと比較することができ、それで、入射スペクトルを決定することができる。いくつかの異なる吸収器の使用は、そのような計算の質を改善する。さらに、配置上で吸収器を使用する線量の値の推定のための手段が可能である。各吸収器の後ろの検知器ユニットを、すべて、時間とともに変化しない1つの閾値で操作する。計算ユニットは、すべての吸収器の後ろのすべての検知器ユニットの計算器の値を別々に合計する。吸収器kについて、吸収器kの後ろのすべての検知器ユニットから登録された事象の数は、NkAbsorberである。すべてのkmax吸収器に関して、この数を決定する。この数は、吸収器を通る粒子束密度に比例し、したがって、入射スペクトルの固定形態および固定粒子種類および固定入射角に関して、入射放射線の暴露に比例する。全体配置に衝突する放射線の
線量値Dは、ある因数Kkを使用して推定することができる。これらの因数は、特性が測定されるべきスペクトルに類似するスペクトルの入射で、シミュレーションまたは測定によって測定前に決定される。それは、次のとおりである:
【0076】
【数12】
【0077】
フィルム線量計から線量の値を決定し、粒子種類、エネルギ・スペクトルおよび線量の値を決定するために、同様の形態で使用される方法を適用することも可能である。多くの計算検知器の配置にそれらの法則を乗り換えるために、吸収器の後ろの検知器ユニットで計算された事象の数を、吸収器の後ろのフィルムの黒化度と見なさなければならない。粒子種類、粒子、エネルギ吸収器(黒化度に維持する)から計算された事象の依存性は、分析に必要とされ、公知の放射線での放射下でシミュレーションまたは測定によって決定されなければならない。多くの計算検知器ユニットの配置を使用すると、黒化およびぼやけのそれらの飽和から発生するフィルム線量計の問題が回避される。また、配置上に吸収器を設置することによって、多くの計算検知器ユニットの配置を有する平均入射角を決定することが可能である。この角度を決定するために、吸収器の端の下の検知器ユニットでの事象を検査しなければならない。吸収器は、筒状体を優先的に有する。垂直の入射からの偏差による線量の値への修正は、検出効率や入射角へのエネルギ付与の公知の依存性で行うことができる。
【0078】
単一計算検知器ユニットを有する方法および装置
1つの検知器ユニットのみを配置で使用するなら、上で説明した吸収器を使用しない手段も適用可能である。付与スペクトルを決定するために、時間内に、変化する閾値やウィンドウで検知器ユニットを操作しなければならない(走査方法)、またはいくつかの異なる閾値またはウィンドウで同時に操作する、または多チャンネル・アナライザで操作する。上述するように、入射放射線のエネルギ・スペクトルや線量の値の決定のための手段を適用することができる。
【0079】
実施形態の実施例
実施形態の実施例として、我々は、Medipix2チップと700μmの厚みのシリコンのセンサ層との組み合わせを使用する。Medipix2チップとセンサ層との組み合わせの活性化領域は、約14mmの側面の長さを有する二次形式を有する。Medipix2チップは、弁別器および計算器の電子機器を備えた256×256の電子セルからなる。センサ層は、バンプ結合によってMedipix2チップに接触された側に、256×256の電極(変圧器)を有する。2つのバンプ結合の間の距離は、55μmである。対向側の電極は、連続電極として実現されている。電場を得るために、センサ層の電極に約250Vの電圧を供給する。電源ユニット6によってこの電圧を供給する。図2は、Medipix2チップの電子セルと変圧器の電極上方のセンサ・ボリュームとの組み合わせを1つの単一検知器ユニットと見なす場合、多くの計算検知器ユニットの配置である、ピクセルで構成された検知器の概略図を示す。図3は、Medipix2センサの組み合わせの写真であり、全体配置が、非常にコンパクトな設計を有することを示す。そのような組み合わせは、非常にコンパクトな線量計の設計を可能にする。
【0080】
光子または電子が、センサにおいてエネルギを付与する場合、多くの電子およびホールが生成され、印加されたドリフト電界によって互いに分離される。電子またはホールは、Medipix2チップにバンプ結合によって接触されるセンサ側において、電極の方に
ドリフトしている。電流は、Medipix2チップ・ピクセル電子機器の入力電極に流れ込む。パルスを積分し、調整可能な閾値Vthr,lowと比較される。パルスが閾値を越えるなら、検知器ユニット電子機器の計算器をインクリメントする。計算器は、2つの読み出しサイクル間で、最大8000の事象を計算することができる。Medipix2チップの電子セルは、上閾値Vthr,highをさらに印加する可能性を有する。条件Vthr,low<Vthr,highを満足するなら、計算器は、対応する閾値Vthr,lowとVthr,highとの間でエネルギを付与する事象を登録する。これは、この場合、検知器ユニットが、ウィンドウ方法で操作されることを意味する。エネルギ精度は、約1keVである。
【0081】
検知器ユニットは、Medipix2電子機器の256×256セル、バンプ結合ボール、およびバンプ結合ボールに接続された電極とセンサ層の上側との間のセンサ・ボリュームのうちの1つによって形成されている。この実施形態の実施例では、計算検知器ユニットの配置は、256×256の検知器ユニットによって形成されている。図1は、コンパクト装置において、入射放射線のエネルギ情報または線量の値の測定のための全体の配置の原理設定を示す。例えば、プラスチックからなる筐体8において、例えば、Medipix2チップとシリコンのセンサ層との組み合わせとして実現された計算検知器ユニット1のアレイ、計算ユニット2、伝送ユニット3、記憶ユニット4、制御ユニット5、電源ユニット6およびディスプレイ7が配置され、電気的に接続されている。ディスプレイ7は、例えば、LCDモニタまたはLCD表示装置として実現され、システムの状態、エネルギ情報または線量の値に関する情報を表示することができる。
【0082】
Medipix2チップの弁別器で閾値として電圧を付与される電圧と、対応するエネルギ付与との関係を、容易に、例えば、放射性源の較正によって決定することができる。下記において、しきい電圧は、二者択一で、エネルギ付与値と見なすことができる。例として、配置の検知器ユニットを8つのグループに分割し、それによって、1つのグループにおける検知器ユニットすべてを、同じ閾値の調節値で操作する。少数のグループを選択することが可能である。見本となるように、我々は、8つのグループのための調節手段について説明する。最初に、我々は、Medipix2チップの弁別器の閾値を調節するための方法について記載し、ここで、弁別器は、すべて、過剰方法で動作する。Medipix2チップは、チップの検知器ユニットにわたる任意の幾何分布において、下閾値に関して、最高で8の異なる閾値の調節を可能にする。検知器ユニットの8つのグループを選択する。各グループを、1〜8の1つの全数iによって明確に識別する。エネルギ情報または線量の値が決定されるエネルギ範囲[E1;E8]を規定しなければならない。このエネルギ範囲は、電子機器のノイズを超える最小の可能な閾値で始まることができる。この実施例において、4keVを、最小閾値として選択することができる。上閾値は、入射放射線のスペクトルにおいて、最も高いエネルギとすることができる。X線管からの放射線を検査する場合、この最大値は、管電圧に電子の電荷を掛けたものに相当する。
【0083】
最低閾値を規定する電圧Vthr,lowをE1に設定する。電圧VTHSをMedipix2のために設定することができ、(E8−E1)に設定する。グループiの各検知器ユニットに関して、2値化での全数iを使用して、下閾値の3つの閾値調節ビット(図4の「3ビット下閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=Ei+(i−1)・VTHS/7で作動する。iの同じ値を、グループのすべての検知器ユニットにおいて設定する。閾値E8を有するグループは、この実施例において、E8より大きなエネルギ付与を有する事象をすべて計算する。したがって、この実施例において、規定の端を有する7つのエネルギ付与間隔を得ることが可能である。図5は、Medipix2チップ上の下閾値の可能な分布を見本となるように示す。同数の検知器によってグループを形成する必要はない。それらは、長方形である必要はない。それは、高閾値を有するグループを、下閾値を有するグループより、より多くの検知器
ユニットのアレイによって形成するなら、例えば、低統計誤差などの利点をもたらす場合がある。付与間隔[Ei;Ei+1]の計算のシリーズとして付与スペクトルを得るために、1つのグループの検知器ユニットの計算を、すべて、各グループのために別々に合計する。これは、すべてのグループのためになされる。グループiでは、この合計の結果は、Niであり、グループi+1では、それは、Ni+1である。間隔[Ei;Ei+1]においてエネルギ付与を有する数事象は、そのとき、Ni,i+1=Ni−Ni+1である。これを7までのすべてのiに対してなすなら、我々は、シリーズNi,i+1としてエネルギ付与スペクトルを得る。N8は、E8を超えるエネルギ付与を有する事象の数である。
【0084】
以下に、我々は、Medipix2チップの弁別器の閾値の異なる調節方法を記載し、それによって、検知器ユニットを、すべてウィンドウ方法で操作する。Medipix2チップは、検知器ユニットの配置にわたる任意の幾何分布において8つの異なる下および上閾値の同時演算をサポートする。検知器ユニットの8つのグループを選択する。各グループは、1〜8で1つの全数iによって明確に識別される。エネルギ情報または線量の値が決定されるエネルギ範囲[E1;E9]を規定しなければならない。このエネルギ範囲は、電子機器のノイズを超える最小の可能な閾値で始まることができる。この実施例において、4keVを最小閾値として選択することができる。上閾値は、入射放射線のスペクトルで最も高いエネルギとすることができる。X線管からの放射線を検査する場合、この最大値は、管電圧に電子の電荷を掛けたものに相当する。
【0085】
最低閾値を規定する電圧Vthr,lowをE1に設定する。電圧VTHSは、Medipix2のために設定することができ、(E8−E1)に設定される。グループiの各検知器ユニットのために、2値化での全数iを使用して、下閾値の3つの閾値調節ビットの値(図4の「3ビットの下閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=E1+(i−1)−VTHS/7で作動する。iの同じ値を、グループのすべての検知器ユニットにおいて設定する。さらに、閾値Vthr,highは、最低閾値を規定し、Vthr,low+VTHS/7に設定される。グループiの各検知器ユニットのために、2値化での全数iを使用して、上閾値の3つの閾値調節ビットの値(図4の「3ビット高閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=E1+(i−1)−VTHS/7および上閾値Ei+1=E1+i・VTHS/7でウィンドウ方法で作動する。したがって、我々は、検知器ユニットの配置にわたって規定された8つのエネルギ間隔を有する。測定間隔[E1;E9]は、互いに接続された8つのオーバーラップしない間隔に分割される。付与スペクトルを得るために、各グループのすべての計算器に登録された事象の数を、すべてのグループに関して独立して合計する。グループiでは、我々は、間隔[Ei;Ei+1]のエネルギ付与を有する事象の数として、Ni,i+1を得る。したがって、我々は、iにおいてシリーズNi,i+1としてエネルギ付与スペクトルを得る。図6は、数i、下および上閾値によって説明されるグループの可能な選択を見本となるように示す。同数の検知器によってグループを形成する必要はない。それらは、長方形である必要がない。それは、高閾値を有するグループが、下閾値を有するグループより、より多くの検知器ユニットのアレイによって形成されるなら、例えば、低統計誤差の利点をもたらす可能性がある。さらに、この実施形態の実施例で走査方法を使用することも可能である。この方法では、閾値をすべての検知器ユニットのために等しく設定し、着実に増加する。計算器を、2ステップ間で読み取る。読み取られる計算器の値のすべてを、すべてのリードサイクルのために別々に合計する。図8は、配置をタングステン管からのX線で照射する場合に、合計される計算器の値とこの読み取りサイクルに関する閾値との間の依存性を、見本となるように示す。1つの閾値に関して合計された計算器の値と次の高閾値に関して合計された計算器の値との差を計算する場合は、付与スペクトルを得る。図9は、図8から計算された付与スペクトルを示す。
【0086】
【数13】
【0087】
線量率に関する測定範囲の上閾値は、2つの読み出しサイクル間で計算器に蓄積することができる最大計算器の値によって限定される。現在、Medipix2チップの計算器を、30Hzの周波数で読み出すことができる。より高い読み出し周波数を実現することが可能である。事象を記録することができない無駄時間は、300μsである。したがって、999.7msで1秒の計算が可能である。したがって、無駄時間を次の計算で無視
する。計算器は、計算時間の間、最大8000の事象で登録することができる。したがって、256×256の検知器ユニットを含む全体の配置は、7.85*109/sまでの光子を計算することができ、それによって、我々は、光子当たりの計算の平均の数が、電荷共有により2であると保守的に考える。したがって、配置は、1時間で、2.83*1013までの光子を計算することができる。1nSvのパーソナル等価線量Hp(10)を測定することになっていれば、この実施例において、3101の光子がセンサの領域上に衝突する。2822の光子を、配置の検知器ユニットによって登録する。したがって、我々は、多かれ少なかれ、Hp(10)=10Sv/hの最大線量率を計算する。配置における1つの検知器ユニットの計算割合は、約240kHzとなり、それは、パルスの処理において問題に結びつかない。[2]の活性線量計のためにリストされた線量率値に関する値を測定する最も上限は、わずか1Sv/hである。これは、この実施形態の実施例における配置の測定範囲が、市販の線量計の測定範囲より非常に高いことを示す。
【0088】
パーソナル線量計でのように積分線量の値の測定に使用される計算検知器ユニットの配置の測定範囲を、以下に推定する。積分線量値の測定範囲の上閾値は、計算器および計算ユニットで処理することができる計算の最大数によって限定される。その上に付与された最大線量率の値に関しての推定から、数百のシーベルトの最大積分線量の値の測定は、技術的に問題ではないことがはっきり分かる。測定範囲の下閾値を以下に推定する。15keVの光子エネルギで、1nSvのパーソナル等価線量Hp(10)(ブラケットでは、我々は、Hp(0.07)に関して対応する値に留意する)を付与する放射場では、約3101(632)の光子が、Medipix2センサ配置上に衝突する。これらの光子のうち、多かれ少なかれ、2822(576)の光子を登録し、計算する。したがって、この実施例におけるパーソナル等価線量の値の決定用の相対的統計誤差は、多かれ少なかれ、1,9(4,2)パーセントである。100keVの光子エネルギで、パーソナル等価線量の値Hp(10)(Hp(0.07))の決定用の統計精度は、9,0(8,7)パーセントであると推測することができる。[2]にリストされた活性線量計の最大測定範囲は、Hp(10)の測定で15nSv〜16Sv(EPDMk2で実現された)だけである。したがって、発明形態の線量計が市販の線量計より大きな測定範囲を有することが証明され、それによって、測定範囲を拡大することは、配置の活性化領域を拡大することで容易に可能である。これは、Medipix2チップおよびセンサ層の配置を1つのパーソナル線量計においていくつか使用することにより行うことができる。
【0089】
図12は、配置上方に置かれた吸収器1〜6を有する計算検知器ユニットの配置上への図を見本となるように示す。これは、計算検知器ユニットの配置として、Medipix2センサの組み合わせの我々の実施例で実現するのは容易である。主な入射方向は、図面に垂直である。例えば、次の材料を使用することができる:
・No.1:プラスチック、例えばPMMA、1mmの厚み
・No.2:銅;0.05mmの厚み
・No.3:銅;0.5mmの厚み
・No.4:銅;1.2mmの厚み
・No.5:鉛;0.7mmの厚み
・No.6:銅;2mmの厚み
平均の入射角を決定するために吸収器6を使用することができる。
【0090】
本発明の方法および装置を使用することによって、線量、線量率、線量および粒子束密度に関してより良好な感度でリアル・タイムでのエネルギ・スペクトル、より大きなダイナミック・レンジ、より高い線形性、および入射放射線のエネルギ・スペクトルの決定により測定された線量の値の精度を増加させる可能性を測定することができる。入射エネルギ・スペクトルを決定することは、特に、散乱放射線で、線量の値の精度が有意に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の装置の概略ブロック図である。
【図2】図2は、図1の装置で使用される検知器ユニットのアレイおよびセンサ層の斜視図である。
【図3】図3は、本発明で使用され、図1のブロック図によって構築され、検知器ユニットのアレイおよび図2のセンサを使用する検知器の写真である。
【図4】図4は、本発明で使用することができる検知器ユニットのブロック図である。
【図5】図5は、検知器ユニットのアレイにおける8つのエネルギ付与閾値の配置の例である。
【図6】図6は、検知器ユニットのアレイにおけるエネルギ付与閾値の配置の他の例である。
【図7】図7は、40keVエネルギの光子の照射下における、Medipix2チップの検知器配置および700μmの厚みのシリコン・センサ層の応答関数である。
【図8】図8は、タングステン陽極を40kVの電圧で、X線管からの光子の照射下における、Medipix2チップ・センサ装置での走査方法で測定された一連のエネルギ付与閾値を超える計算の数を示す。
【図9】図9は、タングステン陽極を40kVの電圧で、X線管からの光子の照射下における、走査方法での測定に由来する付与スペクトルを示す。
【図10】図10は、タングステン陽極を80kVの電圧で、管からの入射X線スペクトルでのシミュレーションからの入射および再構成エネルギ・スペクトルを示す。
【図11】図11は、タングステン陽極を様々な管電圧でX線源での照射下における、実施形態の実施例で測定されたすべての検知器ユニットと参照基準としての線量計との計算の合計数の較正を示す。
【図12】図12は、計算検知器ユニットの配置の上方の異なる吸収器の位置を示す。
【図13】図13は、40kVの管電圧のタングステン管からのX線での照射下における、Medipix2チップ・センサの組み合わせのすべての検知器ユニットの計算の合計数に依存して、参照基準として使用される線量計の測定値を示す。
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、線量測定の分野に関する。より詳細には、線量、エネルギ・スペクトル、最大エネルギおよび/または他の特性を含む、1つ以上の放射線の特性を決定する方法および装置に関する。本方法および装置は、例えば、パーソナルまたは周囲線量計、放射設備のビーム中の線量の決定のための装置、航空機中の線量の決定のための装置、入射放射線のエネルギ・スペクトルを決定するための装置などの線量の決定のための装置において使用することができる。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
フィルム線量計、熱ルミネセンス線量計(TLD)、無線電送写真発光(RPL)線量計などの受動型線量計は、パーソナル線量測定において公知である。特に、フィルム線量計は、広く使用されている。受動型線量計は、測定を付与するための放射線への暴露後に、ある処理を必要とする。例えば、TLDは、現像段階、次に光学濃度の測定を必要とする。受動型線量計は、法則によって規定されるエネルギ範囲において十分な精度で線量を決定することができる。フィルム線量計の1つの利点は、コンパクトで軽量であるということである。それらは、また、測定値の精度の向上を可能にする入射する放射線の平均入射角を決定する可能性を提示する。入射する放射線のエネルギに関する情報は、放射線感光フィルム上に吸収器を配置することによって獲得される。平均エネルギの全体精度は限定され、精度は、20〜12KeVのエネルギ範囲において約30KeVである(P.Ambrosi、光子エネルギの測定および線量率、放射線防護線量測定(2004)、112巻、4号、483〜486頁[文献1]参照)。入射する放射線のエネルギが増加するにつれて、決定されたエネルギ増加に関する不確実性が増加する。
【0003】
受動型線量計とは対照的に、活性パーソナル線量計は、リアル・タイムで線量を決定することができ、したがって、それらは、ユーザに線量率の値に関する情報を提供する。活性パーソナル線量計は、半導体検出器、シンチレーション検出器、ガイガー・ミュラー計算器または電離箱を使用する。電離箱を備えた線量計は、衝突する放射線の下で放電する荷電コンデンサーからなる。放電量が表示される。活性パーソナル線量計で使用される半導体検出器は、シリコン、CdZnTeまたはHgGeからなる。入射する放射線のエネルギの情報は、活性パーソナル線量計によって提供されない。入射するスペクトルに関する情報を使用する線量計がある。線量計、例えば、サーモ・エレクトロン株式会社のEPDMk2線量計があり、それは、線量の精度を増加させるために、1つまたはいくつかのエネルギ・チャンネルを有する。EPDMk2は、軟ガンマ線(20〜60KeV)について1つのエネルギ・チャンネルと、硬ガンマ線(50KeV〜5MeV)についての1つのチャンネルと、を有する。文献[1]では、線量は、両方のチャンネルの組み合わせから計算されることが説明されている。文献[1]は、エネルギ情報を示す、販売されている活性パーソナル線量計はないことを記載する。市販の活性パーソナル線量計の入射放射線のエネルギに関するエネルギ範囲は、10KeV〜10MeVにある。以下の文献[2]の147頁では、線量の相対誤差は、10〜30%の範囲に及ぶ。いくつかの市販の活性パーソナル線量計のリストを、(T.Bolognese−Mislsztajnら、個々のモニタリング用活性パーソナル線量計および他の新しい開発、放射線防護線量測定(2004)、112巻、No.1、141〜168頁[文献2])で発見することができる。Hpを決定するための範囲は、以下[2]で、15nSv〜16Svにある。いくつかの公知の活性パーソナル線量計は、次のとおりである:サーモ・エレクトロンEPD1、サーモ・エレクトロンMk2、Dosiman、DositecL36、MGPD
MC2000。これらの線量計は、すべて、積分モードで動作し、つまり、それらは、放射期間に多数の衝突する粒子によって感光材料において解放された電荷を積分することにより、線量の値を導き出す。それらは、各衝突する粒子によって別々に生成された信号を分析せず、入射放射線のエネルギ・スペクトルに依存しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の検討
医療画像デバイスおよび装置は、半導体ピクセル検知器のアレイから形成されたX線検知器を有するWO02/063339から分かる。個々の各検知器は、関連する電気回路および計算器を有する。X線が検知器ピクセルに入射する場合、多数の電子/ホール対が半導体に形成される。電荷は、読出回路に移動される。アレイのピクセルに対応する読み出しを同時に読むことによって、X線ビームで物体を照射しながら、前記物体の画像を得る。しかし、線量測定のためのそのような検知器および計算器の回路の使用に関して情報は付与されていない。
【0005】
分光光子線量測定のプロセスが、本発明の優先日後に公表されたドイツ特許出願DE102005026757から分かる。そのプロセスは、多チャンネル・アナライザを必要とし、したがって、簡単な携帯機器で実行することができない。
【0006】
光子スペクトルの決定のための他のプロセスは、DE19730242から分かる。多チャンネル分析装置を使用する場合、多重チャンネル・アナライザの上記の欠点を経験する。複数のウィンドウ弁別器を使用する場合、同じ信号がこれらの弁別器によって処理される。したがって、入力信号のコピーを作成しなければならず、それは、生成された電子ノイズにより、低いエネルギ光子をもたらす。
【0007】
検知器のアレイおよび線量測定用計算器の回路を使用することが、WO2005/008286から分かる。しかし、この文献は、装置を較正する方法について記載していない。線量率と線量は長期の積分によって決定され、したがって、上記引用した積分線量計の欠点を有する。
【0008】
本発明の目的は、広いエネルギ範囲、特に、測定がリアル・タイムで行なわれる放射線診断範囲において、粒子束密度に関して、高精度、高感度および大きな測定範囲で、放射線の1つ以上の特性を決定するための方法および装置を提供することである。また、本発明の目的は、例えば、エネルギ・スペクトルまたはスペクトルで最も高いエネルギなどの入射放射線のエネルギ情報を決定するための方法および装置を提供することであり、それによって、非常に高い粒子束密度で測定を行うことができる。そのような装置は、医療放射線装置、例えば、X線管の品質保証において、または管電圧(kVp測定)のピーク値を決定するための装置において使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
第1の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。方法は、
・以下の(i)から(v)のステップを含む較正動作を行うことと、
(i)放射線のビームkを生成するステップであって、前記ビームが公知の線量Dkを生成するとともに、前記ビームが物理的に生成されるまたはモデルでシミュレートされるステップ
(ii)エネルギ付与範囲[Ei、E’i]に含まれた前記放射線ビームの計算Nkiを決定し、前記決定は、実測または前記モデルに基づいた計算によって得られるステップ
(iii)1セットの異なるエネルギ付与範囲[Ei、E’i]に関して、i=1からi=imaxまでステップ(ii)を繰り返すステップ
(iv)放射線の一連の異なるビームkに関して、ステップ(i)、(ii)および(iii)を繰り返すステップ
(v)すべてのkに関して、結合されたセットの式(1)を解くことによって、因数Liを決定するステップ;
【0010】
【数1】
【0011】
・測定される放射線にセンサを提示し、エネルギ付与範囲[Ei、E’i]で計算Niを測定することにより付与スペクトルを決定することと、
・式(2)によって線量を決定することとを含む。
【0012】
【数2】
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。方法は、
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】
式中、Mikは、ステップ(iii)で得られた標準化された計算である。
好ましい実施形態では、放射線の特性は、線量であり、この方法は、さらに、
・ユニット・フルエンスに起因する決定される線量を付与する所定の変換係数Ckを使用するステップであり、前記係数Ckは、空気中の線量に関してユニット・フルエンスあたりの空気カーマに関してICRU係数kk、または0.07mmの深さの線量に関してHp(0.07)係数、または各エネルギEkmonoに関して10mmの深さの線量に関してHp(10)係数であるステップ;
・式によってそれぞれの線量Dを決定するステップであり、Aは、前記センサの表面積であるステップ、を含む。
【0017】
【数5】
【0018】
本発明の第1と第2の態様による上記方法では、推定、最尤法または反復法によって、結合されたセットの式を解くステップが行なわれる。
【0019】
第3の態様によれば、本発明は、放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、1つの検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、1つ以上の決定されたエネルギ閾値の間で、または閾値を超えて、前記センサに衝突し、時間内に前記エネルギ閾値を修正するようになされた前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができる方法に関する。この方法は、
・(a)前記検知器の1つ以上の閾値を選択された値に設定するステップと、
・(b)時間間隔の間に、前記閾値を超えるエネルギで、検知された信号の数を計算するステップと、
・(c)前記閾値を修正するステップと、
・(d)一連のエネルギが覆われ、スペクトルが得られるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとを含む。
【0020】
第4の態様によれば、本発明は、1つ以上の検知器ユニットを含む、放射線の1つ以上の特性を測定するための装置であって、
各検知器ユニットは、
・前記放射線の光子または荷電粒子に応じて電気パルスを生成するセンサであって、前記放射線が前記センサに衝突するセンサ;
・各々閾値を有し、前記電気パルスの値を前記閾値と比較し、前記閾値を越える前記電気パルスの値に応じて信号を生成するための手段を有する1つ以上の弁別器;
・前記信号の数を計算するための前記各弁別器に関連する計算器を含み、
前記装置は、計算器データからの前記放射線の前記特性を計算するようになされた計算ユニット(3)と、時間内に前記閾値を修正ようになされ、および/または各検知器ユニットのための制御ユニット(2)と、を含む。
【0021】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記パルスの高さを前記閾値と比較するための手段であってもよい。
【0022】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記電気パルスを積分するための手段と、積分値を前記閾値と比較するための手段と、を含んでいてもよい。
【0023】
放射線の前記特性は、前記放射線のエネルギ・スペクトルまたは最大放射線エネルギまたは線量を含んでいてもよい。
【0024】
吸収材料の層が、検知器ユニットの上方に設けられていてもよい。
吸収材料の複数の層が、1つ以上の検知器ユニットの上方に各々設けられ、各層は、異なる厚みを有しおよび/または異なる材料からなることが好ましい。
【0025】
本発明の他の特徴、詳細および利点が、以下に付与される限定しない詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
発明の詳細な発明
下記において、我々は、付与されたエネルギのスペクトルと、入射粒子のエネルギのスペクトルとを区別し、それぞれを、エネルギ付与スペクトルまたは簡単に付与スペクトル、およびエネルギ・スペクトルと名付ける。
【0027】
図1
本発明の装置は、少なくとも1つの検知器ユニットおよび他の部品を含む。以下に見られるように、複数のそのような検知器ユニットを使用すると、いくつかの利点がある。すべての検知器ユニットを調べるセンサを使用することが可能である。これは、実施形態の実施例における場合である。
【0028】
検知器ユニットは、下記(一部任意)部品を含む:
・吸収器(任意);
・センサ;
・回収配置(任意);
・変換器;
・アンプ(任意);
・弁別器および(任意)積分器;
・計算器。
【0029】
装置の部品は、以下を含む:
・計算ユニット2;
・伝送ユニット3(任意);
・記憶ユニット4(任意);
・制御ユニット5;
・電源ユニット6;
・ディスプレイ7(任意);
・筐体8;
伝送ユニット3、記憶ユニット4またはディスプレイ7の少なくとも1つは、必須である。
【0030】
図1は、本発明による装置を示す。検知器ユニットのアレイ1は、放射線を受けるために配置されている。入射の主な方向は、図面に垂直である。部品について以下に詳細に説明する。
【0031】
吸収器
吸収器9の使用は任意である。吸収器は、図1に示されておらず、アレイ1またはその一部の上方に位置する。電極のように、検知器ユニットの操作を確実にするのに必要な材料は、吸収器とみなさない。筐体も吸収器とみなさないものとする。吸収器は、センサ(放射線の入射の主な方向に見た)の前に位置することができる。異なる材料および厚みの使用が可能である。粒子の吸収は、それらのエネルギ、吸収材料および粒子の種類に依存する。このように、エネルギ・スペクトルは、材料、厚みおよび粒子の種類に依存して修
正される。異なる吸収器の後ろの検知器ユニットの信号を使用して、異なる粒子の種類の線量寄与を決定する、または入射スペクトルに関するエネルギ情報を得ることができる。吸収器を使用して、吸収器の下の斜線領域において検知器ユニットの信号を分析することによって入射の平均角度を決定することができる。この入射の平均角度を使用して、測定するスペクトルまたは決定する線量の修正を実行することができる。これをするために、吸収器の端の真下にいくつかの検知器ユニットを置くことが必要である。吸収器がさまざまな方向においてセンサまたは検知器ユニットを囲むように吸収器を置くことができる。
【0032】
センサ
センサ層10は、材料ボリューム(material volume)であり、入射光子や荷電粒子、例えば、電子、ポジトロン、アルファ粒子が、電子/ホール対または励起エネルギの形態でエネルギを付与する。センサ材料は、半導体(例えば、シリコン、GaAsまたはCd(Zn)Te)またはシンチレータとすることができる。半導体を使用するなら、入射粒子は、センサに電子/ホール対を生成し、それらは、印加電場によって分離される。この電場は、半導体上の電極に印加される電界によって生成される。シンチレータを使用するなら、原子の励起エネルギを、シンチレーション光に変換する。
【0033】
収集ユニット
シンチレーションセンサを使用するなら、光ガイドや波長シフタを使用して、シンチレーション光を集めて変換器に移動することが可能である。
【0034】
変換器
半導体センサを使用する場合、この変換器は、半導体センサ内に、または半導体センサ上に位置する電極である。変換器は、電極への印加電場でドリフトする電子またはホールを、電気パルスに変換する。このパルスの強度またはその期間の間に流れる電荷は、センサでのエネルギ付与に依存する。シンチレータセンサを使用する場合、シンチレーション光を電気パルスに変換することが必要である。これは、例えば、フォトダイオードやフォトアバランシェダイオード、または他のツールによって行って、光を電気パルスに変換することができる。
【0035】
アンプ
変換器の電気パルス信号は、電気回路によって増幅することができる。
【0036】
積分器と弁別器
変換器においてパルスの期間に流れる電荷が、粒子によって付与されるエネルギの良好な手段であるなら、アンプや変換器の信号は、電気回路で積分され、弁別器の少なくとも1つの調整可能な閾値と比較される。変換器におけるパルスの高さが、粒子によって付与されたエネルギのより良好な手段であるなら、アンプや変換器の信号は積分されず、パルス高さは、弁別器の少なくとも1つの調整可能な閾値と比較される。閾値を越えるなら、弁別器の出力でパルスが現われる。いくつかの閾値を使用するなら、様々な閾値を有する1つの粒子によってほとんど同時に生成された信号を比較するために、変換器、アンプまたは積分器の出力で信号コピーを生成する利点を有することができる。弁別器は、その後、登録された粒子の数を決定することができる状態で、計算器の増加または計算器の変換を可能とするように計算器に接続されている。下記では、我々は、各計算器が、各登録された事象について1ずつインクリメントされることを簡単にするために仮定する。したがって、各計算器は、弁別器の閾値を介して規定される、または弁別器の閾値より大きな間隔でエネルギ付与を有する事象の数を計算する。i番目の閾値のレベルEiは、センサにおける、あるエネルギ付与量に相当する。この閾値Eiのパルス高さやパルス積分への依存性は、公知の粒子エネルギを有する放射線の入射下でのシミュレーションや測定によって決定することができる。検知器ユニット当たり1つの閾値のみを使用するなら、検知器
ユニット当たり1つの計算器のみで動作することが可能である。この計算器は、E1より大きなセンサにおいてエネルギ付与ですべての事象を計算する。我々は、これらの事象の数をN1と分類する。検知器ユニットの弁別器において2つの閾値E1<E2を使用するなら、2つの計算器は、1つの計算器が、E1より大きなエネルギ付与ですべてのN1の事象を計算し、他の計算器が、E2より大きなエネルギ付与ですべてのN2の事象を計算するように、弁別器に接続することができる。間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与での事象の数は、そのとき、N1とN2の差:N1,2=N1−N2である。
【0037】
3つの閾値E1<E2<E3、および付与されたエネルギが、対応する閾値を超えている場合、計算する3つの計算器を、ある測定時間後、計算器が値N1、N2、N3を示すように使用するなら、間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与で事象の数N1,2は、N1−N2として計算される。間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与で事象N2,3の数は、N2−N3として、E3より大きなエネルギ付与での事象の数は、N3,4:=N3として計算される。検知器ユニット当たり3つより多い閾値を使用するなら、シーケンスの次の部品Ni,i+1が類似した方法で計算される。
【0038】
対応する閾値が超過するなら計算器がインクリメントされる操作原理は、弁別器の他の閾値が超過するかどうかという条件と無関係に、下記において超過方法と呼ばれる。1つの閾値のみを使用するなら、その方法も超過方法と呼ばれる。
【0039】
検知器ユニットが、閾値E1<E2で2つの弁別器を有するなら、ある測定時間後の値N1,2を示す計算器は、計算器の値N1,2を増加するために、エネルギ付与が、E1を超えなければならないがE2を超えてはいけないように弁別器に接続することができる。この場合、計算器の値N12は、間隔[E1;E2]におけるエネルギ付与での事象の数である。計算器がインクリメントされる動作原理は、対応する閾値を超過し、あるより高い閾値を超過しないなら、下記においてウィンドウ方法と呼ばれる。
【0040】
超過方法およびウィンドウ方法を組み合わせる電気回路を実現することは可能である。すべての使用可能な電気回路の特性は、計算器の値Ni,i+1:=Ni−Ni+1の減法またはウィンドウ方法Ni,i+1において計算器の値を直接使用することによって、ある測定時間後、一定間隔[Ei;Ei+1]におけるエネルギ付与での事象の数を得ることが可能である。エネルギ間隔のオーバーラップが最小であるように、閾値やウィンドウを選択することが好ましい。1つの弁別器の閾値のみが利用可能なら、シリーズNi,i+1は、一定の閾値Eiとある時間を比較し、変更した閾値Ei+1との次の新しい測定によって導き出すことができる。我々は、簡単にするためにEi+1>Eiを仮定する。
【0041】
必要なシリーズNi,i+1を得るために、次のより高い閾値で得られた計算器の値から1つの閾値で得られた計算器の値を引かなければならない。シリーズNi,i+1が異なる閾値で次の測定によって得られる操作方法は、走査方法として下記に分類される。走査方法は、超過方法またはウィンドウ方法と組み合わせることができる。シリーズNi,i+1の決定は、多重チャンネル・アナライザを使用して可能な原理にある。そのような多重チャンネル・アナライザ電子機器を使用する不利点は、事象のエネルギ付与に属する間隔を決定するための時間が非常に長く、粒子束密度の最大値が強く限定されて、システムのダイナミック・レンジが低減されることをもたらす。
【0042】
計算ユニット
検知器ユニットの計算器は、計算ユニットに接続されており、集積回路として実現されることが好ましい。計算ユニットは、計算器から送られた計算器の値で算術演算の実行を可能にする。計算ユニットは、線量の値を計算する、または1つまたはいくつかの検知器
ユニットの計算器の値からエネルギ情報を得るための、以下に記載された手段の1つを使用する。使用される手段は、例えば、弁別器と計算器の操作原理および必要な精度に依存する。線量率の値または粒子束を決定するために、計算において測定時間に関する情報を含むことが必要である。したがって、全体システムは、時間信号を生成または計算する電気回路を含む。また、計算器が事象を登録することができた時間の一部を計算するシステムに回路を含むことが可能である。計算ユニットは、線量の値または線量率の値の計算の間に、いわゆる無駄時間の修正を実行することができる。システムは、検知器ユニットが事象を登録することができた線量率の値を計算する根拠として時間を使用することが好ましい。
【0043】
伝送ユニット
伝送ユニット3は、弁別器パルス、計算器の値または計算ユニットによって計算された値を、記憶ユニット4、ディスプレイ7、またはポスト処理、分析、保存、または表示用のシステムに属さない装置に送る電気回路である。これはケーブルで、または無線通信によって実行することができる。
【0044】
記憶ユニット
記憶ユニット4は、弁別器の信号、計算器の値、計算ユニットの計算値、または時間情報を、電気的、光学的または磁気的に記憶することができる。
【0045】
ディスプレイ
計算ユニットによって計算された値またはシステムの状態に関する情報は、ディスプレイ7に表示することができる。システムを使用する準備ができているなら、またはエラーが発生したなら、ユーザに通知してもよい。ディスプレイは、エネルギ情報またはユーザの情報に関する線量の値を示すことができる。ディスプレイ7の可能な実施形態の形式は、一般的に使用される液晶モニタまたはLCD表示装置である。
【0046】
制御ユニット
制御ユニットは、検知器ユニット、計算ユニット、伝送ユニット、記憶ユニット、ディスプレイ7および電源ユニット6にそれらの調節、制御または同期化のために電気信号を供給する電気回路であり、ひいては、時間測定用回路を含む。
【0047】
電源ユニット
電源ユニット6は、バッテリ、変流器、または外部電源へのケーブルとして実現することができる。電源6は、すべての回路および検知器ユニットが電気エネルギで供給されることを確実にする。
【0048】
筐体
筐体8は、装置の要素をすべて含む。その目的の1つは、周囲環境からの障害に対する装置の保護およびユーザの保護である。結局、筐体は、センサに粒子の通過を可能にするいくつかのウィンドウを有する。
【0049】
エネルギ・スペクトルまたは線量の値を決定する目標は、種々の組み合わせを使用して到達することができ、組み合わせは、例えば、吸収器の数および種類、検知器ユニットの数および種類、検知器ユニットでの識別および計算方法、センサ・ボリュームの種類および寸法、検知器ユニットのデータの分析のための使用される手段の種類によって特徴づけられる。本発明に記載されたすべての配置は、エネルギ・スペクトルの決定、結局、エネルギ・スペクトルで線量の値の計算を得ようとし、異なるまたは変化する弁別器の閾値でサンプリングすることによって付与スペクトルを第1ステップとして測定しなければならない。線量の値の決定も、エネルギ・スペクトルの先の決定なしで可能である。計算器の
値から線量の値を推測することは可能である。これらの手段を以下に記載する。
【0050】
入射放射線の最大粒子エネルギは、有意に0と異なる多数の事象Nj,j+1を登録した最も高いエネルギ間隔[Ej;Ej+1]で間隔限度の平均値として容易に導かれることができる。エネルギ付与および検出効率は、通常、粒子の入射角に依存する。因数または依存曲線の決定のために実行されるシミュレーションまたは測定は、以下に記載される分析手段で必要であり、異なる入射角で、またはその特性が装置で測定されるべき放射線の角度分布に類似する角度分布で実行されるべきである。下記では、検知器ユニットの配置のいくつかの実施形態の形式を記載する。エネルギ・スペクトルまたは線量の値の決定のための手段も詳細に記載する。まず、いくつかの計算検知器ユニットの配置を記載する。
【0051】
図2
我々は、検知器ユニットのアレイ1として、図2に示すように、Medipix2チップおよび700μmの厚みのシリコンのセンサ層を使用する。Medipix2チップおよびセンサ層の活性化領域は、約14mmの側面長さの正方形を有する。Medipix2チップは、256×256個の電子セルのアレイを含み、各セルは、弁別器および計算器の電子機器を含む。センサ層は、Medipix2チップの対応セルとのバンプ結合によって接触される256×256の電極を底側に備えている。2つのバンプ結合の距離は55μmである。導電層は、センサ層10の上側の全体領域を被覆し、上部電極を形成する。センサ層10にわたって電場を得るために、約50Vの電圧を、センサ層の上部電極と下部電極との間に印加する。電源ユニット6によってこの電圧を供給する。単一のMedipix2セルとその直上のセンサ層10のボリュームとの組み合わせは、バンプ結合によって接合され、検知器ユニットを形成する。センサ層10に放射線を向けるなら、単一の光子または前記放射線の単一の電子は、センサ層においてエネルギを付与してもよい。この単一の光子または電子の結果、多くの電子/ホール対が生成され、印加電場によって互いに分離される。電子およびホールの量は、衝突する光子または電子のエネルギに依存する。電子またはホールは、センサ層の底側において、電極に向けてドリフトする。電流は、Medipix2チップの電子セルの入力電極に流れている。電流パルスを積分し、調整可能な閾値Vthr,lowに比較する。積分電流パルスが、閾値を越える場合、電子検知器ユニットの計算器をインクリメントする。計算器は、2つの読み出しサイクル間で最大8000の事象を計算することができる。Medipix2チップの電子セルは、上閾値Vthr,highをさらに印加する可能性を有する。条件Vthr,low<Vthr,highを満足するなら、計算器は、対応する閾値Vthr,lowとVthr,highとの間でエネルギを付与する事象の数を計算する。これは、この場合、検知器ユニットがウィンドウ方法で操作されることを意味する。エネルギ精度は、約1KeVである。検知器ユニットは、Medipix2電子機器の256×256セル、バンプ結合ボール、バンプ結合ボールに接続された電極とセンサ層の上側との間のセンサ・ボリュームのうちの1つによって形成される。この実施形態の実施例では、計算検知器ユニットの配置は、256×256の検知器ユニットによって形成されている。
【0052】
図3
図3は、Medipix2センサの組み合わせの写真であり、全体配置が非常にコンパクトな設計を有することを示す。そのような組み合わせは、非常にコンパクトな線量計の設計を可能にする。
【0053】
いくつかの検知器ユニットを使用する方法および装置
各検知器ユニットは、少なくとも1つの弁別器および少なくとも1つの計算器を備えている。例えば、列と行のマトリックスのように、検知器ユニットを配置することが可能である。計算器は、連続的にまたは平行に読み取ることができる。計算器の値は、計算ユニ
ットで処理することができる。制御ユニットの回路は、計算器が、規定の一時的な方法で計算することが可能である、または計算が、明確に規定された時期に禁じられることを保証する。
【0054】
いくつかの検知器ユニットの使用の1つの利点は、単一の検知器ユニットの小さな活性化領域で、非常に高い粒子束密度を処理することができるということである。これは、粒子束密度に関する、したがって、線量の値に関する測定範囲の高い上限をもたらす。1つの検知器ユニットの個々の割合が入射粒子の全体の割合より小さいので、全体配置の所定の活性化領域でいくつかの検知器ユニットを用いて、検知器ユニットで生成されたパルスの一時的なオーバーラップによる計算の損失が減少する。測定用の粒子束を減少させることなく、例えば、医療設備の直接ビームにおいてエネルギ・スペクトルを測定する可能性は、複数の検知器ユニットを使用し、検知器ユニットの特性によって開かれて、それにより、弁別器閾値によって規定される間隔で、エネルギ付与で粒子を計算する。将来、ピクセルで構成された計算半導体検出器を医学的診断で画像検知器として使用する。将来、画像検知器で、印加線量の値を直接決定することが可能である。我々が発明した手段は、これらの画像検知器自体の信号で、線量計算に適用可能である。今日、これらの画像検知器のみが、数平方cmの活性化領域を達する。このように、線量推定精度および感度を改善するため、またはエネルギ情報の測定を促進するために、ピクセルで構成された検知器を有する専用装置を設計して、短いまたは中間尺度で、エネルギ情報または線量の値を決定することは妥当である。センサ材料は、また、関連のあるエネルギ範囲において高い検出効率を有するシンチレータであってもよい。検知器ユニットのセンサは、光学的に分離されるべきであり、上述の変換器として動作する光学的に敏感な半導体電子素子に結合されている。弁別器ロジックおよび計算ロジックは、集積回路として実現することができる。到達可能な精度、緊密さ、測定範囲および感度に関して、ピクセルで構成された計算半導体検出器を使用すると、いくつかの利点がある。エネルギ情報または線量の値を決定するための装置で使用することができる、既に利用可能なそのような1つの検知器があるので、必要な開発時間に関して利点がある。この検知器は、シリコン、GaAsまたはCd(Zn)Teのセンサ層と結合したMedipix2チップからなる。厚いセンサ層または原子核の高い有効電荷の半導体を使用するなら、光子の効率は低いエネルギ光子には非常に高い。小型により、そのような検知器は、容易にパーソナル線量計で使用することができる。ピクセルで構成された計算半導体検出器は、特に、小さな検知器ユニットサイズで電荷共有と呼ばれる効果を負う。小さな検知器ユニットサイズは、粒子束密度に関する測定用の高い上閾値の根拠である。電荷共有の効果では、センサ層内の入射粒子によって解放された電子/ホール分布は、時々、2つ以上の検知器ユニットによって登録される。この効果のための主な原因は、拡散による四方八方のドリフト分布の広がりである。
この広がりは、時々、2つ以上のピクセルの変換器において、閾値を超える信号をもたらす。したがって、1つの粒子は、時々、2つ以上の検知器ユニットで計算される。また、エネルギ付与は、時々、いくつかの検知器ユニットにわたって分布される。したがって、1つの検知器ユニットでのエネルギ付与の値は、付与されたエネルギの合計に反映しない。センサとしてのシンチレータ材料を使用する場合には、隣接する検知器ユニット間の光学クロストークが同様の問題を引き起こす。
【0055】
したがって、エネルギ情報または線量の値を決定するための方法は、精度を向上させるために、電荷共有や光学クロストークの影響を修正するべきである。我々は、それらの効果の影響を修正する方法を発明した。この方法の根本概念は、測定された付与スペクトルを、いくつかの単一エネルギ放射の入射によって引き起こされた付与スペクトルの線形結合と見なすことである。我々は、その離散形で測定された付与スペクトルをNi,i+1として分類する。Ni,i+1は、間隔[Ei;Ei+1](Ei<Ei+1)においてエネルギ付与で計算される事象の数である。
【0056】
エネルギEimonoの単一エネルギ放射線の付与スペクトルは、Mijとして分類する。Mijは、iにおけるシリーズである。エネルギ付与スペクトルMijは、単一エネルギ放射線下のシミュレーションまたは測定で使用される粒子の数による区分によって標準化される。インデックスiは、付与スペクトルにおける位置について記載する。インデックスjは、一次エネルギEjmonoのインデックスである。Mijは、エネルギEjmonoの入射粒子が付与間隔[Ei;Ei+1]において事象の計算をもたらす可能性である。エネルギ付与のimax間隔があるなら、測定されるまたはシミュレートされる異なる付与スペクトルの少なくとも同数があるべきであり、一方、各間隔に関して、その間隔にある少なくとも1つの一次エネルギEjがあることが好ましい。測定またはシミュレートされたjmax付与スペクトルがある。imax=jmaxなら、一次エネルギEimonoは、すべてのiに関して、(Ei+1+Ei)/2として選択することができる。Eimonoも、間隔[Ei;Ei+1]において、この間隔の検出効率で、入射放射線の予期されるエネルギ分布の加重平均値として選択することができる。その特性が装置で決定される放射線の測定された付与スペクトルNi,i+1、を下記のように記載することができる。
【0057】
【数6】
【0058】
【数7】
【0059】
【数8】
【0060】
線量率値を、測定時間の除算によって、また、装置によって決定することができる。したがって、十分な精度で線量の値を決定する課題は解決される。
【0061】
また、付与スペクトルを予め決定することなく、線量の値を直接決定することが可能である。この方法で、付与スペクトルNj,j+1の各瓶での計算の数に因数Ljを掛ける。所望のエネルギ・スペクトルの形式の推定を使用するシミュレーションまたは測定によって、測定に先立って、因数Ljを決定する。測定またはシミュレーションでのスペクト
ルの形式は、所望のエネルギ・スペクトルの形式に類似または等しい。線量は、以下の式によって決定される。
【0062】
【数9】
【0063】
【数10】
【0064】
【数11】
【0065】
線量の値またはエネルギ情報の決定の精度を増加させることが可能である。これをするために、エネルギ・スペクトルを、より大きな間隔で最初にサンプリングする。次いで、弁別器の閾値を計算し、次いで、エネルギ・スペクトルを、関連性のあるエネルギ領域にあるエネルギ間隔でより詳細な方法でサンプリングするように適用する。したがって、未知のスペクトルに関してより高い精度を得ることが可能である。
【0066】
センサと放射線源との間に吸収器を設置することのない配置を使用することが可能である。エネルギ測定範囲を拡大させる、粒子束密度に関する動力学的範囲を拡大させる、異なる種類の粒子からのエネルギ・スペクトルまたは線量寄与を決定する、または平均入射角を測定するために、配置のいくつかの場所に、センサと入射放射線との間に1つまたはいくつかの吸収器を設置することが可能である。下記では、我々は、吸収器で、および吸収器なしでの使用のために異なる弁別器の閾値調節方策を有するいくつかの方法および計算分析方法について別々に説明する。
【0067】
吸収器を使用しない方法および装置
実施形態の容易な形式では、各検知器ユニットは、調整可能な閾値を有する弁別器と、パルスが閾値を越えた場合にパルスを計算する計算器と、を有する。想像できる配置には、弁別器の閾値に関して2つの調節方策がある。まず、検知器ユニットは、すべて、弁別器の閾値と同じ高さで動作することができる。次に、1つのグループの検知器ユニットが同じ弁別器の閾値を有するが、異なるグループが異なる閾値を有する検知器ユニットのグループを形成することができる。
【0068】
配置におけるすべての検知器ユニットに関する一定の閾値
まず、閾値を適度に低い値に設定する。この値のための方向は、入射放射線のエネルギ・スペクトルから分かる。付与スペクトルを得るために、閾値を超える事象を、ある時間の間、すべての検知器ユニットで計算する。この時間以降、計算器をすべて読み取り、計算器の値のすべてを計算ユニットで合計する。したがって、N1を得る。次いで、弁別器の閾値をすべての検知器ユニットのために増加する。新しい測定時間の間、検知器ユニットは、すべて、新しい閾値を超える事象を計算する。計算器をすべて読み取り、計算器の
値を合計すると、N2が付与される。閾値は、入射放射線に依存して、最も高い適正値までΔEだけ次第に増加する。各ステップ後、計算器は、閾値を超える事象の数を決定し、次いで、読み取り、計算を合計する。ある弁別器の閾値Ei+1ですべての検知器ユニットの値の合計Ni+1を、前の、次に低い閾値Eiで合計Niから引くなら、間隔[Ei;Ei+1]でのエネルギ付与で事象の数を得る。走査方法を使用するこの方法で、入射粒子エネルギのスペクトルを再構成するまたは線量の値を決定する上記の手段を使用することができる。検知器ユニットが、エネルギ付与ウィンドウで事象を計算する能力を有するなら、同様の方法を適用することができる。この方法で、ウィンドウは、エネルギ・スペクトルで変えられ、例えば、間隔の幅で固定されるが、1つの閾値の変化のために記載されるように、より低い間隔端は変えられる。
【0069】
スペクトルの最大エネルギは、例えば、最大管電圧に対するX線の準備で一致し、測定された付与スペクトルから容易に抽出することができる。有意に0と異なる多数の計算Nl,l+1を示す最も高い間隔の間隔エッジEl、El+1の平均値によって最大エネルギを推定する。
【0070】
各グループにおいて一定の閾値であるがグループ間で異なる閾値を有する検知器ユニットの異なるグループの使用
この閾値の調節方策を使用して、検知器ユニットの各グループで一定の閾値を設定し、異なるグループで異なる閾値を設定する。閾値は、時間と共に変化しない。検知器ユニットの隣接部によってグループを形成することができる。そのようなグループの選択(位置、領域および閾値)は、検知器ユニットの種類、粒子の種類およびエネルギ、全体の配置の幾何学的構成および計算器の読み出された法則に依存する。図5は、弁別器が過剰方法で動作する検知器ユニットのアレイにおいて、8つのエネルギ付与閾値の配置の実施例を示す。図6は、弁別器がウィンドウ方法で動作する検知器ユニットのアレイにおいて、エネルギ付与閾値の配置の他の実施例を示す。エネルギ範囲は、隣接するように表されているが(つまり、範囲の上閾値は、次のエネルギ範囲の下閾値に等しい)、これは、必要な状態ではない。エネルギ範囲も等しい幅である必要がなく、測定の最適化のために選択されてもよい。
【0071】
この方策を使用して、すべての付与間隔で事象の数を同時に測定することが可能である。計算器からの読み出し後、グループで計算された事象を、すべての領域に関して別々に合計する。グループでは、閾値Eiを適用するなら、合計の結果は、Eiより大きなエネルギ付与で事象の数を付与して、過剰方法におけるNiである。閾値Ei+1でグループは、数Ni+1を付与する。Ei<E2<Ei+1で閾値E2で間隔がないと仮定される。間隔[Ei;Ei+1]でエネルギ付与で事象の数は、次のとおりである:Ni,i+1=Ni−Ni+1。付与スペクトルは、計算検知器ユニットの配置にわたる閾値のそのような分布によって、そのすべての瓶で同時に測定される。入射放射線のエネルギ・スペクトルを再構成することができ、線量の値を、上述した方法を使用して計算することができる。検知器ユニットが、間隔でエネルギ付与で事象を計算することができる弁別器ユニットを有するなら、同様の方法は適用可能である。一群の検知器によって形成されたグループでは、比エネルギ付与ウィンドウを選択し、異なる領域は、異なるウィンドウを有する。スペクトル中の最大エネルギは、例えば、最大の管電圧へのX線配置に一致し、測定された付与スペクトルから容易に抽出される可能性がある。最大エネルギは、有意に0と異なる多数の計算Nl,l+1を示す最も高い間隔エッジで、グループの間隔エッジEl,El+1の平均値によって推定される。
【0072】
グループは、同数の検知器ユニットからなる必要はない。グループの領域は、弁別器(超過方法またはウィンドウ方法)の実用的原則に適応されることが好ましい。最小統計誤差に関する最良の方法で、全体配置の領域を使用するために、異なるグループで検知器ユ
ニットの異なる数を使用することがより良好とすることができる。これは、検出効率が、入射粒子のエネルギに応じて通常変化し、最大の計算器の値が、計算器の2つの読み出し間で達せられないことを確実にすることを考慮する。エネルギへの検出効率の依存性およびエネルギの予期される分光分布を、グループの領域の選択の際に考慮するべきである。半導体検出器ユニットの配置を使用するなら、高閾値のグループは、低閾値のグループより多い検知器ユニットを含むことが好ましい。
【0073】
吸収器を使用する方法および装置
計算検知器ユニットの配置上の吸収器の設置を、個別の方法として、または上述した方法と組み合わせて使用することができ、吸収器を必要としない。空間または時間にわたる閾値やウィンドウの変化を使用して、上述の方法での吸収器の配置の組み合わせは、体系的精度を改善する可能性、測定範囲またはエネルギ・スペクトルの決定の拡大、または異なる種類の粒子に関する線量値の寄与を提示する。ある状況下で、吸収器を使用すると、全体配置の固定領域および測定時間に関する統計誤差の増加を引き起こす可能性がある。配置を薄板状に構築することができるので、吸収器の設置は、多数の検知器ユニットの配置において容易に可能である。スペクトルの低エネルギ部は、スペクトルのエネルギ部より強く減じられる。入射粒子は、吸収材料、吸収器厚み、粒子種類、エネルギおよび入射角に依存して、吸収器内で、あるエネルギ量を失う。放射線場は、吸収器によって特有のやり方で変更される。放射線に対する吸収器の影響は、パッケージROSI[4]のようなプログラムを使用して、測定またはシミュレートすることができる。十分な厚みを有する吸収材料のある選択によって、低範囲、例えば、アルファ、ベータ粒子で、例えば、粒子を吸収することが可能である。したがって、この吸収器の後ろの検知器ユニットは、これらの粒子に関する線量値の寄与を登録しない。このように、ある粒子種類の線量寄与を別々に決定することが可能である。混合された放射線場の線量の値は、すべての適切な粒子種類の線量寄与を合計することによって決定される。
【0074】
実施形態の1つの可能な形態では、異なる材料および厚みからなる吸収器のいくつかの薄板プレートは、各吸収器の後ろの検知器ユニットが、各グループで一定の弁別器の閾値で異なるグループを形成する多くの計算検知器ユニットの配置上に設置される。したがって、すべてのエネルギ瓶で吸収器の後ろの付与スペクトルを同時に測定することが可能である。また、多くの計算検知器ユニットの配置上の異なる材料および異なる厚みのいくつかの薄板吸収器プレートを設置し、同じ閾値で1つの吸収器の後ろのすべての検知器ユニットの弁別器を使用することが可能である。1つの吸収器、またはすべての吸収器の後ろの閾値を同時に変えると共に走査方法を使用することによって、各吸収器の後ろの付与スペクトルを決定することができる。
【0075】
吸収器の後ろのエネルギ・スペクトルを、各エネルギ付与の瓶で計算の数を使用して、上記の方法で再構成することができる。測定やシミュレーションを通じて公知のスペクトルへの吸収器の影響を決定することが可能なので、吸収器を通過できた放射線の知識で、入射スペクトルを計算することが可能である。シミュレートされたものまたは入射スペクトルについての知識下の測定されたスペクトルを、吸収器の後ろの測定された再構成スペクトルと比較することができ、それで、入射スペクトルを決定することができる。いくつかの異なる吸収器の使用は、そのような計算の質を改善する。さらに、配置上で吸収器を使用する線量の値の推定のための手段が可能である。各吸収器の後ろの検知器ユニットを、すべて、時間とともに変化しない1つの閾値で操作する。計算ユニットは、すべての吸収器の後ろのすべての検知器ユニットの計算器の値を別々に合計する。吸収器kについて、吸収器kの後ろのすべての検知器ユニットから登録された事象の数は、NkAbsorberである。すべてのkmax吸収器に関して、この数を決定する。この数は、吸収器を通る粒子束密度に比例し、したがって、入射スペクトルの固定形態および固定粒子種類および固定入射角に関して、入射放射線の暴露に比例する。全体配置に衝突する放射線の
線量値Dは、ある因数Kkを使用して推定することができる。これらの因数は、特性が測定されるべきスペクトルに類似するスペクトルの入射で、シミュレーションまたは測定によって測定前に決定される。それは、次のとおりである:
【0076】
【数12】
【0077】
フィルム線量計から線量の値を決定し、粒子種類、エネルギ・スペクトルおよび線量の値を決定するために、同様の形態で使用される方法を適用することも可能である。多くの計算検知器の配置にそれらの法則を乗り換えるために、吸収器の後ろの検知器ユニットで計算された事象の数を、吸収器の後ろのフィルムの黒化度と見なさなければならない。粒子種類、粒子、エネルギ吸収器(黒化度に維持する)から計算された事象の依存性は、分析に必要とされ、公知の放射線での放射下でシミュレーションまたは測定によって決定されなければならない。多くの計算検知器ユニットの配置を使用すると、黒化およびぼやけのそれらの飽和から発生するフィルム線量計の問題が回避される。また、配置上に吸収器を設置することによって、多くの計算検知器ユニットの配置を有する平均入射角を決定することが可能である。この角度を決定するために、吸収器の端の下の検知器ユニットでの事象を検査しなければならない。吸収器は、筒状体を優先的に有する。垂直の入射からの偏差による線量の値への修正は、検出効率や入射角へのエネルギ付与の公知の依存性で行うことができる。
【0078】
単一計算検知器ユニットを有する方法および装置
1つの検知器ユニットのみを配置で使用するなら、上で説明した吸収器を使用しない手段も適用可能である。付与スペクトルを決定するために、時間内に、変化する閾値やウィンドウで検知器ユニットを操作しなければならない(走査方法)、またはいくつかの異なる閾値またはウィンドウで同時に操作する、または多チャンネル・アナライザで操作する。上述するように、入射放射線のエネルギ・スペクトルや線量の値の決定のための手段を適用することができる。
【0079】
実施形態の実施例
実施形態の実施例として、我々は、Medipix2チップと700μmの厚みのシリコンのセンサ層との組み合わせを使用する。Medipix2チップとセンサ層との組み合わせの活性化領域は、約14mmの側面の長さを有する二次形式を有する。Medipix2チップは、弁別器および計算器の電子機器を備えた256×256の電子セルからなる。センサ層は、バンプ結合によってMedipix2チップに接触された側に、256×256の電極(変圧器)を有する。2つのバンプ結合の間の距離は、55μmである。対向側の電極は、連続電極として実現されている。電場を得るために、センサ層の電極に約250Vの電圧を供給する。電源ユニット6によってこの電圧を供給する。図2は、Medipix2チップの電子セルと変圧器の電極上方のセンサ・ボリュームとの組み合わせを1つの単一検知器ユニットと見なす場合、多くの計算検知器ユニットの配置である、ピクセルで構成された検知器の概略図を示す。図3は、Medipix2センサの組み合わせの写真であり、全体配置が、非常にコンパクトな設計を有することを示す。そのような組み合わせは、非常にコンパクトな線量計の設計を可能にする。
【0080】
光子または電子が、センサにおいてエネルギを付与する場合、多くの電子およびホールが生成され、印加されたドリフト電界によって互いに分離される。電子またはホールは、Medipix2チップにバンプ結合によって接触されるセンサ側において、電極の方に
ドリフトしている。電流は、Medipix2チップ・ピクセル電子機器の入力電極に流れ込む。パルスを積分し、調整可能な閾値Vthr,lowと比較される。パルスが閾値を越えるなら、検知器ユニット電子機器の計算器をインクリメントする。計算器は、2つの読み出しサイクル間で、最大8000の事象を計算することができる。Medipix2チップの電子セルは、上閾値Vthr,highをさらに印加する可能性を有する。条件Vthr,low<Vthr,highを満足するなら、計算器は、対応する閾値Vthr,lowとVthr,highとの間でエネルギを付与する事象を登録する。これは、この場合、検知器ユニットが、ウィンドウ方法で操作されることを意味する。エネルギ精度は、約1keVである。
【0081】
検知器ユニットは、Medipix2電子機器の256×256セル、バンプ結合ボール、およびバンプ結合ボールに接続された電極とセンサ層の上側との間のセンサ・ボリュームのうちの1つによって形成されている。この実施形態の実施例では、計算検知器ユニットの配置は、256×256の検知器ユニットによって形成されている。図1は、コンパクト装置において、入射放射線のエネルギ情報または線量の値の測定のための全体の配置の原理設定を示す。例えば、プラスチックからなる筐体8において、例えば、Medipix2チップとシリコンのセンサ層との組み合わせとして実現された計算検知器ユニット1のアレイ、計算ユニット2、伝送ユニット3、記憶ユニット4、制御ユニット5、電源ユニット6およびディスプレイ7が配置され、電気的に接続されている。ディスプレイ7は、例えば、LCDモニタまたはLCD表示装置として実現され、システムの状態、エネルギ情報または線量の値に関する情報を表示することができる。
【0082】
Medipix2チップの弁別器で閾値として電圧を付与される電圧と、対応するエネルギ付与との関係を、容易に、例えば、放射性源の較正によって決定することができる。下記において、しきい電圧は、二者択一で、エネルギ付与値と見なすことができる。例として、配置の検知器ユニットを8つのグループに分割し、それによって、1つのグループにおける検知器ユニットすべてを、同じ閾値の調節値で操作する。少数のグループを選択することが可能である。見本となるように、我々は、8つのグループのための調節手段について説明する。最初に、我々は、Medipix2チップの弁別器の閾値を調節するための方法について記載し、ここで、弁別器は、すべて、過剰方法で動作する。Medipix2チップは、チップの検知器ユニットにわたる任意の幾何分布において、下閾値に関して、最高で8の異なる閾値の調節を可能にする。検知器ユニットの8つのグループを選択する。各グループを、1〜8の1つの全数iによって明確に識別する。エネルギ情報または線量の値が決定されるエネルギ範囲[E1;E8]を規定しなければならない。このエネルギ範囲は、電子機器のノイズを超える最小の可能な閾値で始まることができる。この実施例において、4keVを、最小閾値として選択することができる。上閾値は、入射放射線のスペクトルにおいて、最も高いエネルギとすることができる。X線管からの放射線を検査する場合、この最大値は、管電圧に電子の電荷を掛けたものに相当する。
【0083】
最低閾値を規定する電圧Vthr,lowをE1に設定する。電圧VTHSをMedipix2のために設定することができ、(E8−E1)に設定する。グループiの各検知器ユニットに関して、2値化での全数iを使用して、下閾値の3つの閾値調節ビット(図4の「3ビット下閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=Ei+(i−1)・VTHS/7で作動する。iの同じ値を、グループのすべての検知器ユニットにおいて設定する。閾値E8を有するグループは、この実施例において、E8より大きなエネルギ付与を有する事象をすべて計算する。したがって、この実施例において、規定の端を有する7つのエネルギ付与間隔を得ることが可能である。図5は、Medipix2チップ上の下閾値の可能な分布を見本となるように示す。同数の検知器によってグループを形成する必要はない。それらは、長方形である必要はない。それは、高閾値を有するグループを、下閾値を有するグループより、より多くの検知器
ユニットのアレイによって形成するなら、例えば、低統計誤差などの利点をもたらす場合がある。付与間隔[Ei;Ei+1]の計算のシリーズとして付与スペクトルを得るために、1つのグループの検知器ユニットの計算を、すべて、各グループのために別々に合計する。これは、すべてのグループのためになされる。グループiでは、この合計の結果は、Niであり、グループi+1では、それは、Ni+1である。間隔[Ei;Ei+1]においてエネルギ付与を有する数事象は、そのとき、Ni,i+1=Ni−Ni+1である。これを7までのすべてのiに対してなすなら、我々は、シリーズNi,i+1としてエネルギ付与スペクトルを得る。N8は、E8を超えるエネルギ付与を有する事象の数である。
【0084】
以下に、我々は、Medipix2チップの弁別器の閾値の異なる調節方法を記載し、それによって、検知器ユニットを、すべてウィンドウ方法で操作する。Medipix2チップは、検知器ユニットの配置にわたる任意の幾何分布において8つの異なる下および上閾値の同時演算をサポートする。検知器ユニットの8つのグループを選択する。各グループは、1〜8で1つの全数iによって明確に識別される。エネルギ情報または線量の値が決定されるエネルギ範囲[E1;E9]を規定しなければならない。このエネルギ範囲は、電子機器のノイズを超える最小の可能な閾値で始まることができる。この実施例において、4keVを最小閾値として選択することができる。上閾値は、入射放射線のスペクトルで最も高いエネルギとすることができる。X線管からの放射線を検査する場合、この最大値は、管電圧に電子の電荷を掛けたものに相当する。
【0085】
最低閾値を規定する電圧Vthr,lowをE1に設定する。電圧VTHSは、Medipix2のために設定することができ、(E8−E1)に設定される。グループiの各検知器ユニットのために、2値化での全数iを使用して、下閾値の3つの閾値調節ビットの値(図4の「3ビットの下閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=E1+(i−1)−VTHS/7で作動する。iの同じ値を、グループのすべての検知器ユニットにおいて設定する。さらに、閾値Vthr,highは、最低閾値を規定し、Vthr,low+VTHS/7に設定される。グループiの各検知器ユニットのために、2値化での全数iを使用して、上閾値の3つの閾値調節ビットの値(図4の「3ビット高閾値」として名付けられた)を設定する。したがって、弁別器の電子機器は、下閾値Ei=E1+(i−1)−VTHS/7および上閾値Ei+1=E1+i・VTHS/7でウィンドウ方法で作動する。したがって、我々は、検知器ユニットの配置にわたって規定された8つのエネルギ間隔を有する。測定間隔[E1;E9]は、互いに接続された8つのオーバーラップしない間隔に分割される。付与スペクトルを得るために、各グループのすべての計算器に登録された事象の数を、すべてのグループに関して独立して合計する。グループiでは、我々は、間隔[Ei;Ei+1]のエネルギ付与を有する事象の数として、Ni,i+1を得る。したがって、我々は、iにおいてシリーズNi,i+1としてエネルギ付与スペクトルを得る。図6は、数i、下および上閾値によって説明されるグループの可能な選択を見本となるように示す。同数の検知器によってグループを形成する必要はない。それらは、長方形である必要がない。それは、高閾値を有するグループが、下閾値を有するグループより、より多くの検知器ユニットのアレイによって形成されるなら、例えば、低統計誤差の利点をもたらす可能性がある。さらに、この実施形態の実施例で走査方法を使用することも可能である。この方法では、閾値をすべての検知器ユニットのために等しく設定し、着実に増加する。計算器を、2ステップ間で読み取る。読み取られる計算器の値のすべてを、すべてのリードサイクルのために別々に合計する。図8は、配置をタングステン管からのX線で照射する場合に、合計される計算器の値とこの読み取りサイクルに関する閾値との間の依存性を、見本となるように示す。1つの閾値に関して合計された計算器の値と次の高閾値に関して合計された計算器の値との差を計算する場合は、付与スペクトルを得る。図9は、図8から計算された付与スペクトルを示す。
【0086】
【数13】
【0087】
線量率に関する測定範囲の上閾値は、2つの読み出しサイクル間で計算器に蓄積することができる最大計算器の値によって限定される。現在、Medipix2チップの計算器を、30Hzの周波数で読み出すことができる。より高い読み出し周波数を実現することが可能である。事象を記録することができない無駄時間は、300μsである。したがって、999.7msで1秒の計算が可能である。したがって、無駄時間を次の計算で無視
する。計算器は、計算時間の間、最大8000の事象で登録することができる。したがって、256×256の検知器ユニットを含む全体の配置は、7.85*109/sまでの光子を計算することができ、それによって、我々は、光子当たりの計算の平均の数が、電荷共有により2であると保守的に考える。したがって、配置は、1時間で、2.83*1013までの光子を計算することができる。1nSvのパーソナル等価線量Hp(10)を測定することになっていれば、この実施例において、3101の光子がセンサの領域上に衝突する。2822の光子を、配置の検知器ユニットによって登録する。したがって、我々は、多かれ少なかれ、Hp(10)=10Sv/hの最大線量率を計算する。配置における1つの検知器ユニットの計算割合は、約240kHzとなり、それは、パルスの処理において問題に結びつかない。[2]の活性線量計のためにリストされた線量率値に関する値を測定する最も上限は、わずか1Sv/hである。これは、この実施形態の実施例における配置の測定範囲が、市販の線量計の測定範囲より非常に高いことを示す。
【0088】
パーソナル線量計でのように積分線量の値の測定に使用される計算検知器ユニットの配置の測定範囲を、以下に推定する。積分線量値の測定範囲の上閾値は、計算器および計算ユニットで処理することができる計算の最大数によって限定される。その上に付与された最大線量率の値に関しての推定から、数百のシーベルトの最大積分線量の値の測定は、技術的に問題ではないことがはっきり分かる。測定範囲の下閾値を以下に推定する。15keVの光子エネルギで、1nSvのパーソナル等価線量Hp(10)(ブラケットでは、我々は、Hp(0.07)に関して対応する値に留意する)を付与する放射場では、約3101(632)の光子が、Medipix2センサ配置上に衝突する。これらの光子のうち、多かれ少なかれ、2822(576)の光子を登録し、計算する。したがって、この実施例におけるパーソナル等価線量の値の決定用の相対的統計誤差は、多かれ少なかれ、1,9(4,2)パーセントである。100keVの光子エネルギで、パーソナル等価線量の値Hp(10)(Hp(0.07))の決定用の統計精度は、9,0(8,7)パーセントであると推測することができる。[2]にリストされた活性線量計の最大測定範囲は、Hp(10)の測定で15nSv〜16Sv(EPDMk2で実現された)だけである。したがって、発明形態の線量計が市販の線量計より大きな測定範囲を有することが証明され、それによって、測定範囲を拡大することは、配置の活性化領域を拡大することで容易に可能である。これは、Medipix2チップおよびセンサ層の配置を1つのパーソナル線量計においていくつか使用することにより行うことができる。
【0089】
図12は、配置上方に置かれた吸収器1〜6を有する計算検知器ユニットの配置上への図を見本となるように示す。これは、計算検知器ユニットの配置として、Medipix2センサの組み合わせの我々の実施例で実現するのは容易である。主な入射方向は、図面に垂直である。例えば、次の材料を使用することができる:
・No.1:プラスチック、例えばPMMA、1mmの厚み
・No.2:銅;0.05mmの厚み
・No.3:銅;0.5mmの厚み
・No.4:銅;1.2mmの厚み
・No.5:鉛;0.7mmの厚み
・No.6:銅;2mmの厚み
平均の入射角を決定するために吸収器6を使用することができる。
【0090】
本発明の方法および装置を使用することによって、線量、線量率、線量および粒子束密度に関してより良好な感度でリアル・タイムでのエネルギ・スペクトル、より大きなダイナミック・レンジ、より高い線形性、および入射放射線のエネルギ・スペクトルの決定により測定された線量の値の精度を増加させる可能性を測定することができる。入射エネルギ・スペクトルを決定することは、特に、散乱放射線で、線量の値の精度が有意に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の装置の概略ブロック図である。
【図2】図2は、図1の装置で使用される検知器ユニットのアレイおよびセンサ層の斜視図である。
【図3】図3は、本発明で使用され、図1のブロック図によって構築され、検知器ユニットのアレイおよび図2のセンサを使用する検知器の写真である。
【図4】図4は、本発明で使用することができる検知器ユニットのブロック図である。
【図5】図5は、検知器ユニットのアレイにおける8つのエネルギ付与閾値の配置の例である。
【図6】図6は、検知器ユニットのアレイにおけるエネルギ付与閾値の配置の他の例である。
【図7】図7は、40keVエネルギの光子の照射下における、Medipix2チップの検知器配置および700μmの厚みのシリコン・センサ層の応答関数である。
【図8】図8は、タングステン陽極を40kVの電圧で、X線管からの光子の照射下における、Medipix2チップ・センサ装置での走査方法で測定された一連のエネルギ付与閾値を超える計算の数を示す。
【図9】図9は、タングステン陽極を40kVの電圧で、X線管からの光子の照射下における、走査方法での測定に由来する付与スペクトルを示す。
【図10】図10は、タングステン陽極を80kVの電圧で、管からの入射X線スペクトルでのシミュレーションからの入射および再構成エネルギ・スペクトルを示す。
【図11】図11は、タングステン陽極を様々な管電圧でX線源での照射下における、実施形態の実施例で測定されたすべての検知器ユニットと参照基準としての線量計との計算の合計数の較正を示す。
【図12】図12は、計算検知器ユニットの配置の上方の異なる吸収器の位置を示す。
【図13】図13は、40kVの管電圧のタングステン管からのX線での照射下における、Medipix2チップ・センサの組み合わせのすべての検知器ユニットの計算の合計数に依存して、参照基準として使用される線量計の測定値を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
・以下の(i)から(v)のステップを含む較正動作を行うことと、
(i)放射線のビームkを生成するステップであって、前記ビームが公知の線量Dkを生成するとともに、前記ビームが物理的に生成されるまたはモデルでシミュレートされるステップ
(ii)エネルギ付与範囲[Ei、E’i]に含まれた前記放射線ビームの計算Nkiを決定し、前記決定は、実測または前記モデルに基づいた計算によって得られるステップ
(iii)1セットの異なるエネルギ付与範囲[Ei、E’i]に関して、i=1からi=imaxまでステップ(ii)を繰り返すステップ
(iv)放射線の一連の異なるビームkに関して、ステップ(i)、(ii)および(iii)を繰り返すステップ
(v)すべてのkに関して、結合されたセットの式(1)を解くことによって、因数Liを決定するステップ;
【数1】
・測定される放射線にセンサを提示し、エネルギ付与範囲[Ei、E’i]で計算Niを測定することにより付与スペクトルを決定することと、
・式(2)によって線量を決定することとを含む、方法。
【数2】
【請求項2】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
【数3】
【数4】
【請求項3】
放射線の特性は、線量であり、
・ユニット・フルエンスに起因する決定される線量を付与する所定の変換係数Ckを使用するステップであり、前記係数Ckは、空気中の線量に関してユニット・フルエンスあたりの空気カーマに関してICRU係数kk、または0.07mmの深さの線量に関してHp(0.07)係数、または各エネルギEkmonoに関して10mmの深さの線量に関してHp(10)係数であるステップと、
・式によってそれぞれの線量Dを決定するステップであり、Aは、前記センサの表面積であるステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【数5】
【請求項4】
推定、最尤法または反復法によって、結合されたセットの式を解くステップが行なわれる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つの検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、1つ以上の決定されたエネルギ閾値の間で、または閾値を超えて、前記センサに衝突し、時間内に前記エネルギ閾値を修正するようになされた前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
・(a)前記検知器の1つ以上の閾値を選択された値に設定するステップと、
・(b)時間間隔の間に、前記閾値を超えるエネルギで、検知された信号の数を計算するステップと、
・(c)前記閾値を修正するステップと、
・(d)一連のエネルギが覆われ、スペクトルが得られるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとを含む、方法。
【請求項6】
1つ以上の検知器ユニットを含む、放射線の1つ以上の特性を測定するための装置であって、
各検知器ユニットは、
・前記放射線の光子または荷電粒子に応じて電気パルスを生成するセンサであって、前記放射線が前記センサに衝突するセンサと、
・各々閾値を有し、前記電気パルスの値を前記閾値と比較し、前記閾値を越える前記電気パルスの値に応じて信号を生成するための手段を有する1つ以上の弁別器と、
・前記信号の数を計算するための前記各弁別器に関連する計算器とを含み、
前記装置は、計算器データからの前記放射線の前記特性を計算するようになされた計算ユニット(2)と、時間内に前記閾値を修正ようになされ、および/または各検知器ユニットのための制御ユニット(5)とを含む、装置。
【請求項7】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記パルスの高さを前記閾値と比較するための手段である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記電気パルスを積分するための手段と、積分値を前記閾値と比較するための手段とを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
放射線の前記特性は、前記放射線のエネルギ・スペクトルまたは最大放射線エネルギまたは線量を含む、請求項7〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
吸収材料の層が、検知器ユニットの上方に設けられている、請求項7〜9のうちのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
吸収材料の複数の層が、1つ以上の検知器ユニットの上方に各々設けられ、各層は、異なる厚みを有しおよび/または異なる材料からなる、請求項10に記載の装置。
【請求項1】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
・以下の(i)から(v)のステップを含む較正動作を行うことと、
(i)放射線のビームkを生成するステップであって、前記ビームが公知の線量Dkを生成するとともに、前記ビームが物理的に生成されるまたはモデルでシミュレートされるステップ
(ii)エネルギ付与範囲[Ei、E’i]に含まれた前記放射線ビームの計算Nkiを決定し、前記決定は、実測または前記モデルに基づいた計算によって得られるステップ
(iii)1セットの異なるエネルギ付与範囲[Ei、E’i]に関して、i=1からi=imaxまでステップ(ii)を繰り返すステップ
(iv)放射線の一連の異なるビームkに関して、ステップ(i)、(ii)および(iii)を繰り返すステップ
(v)すべてのkに関して、結合されたセットの式(1)を解くことによって、因数Liを決定するステップ;
【数1】
・測定される放射線にセンサを提示し、エネルギ付与範囲[Ei、E’i]で計算Niを測定することにより付与スペクトルを決定することと、
・式(2)によって線量を決定することとを含む、方法。
【数2】
【請求項2】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つ以上の検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、決定されたエネルギ範囲内またはエネルギ範囲を超えて、前記センサに衝突する前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
【数3】
【数4】
【請求項3】
放射線の特性は、線量であり、
・ユニット・フルエンスに起因する決定される線量を付与する所定の変換係数Ckを使用するステップであり、前記係数Ckは、空気中の線量に関してユニット・フルエンスあたりの空気カーマに関してICRU係数kk、または0.07mmの深さの線量に関してHp(0.07)係数、または各エネルギEkmonoに関して10mmの深さの線量に関してHp(10)係数であるステップと、
・式によってそれぞれの線量Dを決定するステップであり、Aは、前記センサの表面積であるステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【数5】
【請求項4】
推定、最尤法または反復法によって、結合されたセットの式を解くステップが行なわれる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
放射線の1つ以上の特性を決定する方法であって、
1つの検知器ユニットを含むセンサを使用し、検知器ユニットは、1つ以上の決定されたエネルギ閾値の間で、または閾値を超えて、前記センサに衝突し、時間内に前記エネルギ閾値を修正するようになされた前記放射線の光子または荷電粒子の数を計算することができ、
・(a)前記検知器の1つ以上の閾値を選択された値に設定するステップと、
・(b)時間間隔の間に、前記閾値を超えるエネルギで、検知された信号の数を計算するステップと、
・(c)前記閾値を修正するステップと、
・(d)一連のエネルギが覆われ、スペクトルが得られるまで、ステップ(b)および(c)を繰り返すステップとを含む、方法。
【請求項6】
1つ以上の検知器ユニットを含む、放射線の1つ以上の特性を測定するための装置であって、
各検知器ユニットは、
・前記放射線の光子または荷電粒子に応じて電気パルスを生成するセンサであって、前記放射線が前記センサに衝突するセンサと、
・各々閾値を有し、前記電気パルスの値を前記閾値と比較し、前記閾値を越える前記電気パルスの値に応じて信号を生成するための手段を有する1つ以上の弁別器と、
・前記信号の数を計算するための前記各弁別器に関連する計算器とを含み、
前記装置は、計算器データからの前記放射線の前記特性を計算するようになされた計算ユニット(2)と、時間内に前記閾値を修正ようになされ、および/または各検知器ユニットのための制御ユニット(5)とを含む、装置。
【請求項7】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記パルスの高さを前記閾値と比較するための手段である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記電気パルスの値を比較するための前記手段は、前記電気パルスを積分するための手段と、積分値を前記閾値と比較するための手段とを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
放射線の前記特性は、前記放射線のエネルギ・スペクトルまたは最大放射線エネルギまたは線量を含む、請求項7〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
吸収材料の層が、検知器ユニットの上方に設けられている、請求項7〜9のうちのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
吸収材料の複数の層が、1つ以上の検知器ユニットの上方に各々設けられ、各層は、異なる厚みを有しおよび/または異なる材料からなる、請求項10に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−526213(P2009−526213A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553681(P2008−553681)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001088
【国際公開番号】WO2007/090650
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507239592)フリードリヒ−アレクサンダー−ウニベルジテート・エアランゲン−ニュルンベルク (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001088
【国際公開番号】WO2007/090650
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507239592)フリードリヒ−アレクサンダー−ウニベルジテート・エアランゲン−ニュルンベルク (7)
【Fターム(参考)】
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