説明

放射線撮像装置

【課題】スリットコリメータによる拡大率を大きくするためには撮像領域を小さく制限する必要がある。そのため、撮像領域を制限することなく断層面内の空間分解能を向上させる手段が求められる。
【解決手段】本発明は、放射線を測定する検出器と、検出器が回転する円周の接線方向における放射線の入射方向を制限する能力が体軸方向と異なるパラレルホールコリメータを有し、前記パラレルホールコリメータの貫通穴には一つまたは複数の前記検出器が配置され、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを被検体を載せるベッドの周りで回転させるガントリを有し、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを回転させながら放射線を測定し、点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正するデータ処理装置を有する放射線撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射放射線分布を画像化する放射線撮像装置およびそれを用いた核医学診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放射線計測装置を核医学分野に応用した装置として、ガンマカメラを用いた単一光子放射型コンピュータ断層撮影(Single photon emission computed tomography:SPECT)がある。SPECTは、放射性同位体を含む化合物の分布を測定し、断層面のイメージを提供するものである。これまでのSPECT装置では、一枚の結晶からなるシンチレータと複数の光電子増倍管を組み合わせたものが主流である。これらのSPECT装置は、放射線の位置を重心演算で求める。しかしながら、この方法では、分解能10mm程度が限界であり、臨床現場で用いるには不十分である。したがって、より高い分解能を持つSPECT装置がもとめられている。
【0003】
近年、より高い分解能をもつものとして、ピクセル型検出器が開発されてきている。ピクセル型検出器には、シンチレータで構成されたものや、半導体で構成されたもの等がある。いずれも、小さな検出器単位、すなわちピクセル単位で位置信号を取得する。したがって、検出器の固有分解能は、ピクセルサイズで決定され、空間的に離散した計測を行う。ピクセルサイズが1,2mmのものも開発され、分解能は10mm以下を達成し、大幅に改善されてきた。
【0004】
また、断層面の再構成方法も開発,改良され、分解能向上に大きく貢献している。これまでは、フィルタ補正逆投影法(filtered back-projection法:FBP法),分解能補正なしの逐次近似法(MLEM,OSEM等)が用いられていた。近年、分解能補正ありの逐次近似法が開発されている(非特許文献1)。この方法は、コリメータや検出器の幾何学的形状,散乱線等の物理的要因を考慮して再構成できる。したがって、より正確な画像を提供することができる。
【0005】
現在、高空間分解能かつ高感度であるSPECT撮像装置が、臨床において求められている。分解能や感度を決定する要因としては、放射線源との距離,セプタの厚さ,放射線のエネルギー,散乱,吸収等多くある。その要因のうち、セプタの高さと開口部のサイズが、分解能と感度の決定に大きく関与する。高分解能を得るためには、検出器に入射する放射線の到来方向をコリメータで制限する必要がある。このためには、検出器が測定対象物を見込む視野を、コリメータによって狭めればよい。このようなコリメータとして例えば、Low energy high resolution(LEHR)コリメータが知られている。しかし、この制限によって、感度が犠牲になる。
【0006】
高感度を得るために、コリメータの貫通穴のサイズを大きくしなければならないが、分解能が悪化する。このようなコリメータとして、Low energy general purpose(LEGP)コリメータやLow energy high sensitivity(LEHS)コリメータが知られている。従来機では、高分解能と高感度が両立しないので、用途に応じてコリメータを入れ替える必要があり、臨床現場の負担となる。
【0007】
そこで、感度と分解能を両立する装置として、一つの矩形貫通穴に複数の検出器が含まれる、新しいタイプのSPECT装置が発明された。このSPECT装置では、貫通穴のサイズが同じとき、貫通穴と検出器が一対一対応である従来機よりも、高い分解能が得られることが実証されている(特許文献1,非特許文献2)。
【0008】
また、スリットコリメータとスラットコリメータを用いることにより、断層画像における空間分解能を向上する方法がある(特許文献2)。ここで、検出器面における座標軸として検出器の回転軸に平行な座標軸を体軸方向、もう一方を接線方向と定義すると、スリットコリメータは接線方向に対してはピンホールコリメータのように像を拡大してガンマ線を収集し、スラットコリメータは体軸方向に対してはパラレルホールコリメータのようにガンマ線を収集する。この方式により検出器面内における接線方向の空間分解能が向上し、結果として画像再構成した断層画像における空間分解能が向上する。
【0009】
また、特許文献3には、コリメータ2について、セプタ24を超えて中心側へ伸びる突出壁23の記載があるが、平面画像は4つのリニア軌道に沿ってデジタル的に獲得されることが記載され、回転させて撮像するものではない(特許文献3の0036段)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2008/046971号公報
【特許文献2】特表2008−524554号公報
【特許文献3】特表2003−520348号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Panin VY, et al, Fully 3-D PET reconstruction with system matrix derived from point source measurements. IEEE Trans Med Imaging. 2006 Jul;25(7):907-921
【非特許文献2】C. Robert et al. 2008 IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record Vol6 pp.4246-4251
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
分解能を補正する画像再構成法や、一つのコリメータ穴に複数の検出器が含まれる構成により、従来よりも高分解能の画像が取得可能となったが、依然としてコリメータのセプタの高さに依存した分解能と感度のトレードオフが存在する。したがって、このトレードオフを改善するさらなる手段が求められる。また、スリットコリメータとスラットコリメータを用いた断層面内の空間分解能を向上させる方式では、スリットコリメータによる拡大率を大きくするために撮像領域を小さく制限する必要がある。そのため、撮像領域を制限することなく断層面内の空間分解能を向上させる手段が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、放射線を測定する検出器と、検出器が回転する円周の接線方向における放射線の入射方向を制限する能力が体軸方向と異なるパラレルホールコリメータを有し、前記パラレルホールコリメータの貫通穴には一つまたは複数の前記検出器が配置され、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを被検体を載せるベッドの周りで回転させるガントリを有し、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを回転させながら放射線を測定し、点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正するデータ処理装置を有する放射線撮像装置としたものである。
【発明の効果】
【0014】
このような構成により、検出器面内の接線方向の空間分解能が向上し、結果として再構成した断層画像における空間分解能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施例のコリメータを示した図である。
【図2】本発明の実施例に用いたSPECT装置(ガンマカメラ)を示した図である。
【図3】ピクセル型の検出器およびコリメータの一般的な配置例を示した図である。
【図4】本実施例に用いたピクセル型の検出器の例1を示した図である。
【図5】本実施例に用いたピクセル型の検出器の例2を示した図である。
【図6】本実施例に用いたピクセル型の検出器の例3を示した図である。
【図7】本実施例に用いたピクセル型の検出器の例4を示した図である。
【図8】本実施例に用いたピクセル型の検出器の例5を示した図である。
【図9】本実施例に用いたピクセル型の検出器およびコリメータの配置例を示した図である。
【図10】レイ・トレースのシミュレーションを示す図である。
【図11】検出器およびコリメータの幾何配置を示した図である。
【図12】数値ファントムの再構成画像を示した図である。
【図13】従来コリメータにセプタを追加した図である。
【図14】体軸方向のセプタの長さが接線方向よりも長いコリメータを示した図である。
【図15】コリメータの開口部が長方形の場合を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施例1)
以下、本発明の「放射線撮像装置とその再構成方法」を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本発明のSPECT装置の構成および画像再構成について説明する。次に、本発明により断層画像における空間分解能が向上した例について説明する。
【0017】
はじめに、SPECT装置の構成について簡単に説明する。図2に示すように、SPECT装置1は、ガントリ10,カメラ(撮像装置)11A,11B,データ処理装置12,表示装置13等を含んで構成される。被検者15は、放射性薬剤、例えば、半減期が6時間の99mTcを含んだ薬剤を投与される。ベッド14に載せられた被検者15の体内の99mTcから放出されるγ線をガントリ10に支持されたカメラ11で検出して断層画像を撮像する。
【0018】
カメラ11は、コリメータ26と検出器21から構成される。コリメータ26は被検者15の体内から放出されるγ線を選別し、一定方向のγ線のみを通過させる役割を有する。コリメータ26を通過したγ線を検出器21で検出する。カメラ11は、γ線の検出信号を計測するための特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)25を備える。γ線の検出信号は、検出器基板23,ASIC基板24を介して、ASIC25にγ線を検出した検出器21のID、検出したγ線の波高値や検出時刻が入力される。鉄,鉛等でできた遮光・γ線・電磁シールド29は、検出器21,検出器基板23,ASIC基板24,ASIC25,コリメータ26を囲んでおり、光,γ線,電磁波を遮断する。データ処理装置12は、記憶装置及び断層像情報作成装置(図示せず)を有する。データ処理装置12は、計測したγ線の波高値,検出時刻のデータ及び検出器(チャンネル)IDを含むパケットデータを取り込み、平面像を生成、もしくはサイノグラムデータに変換して断層像情報を生成し、表示装置13に表示する。
【0019】
カメラ11はガントリ10の半径方向及び周方向に可動する。断層像撮像時には、カメラ11はガントリ取り付け部を軸として回転し、被検者15の体内の腫瘍等に集積した放射性薬剤から発生するγ線を検出して腫瘍の位置を同定する。
【0020】
検出器21は、図4,図5,図6,図7,図8に示すようにピクセルごとに区切られており、この検出器21が多数配置された検出器群21Aを構成している。したがって、1枚の大きな結晶からなるシンチレータと異なり、検出信号は、各検出器21単位、つまりピクセル単位で収集される。なお、検出器群21Aは、ピクセルに区切られているが、図5のように、電極がピクセルに区切られたものであってもよい。
【0021】
コリメータ26は鉛製であり、貫通穴27を有し、貫通穴27は碁盤目状に配置されている。各貫通穴27は、セプタ28によって、仕切られている。一般的には図3に示すように、貫通穴27と検出器21が一対一で対応している。本発明では、座標系を図3に示すようにx,y,z方向を定義する。つまり、xy平面内に検出器が配置されている。このとき、検出器の回転軸に平行な軸である体軸方向をy、もう一方の軸である検出器が回転する円周の接線方向をxとする。また、一般的にはセプタ28のz方向(回転中心への半径方向)の長さはx,y方向において等しい。本実施例では、図9に示すように、コリメータ26の貫通穴27開口部の面積は、検出器21四個分の面積に等しい場合について示す。ただし、本発明は1つの貫通穴27にN個の検出器を含む場合においても適用可能である。また、Nは整数でなくてもよい。
【0022】
本発明におけるセプタ28の形状を図1に示す。本発明におけるセプタ28は接線方向であるx方向に並べられたセプタ28のz方向の長さの方が体軸方向であるy方向に並べられたセプタ28のz方向の長さよりも長い。また、このセプタを複数、パラレル(平行)に設けている。このような構成により、検出器面内の接線方向であるx方向の空間分解能が向上し、結果として再構成した断層画像における空間分解能が向上する。
【0023】
次に、データ処理装置で実行される画像再構成について説明する。検出器群21が測定対象に対してある角度をなしているとき、検出器iのカウント数yiは、検出再構成画素jのカウント数をλjとして、
i=ΣCijλj 式(1)
となる。ここで、Cijは検出器iに検出される確率を表す。上式から、逐次近似再構成法(MLEM,OSEM,MAP等)を用いて画像を再構成する。検出器の点応答関数を逐次近似画像再構成に組み込むことにより、空間分解能を補正することが可能である。点応答関数とは、点線源から発生した放射線を検出器21が検出する確率であり、式(1)の検出確率Cijに等しい。この点応答関数を用いることで、MLEM,OSEM等の逐次近似再構成法からより正確な画像を再構成することができる。
【0024】
点応答関数はレイ・トレースによるシミュレーションによって計算することが可能である。このシミュレーションでは、点線源からγ線としてレイを飛ばし、そのレイが物質を横切る長さを計算して検出器応答を計算する。例えば、図10に示すように、ガンマ線であるレイがコリメータ26と検出器を横切る長さをそれぞれL1,L2とすると、検出されるカウントは、exp(−μ11)×{1−exp(−μ22)}で表すことができる。ここで、μ1,μ2の値は、それぞれ、放射性薬剤から発生するγ線に対するコリメータ26と検出器21の減弱係数の値である。したがって、本発明によるSPECT装置1においては、シミュレーションにより図1に示したコリメータ形状に対する点応答関数を求め、この点応答関数を逐次近似再構成に組み込むことで空間分解能を補正し、断層像における空間分解能が向上した画像を作成することが可能となる。また、特許文献2の方法では、スリットコリメータによる拡大率を大きくするために撮像領域を小さく制限する必要があるが、本発明はパラレルホールコリメータであるため、撮像領域を制限することなく断層面内の空間分解能を向上させることが可能である。
【0025】
次に、本発明を適用した再構成画像について説明する。ここでは、セプタ28のz方向長さが体軸方向yと接線方向xで等しい従来のコリメータAとセプタ28のz方向長さが体軸方向yより接線方向xの方が長いコリメータBについて比較した。
【0026】
はじめに検出器21およびコリメータ26の幾何形状を図11を用いて説明する。検出器21のピッチdは1.4mm、長さDは5mm、検出器間の隙間Tはx方向が0.2mm、y方向が0.1mmである。コリメータAにおけるセプタ28のz方向の長さLはx方向、y方向ともに19.2mm、コリメータBにおけるセプタ28のz方向の長さLはx方向が26mm、y方向が14mmである。2つのコリメータ28に共通なパラメータである厚さtは0.4mm、セプタ28と検出器21との距離ΔLは8mm、コリメータ28のピッチ2dは2.8mmである。また、コリメータAとコリメータBの感度は同等である。
【0027】
次に、レイ・トレースによるシミュレーションによりコリメータAとコリメータBの点応答関数を求める。求めた点応答関数を用いて、図12(a)に示した数値ファントムからコリメータA,コリメータBに対する投影像を作成する。投影データのマトリックスサイズはx×y=256×96、マトリックスピッチはx=y=1.4mm、投影方向の数は120、回転のピッチは3度である。また、検出器の回転半径は132mmとした。これらの投影像から、点応答関数を組み込んだ逐次近似再構成により得られたコリメータA,コリメータBに対する再構成画像をそれぞれ図12(b),(c)に示す。再構成画像のマトリックスサイズは256×256、マトリックスピッチは1.4mmである。再構成法にはOSEMを用い、サブセットは30、反復回数は5とした。図12(b)と(c)を比較すると、本発明の実施例の方法であるコリメータBの方が断層画像における空間分解能が高いことが分かる。したがって、従来のコリメータAと同じ感度を維持しつつ、断層面内の空間分解能を向上させることができる。
【0028】
(実施例2)
図13に示すように、本発明におけるコリメータ26は、セプタ28のz方向長さが体軸方向yと接線方向xで等しい従来のコリメータ26における接線方向に、セプタを追加することで実現することも可能である。これにより、セプタ28を追加する前のコリメータ26は高感度コリメータとして使用することが可能であり、セプタ追加後のコリメータ26は高分解能コリメータとして使用可能である。この方式の長所としては、コリメータ26の交換が簡便であるということが挙げられる。
【0029】
(実施例3)
実施例1では、セプタ28のz方向長さが接線方向xの方が体軸方向yより長いコリメータ26について説明したが、この方式とは逆に、図14に示すようにセプタ28のz方向長さが、体軸方向yに並べられたセプタの方が接線方向xに並べられたセプタの方よりも長いコリメータ26を用いることで体軸方向の分解能を向上させることも可能である。
【0030】
(実施例4)
実施例3の図14では、セプタが一体の構成であったが、図13のようにセプタを追加する構成としてもよい。
【0031】
(実施例5)
実施例1では、コリメータ26の貫通穴27開口部が正方形の場合において、セプタ28のz方向長さが体軸方向yより接線方向xの方が長いコリメータ26により、接線方向xの空間分解能を向上させ、結果として再構成した断層画像の空間分解能を向上させた。接線方向xの空間分解能を向上させる方法として、セプタ28のz方向長さを体軸方向yと接線方向xに等しいコリメータ26において貫通穴27の開口部を長方形にしてもよい。つまり、図15に示すように、開口部における接線方向xの長さが、体軸方向yの長さよりも短くする。また、更にこのとき、セプタ28のz方向長さを、開口部が正方形の場合の従来のコリメータ方式よりも長くすることで、接線方向xの空間分解能をより向上させることができる。これにより、実施例1と同様に断層画像の空間分解能を向上することが可能となる。図15では、1つの貫通穴27に6個の検出器を含む場合を示したが、開口部が長方形である1つの貫通穴27にN個の検出器を含む場合においても適用可能である。また、Nは整数でなくてもよい。
【0032】
(実施例6)
実施例5では、接線方向xの空間分解能を向上させる方法として、セプタ28のz方向長さを体軸方向yと接線方向xに等しいコリメータ26において貫通穴27の開口部における接線方向xの長さが、体軸方向yの長さよりも短くする長方形にしたが、これとは逆に体軸方向yの長さが、接線方向xの長さよりも短くすることで、体軸方向yの空間分解能を向上させることができる。また、更にこのとき、セプタ28のz方向長さを、開口部が正方形の場合の従来のコリメータ方式よりも長くすることで、体軸方向yの空間分解能をより向上させることができる。開口部が長方形である1つの貫通穴27にN個の検出器を含む場合においても適用可能である。また、Nは整数でなくてもよい。
【0033】
なお、実施例5,6は、セプタの長さを変えなくても空間分解能を変更できるので実施例1,2とは独立したものである。つまり、放射線を測定する検出器(21)と、放射線の入射方向を制限するパラレルホールコリメータ(26,28)を有し、コリメータの貫通穴である開口部には複数の検出器が接線方向xの長さが体軸方向yの長さよりも短くする長方形に配置され(図15)、点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正する手段(12)を有する放射線撮像装置としてもよい。また、放射線を測定する検出器(21)と、放射線の入射方向を制限するパラレルホールコリメータ(26,28)を有し、コリメータの貫通穴である開口部には複数の検出器が体軸方向yの長さが接線方向xの長さよりも短くする長方形に配置され、点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正する手段(12)を有する放射線撮像装置としても良い。
【0034】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0035】
また、上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成,機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル,測定情報,算出情報等の情報は、メモリや、ハードディスク,SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード,SDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。よって、各処理,各構成は、処理部,処理ユニット,プログラムモジュールなどとして各機能を実現可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 SPECT装置(ガンマカメラ)
10 ガントリ
11A,11B カメラ
12 データ処理装置
13 画像表示装置
14 ベッド
15 被検者
21,21A,21B,21C,21D,21E (半導体)検出器
22,22A 電極
23 検出器基板
24 ASIC基板
25 集積回路(ASIC)
26 コリメータ
27 貫通穴
28 セプタ
29 遮光・γ線・電磁シールド
30 検出器の境界面
31 不感領域
32 点線源
33 レイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を測定する検出器と、検出器が回転する円周の接線方向における放射線の入射方向を制限する能力が体軸方向と異なるパラレルホールコリメータを有し、前記パラレルホールコリメータの貫通穴には一つまたは複数の前記検出器が配置され、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを被検体を載せるベッドの周りで回転させるガントリを有し、前記検出器と前記パラレルホールコリメータを回転させながら放射線を測定し、点応答関数を画像再構成に組み込むことで空間分解能を補正するデータ処理装置を有する放射線撮像装置。
【請求項2】
請求項1において、前記パラレルホールコリメータは、回転する円周の半径方向へのセプタの長さは接線方向に並べられたセプタの方が体軸方向に並べられたセプタよりも長いことを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項3】
請求項2において、セプタの半径方向への長さが接線方向に並べられたセプタと体軸方向に並べられたセプタで等しいコリメータに対して、接線方向に並べられたセプタに別のセプタを追加することで半径方向へ長くしたセプタであることを特徴とした放射線撮像装置。
【請求項4】
請求項1において、前記パラレルホールコリメータは、回転する円周の半径方向へのセプタの長さは体軸方向に並べられたセプタの方が接線方向に並べられたセプタよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
請求項4において、セプタの半径方向への長さが接線方向に並べられたセプタと体軸方向に並べられたセプタで等しいコリメータに対して、体軸方向に並べられたセプタに別のセプタを追加することで半径方向へ長くしたセプタであることを特徴とした放射線撮像装置。
【請求項6】
コリメータの開口部が長方形であり、開口部の接線方向の長さが体軸方向よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
コリメータの開口部が長方形であり、開口部の体軸方向の長さが接線方向よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−177555(P2012−177555A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39184(P2011−39184)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】