説明

放射線検出器

【課題】高密度で並べることができ、接続信頼性の高い放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線検出器1は、放射線を検出可能な半導体素子と、半導体素子が固定される基板20と、半導体素子の基板20の反対側に設けられる素子用電極に接続する接続パターンを有し、可撓性を有するフレキシブル基板40とを備え、半導体素子は、基板20の一方の面に設けられ、フレキシブル基板40は、半導体素子の基板20の反対側に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出器に関する。特に、本発明は、γ線、X線等の放射線を検出する放射線検出装置に用いる放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の放射線検出器として、複数のコモン電極板と、複数の半導体セルと、複数の電極板とを、コモン電極板、半導体セル、電極板、半導体セル、コモン電極板・・・のように積層させた積層体を2つのフレームの間に設け、一方のフレームと他方のフレームとをピンで固定することにより構成される放射線検出器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の放射線検出器は、横方向に隣接する一対の半導体セルがコモン電極板を共有するので、放射線を検出できない領域を減少させることができ、放射線の検出効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6236051号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に係る放射線検出器は、コモン電極板、半導体セル等の複数の構成部材を積層させて放射線検出装置が構成されることから、構成部材を積み重ねるごとに各構成部材が有する寸法誤差が加算されるので、半導体セル間の間隔を予め定められた間隔に厳密に制御しつつ、複数の半導体セルを高密度で並べることが困難である。また、特許文献1に係る放射線検出器は、2つのフレームをピンで締め付けることにより構成されるので、半導体セルに締め付けによる圧力を均等に加えることが難しく、半導体セルと単極板とを適切に接続させることができない場合があると共に、締め付けが大きすぎる場合、半導体セルに機械的なストレスが加わることがある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、高密度で並べることができ、接続信頼性の高い放射線検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、放射線を検出可能な半導体素子と、半導体素子が固定される基板と、半導体素子の基板の反対側に設けられる素子用電極に接続する接続パターンを有し、可撓性を有するフレキシブル基板とを備え、半導体素子は、基板の一方の面に設けられ、フレキシブル基板は、半導体素子の基板の反対側に設けられる放射線検出器が提供される。
【0008】
また、上記放射線検出器は、フレキシブル基板は、可撓性を有するベースフィルムと、ベースフィルムに貼り合わされる絶縁膜とを有し、接続パターンは、ベースフィルムと絶縁膜との間に設けられてもよい。
【0009】
また、上記放射線検出器は、半導体素子と基板との間に設けられ、基板の一方の面に接続する他の半導体素子を更に備えてもよい。
【0010】
また、上記放射線検出器は、半導体素子と他の半導体素子との間に、半導体素子及び他の半導体素子のそれぞれに接続する接続パターンを両面に有する両面パターン付フレキシブル基板を更に備えてもよい。
【0011】
また、上記放射線検出器は、前記基板は、前記半導体素子が設けられている前記基板の第一の端部に対向する第二の端部側に、外部の回路基板と接続可能に設けられるカードエッジ部を更に有してもよい。
【0012】
また、上記放射線検出器は、複数の放射線検出器が並べられて構成される放射線検出装置用の放射線検出器であってもよい。
【0013】
また、上記放射線検出器は、基板は、複数の半導体素子を有し、複数の半導体素子は、基板の一方の面及び他方の面に、基板を対称面として設けられてもよい。
【0014】
また、上記放射線検出器は、基板は、複数の開口を有するコリメータの複数の開口を隔てる壁部の厚さと同程度の厚さ、又は壁部の厚さ以下の厚さを有してもよい。
【0015】
また、上記放射線検出器は、半導体素子は、放射線を検出する複数の画素を有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る放射線検出器によれば、高密度で並べることができ、接続信頼性の高い放射線検出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明の実施の形態に係る放射線検出器の斜視図である。
【図1B】本実施の形態に係る放射線検出器からフレキシブル基板を除いた場合の斜視図である。
【図1C】本発明の実施の形態に係る放射線検出器の部分断面図である。
【図2A】本実施の形態に係る基板の正面図である。
【図2B】本実施の形態に係る基板に複数のCdTe素子を搭載した場合の斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る基板にCdTe素子を搭載した状態の一部分を上面から示した模式的な拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るフレキシブル基板の斜視図である。
【図5A】本実施の形態に係るカードホルダの表面側からの斜視図である。
【図5B】本実施の形態に係るカードホルダの裏面側からの斜視図である。
【図6】本実施の形態に係るカードホルダの突起部が溝付部に嵌合した状態の模式的な断面図である。
【図7A】本実施の形態に係る複数の放射線検出器が並べられて構成されるエッジオン型の放射線検出装置の斜視図である。
【図7B】放射線検出器立ての支持体の側面の模式的な図である。
【図8】本実施の形態に係る放射線検出器上にコリメータを備え付けた場合の模式的な断面の部分的な拡大図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例に係る放射線検出器の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態]
図1Aは、本発明の実施の形態に係る放射線検出器の斜視図であり、図1Bは、本実施の形態に係る放射線検出器からフレキシブル基板を除いた場合の斜視図である。また、図1Cは、本発明の実施の形態に係る放射線検出器の模式的な部分断面図である。なお、図1Cにおいては、説明の便宜上、カードホルダ30及びカードホルダ31の図示は省略した。
【0019】
(放射線検出器1の構成の概要)
本実施の形態に係る放射線検出器1は、γ線、X線等の放射線を検出する放射線検出器である。図1Aにおいて放射線100は、紙面の上方から下方に沿って伝搬してくる。すなわち、放射線100は、放射線検出器1の半導体素子からカードホルダに向かう方向に沿って伝搬して放射線検出器1に到達する。そして、放射線検出器1は、半導体素子としてのCdTe素子10の側面(つまり、図1Aの上方に面している面)において放射線100を検出する。したがって、CdTe素子10の側面が放射線100の入射面となっている。このように、半導体素子の側面を放射線100の入射面とする放射線検出器を、本実施の形態ではエッジオン型の放射線検出器と称する。なお、放射線検出器1は、特定の方向(例えば、被検体から放射線検出器1に向かう方向)に沿って伝搬してくる放射線100が通過する複数の開口を有するコリメータを介して放射線100を検出する複数の放射線検出器1が並べられて構成されるエッジオン型の放射線検出装置用の放射線検出器1として構成することができる。また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、カード型の形状を呈する。
【0020】
なお、本実施の形態に係る放射線検出器1は、コリメータを備えることができる。また、放射線検出器1は、コリメータを備えずに用いることもできる。コリメータを用いる場合、多孔平行コリメータ、ピンホールコリメータ等を用いることができる。本実施の形態では、一例として、多孔平行コリメータを用いる場合について説明する。
【0021】
具体的に、図1Aを参照すると、放射線検出器1は、コリメータの複数の開口を介して放射線100を検出可能な一対の半導体素子としての一対のCdTe素子10と、コリメータの複数の開口を隔てる壁部と同程度又は当該壁部の厚さ以下の厚さを有する薄い基板20と、一対の半導体素子10の隣接部分にて基板20を挟み込むことにより基板20を支持する支持部材としてのカードホルダ30及びカードホルダ31とを備える。そして、本実施の形態においては、一対のCdTe素子10が4組、基板20を挟み込む位置において基板20に固定される。すなわち、各組の一対のCdTe素子10は、基板20の一方の面側と他方の面側とのそれぞれに基板20を対称面として対称の位置に固定される。本実施の形態では、複数のCdTe素子10はそれぞれ、基板20に直接、固定される。
【0022】
また、詳細は後述するが、基板20は第1の支持部としてのカードホルダ30と第2の支持部としてのカードホルダ31とに挟み込まれて支持される。カードホルダ30とカードホルダ31とはそれぞれ同一形状を有して形成され、カードホルダ30が有する溝付穴34にカードホルダ31が有する突起部36が嵌合すると共に、カードホルダ31が有する溝付穴34(図示しない)にカードホルダ30が有する突起部36(図示しない)が嵌合することにより基板20を支持する。
【0023】
また、弾性部材実装部32及び凹部32aは、複数の放射線検出器1を支持する放射線検出器立てに放射線検出器1が挿入された場合に、放射線検出器1を放射線検出器立てに押し付けて固定する弾性部材が設けられる部分である。なお、放射線検出器立てはカードエッジ部29が挿入されるコネクタを有しており、放射線検出器1は、カードエッジ部29がコネクタに挿入され、コネクタとパターン29aとが電気的に接続することにより外部の電気回路としての制御回路、外部からの電源線、グランド線等に接続される。
【0024】
また、図1A乃至図1Cを参照すると、放射線検出器1は、一対のCdTe素子10の基板20の反対側に、各CdTe素子10の素子用電極としての電極パターンと複数の基板端子22とのそれぞれを電気的に接続する接続パターンとしての配線パターン(CdTe素子10の基板20の反対側の素子表面10aの電極パターン、及びフレキシブル基板40のCdTe素子10側の配線パターンは図示しない)を有するフレキシブル基板40を更に備える。
【0025】
フレキシブル基板40は、一対のCdTe素子10の一方のCdTe素子10側、及び他方のCdTe素子10側の双方に設けられる(本実施の形態においては、4組の一対のCdTe素子10の一方のCdTe素子10側のそれぞれと、他方のCdTe素子10側のそれぞれとの双方に、フレキシブル基板40がそれぞれ設けられる)。そして、フレキシブル基板40の複数の配線パターンの一端はそれぞれ、カードホルダ30及びカードホルダ31の複数のフレキリード結合部としての接合部38のそれぞれにおいて基板端子22に電気的に接続する。具体的に、フレキシブル基板40の配線パターンの一方の端は、CdTe素子10の素子表面10aに導電性接着剤等で接続される。そして、当該配線パターンの他方の端は、基板端子22の端子表面22aに導電性接着剤等を用いて電気的に接続される。
【0026】
すなわち、本実施の形態においては、一対のCdTe素子10のうち、第1の半導体素子としての一方のCdTe素子10は、基板20の一方の面に固定されると共に、基板20に固定されている表面の反対の表面に第1の素子用電極としての電極パターンが形成されている。同様にして、第2の半導体素子としての他方のCdTe素子10は、基板20の他方の面に固定されると共に、基板20に固定されている表面の反対の表面に第2の素子用電極としての電極パターンが形成されている。
【0027】
そして、一方のCdTe素子10の電極パターンに接続する第1の接続パターンとしての配線パターンを有する第1のフレキシブル基板としてのフレキシブル基板40は、一方のCdTe素子10の表面及びカードホルダ30の一部を覆うようにして設けられる。すなわち、第1のフレキシブル基板としてのフレキシブル基板40は、一方のCdTe素子10の電極パターンに配線パターンの一端が接続され、配線パターンの他端が結合部38において基板端子22へ電気的に接続するように設けられると共に、フレキリード結合部としての結合部38の周辺を覆うように設けられる。
【0028】
同様にして、他方のCdTe素子10の電極パターンに接続する第2の接続パターンとしての配線パターンを有する第2のフレキシブル基板としてのフレキシブル基板40は、他方のCdTe素子10の表面及びカードホルダ31の一部を覆うようにして設けられる。すなわち、第2のフレキシブル基板としてのフレキシブル基板40は、他方のCdTe素子10の電極パターンに配線パターンの一端が接続され、配線パターンの他端が結合部38において基板端子22へ電気的に接続するように設けられると共に、結合部38の周辺を覆うように設けられる。
【0029】
図2Aは、本実施の形態に係る基板の正面図であり、図2Bは、本実施の形態に係る基板に複数のCdTe素子を搭載した場合の斜視図である。
【0030】
(基板20の詳細)
本実施の形態に係る基板20は、金属導体等の導電性材料からなる導電性薄膜(例えば、銅箔)が表面に形成された薄肉基板(例えば、FR4等のガラスエポキシ基板)を、ソルダーレジスト等の絶縁材料からなる絶縁層20bで挟んで形成される。そして、基板20は、可撓性を有すると共に、コリメータの複数の開口を隔てる壁部と同程度又は当該壁部の厚さ以下の厚さを有する。一例として、コリメータの複数の開口は略四角形状に形成される。そして、複数の開口の開口径のサイズは一辺が1.2mmに形成され、各開口が1.4mmピッチでマトリックス状に並べられて形成される。したがって、コリメータは、一の開口と、この一の開口に隣接する他の開口とを隔てる壁の厚さが0.2mmである。本実施の形態では、例えば、基板20は0.3mm以下の厚さを有して形成され、好ましくは、コリメータの各開口を隔てる壁の厚さと略同一の厚さ(一例として、0.2mm)、又はこの壁の厚さ以下の厚さを有して形成される。
【0031】
また、基板20は、複数のCdTe素子10のそれぞれが搭載される第一の端部側の幅が、複数のCdTe素子10が搭載される第一の端部側の反対側の第二の端部側よりも広く形成される。なお、第二の端部側において基板20はカードホルダ30及びカードホルダ31によって支持される。また、基板20の幅広に形成される領域の一部には、複数のCdTe素子10のそれぞれと電気的に接続する複数の素子接続部20aが設けられ、素子接続部20aが設けられる第一の端部に対向する第二の端部側には、放射線検出器1と外部の制御回路とを電気的に接続可能である複数のパターン29aが設けられたカードエッジ部29が設けられる。また、素子接続部20aとカードエッジ部29との間には、複数のCdTe素子10のそれぞれと電気的に接続する抵抗、コンデンサ等の電子部品を搭載する複数の電子部品搭載部26が設けられる。なお、電子部品搭載部26に、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Field Programmable Gate Array(FPGA)等を搭載することもできる。
【0032】
なお、基板20は、一例として、幅広の方向、すなわち長手方向は40mm程度の長さを有して形成される。そして、基板20は、幅広の部分の端部から幅が狭くなっている部分の端部まで、すなわち、素子接続部20aが設けられている部分の端からカードエッジ部29の端までの短手方向において、20mm程度の長さを有して形成される。
【0033】
更に、基板20は、素子接続部20aと電子部品搭載部26との間に、基板20の表面からこの表面の法線方向に沿って突き出て形成される柱状の複数の基板端子22を有する。本実施の形態では、一例として、基板20の一表面に4つの円柱状の基板端子22が形成される。なお、基板端子22は、断面が矩形の柱状にすることもできる。更に、基板20は、幅広の部分の角部にグランド28を有すると共に、グランド28が設けられる領域に、カードホルダ30及びカードホルダ31の突起部36が挿入される複数の貫通穴24が設けられる。
【0034】
また、素子接続部20aと、基板端子22と、電子部品搭載部26と、グランド28と、パターン29aとはそれぞれ、基板20の厚さ方向の中心に位置する導電性薄膜を対称面として、基板20の一方の表面と他方の表面とのそれぞれに設けられる。ここで、素子接続部20aと、電子部品搭載部26と、グランド28と、パターン29aとはそれぞれ、一方の表面と他方の表面とに基板を対称面として略対称の位置に設けられる。一方、複数の基板端子22は、一方の面と他方の面とで互い違いとなる位置に設けられる。更に、複数のグランド28はそれぞれ、導電性薄膜を被覆する絶縁層20bを除去することにより導電性薄膜を外部に露出させて形成される。
【0035】
(CdTe素子10の詳細)
図2Aに示した基板20の素子接続部20aのそれぞれに複数のCdTe素子10を搭載することにより、図2Bに示すような、複数のCdTe素子10が搭載された基板20が形成される。具体的には、複数の素子接続部20aのそれぞれに導電性接着剤、例えば、Agペースト等を用いて複数のCdTe素子10が基板20に固定される。本実施の形態では、基板20の一方の面及び他方の面にそれぞれ4つのCdTe素子10が固定されるので、一の放射線検出器1は、8つのCdTe素子10を備えることになる。
【0036】
なお、CdTe素子10は、略直方体状に形成され、素子接続部20aに接続する側の素子表面と、この素子表面に対向する素子表面とのそれぞれに電極パターンが設けられる(図示しない)。放射線は各CdTe素子10の端部から入射して、カードエッジ部29側に向かってCdTe素子10中を伝搬する。また、素子接続部20aに接続する側の素子表面に対向する素子表面に設けられる電極パターンは、フレキシブル基板40の配線パターンと電気的に接続する。また、本実施の形態において、放射線の検出にCdTe素子10を用いたが、γ線等の放射線を検出できる限り、半導体素子はCdTe素子10に限られない。例えば、半導体素子として、CdZnTe(CZT)素子、HgI素子等の化合物半導体素子を用いることもできる。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る基板にCdTe素子を搭載した状態の一部分を上面から示した模式的な拡大図である。
【0038】
本実施の形態においては、基板20の一方の面と他方の面とのそれぞれに複数のCdTe素子10が搭載される。各CdTe素子10は、フレキシブル基板40の配線パターンに接続する電極パターン(図示しない)を素子表面10aに有すると共に、複数の溝部10cを基板20側の素子表面10bに有する。また、CdTe素子10はそれぞれ、複数の溝部10cの間の素子表面10bに、基板20の素子接続部20aに接続する電極パターンを有する(図示しない)。
【0039】
また、一のCdTe素子10の複数の溝部10cは、素子表面10bに略等間隔で設けられる。一例として、一のCdTe素子10は、7つの溝部10cを有する。溝部10cで分けられるCdTe素子10の部分のそれぞれが、放射線を検出する1つの画素(ピクセル)に対応する。これにより、一のCdTe素子10は、複数の画素を有することになる。そして、1つの放射線検出器1が8つのCdTe素子10(4組の一対のCdTe素子10)を備え、1つのCdTe素子10がそれぞれ8つのピクセルを有する場合、1つの放射線検出器1は、64ピクセルの解像度を有することになる。溝部10cの数を増減させることにより、一のCdTe素子10のピクセル数を増減させることができる。
【0040】
CdTe素子10は、基板20の素子接続部20aに導電性接着剤50によって固定される。ここで、本実施の形態においては、一方のCdTe素子10の一のピクセル部分と、この一のピクセル部分に基板20を対称面として対称の位置に設けられる他方のCdTe素子10の一のピクセル部分とは、導電性接着剤50aと導電性接着剤50bとで基板20に固定されると共に、基板20を貫通する導通部(図示しない)によって電気的に接続される。
【0041】
基板20の厚さTは、0.3mm以下、好ましくは0.2mmであり、溝部10cの幅Tは、一例として、0.2mmである。そして、CdTe素子10の厚さTは、一例として、1.2mmである。更に、図3を参照すると、一のピクセルの幅もCdTe素子10の厚さTに等しい幅Tを有して形成される。したがって、一のピクセルは、上面視にて一の隅部が溝部10cで欠けた略正方形状を有する。また、本実施の形態においては、複数のCdTe素子10それぞれの溝部10cの幅を、例えば、コリメータの開口径又は複数の開口を隔てる壁の厚さに応じて決定できる。
【0042】
(フレキシブル基板40の詳細)
図4は、本発明の実施の形態に係るフレキシブル基板の斜視図である。
【0043】
本実施の形態に係るフレキシブル基板40は、可撓性を有すると共に電気絶縁性の絶縁材料からなるベースフィルムと、ベースフィルム表面の予め定められた位置に形成される配線パターンと、配線パターンを覆うと共に配線パターンの一部を露出させる絶縁膜とを有する。フレキシブル基板40の表面40bはその全面が絶縁性材料で覆われる。また、フレキシブル基板40の裏面40cにおいては、複数のCdTe素子10のそれぞれと電気的に接続可能な領域において配線パターンが露出している。
【0044】
なお、ベースフィルムは、例えば、ポリイミド等から形成することができ、絶縁膜は、例えば、ポリイミド、ソルダーレジスト等から形成することができる。また、配線パターンは、例えば、数十μm厚の銅箔等から形成することができる。
【0045】
また、フレキシブル基板40は、複数のCdTe素子10のそれぞれが搭載される第一の端部側の幅が、複数のCdTe素子10が搭載される第一の端部側の反対側の第二の端部側よりも広く形成される。そして、フレキシブル基板40の幅が狭い第二の端部には、カードホルダ30及びカードホルダ31の接合部38に接続する接続領域40aが設けられる。
【0046】
(カードホルダ30及びカードホルダ31の詳細)
図5Aは、本実施の形態に係るカードホルダの表面側からの斜視図であり、図5Bは、本実施の形態に係るカードホルダの裏面側からの斜視図である。
【0047】
本実施の形態に係るカードホルダ30とカードホルダ31とは同一形状を有するので、以下、カードホルダ30についてのみ説明する。
【0048】
図5Aを参照すると、カードホルダ30は、弾性部材が固定される弾性部材実装部32及び凹部32aと、カードホルダ30の対となるカードホルダ31の突起部36が嵌合する複数の溝付穴34と、フレキシブル基板40の配線パターンが接続される複数の接合部38と、基板20の基板端子22が貫通する複数の端子用穴38aとを有して形成される。また、カードホルダ30は、放射線検出器1の複数のCdTe素子10が設けられている側を上側とした場合に、下側の両端部に突起部30a及び切り欠き部30bをそれぞれ有する。
【0049】
また、図5Bを参照すると、カードホルダ30はその裏面において、カードホルダ31が有する溝付穴34に嵌合する複数の突起部36を更に有する。また、カードホルダ30は、基板20の複数の電子部品搭載部26に対応する位置にくぼみ部39を更に有する。このくぼみ部39により、基板20の電子部品搭載部26上に搭載された電子部品はカードホルダ30及びカードホルダ31によって覆われ、一の放射線検出器1に隣接する他の放射線検出器1に接触することが防止される。
【0050】
本実施の形態において、弾性部材実装部32及び凹部32aは、カードホルダ30の長手方向の各端部にそれぞれ設けられる。また、複数の接合部38及び端子用穴38aは、基板20が有する基板端子22の位置に対応させて、カードホルダ30の中央付近の領域にそれぞれ設けられる。更に、複数の溝付穴34は、弾性部材実装部32と接合部38との間の領域であって、複数の溝付穴34のうち最も弾性部材実装部32に近い側の溝付穴34よりも弾性部材実装部32に近い位置に設けられる。なお、カードホルダ30及びカードホルダ31はそれぞれ、絶縁性の樹脂材料から形成することができる。
【0051】
(溝付穴34及び突起部36の詳細)
図6は、本実施の形態に係るカードホルダの突起部が溝付部に嵌合した状態の模式的な断面図を示す。
【0052】
本実施の形態に係る基板20は、カードホルダ30とカードホルダ31とに挟み込まれることにより支持される。この場合に、カードホルダ30とカードホルダ31とは、それぞれが有する突起部36が対となる嵌合孔としての溝付穴34に嵌め合わされることにより互いに固定される。具体的には、カードホルダ30が有する突起部36が基板20の貫通穴24を貫通してカードホルダ31が有する溝付穴34に嵌め合わされる。同様に、カードホルダ31が有する突起部36が基板20の貫通穴24を貫通してカードホルダ30が有する溝付穴34に嵌め合わされる。
【0053】
そして、突起部36が貫通穴24に嵌め合わされてカードホルダ30とカードホルダ31とが固定されると、カードホルダ30とカードホルダ31とによって基板20に圧縮する力が加わる。この圧縮力により基板20の撓みが抑制され、複数のCdTe素子10が搭載された基板20がカードホルダ30及びカードホルダ31により支持される。また、本実施の形態においては、ソルダーレジスト等の絶縁層20bを除去して露出した基板20の部分(グランド28の部分)に貫通穴24が設けられ、当該部分をカードホルダ30及びカードホルダ31により圧縮支持しているので、厚さ精度の悪いソルダーレジスト等の絶縁層20bの厚さの影響を受けることなく、基板20を位置精度よくカードホルダ30とカードホルダ31との間に支持することができる。したがって、複数の放射線検出器1を放射線検出器立てに並べた場合に、一の放射線検出器1の他の放射線検出器1に対する位置精度を向上させることができる。
【0054】
ここで図6を参照する。本実施の形態に係る突起部36は、柱部36bと、柱部36bの先端部分に設けられ、少なくとも柱部36bとの接続部分における柱部36bの径より大きな径を有する先端部36aとを含んで形成される。柱部36bは、先端部36aに向けて徐々に径が小さくなるように形成することができ、柱部36bのカードホルダ30との接続部分においては、先端部36aの径と略同一径を有して形成することもできる。また、柱部36bと先端部36aとの境目には、段部36cが設けられる。
【0055】
また、溝付穴34は、柱部36bの径より大きく、先端部36aの径より小さい径を有する開口領域34bと、先端部36aの径より大きい径を有すると共に、先端部36aと嵌め合う段付き部分34aとを含んで形成される。開口領域34bの径は、柱部36bの径に対応させて、段付き部分34aに向けて徐々に径が小さくなるように形成することができる。また、段付き部分34aと開口領域34bとの境目には、段部34cが設けられる。
【0056】
本実施の形態では、突起部36が貫通穴34に挿入されると、段付き部分34aに突起部36の先端部36aが嵌め合うことによりカードホルダ30とカードホルダ31とが固定される。この場合において、柱部36bの高さをL、基板20の厚さをL、開口領域34bの深さをLとした場合に、L<L+Lという関係式を満たす形状を有して突起部36及び貫通穴34はそれぞれ形成される。この関係式を満たすと、カードホルダ30とカードホルダ31とによって挟み込まれた基板20に、圧縮力が加わることになる。
【0057】
図7Aは、本実施の形態に係る複数の放射線検出器が並べられて構成されるエッジオン型の放射線検出装置の斜視図であり、図7Bは、放射線検出器立ての支持体の側面の模式的な図である。
【0058】
本実施の形態に係る放射線検出器1は、複数の放射線検出器1を放射線検出器立てによって保持することにより構成される放射線検出装置5の放射線検出器1である。具体的には、複数の放射線検出器1が並べられる間隔に応じて予め定められた距離をおいて並び、複数の放射線検出器1が挿入される複数の溝2bが形成された複数の支持体2と、支持体2を搭載する支持板3と、複数の支持体2の間に設けられ、複数の放射線検出器1のカードエッジ部29のそれぞれが接続されて外部の制御回路と複数の放射線検出器1のそれぞれとを接続する複数のコネクタ4とを備える放射線検出器立てに複数の放射線検出器1が保持される。支持体2の複数の溝2bのそれぞれに本実施の形態に係る複数の放射線検出器1が挿入され、固定されることにより図7Aに示すような放射線検出装置5が構成される。
【0059】
複数の支持体2は、支持板3上に放射線検出器1の幅に対応する間隔を有して設けられる。そして、図7Bに示すように、複数の支持体2はそれぞれ、複数の壁部2aを有しており、各壁部2aの間に溝2bが形成される。壁部2aは、一方の表面にくぼみ部2cが設けられ、他方の表面は平坦面2dである。放射線検出器1の弾性部材実装部32及び凹部32aには、例えば、板金からなるばね部材2eが組み込まれ、支持体2の溝2bに放射線検出器1が挿入された場合に、このばね部材2eにより放射線検出器1が壁部2aの平坦面2dに押さえ付けられることにより支持体2に放射線検出器1が固定される。なお、複数の支持体2はそれぞれ金属材料から切削等により形成できる。金属材料の切削により支持体2を形成することにより、少なくとも±0.02mm程度の精度を有して複数の溝2bを形成できる。
【0060】
なお、図7Aに図示していないが、複数の放射線検出器1上、すなわち、放射線検出器1の支持板3の反対側には、複数の開口を有するコリメータが備え付けられる。コリメータを用いる理由は以下の通りである。すなわち、被検体において散乱した放射線が複数のCdTe素子10に入射することを抑制して、特定の方向からの放射線をのみをCdTe素子10において検出するためである。
【0061】
図8は、本実施の形態に係る放射線検出器上にコリメータを備え付けた場合の模式的な断面の部分的な拡大図である。なお、図8においては説明の便宜上、フレキシブル基板は省略している。
【0062】
コリメータ60は、複数の放射線検出器1を覆うように設けられる。そして、コリメータ60を用いる場合において、コリメータ60の複数の開口62それぞれの位置と、CdTe素子10の複数のピクセルそれぞれの位置とを対応させることが要求される。この対応関係がずれた場合、ピクセルの位置にコリメータ60の複数の開口62を隔てる壁部63(「隔壁」、「セプタ」という場合もある)が位置することになる。この場合、ピクセル上に壁部63が位置するので、このピクセルにおいて放射線を適切に検出することはできない。
【0063】
したがって、コリメータ60の壁部63にCdTe素子10のピクセル部分が覆われることを防止すべく、複数の放射線検出器1間の間隔を狭めることにより、複数の放射線検出器1のコリメータ60に対する高い位置精度を実現することが要求される。なお、コリメータ60の複数の開口62の開口径dを小さくして分解能を向上させる場合には、更に高い位置精度が要求される。
【0064】
本実施の形態に係る放射線検出器1は、コリメータ60の開口62を隔てる壁部63の厚さdと同程度若しくはd以下の厚さTを有する基板20を備えているので、複数の放射線検出器1間の間隔Wを壁部63の厚さd以下に設定できる。なお、支持体2の溝2bを間隔Wに対応させた位置精度で形成することにより、複数の放射線検出器1を高い位置精度で密に並べることができる。
【0065】
例えば、基板20の厚さTが0.2mm、CdTe素子10の厚さTが1.2mmであり、複数の放射線検出器1間の間隔Wが0.2mmである場合には、複数の放射線検出器1を2.8mmおきに並べることができる。この場合、支持体2の一の壁部2aの平坦面2dと一の壁部2aに隣接する他の壁部2aの平坦面2dとの間隔を2.8mmとすることで、複数の放射線検出器1を高い位置精度で並べることができる。
【0066】
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る放射線検出器1は、複数のCdTe素子10の基板20の反対側の電極と基板端子22とをフレキシブル基板40によって電気的に接続するので、複数のCdTe素子10のそれぞれとフレキシブル基板40の配線パターンとを導電性接着剤によって固定する場合に、固定が容易であり、各CdTe素子10に対応する領域を押さえつけるだけですべてのCdTe素子10と配線パターンとを、凹凸等のばらつきを抑制して適切に接続することができる。
【0067】
また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、板金等の可撓性に乏しい部材ではなく、可撓性に優れたフレキシブル基板40を用いてCdTe素子10の電極パターンと配線パターンとを接続するので、CdTe素子10に過剰な力が加わることがなく、CdTe素子10に機械的なストレスが加わることを抑制できる。
【0068】
また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、コリメータ60の開口62を隔てる壁部63の厚さと同程度若しくは壁部63の厚さ以下の厚さを有する基板20を用い、基板20を挟み込むように複数のCdTe素子10を固定したので、放射線が入射しない部分を基板20の部分だけにすることができると共に、薄い基板20を用いたことにより複数の放射線検出器1を極めて狭い間隔で並べることができ、複数の放射線検出器1を放射線検出器立てに高密度に高い精度で実装できる。そして、フレキシブル基板40の表面は絶縁材料で覆われているので、複数の放射線検出器1を放射線検出器立てに並べて実装した場合に、各放射線検出器1間の絶縁を確保することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、基板20単体では複数のCdTe素子10を機械的に保持することが困難であるものの、カードホルダ30及びカードホルダ31により基板20を支持しているので、取り扱いに十分な強度を有した放射線検出器1を提供できる。また、カードホルダ30及びカードホルダ31によって基板20を支持しているので、CdTe素子10に直接手を触れずに放射線検出器1を取り扱うことができる。これにより、複数の放射線検出器1を放射線検出器立てに挿入する場合の組み立て性が向上する。
【0070】
また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、カードホルダ30及びカードホルダ31によって基板20に圧縮力を与えつつ基板20を支持するので、基板20が撓むことを抑制できる。これにより、基板20の撓みによりCdTe素子10のピクセルの位置がコリメータの開口の位置からずれることを抑制でき、複数の放射線検出器1を密に並べた場合に、一の放射線検出器1に対する他の放射線検出器1の位置の厳密な制御に資することができる。
【0071】
また、本実施の形態に係る放射線検出器1は、カードホルダ30及びカードホルダ31によって基板20の電子部品搭載部26に搭載された電子部品を覆うことができるので、この電子部品と電子部品搭載部26との接続部分を保護することができる。そして、本実施の形態においては、基板20にCdTe素子10と電子部品とを搭載することにより、CdTe素子10と電子部品との間の信号伝送路を短縮できると共に、外部のマザーボード等に電子部品を搭載することを要さないので、部品件数の削減及び放射線検出装置5全体のサイズの小型化を実現することができる。
【0072】
更に、本実施の形態に係る放射線検出器1は、基板20に複数の半導体素子10と複数の電子部品を搭載すると共に、カードホルダ30及びカードホルダ31で基板を支持しており、基板20に予め形成されたカードエッジ部29を備えるので、放射線検出器立てのコネクタ4に放射線検出器1を差し込むだけで放射線検出器立てに実装することができる。これにより、複雑な形状のコネクタを準備することを要せず、簡潔な実装を実現できる。
【0073】
(変形例)
図9は、本発明の実施の形態の変形例に係る放射線検出器の模式的な斜視図である。
【0074】
本実施の形態の変形例に係る放射線検出器1aにおいては、基板20の一方の面及び他方の面のそれぞれに、CdTe素子10が積層される。具体的に放射線検出器1aは、基板20の一方の面側に、第1の半導体素子としてのCdTe素子12aと、CdTe素子12aと基板20との間に設けられる第3の半導体素子としてのCdTe素子11aとを備えると共に、基板20の他方の面側に、第2の半導体素子としてのCdTe素子12bと、CdTe素子12bと基板20との間に設けられる第4の半導体素子としてのCdTe素子11bとを備える。CdTe素子11aとCdTe素子11bとはそれぞれ、基板20を対称面として互いに対称の位置となる基板20上に固定される。
【0075】
そして、CdTe素子11aとCdTe素子12aとは、両面に接続パターンを有する第1の両面パターン付フレキシブル基板としての両面パターン付フレキシブル基板42を介して互いに固定される。すなわち、両面パターン付フレキシブル基板42はその両面の予め定められた位置にCdTe素子11a用の接続パターン及びCdTe素子12a用の接続パターンがそれぞれ設けられており、CdTe素子11aの電極パターンとCdTe素子11a用の接続パターンとが接続されると共に、CdTe素子12aの電極パターンとCdTe素子12a用の接続パターンとが接続される。
【0076】
同様にして、CdTe素子11bとCdTe素子12bとは、第2の両面パターン付フレキシブル基板としての両面パターン付フレキシブル基板42を介して互いに固定される。すなわち、両面パターン付フレキシブル基板42はその両面の予め定められた位置にCdTe素子11b用の接続パターン及びCdTe素子12b用の接続パターンがそれぞれ設けられており、CdTe素子11bの電極パターンとCdTe素子11b用の接続パターンとが接続されると共に、CdTe素子12bの電極パターンとCdTe素子12b用の接続パターンとが接続される。
【0077】
変形例に係る放射線検出器1aのように基板20の一方の面及び他方の面のそれぞれにCdTe素子10を積層させることによって、例えば、実施の形態に係る放射線検出器1のように、基板20を挟んで一対のCdTe素子10を固定する場合に比べて、基板20の厚さに略対応する厚さ分だけ放射線が入射しない領域を減少させることができる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0079】
1 放射線検出器
2 支持体
2a 壁部
2b 溝
2c くぼみ部
2d 平坦面
2e ばね部材
3 支持板
4 コネクタ
5 放射線検出装置
10 CdTe素子
10a 素子表面
10b 素子裏面
10c 溝部
20 基板
20a 素子接続部
20b 絶縁層
22 基板端子
24 貫通穴
26 電子部品搭載部
28 グランド
29 カードエッジ部
29a パターン
30、31 カードホルダ
30a 突起部
30b 切り欠き部
32 弾性部材実装部
32a 凹部
34 溝付穴
34a 段付き部分
34b 開口領域
34c 段部
36 突起部
36a 先端部
36b 柱部
36c 段部
38 結合部
38a 端子用穴
39 くぼみ部
40 フレキシブル基板
40a 接続領域
40b 表面
40c 裏面
42 両面パターン付フレキシブル基板
50、50a、50b 導電性接着剤
60 コリメータ
62 開口
63 壁部
100 放射線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出可能な半導体素子と、
前記半導体素子が固定される基板と、
前記半導体素子の前記基板の反対側に設けられる素子用電極に接続する接続パターンを有し、可撓性を有するフレキシブル基板とを備え、
前記半導体素子は、前記基板の一方の面に設けられ、
前記フレキシブル基板は、前記半導体素子の前記基板の反対側に設けられる放射線検出器。
【請求項2】
前記フレキシブル基板は、可撓性を有するベースフィルムと、前記ベースフィルムに貼り合わされる絶縁膜とを有し、
前記接続パターンは、前記ベースフィルムと前記絶縁膜との間に設けられる請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記半導体素子と前記基板との間に設けられ、前記基板の前記一方の面に接続する他の半導体素子を更に備える請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記半導体素子と前記他の半導体素子との間に、前記半導体素子及び前記他の半導体素子のそれぞれに接続する接続パターンを両面に有する両面パターン付フレキシブル基板を更に備える請求項3に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記基板は、前記半導体素子が設けられている前記基板の第一の端部に対向する第二の端部側に、外部の回路基板と接続可能に設けられるカードエッジ部を更に有する請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記放射線検出器は、複数の前記放射線検出器が並べられて構成される放射線検出装置用の放射線検出器である請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記基板は、複数の前記半導体素子を有し、
複数の前記半導体素子は、前記基板の一方の面及び他方の面に、前記基板を対称面として設けられる請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項8】
前記基板は、複数の開口を有するコリメータの前記複数の開口を隔てる壁部の厚さと同程度の厚さ、又は前記壁部の厚さ以下の厚さを有する請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項9】
前記半導体素子は、放射線を検出する複数の画素を有する請求項1に記載の放射線検出器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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