説明

放射線検出装置

【課題】重量の増加を招くことなく後方散乱を低減するとともに、柱状結晶の防湿性の向上を図る。
【解決手段】蒸着基板18は、原子番号29の銅(Cu)からなり、上面が開放された箱形状である。蒸着基板18は、平面形状が矩形状の底部18aと、底部18aを取り囲む四辺に立設された側壁部18bとからなり、底部18aの上面に、シンチレータ20が蒸着されている。シンチレータ20は、非柱状結晶30と、結晶成長により立設した複数の柱状結晶31とからなる。光検出部17は、その周縁部が蒸着基板18の側壁部18bの上面に当接され、側壁部18bの溝25に装着されたOリング26を介して密着されている。シンチレータ20は、蒸着基板18上に形成されており、蒸着基板18、光検出部17、及びOリング26により気密に封止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着基板に形成された柱状結晶構造のシンチレータと、シンチレータから射出された光を検出する光検出部とを備えた放射線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照射されたX線やγ線、α線等の放射線を検出し、照射放射線量の分布を表す放射線画像のデータへ直接変換して出力する放射線検出装置が実用化されている。放射線検出装置として、基板上にフォトダイオード(PD)及び薄膜トランジスタ(TFT)が画素ごとに形成されてなる光検出部の上に、CsI、GOS(GdS:Tb)等のシンチレータ(蛍光体層)を積層した間接変換方式の放射線検出装置が知られている。シンチレータは、照射された放射線を光(可視光)に変換する。光検出部は、シンチレータから射出された光をPDにより電荷に変換して蓄積する。この電荷は、TFTを介して読み出される。
【0003】
間接変換方式の放射線検出装置には、放射線入射側からシンチレータ、光検出部を順に配置したPSS(Penetration Side Sampling)方式と、このPSS方式とは逆に、放射線入射側から光検出部、シンチレータを順に配置したISS(Irradiation Side Sampling)方式とがある。ISS方式の放射線検出装置では、光検出部を透過した放射線をシンチレータで光に変換し、放射線入射方向とは逆方向に射出される光をPDによって検出する。シンチレータの発光量は、放射線の入射側がそれとは反対の裏面側に比べて大きく、ISS方式では、シンチレータの放射線の入射側に近接して光検出部が配置される。このため、ISS方式は、PSS方式に比べて高感度化及び高鮮鋭化に有利である。
【0004】
特許文献1には、蒸着基板(支持基板)上に、CsI等からなる柱状結晶構造のシンチレータを形成し、柱状結晶の先端側を光検出部に向けて対向配置したISS方式の放射線検出装置が開示されている。このシンチレータでは、放射線の照射により柱状結晶内で発生した光は、柱状結晶のライトガイド効果によって柱状結晶中を進行する。シンチレータから射出される光の散乱が抑制されるため、検出画像の鮮鋭度が向上する。
【0005】
特許文献1には、蒸着基板として、カーボン板、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)、ガラス板、石英基板、サファイア基板、鉄、スズ、クロム、アルミニウムなどから選択される金属シートを用いることが記載されている。これらの材料のうち、アルミニウムが蒸着基板として一般的に用いられるが、アルミニウムは、入射した放射線を反入射方向(後方)に散乱させる後方散乱量が大きい。ISS方式の放射線検出装置では、蒸着基板での後方散乱により生じた放射線によってシンチレータに発光が生じ、検出画像の鮮鋭度が低下してしまう。
【0006】
特許文献2には、ISS方式の放射線検出装置において、シンチレータの光検出部とは反対側に、原子番号が50以上の鉛、タングステン、タンタル等を含む材料からなる放射線吸収層を設けることにより、放射線を吸収して後方散乱を低減することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−17683号公報
【特許文献2】特開2010−096616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載のように、後方散乱の低減のために原子番号の大きい放射線吸収層を設けた場合には、重量の増加が免れられないため、電子カセッテのような可搬型の放射線検出装置には適さないといった問題がある。また、CsI等の柱状結晶は、潮解性を有しているため、防湿性の向上を図る必要がある。
【0009】
本発明の目的は、重量の増加を招くことなく後方散乱を低減するとともに、柱状結晶の防湿性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の放射線検出装置は、原子番号20〜31のいずれか1つまたは2以上元素を主成分とする材料からなり、一面が開放された箱形状の蒸着基板と、前記蒸着基板内に蒸着することにより、複数の柱状結晶が形成され、放射線の入射により光を発生して前記柱状結晶の先端部から射出するシンチレータと、前記蒸着基板の開放された面を閉じて前記シンチレータを密閉するように前記蒸着基板に接合されるとともに、前記柱状結晶の先端部に対向するよう配置され、前記先端部から射出された光を検出する光検出部と、を備える。
【0011】
前記蒸着基板は、原子番号22〜30のいずれか1つまたは2以上の元素を主成分とする材料からなることがより好ましい。前記蒸着基板は、銅を主成分とする材料からなることがさらに好ましい。
【0012】
本発明の放射線検出装置は、前記シンチレータに、前記光検出部を透過した放射線が入射するようISS方式とすることが好ましい。
【0013】
前記蒸着基板と前記光検出部とは、密閉部材を介して接合されていることが好ましい。前記密閉部材は、Oリングである。
【0014】
前記蒸着基板と前記光検出部とは、解体性接着剤を介して接合されていることも好ましい。前記解体性接着剤は、紫外線により接着性が低下する接着剤からなる。
【0015】
前記蒸着基板上に、前記シンチレータの発光ピーク波長の光を反射する光反射層が設けられており、この光反射層の前記シンチレータが形成されていることが好ましい。前記光反射層は、アルミニウムからなる。
【0016】
前記柱状結晶の先端部は、前記光検出部に当接していることが好ましい。また、前記柱状結晶の先端部は、錐状であることが好ましい。また、前記複数の柱状結晶は、空隙を介して互いに離間していることが好ましい。さらに、前記シンチレータは、ヨウ化セシウムからなることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の放射線検出装置によれば、原子番号20〜31の元素を主成分とする材料からなり、一面が開放された箱形状の蒸着基板と、光検出部とによりシンチレータを密閉封止しているので、重量の増加を招くことなく後方散乱を低減するとともに、柱状結晶の防湿性の向上を図ることができる。また、蒸着基板は、箱形状であることにより、その厚みが薄くても可撓性が抑えられるため、ハンドリング性及び耐荷重性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を実施した電子カセッテを一部破断して示す斜視図である。
【図2】電子カセッテの概略断面図である。
【図3】シンチレータの構成を示す概略断面図である。
【図4】光検出部の構成を模式的に示した断面図である。
【図5】電子カセッテの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】後方散乱X線量の原子番号に対する依存性を示すグラフである。
【図7】本発明の別の実施形態の電子カセッテの構成を示す概略断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態の電子カセッテの構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、電子カセッテ10は、放射線を透過させる材料からなり、全体形状がおよそ箱形で、矩形状の上面が、被撮影者の体を透過した放射線が照射される照射面11とされた筐体12を備えた可搬型の放射線検出装置である。筐体12のうち、照射面11が設けられた天板13以外の部分は、ABS樹脂等から構成され、天板13はカーボン等の放射線低吸収材から構成される。これにより、天板13による放射線の吸収が抑制されるとともに、天板13の強度が確保される。
【0020】
電子カセッテ10の照射面11には、複数個のLEDからなり、電子カセッテ10の動作モード(例えば「レディ状態」や「データ送信中」等)やバッテリの残容量等の動作状態を表示するための表示部15が設けられている。表示部15は、LED以外の発光素子や、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置で構成してもよい。また、表示部15は照射面11以外の部分に配置してもよい。
【0021】
電子カセッテ10の筐体12内には、被撮影者の体を透過した放射線の進行方向に沿って、照射面11側から、光検出部17、及び蒸着基板18に保持されたシンチレータ20(図2参照)がこの順に配置されている。蒸着基板18は、上面が開放された箱形状であり、この内底面にシンチレータ20が蒸着されている。蒸着基板18は、光検出部17の周縁部に接続されている。
【0022】
また、筐体12の内部には、照射面11の長手方向に沿った一端側に、マイクロコンピュータを含む各種の電子回路や、充電可能かつ着脱可能なバッテリ(二次電池)を収容するケース19が配置されている。光検出部17を含む電子カセッテ10の各種電子回路は、バッテリから供給される電力によって作動する。これらの各種電子回路が放射線の照射に伴って損傷することを回避するため、ケース19の照射面11側には鉛板等からなる放射線遮蔽部材(図示せず)が配設されている。
【0023】
図2に示すように、光検出部17は全面に亘って天板13の内面に接着層21を介して貼り付けられている。筐体12内の底面には、基台22が取付けられており、基台22の天板の下面には、制御基板23が取付けられている。制御基板23と光検出部17とは、フレキシブルケーブル24を介して電気的に接続されている。
【0024】
基台22の天板の上面には、銅(Cu)からなる蒸着基板18が取り付けられている。蒸着基板18は、前述のように上面が開放された箱形状であり、平面形状が矩形状の底部18aと、底部18aを取り囲む四辺に立設された側壁部18bとからなる。底部18aの厚さは、0.3mm程度である。
【0025】
各側壁部18bの上面には、溝25が形成されており、この溝25には、密閉部材として、ゴムやプラスチックからなるOリング(環状パッキン)26が装着されている。光検出部17は、その周縁部が蒸着基板18の側壁部18bの上面に当接され、Oリング26を介して密着されている。なお、Oリング26を装着する溝を、光検出部17側に形成してもよい。また、Oリング26の内部を減圧してもよい。
【0026】
また、光検出部17と蒸着基板18の側壁部18bとの外周には、全周に亘って、柔軟性を有する固定剤27が形成されており、固定剤27は、光検出部17と蒸着基板18とを固定している。シンチレータ20は、蒸着基板18上に形成されており、蒸着基板18、光検出部17、及びOリング26により気密に封止されている。
【0027】
図3において、シンチレータ20は、蒸着基板18上に形成された非柱状結晶30と、結晶成長により立設した複数の柱状結晶31とからなる。シンチレータ20は、被撮影者の体を透過して筐体12の照射面11に照射され、天板13及び光検出部17を透過して照射された放射線を吸収して光(可視光)を放出する。
【0028】
シンチレータ20は、蒸着基板18上の底部18aの上面にタリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI:Tl)を蒸着することにより形成されたものであり、蒸着基板18側は非柱状結晶30となり、光検出部17側に複数の柱状結晶31が形成される。柱状結晶31は、互いに空隙Gを介して離間されている。柱状結晶31の平均径は、その長手方向に沿ってほぼ均一(例えば、約1μm)である。なお、シンチレータ20は、CsI:Tlに代えて、ナトリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI:Na)等で形成されたものであってもよい。
【0029】
放射線は、光検出部17を介してシンチレータ20に入射するため、シンチレータ20内での発光は、主に柱状結晶31の光検出部17側で生じる。シンチレータ20で発生した光は、柱状結晶31のライトガイド効果によって柱状結晶31内を進行し、先端部31aから光検出部17へ射出される。先端部31aは、ほぼ円錐状であり、その頂部の角度が鋭角(例えば、40°〜80°)である。この先端部31aの形状は、WO2008/029610号公報に記されているように、先端部31aが凸曲面状の場合よりも光の反射を低減し、先端部31aからの光の射出効率を向上させる。なお、先端部31aの長さは、1μm程度である。
【0030】
柱状結晶31で生じた光は、ライトガイド効果によって非柱状結晶30にも到達するが、非柱状結晶30によって光検出部17側へ反射される。従って、非柱状結晶30は、先端部31aからの光の射出効率を向上させる機能を有する。
【0031】
柱状結晶31は互いに離間して配置されているが、その充填率(領域中の柱状結晶31の占める割合)には適切な範囲がある。この充填率は、70〜85%程度が最適である。充填率が過小(例えば70%未満)になるとシンチレータ20の発光量の低下が顕著になる一方、充填率が過大に(例えば85%よりも高く)なると、隣り合う柱状結晶31が接触しやすくなり、クロストークが発生して画像の鮮鋭度が低下する。
【0032】
また、本実施形態では、柱状結晶31の先端部31aを光検出部17に当接させており、先端部31aと光検出部17との間には介在するものがないため、先端部31aと光検出部17との間に樹脂層等を設ける場合と比べて、光検出部17への光入射効率が高い。
【0033】
図4において、光検出部17は、薄膜トランジスタ(TFT)40及び蓄積容量41がマトリクス配列されたTFT基板42と、TFT40及び蓄積容量41に接続されるようにフォトダイオード(PD)からなる光電変換部43がマトリクス配列された画素部44とから構成されている。
【0034】
本実施形態では、シンチレータ20の放射線入射側に光検出部17が配置されている。シンチレータと光検出部をこのような位置関係で配置する方式をISS(Irradiation Side Sampling)方式と称する。シンチレータは放射線入射側がより強く発光するので、シンチレータの放射線入射側に光検出部を配置するISS方式は、シンチレータの放射線入射側と反対側に光検出部を配置するPSS(Penetration Side Sampling)方式よりも光検出部とシンチレータの発光位置とが接近することから、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。また、ISS方式では、光検出部の受光量が増大することから、感度が向上する。
【0035】
光電変換部43は、下部電極43aと上部電極43bとの間に、シンチレータ20から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する光電変換膜43cが配置されて構成されている。下部電極43aは、シンチレータ20から放出された光を光電変換膜43cに入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ20の発光波長に対して透明な導電性材料で構成することが好ましく、具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物を用いることが好ましい。
【0036】
また、光電変換膜43cは、アモルファスシリコンからなり、シンチレータ20から放出された光を吸収し、吸収した光に応じた電荷を発生する。光電変換膜43cとしてアモルファスシリコンを用いることにより、シンチレータ20から放出された光を広い波長域に亘って吸収するように構成することができる。
【0037】
図5において、光検出部17には、行方向に沿って延設され個々のTFT40をオンオフさせるための複数本のゲート配線46と、行方向と交差する列方向に沿って延設され、蓄積容量41(及び光電変換部43の下部電極43aと上部電極43bの間)に蓄積された電荷をオン状態のTFT40を介して読み出すための複数本のデータ配線47が設けられている。
【0038】
光検出部17のゲート配線46はゲート線ドライバ51に接続されており、データ配線47は信号処理部52に接続されている。被撮影者の体を透過した放射線(被撮影者の体の画像情報を担持した放射線)が電子カセッテ10に照射されると、シンチレータ20のうち照射面11上の各位置に対応する部分からは、前記各位置における放射線の照射量に応じた光量の光が放出され、光電変換部43では、シンチレータ20のうちの対応する部分から放出された光の光量に応じた量の電荷が発生され、この電荷が蓄積容量41(及び光電変換部43の下部電極43aと上部電極43bの間)に蓄積される。
【0039】
蓄積容量41に電荷が蓄積されると、TFT40は、ゲート線ドライバ51からゲート配線46を介して供給される信号により行単位で順にオンされる。オンされたTFT40に接続された蓄積容量41の電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線47を伝送されて信号処理部52に入力される。このように、蓄積容量41に蓄積された電荷は行単位で順に読み出される。
【0040】
信号処理部52は、データ配線47ごとに設けられた増幅器及びサンプルホールド回路を備えている。データ配線47を伝送された電気信号は、増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D変換器が順に接続されている。サンプルホールド回路に保持された電気信号はマルチプレクサに順に入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
【0041】
信号処理部52には画像メモリ54が接続されている。信号処理部52のA/D変換器から出力された画像データは、画像メモリ54に順に記憶される。画像メモリ54は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ54に順次記憶される。
【0042】
画像メモリ54は電子カセッテ10全体の動作を制御するカセッテ制御部56と接続されている。カセッテ制御部56はマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU56a、ROM及びRAMを含むメモリ56b、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部56cを備えている。
【0043】
また、カセッテ制御部56には無線通信部58が接続されている。無線通信部58は、IEEE802.11a/b/g/n等に代表される無線LAN規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部56は、無線通信部58を介してコンソール(図示せず)と無線通信が可能であり、コンソールとの間で各種情報の送受信を行う。
【0044】
次に、本実施形態の作用を説明する。電子カセッテ10を使用して放射線画像の撮影を行う場合、撮影者(例えば、放射線技師)は、被撮影者の撮影対象部位と基台(図示せず)との間に、照射面11側を上方へ向けた電子カセッテ10を挿入し、向きや位置等を調整する準備作業を行う。
【0045】
撮影者は、準備作業が完了すると、コンソールに設けられた操作パネルを操作して撮影開始を指示する。これにより、コンソールでは、曝射開始を指示する指示信号を放射線発生装置(図示せず)へ送信し、放射線発生装置は、放射線源(図示せず)から放射線を射出させる。放射線源から射出された放射線は、被撮影者の体を透過して電子カセッテ10の照射面11に照射され、天板13及び光検出部17を透過してシンチレータ20に照射される。シンチレータ20は、照射された放射線を吸収し、吸収した放射線量に応じた光量の光を射出する。
【0046】
柱状結晶31内で発生した光は、先端部31aから射出され、画素部44に入射する。この先端部31aの形状は円錐状であり、その頂部の角度が鋭角であるため、光の全反射が生じにくく、光は効率よく射出される。光検出部17は、画素部44に照射された光を画像として検出する。そして、光検出部17による検出結果は、画像信号として読み出され、画像データに変換されてコンソールへ送信される。
【0047】
本実施形態では、蒸着基板18をCuで形成している。シンチレータ20に照射された放射線の一部は、シンチレータ20を通過して蒸着基板18に入射するが、Cuは原子番号が29であり、反入射方向への放射線の散乱(後方散乱)の量が小さいため、検出画像の鮮鋭度が向上する。
【0048】
図6は、本出願人が実験により得た、後方散乱X線量の原子番号に対する依存性を示すグラフである。この実験データにより、原子番号29のCuが最も後方散乱X線量が小さく、後方散乱の防止部材として最も好適であることが分かる。
【0049】
従来は、後方散乱の防止部材には、原子番号82の鉛(Pb)や原子番号74のタングステン(W)など原子番号が大きな元素を主成分とする材料が用いられてきた。しかし、PbやWは、kエッジが88keV、69.5keVと、X線撮影に用いられるX線源の発生エネルギー帯(40〜140keVp)に存在するため、X線を大きく吸収する一方、kエッジで特性X線が生じ、この特性X線がX線の反入射方向(後方)にも進行することにより、後方散乱線として検出されてしまう。これに対して、本実施形態で蒸着基板18の材料として用いたCuは、kエッジが8.98keVであり、上記エネルギー帯(40〜140keVp)の範囲外であるため、特性X線が生じず、後方散乱線の発生量が少ない。
【0050】
また、シンチレータ20の材料であるCsIとの密着性の観点からも蒸着基板18の材料としてCuを用いることが好ましい。これは、特開2001−74846号公報に記載されているように、CsIは、熱伝導率の低い物質との接合力が弱く、このような物質と接合しても剥離により分離しやすいためである。Cuは、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等より熱伝導率がはるかに高く、CsIとの密着性が高い。
【0051】
なお、蒸着基板18の材料としては、kエッジが上記エネルギー帯(40〜140keVp)の範囲外であって、ある程度のX線吸収を行うものであれば、Cu以外の元素を主成分とするものであってもよい。具体的には、蒸着基板18の材料は、原子番号20〜31のいずれか1つまたは2以上の元素を主成分とするもの、より好ましくは、原子番号22〜30のいずれか1つまたは2以上の元素を主成分とするものとする。
【0052】
本実施形態では、蒸着基板18を上面が開放された箱形状とし、この開放部を光検出部17で閉じることにより、シンチレータ20を気密に封止しているため、パリレン等のシンチレータ20の防湿部材が不要である。また、これにより、天板13からの荷重に対して、シンチレータ20を保護することができる。さらに、蒸着基板18は、4つの側壁部18bを有しているため、シンチレータ20の蒸着時のハンドリング性に優れる。なお、シンチレータ20の防湿性をさらに高めるために、蒸着基板18と光検出部17とで閉じられた空間内に、乾燥剤を封入させてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、蒸着基板18と光検出部17とをOリング26を介して接合しており、Oリング26は耐衝撃の効果を有するため、衝撃による柱状結晶31の先端部31aの変形を防止することができる。
【0054】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。上記実施形態では、蒸着基板18と光検出部17とをOリング26を介して接合しているが、このOリング26に代えて、図7に示すように、蒸着基板18と光検出部17とを解体性接着剤60を介して接合することも好ましい。本実施形態では、蒸着基板18の側壁部18bに溝を設けず、側壁部18bの上面に解体性接着剤60を塗布して光検出部17の周縁部に接着させる。
【0055】
解体性接着剤60として、例えば、紫外線により解体する(接着性が低下する)接着剤を用いることが好ましい。この場合、光検出部17やシンチレータ20が損傷し、いずれかを交換する必要が生じた際には、光検出部17を介して解体性接着剤60に紫外線を照射することで、容易に光検出部17と蒸着基板18が剥離し、光検出部17やシンチレータ20の交換を行うことができる。
【0056】
また、上記実施形態では、蒸着基板18上にシンチレータ20を直接蒸着しているが、図8に示すように、蒸着基板18の底部18aの上面に、アルミニウム(Al)をメッキすることにより光反射層70を形成し、この光反射層70上にシンチレータ20を蒸着してもよい。この光反射層70は、シンチレータ20での発光により生じ、光検出部17とは反対側へ進行してきた光を反射し、光検出部17に向かって進行させるため、柱状結晶31の先端部31aからの光の射出効率をさらに向上させる。光反射層70は、Alに限られず、シンチレータ20の発光ピーク波長の光に対して反射性を有するものであれば、いかなる金属を用いてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、光電変換部43の光電変換膜43cをアモルファスシリコンによって構成しているが、光電変換膜43cを、有機光電変換材料を含む材料で構成してもよい。この場合には、主に可視光域で高い吸収を示す吸収スペクトルが得られ、光電変換膜43cではシンチレータ20から放出された光以外の電磁波の吸収が殆ど無くなる。これにより、X線やγ線等の放射線が光電変換膜43cで吸収されることで発生するノイズが抑制される。
【0058】
また、有機光電変換材料からなる光電変換膜43cは、インクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドを用いて有機光電変換材料をTFT基板42上に付着させることで形成することができ、TFT基板42の耐熱性は要求されない。このため、ガラス以外の材質からなるTFT基板を用いることもできる。
【0059】
光電変換膜43cを有機光電変換材料で構成した場合、光電変換膜43cで放射線が殆ど吸収されないので、ISS方式において、光検出部17を透過することによる放射線の減衰が抑制される。従って、光電変換膜43cを有機光電変換材料で構成することは、特にISS方式に好適である。
【0060】
光電変換膜43cを構成する有機光電変換材料は、シンチレータ20から放出された光を最も効率良く吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ20の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ20の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ20から放出された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ20の発光ピーク波長との差が10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。
【0061】
このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、キナクリドン系有機化合物やフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。キナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ20の材料としてCsI:Tlを用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能であり、光電変換膜43cで発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
【0062】
放射線検出装置に適用可能な光電変換膜43cについて具体的に説明する。放射線検出装置における電磁波吸収/光電変換部は、電極43a,43bと、該電極43a,43bに挟まれた光電変換膜43cを含む有機層である。この有機層は、より具体的には、電磁波吸収部、光電変換部、電子輸送部、正孔輸送部、電子ブロッキング部、正孔ブロッキング部、結晶化防止部、電極、及び、層間接触改良部等を積み重ねるか、若しくは混合することで形成される。
【0063】
上記有機層は、有機p型化合物または有機n型化合物を含有することが好ましい。有機p型化合物は、主に正孔輸送性有機化合物に代表されるドナー性有機半導体であり、電子を供与しやすい性質を有する。さらに詳しくは、有機p型化合物は、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物である。ドナー性有機半導体としては、電子供与性を有するものであれば如何なる有機化合物も使用可能である。有機n型化合物は、主に電子輸送性有機化合物に代表されるアクセプター性有機半導体であり、電子を受容し易い性質を有する。さらに詳しくは、有機n型化合物は、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物である。アクセプター性有機半導体としては、電子受容性を有するものであれば如何なる有機化合物も使用可能である。
【0064】
有機p型化合物及び有機n型化合物として適用可能な材料や、光電変換膜43cの構成については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0065】
また、光電変換部43は、少なくとも電極対43a,43bと光電変換膜43cとを含んでいればよいが、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜及び正孔ブロッキング膜の少なくとも何れかを設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。
【0066】
電子ブロッキング膜は、上部電極43bと光電変換膜43cとの間に設けられる。上部電極43bと下部電極43aとの間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極43bから光電変換膜43cに電子が注入されて暗電流が増加することを抑制する。電子ブロッキング膜には電子供与性有機材料が用いられる。電子ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料や、隣接する光電変換膜43cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上電子親和力(Ea)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜43cの材料のイオン化ポテンシャル(Ip)と同等のIp、若しくはそれより小さいIpを有するものが好ましい。この電子供与性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0067】
電子ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部43の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0068】
正孔ブロッキング膜は、光電変換膜43cと下部電極43aとの間に設けられる。上部電極43bと下部電極43aとの間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極43aから光電変換膜43cに正孔が注入されて暗電流が増加することを抑制する。正孔ブロッキング膜には電子受容性有機材料が用いられる。正孔ブロッキング膜に用いる材料は、隣接する電極の材料、及び隣接する光電変換膜43cの材料等に応じて選択すればよく、隣接する電極の材料の仕事関数(Wf)より1.3eV以上イオン化ポテンシャル(Ip)が大きく、かつ、隣接する光電変換膜43cの材料の電子親和力(Ea)と同等のEa、若しくはそれより大きいEaを有するものが好ましい。この電子受容性有機材料として適用可能な材料については、特開2009−32854号公報において詳細に記載されているため説明を省略する。
【0069】
正孔ブロッキング膜の厚みは、暗電流抑制効果を確実に発揮させると共に、光電変換部43の光電変換効率の低下を防ぐため、10nm以上200nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上150nm以下、特に好ましくは50nm以上100nm以下である。
【0070】
なお、光電変換膜43cで発生した電荷のうち、正孔が下部電極43aに移動し、電子が上部電極43bに移動するようにバイアス電圧を設定する場合には、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜の位置を逆にすればよい。また、電子ブロッキング膜と正孔ブロッキング膜は両方設けることは必須ではなく、何れかを設ければ、ある程度の暗電流抑制効果が得られる。
【0071】
また、TFT40の活性層を形成可能な非晶質酸化物としては、In、Ga及びZnのうちの少なくとも1つを含む酸化物(例えば、In−O系)が好ましく、In、Ga及びZnのうちの少なくとも2つを含む酸化物(例えば、In−Zn−O系、In−Ga−O系、Ga−Zn−O系)がより好ましく、In、Ga及びZnを含む酸化物が特に好ましい。In−Ga−Zn−O系非晶質酸化物としては、結晶状態における組成がInGaO(ZnO)(mは6未満の自然数)で表される非晶質酸化物が好ましく、特に、InGaZnOがより好ましい。なお、活性層を形成可能な非晶質酸化物はこれらに限定されるものではない。
【0072】
また、活性層を形成可能な有機半導体材料としては、フタロシアニン化合物や、ペンタセン、バナジルフタロシアニン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、フタロシアニン化合物の構成については、特開2009−212389号公報で詳細に記載されているため説明を省略する。
【0073】
TFT40の活性層を非晶質酸化物や有機半導体材料、カーボンナノチューブ等のうちの何れかによって形成すれば、X線等の放射線を吸収せず、或いは吸収したとしても極めて微量に留まるため、ノイズの発生を効果的に抑制することができる。
【0074】
また、活性層をカーボンナノチューブで形成した場合、TFT40のスイッチング速度を高速化することができ、また、TFT40における可視光域の光の吸収度合いを低下させることができる。なお、活性層をカーボンナノチューブで形成する場合、活性層にごく微量の金属性不純物が混入しただけでTFT40の性能が著しく低下するため、遠心分離等により非常に純度の高いカーボンナノチューブを分離・抽出して活性層の形成に用いる必要がある。
【0075】
また、TFT基板42は、光透過性を有し且つ放射線の吸収が少ないものであればよい。ここで、TFT40の活性層を構成する非晶質酸化物や、光電変換部43の光電変換膜43cを構成する有機光電変換材料は、いずれも低温での成膜が可能である。従って、TFT基板42としては、半導体基板、石英基板、及びガラス基板等の耐熱性の高い基板に限定されず、合成樹脂製の可撓性基板、アラミド、バイオナノファイバを用いることもできる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の可撓性基板を用いることができる。このような合成樹脂製の可撓性基板を用いれば、軽量化を図ることもでき、例えば持ち運び等に有利となる。なお、TFT基板42には、絶縁性を確保するための絶縁層、水分や酸素の透過を防止するためのガスバリア層、平坦性あるいは電極等との密着性を向上するためのアンダーコート層等を設けてもよい。
【0076】
なお、アラミドには200度以上の高温プロセスを適用できるため、透明電極材料を高温硬化させて低抵抗化でき、また、ハンダのリフロー工程を含むドライバICの自動実装にも対応できる。アラミドは、ITO(Indium Tin Oxide)やガラス基板と熱膨張係数が近いため、製造後の反りが少なく、割れにくい。また、アラミドは、ガラス基板等と比べて基板を薄型化できる。超薄型ガラス基板とアラミドを積層してTFT基板42を形成してもよい。
【0077】
また、バイオナノファイバは、バクテリア(酢酸菌、Acetobacter Xylinum)が産出するセルロースミクロフィブリル束(バクテリアセルロース)と透明樹脂とを複合したものである。セルロースミクロフィブリル束は、幅50nmと可視光波長に対して1/10のサイズで、かつ、高強度、高弾性、低熱膨である。バクテリアセルロースにアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を含浸・硬化させることで、繊維を60〜70%も含有しながら、波長500nmで約90%の光透過率を示すバイオナノファイバが得られる。バイオナノファイバは、シリコン結晶に匹敵する低い熱膨張係数(3〜7ppm)を有し、鋼鉄並の強度(460MPa)、高弾性(30GPa)で、かつフレキシブルであることから、ガラス基板等と比べて薄型化できる。
【0078】
TFT基板42としてガラス基板を用いた場合、光検出部17全体としての厚みは、0.7mm程度になるが、TFT基板42として光透過性を有する合成樹脂からなる薄型の基板を用いることにより、光検出部17全体としての厚みを、0.1mm程度に薄型化できると共に、光検出部17に可撓性をもたせることができる。光検出部17に可撓性をもたせることで、電子カセッテ10の耐衝撃性が向上し、電子カセッテ10に衝撃が加わった場合にも破損し難くなる。また、TFT基板42を、プラスチック樹脂や、アラミド、バイオナノファイバ等の放射線吸収が少ない材料で形成することにより、ISS方式において感度の低下を抑えることができる。
【符号の説明】
【0079】
10 電子カセッテ
17 光検出部
18 蒸着基板
18a 底部
18b 側壁部
20 シンチレータ
25 溝
26 Oリング
30 非柱状結晶
31 柱状結晶
31a 先端部
42 TFT基板
44 画素部
70 光反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子番号20〜31のいずれか1つまたは2以上の元素を主成分とする材料からなり、一面が開放された箱形状の蒸着基板と、
前記蒸着基板内に蒸着することにより、複数の柱状結晶が形成され、放射線の入射により光を発生して前記柱状結晶の先端部から射出するシンチレータと、
前記蒸着基板の開放された面を閉じて前記シンチレータを密閉するように前記蒸着基板に接合されるとともに、前記柱状結晶の先端部に対向するよう配置され、前記先端部から射出された光を検出する光検出部と、
を備えることを特徴とする放射線検出装置。
【請求項2】
前記蒸着基板は、原子番号22〜30のいずれか1つまたは2以上の元素を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記蒸着基板は、銅を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記シンチレータには、前記光検出部を透過した放射線が入射することを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記蒸着基板と前記光検出部とは、密閉部材を介して接合されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記密閉部材は、Oリングであることを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記蒸着基板と前記光検出部とは、解体性接着剤を介して接合されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
前記解体性接着剤は、紫外線により接着性が低下する接着剤からなることを特徴とする請求項7に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
前記蒸着基板上に、前記シンチレータの発光ピーク波長の光を反射する光反射層が設けられており、この光反射層の前記シンチレータが形成されていることを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項10】
前記光反射層は、アルミニウムからなることを特徴とする請求項9に記載の放射線検出装置。
【請求項11】
前記柱状結晶の先端部は、前記光検出部に当接していることを請求項1から10いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項12】
前記柱状結晶の先端部は、錐状であることを特徴とする請求項1から11いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項13】
前記複数の柱状結晶は、空隙を介して互いに離間していることを特徴とする請求項1から12いずれか1項に記載の放射線検出装置。
【請求項14】
前記シンチレータは、ヨウ化セシウムからなることを特徴とする請求項1から13いずれか1項に記載の放射線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−251978(P2012−251978A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127208(P2011−127208)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】