説明

放射線測定装置及びノイズ除去方法

【課題】放射線測定器、特に個人線量計において外来電波や振動衝撃が起因で起こる誤動作を防ぐ。
【解決手段】電磁的ノイズを検出するノイズセンサ102と衝撃を検出する衝撃センサ103とを備え、信号処理部104はノイズ検出信号109及び衝撃検出信号110のどちらかが有効のとき放射線センサー101が出力する信号108を無効扱いとすることで、ノイズによる誤動作を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線測定装置及びノイズ除去方法に関し、特に外来電磁波や振動衝撃に起因するノイズ除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人線量計などの放射線測定装置においては、半導体センサによって放射線が検出され、その検出信号を計数し線量として表示する技術が一般的である。
半導体センサやそれを搭載している基板などが外来電磁波を受けると、それに起因してノイズが発生し誤動作の原因となる。また、物理的な衝撃が加わると、半導体センサやそれを取り巻く回路の物理的な歪に起因してノイズが発生し、誤動作の原因となる。
【特許文献1】特開平2001−51062号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
信頼性の高い測定を確保するために、外来電磁波や振動衝撃によって起こる線量誤計数を低減することが不可欠であり、外来電磁波に対しては装置にシールドを施すことが有効であるが、シールドを施す工数が費やされることや装置をより小型にするためには限界があり、より確実なノイズ除去方法が要望されている。また、振動衝撃に対しては装置内に衝撃吸収材などを入れることも想定できるが、その効果は十分とは言えず、かつ装置の小型化や安価品を製作することの大きな障害となっている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的はノイズを除去して高信頼な放射線測定を行うことと、ノイズ除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を解決するために、第一の発明は、放射線を検出する放射線センサと、電磁的ノイズを検出するノイズセンサと、衝撃を検出する衝撃センサと、前記ノイズセンサからの信号、もしくは前記衝撃センサからの信号の少なくとも一方が認められたときには、前記放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、を含むことを特徴とする。
【0005】
第二の発明は、第一の発明で説明した構成において、
前記信号処理部は、
前記放射線センサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第一の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する放射線カウンタと、
前記ノイズセンサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第二の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換するノイズカウンタと、
前記衝撃センサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第三の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する衝撃カウンタと、
前記放射線カウンタ、及び前記ノイズカウンタ、及び前記衝撃カウンタが示す計数に従って放射線線量の統計演算を行う演算器とを備え、当該演算器は作業用記憶手段を備えることを特徴とする。
【0006】
第三の発明は、第二の発明で説明した構成において、
前記演算器は、周期毎に演算処理を繰り返し、
前記放射線カウンタの値を退避する放射線カウンタ記憶手段と、
前記ノイズカウンタの値を退避するノイズカウンタ記憶手段と、
前記衝撃カウンタの値を退避する衝撃カウンタ記憶手段と、
を備え、
一周期前に退避した前記放射線カウンタ記憶手段の値を放射線カウンタ前回値、現在の周期で得られた前記放射線カウンタ値を放射線カウンタ今回値とし、
前記一周期前に退避した前記ノイズカウンタ記憶手段の値をノイズカウンタ前回値、現在の周期で得られた前記ノイズカウンタの値をノイズカウンタ今回値とし、
前記一周期前に退避した前記衝撃カウンタ記憶手段の値を衝撃カウンタ前回値、現在の周期で得られた前記衝撃カウンタの値を衝撃カウンタ今回値とし、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値とで比較を行い、及び前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値とで比較を行い、及び前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値とで比較を行い、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が異なり、かつ前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値が等しく、かつ前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値が等しい場合は、放射線線量演算処理を実行し、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が異なり、前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値が異なるか、又は前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値が異なる場合は、前記放射線線量演算処理を実行せず、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が等しい場合は、前記放射線線量演算処理を実行せず、
前記ノイズカウンタ今回値が定められた値に達した場合には、前記ノイズカウンタの値を現在の周期タイミングで初期化すると共に、初期化した値を前記ノイズカウンタ記憶手段に退避し、
前記衝撃カウンタ今回値が定められた値に達した場合には、前記衝撃カウンタの値を現在の周期タイミングで初期化すると共に、初期化した値を前記衝撃カウンタ記憶手段に退避し、
前記ノイズカウンタ今回値が、定められた値に達していない場合は、前記ノイズカウンタ今回値を前記ノイズカウンタ記憶手段に退避し、
前記衝撃カウンタ今回値が、定められた値に達していない場合は、前記衝撃カウンタ今回値を前記衝撃カウンタ記憶手段に退避し、
前記放射線カウンタ今回値を周期毎に放射線カウンタ記憶手段に退避する、
ことを特徴とする。
【0007】
第四の発明は、第一の発明で説明した構成において、
前記信号処理部は、
前記放射線センサから出力される信号を受信し、その信号強度が閾値を超えることで第一のパルスを出力する第一の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する放射線カウンタと、
前記ノイズセンサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることで第二のパルスを出力する第二の信号変換部と、
前記第二のパルスが入力されると出力に一定時間幅で1発の第一の延長パルスを出力し、当該第一の延長パルス出力中に再度前記第二のパルスが入力されると、前記第一の延長パルスをさらに一定時間だけ出力する第一のマルチバイブレータ回路と、
前記衝撃センサから出力される信号を受信し、その強度が閾値を超えることで第三のパルスを出力する第三の信号変換部と、
前記第三のパルスが入力されると出力に一定時間幅で1発の第二の延長パルスを出力し、当該第二の延長パルス出力中に再度前記第三のパルスが入力されると、前記第二の延長パルスをさらに一定時間だけ出力する第二のマルチバイブレータ回路と、
を備え、前記放射線カウンタは、前記第一の延長パルス又は前記第二の延長パルスが入力された場合、前記第一のパルスの数を計数せず、
前記放射線カウンタが示す計数に従って放射線線量の統計演算を行う演算器とを備え、当該演算器は作業用記憶手段を備えることを特徴とする。
【0008】
第五の発明は、放射線を検出する放射線センサと、電磁的ノイズを検出するノイズセンサと、前記ノイズセンサからの信号が認められたときには、前記放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、を含むことを特徴とする。
第六の発明は、放射線を検出する放射線センサと、衝撃を検出する衝撃センサと、前記衝撃センサからの信号が認められたときには、放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、外来電磁波や振動衝撃などに起因してノイズが発生しても、ノイズセンサもしくは衝撃センサが出力する信号に基づいてノイズに起因する放射線の誤検出を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図を基に説明する。
図1は、本発明の第一の発明に関する好適な実施形態を示しており、全体構成を示す概念図である。例えば、図1に示す装置は携帯型個人線量計である。
図1に示す装置は、電源100、放射線センサ101、ノイズセンサ102、衝撃センサ103、信号処理部104、表示器105、共鳴器106、から構成される。尚、この構成以外に外部との通信を行う通信部など必要に応じて回路を追加することも可能である。電源100は、各構成のセンサや回路を動作させる電源であり、携帯型個人線量計の場合、電池などを使って回路に電力供給される。放射線センサ101は、例えば半導体検出器で構成されるものであり、この放射線センサによって外来放射線が検出され、信号108を出力する。ノイズセンサ102は、外来電磁波を検出し、信号109を出力するものである。衝撃センサ103は、振動や衝撃を検出し、信号110を出力するものである。信号108及び信号109及び信号110はそれぞれ信号処理部104に接続される。
【0011】
図2は、第二の発明に関する好適な実施形態を示しており、図1に示す信号処理部104の内部構成を示した装置全体構成図である。図2において、信号処理部104は、信号変換部401、信号変換部402、信号変換部403、放射線カウンタ408、ノイズカウンタ409、衝撃カウンタ410及び演算器404とで構成され、信号108は信号変換部401に、信号109は信号変換部402に、信号110は信号変換部403にそれぞれ接続される。尚、図1と同じ構成を要するものは同符号としている。
【0012】
図3は図2に示す信号変換部401と、信号変換部402と、信号変換部403とを更に詳細に図示した装置全体構成図である。尚、図1,図2と同じ構成を要するものは同符号としている。
図3において、信号変換部401は増幅器501、電圧比較器504で構成され、放射線センサ101が出力する信号108を受信し、その信号を増幅器501によって増幅し、増幅された信号510の電圧を電圧比較器504によって基準電圧と電圧比較し、信号510の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス405を出力する。
【0013】
信号変換部402は増幅器502、電圧比較器505で構成され、ノイズセンサ102が出力する信号109を受信し、その信号を増幅器502によって増幅し、増幅された信号511の電圧を電圧比較器505によって基準電圧と電圧比較し、信号511の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス406を出力する。
信号変換部403は増幅器503、電圧比較器506で構成され、衝撃センサ103が出力する信号110を受信し、その信号を増幅器503によって増幅し、増幅された信号512の電圧を電圧比較器506によって基準電圧と電圧比較し、信号512の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス407を出力する。
【0014】
放射線カウンタ408はパルス405を受信しその数の計数を行い、放射線カウンタ409はパルス406を受信しその数の計数を行い、放射線カウンタ410はパルス407を受信しその数の計数を行い、各々のカウンタは演算器404に接続される。
演算器404は、プログラムを周期毎に繰り返し行うものであり、一般的なマイクロプロセッサーである。メモリ411はプログラムを実行する上で作業データを退避することなどに使用されるものであり、放射線線量を演算するために図3aに示すような領域を備えている。図3aにおいて、演算期404は放射線カウンタ408の値を退避する退避メモリ1と、ノイズカウンタ409の値を退避する退避メモリ2と、衝撃カウンタ410の値を退避する退避メモリ3とを、メモリ411上の特定アドレス番地に配置し、周期毎に得られた放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避し、周期毎に得られたノイズカウンタ409の値を退避メモリ2に退避し、周期毎に得られた衝撃カウンタ410の値を退避メモリ3に退避する。メモリ411は演算期404の内部に備えられた例を示したが、演算期404の外に備えて接続しても良い。
【0015】
図4は、本発明におけるノイズ除去演算を行う処理ステップを示しており、図3に示す装置の信号処理部の動作フローチャートである。図4において、プログラムスタートからA点までの動作を説明する。処理601は放射線カウンタ408及びノイズカウンタ409及び衝撃カウンタ410のカウンタ値を読み込む処理を行う。処理601aは退避メモリ1と退避メモリ2と退避メモリ3を読み込む。判断602、判断603、判断604及び処理605の流れを総括して説明する。放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、かつノイズカウンタの値と退避メモリ2の値が等しく、かつ衝撃カウンタの値と退避メモリ3の値が等しい場合、すなわち、このような場合はノイズを受信した痕跡がなく放射線を受けた痕跡が残っていると判断し、放射線線量演算処理605を行い、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、ノイズカウンタの値と退避メモリ2の値が異なるか、又は衝撃カウンタの値と退避メモリ3の値が異なる場合は、何らかのノイズによりカウンタが誤計数したと判断し、放射線線量演算処理605は行われず、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しい場合は、演算器404の動作一周期の間で放射線を受信しなかったと判断し、放射線線量演算処理605は行われない。
【0016】
次に図4のA点からB点までの動作について説明する。判断606では、処理601で得たノイズカウンタ409の値が桁上がりに達しているか否かを判断し、桁上がりに達している場合は、処理607に進み、ノイズカウンタ409の値を初期化すると共に初期化した値を退避メモリ2へ退避する。ノイズカウンタ409の値が桁上がりに達していない場合は、処理608に進み、処理601で得たノイズカウンタ409の値を退避メモリ2へ退避する。
【0017】
次に図4のB点からC点までの動作について説明する。判断609では、処理601で得た衝撃カウンタ410の値が桁上がりに達しているか否かを判断し、桁上がりに達している場合は、処理610に進み、衝撃カウンタ410の値を初期化すると共に初期化した値を退避メモリ3へ退避し、処理612に進む。カウンタ値が桁上がりに達していない場合は、処理611に進み、処理601で得た衝撃カウンタ410の値を退避メモリ3へ退避し処理612へ進む。処理612では処理601で得た放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避する。
【0018】
こうすることで、放射線を本当に受信したのか、もしくは外来ノイズや衝撃によって引き起こされた誤検出なのかの判断が可能となり、その判断条件で放射線線量の演算を実施するか否かを振り分けることができ、より精度の良い高信頼な放射線測定が可能となる。
尚、判断603及び判断604に記載の比較判断で、判定値に閾値を設ける方法もある。また、判定値の閾値を可変設定できるようにしておくと、ノイズ受信頻度の大きさで放射線線量演算処理を実施するか否かを制御できるため、好都合である。
【0019】
図5は図3に示す装置に示す動作を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートは放射線を受信した場合とノイズを受信した場合を模擬する全体動作を説明するものである。図5において、演算器動作周期P0〜P2間は信号108、信号109、信号110が出力されてないため放射線は未検出で、かつ電波や衝撃に起因されるノイズも検出されていない。放射線カウンタ408、ノイズカウンタ409、衝撃カウンタそれぞれの値は「0」である。従って、放射線カウンタに変化が無いため演算器動作周期P0〜P2では演算処理を行わない。
【0020】
演算器動作周期P2〜P3間は、なんらかの外来ノイズにより放射線センサ101とノイズセンサ102が反応し、信号108及び信号109が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器502とで増幅され信号510と信号511が出力されている。信号510と信号511は電圧比較器504と電圧比較器505でパルス化されパルス405及びパルス406が出力されている。パルス405とパルス406が出力されることで、放射線カウンタ408とノイズカウンタ409は計数し、各々「1」となる。放射線カウンタ408の値がP2〜P3の間に「0」から「1」へ変化しているので、なんらかの放射線を検出した可能性があるが、ノイズカウンタ409の値も「0」から「1」へ変化しているので、演算器動作周期P2〜P3間での放射線カウンタ408が行った計数は、ノイズが起因する誤計数と判断し放射線線量演算処理を行わない。
【0021】
演算器動作周期P4〜P5間は、なんらかの外来衝撃により放射線センサ101と衝撃センサ103が反応し、信号108及び信号110が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器503とで増幅され信号510と信号512が出力されている。信号510と信号512は電圧比較器504と電圧比較器506でパルス化されパルス405及びパルス407が出力されている。パルス405とパルス407が出力されることで、放射線カウンタ408の値は「1」から「2」へ変化し、衝撃カウンタ410の値は、「0」から「1」へと変化する。放射線カウンタ408の値がP4〜P5の間に「1」から「2」へ変化しているので、なんらかの放射線を検出した可能性があるが、衝撃カウンタ410の値が「0」から「1」へ変化しているので、演算器動作周期P4〜P5間での放射線カウンタ408が行った計数は、ノイズが起因する誤計数であると判断し放射線線量演算処理を行わない。
【0022】
演算器動作周期P5〜P6間は、放射線の検出により放射線センサ101が反応し、信号108が出力されていて、その信号は増幅器501で増幅され信号510が出力されている。信号510は電圧比較器504でパルス化されパルス405が出力されている。パルス405が出力されることで、放射線カウンタ408の値は「2」から「3」へ変化する。放射線カウンタ408の値が演算器動作周期P5〜P6の間に「2」から「3」へ変化し、ノイズカウンタ409及び衝撃カウンタ410の値に変化がないことから、正規なる放射線を検出した計数と判断し、放射線線量演算処理を行う。
【0023】
演算器動作周期P6〜P7間は、P5〜P6と同様な考えで、正規なる放射線を検出した計数であるので放射線線量演算処理を行う。演算器動作周期P7〜P10間は放射線カウンタ408、ノイズカウンタ409、衝撃カウンタ410それぞれの値に変化が無いので、演算処理を行わない。
【0024】
演算器動作周期P10〜P11間は、なんらかの外来ノイズにより放射線センサ101とノイズセンサ102及び衝撃センサが反応し、信号108及び信号109及び信号110が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器502及び増幅器503で増幅され信号510と信号511及び信号512が出力されている。信号510と信号511及び信号512は電圧比較器504と電圧比較器505及び電圧比較器506でパルス化されパルス405とパルス406及びパルス407が出力されている。パルス405、パルス406、パルス407が出力されることで、放射線カウンタ408とノイズカウンタ409及び衝撃カウンタ410は計数カウントし、各々+1カウントアップされる。放射線カウンタ408の値が演算器動作周期P10〜P11の間に変化しているので、なんらかの放射線を検出した可能性があるが、ノイズカウンタ409及び衝撃カウンタ410の値も変化しているので、演算器動作周期P10〜P11間での放射線カウンタ408の計数アップは、ノイズが起因する誤計数であると判断し放射線線量演算処理を行わない。尚、便宜上解りやすく表記するために各種カウンタの値は「0」を始点として表記した。
【0025】
図6は、第四の発明に関する好適な実施形態を示しており、図1に示す信号処理部104の内部構成を示した装置全体構成図である。図6において、信号処理部104は、信号変換部401、信号変換部402、信号変換部403、放射線カウンタ700、マルチバイブレータ回路701、マルチバイブレータ回路702及び演算器404によって構成される。尚、図1,図2,図3と同じ構成を要するものは同符号としている。
【0026】
信号変換部401は増幅器501、電圧比較器504で構成され、放射線センサ101が出力する信号108を受信し、その信号を増幅器501によって増幅し、増幅された信号510の電圧を電圧比較器504によって、基準電圧と電圧比較し、信号510の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス405を出力する。
信号変換部402は増幅器502、電圧比較器505で構成され、ノイズセンサ102が出力する信号109を受信し、その信号を増幅器502によって増幅し、増幅された信号511の電圧を電圧比較器505によって、基準電圧と電圧比較し、信号511の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス406を出力する。
【0027】
信号変換部403は増幅器503、電圧比較器506で構成され、衝撃センサ102が出力する信号110を受信し、その信号を増幅器503によって増幅し、増幅された信号512の電圧を電圧比較器506によって、基準電圧と電圧比較し、信号512の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス407を出力する。
マルチバイブレータ回路701はパルス406を受信し、出力に一定時間の延長幅で1発のパルス信号である信号703を出力し、信号703出力中にパルス406を再度受信すると、信号703をさらに一定時間だけ出力するマルチバイブレータ回路である。
【0028】
マルチバイブレータ回路702はパルス407を受信し、出力に一定時間の延長幅で1発のパルス信号である信号704を出力し、信号704出力中にパルス407を再度受信すると、信号704をさらに一定時間だけ出力するマルチバイブレータ回路である。
信号703及び信号704が出力されているときは何らかのノイズを受信した痕跡を示す信号となり、この信号を使って放射線カウンタ408の計数制御を行うことでノイズによる誤カウントを防ぐことが可能となる。
【0029】
放射線カウンタ700は、信号703及び信号704のどちらかが有効のときはパルス405をカウントせず、信号703及び信号704の両方とも無効のときにパルス405を計数するカウントイネーブル付きカウンタである。
このように、信号703と信号704の両方が無効のときに、いわゆるノイズ受信が認められないことをイネーブルとして、パルス405の計数を行うことによってノイズ受信によって起こる誤カウントを防ぐことが可能となる。
【0030】
演算器404は、プログラムを周期毎に繰り返し行うものであり、一般的なマイクロプロセッサである。放射線カウンタ700が示す計数を周期毎に参照し、その値に変化が認められたとき放射線線量を演算処理する。メモリ411はプログラムを実行する上で作業データを退避することなどに使用されるものである。図示するメモリ411は演算期404の内部に備えられた例を示したが、演算期404の外に備え接続しても良い。
【0031】
図7は第四の発明の動作を説明するタイミングチャートである。図6,図7において、演算器動作周期P0〜P2間は信号108、信号109、信号110が出力されてないため放射線は未検出で、かつ電波や衝撃に起因されるノイズも検出されてなく、放射線カウンタ408、ノイズカウンタ409、衝撃カウンタそれぞれの値は「0」である。放射線カウンタに変化が無いため、演算器動作周期P0〜P2間では演算処理を行わない。
【0032】
演算期動作周期P2〜P3間は、なんらかの外来ノイズにより放射線センサ101とノイズセンサ102が反応し、信号108及び信号109が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器502とで増幅され信号510と信号511が出力されている。信号510と信号511は電圧比較器504と電圧比較器505でパルス化されパルス405及びパルス406が出力されている。パルス406が出力されることで、マルチバイブレータ回路701はパルス長を延長した信号703を出力する。信号703がHレベルのとき放射線カウンタ408はカウント動作を実施しないため、放射線カウンタ408の値は「0」のまま変化しない。演算器404は放射線カウンタの値の変化を動作周期毎にチェックし、その値に変化が認められたとき放射線線量演算処理を行う。
【0033】
演算器動作周期P4〜P5間は、なんらかの外来衝撃により放射線センサ101と衝撃センサ102が反応し、信号108及び信号110が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器503とで増幅され信号510と信号512が出力されている。信号510と信号512は電圧比較器504と電圧比較器506でパルス化されパルス405及びパルス407が出力されている。パルス407が出力されることで、マルチバイブレータ回路702はパルス長を延長した信号704を出力する。信号704がHレベルのとき放射線カウンタ408はカウント動作を実施しないため、放射線カウンタ408の値は「0」のまま変化しない。演算器404は放射線カウンタの値の変化を周期毎にチェックし、その値に変化が認められたとき放射線線量演算処理を行う。
【0034】
演算器動作周期P5〜P6間は、放射線の検出により放射線センサ101が反応し、信号108が出力されていて、その信号は増幅器501で増幅され信号510が出力されている。信号510は電圧比較器504でパルス化されパルス405が出力されている。信号703と信号704の両方がLであるため、パルス405は放射線カウンタ408にカウントされ、値は「1」となる。放射線カウンタ408の値がP5〜P6の間に「0」から「1」へ変化したので、この場合は放射線線量演算処理を行う。
【0035】
演算器動作周期P6〜P7間は、放射線カウンタ408のカウント値が「1」から「2」へと変化したので放射線線量演算処理を行う。
【0036】
演算期動作周期P7〜P10間は放射線カウンタ408の値に変化が無いので、演算処理を行わない。
【0037】
演算器動作周期P10〜P11間は、なんらかの外来ノイズにより放射線センサ101とノイズセンサ102及び衝撃センサが反応し、信号108及び信号109及び信号110が出力されていて、それぞれ増幅器501と増幅器502及び増幅器503で増幅され信号510と信号511及び信号512が出力されている。信号510と信号511及び信号512は電圧比較器504と電圧比較器505及び電圧比較器506でパルス化され、パルス405とパルス406及びパルス407が出力されている。マルチバイブレータ回路701は、パルス406が出力されることでパルス長を延長した信号703を出力していて、信号703出力中にパルス406を受信しているので更に信号703を延長出力している。マルチバイブレータ回路702は、パルス407が出力されることでパルス長を延長した信号704を出力している。信号703と信号704は放射線カウンタ408のカウントイネーブル信号となっていて、信号704がHレベルのとき放射線カウンタ408はカウント動作を実施せず放射線カウンタ408の値は「2」のまま変化しないため、演算処理を行わない。尚、便宜上解りやすく表記するために各種カウンタの値は「0」を始点として表記した。
【0038】
図8は、本発明の第五の発明に関する好適な実施形態で、全体構成を示す概念図であり、図1に示す装置の外来電磁波に起因したノイズに対する誤動作防止に着目した、携帯型個人線量計である。図8に示す装置は、電源100、放射線センサ101、ノイズセンサ102、信号処理部204、表示器105、共鳴器106、から構成される。尚、この構成以外に外部との通信を行う通信部など必要に応じて回路を追加することも可能である。電源100は、各構成のセンサや回路を動作させる電源であり、携帯型個人線量計の場合、電池などを使って回路に電力供給される。放射線センサ101は、例えば半導体検出器で構成されるものであり、この放射線センサ101によって外来放射線が検出され、信号108を出力する。ノイズセンサ102は、外来電磁波を検出し、信号109を出力するものである。信号108及び信号109はそれぞれ信号処理部204に接続される。尚、この装置は図1に示す装置から衝撃センサ103を除いたものであり、衝撃検知を目的とした内部回路も取り除くことにより小型で安価な線量計を実現できる。尚、図1と同じ構成を要するものは同符号としている。
【0039】
図9は図8に示す信号処理部204を詳細に図示した装置全体構成図である。尚、図1に関連する構成と同じ構成を要するものは同符号としている。
図9において、信号処理部204は、増幅器501と電圧比較器504で構成される信号変換部401、増幅器502と電圧比較器505で構成される信号変換部402、放射線カウンタ408、ノイズカウンタ409と、演算器404、メモリ412にて構成される。
【0040】
演算器404は、プログラムを周期毎に繰り返し行うものであり、一般的なマイクロプロセッサーである。メモリ412はプログラムを実行する上で作業データを退避することなどに使用されるものであり、放射線線量を演算するために図9aに示すような領域を備えている。図9aにおいて、演算期404は放射線カウンタ408の値を退避する退避メモリ1と、ノイズカウンタ409の値を退避する退避メモリ2とを、メモリ412上の特定アドレス番地に配置し、周期毎に得られた放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避し、周期毎に得られたノイズカウンタ409の値を退避メモリ2に退避する。メモリ412は演算期404の内部に備えられた例を示したが、演算期404の外に備えて接続しても良い。
【0041】
動作を詳細に説明する。放射線センサ101が出力する信号108は増幅器501によって増幅され、増幅された信号510の電圧を電圧比較器504によって基準電圧と電圧比較され、信号510の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス405が出力され、放射線カウンタ408によってパルス405が計数される。ノイズセンサ102が出力する信号109は増幅器502によって増幅され、増幅された信号511の電圧を電圧比較器505によって基準電圧と電圧比較され、信号511の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス406が出力され、放射線カウンタ409によってパルス406が計数される。
【0042】
図10を使って、第五の発明におけるノイズ除去演算を行う処理ステップを説明する。尚、図4の動作と同じ処理を行うものに関しては同符号としている。図10において、プログラムスタートからA点までの動作を説明する。処理601は放射線カウンタ408及びノイズカウンタ409のカウンタ値を読み込む処理を行う。処理601aは退避メモリ1と退避メモリ2を読み込む。判断602、判断603、及び処理605の流れを総括して説明する。放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、かつノイズカウンタの値と退避メモリ2の値が等しい場合、すなわち、このような場合はノイズを受信した痕跡がなく放射線を受けた痕跡が残っていると判断し、放射線線量演算処理605を行い、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、ノイズカウンタの値と退避メモリ2の値が異なる場合、何らかのノイズによりカウンタが誤計数したと判断し、放射線線量演算処理605は行われず、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しい場合は、演算器404の動作一周期の間で放射線を受信しなかったと判断し、放射線線量演算処理605は行われない。
【0043】
次に図10のA点からB点までの動作について説明する。判断606では、処理601で得たノイズカウンタ409の値が桁上がりに達しているか否かを判断し、桁上がりに達している場合は、処理607に進み、ノイズカウンタ409の値を初期化すると共に初期化した値を退避メモリ2へ退避する。ノイズカウンタ409の値が桁上がりに達していない場合は、処理608に進み、処理601で得たノイズカウンタ409の値を退避メモリ2へ退避する。
【0044】
次に図10のB点からC点までの動作について説明する。処理612では処理601で得た放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避する。
こうすることで、放射線を本当に受信したのか、もしくは外来ノイズよって引き起こされた誤検出なのかの判断が可能となり、その判断条件で放射線線量の演算を実施するか否かを振り分けることができ、より精度の良い高信頼な放射線測定が可能となる。
【0045】
図11は、本発明の第六の発明に関する好適な実施形態で、全体構成を示す概念図であり、図1に示す装置の衝撃に起因したノイズに対する誤動作防止に着目した、携帯型個人線量計である。図11に示す装置は、電源100、放射線センサ101、ノイズセンサ102、信号処理部304、表示器105、共鳴器106、から構成される。尚、この構成以外に外部との通信を行う通信部など必要に応じて回路を追加することも可能である。電源100は、各構成のセンサや回路を動作させる電源であり、携帯型個人線量計の場合、電池などを使って回路に電力供給される。放射線センサ101は、例えば半導体検出器で構成されるものであり、この放射線センサによって外来放射線が検出され、信号108を出力する。ノイズセンサ102は、外来電磁波を検出し、信号109を出力するものである。信号108及び信号109はそれぞれ信号処理部304に接続される。尚、この装置は図1に示す装置からノイズセンサ102を除いたものであり、外来電磁波ノイズを除去することを目的とした内部回路も取り除くことにより小型で安価な線量計を実現できる。尚、図1と同じ構成を要するものは同符号としている。
【0046】
図12は図11に示す信号処理部304を詳細に図示した装置全体構成図である。尚、図1に関連する構成と同じ構成を要するものは同符号としている。
図12において、信号処理部304は、増幅器501と電圧比較器504で構成される信号変換部401、増幅器503と電圧比較器506で構成される信号変換部403、放射線カウンタ408、衝撃カウンタ410と、演算器404、メモリ413にて構成される。
【0047】
演算器404は、プログラムを周期毎に繰り返し行うものであり、一般的なマイクロプロセッサーである。メモリ413はプログラムを実行する上で作業データを退避することなどに使用されるものであり、放射線線量を演算するために図12aに示すような領域を備えている。図12aにおいて、演算期404は放射線カウンタ408の値を退避する退避メモリ1と、衝撃カウンタ410の値を退避する退避メモリ3とを、メモリ413上の特定アドレス番地に配置し、周期毎に得られた放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避し、周期毎に得られた衝撃カウンタ410の値を退避メモリ3に退避する。尚、メモリ413は演算期404の内部に備えられた例を示したが、演算期404の外に備えて接続しても良い。
【0048】
動作を詳細に説明する。放射線センサ101が出力する信号108は増幅器501によって増幅され、増幅された信号510の電圧を電圧比較器504によって基準電圧と電圧比較され、信号510の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス405が出力され、放射線カウンタ408によってパルス405が計数される。衝撃センサ103が出力する信号110は増幅器503によって増幅され、増幅された信号512の電圧を電圧比較器506によって基準電圧と電圧比較され、信号512の電圧が基準電圧を超えることでその信号成分に相当するパルス407が出力され、衝撃カウンタ410によってパルス407が計数される。
【0049】
図13を使って、第六の発明におけるノイズ除去演算を行う処理ステップを説明する。尚、図4の動作と同じ処理を行うものに関しては同符号としている。図13において、プログラムスタートからA点までの動作を説明する。処理601は放射線カウンタ408及び衝撃カウンタ410のカウンタ値を読み込む処理を行う。処理601aは退避メモリ1と退避メモリ3を読み込む。判断602、判断604、及び処理605の流れを総括して説明する。放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、かつ衝撃カウンタの値と退避メモリ3の値が等しい場合、すなわち、このような場合はノイズを受信した痕跡がなく放射線を受けた痕跡が残っていると判断し、放射線線量演算処理605を行い、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しくなく、衝撃カウンタの値と退避メモリ3の値が異なる場合、何らかのノイズによりカウンタが誤計数したと判断し、放射線線量演算処理605は行なわれず、放射線カウンタの値と退避メモリ1の値を比較した結果、その値が等しい場合は、演算器404の動作一周期の間で放射線を受信しなかったと判断し、放射線線量演算処理605は行われない。
【0050】
次に図13のA点からC点までの動作について説明する。判断609では、処理601で得た衝撃カウンタ410の値が桁上がりに達しているか否かを判断し、桁上がりに達している場合は、処理610に進み、衝撃カウンタ410の値を初期化すると共に初期化した値を退避メモリ3へ退避する。衝撃カウンタ410の値が桁上がりに達していない場合は、処理611に進み、処理601で得た衝撃カウンタ410の値を退避メモリ3へ退避する。処理612では処理601で得た放射線カウンタ408の値を退避メモリ1に退避する。
【0051】
こうすることで、放射線を本当に受信したのか、もしくは衝撃が起因となるノイズよって引き起こされた誤検出なのかの判断が可能となり、その判断条件で放射線線量の演算を実施するか否かを振り分けることができ、より精度の良い高信頼な放射線測定が可能となる。
総じて望ましくは、ノイズセンサ102と衝撃センサ103の両方の機能を兼ね備えた1つのセンサを使用することが良く、外来電磁波ノイズと衝撃ノイズの両方を検知するセンサを使うことで、増幅器,電圧比較器,カウンタの資産を削減することが可能で、高性能でかつ小型な放射線測定装置を実現できる。
【産業状の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、電波や振動衝撃などに起因するノイズを除外して放射線を高精度に測定することが可能となり、放射線測定全ての分野及びノイズ除去方法に関する幅広い利用可能性が望める。特に携帯型個人線量計への利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の請求項1に関する実施の形態を示す図
【図2】本発明の請求項2に関する実施の形態を示す図
【図3】本発明の請求項2に関する実施の形態を示す詳細図
【図3a】本発明の作業メモリ領域を示す図
【図4】本発明の請求項3に関する実施の形態を示すフローチャート図
【図5】本発明に関する実施の形態を示す動作タイミングチャート図
【図6】本発明の請求項4に関する実施の形態を示す図
【図7】本発明に関する実施の形態を示す動作タイミングチャート図
【図8】本発明の請求項5に関する実施の形態を示す図
【図9】本発明の請求項5に関する実施の形態を示す図
【図9a】本発明の請求項5に関する作業メモリ領域を示す図
【図10】本発明の請求項5に関する実施の形態を示すフローチャート図
【図11】本発明の請求項6に関する実施の形態を示す図
【図12】本発明の請求項6に関する実施の形態を示す図
【図12a】本発明の請求項6に関する作業メモリ領域を示す図
【図13】本発明の請求項6に関する実施の形態を示すフローチャート図
【符号の説明】
【0054】
100…電源
101…放射線センサ
102…ノイズセンサ
103…衝撃センサ
104、204、304…信号処理部
105…表示器
106…共鳴器
108…信号
109…信号
110…信号

401、402、403…信号変換部
404…演算器
405、406、407…パルス
408…放射線カウンタ
409…ノイズカウンタ
410…衝撃カウンタ
411、412、413…メモリ

501、502、503…増幅器
504、505、506…電圧比較器
510、511、512…信号

601、605、607、608、610、611、612…処理
602、603、604…判断

700…放射線カウンタ
701、702…マルチバイブレータ回路
703、704…信号

P0〜P12…演算器動作周期

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線を検出する放射線センサと、
電磁的ノイズを検出するノイズセンサと、
衝撃を検出する衝撃センサと、
前記ノイズセンサからの信号、もしくは前記衝撃センサからの信号の少なくとも一方が認められたときには、前記放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、
を含むことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記信号処理部は、
前記放射線センサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第一の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する放射線カウンタと、
前記ノイズセンサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第二の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換するノイズカウンタと、
前記衝撃センサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることでパルス出力を行う第三の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する衝撃カウンタと、
前記放射線カウンタ、及び前記ノイズカウンタ、及び前記衝撃カウンタが示す計数に従って放射線線量の統計演算を行う演算器とを備え、当該演算器は作業用記憶手段を備えること特徴とする放射線測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置におけるノイズ除去演算方法であって、
前記演算器は、周期毎に演算処理を繰り返し、
前記放射線カウンタの値を退避する放射線カウンタ記憶手段と、
前記ノイズカウンタの値を退避するノイズカウンタ記憶手段と、
前記衝撃カウンタの値を退避する衝撃カウンタ記憶手段と、
を備え、
一周期前に退避した前記放射線カウンタ記憶手段の値を放射線カウンタ前回値、現在の周期で得られた前記放射線カウンタ値を放射線カウンタ今回値とし、
前記一周期前に退避した前記ノイズカウンタ記憶手段の値をノイズカウンタ前回値、現在の周期で得られた前記ノイズカウンタの値をノイズカウンタ今回値とし、
前記一周期前に退避した前記衝撃カウンタ記憶手段の値を衝撃カウンタ前回値、現在の周期で得られた前記衝撃カウンタの値を衝撃カウンタ今回値とし、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値とで比較を行い、及び前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値とで比較を行い、及び前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値とで比較を行い、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が異なり、かつ前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値が等しく、かつ前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値が等しい場合は、放射線線量演算処理を実行し、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が異なり、前記ノイズカウンタ前回値と前記ノイズカウンタ今回値が異なるか、又は前記衝撃カウンタ前回値と前記衝撃カウンタ今回値が異なる場合は、前記放射線線量演算処理を実行せず、
前記放射線カウンタ前回値と前記放射線カウンタ今回値が等しい場合は、前記放射線線量演算処理を実行せず、
前記ノイズカウンタ今回値が定められた値に達した場合には、前記ノイズカウンタの値を現在の周期タイミングで初期化すると共に、初期化した値を前記ノイズカウンタ記憶手段に退避し、
前記衝撃カウンタ今回値が定められた値に達した場合には、前記衝撃カウンタの値を現在の周期タイミングで初期化すると共に、初期化した値を前記衝撃カウンタ記憶手段に退避し、
前記ノイズカウンタ今回値が、定められた値に達していない場合は、前記ノイズカウンタ今回値を前記ノイズカウンタ記憶手段に退避し、
前記衝撃カウンタ今回値が、定められた値に達していない場合は、前記衝撃カウンタ今回値を前記衝撃カウンタ記憶手段に退避し、
前記放射線カウンタ今回値を周期毎に放射線カウンタ記憶手段に退避する、
ことを特徴とする、ノイズ除去演算方法。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記信号処理部は、
前記放射線センサから出力される信号を受信し、その信号強度が閾値を超えることで第一のパルスを出力する第一の信号変換部と、そのパルス出力の数をデジタル計数に変換する放射線カウンタと、
前記ノイズセンサから出力される信号を受信し、その信号の強度が閾値を超えることで第二のパルスを出力する第二の信号変換部と、
前記第二のパルスが入力されると出力に一定時間幅で1発の第一の延長パルスを出力し、当該第一の延長パルス出力中に再度前記第二のパルスが入力されると、前記第一の延長パルスをさらに一定時間だけ出力する第一のマルチバイブレータ回路と、
前記衝撃センサから出力される信号を受信し、その強度が閾値を超えることで第三のパルスを出力する第三の信号変換部と、
前記第三のパルスが入力されると出力に一定時間幅で1発の第二の延長パルスを出力し、当該第二の延長パルス出力中に再度前記第三のパルスが入力されると、前記第二の延長パルスをさらに一定時間だけ出力する第二のマルチバイブレータ回路と、
を備え、前記放射線カウンタは、前記第一の延長パルス又は前記第二の延長パルスが入力された場合、前記第一のパルスの数を計数せず、
前記放射線カウンタが示す計数に従って放射線線量の統計演算を行う演算器とを備え、当該演算器は作業用記憶手段を備えることを特徴とする放射線測定装置。
【請求項5】
放射線を検出する放射線センサと、
電磁的ノイズを検出するノイズセンサと、
前記ノイズセンサからの信号が認められたときには、前記放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、
を含むことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項6】
放射線を検出する放射線センサと、
衝撃を検出する衝撃センサと、
前記衝撃センサからの信号が認められたときには、放射線センサから出力される信号を無効扱いとする信号処理部と、
を含むことを特徴とする放射線測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9a】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12a】
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【図13】
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