説明

放射能検査方法および装置

【課題】バックグラウンドの変動があったときにも誤って検出感度の低い状態で測定してしまうことを防止することのできる放射能検査方法および装置を提供する。
【解決手段】バックグラウンド測定と検査対象物に対する測定を切り替えるBG/本測定切替え手段3と、指令された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値を時系列で記憶するBG記憶手段4と、記憶された時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するBG変動量算出手段6と、BG変動量算出手段6で求めたバックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め記憶しておいたバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定する変動原因推定手段8と、推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなう手段9,10を備えている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核燃料施設等で使用された物品等の放射能汚染を検査する放射能検査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核燃料施設等で使用された物品等の放射能汚染を検査する目的で放射線計測を行う場合、周囲の環境に存在する天然放射能からの放射線などのバックグラウンド放射線の影響を低減させるために、予め測定対象物の無い状態でバックグラウンド放射線を計測しておき、次に測定対象物の放射線を計測し、先に計測したバックグラウンド放射線の値を差し引くことで正味の値を求める方法が採用されている(特許文献1)。
【0003】
このようなバックグラウンド放射線は、代表的なものとしてはコンクリート等に含まれるK−40などからの放射線があげられるが、その他、空気中のラドントロンなどからも放出されており、また宇宙線による影響などにより、バックグラウンド放射線の量が日常的に変動する。このため、市販されている放射線モニタは、このようなバックグラウンドの変動に対応するため、測定と測定の合間にバックグラウンドを計測しておき直前の値を用いている。
【0004】
据え置き型の放射線モニタでは、JIS Z4337のなかで、測定時のバックグラウンド補償の有無による分類として、測定物品をモニタに設置していない間、常に各検出器でバックグラウンドを測定しておき、測定物品を設置しているときの計数率から測定直前のバックグラウンドの計数率を差し引くモニタを、バックグラウンド継続減算型として規定している。
【0005】
また、バックグラウンドの大きな変動部分を除去するため、何度か測定したバックグラウンドのばらつきから、設定誤差(大体カウント値の3σ〜5σ)以上のものは除外する方法がとられる場合もある。更に、放射線計数値の分布は正規分布に従うため、このような統計モデルからのずれをモニタして、バックグラウンドの変動を除去する方法もある。
【特許文献1】特公平4−26073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、従来の放射線モニタでは、モニタ近傍にこれから測定するためのサンプルなどの強い放射線源が置かれた場合、バックグラウンドが上昇したことを検知して、再度バックグラウンドを計測しなおすが、自然のバックグラウンド変動なのか、モニタ近傍に置かれた線源による変動なのかは判定していない。
【0007】
放射線モニタの検出感度は、検出効率と最小検出計数率で表され、この中で最小検出計数率は検出限界計数率とも言い、一般に下記(1)式を用いて算出される。
【数1】

【0008】
つまり、検出限界計数率はバックグラウンド計数率に依存するため、バックグラウンドが上昇した場合、測定者にアラームを出すことなく、高いバックグラウンドにより検出感度が低い状態で計測してしまう。そのため、放射能による汚染が存在していても見逃してしまうという問題がある。
【0009】
さらに、単純にバックグラウンドレベルの変動量を監視しているだけでは、放射線の変動によるものか、検出器の劣化や故障によるものか判断できないという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、バックグラウンドの変動があったときにも誤って検出感度の低い状態で測定してしまうことを防止することのできる放射能検査方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明の放射能検査装置は、放射能を検査すべき対象物から放射される放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段による放射線検出数を計測する放射線計数手段と、バックグラウンド測定と検査対象物に対する測定を切り替えるBG/本測定切替え手段と、指定された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値を時系列で記憶するBG記憶手段と、前記記憶された時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するBG変動量算出手段と、前記BG変動量算出手段で求めたバックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め記憶しておいたバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定する変動原因推定手段と、前記推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなう手段と、前記BG記憶手段に記憶されたバックグラウンド計測値からバックグラウンド減算に必要な値を求めるBG計数算出手段と、検査対象物からの放射線計測値からバックグラウンド計測値を減算して正味の放射線計測値を求めるBG減算手段と、前記正味の放射線計測値から検査対象物の放射能量を求める換算手段とを備えている構成とする。
【0012】
請求項2の発明の放射能検査装置は、放射能を検査すべき対象物から放射される放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段による放射線検出数を計測する放射線計数手段と、バックグラウンド測定と検査対象物に対する測定を切り替えるBG/本測定切替え手段と、指定された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値を時系列で記憶するBG記憶手段と、前記記憶された時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するBG変動量算出手段と、前記算出されたバックグラウンドの変動量をバックグラウンド計測値から求めらる統計誤差と検査装置自身の系統誤差で規定される許容値と比較してバックグラウンド放射線の変動を検知する変動レベル比較手段と、前記変動レベル比較手段が変動を検知した場合、変動量に応じて測定停止指示または警告表示をおこなう手段と、前記BG記憶手段に記憶されたバックグラウンド計測値からバックグラウンド減算に必要な値を求めるBG計数算出手段と、検査対象物からの放射線計測値からバックグラウンド計測値を減算して正味の放射線計測値を求めるBG減算手段と、前記正味の放射線計測値から検査対象物の放射能量を求める換算手段とを備えている構成とする。
【0013】
請求項5の発明の放射能検査方法は、検査対象物の放射能を検査するに際して、指定された時間ごとにバックグラウンドを計測し、時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出し、バックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め求められているバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定し、前記推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなうことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明の放射能検査方法は、検査対象物の放射能を検査するに際して、指定された時間ごとにバックグラウンドを計測し、時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出し、前記算出されたバックグラウンドの変動量をバックグラウンド計測値から求めらる統計誤差と検査装置自身の系統誤差で規定される許容値と比較してバックグラウンド放射線の変動を検知し、前記検知した変動量に応じて測定停止指示または警告表示をおこなうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バックグラウンドの変動があったときにも誤って検出感度の低い状態で測定してしまうことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の第1および第2の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の放射能検査装置は、図1のブロック図に示すように、例えばプラスチックシンチレーション検出器またはNaI(Tl)検出器などに代表されるγ線検出器が1個ないしn個の複数配列された放射線検出手段1と、例えば増幅器及びカウンタと計数値を読み出し記憶するための計算機またはマルチチャンネルスケーラなどで構成され、検出器の個数に対応して複数の系統を持つ放射線計数手段2と、手動または、検査対象物の本測定を実施するときに自動でバックグラウンド測定と本測定を切り替えるBG/本測定切替え手段3と、予め設定した測定時間でバックグラウンドを計数し、その計数値を順に記憶していくBG記憶手段4と、BG記憶手段4に記憶された指定された時間当たりのバックグラウンド計数を合算してバックグラウンド計数率を求めるBG計数算出手段5と、指定された測定時間当たりのバックグラウンド変動量を算出するBG変動量算出手段6と、バックグラウンドの変動量と統計誤差及び検査装置の系統誤差で規定される設定レベルと比較してバックグラウンドの変動の有無を検知する変動レベル比較手段7と、複数の検出器1〜nのバックグラウンドの変動の仕方に対し、予め知得されているバックグラウンド変動原因に対応する各検出器の変化のパターンを参照することによって、変動原因を推定する変動原因推定手段8と、許容値以上の変動があった場合、若しくは変動パターンで線源によるバックグラウンドの上昇が認められた場合に、バックグラウンドの測定を停止し、若しくはバックグラウンドデータのリセットを行う測定停止手段9と、警告表示を行う警告表示手段10と、検査対象物に対する本測定での計数値からバックグラウンドを減算して正味計数率を求めるBG減算手段11と、予め校正を行い求められた放射能量に換算するための定数を記憶しておき、この換算定数を参照することで計測された正味計数率を放射能量に換算する放射能量換算手段12とで構成されている。
【0017】
なお、変動レベル比較手段7と変動原因推定手段8は少なくともいずれか一方を備えていればよい。また、複数の検出器のバックグラウンド変化量のパターンから変動原因を推定しない場合は、放射線検出器1〜nは1個でよい。
【0018】
このように構成された本実施形態の放射能検査装置は下記のように動作する。すなわち、通常時にはまず事前に、検査対象物がない状態で、バックグラウンド放射線の検出を放射線検出手段1により行う。このとき放射線検出手段1の各要素であるn個の放射線検出器から、検出された放射線の信号が出力され、各放射線検出器に対応して接続されたn個の系統を持つ放射線計数手段2により、予め設定した所定の時間で繰り返し計数される。放射線計数手段2で計数されたn個のバックグラウンド計数データは順次、BG/本測定切替え手段3によりBG記憶手段4に送られ記憶されていく。記憶されたデータは順次BG変動量算出手段6に読み出され、検出器1〜nごとに、ある時間のバックグラウンドデータとその次のバックグラウンドデータの変化量が求められる。時間要素ごとのバックグラウンド計数の変動が大きい場合は、任意の区間を設けて移動平均による平滑化を行い、その結果を用いて変動量を求めることができる。
【0019】
放射線の発生はランダムな現象でありポアソン分布に従うため、統計誤差はカウント値の平方根となる。ある時間要素の次の時間要素のバックグラウンド計数率の誤差は、測定装置が正常であり放射線源の変動が無ければ、前記ある時間要素のバックグラウンドの計数率の平方根で求めた統計誤差に正常なときの測定装置の系統誤差が加えられた合計誤差の±3倍以内に99%以上の確率で入る。
【0020】
もし、ここで従来方法である、n回のバックグラウンド測定値のばらつきを測定誤差とした場合、測定誤差は、(バックグラウンドの統計誤差)+(測定装置の系統誤差)+(バックグラウンドレベルの変動誤差)となり、バックグラウンド変動が測定誤差に組み入れられてしまい、測定誤差σが大きくなってしまう問題がある。
【0021】
そこで、予め、バックグラウンドレベルの変動の影響を受けにくい条件で、測定装置の系統誤差のみを評価しておき、(判定を行う時点での基準のバックグラウンド計数率の統計誤差)+(予め評価し設定しておいた測定装置の系統誤差)を測定誤差とすれば、バックグラウンドレベルの変動の影響を受けることなく判定レベルが設定できる。
【0022】
従って、そのときの(バックグラウンド計数から求められる統計誤差)+(正常時の装置の系統誤差)=(測定誤差σ)として、たとえば一例として±3σを判定基準とした場合、BG変動量算出手段6から、それを超える変動量が出力された場合は、変動レベル比較手段7においてバックグラウンド放射線の変動として検知する。
【0023】
図2は、検出器を4個並列に配置し300秒ごとにバックグラウンド計数率を測定したときの変動を例示するグラフである。
【0024】
検出器毎のバックグラウンド計数率の変動パターンに着目すると、検出器近傍に線源が置かれた場合は、一様にバックグラウンドが上昇する。つまり、外部からの放射線による変動については、どの検出器も影響を受ける。検出器ごとの影響の度合いについては、遮へい体の構造や線源の方向などの影響を受けるため、予めパターンを計測しておくことで、たとえばラドントロンに代表されるような天然のバックグラウンドの変動か、線量の高いサンプルが近くにあることによる変動か判別することができる。
【0025】
特定のchのみに発生する変動は検出器のトラブルが原因と判定できる。数時間〜数日以上の長時間の変動パターンを参照した場合、検出器の異常を把握することが可能である。さらに、大幅な変動の検知または検出器近傍の線源等の検知などの異常により測定停止手段9及び警告表示手段10に信号が出力されることにより、バックグラウンドの計数が停止され、オペレータに対し警告が表示される。
【0026】
本実施の形態によれば、放射線検出手段1の近傍に線源が置かれるなどによりバックグラウンドが上昇した場合、誤った値が出力されることを防止し、バックグラウンドの変動があったときにも誤って検出感度の低い状態で測定してしまうことを防止することができる。
【0027】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態の放射能検査装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の放射能検査装置は、図1に示した第1の実施の形態の放射能検査装置の構成のうえに、BG計数算出手段5の出力側に、検出限界を算出し予め設定しておいた基準レベルと比較する検出限界算出比較手段13を設け、その出力を警告表示手段10および測定停止手段に入力するようにした構成である。
【0028】
本実施の形態の放射能検査装置において、放射線検出手段1、放射線計数手段2、BG/本測定切替え手段3、BG記憶手段4、BG計数算出手段5、BG変動量算出手段6、変動レベル比較手段7、変動原因推定手段8、BG減算手段11および放射能量換算手段12は第1の実施の形態の放射能検査装置におけると同様に動作する。
【0029】
検出限界算出比較手段13においては、BG計数算出手段5で求めたバックグラウンド計数率Nbと、バックグラウンド計数率を求めるためBG記憶手段4に記憶された単位時間当たりのバックグラウンド計数を合算したときの合計計数時間tbと、測定対象物を計測するために設定された測定時間tsから前記(1)式を用いて検出限界計数率を求める。
【0030】
検出限界算出比較手段13は更に、測定する対象物及び目的に応じて、予め設定された測定基準レベルと比較して、検出限界計数率が測定判定基準レベル以上になった場合は、測定停止手段9及び警告表示手段10に信号を出力し、バックグラウンドの測定を停止して、オペレータ等に警告を表示する。
【0031】
本実施の形態によれば、放射線検出手段1の近傍に線源が置かれるなどで線量が高くなり、バックグラウンドレベルが上昇することで、必要検出感度が得られない状態で、測定を行ってしまうことを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放射能検査装置の構成を示すブロック図。
【図2】バックグラウンド計数率の変動パターンを例示し、本発明の第1の実施の形態の放射能検査装置の動作を説明するグラフ。
【図3】本発明の第2の実施の形態の放射能検査装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0033】
1…放射線検出手段、2…放射線計数手段、3…BG/本測定切替え手段、4…BG記憶手段、5…BG計数算出手段、6…BG変動量算出手段、7…変動レベル比較手段、8…変動原因推定手段、9…測定停止手段、10…警告表示手段、11…BG減算手段、12…放射能量換算手段、13…検出限界算出比較手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射能を検査すべき対象物から放射される放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段による放射線検出数を計測する放射線計数手段と、バックグラウンド測定と検査対象物に対する測定を切り替えるBG/本測定切替え手段と、指定された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値を時系列で記憶するBG記憶手段と、前記記憶された時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するBG変動量算出手段と、前記BG変動量算出手段で求めたバックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め記憶しておいたバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定する変動原因推定手段と、前記推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなう手段と、前記BG記憶手段に記憶されたバックグラウンド計測値からバックグラウンド減算に必要な値を求めるBG計数算出手段と、検査対象物からの放射線計測値からバックグラウンド計測値を減算して正味の放射線計測値を求めるBG減算手段と、前記正味の放射線計測値から検査対象物の放射能量を求める換算手段とを備えていることを特徴とする放射能検査装置。
【請求項2】
放射能を検査すべき対象物から放射される放射線を検出する放射線検出手段と、前記放射線検出手段による放射線検出数を計測する放射線計数手段と、バックグラウンド測定と検査対象物に対する測定を切り替えるBG/本測定切替え手段と、指定された時間ごとに計数したバックグラウンドの計測値を時系列で記憶するBG記憶手段と、前記記憶された時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するBG変動量算出手段と、前記算出されたバックグラウンドの変動量をバックグラウンド計測値から求めらる統計誤差と検査装置自身の系統誤差で規定される許容値と比較してバックグラウンド放射線の変動を検知する変動レベル比較手段と、前記変動レベル比較手段が変動を検知した場合、変動量に応じて測定停止指示または警告表示をおこなう手段と、前記BG記憶手段に記憶されたバックグラウンド計測値からバックグラウンド減算に必要な値を求めるBG計数算出手段と、検査対象物からの放射線計測値からバックグラウンド計測値を減算して正味の放射線計測値を求めるBG減算手段と、前記正味の放射線計測値から検査対象物の放射能量を求める換算手段とを備えていることを特徴とする放射能検査装置。
【請求項3】
前記BG記憶手段の後段に、指定された時間区間でバックグラウンド計測値を移動平均する移動平均手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射能検査装置。
【請求項4】
前記BG計数算出手段で求めたバックグラウンド計測値と、前記バックグラウンド計測値を求めるために前記BG記憶手段に記憶された指定された時間当たりのバックグラウンド計数を合算したときの合計計測時間と、検査対象物を計測するために設定された測定時間とから求められる検出限界計数率に対し、予め設定された任意の測定基準レベルを参照して測定の可否を判定する検出限界算出比較手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射能検査装置。
【請求項5】
検査対象物の放射能を検査するに際して、指定された時間ごとにバックグラウンドを計測し、時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出し、バックグラウンド計測値の変動パターンに対し予め求められているバックグラウンドの変動原因に対する変動パターンを参照してバックグラウンド計測値の変動原因を推定し、前記推定された原因に応じて測定停止指示または警告表示をおこなうことを特徴とする放射能検査方法。
【請求項6】
検査対象物の放射能を検査するに際して、指定された時間ごとにバックグラウンドを計測し、時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出し、前記算出されたバックグラウンドの変動量をバックグラウンド計測値から求めらる統計誤差と検査装置自身の系統誤差で規定される許容値と比較してバックグラウンド放射線の変動を検知し、前記検知した変動量に応じて測定停止指示または警告表示をおこなうことを特徴とする放射能検査方法。
【請求項7】
前記時系列のバックグラウンド計測値からバックグラウンドの変動量を算出するときに、指定された時間区間でバックグラウンド計測値を移動平均することを特徴とする請求項5または6に記載の放射能検査方法。
【請求項8】
前記バックグラウンド計測値と、前記バックグラウンド計測値の合計計測時間と、検査対象物を計測するために設定された測定時間とから求められる検出限界計数率に対し、予め設定された任意の測定基準レベルを参照して測定の可否を判定することを特徴とする請求項5または6に記載の放射能検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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