放射薬剤用分注及び注入システム
【課題】 放射薬剤の計量、分注、注入を運転員の手によらずに行うことができる分注及び注入システムを提供する。
【解決手段】注射針挿入孔(11)を有する放射線遮へいした密閉槽(1)、放射薬剤を収納する薬剤バイアル(2)、内部流路を形成してい生理食塩水カートリッジ(70)、少なくとも一本のディスポ式注射器(51)、可動式分注及び注入機構(6)等からなり、可動式分注及び注入機構(6)は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアル(2)から吸引しそして生理食塩水カートリッジ(70)の薬剤注入口(71)に注入するように構成される。
【解決手段】注射針挿入孔(11)を有する放射線遮へいした密閉槽(1)、放射薬剤を収納する薬剤バイアル(2)、内部流路を形成してい生理食塩水カートリッジ(70)、少なくとも一本のディスポ式注射器(51)、可動式分注及び注入機構(6)等からなり、可動式分注及び注入機構(6)は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアル(2)から吸引しそして生理食塩水カートリッジ(70)の薬剤注入口(71)に注入するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には分注及び注入システムに関するものであるが、ここでは放射線遮へい下での放射薬剤の分注及び注入システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特異なinvivo画像化能力の故に近年ポジトロン断層(PET)は、以前不可能であった癌の早期発見と治療に用いられている。従ってPETは各種の腫瘍の診断のための極めて重要な方法の一つであり将来の核医学では主流となる。
【0003】
ポジトロン放射核種(放射薬剤)はサイクロトロンで創造され、次に放射薬剤師の手によって他の化合物を標識してグルコース、アミノ酸、水といった化合物/分子になり注射室に運ばれ、医師がPET診断をするために医療従事者によって人体に注入される。ポジトロンは人体の中の電子によって消滅し反対方向にガンマ線を放射し、それをPETが検知しコンピューター処理を経て画像化し機能画像と診断のためのパラメーターを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PET装置は医用診断には極めて有用であるが、PET用のポジトロン放射核種は強い放射線を放射する。従って放射薬剤師や医療従事者の過剰被ばく防護が主な課題である。PET検査の過程で放射薬剤師、医師、看護師、医療従事者は放射薬剤の計量、品質管理、運搬、注射を行う。もし適切な放射線防護を施さないとこれらの人々の健康に深刻な障害を生じる。
【0005】
PETを診断用に保有する病院においては放射線防護のために旧式な方法がとられている。すなわちバイアルに放射薬剤を充填した後当該バイアルを鉛製金属容器に入れ蓋をして運ぶのである。しかし、放射薬剤が鉛製金属容器に入れてあっても医療従事者は依然として回収、処分、計量、品質管理、放射薬剤の注入の過程で放射線に曝されている。さらに、PET放射薬剤の放射エネルギーが極めて高いので非常に重い鉛製金属容器を用いねばならず医療従事者に過大な負担をかけている。
【0006】
放射薬剤の汚染による被ばくを低減する色々な道具が設計されているが限定された効果しか上げていない。例えば、旧式な道具は放射薬剤の漏洩を無くす金属製容器の構造に焦点を絞った設計である。しかし、実際の運用では回収、処分、計量、品質管理、放射薬剤の注入に従事するものは依然として多大な放射薬剤による放射線汚染の危機に瀕している。
【0007】
金属容器の旧式な設計が医療従事者の防護に不十分である事実の故に異なった機能の放射薬剤分注装置や注入装置が世に出た。現在市販されている注入装置の中には独立した自動注入装置や分注装置がある。しかしこれらの装置は依然として医療従事者が回収、金属容器に放射薬剤を入れるとき、放射薬剤を注入装置に運ぶとき、放射薬剤を注入装置に入れるときに放射薬剤のエネルギーの被ばくの危険がある。
【0008】
この問題の解決のために分注装置と注入装置がチューブで接続された装置が存在する。しかし、この装置は注入装置への患者血液の逆流を防ぐことができない。
このように実際的で、安全で、以上で論じた問題を克服するために容易に運転できる放射薬剤の分注及び注入システムが渇望されている。
【0009】
本発明は、上記したような従来の事情に鑑みてなされたもので、その主眼は放射薬剤用の放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射薬剤の分注や注入の際に放射薬剤の計量、分注、注入を運転員の手によらず、運転員の被ばくの危険を減らし優れた放射線防護となり過度の被ばくを克服した放射薬剤の分注及び注入システムを提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの主眼は注入装置が注入運転を完了した後使用済みの注射器を廃棄することによって患者の血液の逆流の問題を排除し患者の血液の逆流による注入装置の汚染を防ぐ放射薬剤の分注及び注入システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
先行技術の問題に対する本発明の解決策は、放射線遮へいした密閉槽内に放射能測定器を設置し、バイアルに貯留された放射薬剤の放射能量を計測することである。少なくとも1個の生理食塩水カートリッジを槽内に設置し中間導管、薬剤吐出口、薬剤注入口、生理食塩水貯槽出口を設ける。当該生理食塩水カートリッジは生理食塩水貯槽となる。可動式分注及び注入機構は放射薬剤の注射器への分注と当該注射器の放射薬剤の分注の位置と注入の位置間の動きを制御する。当該可動式分注及び注入機構が注射器を放射薬剤分注の位置に移動したときは予め設定された量の放射薬剤をバイアルから吸引する。注入の位置に移動したときは注射器が吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジの薬剤注入口に注入する。
好ましくは、放射薬剤を患者に注入した後生理食塩水カートリッジの生理食塩水貯槽に貯留された生理食塩水を洗浄工程の準備のために吸引する。
【0012】
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって以下のものから成るように構成される。放射線遮へいした密閉槽であって密閉した放射線遮へいした内部空間を形成しており、当該放射線遮へいした密閉槽は少なくとも1個の注射針挿入孔を有すること;放射薬剤を収納する薬剤バイアル;少なくとも1個の生理食塩水カートリッジが密閉槽内の注射針挿入孔の近傍にある注入の位置にあって、当該生理食塩水カートリッジが内部流路を形成していること;放射薬剤吐出口及び放射薬剤注入口が一個ずつ、少なくとも一本のディスポ式注射器;当該注射器に放射薬剤を分注する操作を制御し且つ当該注射器の放射薬剤分注の位置と注入の位置との間の移動を制御する可動式分注及び注入機構;当該可動式分注及び注入機構が当該注射器を放射薬剤分注の位置に移動させると当該注射器は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアルから吸引し当該注射器を注入の位置に移動させると吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジの薬剤注入口に注入すること。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の中にあり薬剤バイアルが貯留する放射薬剤の放射能を検知する放射能測定器(3)を有するもののように構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該可動式分注及び注入システムが以下のものから成る用に構成される;支持台;当該支持台を水平ガイドレールに沿って水平方向に移動させる水平移動機構;当該支持台を垂直ガイドレールに沿って垂直方向に移動させる垂直移動機構;ディスポ式注射器を掴み取りや放棄する掴み取り及び放棄機構;当該支持台に搭載され当該ディスポ式注射器の注射器プランジャーを押し上げたり放射薬剤を吸引させる注射器プランジャー駆動機構。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該注射器プランジャー駆動機構の下部にあり当該ディスポ式注射器の注射器プランジャーにかかる圧力を検知するための圧力センサーを有するように構成される。請求項5に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の中にあり薬剤バイアル内に充填された放射薬剤の液面を監視するための薬剤液面測定装置を有するように構成される。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の内部の空気の清澄度を維持し正圧を提供するフィルター、ファンから成る空気ろ過装置を有するように、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムにおいて、放射線遮へいした密閉槽が引き出し台が密閉槽内に受け入れるため及び引き出し台を引き出すことができるようなバイアル搬入口を有するように構成される。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、薬剤バイアルを収納する遮へい運搬用容器を有し放射線遮へいした密閉槽の外に放射薬剤の搬送のために薬剤バイアルを移動させるときに当該バイアルを遮へい運搬用容器で遮へいするように、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、手動運転のための手段として放射線遮へいした密閉槽の内部に挿入する機械式トングを有するように、そして請求項10に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、その生理食塩水カートリッジが生理食塩水貯槽を有し、当該生理食塩水貯槽は生理食塩水貯槽出口を経由して生理食塩水カートリッジの中間導管に接続しており生理食塩水の中間導管への流入を可能にするように構成あれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記のように構成されているので、人手によらずに、放射薬剤の分注や注入の際に放射薬剤の計量、分注、注入を行うことができるので、運転員の被ばくの危険を減らすることができるという効果が得られる。また、注入装置が注入運転を完了した後、使用済みの注射器を廃棄するようになっているので、患者の血液の逆流による注入装置の汚染を防ぐことができる効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に基づいて製作された放射線遮へいされた放射薬剤分注及び注入システムの前面部の鳥瞰図であるが、図に示す通り本発明は鉛又はタングステンと言った放射線遮へい材料で製作された放射線遮へいした密閉槽1から成っている。放射線遮へいした密閉槽1は密閉された放射線遮へいされた内部空間を提供し密閉槽には少なくとも一個の注射針挿入孔11がある。
【0015】
放射線遮へいした密閉槽1は放射薬剤が入っている薬剤バイアル2(図2及び3参照のこと)を収納する。当該薬剤バイアル2をバイアル容器21に入れる場合は機械式トング12を用いる。当該機械式トング12には延長棹13があるので当該機械式トングを密閉槽1内に差し伸べて手動運転することができる。 勿論当該機械式トング12を完全に自動ロボットアームに置き換えることができる。
【0016】
バイアル容器21の側壁には放射薬剤液面監視窓22(図2参照のこと)がある。放射薬剤液面監視装置4(CCDカメラ)が放射薬剤液面監視窓22に対峙した位置に設置され放射薬剤液面監視装置4はモニター41又はコンピューターに接続されている。バイアル2に放射薬剤が薬剤チューブ20を経由して注入されるときはモニター41で放射薬剤の液面を監視する。バイアル2の中の放射薬剤が規定の液面に達したならば放射薬剤チューブ20を取り外す。
【0017】
バイアル2に放射薬剤が充填されたならば図3に示す通り放射能量の測定を行う。この工程では機械式トング12によってバイアル2をバイアル容器21から測定用容器24に移す。 バイアル2を測定用容器24内に移し機械式トングによって測定容器24のT字型棹241を掴んで持ち上げ測定用容器24をバイアル2と共に放射能測定器3に挿入する。放射能測定器3はバイアル2内の放射薬剤の放射能量を計測する機能を有する。
【0018】
図3に示す通り放射能量の計測が完了したならば機械式トング12を用いて測定容器24とバイアル2を測定用容器24の元の場所に戻す。次に機械式トング12によってバイアル2の首部分を掴んで測定用容器24からバイアル2を取り出しバイアル2を後の工程である放射薬剤の吸入及び分注をするためにバイアル容器21に移す。
【0019】
図4に放射線遮へいした密閉槽1の中でバイアル容器2の底部に近接した位置にあって複数のディスポ式注射器51を一列に並べたディスポ式の注射器供給モジュール5及び複数の生理食塩水カートリッジ70を一列に並べた生理食塩水カートリッジモジュール7を示す。
【0020】
放射線遮へいした密閉槽1の中にあって可動式分注及び注入機構6はディスポ式の注射器供給モジュール5とバイアル容器21の近接した位置で、選んだ1本のディスポ式注射器51の放射薬剤分注工程の制御と当該選んだディスポ式注射器51の放射薬剤分注の位置と注入の位置の間の移動を制御する。
【0021】
図4と図5とに示す通り可動分注及び注入機構6は支持台61、水平移動機構62、垂直移動機構63、掴み取り及び放棄機構64、注射器プランジャー駆動機構65で構成されている。水平移動機構62は支持台61を少なくとも1本の水平ガイドレール621に沿って水平方向に移動させ垂直移動機構63は支持台61を少なくとも1本の垂直ガイドレール631に沿って垂直方向に移動させる。
【0022】
掴み取り及び放棄機構64は挟み641、延長腕642、選んだ1本のディスポ式注射器51をつかみ取り/放棄の操作を制御するつかみ取り及び放棄制御器643から構成されている。掴み取り及び放棄制御器643が延長腕642を伸ばすときは挟み641が開いて1本のディスポ式注射器51を掴む(図5参照のこと)。
【0023】
注射器プランジャー駆動機構65は電動もしくは空圧駆動が可能であり支持台61の上に設置され選ばれたディスポ式注射器51のプランジャー511を放射薬剤の吸引操作のために上向きに押したり下向きに引いたりする。注射器プランジャー駆動機構65はディスポ式注射器51のプランジャー511にかかっている力を検知する圧力センサー651を取り付けても良い。
【0024】
延長腕は選ばれたディスポ式注射器を掴まえると引っ込んで元の位置に戻りディスポ式注射器51を放射薬剤の分注の位置に固定する。 この時点で垂直移動機構63は垂直ガイドレール631に沿って支持台61の全体を上向きに移動させディスポ式注射器51の針512をバイアル2の底部を刺しぬく(図7参照のこと)。 しかる後注射器プランジャー駆動機構65の駆動と制御下でディスポ式注射器51のプランジャー511を下向きに引き(図7参照のこと)予め定められた量の放射薬剤をバイアル2から吸引する。
【0025】
上記の放射薬剤の吸引操作が終わると垂直移動機構63は垂直ガイドレール631に沿って支持台61を下に移動させるのでディスポ式注射器が下に移動し針512がバイアル2の底部から離れる。しかる後ディスポ式注射器51を水平移動機構62を水平に移動させ注入の位置に移動させる(この位置は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11に近接している)。
【0026】
本発明の実施例においてバイアル2は二つの口を有する(図8参照のこと)。バイアル2の本体に上部開口2aと下部開口2bとがあり上栓2cと下栓2dがそれぞれにはまる。放射薬剤はバイアル2に上栓2cに差し込まれた薬剤チューブ20経由で注入されディスポ式注射器51の針512はバイアル2内の放射薬剤を吸引するために下栓を貫通する。バイアル2の上部開口2a上栓2cには空気フィルター2eを差込みバイアル2内の放射薬剤を吸引するときにバイアル2内に負圧を生じさせない。
【0027】
図9は、ディスポ式注射器51が可動式分注及び注射機構6の水平移動機構62によって注入の位置に移動しているが針はまだ生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通していないさまを示す拡大部分鳥瞰図である。 図11はディスポ式注射器51が注入の位置にあり針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しているさまを示す拡大部分鳥瞰図である。 図12はディスポ式注射器51が注入の位置にあり生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を針512が貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が上に押し上げられているさまを示す拡大部分鳥瞰図である。
【0028】
図12は、ディスポ式注射器51の針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が上に押し上げられたさまを示す断面図である。図13はディスポ式注射器51のプランジャー511が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が下に引かれているさまを示す断面図である。生理食塩水カートリッジ70は放射線遮へいした密閉槽1の中にあり注射針挿入孔11に近接している。
【0029】
図12と図13に生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72中継部8の正面から針83を刺したさまを示す。中継部8の反対側にはチューブ81がつながっている。チューブ81は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11を経由して延長しており患者に刺した針82(図1も参照のこと)につながっている。
【0030】
チューブ81の適当な位置に通常の回転式三方活栓811(図1参照のこと)を設けており一端は中継部8につながっておりもう一端は仕上げフィルター812を経由して患者に刺した針82につながっている。生理食塩水注射器813が三方活栓811の上部に差し込まれておりチューブ81注入をする前にチューブ81内に空気を入れないために生理食塩水で満たす。
【0031】
生理食塩水カートリッジ70は薬剤注入口71、薬剤吐出口72、中間導管73、生理食塩水貯槽出口74で構成されている。まず第一逆止弁75が中間導管73の薬剤吐出口72に設置されており、第二逆止弁76が生理食塩水貯槽出口74に設置されている。
【0032】
生理食塩水カートリッジ70は生理食塩水を貯留する生理食塩水貯槽77を有する。生理食塩水貯槽77は中間導管73に生理食塩水貯槽出口74経由で接続され生理食塩水カートリッジ70の中間導管73に生理食塩水が流入できるようになっている。さらに、実際的には生理食塩水貯槽77の頂部に空気フィルター78を刺して生理食塩水貯槽77の内部が生理食塩水貯槽77内の生理食塩水を吸引したときに負圧を生じないようにする。
【0033】
中継部8の針83を生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72に刺す場合は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11を経由し、針83で生理食塩水カートリッジ70の生理食塩水カートリッジ70薬剤吐出口72を貫通させる。
【0034】
生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72に中継部8を突き刺す場合は外套管84を用い中継部8の針83が薬剤吐出口72を容易に貫通するようにする。 放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11からの放射線漏洩を防ぐためにタングステン製挿入体14が注射針挿入孔11に挿入されている。挿入体14の内側は傾斜面141となっている。
【0035】
可動式分注及び注入機構6がディスポ式注射器51を注入の位置(この位置は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11に近接している)すると垂直移動機構63が支持台61を垂直ガイドレール631に沿って上へ移動させ、ディスポ式注射器51の針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通させる。そしてディスポ式注射器51のプランジャー511を注射器プランジャー駆動機構65が駆動し且つ制御して上に押し上げ前段階でディスポ式注射器51に吸引され当該ディスポ式注射器51に貯留されている放射薬剤を生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71に注入する。
【0036】
この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は開の状態であるが、他方第二逆止弁76は閉の状態である(図13を参照のこと)。このようにして放射薬剤は中間導管73を経由して薬剤吐出口72に供給され針83、中継部8、チューブ81、三方活栓811、仕上げフィルター812を経由して患者の体に刺した針82へ供給される。
【0037】
放射薬剤の注入操作が完了したならばディスポ式注射器51のプランジャー511を注射器プランジャー駆動機構65が駆動し制御してした向けに引き下げ少なくとも1回の線状サイクルを実施する。この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は閉の状態で、他方第二逆止弁76は開の状態である(図13参照のこと)。このようにして生理食塩水貯槽出口74及び薬剤注入口71から生理食塩水がディスポ式注射器51に吸引される。
【0038】
生理食塩水の吸引が終わると注射器プランジャー駆動機構65がプランジャー511を再び押し上げ生理食塩水を生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71に注入する。この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は開の状態で、他方第二逆止弁76は閉の状態である(図13参照のこと)。このようにして生理食塩水が中間導管73を経由して薬剤吐出口72に流れ針83、中継部8、チューブ81、三方活栓811、仕上げフィルター812を経由して患者の体に刺した針82に供給され放射薬剤が洗い出される。
【0039】
図14は、本発明による放射線遮へいした放射薬剤分注及び注入システムの背面の鳥瞰図であるが、放射線遮へいした密閉槽1は少なくとも1個のフィルター91とファン92から成り放射線遮へいされた密閉槽1内の空気を清澄に且つ正の内圧を保つ空気ろ過装置9を有する。放射線遮へいした密閉槽1は例えば品質管理のために薬剤バイアル2に貯留された放射薬剤をサンプリングするためのサンプリング用注射器とサンプリング用ポンプとから成るサンプリング装置93を装備することもできる。
【0040】
図15は、本発明による放射線遮へいされた放射薬剤の分注及び注入システムの鳥瞰図であるが、引き出し台16、バイアル搬入口15、扉17があり、以上に述べた通り薬剤バイアル2の内部にある放射薬剤はホットラボもしくは分注室から薬剤チューブ20によって供給される。この工程は搬入してロボットハンド又はトングでの操作に置き換えることは問題ない。
【0041】
薬剤バイアル2を放射薬剤の搬送のために放射線遮へいした密閉槽1から取り出すとき又は放射薬剤が放射線遮へいした密閉槽1に手動で持ち込まれる場合は放射薬剤を放射線遮へいし封印された容器に収納しなければならない。このために、本発明による放射線遮へいした密閉槽1にはバイアル搬入口15があり引き出し台16が放射線遮へいした密閉槽1内に入れるようになっており且つ引き出し台16はバイアル搬入口15から引き出せるようになっている。当該引き出し台16は放射線遮へい材料で作られている。引き出し台16が放射線遮へいした密閉槽1に入る場合は引き出し台16はバイアル搬入口15全体を占有する。
【0042】
例えば、放射線遮へいした密閉槽1に放射薬剤を手動で搬入するためには放射薬剤が貯留された薬剤バイアル2を放射線遮へい運搬用容器25に収納し蓋26で封印する。遮へい運搬用容器25全体を外に引き出された引き出し台16にのせて放射線遮へいした密閉槽1の中に押し込み運転員が薬剤バイアル2を機械式トング12でつまむか移動できるようにする。
【0043】
放射線遮へいした密閉槽1には放射線遮へい材料でできている扉17もあり保守のときに用いる。
【0044】
以上、本発明について実施例で説明したが、請求範囲に示す本発明の範囲を逸脱しない色々な改造や変更が可能であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に基づいて製作された放射薬剤分注及び注入システムの正面透視図である。
【図2】本発明のバイアルをロボットの挟みが掴み測定用容器に移し、当該測定用容器とバイアルを一緒に放射能測定器に挿入するさまを示す拡大部分透視図である。
【図3】図2で示した放射能量の計測を終えてバイアルがバイアル容器に移動したさまを示す拡大部分透視図である。
【図4】ディスポ式の注射器供給モジュール、可動式分注及び注入機構、バイアル容器の取り合いを示す拡大部分透視図である。
【図5】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれているが注射器の先端の針は未だバイアルの底部を貫通していないさまを示す部分拡大透視図である。
【図6】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれており注射器の先端の針がバイアルの底部 を貫通しているがディスポ式注射器のプランジャーは未だ引き下げられていないさまを示す部分拡大透視図である。
【図7】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれ先端の針がバイアルの底部を貫通しディスポ式注射器のプランジャーが引き下げられているさまを示す部分拡大透視図である。
【図8】本発明で採用した双頭構造を持つバイアルの断面図である。
【図9】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動したが注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を未だ貫通していないさまを示す部分拡大透視図である。
【図10】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動し注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しているさまを示す部分拡大透視図である。
【図11】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動し注射器の針が生理食塩水の放射薬剤注入口を貫通し注射器のプランジャーが押し上げられているさまを示す部分拡大透視図である。
【図12】当該ディスポ式注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しプランジャーがおしあげられているさまを示す断面図である。
【図13】当該ディスポ式注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しておりプランジャーが引き下げれているさまを示す断面図である。
【図14】本発明による放射線遮へいされた分注及び注入システムの背面部分の透視図である。
【図15】は本発明による放射線遮へいされた放射薬剤の分注及び注入システムが引き出し台、バイアル搬入口、扉から成るさまを示す透視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 放射線遮へいした密閉槽 11 注射針挿入孔
12 機械式トング 13 延長棹
14 タングステン塊 15 バイアル搬入口
16 引き出し台 17 扉
2 薬剤バイアル 2a 上部開口
2b 下部開口 2c 上栓
2d 下栓 2e 空気フィルター
20 薬剤チューブ 21 薬剤バイアル容器
22 薬剤液面監視孔 24 測定用容器
241 T字型棹 25 遮へい運搬用容器
26 蓋 3 放射能測定器
4 薬剤液面測定装置 41 モニター
5 注射器供給モジュール 51 ディスポ式注射器
511 注射器プランジャー 512 針
6 可動式分注及び注射機構 61 支持台
62 水平移動機構 621 水平ガイドレール
63 垂直移動機構 631 垂直ガイドレール
64 掴み取り及び放棄機構 641 挟み
642 延長腕 643 放棄制御器
65 注射器プランジャー駆動機構
651 圧力センサー
7 生理食塩水カートリッジモジュール
70 生理食塩水カートリッジ 71 薬剤注入口
72 薬剤吐出口 73 中間導管
74 生理食塩水貯槽出口 75 第一逆止弁
76 第二逆止弁 77 生理食塩水貯槽
78 空気フィルター
79 生理食塩水カートリッジ送り出し機構
8 中継部 81 チューブ
811 三方活栓 812 仕上げフィルター
813 生理食塩水注射器 82 患者に刺した針
83 針 84 外套管
9 空気ろ過装置 91 フィルター
92 ファン 93 サンプリング装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には分注及び注入システムに関するものであるが、ここでは放射線遮へい下での放射薬剤の分注及び注入システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特異なinvivo画像化能力の故に近年ポジトロン断層(PET)は、以前不可能であった癌の早期発見と治療に用いられている。従ってPETは各種の腫瘍の診断のための極めて重要な方法の一つであり将来の核医学では主流となる。
【0003】
ポジトロン放射核種(放射薬剤)はサイクロトロンで創造され、次に放射薬剤師の手によって他の化合物を標識してグルコース、アミノ酸、水といった化合物/分子になり注射室に運ばれ、医師がPET診断をするために医療従事者によって人体に注入される。ポジトロンは人体の中の電子によって消滅し反対方向にガンマ線を放射し、それをPETが検知しコンピューター処理を経て画像化し機能画像と診断のためのパラメーターを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PET装置は医用診断には極めて有用であるが、PET用のポジトロン放射核種は強い放射線を放射する。従って放射薬剤師や医療従事者の過剰被ばく防護が主な課題である。PET検査の過程で放射薬剤師、医師、看護師、医療従事者は放射薬剤の計量、品質管理、運搬、注射を行う。もし適切な放射線防護を施さないとこれらの人々の健康に深刻な障害を生じる。
【0005】
PETを診断用に保有する病院においては放射線防護のために旧式な方法がとられている。すなわちバイアルに放射薬剤を充填した後当該バイアルを鉛製金属容器に入れ蓋をして運ぶのである。しかし、放射薬剤が鉛製金属容器に入れてあっても医療従事者は依然として回収、処分、計量、品質管理、放射薬剤の注入の過程で放射線に曝されている。さらに、PET放射薬剤の放射エネルギーが極めて高いので非常に重い鉛製金属容器を用いねばならず医療従事者に過大な負担をかけている。
【0006】
放射薬剤の汚染による被ばくを低減する色々な道具が設計されているが限定された効果しか上げていない。例えば、旧式な道具は放射薬剤の漏洩を無くす金属製容器の構造に焦点を絞った設計である。しかし、実際の運用では回収、処分、計量、品質管理、放射薬剤の注入に従事するものは依然として多大な放射薬剤による放射線汚染の危機に瀕している。
【0007】
金属容器の旧式な設計が医療従事者の防護に不十分である事実の故に異なった機能の放射薬剤分注装置や注入装置が世に出た。現在市販されている注入装置の中には独立した自動注入装置や分注装置がある。しかしこれらの装置は依然として医療従事者が回収、金属容器に放射薬剤を入れるとき、放射薬剤を注入装置に運ぶとき、放射薬剤を注入装置に入れるときに放射薬剤のエネルギーの被ばくの危険がある。
【0008】
この問題の解決のために分注装置と注入装置がチューブで接続された装置が存在する。しかし、この装置は注入装置への患者血液の逆流を防ぐことができない。
このように実際的で、安全で、以上で論じた問題を克服するために容易に運転できる放射薬剤の分注及び注入システムが渇望されている。
【0009】
本発明は、上記したような従来の事情に鑑みてなされたもので、その主眼は放射薬剤用の放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射薬剤の分注や注入の際に放射薬剤の計量、分注、注入を運転員の手によらず、運転員の被ばくの危険を減らし優れた放射線防護となり過度の被ばくを克服した放射薬剤の分注及び注入システムを提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの主眼は注入装置が注入運転を完了した後使用済みの注射器を廃棄することによって患者の血液の逆流の問題を排除し患者の血液の逆流による注入装置の汚染を防ぐ放射薬剤の分注及び注入システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
先行技術の問題に対する本発明の解決策は、放射線遮へいした密閉槽内に放射能測定器を設置し、バイアルに貯留された放射薬剤の放射能量を計測することである。少なくとも1個の生理食塩水カートリッジを槽内に設置し中間導管、薬剤吐出口、薬剤注入口、生理食塩水貯槽出口を設ける。当該生理食塩水カートリッジは生理食塩水貯槽となる。可動式分注及び注入機構は放射薬剤の注射器への分注と当該注射器の放射薬剤の分注の位置と注入の位置間の動きを制御する。当該可動式分注及び注入機構が注射器を放射薬剤分注の位置に移動したときは予め設定された量の放射薬剤をバイアルから吸引する。注入の位置に移動したときは注射器が吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジの薬剤注入口に注入する。
好ましくは、放射薬剤を患者に注入した後生理食塩水カートリッジの生理食塩水貯槽に貯留された生理食塩水を洗浄工程の準備のために吸引する。
【0012】
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって以下のものから成るように構成される。放射線遮へいした密閉槽であって密閉した放射線遮へいした内部空間を形成しており、当該放射線遮へいした密閉槽は少なくとも1個の注射針挿入孔を有すること;放射薬剤を収納する薬剤バイアル;少なくとも1個の生理食塩水カートリッジが密閉槽内の注射針挿入孔の近傍にある注入の位置にあって、当該生理食塩水カートリッジが内部流路を形成していること;放射薬剤吐出口及び放射薬剤注入口が一個ずつ、少なくとも一本のディスポ式注射器;当該注射器に放射薬剤を分注する操作を制御し且つ当該注射器の放射薬剤分注の位置と注入の位置との間の移動を制御する可動式分注及び注入機構;当該可動式分注及び注入機構が当該注射器を放射薬剤分注の位置に移動させると当該注射器は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアルから吸引し当該注射器を注入の位置に移動させると吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジの薬剤注入口に注入すること。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の中にあり薬剤バイアルが貯留する放射薬剤の放射能を検知する放射能測定器(3)を有するもののように構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該可動式分注及び注入システムが以下のものから成る用に構成される;支持台;当該支持台を水平ガイドレールに沿って水平方向に移動させる水平移動機構;当該支持台を垂直ガイドレールに沿って垂直方向に移動させる垂直移動機構;ディスポ式注射器を掴み取りや放棄する掴み取り及び放棄機構;当該支持台に搭載され当該ディスポ式注射器の注射器プランジャーを押し上げたり放射薬剤を吸引させる注射器プランジャー駆動機構。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該注射器プランジャー駆動機構の下部にあり当該ディスポ式注射器の注射器プランジャーにかかる圧力を検知するための圧力センサーを有するように構成される。請求項5に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の中にあり薬剤バイアル内に充填された放射薬剤の液面を監視するための薬剤液面測定装置を有するように構成される。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽の内部の空気の清澄度を維持し正圧を提供するフィルター、ファンから成る空気ろ過装置を有するように、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムにおいて、放射線遮へいした密閉槽が引き出し台が密閉槽内に受け入れるため及び引き出し台を引き出すことができるようなバイアル搬入口を有するように構成される。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、薬剤バイアルを収納する遮へい運搬用容器を有し放射線遮へいした密閉槽の外に放射薬剤の搬送のために薬剤バイアルを移動させるときに当該バイアルを遮へい運搬用容器で遮へいするように、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、手動運転のための手段として放射線遮へいした密閉槽の内部に挿入する機械式トングを有するように、そして請求項10に記載の発明は、請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、その生理食塩水カートリッジが生理食塩水貯槽を有し、当該生理食塩水貯槽は生理食塩水貯槽出口を経由して生理食塩水カートリッジの中間導管に接続しており生理食塩水の中間導管への流入を可能にするように構成あれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上記のように構成されているので、人手によらずに、放射薬剤の分注や注入の際に放射薬剤の計量、分注、注入を行うことができるので、運転員の被ばくの危険を減らすることができるという効果が得られる。また、注入装置が注入運転を完了した後、使用済みの注射器を廃棄するようになっているので、患者の血液の逆流による注入装置の汚染を防ぐことができる効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に基づいて製作された放射線遮へいされた放射薬剤分注及び注入システムの前面部の鳥瞰図であるが、図に示す通り本発明は鉛又はタングステンと言った放射線遮へい材料で製作された放射線遮へいした密閉槽1から成っている。放射線遮へいした密閉槽1は密閉された放射線遮へいされた内部空間を提供し密閉槽には少なくとも一個の注射針挿入孔11がある。
【0015】
放射線遮へいした密閉槽1は放射薬剤が入っている薬剤バイアル2(図2及び3参照のこと)を収納する。当該薬剤バイアル2をバイアル容器21に入れる場合は機械式トング12を用いる。当該機械式トング12には延長棹13があるので当該機械式トングを密閉槽1内に差し伸べて手動運転することができる。 勿論当該機械式トング12を完全に自動ロボットアームに置き換えることができる。
【0016】
バイアル容器21の側壁には放射薬剤液面監視窓22(図2参照のこと)がある。放射薬剤液面監視装置4(CCDカメラ)が放射薬剤液面監視窓22に対峙した位置に設置され放射薬剤液面監視装置4はモニター41又はコンピューターに接続されている。バイアル2に放射薬剤が薬剤チューブ20を経由して注入されるときはモニター41で放射薬剤の液面を監視する。バイアル2の中の放射薬剤が規定の液面に達したならば放射薬剤チューブ20を取り外す。
【0017】
バイアル2に放射薬剤が充填されたならば図3に示す通り放射能量の測定を行う。この工程では機械式トング12によってバイアル2をバイアル容器21から測定用容器24に移す。 バイアル2を測定用容器24内に移し機械式トングによって測定容器24のT字型棹241を掴んで持ち上げ測定用容器24をバイアル2と共に放射能測定器3に挿入する。放射能測定器3はバイアル2内の放射薬剤の放射能量を計測する機能を有する。
【0018】
図3に示す通り放射能量の計測が完了したならば機械式トング12を用いて測定容器24とバイアル2を測定用容器24の元の場所に戻す。次に機械式トング12によってバイアル2の首部分を掴んで測定用容器24からバイアル2を取り出しバイアル2を後の工程である放射薬剤の吸入及び分注をするためにバイアル容器21に移す。
【0019】
図4に放射線遮へいした密閉槽1の中でバイアル容器2の底部に近接した位置にあって複数のディスポ式注射器51を一列に並べたディスポ式の注射器供給モジュール5及び複数の生理食塩水カートリッジ70を一列に並べた生理食塩水カートリッジモジュール7を示す。
【0020】
放射線遮へいした密閉槽1の中にあって可動式分注及び注入機構6はディスポ式の注射器供給モジュール5とバイアル容器21の近接した位置で、選んだ1本のディスポ式注射器51の放射薬剤分注工程の制御と当該選んだディスポ式注射器51の放射薬剤分注の位置と注入の位置の間の移動を制御する。
【0021】
図4と図5とに示す通り可動分注及び注入機構6は支持台61、水平移動機構62、垂直移動機構63、掴み取り及び放棄機構64、注射器プランジャー駆動機構65で構成されている。水平移動機構62は支持台61を少なくとも1本の水平ガイドレール621に沿って水平方向に移動させ垂直移動機構63は支持台61を少なくとも1本の垂直ガイドレール631に沿って垂直方向に移動させる。
【0022】
掴み取り及び放棄機構64は挟み641、延長腕642、選んだ1本のディスポ式注射器51をつかみ取り/放棄の操作を制御するつかみ取り及び放棄制御器643から構成されている。掴み取り及び放棄制御器643が延長腕642を伸ばすときは挟み641が開いて1本のディスポ式注射器51を掴む(図5参照のこと)。
【0023】
注射器プランジャー駆動機構65は電動もしくは空圧駆動が可能であり支持台61の上に設置され選ばれたディスポ式注射器51のプランジャー511を放射薬剤の吸引操作のために上向きに押したり下向きに引いたりする。注射器プランジャー駆動機構65はディスポ式注射器51のプランジャー511にかかっている力を検知する圧力センサー651を取り付けても良い。
【0024】
延長腕は選ばれたディスポ式注射器を掴まえると引っ込んで元の位置に戻りディスポ式注射器51を放射薬剤の分注の位置に固定する。 この時点で垂直移動機構63は垂直ガイドレール631に沿って支持台61の全体を上向きに移動させディスポ式注射器51の針512をバイアル2の底部を刺しぬく(図7参照のこと)。 しかる後注射器プランジャー駆動機構65の駆動と制御下でディスポ式注射器51のプランジャー511を下向きに引き(図7参照のこと)予め定められた量の放射薬剤をバイアル2から吸引する。
【0025】
上記の放射薬剤の吸引操作が終わると垂直移動機構63は垂直ガイドレール631に沿って支持台61を下に移動させるのでディスポ式注射器が下に移動し針512がバイアル2の底部から離れる。しかる後ディスポ式注射器51を水平移動機構62を水平に移動させ注入の位置に移動させる(この位置は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11に近接している)。
【0026】
本発明の実施例においてバイアル2は二つの口を有する(図8参照のこと)。バイアル2の本体に上部開口2aと下部開口2bとがあり上栓2cと下栓2dがそれぞれにはまる。放射薬剤はバイアル2に上栓2cに差し込まれた薬剤チューブ20経由で注入されディスポ式注射器51の針512はバイアル2内の放射薬剤を吸引するために下栓を貫通する。バイアル2の上部開口2a上栓2cには空気フィルター2eを差込みバイアル2内の放射薬剤を吸引するときにバイアル2内に負圧を生じさせない。
【0027】
図9は、ディスポ式注射器51が可動式分注及び注射機構6の水平移動機構62によって注入の位置に移動しているが針はまだ生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通していないさまを示す拡大部分鳥瞰図である。 図11はディスポ式注射器51が注入の位置にあり針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しているさまを示す拡大部分鳥瞰図である。 図12はディスポ式注射器51が注入の位置にあり生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を針512が貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が上に押し上げられているさまを示す拡大部分鳥瞰図である。
【0028】
図12は、ディスポ式注射器51の針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が上に押し上げられたさまを示す断面図である。図13はディスポ式注射器51のプランジャー511が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通しておりディスポ式注射器51のプランジャー511が下に引かれているさまを示す断面図である。生理食塩水カートリッジ70は放射線遮へいした密閉槽1の中にあり注射針挿入孔11に近接している。
【0029】
図12と図13に生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72中継部8の正面から針83を刺したさまを示す。中継部8の反対側にはチューブ81がつながっている。チューブ81は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11を経由して延長しており患者に刺した針82(図1も参照のこと)につながっている。
【0030】
チューブ81の適当な位置に通常の回転式三方活栓811(図1参照のこと)を設けており一端は中継部8につながっておりもう一端は仕上げフィルター812を経由して患者に刺した針82につながっている。生理食塩水注射器813が三方活栓811の上部に差し込まれておりチューブ81注入をする前にチューブ81内に空気を入れないために生理食塩水で満たす。
【0031】
生理食塩水カートリッジ70は薬剤注入口71、薬剤吐出口72、中間導管73、生理食塩水貯槽出口74で構成されている。まず第一逆止弁75が中間導管73の薬剤吐出口72に設置されており、第二逆止弁76が生理食塩水貯槽出口74に設置されている。
【0032】
生理食塩水カートリッジ70は生理食塩水を貯留する生理食塩水貯槽77を有する。生理食塩水貯槽77は中間導管73に生理食塩水貯槽出口74経由で接続され生理食塩水カートリッジ70の中間導管73に生理食塩水が流入できるようになっている。さらに、実際的には生理食塩水貯槽77の頂部に空気フィルター78を刺して生理食塩水貯槽77の内部が生理食塩水貯槽77内の生理食塩水を吸引したときに負圧を生じないようにする。
【0033】
中継部8の針83を生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72に刺す場合は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11を経由し、針83で生理食塩水カートリッジ70の生理食塩水カートリッジ70薬剤吐出口72を貫通させる。
【0034】
生理食塩水カートリッジ70の薬剤吐出口72に中継部8を突き刺す場合は外套管84を用い中継部8の針83が薬剤吐出口72を容易に貫通するようにする。 放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11からの放射線漏洩を防ぐためにタングステン製挿入体14が注射針挿入孔11に挿入されている。挿入体14の内側は傾斜面141となっている。
【0035】
可動式分注及び注入機構6がディスポ式注射器51を注入の位置(この位置は放射線遮へいした密閉槽1の注射針挿入孔11に近接している)すると垂直移動機構63が支持台61を垂直ガイドレール631に沿って上へ移動させ、ディスポ式注射器51の針512が生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71を貫通させる。そしてディスポ式注射器51のプランジャー511を注射器プランジャー駆動機構65が駆動し且つ制御して上に押し上げ前段階でディスポ式注射器51に吸引され当該ディスポ式注射器51に貯留されている放射薬剤を生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71に注入する。
【0036】
この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は開の状態であるが、他方第二逆止弁76は閉の状態である(図13を参照のこと)。このようにして放射薬剤は中間導管73を経由して薬剤吐出口72に供給され針83、中継部8、チューブ81、三方活栓811、仕上げフィルター812を経由して患者の体に刺した針82へ供給される。
【0037】
放射薬剤の注入操作が完了したならばディスポ式注射器51のプランジャー511を注射器プランジャー駆動機構65が駆動し制御してした向けに引き下げ少なくとも1回の線状サイクルを実施する。この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は閉の状態で、他方第二逆止弁76は開の状態である(図13参照のこと)。このようにして生理食塩水貯槽出口74及び薬剤注入口71から生理食塩水がディスポ式注射器51に吸引される。
【0038】
生理食塩水の吸引が終わると注射器プランジャー駆動機構65がプランジャー511を再び押し上げ生理食塩水を生理食塩水カートリッジ70の薬剤注入口71に注入する。この時生理食塩水カートリッジ70の第一逆止弁75は開の状態で、他方第二逆止弁76は閉の状態である(図13参照のこと)。このようにして生理食塩水が中間導管73を経由して薬剤吐出口72に流れ針83、中継部8、チューブ81、三方活栓811、仕上げフィルター812を経由して患者の体に刺した針82に供給され放射薬剤が洗い出される。
【0039】
図14は、本発明による放射線遮へいした放射薬剤分注及び注入システムの背面の鳥瞰図であるが、放射線遮へいした密閉槽1は少なくとも1個のフィルター91とファン92から成り放射線遮へいされた密閉槽1内の空気を清澄に且つ正の内圧を保つ空気ろ過装置9を有する。放射線遮へいした密閉槽1は例えば品質管理のために薬剤バイアル2に貯留された放射薬剤をサンプリングするためのサンプリング用注射器とサンプリング用ポンプとから成るサンプリング装置93を装備することもできる。
【0040】
図15は、本発明による放射線遮へいされた放射薬剤の分注及び注入システムの鳥瞰図であるが、引き出し台16、バイアル搬入口15、扉17があり、以上に述べた通り薬剤バイアル2の内部にある放射薬剤はホットラボもしくは分注室から薬剤チューブ20によって供給される。この工程は搬入してロボットハンド又はトングでの操作に置き換えることは問題ない。
【0041】
薬剤バイアル2を放射薬剤の搬送のために放射線遮へいした密閉槽1から取り出すとき又は放射薬剤が放射線遮へいした密閉槽1に手動で持ち込まれる場合は放射薬剤を放射線遮へいし封印された容器に収納しなければならない。このために、本発明による放射線遮へいした密閉槽1にはバイアル搬入口15があり引き出し台16が放射線遮へいした密閉槽1内に入れるようになっており且つ引き出し台16はバイアル搬入口15から引き出せるようになっている。当該引き出し台16は放射線遮へい材料で作られている。引き出し台16が放射線遮へいした密閉槽1に入る場合は引き出し台16はバイアル搬入口15全体を占有する。
【0042】
例えば、放射線遮へいした密閉槽1に放射薬剤を手動で搬入するためには放射薬剤が貯留された薬剤バイアル2を放射線遮へい運搬用容器25に収納し蓋26で封印する。遮へい運搬用容器25全体を外に引き出された引き出し台16にのせて放射線遮へいした密閉槽1の中に押し込み運転員が薬剤バイアル2を機械式トング12でつまむか移動できるようにする。
【0043】
放射線遮へいした密閉槽1には放射線遮へい材料でできている扉17もあり保守のときに用いる。
【0044】
以上、本発明について実施例で説明したが、請求範囲に示す本発明の範囲を逸脱しない色々な改造や変更が可能であることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に基づいて製作された放射薬剤分注及び注入システムの正面透視図である。
【図2】本発明のバイアルをロボットの挟みが掴み測定用容器に移し、当該測定用容器とバイアルを一緒に放射能測定器に挿入するさまを示す拡大部分透視図である。
【図3】図2で示した放射能量の計測を終えてバイアルがバイアル容器に移動したさまを示す拡大部分透視図である。
【図4】ディスポ式の注射器供給モジュール、可動式分注及び注入機構、バイアル容器の取り合いを示す拡大部分透視図である。
【図5】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれているが注射器の先端の針は未だバイアルの底部を貫通していないさまを示す部分拡大透視図である。
【図6】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれており注射器の先端の針がバイアルの底部 を貫通しているがディスポ式注射器のプランジャーは未だ引き下げられていないさまを示す部分拡大透視図である。
【図7】1本のディスポ式注射器が延長腕に掴まれ先端の針がバイアルの底部を貫通しディスポ式注射器のプランジャーが引き下げられているさまを示す部分拡大透視図である。
【図8】本発明で採用した双頭構造を持つバイアルの断面図である。
【図9】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動したが注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を未だ貫通していないさまを示す部分拡大透視図である。
【図10】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動し注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しているさまを示す部分拡大透視図である。
【図11】当該ディスポ式注射器が注入の位置に移動し注射器の針が生理食塩水の放射薬剤注入口を貫通し注射器のプランジャーが押し上げられているさまを示す部分拡大透視図である。
【図12】当該ディスポ式注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しプランジャーがおしあげられているさまを示す断面図である。
【図13】当該ディスポ式注射器の針が生理食塩水カートリッジの放射薬剤注入口を貫通しておりプランジャーが引き下げれているさまを示す断面図である。
【図14】本発明による放射線遮へいされた分注及び注入システムの背面部分の透視図である。
【図15】は本発明による放射線遮へいされた放射薬剤の分注及び注入システムが引き出し台、バイアル搬入口、扉から成るさまを示す透視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 放射線遮へいした密閉槽 11 注射針挿入孔
12 機械式トング 13 延長棹
14 タングステン塊 15 バイアル搬入口
16 引き出し台 17 扉
2 薬剤バイアル 2a 上部開口
2b 下部開口 2c 上栓
2d 下栓 2e 空気フィルター
20 薬剤チューブ 21 薬剤バイアル容器
22 薬剤液面監視孔 24 測定用容器
241 T字型棹 25 遮へい運搬用容器
26 蓋 3 放射能測定器
4 薬剤液面測定装置 41 モニター
5 注射器供給モジュール 51 ディスポ式注射器
511 注射器プランジャー 512 針
6 可動式分注及び注射機構 61 支持台
62 水平移動機構 621 水平ガイドレール
63 垂直移動機構 631 垂直ガイドレール
64 掴み取り及び放棄機構 641 挟み
642 延長腕 643 放棄制御器
65 注射器プランジャー駆動機構
651 圧力センサー
7 生理食塩水カートリッジモジュール
70 生理食塩水カートリッジ 71 薬剤注入口
72 薬剤吐出口 73 中間導管
74 生理食塩水貯槽出口 75 第一逆止弁
76 第二逆止弁 77 生理食塩水貯槽
78 空気フィルター
79 生理食塩水カートリッジ送り出し機構
8 中継部 81 チューブ
811 三方活栓 812 仕上げフィルター
813 生理食塩水注射器 82 患者に刺した針
83 針 84 外套管
9 空気ろ過装置 91 フィルター
92 ファン 93 サンプリング装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって以下のものから成るもの:
放射線遮へいした密閉槽(1)であって密閉した放射線遮へいした内部空間を形成しており、当該放射線遮へいした密閉槽(1)は少なくとも1個の注射針挿入孔(11)を有すること;
放射薬剤を収納する薬剤バイアル(2);
少なくとも1個の生理食塩水カートリッジ(70)が密閉槽(1)内の注射針挿入孔(11)の近傍にある注入の位置にあって当該生理食塩水カートリッジ(70)が内部流路を形成していること;
放射薬剤吐出口(72)及び放射薬剤注入口(71)が一個ずつ、少なくとも一本のディスポ式注射器(51);
当該注射器(51)に放射薬剤を分注する操作を制御し且つ当該注射器(51)の放射薬剤分注の位置と注入の位置との間の移動を制御する可動式分注及び注入機構(6);
当該可動式分注及び注入機構(6)が当該注射器(51)を放射薬剤分注の位置に移動させると当該注射器(51)は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアル(2)から吸引し当該注射器(51)を注入の位置に移動させると吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジ(70)の薬剤注入口(71)に注入すること。
【請求項2】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の中にあり薬剤バイアル(2)が貯留する放射薬剤の放射能を検知する放射能測定器(3)を有するもの。
【請求項3】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該可動式分注及び注入システムが以下のものから成るもの;
支持台(61);
当該支持台(61)を水平ガイドレール(621)に沿って水平方向に移動させる水平移動機構(62);
当該支持台(61)を垂直ガイドレール(631)に沿って垂直方向に移動させる垂直移動機構(63);
ディスポ式注射器(51)を掴み取りや放棄する掴み取り及び放棄機構(64);
当該支持台(61)に搭載され当該ディスポ式注射器(51)の注射器プランジャー(511)を押し上げたり放射薬剤を吸引させる注射器プランジャー駆動機構(65)。
【請求項4】
請求項3に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該注射器プランジャー駆動機構(65)の下部にあり当該ディスポ式注射器(51)の注射器プランジャー(511)にかかる圧力を検知するための圧力センサー(651)を有するもの。
【請求項5】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の中にあり薬剤バイアル(2)内に充填された放射薬剤の液面を監視するための薬剤液面測定装置(4)を有するもの。
【請求項6】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の内部の空気の清澄度を維持し正圧を提供するフィルター(91)、ファン(92)から成る空気ろ過装置(9)を有するもの。
【請求項7】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムにおいて、放射線遮へいした密閉槽(1)が引き出し台(16)が密閉槽(1)内に受け入れるため及び引き出し台(16)を引き出すことができるようなバイアル搬入口(15)を有すること。
【請求項8】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、薬剤バイアル(51)を収納する遮へい運搬用容器(24)を有し放射線遮へいした密閉槽(1)の外に放射薬剤の搬送のために薬剤バイアル(51)を移動させるときに当該バイアル(51)を遮へい運搬用容器で遮へいするもの。
【請求項9】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、手動運転のための手段として放射線遮へいした密閉槽(1)の内部に挿入する機械式トング(12)を有するもの。
【請求項10】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、その生理食塩水カートリッジ(70)が生理食塩水貯槽(77)を有し、当該生理食塩水貯槽(77)は生理食塩水貯槽出口(74)を経由して生理食塩水カートリッジ(70)の中間導管(73)に接続しており生理食塩水の中間導管(73)への流入を可能にしているもの。
【請求項1】
放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって以下のものから成るもの:
放射線遮へいした密閉槽(1)であって密閉した放射線遮へいした内部空間を形成しており、当該放射線遮へいした密閉槽(1)は少なくとも1個の注射針挿入孔(11)を有すること;
放射薬剤を収納する薬剤バイアル(2);
少なくとも1個の生理食塩水カートリッジ(70)が密閉槽(1)内の注射針挿入孔(11)の近傍にある注入の位置にあって当該生理食塩水カートリッジ(70)が内部流路を形成していること;
放射薬剤吐出口(72)及び放射薬剤注入口(71)が一個ずつ、少なくとも一本のディスポ式注射器(51);
当該注射器(51)に放射薬剤を分注する操作を制御し且つ当該注射器(51)の放射薬剤分注の位置と注入の位置との間の移動を制御する可動式分注及び注入機構(6);
当該可動式分注及び注入機構(6)が当該注射器(51)を放射薬剤分注の位置に移動させると当該注射器(51)は予め設定された量の放射薬剤を薬剤バイアル(2)から吸引し当該注射器(51)を注入の位置に移動させると吸引した放射薬剤を生理食塩水カートリッジ(70)の薬剤注入口(71)に注入すること。
【請求項2】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の中にあり薬剤バイアル(2)が貯留する放射薬剤の放射能を検知する放射能測定器(3)を有するもの。
【請求項3】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該可動式分注及び注入システムが以下のものから成るもの;
支持台(61);
当該支持台(61)を水平ガイドレール(621)に沿って水平方向に移動させる水平移動機構(62);
当該支持台(61)を垂直ガイドレール(631)に沿って垂直方向に移動させる垂直移動機構(63);
ディスポ式注射器(51)を掴み取りや放棄する掴み取り及び放棄機構(64);
当該支持台(61)に搭載され当該ディスポ式注射器(51)の注射器プランジャー(511)を押し上げたり放射薬剤を吸引させる注射器プランジャー駆動機構(65)。
【請求項4】
請求項3に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、当該注射器プランジャー駆動機構(65)の下部にあり当該ディスポ式注射器(51)の注射器プランジャー(511)にかかる圧力を検知するための圧力センサー(651)を有するもの。
【請求項5】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の中にあり薬剤バイアル(2)内に充填された放射薬剤の液面を監視するための薬剤液面測定装置(4)を有するもの。
【請求項6】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、放射線遮へいした密閉槽(1)の内部の空気の清澄度を維持し正圧を提供するフィルター(91)、ファン(92)から成る空気ろ過装置(9)を有するもの。
【請求項7】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムにおいて、放射線遮へいした密閉槽(1)が引き出し台(16)が密閉槽(1)内に受け入れるため及び引き出し台(16)を引き出すことができるようなバイアル搬入口(15)を有すること。
【請求項8】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、薬剤バイアル(51)を収納する遮へい運搬用容器(24)を有し放射線遮へいした密閉槽(1)の外に放射薬剤の搬送のために薬剤バイアル(51)を移動させるときに当該バイアル(51)を遮へい運搬用容器で遮へいするもの。
【請求項9】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、手動運転のための手段として放射線遮へいした密閉槽(1)の内部に挿入する機械式トング(12)を有するもの。
【請求項10】
請求項1に記載された放射薬剤のための放射線遮へいされた分注及び注入システムであって、その生理食塩水カートリッジ(70)が生理食塩水貯槽(77)を有し、当該生理食塩水貯槽(77)は生理食塩水貯槽出口(74)を経由して生理食塩水カートリッジ(70)の中間導管(73)に接続しており生理食塩水の中間導管(73)への流入を可能にしているもの。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−43417(P2006−43417A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−29892(P2005−29892)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(505046592)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29892(P2005−29892)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(505046592)
【Fターム(参考)】
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