説明

放熱性樹脂組成物

【課題】 放熱性に優れ、しかも柔軟性と金属接着性を兼ね備えた放熱性樹脂組成物およびこれを用いた放熱用シート又は成型品を提供すること。
【解決手段】 本発明は、エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、元素周期表の2〜5周期に属し、かつ、2A族、4A族、7A族、8族、2B族、3B族のいずれかに属している元素から選ばれる少なくとも1種類を有する化合物からなる熱伝導性充填材(B)150〜1,500重量部を含有し、その熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)である放熱性樹脂組成物を提供するものであり、またこれを用いた放熱用シートまたは成型品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、放熱性に優れ、しかも柔軟性と金属接着性を兼ね備えた放熱性樹脂組成物およびこれを用いた放熱用シートまたは成型品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放熱性樹脂材料として、熱可塑性樹脂やゴムをベ−スに、これに熱伝導性充填剤を配合した放熱用樹脂材料は知られている。またこのような放熱用樹脂材料を用いて、主として電子部品向けの放熱用材料部品も作られてきた。このような放熱用樹脂材料としては、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーまたはポリプロピレンに窒化アルミニウムを配合した樹脂材料(特許文献1)、(メタ)アクリレート系ポリマーに金属水酸化物を配合した樹脂材料(特許文献2)、熱可塑性エラストマーに無機系熱伝導充填剤を配合した樹脂材料(特許文献3)、熱可塑性樹脂に熱伝導性充填剤を配合した蓄電池電槽用樹脂材料(特許文献4)などが知られている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂をベースとした従来の放熱性樹脂材料の場合、金属との粘着性や接着性が十分でなく、例えば金属との粘着性や接着性向上のためには粘着シ−トや接着剤等が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、これらは熱伝導性が十分でないため放熱効率が低下する、あるいは、長時間の使用による劣化で接着性・粘着性が低下するといった問題点が指摘されている。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の汎用樹脂は柔軟性に劣り、また、放熱性を上げるために熱伝導性充填剤を多く入れると成形性、材料強度が著しく低下し、また、ゴムの場合は添加剤のブリ−ドによる汚染性やシリコンゴムの場合には低分子シロキサンによる接点障害と言った問題点も指摘されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−132493号公報
【特許文献2】特開2002−285121号公報
【特許文献3】特開2004−35721号公報
【特許文献4】特開2003−187757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、放熱性に優れ、しかも柔軟性と金属接着性を兼ね備えた放熱性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明は、そのような放熱性樹脂組成物用いた放熱用シートまたは成型品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意した結果、オレフィン系樹脂としてエチレン共重合体樹脂を用いることで多量の熱伝導性充填剤を配合しても柔軟性を損なわず、さらに特定のエチレン共重合体を用いることで、放熱性が高く、金属接着性を持つ、成型性良好な放熱材料が得られること見出し、また、そのような放熱性樹脂組成物を用いて任意の形状の放熱用シートまたは成型品がえられることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、元素周期表の2〜5周期に属し、かつ、2A族、4A族、7A族、8族、2B族、3B族のいずれかに属している元素から選ばれる少なくとも1種類を有する化合物からなる熱伝導性充填材(B)150〜1,500重量部を含有し、その熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)であることを特徴とする放熱性樹脂組成物を提供する。
【0008】
前記エチレン共重合樹脂(A)が、エチレンと極性モノマ−との共重合樹脂(A−1)および/またはエチレン・(α−オレフィン共)重合樹脂(ポリエチレンあるいはエチレン・α−オレフィン共重合樹脂)の極性モノマー変性体(A−2)である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0009】
前記エチレンと極性モノマ−との共重合樹脂(A−1)が、
(A−1-a)エチレン−ビニルエステル共重合樹脂および/またはその酸変性体、
(A−1-b)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂および/またはその酸変性体、
(A−1-c)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂および/またはその酸変性体、および
(A−1-d)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマー
から選ばれる1種または2種以上の樹脂である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0010】
前記エチレン・(α−オレフィン共)重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)が不飽和ジカルボン酸無水物変性体である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記エチレン共重合樹脂(A)がエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂および/またはその酸変性体(A−1-c)または、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマ−(A−1-d)ある放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0011】
前記熱伝導性充填剤(B)が、(B−1)窒化金属化合物、(B−2)金属酸化物、(B−3)金属水酸化物から選ばれる1種類または2種以上の充填剤である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0012】
前記熱伝導性充填剤(B)が、平均粒子径5μm以下である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0013】
前記放熱性樹脂組成物の熱伝導率が少なくとも1.5W/K/M(ISO/CD22007-2法)である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0014】
前記放熱性樹脂組成物が、金属板と粘着または熱接着可能である放熱性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
【0015】
本発明は更に、前記放熱性樹脂組成物を用いた放熱用シートまたは成型品を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の放熱性樹脂組成物はポリオレフィン系放熱性樹脂組成物であり、しかも放熱性が高く、それ自身金属素地との粘着乃至接着性を持つ、柔軟で強度のある成型性良好な放熱材料である。また、そのような放熱性樹脂組成物を用いて任意の形状の放熱用シートまたは成型品がえられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の放熱性樹脂組成物は、エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、元素周期表の2〜4周期の中から選ばれる少なくとも1種の元素を有する化合物からなる熱伝導性充填剤(B)150〜1,500重量部を含有し、その熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)であることを特徴とする。
【0018】
エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対する熱伝導性充填剤(B)の含有量は、150〜1,500重量部の範囲であり、このような範囲において熱伝導性の必要度に応じて含有量を設定すればよい。本発明の放熱性樹脂組成物は、また、熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)を示す。しかしながら、好ましい熱伝導率は1.0W/K/M以上であり、さらに好ましい熱伝導率は1.5W/K/M以上である。
【0019】
本発明の放熱性樹脂組成物における、エチレン共重合樹脂(A)としては、
エチレンと極性モノマーとの共重合樹脂(A−1)またはエチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)であり、メルトフロ−レ−ト(JISK7210:1999法、190℃×2.16kg荷重)は0.01〜500g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜100g/10分の範囲である。
【0020】
また、エチレンと極性モノマーとの共重合樹脂(A−1)において、極性モノマーとしては、不飽和カルボン酸、その塩、そのエステル、そのアミド、ビニルエステル、一酸化炭素などを例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属の塩やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、サリチル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などの一種または二種以上などを例示することができる。
【0021】
エチレン・極性モノマー共重合樹脂(A−1)としてより具体的には、エチレン・アクリル酸共重合樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(本発明においては、前記2者を併せてエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂と称呼する場合がある)のようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合樹脂、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合樹脂のカルボキシル基の一部または全部が、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属(イオン)やマグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属(イオン)で中和されたアイオノマー、エチレン・アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸nブチル共重合樹脂のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸共重合樹脂、エチレン・アクリル酸nブチル・メタクリル酸共重合樹脂のようなエチレン・不飽和カルボン酸エステル・不飽和カルボン酸共重合樹脂およびそのカルボキシル基の一部または全部が上記金属で中和されたアイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂のようなエチレン・ビニルエステル共重合樹脂などを代表例として例示することができる。
【0022】
これらの中ではとくにエチレンと、不飽和カルボン酸、その金属塩、そのエステルおよび酢酸ビニルから選ばれる極性モノマーとの共重合樹脂が好ましく、なかでもエチレン−ビニルエステル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマーが好ましく、とりわけエチレン・(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマーが最も好ましい。
【0023】
上記エチレン・極性モノマー共重合体(A−1)としては、極性モノマーの種類によっても異なるが、極性モノマー含量が1〜70重量%、とくに5〜50重量%が好ましい。しかしながら、耐熱性、接着性、柔軟性、成形性、耐久性、などを考慮すると、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の場合には、極性モノマー含有量が10〜50重量%、好ましくは30〜50重量%、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマーにおいては、不飽和カルボン酸含量が1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%であって中和度が90%以下、好ましくは80%以下のものが好ましい。かかる共重合樹脂はエチレンと上記の極性モノマーとの2元共重合樹脂のみならず、上記の極性モノマーの2種以上の併用ないし任意の他のモノマーが共重合された多元共重合樹脂であっても良い。
【0024】
このような任意の他のモノマーの好ましい例としては、不飽和エポキシモノマーが挙げられる。このような不飽和エポキシモノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和グリシジルエステル、ビニルグリシジルエステル、アリルグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエーテルなどの不飽和エポキシモノマーなどが例示できる。
【0025】
このようなエチレン・極性モノマー共重合樹脂としては、成形加工性、機械的強度などを考慮すると、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR、以下同じ)が0.01〜300g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分、とくに1〜70g/10分のものを使用するのが好ましい。
エチレンと不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステルなどとの共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合により得ることができる。またエチレンと不飽和カルボン酸の金属塩の共重合体(アイオノマー)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と相当する金属化合物を反応させることによって得ることができる。
【0026】
本発明におけるエチレン・極性モノマー共重合樹脂(A−1)としては、また、その酸変性体も含まれる。エチレン・極性モノマー共重合樹脂の酸変性体もまた、本発明におけるエチレン共重合樹脂(A)の好ましい態様である。
【0027】
なかでも、好ましいエチレン・極性モノマー共重合樹脂の酸変性体としては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合樹脂の酸変性体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合樹脂の酸変性体、エチレン−ビニルエステル共重合樹脂の酸変性体である。
【0028】
このようなエチレン・極性モノマー共重合樹脂の酸変性に用いられる酸としては共重合樹脂とグラフト反応可能な酸であれば特に制限はない。しかしながら不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸またはその無水物および不飽和ジカルボン酸ハーフエステルから選ばれる酸を使用することが好ましく、とくに不飽和ジカルボン酸無水物を使用することが好ましい。このようエチレン・極性モノマー共重合樹脂の酸変性体は、ベースポリマーであるエチレン・極性モノマー共重合樹脂に不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸またはその無水物或いは不飽和ジカルボン酸ハーフエステルから選ばれる酸をグラフト重合する方法、あるいはベースポリマーに不飽和ジカルボン酸またはその無水物をグラフトしたのち、ハーフエステル化する方法など公知の方法によって得ることができる。
【0029】
また上記酸変性体のグラフト化剤として使用することができる不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸またはその無水物あるいは不飽和ジカルボン酸のハーフエステルとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、安価で変性効果の優れた無水マレイン酸の使用が最も好ましい。酸変性体は、ベースポリマーである共重合体の溶融条件下、あるいは該共重合体を適当な溶剤に溶解あるいは懸濁して、有機過酸化物のようなラジカル開始剤を使用し、酸をグラフト付加することによって容易に得ることができる。
【0030】
例えば上記有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどを例示することができる。これら有機過酸化物は、エチレン・極性モノマー共重合樹脂に対して、0.1〜2重量%程度の割合で使用される。
【0031】
酸変性体におけるこれら変性剤としての酸のグラフト量としては、酸の種類によっても異なるが、0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、とくに0.5〜3重量%程度のものがよい。酸変性体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜70g/10分、とくに1〜50g/10分程度のものが好ましい
上記したエチレン・極性モノマー共重合樹脂の酸変性体、好ましくは、エチレン−ビニルエステル共重合樹脂の酸変性体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂の酸変性体或いはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂の酸変性体はそれぞれ単独で使用することもできるが、他の樹脂、好ましくは、本発明における前記未変性のエチレン・極性モノマー共重合樹脂またはエチレン・α−オレフィン共重合樹脂乃至その極性モノマー変性体とこれらを併用して使用することもできる。
【0032】
前記併用する場合においては、樹脂に金属化合物系熱伝導性充填剤を配合して放熱性樹脂組成物を形成する際に添加混合することできるし、あるいは予めドライブレンドして配合することもできる。しかしながら、併用する酸変性体を未変性樹脂等他の樹脂とメルトブレンドしてから配合することが好ましい。このメルトブレンドにおいてはまた、有機過酸化物を共存させることにより、動的な架橋を伴いながらメルトブレンドすることもできる。このような有機過酸化物としては、上記例示のようなものを使用することができる。またその使用量は樹脂に対し、一般には0.1〜2重量%の割合とするのがよい。メルトブレンドして使用することにより、より一層均一に混合分散させることができる。
【0033】
本発明の放熱性樹脂組成物における、エチレン共重合樹脂(A)として、今ひとつの好ましい樹脂は、エチレン・(α−オレフィン)共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)である。エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)は、ポリエチレンあるいはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・α−オレフィン共重合樹脂に極性モノマー、好ましくは不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和ジカルボン酸またはその無水物或いは不飽和グリシジルエステルをグラフトした樹脂であって、好ましくは、引張弾性率(YM;ASTM D-658)が1600MPa以下、通常は1〜1600MPa、好ましくは1〜150MPaを示す変性エチレン・α−オレフィン共重合樹脂である。
【0034】
エチレンと共重合させる炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、4-メチル-1-ペンテンなどが挙げられる。好ましいα−オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンである。これらのα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0035】
エチレン・α−オレフィン共重合樹脂は、エチレンから導かれる構成単位を50〜96モル%の量で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を4〜50モル%の量で含有していることが望ましい。
【0036】
エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の密度(ASTM D 1505)は0.855〜0.915g/cm、好ましくは0.865〜0.885g/cm3であって、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)が0.01〜200g/10分、好ましくは0.5〜40g/10分の範囲内にあることが望ましい。
【0037】
エチレン・α−オレフィン共重合樹脂としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-ブテン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。好ましい共重合樹脂はエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体である。これらの共重合樹脂は、2種以上併用してもよい
上記のようなエチレン・α−オレフィン共重合樹脂は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。
【0038】
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)は、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂に極性モノマー、好ましくは不飽和カルボン酸またはその誘導体、或いは不飽和エポキシモノマーをグラフトした軟質樹脂である。
【0039】
エチレン・α−オレフィン共重合樹脂における極性モノマーのグラフト量は、グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合樹脂100重量%に対して、0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
【0040】
上記不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス- ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3- ジカルボン酸などが挙げられる。
【0041】
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、たとえば上記のような不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、エステル化合物などが挙げられる。具体的には、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどが挙げられる。不飽和エポキシモノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和グリシジルエステル、ビニルグリシジルエステル、アリルグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエーテルなどの不飽和エポキシモノマーなどが例示できる。
【0042】
これらの中では、不飽和ジカルボン酸無水物が好ましく、特に無水マレイン酸、無水ナジック酸TMが好ましい。
【0043】
したがって、好ましいエチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体としては、エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の不飽和ジカルボン酸無水物変性体が挙げられる。
【0044】
なお、エチレン・α−オレフィン共重合樹脂にグラフトされる極性モノマーのグラフト位置は、特に限定されことはなく、極性モノマーは、エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の任意の炭素原子に結合していればよい。
【0045】
上記エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマーによるグラフト変性は、従来公知のグラフト重合方法を用いて行なうことができる。たとえば上記エチレン・α−オレフィン共重合樹脂を溶融させて不飽和ジカルボン酸無水物を添加してグラフト重合を行なう方法、上記エチレン・α−オレフィン共重合樹脂を溶媒に溶解させて不飽和ジカルボン酸無水物を添加してグラフト重合を行なう方法がある。
【0046】
これらの方法において、ラジカル開始剤の存在下にグラフト重合を行なうと、上記不飽和ジカルボン酸無水物のグラフトモノマーを効率よくグラフト重合させることができる。この場合、ラジカル開始剤は、上記エチレン・α−オレフィン共重合樹脂100重量部に対して、通常は0.001〜1重量部の量で用いられる。
【0047】
このようなラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物などが用いられる。このようなラジカル開始剤としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-t- ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドなどが好ましく用いられる。
【0048】
上記のようなラジカル開始剤を使用したグラフト重合反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行なうグラフト重合反応の反応温度は、通常60〜350℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定される。
【0049】
本発明においては、上記エチレン共重合樹脂(A)は、単独で用いても良いし、また、任意に2以上を組み合わせて混合物として用いてもよく、更に、本発明の放熱性樹脂組成物の特性を損なわない範囲において、上記エチレン共重合樹脂(A)以外の合成乃至天然樹脂を副成分として例えば20wt%以下の量を混合しても良い。
【0050】
つぎに、本発明の放熱性樹脂組成物において、熱伝導性充填材としては、元素周期表の2〜5周期に属し、かつ、2A族、4A族、7A族、8族、2B族、3B族のいずれかに属している元素から選ばれる少なくとも1種類を有する化合物からなる熱伝導性充填材(B)を制限なく用いることができるが、放熱性樹脂組成物としての熱伝導性、熱伝導性充填剤の樹脂への充填性、柔軟性および機械特性などの点から、具体的には、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、ジルコニウムから選ばれた元素を有する熱伝導性を有する金属化合物系熱伝導性充填剤(B)が好ましく、熱伝導性の金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、金属炭酸化物からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。具体的には、例えば、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ニッケル等が、金属窒化物としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等が、金属炭化物としては炭化ホウ素、炭化アルミニウム等が、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が、金属炭酸化物としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が例示される。
【0051】
これら中でも窒化金属化合物、金属酸化物、金属水酸化物が好ましく、とりわけ熱伝導率や高分子材料との反応性を鑑みれば窒化アルミニウムや窒化ホウ素のような窒化金属化合物が好ましい。
【0052】
また、熱伝導性充填剤の平均粒子径は5μm以下が好ましく、より好ましくは0.1〜3μmであり、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。
【0053】
このような熱伝導性充填剤は、単独で用いられてもよいし、また、異なった種類の熱伝導性充填材をその目的に応じて任意に混合して用いてもよい。
熱伝導性充填剤の配合量はエチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、150重量部〜1,500重量部の範囲が好ましく、150重量部以下では熱伝導性が劣り、また、1,500重量部以上では金属との粘着乃至接着性、並びに軟質性、強度等が劣るので好ましくない。
【0054】
このような含有量において、本発明の放熱性樹脂組成物は、熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)を示す。しかしながら本発明の放熱性樹脂組成物としては、好ましい熱伝導率は少なくとも1.0W/K/Mであり、さらに好ましい熱伝導率は少なくとも1.5W/K/Mである。
【0055】
本発明においては、放熱性樹脂組成物の耐熱性を向上させるために、ベースポリマーであるエチレン共重合樹脂の耐熱性向上のため、予め、単独乃至1種または2種以上のエチレン共重合樹脂(A)に前記例示したような有機過酸化物を、樹脂に対し、一般には0.1〜2重量%の割合共存させ、公知の方法により、メルトブレンド下に、動的な部分架橋を行うこともできる。或いはまた、エチレン共重合樹脂(A)と熱伝導性充填剤(B)を配合したコンパウンドを作製した後に、公知のポリオレフィン樹脂の架橋方法を用いて、化学架橋ないし電子線架橋等の架橋を施しても構わない。
【0056】
また、本発明の放熱性樹脂組成物は、エチレン共重合樹脂(A)と金属化合物系熱伝導性充填剤(B)の他に、必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、架橋助剤、着色剤、滑剤、接着性付与剤、離型剤、帯電防止剤、シラン乃至チタンカップリング剤、カ−ボン等のその他の充填剤などを本発明の目的を損なわない範囲において配合することができる。
【0057】
本発明の放熱性樹脂組成物は、金属板と粘着または熱接着可能であり、このような金属との接着性は、両者が完全に接着する程度のレベルだけではなく、剥がれ落ちない粘着程度のレベルまでも含まれる。
【0058】
このような本発明の放熱性樹脂組成物を用いると、前記したような金属板と粘着または熱接着可能な、放熱用シートまたは成型品を製造することができる。
【0059】
本発明の放熱性樹脂組成物を用いたシートまたは成型品は、エチレン共重合樹脂(A)、金属化合物系熱伝導性充填剤(B)および必要に応じて配合される他の配合剤を、ブレンダー、ミル、バンバリーミキサー、ニーダー、ヘンシェルミキサー、スーパーフローター等の公知の方法により、均一に混合した後、Tダイ、中空ダイ等の各種のダイを持った一軸押出機、2軸押出機、加圧ニーダー、カレンダー、圧縮成型機、射出成型機、中空成形機等の公知の成型方法により容易に成型することができる。また有機過酸化物を配合する場合には、その融点以下の温度で溶融混練すればよい。このようなブレンドは一括して行ってもよく、また段階的に行ってもよい。成型温度としては、通常、50〜300℃程度である。
【0060】
本発明の放熱性樹脂組成物から成型されるシ−ト、成形品の具体的例としては、例えば、自動車、LED製品、ノ−ト型パソコン、携帯電話、プロジェクタ等に代表される電子機器・部品の分野で用いられるものが挙げられる。
【0061】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例および比較例において用いた原料は次の通りである。
【0062】
<原料の説明>
(1)EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体[酢酸ビニル含量 46重量%、メルトフローレート(MFR) 2.5g/10分(190℃、2160g荷重 JIS K7210−1999)]
(2)EMAA:エチレン−メタアクリル酸共重合体[メタアクリル酸含量15重量% 、MFR 60g/10分(190℃、2160g荷重 JIS K7210− 1999)
(3)アイオノマ−:メタアクリル酸含量15重量%のエチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)の亜鉛アイオノマー(中和度 59%、MFR 0・9g/10分(190℃、2160g荷重 JIS K7210−1999)
(4)LDPE:プライムポリマ−社製の低密度ポリエチレン樹脂(商品名:ミラソン50)
(5)水酸化マグネシウム:協和化学工業社製の水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5L、平均粒子径0.6μn)。
(6)水酸化アルミニウム:昭和電工社製の水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42STV、平均粒子径1μn)
(7)窒化ホウ素:三井化学社製の窒化ホウ素(商品名:MBN−010T、平均粒子径1μn)
(8)酸化防止剤:チバ・スペシャルティケミカルズ社製のイルガノックス1010
【0063】
<試料の作製方法>
小型加圧ニ−ダ−を用いて160℃×窒素雰囲気×10分間混練した。その後、プレス成形機を用いてプレス成形(160℃×5分(予熱)×5分(加圧)×5分(冷却))した。
【0064】
<熱伝導率の測定>
00000社製熱伝導率計を用い、ホットディスク法(ISO/CD22007−2)により測定した。測定条件:室温。
【0065】
<金属接着性の試験>
試料が形状を保つことができる温度(設定50〜120℃)のオ−ブンに、金属板(SUS304−SB、1mm厚)と試料(3mm×3mm×2mm厚)を別々に15分間放置し、次いで金属板の上に試料を載せて、さらに1kgの荷重をかけて10分間放置した。オ−ブンから取出した後に23℃雰囲気下に3時間放置し、次いで手で剥がすことが可能か否かの官能試験を行なった。以下の判定に基づき△以上を合格とした。
○:剥がすことが不可能なレベル
△:容易ではないが力を入れて剥がすことは可能なレベル(粘着レベル)
×:容易に剥がすことが可能なレベル
<柔軟性の測定>
1mm厚のプレスシートをJIS K7106試験片(W:20×L:100mm)に打抜き、試験片の両端を手で軽く曲げてクラックの発生状態を確認し、柔軟性の指標とした。判定基準は以下の通りで△以上を合格とした。
(判定)
○:クラックや白化は確認されない。
△:小さなクラックは多少確認されるが問題ないレベル。
×:大きなクラックが発生して試験片が折れてしまうレベル。
【0066】
(実施例1)
上記エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体(EVA)100質量部、水酸化マグネシウムおよび酸化防止剤を、表1に示す配合割合でヘンシエルミキサーで均一にブレンドした後、上記試料の作製方法に従い、小型加圧ニ−ダ−を用いて160℃×窒素雰囲気×10分間溶融混練し、ペレタイズした後にプレス成型機によりプレスシ−ト(160℃×予熱5分×加圧5分×冷却5分)を作製した。得られた放熱性樹脂組成物の諸物性を表1に示す。
【0067】
(実施例2−7、比較例)
実施例1において、表1に示す配合割合を、表1の各実施例2−7および比較例に示す配合割合で配合した以外は、実施例1と同様にして放熱性樹脂組成物を得た。得られた放熱性樹脂組成物の諸物性を表1に示す。
【0068】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン共重合樹脂(A)100重量部に対し、元素周期表の2〜5周期に属し、かつ、2A族、4A族、7A族、8族、2B族、3B族のいずれかに属している元素から選ばれる少なくとも1種類を有する化合物からなる熱伝導性充填材(B)150〜1,500重量部を含有し、その熱伝導率が少なくとも0.5W/K・M(ISO/CD22007-2法)であることを特徴とする放熱性樹脂組成物。
【請求項2】
エチレン共重合樹脂(A)が、エチレンと極性モノマーとの共重合樹脂(A−1)および/またはエチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)であることを特徴とする請求項1に記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項3】
エチレンと極性モノマーとの共重合樹脂(A−1)が、
(A−1-a)エチレン−ビニルエステル共重合樹脂および/またはその酸変性体、
(A−1-b)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂および/またはその酸変性体、
(A−1-c)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂および/またはその酸変性体、および
(A−1-d)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマー
から選ばれる1種又は2種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項4】
エチレン・α−オレフィン共重合樹脂の極性モノマー変性体(A−2)がエチレン・α-オレフィン共重合樹脂の不飽和ジカルボン酸無水物変性体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項5】
エチレン共重合樹脂(A)がエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂および/またはその酸変性体(A−1-c)又は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂のアイオノマー(A−1-d)あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項6】
熱伝導性充填剤(B)が、(B−1)窒化金属化合物、(B−2)金属酸化物、(B−3)金属水酸化物から選ばれる1種類又は2種以上の充填剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項7】
熱伝導性充填剤(B)が、平均粒子径5μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項8】
放熱性樹脂組成物の熱伝導率が少なくとも1.5W/K/M(ISO/CD22007-2法)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項9】
放熱性樹脂組成物が、金属板と粘着又は熱接着可能であること特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の放熱性樹脂組成物を用いた放熱用シート又は成型品。

【公開番号】特開2009−67877(P2009−67877A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237311(P2007−237311)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000174862)三井・デュポンポリケミカル株式会社 (174)
【Fターム(参考)】