説明

放送システム、受信装置、及び放送装置

【課題】互いに離れた場所にいるユーザ間において、一方が他方に代わって他方の受信装置を遠隔操作することができる放送システム、及びそれに用いられる受信装置を提供する。
【解決手段】放送信号を送信するケーブルテレビ用の放送装置1と、放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してTVに出力する複数の受信装置10〜(n×10)とを備える放送システムを用いる。複数の受信装置10〜(n×10)それぞれは、自己以外の別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められると、別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、放送装置1に向けて送信する。放送装置1は、遠隔操作信号を受信すると、それから別の受信装置を特定し、特定した別の受信装置に向けて遠隔操作信号を送信する。別の受信装置は、遠隔操作信号を受信し、且つ、遠隔操作を受け入れる場合は、遠隔操作信号を送信した受信装置による遠隔操作を受け入れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルテレビ等のテレビジョン放送に用いられる放送システム、それに利用される受信装置及び放送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送を視聴する視聴者のニーズは多種多様化している。そのため、多種多様なニーズに合わせて多数のチャンネルを提供するケーブルテレビ(以下、「CATV:Common Antenna Television 」という。)が注目を集めており、その加入者数は年々増加している。
【0003】
CATVは、次のようにして行われる(例えば、特許文献1参照。)。先ず、CATV局は、地上波放送、CS放送、BS放送等を受信する。次に、CATV局は、受信した信号をサービスエリア内の契約ユーザ宅に再送出する。ユーザ宅には、セットトップボックス(以下「STB」という。)と呼ばれる受信装置が配置されており、CATVからの信号はSTBによって受信される。
【0004】
次に、STBは、受信した放送信号を映像信号と音声信号とに復元し、これらを、STBに接続されたテレビジョン受像機(TV)に出力する。また、ユーザによるSTBのリモートコントローラの操作により、CATVが提供する多数のチャンネル(地上波/CS/BS)から番組が選択される。この結果、ユーザは、テレビジョン受像機を介して、選択した番組を楽しむことができる。
【0005】
更に、近年、CATVにおいては、ユーザとCATV局との間での送受信を可能とする双方向サービスが提供されている。双方向サービスによれば、ユーザは、視聴した番組に対してのみ料金が請求されるPPV(Pay Per View)や、ユーザの要求に応じて映像が配信されるVOD(Video On Demand)といったサービスを受けることができる。また、双方向サービスによれば、CATV局は、視聴率調査、視聴者からのアンケートの集計を行うことができる。
【特許文献1】国際公開第2003/045059号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような双方サービスや、多チャンネル化により、STBのリモートコントローラのボタン数は増加し、その操作は非常に複雑になっている。このため、機器の操作に不慣れなユーザ(例えば、年配者等)において、リモートコントローラは使いづらいものとなっており、希望する番組の視聴が困難になっている。このことは、機器の操作に不慣れなユーザの加入の妨げにもなっている。
【0007】
また、ケーブルテレビ局は、ユーザが電話や電子メールによって問い合わせできるようにすることでユーザサポートを行っているが、このようなユーザサポートは、機器の操作に不慣れなユーザに対しては十分ではない。機器の操作に不慣れなユーザ、特に年配者は、機器の操作に慣れたユーザが自己に代わってリモートコントローラを操作してくれることを望んでいる。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解消し、互いに離れた場所にいるユーザ間において、一方が他方に代わって他方の受信装置を遠隔操作することができる放送システム、それに用いられる受信装置及び放送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明における放送システムは、放送信号を送信する放送装置と、前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する複数の受信装置とを備える放送システムであって、前記複数の受信装置それぞれは、当該受信装置以外の別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められると、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、前記放送装置は、前記遠隔操作信号を受信すると、前記別の受信装置を特定し、特定した前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信し、前記別の受信装置は、前記遠隔操作信号を受信し、且つ、前記遠隔操作を受け入れる場合は、前記遠隔操作信号を送信した受信装置によって遠隔操作されることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明における受信装置は、放送装置が送信する放送信号を受信する受信装置であって、前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する映像受信部と、遠隔操作処理部とを備え、前記遠隔操作処理部は、前記放送装置の前記放送信号を受信する別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められた場合は、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、前記別の受信装置が当該受信装置を遠隔操作するために前記放送装置に前記遠隔操作信号を送信し、そして前記放送装置が前記遠隔操作信号を当該受信装置に送信した場合は、前記別の受信装置が当該受信装置において予め登録されていることを条件として、前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れ、前記映像受信部は、前記遠隔操作処理部が前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れた場合は、前記別の受信装置の指示に応じて、動作することを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するために、本発明における放送装置は、複数の受信装置に放送信号を送信する放送装置であって、前記複数の受信装置のいずれかが、当該受信装置以外の別の受信装置を遠隔操作するために、当該放送装置に向けて、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を送信する場合において、前記遠隔操作信号から前記別の受信装置を特定し、前記遠隔操作信号を送信した受信装置と前記別の受信装置との組合せが当該放送装置において予め登録されているかどうかを判定し、登録されている場合にのみ、前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、一の受信装置と他の受信装置との間で主従関係が構築される。よって、互いに離れた場所にいるユーザ間において、一方のユーザが他方のユーザの代わりに他方のユーザの受信装置を操作することができる。このため、例えば、機器の操作に不慣れな者であっても、機器の操作に習熟した者によるチャンネルの切り換えや視聴予約によって、確実に希望する番組を視聴することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における放送システムは、放送信号を送信する放送装置と、前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する複数の受信装置とを備える放送システムであって、前記複数の受信装置それぞれは、当該受信装置以外の別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められると、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、前記放送装置は、前記遠隔操作信号を受信すると、前記別の受信装置を特定し、特定した前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信し、前記別の受信装置は、前記遠隔操作信号を受信し、且つ、前記遠隔操作を受け入れる場合は、前記遠隔操作信号を送信した受信装置によって遠隔操作されることを特徴とする。
【0014】
上記本発明における放送システムは、前記放送装置は、前記遠隔操作信号を送信した受信装置と前記別の受信装置との組合せが前記放送装置において予め登録された組合せであるかどうかを判定し、登録されている場合にのみ、前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信する態様であるのが好ましい。この態様によれば、遠隔操作される受信装置のセキュリティを更に向上させることができる。
【0015】
上記本発明における放送システムは、前記別の受信装置は、それにおいて予め登録された受信装置から前記遠隔操作信号が送信されたときに、前記遠隔操作を受け入れる態様であっても良い。この態様によれば、遠隔操作される受信装置のユーザが認めた他のユーザによってのみ、遠隔操作が行われる。
【0016】
また、上記本発明における放送システムは、前記別の受信装置は、前記遠隔操作信号を受信し、且つ、前記遠隔操作を受け入れる場合は、自己の状態を特定するステータス情報を、前記放送装置を経由して、前記遠隔操作信号を送信した受信装置に送信し、前記遠隔操作信号を送信した受信装置は、前記ステータス情報を受信すると、前記ステータス情報に基づいて、前記別の受信装置がテレビジョン受像機に出力している映像信号及び音声信号と同じ信号を、前記遠隔操作信号を送信した受信装置に接続されたテレビジョン受像機に出力する態様とするのが好ましい。この態様によれば、遠隔操作を行う受信装置において操作性の向上を図ることができる。
【0017】
更に、上記本発明における放送システムでは、前記遠隔操作信号を送信した受信装置によって許可が求められる遠隔操作としては、チャンネルの切り替え、及び番組の視聴予約等が挙げられる。また、前記ステータス情報は、前記別の受信装置が選択しているチャンネル、前記別の受信装置によって視聴可能なチャンネル、及び前記別の受信装置によって視聴予約されているチャンネルのうちの少なくとも一つを特定しているのが良い。
【0018】
また、本発明における受信装置は、放送装置が送信する放送信号を受信する受信装置であって、前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する映像受信部と、遠隔操作処理部とを備え、前記遠隔操作処理部は、前記放送装置の前記放送信号を受信する別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められた場合は、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、前記別の受信装置が当該受信装置を遠隔操作するために前記放送装置に前記遠隔操作信号を送信し、そして前記放送装置が前記遠隔操作信号を当該受信装置に送信した場合は、前記別の受信装置が当該受信装置において予め登録されていることを条件として、前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れ、前記映像受信部は、前記遠隔操作処理部が前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れた場合は、前記別の受信装置の指示に応じて、動作することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明における放送装置は、複数の受信装置に放送信号を送信する放送装置であって、前記複数の受信装置のいずれかが、当該受信装置以外の別の受信装置を遠隔操作するために、当該放送装置に向けて、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を送信する場合において、前記遠隔操作信号から前記別の受信装置を特定し、前記遠隔操作信号を送信した受信装置と前記別の受信装置との組合せが当該放送装置において予め登録されているかどうかを判定し、登録されている場合にのみ、前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信することを特徴とする。
【0020】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における放送システム、受信装置、及び放送装置について、図1〜図13を参照しながら説明する。最初に、本発明の実施の形態における放送システム、受信装置、及び放送装置の構成について図1及び図2を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における放送システム、受信装置、及び放送装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態における受信装置が遠隔操作を行う場合にその内部で生成されるコマンドの一例を示す図であり、図2(a)は制御部が生成する内部コマンドを示し、図2(b)は遠隔操作処理部が生成する親子通信コマンドを示している。図3は、本実施の形態における受信装置が遠隔操作される場合にその内部で生成されるコマンドの一例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、放送システムは、放送信号を送信する放送装置1と、複数の受信装置10〜(n×10)とを備えている。本実施の形態では、放送装置1は、CATV用の放送装置である。また、受信装置10〜受信装置(n×10)は、CATV用のSTB(Set Top Box)であり、CATV局と契約しているユーザ(1)〜(n)の宅内に配置されている(n:任意の整数)。本実施の形態において、一の放送装置1の放送信号を受信する受信装置の数は、特に限定されるものではない。
【0023】
放送装置1は、データ送受信部2と、放送信号送出部3とを備えている。放送信号送出部3は、従来の放送装置にも備えられており、地上波放送、CS放送、BS放送等を受信し、受信した放送信号を受信装置10〜(n×10)に送出する。受信装置10〜(n×10)は、従来のSTBと同様に、映像受信部を備えている。映像受信部は、放送装置1の放送信号送出部3から送出された放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元して、各ユーザ(1)〜(n)のテレビジョン受像機(以下「TV」とする。)に出力する。
【0024】
図1の例では、映像受信部及びTVは、受信装置10及び20に関してのみ図示されている。17は、受信装置10の映像受信部であり、18は、受信装置10に接続されたTVである。27は、受信装置20の映像受信部であり、28は、受信装置20に接続されたTVである。
【0025】
このように、本発明の放送システムは、放送装置1及び受信装置10〜(n×10)を備えており、従来のCATVシステムと同様に、種々のコンテンツをユーザに配信できる。但し、本発明においては、従来と異なり、受信装置間で主従関係を構築でき、一の受信装置のユーザが、他のユーザの受信装置を遠隔操作できるようになっている。
【0026】
即ち、受信装置10〜(n×10)それぞれは、自己以外の別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められると、この別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、放送装置1に向けて送信する。遠隔操作信号は、この遠隔操作対象となる別の受信装置を特定する情報を含んでおり、放送装置1は、遠隔操作信号を受信すると、遠隔操作信号から別の受信装置を特定する。更に、放送装置1は、特定した別の受信装置に向けて遠隔操作信号を送信する。遠隔操作対象となる受信装置によって、遠隔操作信号が受信され、そして、遠隔操作が受け入れられる場合は、遠隔操作対象となる受信装置は、遠隔操作信号を送信した受信装置によって遠隔操作されることとなる。
【0027】
受信装置10及び受信装置20を例にとって、その構成を具体的に説明する。図1に示すように、本実施の形態1では、受信装置10は、映像受信部17に加え、制御部12と、遠隔操作処理部13と、データ変調部14と、データ復調部15と、メモリ16とを備えている。同様に、受信装置20も、映像受信部27に加え、制御部22と、遠隔操作処理部23と、データ変調部24と、データ復調部25と、メモリ26とを備えている。11及び21は、それぞれ、ユーザが受信装置の操作を行うための入力装置(リモートコントローラ)である。
【0028】
受信装置10の各部と、受信装置20の各部とは、同一の機能を備えており、両者は同一の装置である。よって、受信装置10によって受信装置20を遠隔操作することも、受信装置20によって受信装置10を遠隔操作することも可能である。
【0029】
但し、本実施の形態における放送システムでは、セキュリティを確保するため、遠隔操作する側の受信装置(親機)と、遠隔操作される側の受信装置(子機)とは、予め登録されている必要がある。また、登録は、親機のメモリ、子機のメモリ、及び放送装置のメモリ(図示せず)それぞれに、親機(マスター)のSTB識別子と子機(スレーブ)のSTB識別子とを予め格納することによって行うことができる。
【0030】
本実施の形態では、受信装置10が親機として登録されており、受信装置20が子機として登録されている。なお、受信装置10及び20以外の受信装置の全部または一部も、受信装置10及び20と同一の装置である。よって、受信装置10及び20以外の受信装置のいずれかが、親機として、または子機として登録されていても良い。
【0031】
ここで、受信装置が親機として登録されている場合における、受信装置の各部の機能について、受信装置10に基づいて説明する。受信装置10において、制御部12は、ユーザ(1)が、入力装置11を介して、受信装置10以外の別の受信装置(受信装置20)に対する遠隔操作を求めると、図2(a)に示す内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部13に入力する。
【0032】
遠隔操作処理部13は、制御部12から内部コマンドが入力されると、図2(b)に示す親子通信コマンドを生成する。具体的には、遠隔操作処理部13は、メモリ16にアクセスし、送信元となる受信装置10(親機)のSTB識別子と、送信先となる受信装置20のSTB識別子とをメモリ16から読み出し、これらを内部コマンドに付加する。
【0033】
なお、図2(a)の内部コマンド及び図2(b)の親子通信コマンドにおいて、「遠隔操作コマンド」は遠隔操作の種類を特定している。遠隔操作の種類としては、例えば、EPG(Electric Program Guide)の表示、チャンネル変更、視聴予約、更には遠隔操作の開始又は終了の指示等が挙げられる。
【0034】
また、遠隔操作処理部13は、生成した親子通信コマンド(図2(b)参照)をデータ変調部14に入力し、データ変調部14に遠隔操作信号を生成させ、更に、これを放送装置1に向けて送信させる。具体的には、データ変調部14は、親子通信コマンドが入力されると、親子通信コマンドに含まれる情報を特定するRF信号を生成し、これを放送装置1に送信する。このRF信号が、受信装置20(子機)に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号となる。
【0035】
なお、ユーザ(1)が、入力装置11によって、遠隔操作ではなく、単なるチャンネル変更を指示した場合は、制御部12は、選択されたチャンネルを特定する内部コマンドを生成する。また、ユーザ(1)が、視聴予約を行った場合は、制御部12は、予約日時となったときに、選択されたチャンネルを特定する内部コマンドを生成する。そして、制御部12が内部コマンドを映像受信部17に入力すると、映像受信部17は、内部コマンドによって特定されたチャンネルの放送信号を抽出し、抽出した放送信号を映像信号及び音声信号に復元し、これをTV18に出力する。
【0036】
また、親機となる受信装置10から送信された遠隔操作信号は、放送装置1のデータ送受信部2によって受信される。データ送受信部2は、遠隔操作信号を受信すると、それから送信先及び送信元のSTB識別子を抽出し、親機及び子機を特定する。更に、本実施の形態では、放送装置1によるセキュリティの確保も図るため、データ送受信部2は、抽出したSTB識別子が、放送装置1のメモリ(図示せず)に予め登録された受信装置10と受信装置20とであるかどうかを判定する。データ送受信部2は、判定の結果、登録された受信装置10と受信装置20とである場合にのみ、子機(受信装置20)に遠隔操作信号を送信する。
【0037】
次に、受信装置が子機として登録されている場合における、受信装置の各部の機能について、受信装置20に基づいて説明する。受信装置20(子機)において、データ復調部25は、放送装置1が送信した遠隔操作信号を復調して、復調データを生成する。復調データは元の親子通信コマンドである。得られた復調データ(親子通信コマンド)は、遠隔操作処理部23に入力される。
【0038】
また、本実施の形態では、子機によるセキュリティの確保も図るため、遠隔操作処理部23は、得られた親子通信コマンドから送信先及び送信元のSTB識別子を抽出する。更に、遠隔操作処理部23は、メモリ26にアクセスし、抽出したSTB識別子が、予めメモリ26に登録された受信装置10と受信装置20とであるかどうかを判定する。遠隔操作処理部23は、判定の結果、登録された受信装置10と受信装置20とである場合にのみ遠隔操作を受け入れる。
【0039】
そして、遠隔操作処理部23が遠隔操作を受け入れることを決定した後、親機となる受信装置10から指示がなされると、制御部22は、受信装置10の指示に応じて、映像受信部27を動作させる。具体的には、受信装置10のユーザ(1)が、受信装置10においてチャンネル変更や視聴予約を行った場合は、制御部22は、それに合わせて、映像受信部27にも映像信号及び音声信号の復元及びTV28への出力を行わせる。
【0040】
また、本実施の形態では、遠隔操作処理部23は、遠隔操作を受け入れることを決定した後、受信装置20の状態を特定するステータス情報を、放送装置1を経由して、受信装置10に送信することもできる。この場合、遠隔操作処理部23は、図3に示す親子通信コマンドを生成する。図3に示すように、遠隔操作処理部23が生成する親子通信コマンドは、受信装置20によって現在視聴されているチャンネル(番組)の情報、視聴可能なチャンネル(番組)の情報、現在の視聴予約されているチャンネル(番組)の情報等をステータス情報として含んでいる。
【0041】
なお、これらの情報は、メモリ26に格納されている。また、図3中のEX1〜EX3における情報種別は、データが、上記したいずれの情報であるかを特定している。図3中のEX1におけるチャンネルのネットワークID(NWID)は、BS放送、地上デジタル放送等の放送の種類を特定する。同じくチャンネルのサービルID(SID)は、例えばBSハイビジョンのように各放送の具体的なチャンネルを特定する。更に、図3中のEX3における予約インデックス番号は、各視聴予約に振り分けられた識別番号である。視聴予約が複数存在する場合は、図3中のEX3に示すデータセットは複数セット存在することとなる。
【0042】
また、遠隔操作処理部23は、ステータス情報を含む親子通信コマンドをデータ変調部24に入力し、データ変調部24にRF信号(ステータス情報信号)を生成させ、これを放送装置1へと送信させる。そして、放送装置1は、ステータス情報信号を受信すると、この場合も、セキュリティ確保のため、送信先及び送信元のSTB識別子を抽出し、抽出したSTB識別子が、予め登録されているかどうか判定する。登録されている場合は、放送装置1は、ステータス情報信号を、受信装置10に送信する。
【0043】
更に、受信装置10では、ステータス情報信号は、データ復調部15によって復調されて、元の親子通信情報コマンドに戻される。このステータス情報を含む親子通信コマンドは、受信装置10の遠隔操作処理部13に入力される。そして、遠隔操作処理部13は、内部コマンド(図2(a)参照)を生成し、これを制御部12に入力する。
【0044】
例えば、このステータス情報に、受信装置20によって現在視聴されているチャンネルの情報が含まれている場合は、制御部12は、このチャンネルを特定する。そして、制御部12は、映像受信部17に、特定されたチャンネルの映像信号及び音声信号を生成させ、これをTV18に出力させる。この結果、受信装置10に接続されたTV18には、受信装置20に接続されたTV28が表示する映像が表示されるので、ユーザ(1)による遠隔操作が容易なものとなる。
【0045】
また、本実施の形態では、遠隔操作処理部23は、例えば、受信装置20のユーザ(2)の指示等により、遠隔操作の受け入れを拒否することもできる。この場合は、遠隔操作処理部23は、ステータス情報を含む親子通信コマンドの代わりに、遠隔操作が不許可であることを示す親子通信コマンドを生成する。そして、遠隔操作が不許可であることを示す親子通信コマンドは、データ変調部24によって変調され、遠隔操作不許可信号が生成される。また、遠隔操作不許可信号も、放送装置1を経由して、受信装置10に送信される。受信装置10は、遠隔操作不許可信号を受信した場合は、そのことをユーザ(1)に通知する。
【0046】
ここで、図1に示した本実施の形態における放送システムで行われる処理の流れについて図4〜図7を用いて説明する。以下の説明においては、適宜図1〜図3を参酌する。図4は、本実施の形態において親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図5は、本実施の形態において放送装置で行われる処理の流れを示すフロー図である。図6は、本実施の形態において子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図7は、遠隔操作の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図7(a)〜図7(d)は一連の主な画面を示している。
【0047】
最初に、親機となる受信装置10における処理の流れについて図4を用いて説明する。図4に示すように、先ず、受信装置10の制御部12は、入力装置11から信号が入力されると、信号が遠隔操作の指示であるかどうかを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部12は、入力装置11が送信した信号からコードを抽出し、それが遠隔操作を指示するコードであるかどうかを判定する。遠隔操作の指示が入力されていない場合は、制御部12は、遠隔操作については待機状態となる。
【0048】
一方、遠隔操作の指示がなされている場合(図7(a)左図参照)は、制御部12は、遠隔操作の開始を子機に通知するため、内部コマンド(図2(a)参照)を生成して、これを遠隔操作処理部13に入力する。そして、遠隔操作処理部13は、送信元及び送信先を特定して、親子通信コマンド(図2(b)参照)を生成し、これをデータ変調部14に入力する(ステップS102)。続いて、データ変調部14は、この親子通信コマンドをRF信号に変調して遠隔操作信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS103)。更に、放送装置1は、受信した信号を、子機となる受信装置20に送信する。放送装置1における処理については、図5を用いて後述する。
【0049】
ステップS103によって遠隔操作信号を放送装置1に送信した後は、遠隔操作処理部13は、放送装置1を経由して他の受信装置からの信号を受信したかどうかを判定する(ステップS104)。受信していない場合は、遠隔操作処理部13は、待機状態となる。なお、本実施の形態は、制御部12が、待機状態中において放送装置1からの信号が一定期間全く受信されない場合に、映像受信部17に、子機との通信が確立されない旨を表示させる態様とすることもできる。
【0050】
一方、他の受信装置からの信号を受信している場合は、遠隔操作処理部13は、データ復調部15に、受信した信号を復調させる(ステップS105)。そして、遠隔操作処理部13は、復調データ(親子通信コマンド)に基づいて、送信元が適切であるかどうか、即ち、送信元が、メモリ16に登録された受信装置20(子機)であるかどうかを判定する(ステップS106)。
【0051】
ステップS106の判定の結果、送信元が受信装置20でない場合は、遠隔操作処理部13は、復調データを破棄し(ステップS107)、待機状態となる。これに対して、送信元が受信装置20である場合は、遠隔操作処理部13は、受信信号がステータス情報信号及び遠隔操作不許可信号のいずれかであるか判定する(ステップS108)。具体的には、ステップS105で得られた復調データは、受信装置20が生成した親子通信コマンドであることから、遠隔操作処理部13は、遠隔操作コマンドを抽出し、それに基づいて判定を行なう。
【0052】
判定の結果、受信信号がステータス情報信号及び遠隔操作不許可信号のいずれでもない場合は、待機状態となる。一方、受信信号がステータス情報信号及び遠隔操作不許可信号のいずれかである場合は、遠隔操作処理部13は、更に、受信信号がステータス情報信号であるかどうかを判定する(ステップS109)。
【0053】
このとき、受信信号がステータス情報信号でない場合(遠隔操作不許可信号である場合)は、遠隔操作処理部13は、遠隔操作できないことを示す内部コマンドを生成し、これを制御部12に入力する。更に、制御部12は、遠隔操作が不許可であることをTV18に表示させ(ステップS110)、その後、処理を終了する。
【0054】
一方、受信信号がステータス情報信号である場合は、遠隔操作処理部13は、ステータス情報を含む内部コマンドを生成する。そして、この内部コマンドが制御部12に入力されると、制御部12は遠隔操作送信モードを実行する(S111)。具体的には、制御部12は、映像受信部17に遠隔操作が開始された旨を表示させる(図7(b)左図参照)。更に、制御部12は、NWID及びSID(図3参照)を抽出し、これらから受信装置20で視聴されているチャンネルを特定する。そして、制御部12は、映像受信部17に、特定されたチャンネルを選択するように指示する。
【0055】
次に、制御部12は、入力装置11を介したユーザ(1)による遠隔操作を受け付け、受け付けた遠隔操作を実行する(ステップS112)。遠隔操作としては、例えば、チャンネルの変更や、視聴予約等が挙げられる。なお、ステップS112については、図8及び図11を用いて後述する。
【0056】
その後、制御部12は、入力装置11を介して遠隔操作の終了が指示されているかどうかの判定を行なう(ステップS113)。制御部12は、入力装置11を介してユーザ(1)から、終了が指示されていない場合は、再度ステップS112を実行し、終了が指示されている場合は、処理を終了する(図7(c)左図及び図7(d)左図参照)。
【0057】
なお、図4においては、図示していないが、入力装置11を介してユーザ(1)から、終了が指示されると、制御部12は、そのことを示す内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部13に入力する。更に、遠隔操作処理部13による親子通信コマンドの生成、データ変調部14によるRF信号への変調、RF信号の放送装置1への送信が行われる。また、終了を指示する信号は、放送装置1を経由して、子機に送信される。
【0058】
次いで、放送装置1における処理の流れについて図5を用いて説明する。図5に示すように、先ず、放送装置1のデータ送受信部2は、受信装置から送信された信号を受信すると、この受信信号を復調して、元の親子通信コマンドを生成する(ステップS1)。そして、データ送受信部2は、送信先の受信装置と送信元の受信装置とを特定するため、ステップS1で得られた親子通信コマンドから送信先STB識別子及び送信元STB識別子を抽出する(ステップS2)。
【0059】
次に、データ送受信部2は、送信先の受信装置と送信元の受信装置とが適切であるかどうかを判定する(ステップS3)。具体的には、データ送受信部2は、放送装置1に備えられたメモリ(図示せず)にアクセスし、ステップS2で抽出された送信先STB識別子と送信元STB識別子との組合せが予め登録されているかどうかどうかを判定する。
【0060】
判定の結果、ステップS2で抽出された送信先STB識別子と送信元STB識別子との組合せが予め登録されていない場合は、データ送受信部2は、適切でないとして、ステップS1で得られた親子通信コマンドを破棄する(ステップS4)。その後、データ送受信部2は待機状態となる。
【0061】
一方、予め組合せが登録されている場合、データ送受信部2は、適切であるとして、送信先となる受信装置に信号を送信し(ステップS5)、処理を終了する。例えば、ステップS1で受信された信号が、図4に示したステップS103で送信された信号である場合は、送信元STB識別子が受信装置10を示し、送信先STB識別子が受信装置20を示すため、データ送受信部2は、適切であると判定する。また、信号の送信は、ステップS1で得られた親子通信コマンドを再度変調し、変調して得られたRF信号を送信することによって行われる。
【0062】
このように、放送装置1がステップS1〜S5を実行することにより、一方の受信装置が送信した信号は、放送装置1を経由して、他方の受信装置へと送信される。また、上述のように、本実施の形態における放送装置1によれば、予め登録されていない受信装置間では信号の送受信は認められないこととなるため、セキュリティが確保される。
【0063】
次いで、子機となる受信装置20における処理の流れについて図6を用いて説明する。図6に示すように、他の受信装置が送信した信号が放送装置1を経由して受信装置20に送信されると、データ復調部25は、これを受信し、そして復調する(ステップS201)。次に、遠隔操作処理部23は、復調データに基づいて、送信元が適切であるかどうか、即ち、送信元が、メモリ26に登録された受信装置10(親機)であるかどうかを判定する(ステップS202)。
【0064】
ステップS202の判定の結果、送信元が受信装置10でない場合は、遠隔操作処理部23は、復調データを破棄し(ステップS203)、待機状態となる。これに対して、送信元が受信装置10である場合は、遠隔操作処理部23は、更に、復調データ(親子通信コマンド)に基づいて、受信信号が遠隔操作信号であるかどうかを判定する(ステップS204)。
【0065】
ステップS204の判定の結果、遠隔操作信号でない場合は、ステップS203の実行後と同様に、遠隔操作処理部23は、待機状態となる。一方、遠隔操作信号である場合は、遠隔操作処理部23は、復調データから内部コマンドを生成し、これを制御部22に入力する。そして、制御部22は、遠隔操作の受け入れを許可できる状態にあるかどうか、例えば、ユーザ(2)が遠隔操作の受け入れを拒否するように指示しているかどうか等を判定する(ステップS205)。
【0066】
ステップS205の判定の結果、遠隔操作の受け入れが拒否されている場合は、制御部22は、そのことを示す内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部23に入力する。そして、遠隔操作処理部23は、遠隔操作が不許可であることを示す親子通信コマンドを生成する(ステップS206)。ステップS206が実行されると、データ変調部24は、ステップS206で生成された親子通信コマンドを変調して、遠隔操作不許可信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS207)。その後、受信装置20における処理は終了する。
【0067】
一方、遠隔操作の受け入れが拒否されていない場合は、制御部22は、遠隔操作受信モードを実行する(ステップS208)。具体的には、制御部22は、入力装置21からの入力を受け付けない状態となり、実質的に入力装置21の使用が禁止される(図7(a)右図及び図7(b)右図参照)。次に、制御部22は、メモリ26にアクセスしてステータス情報を取得し(ステップS209)、更に、ステータス情報を含む内部コマンドを生成して、これを遠隔操作処理部23に入力する。そして、遠隔操作処理部23は、この内部コマンドに基づいて、ステータス情報を含む親子通信コマンドを生成する(ステップS210)。
【0068】
その後、データ変調部24は、ステップS210で生成された親子通信コマンドを変調してステータス情報信号を生成し、これを、放送装置1を経由して受信装置10(親機)に送信する(ステップS211)。ステップS211が実行されると、受信装置10においては、図4に示したステップS112(遠隔操作)が実行される。この後、制御部22は、受信装置10の制御部12の指示に従って動作し(図7(c)右図及び図7(d)右図参照)、遠隔操作された状態となる(ステップS212)。なお、ステップS212については、図9及び図12を用いて後述する。
【0069】
次に、制御部22は、受信装置10によって遠隔操作の終了が指示されているかどうかの判定を行なう(ステップS213)。制御部22は、終了が指示されていない場合は、再度ステップS212を実行し、終了が指示されている場合は、処理を終了する。
【0070】
なお、図6においては、図示していないが、ユーザ(1)が遠隔操作の終了を指示した場合は、上述したように、終了を指示する信号は、受信装置10から放送装置1に送信された後、放送装置1から受信装置20へと送信される。また、受信装置20においては、この終了を指示する信号に対して、データ復調部25による復調、遠隔操作処理部23による内部コマンドの生成及び制御部22への入力が行われる。制御部22は、内部コマンドに基づいて、遠隔操作の終了が指示されているかどうか判定する。
【0071】
以上のように本実施の形態によれば、ユーザ(2)から離れた場所にいるユーザ(1)は、自己の受信装置10を介して、ユーザ(2)に代わって、ユーザ(2)の受信装置20を遠隔操作できる。このため、図7(a)〜図7(c)に示すように、ユーザ(2)は、機器の操作に不慣れな者であっても、ユーザ(1)の補助により、希望の番組を視聴することができる。
【0072】
次に、遠隔操作の具体例の一つである、親機によって子機の選択しているチャンネルを変更する例について、図8〜図10に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、チャンネル変更のユーザによる指示は、EPGを表示させた後、EPG上での操作によって行われる。このため、チャンネル変更の前に先ずEPGの表示処理が行われる。
【0073】
図8は、チャンネル変更時に親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図9は、チャンネル変更時に子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図10は、チャンネル変更の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図10(a)〜図10(d)は一連の主な画面を示している。
【0074】
最初に、チャンネル変更のために親機で行われるステップS112(図4参照)の処理について、図8を用いて説明する。図8に示すように、図4に示したステップS111が終了した後に、ユーザ(1)がEPGの表示操作を入力装置11によって入力すると(図10(a)左図参照)、制御部12は、その入力を受け付ける(ステップS121)。
【0075】
次に、入力を受け付けると、制御部12は、EPGの表示を子機に指示する内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部13に入力する。そして、遠隔操作処理部13は、EPGの表示を子機に指示するため、親子通信コマンド(図2(b)参照)を生成し、これをデータ変調部14に入力する(ステップS122)。続いて、データ変調部14は、この親子通信コマンドをRF信号に変調して遠隔操作信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS123)。更に放送装置1は、受信した信号を、受信装置20に送信する。
【0076】
なお、放送装置1は、この場合も、上述の図5に示した処理と同様の処理を実行する。また、ステップS122及びS123は、それぞれ、図4に示したS102及びS103と同様のステップである。
【0077】
次に、ステップS123によって遠隔操作信号を放送装置1に送信した後、遠隔操作処理部13は、図4に示したステップS104と同様に、他の受信装置からの信号を受信したかどうかを判定する(ステップS124)。受信していない場合は、遠隔操作処理部13は、待機状態となる。
【0078】
一方、受信している場合は、図4に示したステップS105及びS106と同様に、データ復調部15による復調(ステップS125)、遠隔操作処理部13による送信元が適切かどうかの判定(ステップS126)が行われる。ステップS126において、送信元が不適切であると判定された場合、復調データは破棄される(ステップS127)。
【0079】
次に、ステップS126において送信元が適切であると判定された場合は、遠隔操作処理部13は、受信信号が、EPGの表示の完了を通知する信号(EPG表示完了信号)であるかどうかを判定する(ステップS128)。具体的には、図4に示したステップS108と同様に、遠隔操作処理部13は、ステップS125で得られた復調データ(親子通信コマンド)から遠隔操作コマンドのコードを抽出し、それに基づいて判定を行なう。
【0080】
判定の結果、受信信号がEPG表示完了信号でない場合は、待機状態となる。一方、受信信号がEPG表示完了信号である場合は、遠隔操作処理部13は、子機においてEPG表示が完了したことを示す内部コマンドを生成し、これを制御部12に入力する。また、この場合、制御部12は、親機においてもEPGを表示する(ステップS129)。
【0081】
具体的には、制御部12は、EPGを特定する情報をメモリ16から抽出し、これを映像受信部17に入力する。映像受信部17は、入力された情報に基づいて映像信号を生成し、これをTV18に入力して、TV18にEPGを表示させる(図10(b)左図参照)。なお、EPGを特定する情報は、放送装置1の放送信号送出部3から、放送信号と共に送信され、受信された後、受信装置10のメモリ16に格納されている。
【0082】
次に、ユーザ(1)が、入力装置11によって、チャンネル選択操作を入力すると、制御部12は、その入力を受け付ける(ステップS130)。本実施の形態では、図10(b)に示すように、チャンネルの選択は、ユーザがEPGに表示された複数の番組のいずれかを画面上のカーソルで選択することによって行われる。また、図10(c)に示すように、選択された番組の番組説明が画面上に表示される。
【0083】
その後、制御部12は、ステップS130で入力されたチャンネルの選択を子機に指示するため、内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部13に入力する。更に、遠隔操作処理部13は、ステップS122と同様に、入力された内部コマンドから親子通信コマンドを生成し、これをデータ変調部14に入力する(ステップS131)。また、このとき、制御部12は、映像受信部17に対して、選択された番組が表示されるようにチャンネルの切り換えを行わせ、TV18に選択された番組を表示させる。
【0084】
続いて、データ変調部14は、ステップS123と同様に、この親子通信コマンドをRF信号に変調して遠隔操作信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS132)。更に、この場合も、放送装置1は、受信した信号を、受信装置20に送信する。
【0085】
次に、ステップS132の実行後、受信装置10では、信号を受信したかどうかの判定(ステップS133)、データの復調(ステップS134)、送信元が適切かどうかの判定(ステップS135)、適切でない場合のデータの破棄(ステップS136)が行われる。ステップS133からS135までの処理は、ステップS124からS127までの処理と同様である。
【0086】
次に、ステップS135において送信元が適切であると判定された場合は、遠隔操作処理部13は、受信信号が、受信装置20がチャンネル選択の完了を通知する信号(チャンネル選択完了信号)であるかどうかを判定する(ステップS137)。ステップS137においても、ステップS128と同様に、遠隔操作処理部13は、復調データから遠隔操作コマンドのコードを抽出し、それに基づいて判定を行なう。
【0087】
判定の結果、受信信号がチャンネル選択完了信号でない場合は、再度ステップS133から処理が実行される。一方、受信信号がチャンネル選択完了信号である場合は、制御部12はチャンネル変更処理を終了する(図10(d)左図参照)。
【0088】
次いで、チャンネル変更のために子機で行われるステップS212(図6参照)の処理について、図9を用いて説明する。図9に示すように、他の受信装置が送信した信号が放送装置1を経由して受信装置20に送信されてくると、データ復調部25は、これを復調する(ステップS221)。次に、遠隔操作処理部23は、復調データに基づいて、送信元が適切であるかどうか判定する(ステップS222)。
【0089】
ステップS222の判定の結果、送信元が受信装置10でない場合は、遠隔操作処理部23は、復調データを破棄し(ステップS223)、待機状態となる。なお、ステップS221〜S223は、それぞれ、図6に示したステップS201〜S203と同様のステップである。
【0090】
一方、送信元が受信装置10である場合は、遠隔操作処理部23は、復調データ(親子通信コマンド)に基づいて、受信信号がEPGの表示を指示する遠隔操作信号であるかどうかを判定する(ステップS224)。なお、ステップS224においてこのような判断が行われるのは、本実施の形態では、チャンネル変更の前に先ずEPGを表示させる必要があるからである。
【0091】
判定の結果、受信信号がEPGの表示を指示する遠隔操作信号でない場合は、遠隔操作処理部23は待機状態となる。一方、受信信号がEPGの表示を指示する遠隔操作信号である場合は、遠隔操作処理部23は、EPGの表示を指示する内部コマンドを生成し、これを制御部22に入力する。そして、制御部22は、映像受信部27にEPGを表示させる(ステップS225)。
【0092】
具体的には、制御部22は、図8に示したステップS129と同様に、EPGを特定する情報をメモリ26から抽出し、これを映像受信部27に入力する。映像受信部27は、入力された情報に基づいて映像信号を生成し、TV28にEPGを表示させる(図10(b)右図参照)。
【0093】
次いで、制御部22は、EPGの表示を確認すると、EPGの表示の完了を示す内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部23に入力する。そして、遠隔操作処理部23は、この内部コマンドに基づいて、EPGの表示の完了を示す親子通信コマンドを生成する(ステップS226)。その後、データ変調部24は、ステップS226で生成された親子通信コマンドを変調して、EPG表示完了信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS227)。
【0094】
放送装置1は、この場合も、上述の図5に示した処理と同様の処理を実行して、受信した信号を受信装置10に送信する。また、これにより、受信装置10においては、図8に示したステップS129が実行される。
【0095】
次に、ステップS227によってEPG表示完了信号を送信した後、遠隔操作処理部23は、他の受信装置からの信号を受信したかどうかを判定する(ステップS228)。受信していない場合は、遠隔操作処理部23は、待機状態となる。
【0096】
一方、受信している場合は、ステップS221及びS222と同様に、データ復調部25による復調(ステップS229)、遠隔操作処理部13による送信元が適切かどうかの判定(ステップS230)が行われる。更に、ステップS230において、送信元が不適切であると判定された場合、ステップS223と同様に、復調データは破棄される(ステップS231)。
【0097】
一方、ステップS230において、送信元が適切であると判定された場合は、遠隔操作処理部23は、復調データ(親子通信コマンド)に基づいて、受信信号がチャンネル選択を指示する遠隔操作信号であるかどうかを判定する(ステップS232)。
【0098】
ステップS232の判定の結果、受信信号がチャンネル選択を指示する遠隔操作信号である場合は、遠隔操作処理部23は、親子通信コマンドで指示されているチャンネルを特定し、更に、これを含む内部コマンドを生成して、これを制御部22に入力する。この内部コマンドが入力されると、制御部22は、映像受信部27に、チャンネルの切り換えを行わせ、選択されたチャンネルの番組をTV28に表示させる(ステップS234)。
【0099】
次に、制御部22は、チャンネルの切り換えを確認すると、チャンネル選択の完了を示す内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部23に入力する。そして、遠隔操作処理部23は、この内部コマンドに基づいて、チャンネル選択の完了を示す親子通信コマンドを生成する(ステップS235)。
【0100】
その後、データ変調部24は、ステップS235で生成された親子通信コマンドを変調して、チャンネル選択完了信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS236)。ステップS236の実行後、制御部22はチャンネル変更処理を終了する(図10(d)右図参照)。また、放送装置1は、この場合も、上述の図5に示した処理と同様の処理を実行して、受信した信号を受信装置10に送信する。
【0101】
一方、ステップS232の判定の結果、遠隔操作信号がチャンネル選択を指示していない場合は、遠隔操作処理部23は、更に、受信信号が視聴予約を指示する遠隔操作信号であるかどうかを判定する(ステップS233)。
【0102】
更に、ステップS233の判定の結果、受信信号が視聴予約を指示する遠隔操作信号である場合は、後述の図12に示す処理が実行される。一方、受信信号が視聴予約を指示する遠隔操作信号でもない場合は、遠隔操作処理部23は、待機状態となり、再度ステップS228が実行される。
【0103】
続いて、遠隔操作の別の具体例である、親機によって子機の視聴予約を行う例について、図11〜図13に基づいて説明する。なお、視聴予約も、チャンネル変更の場合と同様に、EPG(Electric Program Guide)を表示させた後、EPG上での操作によって行われる。このため、視聴予約の前にも先ずEPGの表示処理が行われる。
【0104】
図11は、視聴予約時に親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図12は、視聴予約時に子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。図13は、視聴予約の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図13(a)〜図13(d)は一連の主な画面を示している。
【0105】
最初に、視聴予約のために親機で行われるステップS112(図4参照)の処理について、図11を用いて説明する。図11に示すように、先ず、受信装置10においては、EPG表示処理が行われる(ステップS141)。ステップS141により、受信装置10及び受信装置20の両方においてEPGの表示が行われる(図13(a)及び(b)参照)。なお、ステップS141は、図8に示したステップS121からS129までの処理を全て含んでいる。
【0106】
次に、ユーザ(1)が、入力装置11によって、視聴予約する番組の選択操作を入力すると、制御部12は、その入力を受け付ける(ステップS142)。本実施の形態では、図13(b)に示すように、視聴予約する番組の選択も、チャンネル変更の場合と同様に、ユーザがEPGに表示された複数の番組のいずれかを画面上のカーソルで選択することによって行われる。また、この場合も、図13(c)に示すように、選択された番組の番組説明が画面上に表示される。
【0107】
但し、図10(b)に示したEPGは、現在時刻において視聴できる番組のみを表示していたが、図13(b)に示すEPGは、現在から一週間の間に視聴できる番組も表示している。
【0108】
次に、制御部12は、ステップS142で入力された番組の開始から終了までの時間が、既に視聴予約されている番組の開始から終了までの時間に重複していないかどうの判定を行う(ステップS143)。具体的には、制御部12は、受信装置20が既に送信しているステータス情報信号(図3及び図4参照)から、受信装置20において視聴予約されている番組の開始時刻及び終了時刻を抽出し、これとステップS142で入力された番組の開始時刻及び終了時刻とを対比する。
【0109】
判定の結果、重複が存在する場合は、制御部12は、映像受信部17に指示を送り、予約が重複している旨の警告をTV18に表示させ、更に、再度ステップS142を実行する。一方、判定の結果、重複が存在しない場合は、制御部12は、ステップS142で選択された番組の視聴予約を子機に指示する内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部13に入力する。なお、内部コマンドには、視聴予約された番組のチャンネル(NWID及びSID)、開始時刻及び終了時刻を特定する情報が含まれている。
【0110】
そして、遠隔操作処理部13は、入力された内部コマンドに基づいて親子通信コマンドを生成し、これをデータ変調部14に入力する(ステップS145)。続いて、データ変調部14は、この親子通信コマンドをRF信号に変調して遠隔操作信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS146)。更に放送装置1は、受信した信号を、受信装置20に送信する。
【0111】
なお、放送装置1は、この場合も、上述の図5に示した処理と同様の処理を実行する。また、ステップS145及びS146は、それぞれ、図4に示したS102及びS103と同様のステップである。
【0112】
次に、ステップS146によって遠隔操作信号を放送装置1に送信した後、遠隔操作処理部13は、図4に示したステップS104と同様に、他の受信装置からの信号を受信したかどうかを判定する(ステップS147)。受信していない場合は、遠隔操作処理部13は、待機状態となる。
【0113】
一方、受信している場合は、図4に示したステップS105及びS106と同様に、データ復調部15による復調(ステップS148)、遠隔操作処理部13による送信元が適切かどうかの判定(ステップS149)が行われる。ステップS149において、送信元が不適切であると判定された場合、復調データは破棄される(ステップS150)。
【0114】
次に、ステップS149において送信元が適切であると判定された場合は、遠隔操作処理部13は、受信信号が、受信装置20における視聴予約の完了を通知する信号(視聴予約完了信号)であるかどうかを判定する(ステップS151)。具体的には、図4に示したステップS108と同様に、遠隔操作処理部13は、ステップS148で得られた復調データ(親子通信コマンド)から遠隔操作コマンドのコードを抽出し、それに基づいて判定を行なう。
【0115】
判定の結果、受信信号が視聴予約完了信号でない場合は、待機状態となる。一方、受信信号が視聴予約完了信号である場合は、遠隔操作処理部13は、子機において視聴予約が完了したことを示す内部コマンドを生成し、これを制御部12に入力する。この場合、制御部12は、視聴予約処理を終了する(図13(d)左図参照)。
【0116】
次いで、視聴予約のために子機で行われるステップS212(図6参照)の処理について、図12を用いて説明する。図11のステップS146に示したように、受信装置10(親機)は、視聴予約を指示する場合、放送装置1を経由して、視聴予約を指示する遠隔操作信号を、受信装置20(子機)に送信する。この場合は、図9のステップS233において、受信装置20の遠隔操作処理部23は、受信装置10が視聴予約を指示していると判定する。
【0117】
遠隔操作処理部23がこのような判定を行なった場合は、図12に示すように、受信装置20においては、視聴予約処理が行われる(ステップS241)。具体的には、遠隔操作処理部23は、図9に示したステップS229で得られた復調データ(親子通信コマンド)から、視聴予約された番組が特定された内部コマンドを生成し、これを制御部22に入力する。更に、制御部22は、入力された内部コマンドをメモリ26に格納する。
【0118】
その後、制御部22は、視聴予約の完了を親機に通知するための内部コマンドを生成し、これを遠隔操作処理部23に入力する。そして、遠隔操作処理部23は、この内部コマンドに基づいて、視聴予約の完了を示す親子通信コマンドを生成する(ステップS242)。
【0119】
その後、データ変調部24は、ステップS242で生成された親子通信コマンドを変調して、視聴予約完了信号を生成し、これを放送装置1に送信する(ステップS243)。ステップS243の実行後、制御部22は映像受信部27に指示を送り、視聴予約がなされたことをTV28に表示させ、その後、視聴予約処理を終了する(図13(d)右図参照)。また、放送装置1は、この場合も、上述の図5に示した処理と同様の処理を実行して、受信した信号を受信装置10に送信する。
【0120】
そして、視聴予約された開始時刻になると、制御部22は、メモリ26にアクセスして視聴予約されたチャンネルを抽出し、抽出したチャンネルの番組を映像受信部27に指示し、TV28への表示を行わせる。その後、終了時刻が来ると、制御部22は、映像受信部27に対して、番組の表示を停止するよう指示を送る。
【0121】
以上のように、本実施の形態では、親機と子機との両方が同一の画面を表示する。また、チャンネル変更及び視聴予約はEPG上で行われる。このため、子機のユーザは、遠隔操作を確認することができ、親機のユーザに安心して操作を委ねることができる。
【0122】
また、本実施の形態においては、放送システムが、CATVに用いられる例について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、放送総局とユーザの受信装置との間で双方向の通信が行われる放送システムであれば例外なく適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明における放送システム、受信装置、及び放送装置によれば、離れた場所にいるユーザ同士において一方が他方の補助を受けることができる。よって、本発明によれば、機器の操作に不慣れなユーザであっても所望の番組の視聴や視聴予約を行うことができる。本発明における放送システム、受信装置、及び放送装置は、産業上の利用可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における放送システム、受信装置、及び放送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施の形態における受信装置が遠隔操作を行う場合にその内部で生成されるコマンドの一例を示す図であり、図2(a)は制御部が生成する内部コマンドを示し、図2(b)は遠隔操作処理部が生成する親子通信コマンドを示している。
【図3】図3は、本実施の形態における受信装置が遠隔操作される場合にその内部で生成されるコマンドの一例を示す図である。
【図4】図4は、本実施の形態において親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図5】図5は、本実施の形態において放送装置で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図6】図6は、本実施の形態において子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図7】図7は、遠隔操作の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図7(a)〜図7(d)は一連の主な画面を示している。
【図8】図8は、チャンネル変更時に親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図9】図9は、チャンネル変更時に子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図10】図10は、チャンネル変更の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図10(a)〜図10(d)は一連の主な画面を示している。
【図11】図11は、視聴予約時に親機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図12】図12は、視聴予約時に子機で行われる処理の流れを示すフロー図である。
【図13】図13は、視聴予約の開始から終了までの間に親機及び子機が表示する画面の一例を示す図であり、図13(a)〜図13(d)は一連の主な画面を示している。
【符号の説明】
【0125】
1 放送装置
2 データ送受信部
3 放送信号送出部
10、20、30、40、・・・(n×10) 受信装置(STB)
11、21 入力装置
12、22 制御部
13、23 遠隔操作処理部
14、24 データ変調部
15、25 データ復調部
16、26 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号を送信する放送装置と、前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する複数の受信装置とを備える放送システムであって、
前記複数の受信装置それぞれは、当該受信装置以外の別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められると、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、
前記放送装置は、前記遠隔操作信号を受信すると、前記別の受信装置を特定し、特定した前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信し、
前記別の受信装置は、前記遠隔操作信号を受信し、且つ、前記遠隔操作を受け入れる場合は、前記遠隔操作信号を送信した受信装置によって遠隔操作されることを特徴とする放送システム。
【請求項2】
前記放送装置は、前記遠隔操作信号を送信した受信装置と前記別の受信装置との組合せが前記放送装置において予め登録された組合せであるかどうかを判定し、登録されている場合にのみ、前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信する請求項1に記載の放送システム。
【請求項3】
前記別の受信装置は、それにおいて予め登録された受信装置から前記遠隔操作信号が送信されたときに、前記遠隔操作を受け入れる請求項1に記載に放送システム。
【請求項4】
前記別の受信装置は、前記遠隔操作信号を受信し、且つ、前記遠隔操作を受け入れる場合は、自己の状態を特定するステータス情報を、前記放送装置を経由して、前記遠隔操作信号を送信した受信装置に送信し、
前記遠隔操作信号を送信した受信装置は、前記ステータス情報を受信すると、前記ステータス情報に基づいて、前記別の受信装置がテレビジョン受像機に出力している映像信号及び音声信号と同じ信号を、前記遠隔操作信号を送信した受信装置に接続されたテレビジョン受像機に出力する請求項1に記載の放送システム。
【請求項5】
前記遠隔操作信号を送信した受信装置によって許可が求められる遠隔操作が、チャンネルの切り替え、及び番組の視聴予約のうちの少なくとも一つである請求項1に記載の放送システム。
【請求項6】
前記ステータス情報が、前記別の受信装置が選択しているチャンネル、前記別の受信装置によって視聴可能なチャンネル、及び前記別の受信装置によって視聴予約されているチャンネルのうちの少なくとも一つを特定している請求項4に記載の放送システム。
【請求項7】
放送装置が送信する放送信号を受信する受信装置であって、
前記放送信号を受信し、これを映像信号及び音声信号に復元してテレビジョン受像機に出力する映像受信部と、遠隔操作処理部とを備え、
前記遠隔操作処理部は、
前記放送装置の前記放送信号を受信する別の受信装置に対する遠隔操作が外部から求められた場合は、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を、前記放送装置に向けて送信し、
前記別の受信装置が当該受信装置を遠隔操作するために前記放送装置に前記遠隔操作信号を送信し、そして前記放送装置が前記遠隔操作信号を当該受信装置に送信した場合は、前記別の受信装置が当該受信装置において予め登録されていることを条件として、前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れ、
前記映像受信部は、前記遠隔操作処理部が前記別の受信装置による遠隔操作を受け入れた場合は、前記別の受信装置の指示に応じて、動作することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
複数の受信装置に放送信号を送信する放送装置であって、
前記複数の受信装置のいずれかが、当該受信装置以外の別の受信装置を遠隔操作するために、当該放送装置に向けて、前記別の受信装置に対して遠隔操作の許可を求める遠隔操作信号を送信する場合において、
前記遠隔操作信号から前記別の受信装置を特定し、前記遠隔操作信号を送信した受信装置と前記別の受信装置との組合せが当該放送装置において予め登録されているかどうかを判定し、登録されている場合にのみ、前記別の受信装置に向けて前記遠隔操作信号を送信することを特徴とする放送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−67082(P2008−67082A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243129(P2006−243129)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】