説明

放送ストリーム受信装置及び方法

【課題】放送ストリームを受信する装置及び方法の提供。
【解決手段】放送ストリームを通じてキー情報と追加情報を受信し、該追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、前記キー情報により識別された制御信号に応答して、前記選択された機能を実行するように構成される。前記追加情報は、URLまたは電話番号のようなリンク情報を含むことができ、前記機能は、前記リンク情報のタイプに基づいて選択することができる。一部の実施例では、前記リンク情報を、光学的文字認識を用いて、選択された番組の視聴覚情報から抽出することができる。前記装置は、2次装置に情報を伝送するために該2次装置に接続することができ、前記2次装置から前記選択された番組に関する情報を受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送ストリームを受信するための装置及び方法に関する。特に、本発明は、放送ストリームを通じてキー情報及び追加情報を受信し、追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、キー情報により識別された制御信号に応答して、選択された機能を行うことに関する。
【背景技術】
【0002】
MHEGとMHPのような現在の放送システムにおいて、アプリケーションは放送ストリームを通じて伝送され、受信機により実行されるようになっている。アプリケーションは、特定動作がユーザー入力によって開始されるようにすることもできるが、これはアプリケーション自体にプログラムされなければならない。これにより、アプリケーションはユーザーに有用な機能のために実行されなければならない。放送社アプリケーションの開始は、TS 102 809で定義されたような、ある信号に直接応答したり、製造社が提供するメニューまたは他のUIを用いてなることができる。または、受信機が、放送社が提供するアプリケーションを自動で実行するソフトウェアを実行することもできる。これは、キー選択に対して直接モニターし、関連キーが選択された時にウェブページを表示するようにする能力を放送社に付与することによってなる。しかしながら、この追加機能性を活用するためにはアプリケーション全体が受信機に伝送されなければならず、かかるシステムにとって受信機に伝送すべきデータの量が多くなる。また、受信機ソフトウェアがいつも同じ方式で作動するわけではなく、よって、情報処理相互運用性においても問題が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、放送ストリームを通じてキー情報と追加情報を受信し、追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、キー情報により識別された制御信号に応答して、選択された機能を実行する、放送ストリームを受信するための装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、放送ストリームを受信する装置において、前記放送ストリームを通じて、複数の制御信号のうちの一つを識別するキー情報、及び選択された番組に関する追加情報を受信するように構成された受信モジュールを備え、前記追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択して、前記キー情報により識別された前記制御信号に応答して、前記選択された機能を実行するように構成されることを特徴とする装置が提供される。
【0005】
前記追加情報は、前記選択された番組に対して現在入手可能なリンク情報のタイプを示す情報を含み、前記装置は、前記リンク情報のタイプによって前記機能を選択するように構成されるとよい。
【0006】
前記装置は、前記リンク情報がメタデータとして前記放送ストリームを通じて入手可能か否かを判断して、前記リンク情報が前記放送ストリームから入手可能なものでないと、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出するように構成されるとよい。
【0007】
前記装置は、画面イメージをキャプチャーし、光学的文字認識(OCR)アルゴリズム及びイメージ認識アルゴリズムのうちの少なくとも一つを前記キャプチャーされた画面イメージに適用することで、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出するように構成されるとよい。
【0008】
前記抽出されたリンク情報は、複数の情報項目を含み、前記装置は、前記複数の情報項目から一つを選択するためのユーザーインターフェースを表示するように構成されるとよい。
【0009】
前記リンク情報がインターネットリソース位置表示子標準(URL)の場合に、前記選択された機能は、前記URLにより定義された位置からアプリケーションを受信し、前記アプリケーションを実行すること、または、前記URLにより定義された位置に接続してディスプレイ上に前記位置からのウェブページを表示することを含むことができる。
【0010】
前記リンク情報が電話番号の場合に、前記選択された機能は、前記電話番号に電話をかけたり、前記電話番号に文字メッセージを伝送することを含むことができる。
【0011】
前記装置は、デジタルビデオ放送(DVB)遵守受信機であり、前記キー情報と追加情報は、前記放送ストリームを通じて受信された関連コンテンツテーブル(RCT)に含まれるとよい。
【0012】
前記リンク情報は、前記RCTのlink_info fragmentに含まれ、前記リンク情報タイプは、前記link_info fragmentのhow_related_classification_scheme_idフィールドにより特定されるとよい。
【0013】
前記追加情報は、前記選択された機能が実行される一つ以上の装置を識別する対象装置情報を含み、前記対象装置情報が前記装置を識別すると、前記装置は、前記選択された機能を実行するように構成され、前記対象装置情報が2次装置を識別すると、前記装置は、前記2次装置が前記選択された機能を実行するように制御するように構成されるとよい。
【0014】
前記選択された機能は、第1のアプリケーションを実行することを含み、前記装置が、前記第1のアプリケーションに関連した第2のアプリケーションを現在実行していると、前記第1のアプリケーションを実行するように前記2次装置を制御するように構成されるとよい。
【0015】
前記装置は、2次装置に接続可能であり、前記選択された機能は、前記2次装置に前記選択された番組に関連した情報を伝送することを含むことができる。
【0016】
前記装置は、前記選択された番組を識別するように構成され、前記選択された番組に関連した情報は、前記選択された番組を識別する情報を含むことができる。
【0017】
前記装置は、現在同調されているチャンネル、現在日時、及び放送ストリームを通じて入手可能な番組に関する電子番組ガイド(EPG)情報に基づいて前記番組を識別するように構成されるとよい。
【0018】
また、一実施例によれば、前記装置と、前記2次装置と、を含むシステムを提供することができる。
【0019】
前記2次装置は、前記装置から情報を受信するために前記装置に登録するように構成され、前記装置は、情報を受信するように登録されると、前記2次装置に情報を伝送するように構成されるとよい。
【0020】
前記装置は、所定の期間中に、前記選択された番組の第1のオーディオ及び/またはビデオデータを記録し、前記2次装置に、前記記録された第1のオーディオ及び/またはビデオデータを伝送するように構成され、前記2次装置は、マイク及び/またはカメラを含み、前記所定の期間に対応する期間中に、第2のオーディオ及び/またはビデオデータを記録し、前記第2のオーディオ及び/またはビデオデータと前記装置から受信した第1のオーディオ及び/またはビデオデータとの相関関係値を判断し、前記相関関係値が閾値よりも大きいと情報を受信するように前記装置に登録するように構成されるとよい。
【0021】
前記2次装置は、前記選択された番組に関する余分の情報を受信するためにインターネットに接続するように構成されるとよい。
【0022】
前記2次装置は、前記装置に、前記選択された番組に関する前記余分の情報を伝送するように構成され、前記装置は、ディスプレイ上に前記余分の情報を表示するように構成されるとよい。
【0023】
前記選択された番組に関する情報が電話番号の場合に、前記2次装置は、前記受信した電話番号に電話をかける、及び/または前記受信した電話番号に文字メッセージ伝送を行うように構成されるとよい。
【0024】
前記選択された番組に関する情報がインターネットURLの場合に、前記2次装置は、前記URLにより定義された位置からアプリケーションを受信して前記アプリケーションを実行するように構成されたり、または、前記URLにより定義された位置に接続してディスプレイ上の位置からウェブページを表示するように構成されるとよい。
【0025】
また、一実施例によれば、放送ストリームを通じて複数の制御信号のうちの一つを識別するキー情報と選択された番組に関する追加情報を受信し、前記追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、前記キー情報により識別された前記制御信号に応答して、前記放送ストリームを受信するための装置で前記選択された機能を実行することを特徴とする方法が提供される。
【0026】
前記追加情報は、前記選択された番組に対して現在入手可能なリンク情報のタイプを示す情報を含み、前記複数の所定機能から一つを選択することは、前記リンク情報のタイプによって前記機能を選択することを含むことができる。
【0027】
前記リンク情報がメタデータとして前記放送ストリームを通じて入手可能か否か判断し、前記リンク情報が前記放送ストリームから入手可能でないと、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出することをさらに含むことができる。
【0028】
前記リンク情報を抽出することは、画面イメージをキャプチャーし、光学的文字認識(OCR)アルゴリズム及びイメージ認識アルゴリズムのうちの少なくとも一つを前記キャプチャーされた画面イメージに適用することを含むことができる。
【0029】
前記リンク情報がインターネットリソース位置表示子標準(URL)の場合に、前記選択された機能は、前記URLにより定義された位置からアプリケーションを受信して前記アプリケーションを実行すること、または、前記URLにより定義された位置に接続して前記位置からのウェブページを表示することを含むことができる。
【0030】
前記追加情報は、前記選択された機能が実行される一つ以上の装置を識別する対象装置情報を含み、前記対象装置情報が前記装置を識別すると、前記選択された機能は前記装置上で実行され、前記対象装置情報が2次装置を識別すると、前記選択された機能は前記2次装置で実行されるとよい。
【0031】
前記選択された機能は、2次装置に、前記選択された番組に関連した情報を伝送することを含むことができる。
【0032】
前記選択された番組を識別し、前記選択された番組に関連した情報は、前記選択された番組を識別する情報を含むことができる。
【0033】
前記選択された番組を識別することは、現在同調されたチャンネル、現在日時、及び放送ストリームを通じて入手可能な番組に関する電子番組ガイド(EPG)情報に基づき、前記選択された番組を識別することを含むことができる。
【0034】
前記2次装置はマイク及び/またはカメラを含み、前記方法は、前記装置で、所定の期間中に、前記選択された番組の第1のオーディオ及び/またはビデオデータを記録し、前記2次装置に、前記記録された第1のオーディオ及び/またはビデオデータを伝送し、前記所定の期間に対応する期間中に、第2のオーディオ及び/またはビデオデータを記録し、前記第2のオーディオ及び/またはビデオデータと前記第1のオーディオ及び/またはビデオデータとの相関関係値を判断し、前記相関関係値が閾値よりも大きいと情報を受信するように前記装置に登録することを含むことができる。
【0035】
また、一実施例によれば、プロセッサで実行された時に、前記プロセッサが上記の方法を実行するようにするコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施例によれば、受信機が複数の機能とあらかじめプログラムされているため、放送ストリームを通じて実行されるアプリケーションを伝送する必要がないという利点が得られる。その代わりに、本発明の実施例では、リンク情報のようなキー情報及び追加情報を受信するように要求されることがある。そのため、放送ストリームを通じて伝送されるべきデータの大きさが減る。また、本発明の実施例によれば、放送社は、ユーザーがウェブサイトに自動で向かうようにすることができる。そして、電話番号のような他のコンテンツが受信機に伝送され、例えば、ユーザーが自身のTVリモコンのボタンを押して電話をかけるようにすることもできる。したがって、本発明の実施例によれば、放送社が生放送中にユーザーに様々なタイプの情報を提供することによって、相互的な経験をより一層提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の例示的な実施例を説明するために参照される添付図面は、下記の通りである。
【図1】本発明の一実施例に係る放送ストリームを受信するための装置を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る放送ストリームを受信するための装置を示す図である。
【図3】本発明の一実施例によって放送ストリームを通じて受信したlink_info()の一部構文を示す図である。
【図4】本発明の一実施例によって放送ストリームを通じて受信したactivation_key_descriptor()構文を示す図である。
【図5】本発明の一実施例によって放送ストリームを受信するための装置で用いられる方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施例によって放送ストリームを受信するための装置及び該装置に接続可能な複数の2次装置を含むシステムを示す図である。
【図7】本発明の一実施例によって放送ストリームを通じて受信したsecond_device_descriptor()構文を示す図である。
【図8】本発明の一実施例によって2次装置上でアプリケーションを実行するための方法を示す図である。
【図9】本発明の一実施例によって選択された番組の映像データから情報を抽出する方法を示す図である。
【図10】本発明の一実施例によって保存されたイメージを後で処理する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1及び図2には、本発明の一実施例に係る放送ストリームを受信する装置が示されている。この実施例で、装置としては、放送ストリームを通じて現在受信されている番組を表示するためにテレビ110に接続可能であり、リモコン120で制御可能なデジタルビデオ放送(DVB)遵守の受信機100を用いる。受信機100は、複数のチャンネルを通じて複数の番組を含む放送ストリーム130を受信する。受信機100は、特定チャンネルで現在放送されている番組の視聴覚データを受信するために当該チャンネルに同調し、受信した視聴覚データが表示されるようにデコーディングし、ユーザーに提供されるように、デコーディングされた視聴覚データをテレビ110に伝送する。ユーザーは、リモコン120を用いて、例えば、受信機が100の同調されるチャンネルに切り替わるように受信機100を制御することができる。
【0039】
この実施例で、リモコン120は、従来のテレビリモコンに類似するもので、複数のキーを備えており、ユーザーがキーを押すと、受信機100に複数の制御信号のいずれかを伝送するように構成されている。制御信号は、キーのうちの一つが選択されたことを示す。他の実施例として、複数のキーの代わりに、リモコン120は、複数のユーザー入力領域を有するユーザーインターフェースを表示するタッチスクリーンを備えてもよい。例えば、図1に示すような専用リモコンの代わりに、当該装置は、スマートフォンまたはタブレットコンピュータのようなモバイルデバイスから制御信号を受信してもよい。
【0040】
次に、図2を参照すると、本実施例で、受信機100は、チューナ/デコーダモジュール101、制御モジュール102、及び制御インターフェースモジュール103を備えている。図2に示す構造は例示に過ぎないもので、本発明はそれに限定されない。これらのモジュールは、物理的に分離されていたり、プロセッサで実行されるソフトウェアモジュールとして実行されたりする。他の実施例として、図2に示すような様々なモジュールの機能は、一つ以上の他のモジュールと適宜結合または分離されてもよい。
【0041】
本実施例で、チューナ/デコーダモジュール101は、放送ストリーム130を受信して復調し、特定チャンネルに同調し、同調されたチャンネルで現在放送されている番組の視聴覚データをデコーディングするように構成される。その後、チューナ/デコーダモジュール101は、デコーディングされた視聴覚データをテレビ110に伝送する。なお、チューナ/デコーダモジュール101は、放送ストリーム130からメタデータを抽出するように構成される。
【0042】
一般に、放送ストリームは、放送ストリームから入手可能な番組に関する情報を含むメタデータを含むことができる。例えば、DVBシステムにおいて、リンク情報を、TS
102 323部分(10)に定義されたような関連コンテンツテーブル(RCT)を介して伝達することができる。リンク情報は、現在放送されている番組に関するコンテンツへのリンクを提供する。従来のDVBシステムにおいて、未来の番組を予告する間にRCTが放送されることがあり、この場合、リンク情報は未来の番組のCRIDに相当する。また、RCTは、現在放送されているコンテンツが予告篇であり、リンク情報は、予告されているコンテンツに関するものであるということを示す追加情報を含む。したがって、RCTは、放送社がリンクとコンテンツ間の関係を定義する追加情報と共にリンク情報を提供するようにする。
【0043】
本発明の実施例において、RCTは、現在放送されている番組に関する情報を含むことができる。この情報は、一般に「追加情報」と呼ぶことができ、受信機が複数の所定機能から一つを選択するようにする情報を含む。例えば、追加情報は、インターネット識別子(URI)または電話番号のような様々なタイプのリンク情報を含むことができる。この場合、追加情報は、特定番組に現在有用なリンク情報のタイプに関する情報を含む。すると、受信機100は、特定タイプのリンク情報に適した所定の機能を選択する。
【0044】
受信機100が所定の機能を選択するようにする追加情報の他、本実施例によれば、チューナ/デコーダモジュール101により抽出されたメタデータもキー情報を含む。キー情報は、リモコン120から受信可能な複数の制御信号のうちの一つを識別する。チューナ/デコーダモジュール101は、制御モジュール102にキー情報と追加情報を伝送するように構成される。
【0045】
制御モジュール102は、追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択するように構成される。具体的に、制御モジュール102は、様々なタイプのデータに対して様々な機能を実行するようにあらかじめプログラムされていればよい。そのため、制御モジュール102が追加情報を受信する時に、制御モジュール102は、追加情報により識別されたデータのタイプに基づいて複数の所定機能から一つを選択することができる。
【0046】
図3には、放送ストリームを通じて受信したlink_info()断片構文を示す。link_info()断片200は、受信機がDVB遵守の受信機の時に、放送ストリームを通じて追加情報を伝送するのに用いることができる。link_info()構造はETSI TS 102 822−3−1に詳細に定義されており、その詳細は、説明を簡潔にするために省略する。
【0047】
本実施例で、term_idとhow_related_classification_scheme_idフィールド210は、提供されているデータのタイプ及び現在コンテンツとの関係を定義する。具体的に、他の分類表が用いられることもでき、how_related_classification_scheme_idフィールドは、現在用いられている表を定義する。term_idは、提供されているデータのタイプを定義するコードを含み、how_related_classification_scheme_idフィールドに指定された分類表を用いて解釈される。例えば、how_related_classification_scheme_idは、「urn:tva:metadata:HowRelatedCS:2010」であり、「10.2」のterm_idは、キー情報が番組ウェブサイト、すなわち、現在番組または放送に関する追加情報を含んでいるウェブサイトのURLであるということを表示する。他の能力を有する受信機により、受信のために、異なるまたは類似の関連度を有する多重URLを信号として送ることが可能である。
【0048】
リンク情報または他のタイプのデータは、media_uri_byteフィールド220または別途のディスクリプタで伝達することができる。本実施例で、リンク情報はmedia_uri_byteフィールドに含まれる。
【0049】
上述したように、受信機は、放送ストリームを通じて受信される様々なタイプのデータにそれぞれ適した複数の所定機能としてあらかじめプログラムされることが可能である。例えば、選択された番組に関する追加情報を「ウェブアプリケーションのURL」タイプのリンク情報を含んで受信することができる。ここで、受信機は、追加情報が、現在放送されている番組に関するウェブアプリケーションのURLであるリンク情報を含むと判断することができる。そのため、「ウェブアプリケーションのURL」に対する所定の機能は、特定URL、すなわち、リンク情報に含まれたURLを探し、URLから受信したウェブ基盤のアプリケーションを実行することに相当するものでよい。
【0050】
一方、他の番組が選択される場合には、他のタイプのリンク情報を入手することができる。例えば、追加情報は、「電話番号」というタイプのリンク情報が現在入手可能であるということを明示することができる。「電話番号」リンク情報に対する所定の機能は、リンク情報に含まれた番号に電話をかけることに相当するものでよい。例えば、本装置は、電話をかけることのできるスマートフォンのような装置に含まれる。
【0051】
リンク情報のさらに他のタイプは、URLを含むことができ、所定の機能は、URLを用いたVOIP電話会議を始めるためのものでもよい。このタイプのリンク情報は「VOIP
URL」と呼ぶことができる。
【0052】
本発明は、上記のタイプのリンク情報と機能に限定されず、他のタイプも適切に追加され、受信機は、他の適切な機能としてプログラムされてもよい。
【0053】
さらに、放送社は、いつどのように選択された機能を実行するかについての信号を伝送するために追加情報を用いることができる。例えば、受信機は、リンク情報をRCTから入手可能な期間中にのみ機能を実行するように構成されてもよい。すなわち、放送ストリームを通じて受信されるRCTにリンク情報が存在する間に、ユーザーはウェブページに接続することが許容される。さらに、放送は、ウェブアプリケーションを始めるために受信機が用いなければならないトリガー(trigger)を定義することができる。さらにいうと、受信機は、放送ストリームからキー情報を抽出するように構成され、選択された所定の機能を実行して応答するキーを放送社に動的に定義するようにする。次に、このキー情報を、図4を参照してより詳細に説明する。
【0054】
図4には、放送ストリームを通じて受信したactivation_key_descriptor()構文を示す。本実施例で、受信機は、同図のactivation_key_descriptor()300からキー情報を受信するように構成される。他の実施例では、他のフォーマットが用いられてもよい。
【0055】
activation_key_descriptor()300は、descriptor_tagとdescriptor_lengthフィールドを含むが、これらは、DVB標準に従う全ての記述語に用いられる標準フィールドである。descriptor_tagフィールドは、この記述語をactivation_key_descriptorとして識別する唯一の値であり、descriptor_lengthフィールドは、descriptor_lengthフィールドによるバイト数を明示する。activation_key_descriptorは、activation_key_codeフィールドをさらに含むが、これは複数の制御信号のうちの一つを識別する値を含む。複数のキーを含むリモコンから制御信号が受信される実施例において、各値は、リモコンのキーの一つに対応する。
【0056】
具体的に、従来のテレビリモコンは、赤色、緑色、黄色、青色のキーを有する。なかでも、赤色のキーは対話式TVサービスに主に用いられ、青色のキーは音声選択に用いられる。黄色と緑色のボタンは正常のTV受信時には用いられず、他の動作に用いられる。activation_key_codeフィールドに含まれた値は、選択された機能を実行することによって受信機がどのキーに応答すべきかを示す。本実施例で、0x01値は赤色キーを示し、0x02値は緑色キーを示し、0x03値は黄色キーを示し、0x04値は青色キーを示し、0x00及び0x05〜0xFF値は、後で使用するために残しておく。これらの値及びキーは例示に過ぎないもので、本発明はこのような特定配置に限定されない。
【0057】
一実施例として、ウェブページへのURL、すなわち、「番組ウェブサイト」タイプのリンク情報のためのRCTを監視するように受信機を構成することができる。また、ウェブページを開始するのにどの制御信号を用いるかを決定するためにactivation_key_descriptorを探すであろう。「番組ウェブサイト」リンクが入手可能な時に、受信機は、ユーザーにリンクの存在を知らせるためにディスプレイ上にアイコンを表示するように構成されるとよい。用いられる特定アイコンは、RCTの一部として信号伝送されるとよい。すると、ユーザーがactivation_key_codeフィールドで識別されたリモコンキーを押した時に、受信機は選択された機能を行って応答する構成とすることができるが、この例では、ウェブブラウザアプリケーションを開始し、URLを用いたウェブページをローディングすることを含む。
【0058】
図5には、本発明の一実施例によって放送ストリームを受信するための装置で用いられる方法を示す。この方法は、図1及び2に示すような受信機で好適に用いることができる。まず、S401段階で、装置は放送ストリームを受信する。これは、放送ストリーム受信を開始したり、放送ストリーム受信を続けたりすることを含む。S402段階で、放送ストリームからキー情報と追加情報を抽出する。S403段階で、追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択する。例えば、追加情報は、リンク情報のような他のデータのタイプを定義することができ、機能はデータのタイプに応じて選択されるとよい。S404段階で、キー情報により識別された制御信号に応答して、選択された機能を実行する。この段階は、制御信号を受信し、制御信号がキー情報により識別された制御信号であるか否か判断し、制御信号がキー情報により識別された制御信号であると判断された場合に、選択された機能を実行することを含む。
【0059】
どの制御信号がキー情報に基づいて応答するかを判断することによって、この方法は、選択された機能を実行するのに用いられうるリモコンの特定キーを、放送社に動的に定義するようにする。また、放送社は、この装置で別に扱われる他のタイプのデータ、例えば、リンク情報を提供することができる。
【0060】
本発明の実施例は、選択された機能、例えば、ウェブ基盤のアプリケーションを実行したり、ウェブページを表示したり、電話をかけたりすることが、受信機で実行されるとして説明された。しかし、一部の実施例において、受信機は、情報を送受信するために一つ以上の2次装置、例えば、スマートフォン及び/またはタブレットコンピュータに接続してもよい。例えば、受信機は、無線LAN(WLAN)を介して2次装置に接続してもよい。受信機は、特定機能が実行される一つ以上の装置を定義する対象装置情報を、放送ストリームを通じて受信することができる。このようなシステムの例を、図6に示す。
【0061】
図6を参照すると、システムは、リモコン520により制御可能であり、かつ番組を表示するためにテレビ510に接続可能な受信機500を含む。受信機は、放送ストリーム530を受信する。テレビ510及びリモコン520は、図1で説明した通りである。図6の実施例で、受信機500は、それぞれインターネット550に接続可能な一つ以上の2次装置540に接続する構成とすることができる。各2次装置と受信機500間の接続及びインターネット550は、有線または無線にすることができる。本実施例で、2次装置は、電話をかけたり受けるために電話ネットワークに接続可能なスマートフォンでよい。他の実施例で、一つ以上の2次装置540は、タブレットコンピュータまたはデスクトップコンピュータのような他のタイプの装置でもよい。
【0062】
図6に示すシステムにおいて、新しいユニバーザルプラグアンドプレイ(UPnP)DLNAプロファイルが生成され、URL情報が受信機500から一つ以上の2次装置540にプッシュ(push)されるようにすることができる。このプロファイルは、受信機に受信された情報、例えば、放送ストリームを通じて受信したリンク情報が、アドホック(ad−hoc)に基づいて2次装置540にプッシュされるようにすることができる。例えば、2次装置に伝送される情報は、ウェブURLでよい。受信機500は、データを受信するために受信機500に2次装置が登録されているか否かを判断でき、2次装置が登録されていると、受信機は、UPnPパケットを用いて2次装置にURLを伝送することができる。2次装置は、現在放送に関連したウェブページを自動で表示するように、受信したUPnPデータパケットに含まれたURLを示すブラウザセッションを開始するように構成することができる。URL情報を用いることは一例であり、他のタイプの情報を2次装置540に伝送する例も可能である。
【0063】
本実施例では、UPnPパケットが受信機500と2次装置540との間でデータを伝送するために用いられたが、他の実施例では、他のデータ伝送プロトコルが用いられてもよい。
【0064】
図7には、本発明の一実施例によって放送ストリームを通じて受信したsecond_device_descriptor()構文を示す。本実施例で、受信機は、図7のsecond_device_descriptor()600から対象装置情報を受信するように構成されるが、他の実施例では他のフォーマットが用いられてもよい。
【0065】
second_device_descriptor()600は、図4のactivation_key_descriptor()と同様に、標準descriptor_tag及びdescriptor_lengthフィールドを含む。そして、second_device_descriptor()600は、2ビットのtarget_deviceフィールドと6ビットの予備フィールドを含む。本実施例で、target_deviceは、どの装置でウェブ基盤のアプリケーションが実行されるかを示す値を含む。さらにいうと、本実施例で、00値は、後で使用するために残しておいたものであり、01値は、アプリケーションが受信機自体でのみ実行されることを示し、10値は、アプリケーションが2次装置でのみ実行されることを示し、11値は、アプリケーションが受信機及び/または2次装置で実行されることを示す。対象装置情報は、アプリケーションが受信機自体または2次装置に適しているか否か、すなわち、編集センスを作る方式で生成される指示子として用いることができる。そして、受信機は、アプリケーションを実行できるか否かに関して2次装置から受信した情報に基づき、アプリケーションを実行するように2次装置を制御するか否かを判断するように構成することができる。
【0066】
対象装置情報をウェブ基盤のアプリケーションを実行することと関連して説明したが、対象装置情報は、他のタイプのリンク情報の文脈で用いられてもよい。例えば、2次装置は、全てのユーザーの相互作用無しに自動でウェブページのような情報を表現するように構成されてもよい。これと違い、例えば、リンク情報が電話番号であれば、受信機は、電話をかけるために、キー情報により識別されたキーを押すようにユーザーを刺激するアイコンをテレビ上に表示するように構成されてもよい。対応する制御信号が受信されると、受信機は、2次装置に電話番号を送信し、これにより自動で電話をかけるように構成することができる。
【0067】
これらの機能は例示に過ぎず、他の実施例では、他のタイプのリンク情報に適した他の機能が与えられてもよい。
【0068】
second_device_descriptor()600を用いることで、放送社は、アプリケーションに対する彼らの意図を示す。例えば、アプリケーションは、放送映像の側部にまたは上部に表示されて、放送映像と相互作用するように設計することができ、この場合、アプリケーションは受信機で実行されなければならない。これと違い、アプリケーションは、受信機で実行される時に映像を覆うことがあり、このような場合に、例えば、アプリケーションが実行される装置に応じてその動作を合わせるように設計されると、アプリケーションは両装置で実行されるのに適合するものとすることができる。
【0069】
second_device_descriptor()600が、アプリケーションが2次装置でのみ実行されるのに適している旨を示すと、受信機は、自身はアプリケーションを実行することはできないが、ユーザーにアプリケーションの有効性を知らせるためにディスプレイ上にアイコンを表示することができる。アプリケーションは、キー情報により識別されるものと異なるリモコンキーを用いて2次装置で開始されることが可能である。
【0070】
さらに、一部の例では、アプリケーションが他の媒介変数によって実行されてもよい。例えば、2次装置で実行される第1のアプリケーションは、受信機で実行されている第2のアプリケーションに依存できる。これは、多重の2次装置が、複数のユーザーに、彼らの点数が受信機に伝送され、受信機で対照されながら相互クイズに参加するように許容する場合でよい。
【0071】
図8に、本発明の一実施例によって2次装置上でアプリケーションを実行するための方法を示す。この方法は、一つ以上の2次装置に接続可能な図6の受信機のような装置に適している。
【0072】
まず、S701段階で、現在選択された番組の放送フレームが表示される。次に、S702段階で、追加情報を放送ストリームから抽出する。追加情報は、リンク情報、及び入手可能なタイプのリンク情報に関する情報を含むことができる。一部の実施例では、S701段階とS702段階の順序を入れ替えてもよい。次に、S703段階で、URLを含むリンク情報が受信されたか否か判断する。URLが発見されないと、受信機は、最初のS701段階に戻り、次の放送フレームを表示する。URLが発見されると、受信機はS704段階に移行し、アイコンも発見されたか否か判断する。アイコンは、放送社が提供することができ、キー情報により識別されたリモコンキーに対応しなければならない。
【0073】
アイコンが発見されると、アプリケーションは、ユーザー入力にのみ応答して実行されると仮定する。この場合、受信機は、S705段階に移行してアイコンを表示する。ここで、例えば、アイコンは、アプリケーションを開始するために用いるボタンのイメージでよい。他の実施例では、アイコンの代わりに、他のビジュアル情報、例えば、ボタンの文字のままの説明が放送社から受信されてもよい。ビジュアル情報は、ユーザーにキー情報により特定付けられたボタンを識別させることによって、ユーザーが所望の機能を実行するためにどのボタンを押せばよいのかを知らせる。その後、S706段階で、受信機は、特定キー、すなわち、キー情報により識別され、ビジュアル情報が対応するキーに対応する制御信号に応答して、選択された機能を実行する。本実施例で、選択された機能は、URLにより特定付けられた位置に接続し、この位置から受信したウェブ基盤のアプリケーションを実行することを含む。しかし、他の実施例で、他の機能がデータのタイプに応じて適宜選択されてもよい。例えば、選択された機能としては、URLにより特定付けられたウェブページを表示したり、特定電話番号に電話をかけることを含むことができる。
【0074】
段階S704でアイコンが発見されなかった場合は、アプリケーションがユーザー入力無しに2次装置において自動で実行されると仮定する。この場合、受信機は、S707段階において、2次装置が接続しているか否か判断する。これは、どの2次装置がデータを受信するために受信機に登録されたか否かを判断することを含む。接続している2次装置がないと、アプリケーションを開示することはできず、受信機は最初に戻る。一方、2次装置が接続していると、受信機は、S708において、URLを2次装置に伝送する。これは、アプリケーションを受信するためにURLに自動で接続して、アプリケーションを実行するように構成されるとよい。複数の2次装置が接続している状況で、受信機は、接続した全ての装置にURLを伝送したり、URLが伝送される一つ以上の装置を選択したりすることができる。
【0075】
図8の実施例では、URLにより特定される位置から受信したウェブ基盤のアプリケーションを実行することに関する方法が開示された。しかし、他の実施例では、様々なタイプのデータに対して、例えば、追加情報が電話番号を含む場合に対しても類似の方法を用いることができる。
【0076】
本発明の実施例は、メタデータのように、リンク情報が放送ストリームを通じて受信されることを開示した。しかし、本発明はこれに限定されず、他の実施例では、リンク情報のような追加情報を、放送ストリームを通じてメタデータとして情報を受信することに加えてまたは代わりに、現在選択された情報の視聴覚データから直接抽出してもよい。視聴覚データから得た情報は、メタデータとして受信した情報と同じ方式で、例えば、図1または図6に示すような受信機で用いることができる。映像データから情報を直接抽出する方法を、図9に示す。
【0077】
図9は、本発明の一実施例によって選択された番組の映像データから情報を抽出する方法を示す図である。この方法は、図6に示すような受信機に適している。まず、S801段階で、放送フレームが表示される。すなわち、現在選択された番組のフレームが、番組のデコーディングされた映像データを用いて表示される。すると、S802段階で、画面イメージを、現在表示された放送フレームの画面キャプチャーにより得ることができる。画面イメージは自動で得られたり、ユーザー入力に応答して得られたりする。例えば、ユーザーがリモコンの黄色ボタンを押した時に、受信機は画面イメージをキャプチャーするように構成することができる。これは、ユーザーが画面上に情報が現れるのを見る時に、電話番号で情報を抽出することを選択するようにする。キャプチャーされたイメージは直ちに処理されることもあり、後で処理するために保存されねこともある。次に、光学式文字認識(OCR)アルゴリズムが画面イメージに適用される。OCRを画面イメージに適用した後に、このイメージに含まれたテキスト情報が獲得される。受信機は、このテキスト情報を分析し、電話番号に似た全ての数字列が探索される。受信機は、標準の電話番号様式を認識し、他のテキストから電話番号を区別できるアルゴリズムを用いることができる。また、OCRアルゴリズムは、例えば、名前及び/または住所などのようなテキストの他の形態を探索するように構成されてもよい。
【0078】
次に、S803段階で、電話番号が全て発見されたか判断する。発見された電話番号がないと、受信機は、S801段階に戻り、次の放送フレームを表示する。発見された電話番号があると、受信機は、S804において、テキストを画面上に位置させ、テキストの側部に緑色ボタンイメージを表示するようにテレビを制御する。S805段階で、緑色ボタンに対応する制御信号を待ち、ユーザーが緑色ボタンを押したか否かを判断する。このボタンを押しなかった場合に、受信機はS801段階に戻り、次の放送フレームを表示する。ボタンが押された場合は、受信機は、S806段階において、2次装置が現在接続しているか否かを確認する。接続している装置がないと、受信機は、S801段階に戻り、次の放送フレームを表示する。接続している装置があると、受信機は、S807段階において、2次装置に電話番号を伝送する。例えば、当該番号に自動で電話をかけたり、ユーザー入力に対応して電話をかけたり、または、後で使用するために当該番号を保存するように、2次装置を構成することができる。ここで、緑色ボタンの使用は一例に過ぎず、他の実施例では、他のボタンが情報項目を選択するように構成されてもよい。
【0079】
図9の方法では電話番号が探索された例を示したが、受信機は、他の形態のテキスト、例えば、名前及び/または住所を探索するように構成されてもよい。また、図9では、抽出された情報が2次装置に伝送されたが、他の実施例では、抽出された情報が受信機自体で用いられてもよい。例えば、受信機は、電話ネットワークに接続する能力を有しており、電話をかけるように<>、受信機が当該電話番号に直接電話をかけることもできる。また、他の実施例として、テキスト情報の他、イメージが抽出されてもよい。例えば、イメージで保存された囲まれた領域を有する、対象の縁を探索するように、縁探索アルゴリズムが用いられてもよい。
【0080】
なお、図9で、情報の抽出を受信機で行うことができる。しかし、他の実施例として、受信機は、視聴覚データまたはデコーディングされた映像データからキャプチャーされた画面イメージが処理されるように2次装置に伝送してもよい。この場合、データは、zipまたはpngファイルのような圧縮フォーマットで伝送されてもよく、視聴覚データの指紋が判断されて伝送されてもよい。
【0081】
他の実施例として、図9で説明したようにOCRにより電話番号を抽出する代わりに、受信機は、現在番組を識別するために、電子番組ガイド(EPG)情報を用いてユーザー入力に応答することもできる。さらにいうと、EPG情報を放送ストリームから検索することができ、受信機は、現在時間と現在同調されたチャンネルを用いて番組を識別することができる。その後、番組を識別する情報、例えば、番組識別子(CRID)を2次装置に直接伝送することができる。このようにして、2次装置は、現在選択された番組を識別することができる。そして、2次装置は、サーバーに接続して、CRIDを伝送し、現在番組に関する情報を受信するように構成することができる。この余分の情報は、新しいURL及び電話番号を含むことができる。この余分の情報は、2次装置により、例えばユーザーに情報を表示して用いられるようにしたり、テレビに表示されるように受信機に戻すことができる。
【0082】
図9で上述したように、画面イメージがキャプチャーされた時に、これを受信機により保存することができる。保存されたイメージは、後でイメージを処理するために、ユーザー入力により検索されることがある。保存されたイメージを後で処理する方法を、図10に示す。
【0083】
図10に、本発明の一実施例によって保存されたイメージを後で処理する方法を示す。この方法は、図1または図6に示すような受信機に適している。まず、S901段階で、受信機は、受信機に保存されているイメージの閲覧をユーザーが選択したことを知らせる制御信号を受信する。受信機は、処理されるイメージの一つを選択するためのユーザーインターフェースを表示する。次に、S902段階において、保存されているイメージから一つが選択されたか否かを判断する。イメージが選択されていないと、受信機は最初に戻る。イメージが選択されていると、受信機は、S903段階において、選択されたイメージを表示し、イメージ上にOCRを行う。ここで、受信機は、図9を参照して説明したような方式でOCRを適用することができる。電話番号、住所、日付及び時間などの複数の情報項目を、OCRアルゴリズムにより識別することができる。すると、S904段階において、受信機は、表示された画面イメージ上に各情報項目を強調表示し、また各情報項目の傍にリモコンボタンのイメージを表示する。ユーザーは、情報項目を選択するために各項目の傍に表示されたボタンを押せばよい。
【0084】
その後、S905段階において、ユーザーが情報項目のうちの一つを選択したか否かを判断する。情報項目の一つを選択しなかった場合は、受信機は最初に戻る。一つの項目を選択した場合は、S906段階において、2次装置が接続しているか否かを判断する。接続している装置がないと、受信機は最初に戻る。接続している装置があると、受信機は、S907段階において、選択された情報項目を2次装置に伝送する。
【0085】
抽出される情報項目タイプの例としては、上記のものに限定されず、電話番号、ウェブサイトURL、接続アドレス、日時、証明コード、静止イメージ、副題情報、オーディオデータ、及び追跡情報を含むことができる。電話番号の場合に、これは2次装置に直接伝送することができ、2次装置は、この番号で電話をかけたり、後で使用するために保存するように構成することができる。ウェブサイトURLの場合に、これを2次装置に伝送することができ、2次装置は、ウェブブラウザを開始して、特定ウェブページを表示するように構成することができる。接続アドレスの場合に、これを2次装置のメモリーに保存されうるビジネスカードとして2次装置に伝送することができる。日時の場合に、これを装置の暦に保存される予約として2次装置に伝送することができる。証明コードの場合に、これを2次装置に伝送することができ、2次装置は、ウェブブラウザに表示されうる地域的な提供を探すために、セルID、すなわち、装置が現在接続しているモバイル通信鉄塔のIDと共に特定ウェブサーバーに当該コードを伝送するように構成することができる。静止イメージの場合に、イメージを2次装置に伝送することができ、2次装置は、該イメージを表示する、及び/または絵検索エンジンに伝送することができる。その後、2次装置は、イメージと関連した検索結果を含む情報を受信し、該情報を、2次装置に表示したり、TVに表示されるように再び受信機に送ることができる。副題情報の場合に、これを、イメージデータベースを検索するのに用いられる追加テキスト情報を提供するために、静止イメージと共に2次装置に伝送することができる。オーディオデータの場合に、これは、選択された番組、例えば記録された番組の視聴覚データから抽出することができ、全てのイメージを識別する用途に2次装置に伝送される前に標本として抽出することができる。追跡情報の場合に、元のイメージが十分に識別されうるような高品質でないと、2次装置は、静止イメージを識別するのに役立つように対象追跡を用いることができる。
【0086】
本発明の実施例は、増強現実効果を提供するのに用いられてもよい。例えば、関心の対象が放送の絵に表示される場合に、ユーザーは、図9に示すような方法と類似の方法を用いて、OCRの代わりに、イメージ認識処理を用いてイメージを孤立させて選択することができる。受信機は、イメージを孤立化させて2次装置に伝送するように構成されるとよい。これは、順次にイメージに関連した情報をさらに受信するために、オンラインデータベースに問い合わせるように構成されてもよい。この余分の情報を、画面に表示されるように受信機に再び伝送することができ、2次装置のカメラがディスプレイに向かっていると感知されると、2次装置に表示されてもよい。例えば、自動車のイメージが放送番組に表示され、自動車イメージは抽出されて2次装置に伝送されることがある。2次装置は、このイメージをオンラインデータに伝送し、この自動車について、詳細価格、性能特徴及び地域代理店情報を検索する。これらの情報は受信機に再び伝送され、自動車イメージの上段に情報を付加する。ユーザーは、代理店情報から電話番号を選択し、受信機または2次装置が電話番号に電話をかけるように制御することができる。
【0087】
2次装置が、現在表示されている番組に関連した情報を受信するために受信機に接続できる本発明の実施例において、各2次装置は、情報を受信するために受信機に登録するように構成することができる。具体的に、各装置は、2次装置のユーザーが番組を視聴しやくなるように、現在TVの附近にいると判断されると、受信機に登録することができる。附近にいるか否かを判断するために、各2次装置は自動認識過程を実行することができる。
【0088】
より詳しくは、2次装置は、マイク及び/またはカメラを含むことができる。本装置は、所定の期間中に選択された番組の第1のオーディオ及び/またはビデオデータを記録することができ、記録された第1のオーディオ及び/またはビデオデータを2次装置に送ることができる。次にまたは同時に、2次装置は第2のオーディオ及び/またはビデオデータを、上記所定の期間に対応する期間に記録することができる。2次装置は、第2のオーディオ及び/またはビデオデータと装置から受信した第1のオーディオ及び/またはビデオデータとの相関関係値を判断し、相関関係値が閾値よりも高いと、情報を受信するように登録することができる。相関関係値を獲得する前にフィルタリングを第2のオーディオ及び/またはビデオデータに適用することができる。
【0089】
本発明の実施例は、ウェブURLがlink_info()fragmentで信号伝送される場合を示した。しかし、他の実施例において、ウェブURLまたは他の情報がETSI TS 102 809に定義されたアプリケーション情報テーブル(AIT)を介して信号伝送されてもよい。この場合、例えば、activation_key_descriptorを用いて、キー情報もAITに追加される必要がある。
【0090】
本発明の実施例は、受信機が複数の機能とあらかじめプログラムされるため、放送ストリームを通じて実行されるアプリケーションを伝送する必要がないという利点がある。その代わり、本発明の実施例は、リンク情報のようなキー情報及び追加情報を受信するように要求されることがある。そのため、放送ストリームを通じて伝送すべきデータの大きさを減らすことができる。また、本発明の実施例は、放送社が、ユーザーがウェブサイトに自動で向かうようにすることができる。そして、電話番号のような他のコンテンツを受信機に伝送することができ、例えば、ユーザーが自身のTVリモコンのボタンを押して電話をかけるようにする。したがって、本発明の実施例は、放送社が生放送中にユーザーに様々なタイプの情報を提供することによって、相互的な経験をより一層提供する。
【0091】
本発明の実施例をDVB遵守の受信機と関連して説明したが、本発明は、放送ストリームを受信するに適合したいかなる装置にも一般的に適用することができる。本装置は、ディスプレイから分離しているものでよい。例えば、本装置は、セットトップボックスまたは個人映像記録機でよい。または、本装置は、ディスプレイに含まれてもよい。一部の実施例では、本装置は、モバイル装置、例えば、タブレットコンピュータまたはモバイル電話機ハンドセットに含まれてもよく、デスクトップまたはラップトップのような他の個人用コンピュータに含まれてもよい。
【0092】
また、本発明の実施例は、本装置がリモコン、スマートフォン、またはタブレットコンピュータのような遠隔装置から制御信号を受信する場合を説明した。しかし、他の実施例では、本装置自体に複数のキーまたはタッチスクリーンのようなユーザー入力手段が含まれてもよい。このような実施例では、制御信号は、ユーザーがユーザー入力手段を操作する時に装置内で内的に発生することができる。
【0093】
さらに、本発明の実施例は、現在表示されている番組に関するメタデータが放送ストリームから抽出される場合を説明した。メタデータは、追加コンテンツに接近可能にする。しかし、他の実施例において、メタデータは、現在表示されていたり、そうでない全ての選択された番組に関して抽出されてもよい。例えば、一つの番組が表示される間に、ユーザーは、電子番組ガイド(EPG)から他の番組を選択することができる。受信機は、選択された番組に対するメタデータに特定された制御信号に応答して、適当な機能、例えばウェブページ表示を選択することができる。
【0094】
さらに、本発明の実施例は、DVB遵守システムに関して説明したが、本発明の他の実施例は、デジタルビデオ放送(DVB)標準、開放型IPTVフォーラム(OIPF)標準、またはデジタルエンタテインメントコンテンツエコシステム(DECE)標準のような様々な標準に従って実施されてもよい。
【0095】
以上、本発明の特定実施例を説明したが、添付の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であるということが当業者には理解されるであろう。
【符号の説明】
【0096】
100 受信機
101 チューナ/デコーダモジュール
102 制御モジュール
103 制御インターフェースモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送ストリームを受信する装置であって、
前記放送ストリームを通じて、複数の制御信号のうちの一つを識別するキー情報、及び選択された番組に関する追加情報を受信するように構成された受信モジュールを有し、
前記追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、前記キー情報により識別された前記制御信号に応答して、前記選択された機能を行うように構成されたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記追加情報は、前記選択された番組に対して現在入手可能なリンク情報のタイプを示す情報を含み、
前記装置は、前記リンク情報のタイプによって前記機能を選択するように構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、前記リンク情報がメタデータとして前記放送ストリームを通じて入手可能か否かを判断し、前記リンク情報が前記放送ストリームから入手可能でないと、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出するように構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、画面イメージをキャプチャーし、光学的文字認識(OCR)アルゴリズム及びイメージ認識アルゴリズムのうち少なくとも一つを、前記キャプチャーされた画面イメージに適用することで、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出するように構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記抽出されたリンク情報は複数の情報項目を含み、前記装置は、前記複数の情報項目から一つを選択するためのユーザーインターフェースを表示するように構成されたことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記リンク情報がインターネットリソース位置表示子標準(URL)の場合に、前記選択された機能は、前記URLにより定義された位置からアプリケーションを受信して前記アプリケーションを実行すること、または、前記URLにより定義された位置に接続してディスプレイ上に前記位置からのウェブページを表示すること、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記リンク情報が電話番号の場合に、前記選択された機能は、前記電話番号に電話をかけること、または前記電話番号に文字メッセージを伝送すること、を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、デジタルビデオ放送(DVB)遵守受信機であり、前記キー情報と追加情報は、前記放送ストリームを通じて受信した関連コンテンツテーブル(RCT)に含まれたことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
放送ストリームを通じて複数の制御信号のうちの一つを識別するキー情報と選択された番組に関する追加情報を受信し、
前記追加情報に基づいて複数の所定機能から一つを選択し、
前記キー情報により識別された前記制御信号に応答して、前記放送ストリームを受信するための装置で前記選択された機能を実行することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記追加情報は、前記選択された番組に対して現在入手可能なリンク情報のタイプを示す情報を含み、
前記複数の所定機能から一つを選択することは、前記リンク情報のタイプによって前記機能を選択することを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記リンク情報がメタデータとして前記放送ストリームを通じて入手可能か否かを判断し、
前記リンク情報が前記放送ストリームから入手可能でないと、前記選択された番組の視聴覚データから前記リンク情報を抽出することをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リンク情報を抽出することは、画面イメージをキャプチャーし、光学的文字認識(OCR)アルゴリズム及びイメージ認識アルゴリズムのうち少なくとも一つを、前記キャプチャーされた画面イメージに適用することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リンク情報がインターネットリソース位置表示子標準(URL)の場合に、前記選択された機能は、前記URLにより定義された位置からアプリケーションを受信して前記アプリケーションを実行すること、または、前記URLにより定義された位置に接続して前記位置からのウェブページを表示すること、を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記追加情報は、前記選択された機能が実行される一つ以上の装置を識別する対象装置情報を含み、
前記対象装置情報が前記装置を識別すると、前記選択された機能は前記装置上で実行され、前記対象装置情報が2次装置を識別すると、前記選択された機能は前記2次装置で実行されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記選択された機能は、2次装置に、前記選択された番組に関連した情報を伝送することを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−17172(P2013−17172A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−147226(P2012−147226)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】