説明

放送番組処理装置、放送番組処理方法及びプログラム

【課題】挿入されたCMにより視聴者に購入意欲を効果的に沸き起こさせる。
【解決手段】広告映像を含むコンテンツを記録する録画部12aと、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性を取得する録画データ解析部12dと、複数の挿入用の広告映像の各属性を取得するとともに、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択するCM差し替え部12cと、選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入する再生部12bと、を含む放送番組処理装置10が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放送番組処理装置、放送番組処理方法及びプログラムに関し、特に、広告映像を含むコンテンツに対する広告映像の付加に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、放送番組にはテレビCM(広告映像)が挿入されており、これらテレビCMによる広告収入により放送番組の制作費が賄われる。しかし、近年、放送番組を手軽且つ大量に録画することができる記録再生装置が普及しており、広告主が期待するタイミングにて放送番組が視聴されないことが多くなっている。この場合、広告主が元々期待していたテレビCMの効果が得られない虞がある。この点、下記特許公報には、録画した番組中のテレビCMを、視聴者の興味に適合するテレビCMに入れ替えることができるビデオ録画再生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4419324号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、放送番組の内容とそこに挿入されるテレビCMに係る商品やサービスとは、互いに関係があることが多い。例えば、アニメ番組であれば玩具のテレビCMが挿入されることが多く、料理番組であれば食料品のテレビCMが挿入されることが多い。そして、このような関係性により、商品やサービスに対する購入意欲を視聴者に効果的に沸き立たせることができるものと考えられる。
【0005】
しかしながら、上記特許公報に記載された装置によれば、放送番組に元々挿入されていたテレビCMとは無関係に、新たに視聴者の興味に適合するテレビCMが挿入されるため、放送番組に元々挿入されていたテレビCMに係る商品やサービスとは関係の無い商品やサービスに係るテレビCMが新たに挿入される可能性がある。この場合、視聴者の購入意欲を効果的に沸き立たせることができない虞がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、挿入されたCMにより視聴者に購入意欲を効果的に沸き起こさせることができる放送番組処理装置、放送番組処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る放送番組処理装置は、広告映像を含むコンテンツを記録する手段と、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性を取得する手段と、複数の挿入用の広告映像の各属性を取得する手段と、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する手段と、選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入する手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記広告映像の属性は、広告対象である商品又はサービスを特定する情報を含んでもよい。また、前記広告映像の属性は、広告対象である商品又はサービスの分類を特定する情報を含んでもよい。また、前記広告映像の属性は、広告主を特定する情報を含んでもよい。
【0009】
また、前記選択する手段は、記録される前記コンテンツに関連づけられた情報に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択してもよい。また、前記選択する手段は、記録される前記コンテンツに対する解析処理の結果に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択してもよい。
【0010】
また、前記選択する手段は、ユーザの属性に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択してもよい。また、前記選択する手段は、記録される前記コンテンツの再生タイミングに更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択してもよい。
【0011】
また、前記挿入する手段は、選択される挿入用の広告映像を伸長又は短縮する手段を含んでもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る放送番組処理方法は、記録されるコンテンツに含まれる広告映像の属性を取得するステップと、複数の挿入用の広告映像の各属性を取得するステップと、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択するステップと、選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入するステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、記録されるコンテンツに含まれる広告映像の属性を取得するステップと、複数の挿入用の広告映像の各属性を取得するステップと、記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択するステップと、選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る放送番組処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る放送番組処理装置の機能ブロック図である。
【図3】録画データの一部を模式的に示す図である。
【図4】録画データの解析結果を示す図である。
【図5】差し替えCMのメタデータを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る放送番組処理装置の再生動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送番組処理装置のハードウェア構成図である。同図に示すように、この放送番組処理装置10は、装置全体を制御するCPU(中央処理装置)12を中心として構成されたコンピュータシステムであり、CPU12、表示部14、テレビチューナ16,表示制御部18、通信インタフェース20、メモリ22、大容量記憶装置24、メディアドライブ26及び操作部28がバスにより相互にデータを授受できるよう構成されている。
【0017】
表示部14は、液晶表示パネルなどの表示デバイスを含んでおり、筐体前面に配置される。表示部14は、CPU12からの命令に従って、録音中か再生中かの区別、受信中のチャネルなど、放送番組処理装置10の現在の状態を表示する。テレビチューナ16には、地上波や衛星波などにより送信される放送信号、或いはケーブルテレビネットワークなどの有線通信網を介して送信される放送信号が入力されている。テレビチューナ16は、この放送信号を復号し、CM付き放送番組を内容とする映像データ(音声付き動画像を示すデータ)を生成する。表示制御部18は、CPU12からの命令に従って、テレビチューナ16から出力される映像データ、或いはメディアドライブ26に受け入れられているメディアや大容量記憶装置24に記憶される映像データを、家庭用テレビ受像器30に出力する。これにより家庭用テレビ受像器30は、映像データにより示される動画像を画面に表示し、また同映像データにより示される音声を内蔵又は外付けのスピーカから出力する。
【0018】
通信インタフェース20は、インターネットなどの広域データ通信ネットワーク40(図2参照)に接続されており、CPU12からの命令に従って、この広域データ通信ネットワーク40に接続された他の装置との間でデータ通信を行うものである。メモリ22は、揮発性及び不揮発性の半導体メモリを含んでおり、CPU12の作業用に用いられたり、或いはCPU12により実行されるプログラムを記憶したりする。大容量記憶装置24は、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリやハードディスクドライブにより構成されており、CPU12からの命令に従って、テレビチューナ16により生成される映像データを記憶する。また、後述するように、こうして記憶される映像データの解析結果も同大容量記憶装置24に記憶される。
【0019】
メディアドライブ26は、DVD(商標)やブルーレイ(商標)などの可搬データ記憶メディアを受け入れ、そこに映像データを書き込んだり、そこから映像データを読み出したりする。可搬データメディアに書き込まれる映像データは、テレビチューナ16により生成される映像データであってよい。こうして可搬データメディアに格納される映像データの解析結果も、大容量記憶装置24に記憶される。操作部28は、押しボタンやスライドスイッチを含んでおり、筐体前面に配置される。ユーザは、放送番組記録装置10に対して、操作部28に含まれる押しボタンやスライドスイッチを用いて動作命令を行う。
【0020】
上述したように放送番組処理装置10は、CPU12を中心としたコンピュータシステムであり、メモリ22に格納されているプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。図2は、放送番組処理装置10の機能ブロック図である。同図に示すように、放送番組処理装置10は、機能的には録画部12a、録画データ記憶部24a、再生部12b、CM差し替え部12c、ユーザ属性記憶部24b及び録画データ解析部12dを含んでいる。また、上述のように、放送番組録画記録装置10は、通信インタフェース20を備えており、広域データ通信ネットワーク40を介して、放送番組メタデータサーバ42、差し替えCMデータサーバ44、差し替えCMメタデータサーバ46にアクセスすることができる。
【0021】
録画部12aは、CPU12を中心に構成されており、テレビチューナ16がCM付き放送番組を内容とする映像データを生成すると、この映像データを録画データ記憶部24aに格納する。録画データ記憶部24aは、大容量記憶装置24により構成されるが、メディアドライブ26に受け入れられた可搬データメディアにより構成されてもよい。
【0022】
録画データ解析部12dは、CPU12を中心に構成されており、録画データ記憶部24aに記憶されている映像データを解析し、この解析結果を録画データ記憶部24aに格納する。具体的には、図3に示すように、放送番組の本編は、複数のパート50A,50Bに分割されており、各パート50A,50Bの間には1以上のCM(ここではCM51,52)が挿入されている。録画データ解析部12dは、これらパート又はCM毎に、メタデータ(属性データ)を生成し、これを録画データ記憶部24aに格納する。図4は、録画データ記憶部24aに格納されるメタデータを示している。同図に示すように、パート又はCMに対応する区間毎に、その開始時刻及び終了時刻、本編又はCMの区別が録画データ記憶部24aに格納される。すなわち、録画データ解析部12dは、映像データのうち、本編の各パートの区間、及び各CMの区間を認識する。例えば映像データに、各パートの開始時刻及び終了時刻、及び各CMの開始時刻及び終了時刻、及び各区間の内容種別を特定するデータが含まれていれば、それらのデータに基づいて、各区間の開始時刻及び終了時刻、本編又はCMの区別を録画データ記憶部24aに格納する。或いは、各パートの開始時刻及び終了時刻、及び各CMの開始時刻及び終了時刻、及び各区間の内容種別を特定するデータが、放送番組メタデータサーバ42に事前に格納されていれば、それらのデータを放送番組メタデータサーバ42から受信し、受信したデータに基づいて、各区間の開始時刻及び終了時刻、本編又はCMの区別を録画データ記憶部24aに格納する。
【0023】
また、録画データ解析部12dは、本編が記録された各区間については、1又は2の盛り上がり度を取得し、これらを各区間に対応づけて録画データ記憶部24aに格納する。盛り上がり度は、図3に示すように、CMの区間に隣接する一定区間(例えば1分)である評価区間が如何に盛り上がった内容であるかを示す値である。本編が記録された区間の前又は後のどちらかにCMの区間が隣接していれば、盛り上がり度は1つ取得される。また、前及び後の両方にCMの区間が隣接していれば、盛り上がり度は2つ取得される。例えば、録画データ解析部12dは、評価区間の平均音量を録画データから取得し、この平均音量が大きければ大きいほど盛り上がり度を大きな値として生成してよい。或いは、映像データに、各パートの盛り上がり度を示すデータが含まれていれば、それらのデータに基づいて盛り上がり度を取得してよい。また、放送番組メタデータサーバ42に、本編が記録された各区間について1又は2の盛り上がり度が事前に記憶されていれば、そのデータを放送番組メタデータサーバ42から受信してよい。
【0024】
さらに、録画データ解析部12dは、CMが記録された各区間については、商品・サービスID、商品・サービス分類、広告主及び長さ(時間)を取得し、各区間に関連づけてそれらデータを録画データ記憶部24aに格納する。商品・サービスIDは、CMにより宣伝される商品又はサービスを特定する情報である。商品・サービス分類は、「デジカメ」、「調理器具」、「保険」、「クルマ」など、CMにより宣伝される商品又はサービスの分類を示す情報である。これらのデータは、映像データに多重化して含ませておいてもよい。或いは、録画データ解析部12dは、放送番組メタデータサーバ42に、これらのデータが事前に記憶されていれば、それらのデータを放送番組メタデータサーバ42から受信してよい。
【0025】
ユーザ属性記憶部24bは、大容量記憶装置24により構成されており、放送番組処理装置10のユーザの属性、例えば性別、年齢、住所、ユーザグループなどを記憶する。ここで、ユーザグループは、ユーザの嗜好傾向を特定する情報である。これらの情報は、操作部28を用いてユーザが自ら入力してもよいし、広域データ通信ネットワーク40に接続された他の装置から受信してもよい。また、ユーザグループは、視聴又は録画した放送番組の履歴に従ってプログラムにより自動生成してもよい。
【0026】
CM差し替え部12cは、CPU12を中心に構成されるもので、再生部12bから指示があった場合に、当該映像データに関連づけられたメタデータ(図4)に基づいて、差し替えるCMを選択し、選択したCMの映像データを再生部12bに返すものである。具体的には、CM差し替え部12cは、差し替えCMメタデータサーバ46に例えば予め定められたスケジュールに従ってアクセスし、該差し替えCMメタデータサーバ46に記憶されている差し替えCMのメタデータを受信する。そして、受信した差し替えCMのメタデータと、再生すべき映像データに関連づけられたメタデータと、ユーザ属性記憶部24bに格納されているユーザ属性と、にしたがって、差し替えるCMを選択する。
【0027】
ここで、差し替えCMメタデータサーバ46には、図5に示されるように、多数の差し替えCMのそれぞれについて、ID、商品・サービスID、商品・サービス分類、広告主、日時、地域、ユーザグループ、長さ及び盛り上がり度を記憶している。ここで、日時は、当該差し替えCMの映像データを再生すべき日時条件を示している。この日時条件は、朝、昼、夜などの予め定められた時間帯を区別する情報であってもよいし、開始時刻及び終了時刻からなる時間帯の情報であってもよい。また、春、秋、夏、秋などの予め定められた期間を区別する情報であってもよいし、開始日時及び終了日時からなる期間の情報であってもよい。また、曜日を特定する情報であってもよい。地域は、当該差し替えCMの映像データを再生すべき地域を示している。また、盛り上がり度は、当該差し替えCMが如何に盛り上がった内容であるかを示す値である。この値は人手により設定されてもよいし、映像データの各パートの盛り上がり度と同様、差し替えCMの平均音量に基づいて算出してもよい。
【0028】
CM差し替え部12cは、選択したCMの映像データを差し替えCMデータサーバ44から受信する。すなわち、差し替えCMデータサーバ44は多数の差し替えCMの映像データを、各CMのIDに関連づけて記憶しており、CM差し替え部12cが選択されたCMのIDを差し替えCMデータサーバ44に送信すると、IDにより特定されるCMの映像データが返信されるようになっている。
【0029】
CM差し替え部12cは、必要に応じて映像時間を伸長又は短縮させる処理を施してから、各差し替えCMの映像データを再生部12bに渡す。すなわち、録画データ記憶部24aに記憶される各CM区間の長さと、差し替えCMデータサーバ44から受信した映像データの長さと、が不一致であれば、両者が一致するよう、差し替えCMデータサーバ44から受信した映像データを伸長又は短縮させる。例えば、差し替えCMデータサーバ44から受信した映像データの方が短い場合には、予め用意した静止画像又は動画像を先頭又は最後に不足分だけ表示することにより、再生時間を一致させてもよい。逆に、差し替えCMデータサーバ44から受信した映像データの方が長い場合には、当該映像データの先頭部分又は終了部分を削除することにより、再生時間を一致させてもよい。或いは、公知の映像データを伸長又は短縮させる技術を利用して、均等に映像データの再生時間を伸ばしたり短くしたりしてよい。
【0030】
再生部12bは、操作部28を用いてユーザが任意の映像データの再生指示を与えた場合に、録画データ記憶部24aに記憶された当該映像データを読み出し、これをビデオ信号に変換して家庭用テレビ受像器30に出力する。このとき、CM差し替え部12cに対して、差し替えCMの選択を指示し、選択されたCMの映像データをCM差し替え部12cから取得する。そして、録画データ記憶部24aに記憶されている映像データに含まれるCMの再生タイミングが到来した場合に、代わりに差し替えCMデータサーバ44から受信した映像データを再生する。そして、差し替えCMの映像データの再生が終了すると、再び録画データ記憶部24aに記憶された映像データを、元々挿入されていたCMの続きの箇所から、つまり後続のパートの先頭から再生する。
【0031】
図6は、映像データを再生する際の放送番組処理装置10の動作を示すフロー図である。同図に示す動作は、ユーザが操作部28を用いて映像データの再生指示を与えた場合に、主として再生部12b及びCM差し替え部12cにより行われるものである。なお、同図に示す動作は、映像データの再生処理のバックグラウンド処理として再生開始後に行ってもよい。
【0032】
まず、CM差し替え部12cは、再生部12bからの指示に応じて、録画データ記憶部24aにアクセスして、再生指示がなされた映像データの各区間のメタデータ(図4)を読み出す(S101)。次に、映像データの1つのCM区間について、その区間に関連づけられた商品・サービス分類と、差し替えCMメタデータサーバ46から受信した各差し替えCMの商品・サービス分類と、を比較し、同じ分類の差し替えCMを選択する(S102)。さらに、S102で選択された差し替えCMのうち、ユーザグループにより絞り込む。具体的には、ユーザ属性記憶部24bに記憶されているユーザグループと同じユーザグループが関連づけられた差し替えCMを選択する(S103)。
【0033】
さらに、S103で絞り込まれた差し替えCMのうち1つを、盛り上がり度及び地域に基づいて選択し、選択された差し替えCMの映像データを差し替えCMデータサーバ44から受信する。具体的には、まず、各差し替えCMの盛り上がり度と、差し替えの対象となるCMと最も近い時刻に再生されるパートの盛り上がり度と、の差の絶対値を、評価値1として算出する。さらに、各差し替えCMの地域の緯度及び経度と、ユーザ属性記憶部24bに記憶されるユーザの住所に対応する緯度及び経度と、から両者の距離を、評価値2として算出する。そして、評価値1及び評価値2の両方の増加関数である総合評価値を、各差し替えCMについて算出し、総合評価値が最も小さい差し替えCMを選択する。なお、増加関数は、例えば評価値1及び評価値2の線形和であってもよい。こうして、近接するパートの盛り上がりと近い盛り上がりを有し、且つユーザの住所に合致した差し替えCMが選ばれるようになる。
【0034】
その後、選択された差し替えCMの長さをメタデータ(図5)から取得し、差し替えの対象となるCMの長さ(図4)を録画データ記憶部24aから取得し、両者を比較する。そして、前者が長ければ差し替えCMの映像データに対して短縮処理を施し、逆に前者が短ければ伸長処理を施す(S105)。以上のS102〜S105の処理を、再生指示された映像データに含まれるすべてのCMに関して実行し(S106,S107)、その後、再生部12bは、録画データ記憶部24aに記憶された映像データに含まれる本編の各パート、及びS102〜S105の処理により得られた各差し替えCMを、順に再生する。
【0035】
以上説明した放送番組処理装置10によれば、放送番組に元々挿入されていたテレビCMとの関係性を考慮しつつ、視聴者の興味に適合するテレビCMを挿入できるようになるため、視聴者の購入意欲を効果的に沸き立たせることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、以上の説明では、商品・サービス分類が元々のCMと一致するようにして差し替えCMを選択したが、商品・サービスIDが一致するようにして差し替えCMを選択してもよい。例えば、同じ商品又はサービスの対するCMであるが、季節に応じた異なるCMが差し替えCMとして用意されている場合には、同じ商品又はサービスに対するCMであって季節に応じた別バージョンに差し替えることができるようになる。また、広告主が一致するようにして差し替えCMを選択してもよい。こうすれば、広告主の広告機会を保障できるようになる。さらに、CM差し替え部12cは、再生指示があった場合に内蔵カレンダーを参照して現在の日付及び時刻を取得し、この現在の日付及び時刻が、メタデータに含まれる日時条件を満足する差し替えCMを選択するようにしてもよい。こうすれば、季節、時間帯、曜日などの日時条件にあったCMに差し替えることができる。
【0037】
また、図2に示される放送番組処理装置10の機能の一部、例えばCM差し替え部12c、録画データ解析部12d、ユーザ属性記憶部24bなど、或いはそれら機能の一部は、放送番組処理装置10が設置されている家庭内に設けられるホームネットワークに接続された外部機器(ホームサーバなど)や、広域データ通信ネットワーク40に接続されたサーバに設けられてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 放送番組処理装置、12 CPU、12a 録画部、12b 再生部、12c CM差し替え部、12d 録画データ解析部、14 表示部、16 テレビチューナ、18 表示制御部、20 通信インタフェース、22 メモリ、24 大容量記憶装置、26 メディアドライブ、28 操作部、30 家庭用テレビ受像器、40 広域データ通信ネットワーク、42 放送済CMメタデータサーバ、44 差し替えCMデータサーバ、46 差し替えCMメタデータサーバ、50A,50B パート、51,52 CM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告映像を含むコンテンツを記録する手段と、
記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性を取得する手段と、
複数の挿入用の広告映像の各属性を取得する手段と、
記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する手段と、
選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入する手段と、
を含むことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放送番組処理装置において、
前記広告映像の属性は、広告対象である商品又はサービスを特定する情報を含む、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放送番組処理装置において、
前記広告映像の属性は、広告対象である商品又はサービスの分類を特定する情報を含む、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記広告映像の属性は、広告主を特定する情報を含む、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記選択する手段は、記録される前記コンテンツに関連づけられた情報に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記選択する手段は、記録される前記コンテンツに対する解析処理の結果に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記選択する手段は、ユーザの属性に更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記選択する手段は、記録される前記コンテンツの再生タイミングに更に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択する、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の放送番組処理装置において、
前記挿入する手段は、選択される挿入用の広告映像を伸長又は短縮する手段を含む、
ことを特徴とする放送番組処理装置。
【請求項10】
記録されるコンテンツに含まれる広告映像の属性を取得するステップと、
複数の挿入用の広告映像の各属性を取得するステップと、
記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択するステップと、
選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入するステップと、
を含むことを特徴とする放送番組処理方法。
【請求項11】
記録されるコンテンツに含まれる広告映像の属性を取得するステップと、
複数の挿入用の広告映像の各属性を取得するステップと、
記録される前記コンテンツに含まれる広告映像の属性と、前記複数の挿入用の広告映像の各属性と、に基づいて、前記複数の挿入用の広告映像のうち1又は複数を選択するステップと、
選択される前記1又は複数の挿入用の広告映像を、記録される前記コンテンツに挿入するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−160788(P2012−160788A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17165(P2011−17165)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】