説明

放電ランプ及びその電極の製造方法

【課題】放電ランプの電極の温度上昇を抑制して、放電ランプの寿命を長くする。
【解決手段】放電ランプに用いる電極(陽極1)の表面にレーザ光を照射して、電極を構成する材料を溶融して移動させて、電極の表面に塊部と孔部とからなる凹凸状の放熱構造を形成する。放熱構造の表面を、レーザ光照射での再加熱による溶融または電解研磨により、凹凸構造がなくならない程度に平滑化する。この放熱構造により、電極の温度上昇を抑制できるので、放電ランプの内管壁の黒化が少なくなり、放電ランプの使用寿命が長くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線を発生する放電ランプに関し、特に、電極の温度上昇の少ない放電ランプとその電極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の配線パターンを形成する際の光源として、紫外線を発生するショートアーク型放電ランプなどが、一般に使用されている。この放電ランプは、陽極を上または下にした垂直状態で点灯している。点灯状態での陽極は、陰極からの電子が衝突して高温となり、蒸発して消耗する。電極から蒸発した粒子は熱対流により運ばれて、放電ランプの内壁に付着するので、発光管中央部から上部側の内管壁が黒化する。放電ランプの電極には陰極と陽極があるが、以下の説明においては、これらを単に電極と総称することがある。
【0003】
ショートアーク型放電ランプの点灯時の陽極が高温になるのを抑えれば、陽極先端部からの電極構成物質の蒸発を少なくでき、電極先端の磨耗や熱変形等を緩和でき、ランプの使用寿命を延ばすことができる。そのためには、電極から輻射によって放出される熱量を増加させればよい。具体的には、電極の側面にV字状の放熱溝を形成して陽極の表面積を増加させ、電極からの熱放射を増加させて電極温度を下げることが行われている。
【0004】
図4(a)は、レーザ光による加熱でV字状の放熱溝を形成する従来の方法の概念図である。V字状の放熱溝60は、陽極の胴体面上に作製した放熱用の溝である。レーザ45は、レーザ光が照射される向きと位置の概略を示している。レーザ照射面46は、レーザ光が照射される電極上の面である。溶融・蒸発層61は、レーザ光の照射による熱で電極材料が瞬間的に溶融して溜まり、そこから蒸発してゆく状態にある層である。照射されるレーザ光の面積当たりのパワー(W/cm2)が大きいため、レーザ照射面の電極材料の温度が局所的に急速に上昇して、瞬間的に溶融・蒸発するため、溶融・蒸発層61は小さくなり、V字状の放熱溝の側面64は、略平坦となる。すなわち、レーザ光による加熱でV字状の放熱溝を形成する従来の方法では、電極材料を瞬間的に溶融させて蒸発させていた。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
【0005】
特許文献1に開示された「希ガス封入高圧放電ランプ用のアノード」は、図4(b)に示すように、探さ1〜3mmの冷却溝を外周面上に設けたタングステンのアノードである。冷却溝の側面間の角度は90°である。アノード外周面は熱放散性が高い焼結金属層である。特許文献2に開示された「放電灯陽極」は、図4(c)に示すように、軸方向に平行な溝を側周面に切り込んだ円柱状タングステンロッドの電極である。溝の深さは、円柱直径の1〜7%である。溝の角度は60〜90°である。特許文献3に開示された「漁業用放電灯」は、図4(d)に示すように、幅よりも深い溝を胴部に設けた陽極を備えている。溝の深さは6mmで幅が3mmである。先端面と後端面の直径は12mmで、胴部の外径は30mmで、陽極全体の長さは40mmである。特許文献4に開示された「ショートアーク放電灯」は、図4(e)に示すように、先端側で浅く基端側で深くなっている複数の溝が周面に刻まれている陽極を備えている。特許文献5に開示された「ショートアーク型高圧放電ランプ」は、図4(f)に示すように、側面に溝部が形成されている電極を備えている。溝部の深さは、電極の直径の12%以内である。溝部の深さDは、溝部のピッチPの2倍以上である。特許文献6、7には、半導体のレーザ加工技術が開示されている。非特許文献1、2には、レーザ加工の基本と応用に関する各種技術が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特公昭39-011128号公報
【特許文献2】実開昭54-132975号公報
【特許文献3】実開昭60-048663号公報
【特許文献4】実開昭60-110973号公報
【特許文献5】特開2002-117806号公報
【特許文献6】特開昭63-278368号公報
【特許文献7】特許第2810435号公報(特開平01-225928号公報)
【非特許文献1】レーザ協会編集:「レーザ応用技術ハンドブック」(朝倉書店、1984年発行)
【非特許文献2】川澄博通編:「レーザ加工技術」(シーエムシー、2001年発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のV字状の放熱溝を有する電極を用いた放電ランプの構成では、以下のような問題がある。従来の方法では、レーザ照射面の電極材料を局所的に急速に温度上昇させることにより瞬間的に溶融・蒸発させて、電極表面の円周方向にV字状の放熱溝を掘り込んでいる。深いV字状の放熱溝を緻密に多数列並べて作製する場合に、電極のレーザ照射領域以外の部分も高温状態となる。他の溝を加工する熱により、既に加工を終えたV字状の放熱溝が変形してしまう。その変形を防ぐためには、電極を冷却させながら溝の加工を行う必要がある。具体的には、連続してレーザ照射を行わずに、時間的に間隔をあけ、複数回に分けてレーザ照射を繰り返す必要がある。そのため、電極の放熱構造の生産効率が著しく悪い。
【0008】
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、放電ランプの電極の温度上昇を抑制して放電ランプの内管壁の黒化を少なくして、放電ランプの寿命を長くすることである。また、電極の放熱構造を容易に作製できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、表面に放熱構造が形成された電極を放電容器内部に備えた放電ランプの放熱構造を、電極を構成する材料が溶融して移動したことにより形成された塊部と孔部からなるものとした。放熱構造は、放熱溝または放熱孔である。放熱構造が設けられた部分の電極外径は、放熱構造が設けられていない部分の電極外径よりも小さい。
【0010】
また、電極製造方法を、放電ランプ用の電極の表面にレーザ光を照射して、電極を構成する材料を溶融して移動させて、電極の表面に塊部と孔部とからなる凹凸状の放熱構造を形成する方法とした。放熱構造を有する電極の重量を、放熱構造を形成する前の電極の重量と略等しくする。放熱構造の形成後に、放熱構造の凹凸形状がなくならない限度で、放熱構造全体にレーザ光を照射することにより再加熱して放熱構造の表面を溶融して平滑化する。または、放熱構造の表面を電解研磨により平滑化する。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成したことにより、従来のV字状の放熱溝のように平坦な側面からなる放熱構造と比較して、表面積を増加させることができるので、陽極の温度上昇を抑制でき、放電ランプの使用寿命が従来の放電ランプより長くなる。さらに、放熱構造の作製も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
本発明の実施例は、塊部および孔部を表面に有する凹凸状の放熱構造を有する電極を用いた放電ランプである。
【0014】
図1は、本発明の実施例における凹凸状の放熱構造を有する陽極を用いた放電ランプの外観図である。図1において、陽極1は、プラス側の電極である。陰極2は、マイナス側の電極である。内部リード棒3は、電極を支えて給電する部材である。金属箔4は、内部リード棒と外部リード棒を電気的に接続する部材である。封止管部5は、バルブを気密封止する部分である。外部リード棒7は、口金から金属箔を介して電極へ給電する部材である。発光部9は、電極間の放電により発光する部分である。バルブ部10は、電極を密封して放電空間を形成するガラス部材である。口金20は、ランプを機械的に保持するとともに給電するための部材である。放熱構造40は、円柱状側面に設けて電極を冷却するための構造である。
【0015】
図1に示すように、放電ランプは、発光部9および2つの封止管部5よりなるバルブ部10と、発光部9の中に対向配置された陽極1および陰極2と、これら陽極1および陰極2を支持するとともに通電を行う内部リード棒3と、外部リード棒7と、この内部リード棒3と外部リード棒7とを導電性の金属箔4によって接続して気密に封止する封止管部5とにより構成されている。さらに、陽極側の封止管部5には口金20が固定されており、もう一方の陰極側の封止管部5にも口金20が固定されている。放電ランプは、口金20を介して光源装置に固定されている。
【0016】
図2は、本発明の実施例における凹凸状の放熱構造を有する陽極の拡大図である。図2(A)は、陽極の外観図である。図2(B)は、図2(A)のB‐B断面図である。図2(C)は、凹凸状の放熱構造体の断面の部分拡大図である。図2(D)は、平滑加工された凹凸状の放熱構造体の断面の部分拡大図である。図2(A)、(B)において、先端面31は、陰極との間で放電を行う面である。先端面31は、円柱状の電極の上面であり、先端側テーパ面32を介して胴体面30と接続される。胴体面30は、円柱状の電極の円周側面であり、背面側テーパ面33を介して背面34と接続される。小径面35は、胴体面30のうち、径の細い部分の円周側面である。大径面36は、胴体面30のうち、径の太い部分の円周側面である。凹凸状の放熱構造40は、少なくとも胴体面30の一部に設けた放熱構造である。背面34は、円柱状の電極の底面である。電極穴37は、内部リード棒を嵌め入れる穴である。外径D1は、陽極1の胴体面上に設けた小径面の外径である。外径D2は、陽極1の胴体面の小径面に設けた凹凸状の放熱構造上での最大外径である。外径D3は、陽極1の胴体面上に設けた大径面の外径である。
【0017】
図2(A)、(B)に示すように、陽極1は、略円柱状であり、表面は、先端面31、先端側テーパ面32、胴体面30、背面側テーパ面33、背面34から構成されている。胴体面30は、小径面35と大径面36からなり、小径面35上に凹凸状の放熱構造40が設けられている。陽極1の背面34に設けた電極穴37に、内部リード棒3を嵌め入れることにより、陽極1が放電空間に保持される。凹凸状の放熱構造40は、表面積が大きい部分であるので、ランプ点灯時には陽極1の熱を効率よく放射する。
【0018】
図2(C)において、塊部42は、電極材料の塊である。孔部43は、多数の塊部の間の空間である。図2(C)に示すように、凹凸状の放熱構造40は、多数の塊部42と孔部43からなる凹凸状の表面を有する溝である。塊部42は、レーザ光の照射により溶融した電極材料が移動したものであるため、不安定な状態で放熱構造に張り付いている場合がある。塊部42をこのままの状態にして放電ランプの電極に用いると、塊部42が電極材料から剥離して放電空間に放出され、放電ランプの黒化の原因となり、ランプが短寿命となってしまう場合がある。
【0019】
図2(D)において、凹凸状の放熱構造50、塊部52、孔部53はそれぞれ、図2(C)の放熱構造40、塊部42、孔部43を平滑化加工した後の状態のものである。図2(D)に示すように、凹凸状の放熱構造50も、複数の塊部52と孔部53からなる凹凸状の表面を有する。しかし、平滑化加工を施してあるので、図2(C)の状態と比較して、放熱構造の表面が滑らかになっている。平滑化された凹凸状の表面でも、平坦の場合より表面積が大きい。
【0020】
塊部と孔部からなる凹凸状の放熱構造を作製する方法は、第1工程の凹凸化工程と、第2工程の平滑化工程からなる。レーザ加工に関する基本的な技術は周知であるので詳しい説明は省略するが、必要であれば特許文献6、7や非特許文献1、2などを参照されたい。先ず、第1工程の凹凸化工程について説明する。図3(a)は、レーザ光での加熱により凹凸状の放熱構造を形成する凹凸化工程の概念図である。図3(a)において、凹凸状の放熱構造40は、凹凸化工程により陽極1の胴体面上に作製した放熱構造である。溶融・蒸発層41は、レーザ光の熱により電極材料が溶融して蒸発する状態の層である。図4(a)に示した従来方法の溶融・蒸発層61よりも、溶融・蒸発層41の体積が大きくなる。従来例との比較を、図3(b)の表に示す。
【0021】
従来の方法では、レーザ光のパワーの面積密度を大きくして、瞬間的に溶融・蒸発させて、平坦な表面の放熱構造を掘り込む。それに対して、本実施例では、レーザ光のパワーの面積密度を小さくして、ゆっくり加熱する。電極材料が高温になって蒸発する前に照射面46の外に熱が伝わるようにする。レーザ照射面46以外の広い領域で電極材料が溶融するので、電極材料の蒸発量よりも溶融量が多くなる。従来方法の溶融・蒸発層61よりも、溶融・蒸発層41の体積が大きくなる。その結果、高温部である溶融・蒸発層41から、溶融した電極材料が、低温部である放熱構造40の側面や電極の小径面上へ移動して、電極材料の塊状の塊部42が形成される。
【0022】
さらに、多数の塊部42の間には、孔部43が形成される。レーザ照射面46の電極材料が蒸発や溶融により無くなると、レーザ照射面46は電極の径方向に入り込む。この間にも、電極の径方向に熱が伝達しているので、電極の径方向のより深い部分の電極材料も溶融する。したがって、溶融・蒸発層41が電極の径方向のより深い部分に移動する。以上のようにして、電極材料の溶融と移動の繰り返しにより、凹凸状の放熱溝が掘り込まれる。すなわち、レーザ光での加熱により放熱構造を形成する凹凸化工程は、電極材料を溶融して移動させ、電極の表面に塊部と孔部を形成する工程である。
【0023】
溶融した電極材料が移動する理由は次の通りである。レーザ光の照射エネルギーによる電極材料およびその周囲の気体の熱膨張や、溶融した電極材料の表面張力により、電極が変形する。電極材料が溶融して集まった部分が塊部となり、多数の塊部の間の部分が孔部と成る。従来の方法では、電極を冷却しながら放熱溝を掘り込むために、放熱溝の掘り込み速度が制限されていた。しかし、電極全体が高温状態となることは、溶融・蒸発層41の体積を大きくするためには好適であるので、本実施例では電極を冷却しない。電極を冷却しないので、弱いレーザ光でも電極の作製速度を従来方法より速めることができる。
【0024】
次に、第2工程の平滑化工程について説明する。放熱構造の形成後の平滑化工程では、放熱構造の凹凸形状がなくならない程度に、放熱構造にレーザ光を照射することにより、放熱構造の表面を再加熱して溶融して平滑化する。すなわち、塊部42と孔部43からなる放熱構造40の表面をわずかに溶融させて、表面張力により平滑化する。凹凸状の放熱溝を滑らかにし過ぎると、放熱構造の表面積があまり増加しないので、適度な凹凸が形成されるように、電極材料などに応じてレーザ光のパワーの面積密度と処理時間を適切な値に設定する。
【0025】
レーザ光のパワーの面積密度を凹凸化工程での値より大きくして、短時間で平滑化してもよいし、レーザ光のパワーの面積密度を凹凸化工程の値より小さくして、ゆっくり平滑化してもよい。レーザ光の照射エネルギーの面積密度を大きくするには、レーザの出力を上げるか、レーザ光の走査速度を遅くするか、レーザビームを絞る。レーザ光の照射エネルギーの面積密度を小さくするには、レーザの出力を下げるか、レーザ光の走査速度を早くするか、レーザビームを広げる。レーザ光による平滑化にかえて、電解研磨や真空中の高温熱処理による平滑化を行ってもよい。
【0026】
このようにして、塊部42と孔部43からなる凹凸状の放熱構造を作製すると、溶融した電極材料は、陽極1の小径面上にも移動するため、凹凸状の放熱構造の最大外径D2は、放熱構造を設ける前の小径面の外径D1より大きくなる。従来方法で作成したV字状の放熱溝よりも、電極の表面積が大きくなる。放熱構造の表面は凹凸状であるため、封止管部から電極を発光部内に挿入する場合に、放電ランプの封止管や発光管の内面が傷つくか、凸状の塊部が剥離する場合がある。発光管の内面を傷つけると破裂の原因となる。塊部が剥離して放電空間に放出されると黒化などの原因となる。そこで、凹凸状の放熱構造の外径D2より大きい外径D3を有する大径面36を設ける。すなわち、陽極の胴体面の径を、D3>D2>D1とする。このようにして、電極を封止管から発光管内に挿入するときに、封止管と凹凸状の放熱構造が擦れない様にする。
【0027】
この放熱構造の作製方法では、電極材料の蒸発よりも、電極表面上での移動が支配的であるので、電極の重さは放熱構造を形成する前と略等しい。そのため、電極材料を蒸発により飛散させる従来の放熱構造の作製方法と比べて、電極材料を有効に使用できる。本実施例においては、電極の円周方向に溝を形成する例を説明したが、同様の放熱構造の溝を電極の軸方向に設けてもよい。放熱構造は、放熱溝でなくて放熱孔であってもよい。また、陽極の例を説明したが、陰極の胴部に放熱構造を設けても同様の効果が得られる。
【0028】
上記のように、本発明の実施例では、放電ランプを、塊部と孔部を表面に有する凹凸状の放熱構造を有する電極を用いる構成としたので、陽極の温度上昇を抑えて放電ランプの寿命を延ばせる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の放電ランプは、紫外線発生用のショートアーク放電ランプとして最適である。この放熱構造を有する電極は、その他の光源用のランプにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施例における放電ランプの外観図である。
【図2】本発明の実施例における放電ランプに用いる凹凸状の放熱構造を有する陽極の拡大図である。
【図3】本発明の実施例における放電ランプに用いる陽極の凹凸状の放熱構造の作製方法を説明するための図と、従来例との比較を示す表である。
【図4】従来のV字状の放熱溝の作製方法を説明するための図と、従来の放熱溝付の陽極の例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 陽極
2 陰極
3 内部リード棒
4 金属箔
5 封止管部
7 外部リード棒
9 発光部
10 バルブ部
20 口金
30 胴体面
31 先端面
32 先端側テーパ面
33 背部側テーパ面
34 背面
35 小径面
36 大径面
37 電極穴
40,50 凹凸状の放熱構造
41,61 溶融・蒸発層
42 塊部
43 孔部
46 レーザ照射面
52 平滑後の塊部
53 平滑後の孔部
60 V字状の放熱溝
64 放熱溝側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に放熱構造が形成された電極を放電容器内部に備えた放電ランプにおいて、前記放熱構造は、前記電極を構成する材料が溶融して移動したことにより形成された塊部と孔部からなることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記放熱構造は、放熱溝または放熱孔であることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記放熱構造が設けられた部分の電極外径は、前記放熱構造が設けられていない部分の電極外径よりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ。
【請求項4】
放電ランプ用の電極の表面にレーザ光を照射して、前記電極を構成する材料を溶融して移動させて、前記電極の表面に塊部と孔部とからなる凹凸状の放熱構造を形成することを特徴とする電極製造方法。
【請求項5】
前記放熱構造を有する電極の重量を、前記放熱構造を形成する前の電極の重量と略等しくすることを特徴とする請求項4記載の電極製造方法。
【請求項6】
前記放熱構造の形成後に、前記放熱構造の凹凸形状がなくならない限度で、前記放熱構造全体にレーザ光を照射することにより再加熱して前記放熱構造の表面を溶融して平滑化することを特徴とする請求項4または5記載の電極製造方法。
【請求項7】
前記放熱構造の表面を電解研磨により平滑化することを特徴とする請求項4または5記載の電極製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−235128(P2008−235128A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75769(P2007−75769)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000128496)株式会社オーク製作所 (175)
【Fターム(参考)】