説明

放電ランプ

【課題】 点灯時に電極の先端部の温度上昇を抑制することができるものでありながら、発光管が鉛直方向に揺れる虞のない放電ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は、その内部に形成された密閉空間内に、電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入されたものにおいて、前記密閉空間内に、前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体が封入されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプに関し、特に、半導体ウェハ、液晶基板、プリント基板、カラーフィルタなどの露光用光源、或いは、映画館などのスクリーンに対し映像を投影するための画像投影用光源として使用される放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の製造工程においては、中心波長365nmの紫外線を放射するショートアーク型放電ランプが使用されている。このような放電ランプにおいては、製造工程におけるスループットを向上させるために、半導体ウェハ等の被処理体への露光を迅速に行うことが必要とされていることから、波長365nmの紫外線の出力を高くすることが要求されている。
【0003】
放電ランプから放射される紫外線の出力を上げると、放電ランプの電子衝突を受ける側の電極の先端部の温度が極めて高い状態になって電極の先端部が溶融して変形することにより、放電アークが不安定になったり、また、電極を構成する物質が蒸発して発光管の内壁面に付着することにより発光管の外方へ照射される紫外線の出力が低下する、という不具合の発生が予測される。従来は、このような不具合の発生を防止するため、電極の内部に冷却水の水路を設けて、放電ランプと別に設けた水冷機構により、電極の内部に冷却水を循環させて電極の先端部の温度上昇を抑制する、所謂水冷式の放電ランプが、特許文献1に開示されている。
【0004】
その一方で、水冷機構を設けることなく電極の先端部の温度上昇を抑制することのできる放電ランプが特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された放電ランプは、発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、少なくとも一方の電極が、内部に密閉空間が形成された電極本体の内部に、電極本体を構成する金属の融点よりも低い融点を有する金属からなる伝熱体が封入された構成を備えている。同文献に開示される放電ランプによれば、点灯時に溶融した伝熱体が電極本体の内部に形成された密閉空間内で対流することにより、電極の先端部で発生した熱を溶融した伝熱体を介して電極の後端部方向へ効率良く輸送することができるため、電極の先端部の温度上昇を抑制することができる、とされている。
【0005】
【特許文献1】特許第3075094号
【特許文献2】特開2004−6246号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示される放電ランプにおいては、さらなるスループットの向上への要求に対応するために従来よりも定格点灯電力が大きくなっており、電極に対して大電流を投入して点灯駆動した際に発光管が鉛直方向に揺れることが判明した。このような揺れが生じると、放電ランプを露光装置等に設置して点灯させた場合において、放電ランプの輝点が露光装置等における光学系の第1焦点位置に一致しなくなって、光照射面における放射照度の変動が大きくなるという問題が生じた。さらに、半導体ウェハ等の製造において、被処理体の露光ムラによる、不良品が発生するといった問題が生じた。
このような問題が発生する原因は、定かではないが例えば次のように考えられる。
【0007】
すなわち、発光管に揺れが生じるのは、電極に対する負荷が高くなって電子衝突を受ける電極の先端部が極めて高温になることにより、放電ランプの点灯時に溶融して液体状になった伝熱体が突沸することが原因であるものと考えられる。伝熱体の突沸は、放電ランプの点灯時に電極内の密閉空間内において伝熱体が溶融し、伝熱体の融液中に大きな気泡が形成されることが原因で生じる。そして、液体状態にある伝熱体が一瞬にして大きな気泡に変化して急激に体積が膨張すると、液体状態の伝熱体が当該気泡によって押されて電極本体の蓋部を激しく叩き付けることになり、その際の衝撃により電極が鉛直方向の上下に揺れることに伴い、電極を保持する放電ランプの発光管が上下に揺れることになるものと考えられる。
【0008】
以上から、本発明は、点灯時に電極の先端部の温度上昇を抑制することができるものでありながら、発光管が鉛直方向に揺れる虞のない放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の放電ランプは、発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は、その内部に形成された密閉空間内に、電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入されたものにおいて、前記密閉空間内に、前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体が封入されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、293K(ケルビン)において、前記焼結体を構成する金属の密度が前記伝熱体の密度よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
さらに、前記焼結体は、前記伝熱体を構成する金属と反応して合金を形成する金属を除く金属の粒子を焼成して得られることを特徴とする。
さらに、0.1MPa(メガパスカル)において、前記焼結体の融点が、伝熱体の沸点よりも高いことを特徴とする。
【0012】
さらに、前記伝熱体と前記焼結体の組合せが、以下の組合せ1ないし組合せ4のうちの何れかに該当することを特徴とする。
(組合せ1)
前記伝熱体がCu(銅)、Zn(亜鉛)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ2)
前記伝熱体がCu(銅)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ3)
前記伝熱体がAg(銀)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)及びRe(レニウム)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ4)
前記伝熱体がAg(銀)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)及びRe(レニウム)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
【0013】
さらにまた、本発明の放電ランプは、発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属よりも融点の低い金属からなる伝熱体が封入されたものにおいて、前記基体部の内部空間側の面に、焼成により金属粒子が付着していることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の放電ランプは、その管軸が垂直方向に配置して点灯されるものであって、前記一方の電極は鉛直方向の上側に配置されることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の放電ランプの製造方法は、発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属の融点よりも低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入された放電ランプの製造方法において、少なくとも以下の工程を備えることを特徴とする。
(工程1)
前記基体部に対し前記伝熱体を導入する工程
(工程2)
前記基体部に対し、前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体を導入する工程
(工程3)
前記工程1及び工程2の後に、前記基体部の内部空間内に前記蓋部を嵌入する工程
(工程4)
前記工程3の後に、前記基体部と前記蓋部とを溶接する工程
【0016】
さらに、本発明の放電ランプの製造方法は、発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属の融点よりも低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入された放電ランプの製造方法において、少なくとも以下の工程を備えることを特徴とする。
(工程1)
前記基体部の内表面に対し、ペースト状にした金属粒子を塗布する工程
(工程2)
前記ペースト状の金属粒子に対し焼成を行う工程
(工程3)
前記工程2の後に、前記基体部に対し前記伝熱体を導入する工程
(工程4)
前記工程3の後に、前記基体部の内部空間内に前記蓋部を嵌入する工程
(工程5)
前記工程4の後に、前記基体部と前記蓋部とを溶接する工程
【発明の効果】
【0017】
本発明の放電ランプにおいては、密閉空間を有する電極の内部に電極を構成する金属よりも融点の低い金属からなる伝熱体が封入されているので、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体の対流によって、電極の先端部の熱を電極の後端部方向へ輸送することができるため、電極の先端部の温度上昇を抑制することができる。
【0018】
しかも、密閉空間内に前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体が封入されていることにより、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体の融液中において、多孔質の焼結体の周囲に優先的に気泡が形成されると共に、焼結体の周囲に形成された気泡が伝熱体の融液中で押し潰されることなく維持されるので、伝熱体の融液中に大きな気泡が形成される虞がない。
前述したように、放電ランプに揺れが生じるのは、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体の融液中に大きな気泡が形成されて伝熱体が突沸することにより、伝熱体の体積が急激に膨張することが原因であると考えられる。従って、本発明のように、電極内の密閉空間に伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体を封入することにより、放電ランプの点灯時に伝熱体の融液中に沈んでいる焼結体の周囲に優先的に小さな気泡を形成し、かつ、小さな気泡のままで維持することにより、伝熱体が突沸する前に伝熱体を沸騰させることができるので、放電ランプの発光管が揺れることを確実に防止することができる。
【0019】
さらに、金属粒子の焼結体を構成する金属の密度を伝熱体の密度よりも大きくすると、次の理由からより確実に放電ランプの揺れを防止することができる。
すなわち、電子衝突を受ける側の電極は、放電ランプを点灯させた際に他方の電極に対向する先端部の温度が基端側に比して高いというような温度勾配を持つ。これに伴い、放電ランプの点灯時には、電極に形成された密閉空間内において溶融した伝熱体の融液は、電極の先端側に近付くにつれて次第に高温になっており、電極先端側の位置において気泡が発生し易い状態になっている。よって、焼結体は、電極の先端部付近に位置している方が気泡を形成するために好ましい。以上から、電子衝突を受ける側の電極を鉛直方向の上方側に配置した放電ランプにおいて、金属粒子の焼結体を構成する金属の密度を伝熱体の密度よりも大きくすれば、焼結体が放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体の融液中に沈んで電極の先端部の付近に位置することになり、これにより、伝熱体の突沸を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の放電ランプの全体の構成を示す正面図である。
発光管10は、石英ガラスからなり、略球状の発光部11の両端にロッド状の封止部12が連続して形成されている。この発光部11内には、各々金属製の陽極14および陰極16よりなる一対の電極が互いに対向するよう配置されている。陽極14,陰極16の各々から伸びる電極芯棒17が、封止部12において保持されると共に、当該封止部12内において気密に設けられた金属箔(不図示)を介して外部リード棒または外部端子に接続され、これに外部電源が接続される。発光部11内には、所定量の水銀、キセノン、アルゴンなどの発光物質や始動用ガスが封入されている。
【0021】
このような放電ランプは、外部電源より電力が供給されることにより、陽極14と陰極16との間でアーク放電が生じて発光するものである。図1の例に示す放電ランプにおいては、陽極14が鉛直方向上方側、陰極16が鉛直方向下方側となる姿勢で配置され、すなわち、発光部11の管軸が、地面に対して垂直方向に支持されて点灯される、垂直点灯型のものである。
【0022】
図2は、本発明に係る第1の実施形態の陽極14の拡大断面図である。陽極14は、陰極16と対向する先端部14Aが鉛直方向下方に位置する状態で示されている。陽極14は、基体部20と蓋部40とが嵌合されて溶接されることにより形成された密閉空間Cの内部に伝熱体Dが封入されて構成されている。伝熱体Dは、密閉空間C内に満杯に封入されるよりも、多少の空隙を介在させて封入すると効果的である。
【0023】
基体部20は、基端部(陽極14の先端部14Aと反対の端部)の端面に開口21を有する内部空間22が形成された有底円筒状であって、当該基端部に径方向外方に突出する基体部側フランジ部24が形成されている。この基体部側フランジ部24は、径方向に伸びる基体部側平坦面23と、この基体部側平坦面23の外周縁に連続し、先端方向に向かうに従って径方向内方に伸びる基体部側斜面26とを有している。基体部20の内部空間22側の底部22Aには、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体Dがスムーズに対流するよう丸みが形成されている。
この基体部側フランジ部24は、基体部20の基端部に接近した位置に周方向に伸びる環状溝25が形成されており、当該環状溝25が当該基体部側斜面26によって形成されている。そして、基体部側フランジ部24の外径は、基体部20の外径より小さいものとされている。これにより、基体部20と蓋部40の溶接後においても、基体部20の外径より大径となる箇所が形成されることがなく、放電ランプの組み立て時において、基体部20の外径よりも内径の大きいガラス管を使用する必要がない。従って、設計変更の必要もなく、従来の封体を利用できるという利点がある。
【0024】
蓋部40は、全体が円錐台状の蓋部本体41と、この蓋部本体41の底面の中央から突出するよう一体に形成された円柱状の嵌入部42とよりなる。この蓋部本体41は、基体部側フランジ部24と同一の外径を有する蓋部側フランジ部44を有している。この蓋部側フランジ部44は、径方向外方に伸びる蓋部側平坦面43と、この蓋部側平坦面43の外周縁に連続し、基端方向に向かうに従って径方向内方に伸びる円環状の蓋部側斜面46とを有する円錐台形状とされている。そして、嵌入部42は、蓋部側平坦面43から先端方向に突出する状態で形成され、基体部20の内部空間22の内径に適合する外径を有している。
【0025】
そして、基体部20の内部空間22内に蓋部40の嵌入部42が嵌入され、基体部側フランジ部24の基体部側平坦面23に蓋部側フランジ部44の蓋部側平坦面43が当接されて密接され、その状態で重なりあった基体部側フランジ部24の外周縁部と蓋部側フランジ部44の外周縁部とが溶接されて環状の溶接部Yが形成されている。
【0026】
密閉空間C内には、希ガスが所定の圧力となるよう封入されている。具体的には、密閉空間Cの内容積に対して伝熱体Dが50%以上封入されている場合には、希ガスが1気圧以上であり、これにより、伝熱体Dと密閉空間Cの内表面との界面において気泡の発生が防止される。一方、密閉空間Cの内容積に対して伝熱体Dの封入量が少ない場合には、密閉空間C内を大気圧よりも低い圧力状態とすることにより、伝熱体Dの沸騰を促進させ、沸騰伝達による熱輸送効果を期待することができる。
【0027】
陽極14は、何れも高融点を有する金属からなり、具体的には、タングステン、レニウム、タンタルなど、融点が約3000℃以上の金属からなるものである。これらの中でも特にタングステンが好ましい。同様に、陰極16を構成する物質もタングステンであることが好ましい。一方、伝熱体Dは、電極を構成する金属に比較して、点灯時における融点が低い金属からなり、具体的に電極がタングステンにより構成されている場合には、Ag(銀)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)、In(インジウム)、Pb(鉛)などが用いられる。
【0028】
このような本発明に係る陽極14には、伝熱体Dの他に、伝熱体Dとは別体である金属粒子の焼結体Mが封入されている。焼結体Mを構成する金属は、その密度が伝熱体の密度よりも大きいことが望ましく、例えば、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)を用いることができる。焼結体Mを構成する金属の密度を伝熱体Dの密度よりも大きくするのは、放電ランプの点灯時に陽極14の密閉空間C内で溶融した伝熱体Dの融液中に焼結体Mが沈んで、焼結体Mが基体部20における底部22Aの付近に位置するようにするためである。なお、上記の密度は、293K(ケルビン)における数値を基準としており、当該温度を基準とするのは以下の理由による。
金属は温度が上昇すると、体積が膨張し、密度が減少する。その傾きは線膨張係数で表され、伝熱体と焼結体のそれらの比はそれ程変わらない。さらに、温度が上昇すると、固体から液体へ相が変化し、それに伴い体積が膨張し、密度は急激に減少する。293K(ケルビン)において、焼結体を構成する金属の密度が伝熱体Dの密度より大きい場合、ランプ点灯時において、焼結体は固体状態であるのに対して、伝熱体は液体状態であることより、ランプ点灯中においても焼結体を構成する金属の密度の方が伝熱体の密度よりも大きいままである。よって、293K(ケルビン)における数値を基準とした。
【0029】
焼結体Mは、放電ランプの点灯時に伝熱体Dと反応して合金を形成することのない金属の粒子によって形成されることが好ましい。放電ランプの点灯時に焼結体Mと伝熱体Dとが反応してしまうと、前述したような、焼結体Mの気孔の周囲に小さな気泡を形成するという本発明の効果を喪失するからである。焼結体Mの融点は、点灯時の陽極14の密閉空間Cの内圧における伝熱体Dの沸点よりも高いことが好ましい。放電ランプの点灯時に焼結体Mが融けてしまうと形状が維持できず、前述したような、焼結体Mの気孔の周囲に小さな気泡を形成するという本発明の効果が低減するからである。例えば、伝熱体をZnとした場合、焼結体Mの融点は1200K以上であることが好ましい。
【0030】
以上のように、伝熱体Dの密度と焼結体を構成する金属の密度との関係、伝熱体Dに対する焼結体Mの反応性、及び伝熱体Dの沸点と焼結体Mの融点との関係を考慮することにより、伝熱体Dと焼結体Mを構成する物質の組合せは以下のようになる。
(組合せ1)
前記伝熱体がCu、Zn及びInのうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ2)
前記伝熱体がCu、Zn、Sn及びInのうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ3)
前記伝熱体がAg、Pb、Cu、Zn及びInのうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)及びRe(レニウム)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ4)
前記伝熱体がAg、Pb、Cu、Zn、Sn及びInのうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)及びRe(レニウム)のうち何れか
一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
【0031】
焼結体Mは、例えば以下の工程を経て製造されたものである。以下に示すのは一例である。
(工程1)
WとTaの粉末を重量比で1:1となるよう所定量を秤量した後、WとTaの粉末を混合する工程
(工程2)
工程1で得られた粉末を12MPaの圧力で圧縮成形してペレットを形成する工程
(工程3)
工程2で得られたペレットを2000℃、4時間の温度条件で焼成する工程
【0032】
このようにして製造した焼結体Mは、以下のような仕様を有している。
外径が5mm、厚みが8mmである。粒径は、0.01〜3.0mmの範囲であって例えば1.0mmとされている。但し、必ずしも全ての金属粒子において粒径を均一にする必要はない。
【0033】
さらに、伝熱体Dの体積に対して焼結体Mの体積の総和の占める割合は、0.1〜10.0%の範囲であることが好ましい。その理由は、焼結体Mの割合が極端に少ないと伝熱体の融液中に形成される気泡が大きくなる虞があり、逆に焼結体Mの割合が極端に多いと陽極14の先端部14Aの熱が伝熱体Dによって輸送されにくくなるので、陽極14の先端部14Aの温度上昇を抑制することができないからである。
【0034】
このような本発明に係る陽極14は、例えば以下の工程を経て製造される。
(工程1)
基体部20の内部空間22内に伝熱体Dを導入する工程
(工程2)
基体部20の内部空間22内に焼結体Mを導入する工程
(工程3)
工程2の後に、基体部側平坦面23上に蓋部側平坦面43が当接した状態になるよう、基体部20の内部空間22に対し開口21から蓋部40の嵌入部42を嵌入させる工程
(工程4)
工程3の後に、互いに隣接する基体部側フランジ部24および蓋部側フランジ部44の外周縁部分をその全周にわたって溶接することで溶接部Yを形成する工程
【0035】
以上のような本発明の放電ランプに係る第1の実施形態によれば、密閉空間Cを有する陽極14の内部に陽極14を構成する金属よりも融点の低い金属からなる伝熱体Dが封入されているので、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体Dの対流によって、陽極14の先端部14Aの熱を陽極14の後端部方向へ輸送することができるため、陽極14の先端部14Aの温度上昇を抑制することができる。
しかも、陽極14の内部に、伝熱体Dの他に伝熱体Dとは別体の金属粒子の焼結体Mが封入されているので、次のような効果を期待することができる。
【0036】
すなわち、図3に示すように、焼結体Mは、粒子Pの隙間に表面積の小さな開口Qが多数形成された多孔質体である。そのため、伝熱体Dの融液中において、多孔質体である焼結体Mの周囲に小さな気泡が形成され易くなる。気泡を押し潰そうとして気泡に対して作用する力は、気泡が形成される箇所における融液に接する気泡の外表面積に比例して大きくなることから、多数の表面積が小さい開口を備える多孔質体である焼結体Mが伝熱体の融液中に存在することにより、焼結体Mの表面に存在する多数の表面積が小さい開口の周囲に形成された気泡が押し潰されにくくなって、小さな気泡の状態で維持されると考えられる。
従って、放電ランプの点灯時に伝熱体Dの融液中に大きな気泡が形成されなくなるので、伝熱体Dが突沸する前に伝熱体Dの融液を沸騰させることができ、急激に体積が膨張した伝熱体が陽極14の蓋部40に叩き付けられることがなくなるために、発光管10が鉛直方向の上下に揺れるという問題を解決することができる。
【0037】
また、焼結体を構成する金属の密度が伝熱体Dの密度よりも大きいことにより、陽極14を鉛直方向の上方側に位置させて放電ランプを点灯させた場合には、焼結体Mが陽極14の密閉空間C内において溶融した伝熱体Dの融液中に沈んで陽極14の先端部14Aの付近に位置することになるため、次に説明するような利点がある。
すなわち、放電ランプを点灯させた際には、陰極16に対向する陽極14は、先端部14Aの温度が基端側の温度に比して高いというような温度勾配を持つ。これに伴い、放電ランプの点灯時には、陽極14に形成された密閉空間C内において溶融した伝熱体Dの融液は、基体部20の底部22A側に近付くにつれて次第に高温になっており、底部22Aの付近において気泡が発生し易い状態になっている。よって、焼結体Mは、基体部20の底部22Aの付近に位置している方が気泡を形成するために好ましい。以上から、電子衝突を受ける陽極14を鉛直方向の上方側に配置した放電ランプにおいて、焼結体Mが放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体Dの融液中に沈んで基体部20の底部22Aの付近に位置することになり、これにより、伝熱体Dの突沸を確実に防止することができる。
【0038】
〔第2の実施形態〕
図4は、本発明の放電ランプに係る第2の実施形態の陽極の構成を示す断面図である。同図においては、図2に示す陽極14と共通する部分については図2と同一の符号を付している。図4に示す陽極14は、基体部20の内表面20Aに金属粒子Nが被覆されている。金属粒子Nと伝熱体Dを構成する物質は、上記の組合せ1ないし組合せ4のうちの何れかから選択される。金属粒子Nは、粒径が0.01〜3.0mmの範囲であることが望ましく、例えば1.0mmである。
【0039】
金属粒子Nは、例えば次のような工程を経ることにより、基体部20の内表面20Aに付着している。
(工程1)
平均粒径が1mmであるWの粉末を有機溶剤に混合しペースト状にする工程
(工程2)
直立している基体部20の内部空間22内に工程1で得られたペースト状のWを導入した後に、基体部20を傾斜させた状態で回転させ、基体部20の内表面20Aにペースト状のWを塗布する工程
(工程3)
工程2の後に、ペースト状のWを乾燥させる工程
(工程4)
工程3の後に、基体部20に対して2000℃、4時間の温度条件によって焼成を行い、Wの粒子を基体部20の内表面20Aに付着させる工程
【0040】
図4に示す陽極14は、さらに以下の工程を経ることによって製造される。
(工程5)
工程4の後に、基体部20の内部空間22内に伝熱体Dを導入する工程
(工程6)
工程5の後に、基体部側平坦面23上に蓋部側平坦面43が当接した状態になるよう、基体部20の内部空間22に対し開口21から蓋部40の嵌入部42を嵌入させる工程
(工程7)
工程6の後に、互いに隣接する基体部側フランジ部24および蓋部側フランジ部44の外周縁部分をその全周にわたって溶接することで溶接部Yを形成する工程
【0041】
本発明の放電ランプに係る第2の実施形態によれば、陽極14の密閉空間C内に陽極14を構成する金属よりも融点の低い金属からなる伝熱体Dが封入されているので、放電ランプの点灯時に溶融した伝熱体Dの対流によって、陽極14の先端部14Aの熱を陽極14の後端部方向へ輸送することができるため、陽極14の先端部14Aの温度上昇を抑制することができる。
【0042】
しかも、基体部20の内表面20Aには、金属粒子Nが焼成により付着しており、金属粒子Nの表面には表面積の小さい開口が多数形成されているので、当該金属粒子Nの開口の周囲に小さな気泡が形成されると共に気泡が押し潰されることがない。従って、放電ランプの点灯時において、第1の実施形態に係る陽極14と同様に、大きな気泡が形成される前に伝熱体の融液を沸騰させることにより、溶融した伝熱体の融液が突沸することが防止されるので、急激に体積が膨張した伝熱体が陽極14の蓋部40に叩き付けられることがなくなるために、発光管10が鉛直方向に揺れるという問題を解決することができる。
【0043】
〔実験1〕
以下に本発明の効果を確認するために行った実験1について説明する。実験1では、図1、図2及び図4に示す構成に従い、以下の設計によって実験用ランプを3種類製造した。
<放電ランプ>
発光管1の全長:400mm
封入水銀量:130μl
定格電流:200A
陽極14の全長:72mm
陽極14の外径:30mm
陽極14(基体部20)の先端部の肉厚:4mm
伝熱体D:Zn(亜鉛)
伝熱体Dの重量:48.9g
【0044】
表1において、ランプ1は、陽極14の密閉空間C内に伝熱体Dのみが封入されているもの、ランプ2は、陽極14の密閉空間C内に伝熱体Dと焼結体Mが封入されているもの、ランプ3は、陽極14の基体部20の内表面20Aに金属粒子Nが付着していると共に、密閉空間C内に伝熱体Dが封入されているものである。ランプ2,3においては、焼結体M、金属粒子Nは、それぞれ以下の仕様を有している。
焼結体M:外径5mm、全長8mm、平均粒径1mm
金属粒子N:平均粒径1mm
【0045】
実験1では、ランプ1ないしランプ3をそれぞれ定格電力7000Wで点灯させ、以下のようにして照度変動率を測定した。図5は、照度変動率を測定するための光学系の構成を示す概略図である。同図に示すように、ランプを出た光は回転楕円鏡、平面反射鏡を経て、コリメイトレンズ、中心波長365nmでバンド幅10nmのバンドパスフィルターへ到り、インテグレータレンズを通り、平面反射鏡で反射され、コンデンスレンズを通り、照射面上に到達する。そして、照射面上に開口径が3mmである照度計を固定し、ランプから放射されるi線の放射照度を1秒毎に1時間にわたって測定した。
照度変動率S(%)は、1時間にわたって測定した3600個の照度データのうち、最大照度をXとし、最小照度をYとし、平均照度をAとしたとき、以下の数式1によって表される。表1に、実験1の結果を示す
(数式1) S(%)=100×(X−Y)/A
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すように、従来と同じ陽極の構成を有するランプ1の照度変動率が2.12%であるのに対し、本発明の構成を有するランプ2及びランプ3の照度変動率がそれぞれ0.77%、0.81%であった。従って、本発明の陽極の構成を採用することにより、光照射面における照度変動率を小さくすることができることが確認された。
【0048】
次に、実験2について説明する。実験2では、実験1と同様にして製造した実験用のランプ1ないしランプ3を、それぞれ定格電力7000Wで点灯させ、目視によって陽極14が鉛直方向の上下に揺れるか否かを確認した。表2に実験2の結果を示す。
【0049】
【表2】

【0050】
表2に示すように、従来と同じ陽極の構成を有するランプ1は陽極14が鉛直方向の上下に揺れていたのに対し、本発明の構成を有するランプ2及びランプ3は陽極14が鉛直方向の上下に揺れなかったことが確認された。
【0051】
なお、本発明の電極構造は、陽極を鉛直方向の上方側に配置し、陰極を鉛直方向の下方側に配置する放電ランプ以外にも適用することができる。例えば、鉛直方向の上方側に陰極を配置した場合において、陰極の内部に形成された密閉空間内に伝熱体と焼結体の双方を封入したり、また、陰極の内表面に焼成により金属粒子を付着させることもできる。
【0052】
また、図6に示すように、陽極14の密閉空間C内に伝熱体Dの他に金属粒子の焼結体Mを封入すると共に、基体部20の内表面20Aに焼成により金属粒子Nを付着させることもできる。こうすることにより、小さい気泡を形成するための箇所が増えることになるので、伝熱体の突沸をより確実に防止することができるため、放電ランプの点灯時に発光管が揺れるという問題を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の放電ランプの全体の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態の陽極14の拡大断面図である。
【図3】焼結体Mの拡大断面図を示す。
【図4】本発明に係る第2の実施形態の陽極14の拡大断面図である。
【図5】照度変動率を測定するための光学系の構成を示す概略図である。
【図6】本発明に係る他の実施形態の陽極14の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 発光管
11 発光部
12 封止部
14 陽極
16 陰極
17 電極芯棒
20 基体部
21 開口
22 内部空間
23 基体部側平坦面
24 基体部側フランジ部
25 環状溝
26 基体部側斜面
40 蓋部
41 蓋部本体
42 嵌入部
43 蓋部側平坦面
44 蓋部側フランジ部
46 蓋部側斜面
C 密閉空間
D 伝熱体
M 焼結体
N 金属粒子
Y 溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、
前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は、その内部に形成された密閉空間内に、電極を構成する金属の融点より低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入された放電ランプにおいて、
前記密閉空間内に、前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体が封入されていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
293K(ケルビン)において、前記焼結体を構成する金属の密度が前記伝熱体の密度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記焼結体は、前記伝熱体を構成する金属と反応して合金を形成する金属を除く金属の粒子を焼成して得られることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項4】
0.1MPa(メガパスカル)において、前記焼結体の融点が、前記伝熱体の沸点よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記伝熱体と前記焼結体の組合せが、以下の組合せ1ないし組合せ4のうちの何れかに該当することを特徴とする請求項1〜4に記載の放電ランプ。
(組合せ1)
前記伝熱体がCu(銅)、Zn(亜鉛)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ2)
前記伝熱体がCu(銅)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Re(レニウム)及びMo(モリブデン)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ3)
前記伝熱体がAg(銀)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)、Ta(タンタル)及びRe(レニウム)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
(組合せ4)
前記伝熱体がAg(銀)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びIn(インジウム)のうち何れか一種または二種以上を含む金属であり、前記焼結体がW(タングステン)及びRe(レニウム)のうち何れか一種または二種以上を含む粒子を焼成したものである。
【請求項6】
発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、
前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属よりも融点の低い金属からなる伝熱体が封入された放電ランプにおいて、
前記基体部の内部空間側の面に、焼成により金属粒子が付着していることを特徴とする放電ランプ。
【請求項7】
前記放電ランプは、その管軸が垂直方向に配置して点灯される放電ランプであって、前記一方の電極は鉛直方向の上側に配置されることを特徴とする請求項1〜6に記載の放電ランプ。
【請求項8】
発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、
少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属の融点よりも低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入された放電ランプの製造方法において、少なくとも以下の工程を備えたことを特徴とする。
(工程1)
前記基体部に対し前記伝熱体を導入する工程
(工程2)
前記基体部に対し、前記伝熱体とは別体の金属粒子の焼結体を導入する工程
(工程3)
前記工程1及び工程2の後に、前記基体部の内部空間内に前記蓋部を嵌入する工程
(工程4)
前記工程3の後に、前記基体部と前記蓋部とを溶接する工程
【請求項9】
発光管の内部に一対の電極が対向して配置され、
少なくとも一方の電極は、基端側に開口を有する有底筒状の基体部と、この基体部の内部空間内に嵌入される蓋部とにより形成される密閉空間内に、前記基体部を構成する金属の融点よりも低い融点を有する金属よりなる伝熱体が封入された放電ランプの製造方法において、少なくとも以下の工程を備えたことを特徴とする。
(工程1)
前記基体部の内表面に対し、ペースト状にした金属粒子を塗布する工程
(工程2)
前記ペースト状の金属粒子に対し焼成を行う工程
(工程3)
前記工程2の後に、前記基体部に対し前記伝熱体を導入する工程
(工程4)
前記工程3の後に、前記基体部の内部空間内に前記蓋部を嵌入する工程
(工程5)
前記工程4の後に、前記基体部と前記蓋部とを溶接する工程

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−152047(P2009−152047A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328693(P2007−328693)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】