説明

放電制御装置及び放電制御方法

【課題】複数のバッテリモジュールから放電する際に、電力の供給を途絶えさせること無く、電力を放電するバッテリモジュールを切り替えることが可能な、放電制御装置を提供する。
【解決手段】二次電池を備える2以上のバッテリパックと、前記バッテリパックからの放電を制御する主制御部と、を備え、前記2以上のバッテリパックからは、選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われ、前記主制御部は、放電するバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を停止する切り替え制御を行う、放電制御装置が提供される。これにより、複数のバッテリパックから放電する際に、電力の供給を途絶えさせること無く、電力を放電するバッテリパックを切り替えることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電制御装置及び放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気を蓄えて、蓄えた電気を持ち運んで使用するためのバッテリサーバの開発が現在進められている。このバッテリサーバの基本的な構成については後述するが、例を挙げれば、バッテリサーバには、外部から供給される電力を用いてバッテリを充電する際にそのバッテリの充電を制御するための制御モジュールが含まれる電源ユニットや、バッテリに蓄えられた電力の出力を制御するための制御モジュールが含まれる。
【0003】
そして、バッテリサーバの内部に設けられるバッテリモジュールは、バッテリ容量の増減を動的に行うために、さらに複数のサブバッテリモジュールに分割されている場合がある。これらのサブバッテリモジュールは、ダイオード等を介して並列に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166811号公報
【特許文献2】特開2008−199798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バッテリサーバの内部に1つのバッテリモジュールのみが内蔵されている場合には、そのバッテリモジュールからの放電制御は特段の処理を要しない。一方で、バッテリ容量の増減を動的に行うためには、バッテリモジュールをバッテリサーバの内部に複数台設けられるようにし、しかもそのバッテリモジュールを着脱可能にする必要がある。
【0006】
しかし、例えば、バッテリ容量の増減を動的に行うために、複数のバッテリモジュールからの放電を細かく制御することが出来ないという問題があった。仮に、複数台のバッテリモジュールをバッテリサーバに接続して利用しようとする場合には、ダイオード及び電子スイッチを介して接続することが考えられるが、単純にこのように接続してしまうと、電子スイッチを切り替える際に、バッテリモジュールからの電力の供給が一時的に途絶えてしまうという問題がある。
【0007】
上記特許文献1には、複数のバッテリモジュールが内蔵される発明が記載されているが、この特許文献1に記載された発明ではバッテリモジュールからの放電を同時に行うことはできない。また上記特許文献2には充放電装置の発明が記載されているが、1つのバッテリモジュールからしか放電を行っていない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数のバッテリモジュールから放電する際に、電力の供給を途絶えさせること無く、電力を放電するバッテリモジュールを切り替えることが可能な、新規かつ改良された放電制御装置及び放電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、二次電池を備える2以上のバッテリパックと、前記バッテリパックからの放電を制御する主制御部と、を備え、前記2以上のバッテリパックからは、前記主制御部によって選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるよう制御され、前記主制御部は、選択した一の前記バッテリパックのみから放電されるように放電するバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を停止させる切り替え制御を行う、放電制御装置が提供される。
【0010】
各前記バッテリパックは、前記主制御部からの切り替え制御に基づいて前記二次電池からの放電の停止及び開始を制御する制御部を備えていてもよい。
【0011】
各前記バッテリパックは、前記制御部の制御によって開閉することで前記二次電池からの放電を停止及び開始するための第1のスイッチ及び第2のスイッチを備え、前記第1のスイッチの一側には他のバッテリパックからの電力の流入を防止するダイオードを備えるようにしてもよい。
【0012】
各前記バッテリパックは、前記制御部の制御によって動作を開始または停止することで前記二次電池からの放電を停止及び開始するための第1のDC−DCコンバータ及び第2のDC−DCコンバータを備え、前記第1のDC−DCコンバータの一側には他のバッテリパックからの電力の流入を防止するダイオードを備えるようにしてもよい。
【0013】
前記主制御部は、2以上の前記バッテリパックから同時に放電されるよう制御してもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、二次電池を備える2以上のバッテリパックと、前記バッテリパックからの放電を制御する主制御部と、を備える放電制御装置において、前記2以上のバッテリパックの中から前記主制御部によって選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるよう制御される放電ステップと、選択された一の前記バッテリパックのみから放電されるように放電するバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を前記主制御部が停止させる切り替え制御ステップと、を備える、放電制御方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、二次電池を備える2以上のバッテリパックからの放電を制御する主制御部を備え、前記主制御部は、前記2以上のバッテリパックからは、選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるように制御し、選択した一の前記バッテリパックのみから放電されるように放電する対象となるバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を停止させる切り替え制御を行う、放電制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、複数のバッテリモジュールから放電する際に、電力の供給を途絶えさせること無く、電力を放電するバッテリモジュールを切り替えることが可能な、新規かつ改良された放電制御装置及び放電制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の別の構成例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の動作について示す流れ図である。
【図5】バッテリパック110a、110bに設けられているスイッチSW11、SW12、SW21、SW22の切り替えについて時系列で示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバ200の構成を示す説明図である。
【図7】従来の放電制御装置の一例であるバッテリサーバ1000の構成例を示す説明図である。
【図8】従来の放電制御装置の一例であるバッテリサーバ1000の構成例を示す説明図である。
【図9】従来のバッテリモジュール1020の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.従来の放電制御装置>
<2.本発明の一実施形態>
[2−1.バッテリサーバの構成]
[2−2.バッテリサーバの動作]
<3.まとめ>
【0020】
<1.従来の放電制御装置>
まず、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する前に、従来の放電制御装置の構成例、及び従来の放電制御装置が有する問題点について説明する。
【0021】
図7〜図9は、従来の放電制御装置の一例であるバッテリサーバ1000の構成例を示す説明図である。図7に示したように、従来のバッテリサーバ1000は、AC/DC入力端子1001と、電源ユニット1010と、バッテリモジュール1020と、制御部1030と、汎用DC出力端子1040と、を含んで構成される。
【0022】
AC/DC入力端子1001は、バッテリサーバ1000の外部で生成された電力を入力するための端子である。この電力は、電力会社が発電所で発電したものであってもよく、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電手段や、人力発電などの不安定エネルギーから発電したものであってもよい。AC/DC入力端子1001に入力された電力は電源ユニット1010に送られる。
【0023】
電源ユニット1010は、AC/DC入力端子1001に入力された電力に対して、バッテリモジュール1020へ充電するために、AC−DC変換・整流・昇圧等の処理を施すものである。電源ユニット1010は、図7に示したように、充電制御部1012を含んで構成される。充電制御部1012は、バッテリモジュール1020に対して充電の制御を実行するものである。充電制御部1012が実行する充電の制御は、例えばCCCV充電処理であってもよい。
【0024】
バッテリモジュール1020は、内部に充放電可能な二次電池を備えるモジュールであり、内部に所定量の電力を蓄えることができるものである。なお、図7では1台のバッテリサーバ1000に対して1つのバッテリモジュールを接続しているが、図8に示したように、1台のバッテリサーバ1000に対して複数個のバッテリモジュールを接続するようにしても良い。また、このバッテリモジュール1020は、図9に示したように、複数のサブバッテリモジュール1021a〜1021dに分割されていてもよい。これら複数のサブバッテリモジュール1021a〜1021dは、ダイオードD1〜D4を介してそれぞれ並列に接続される。
【0025】
充電制御部1012は、バッテリモジュール1020の内部に複数のサブバッテリモジュール1021a〜1021dが備えられている場合には、複数のサブバッテリモジュール1021a〜1021dに同時に充電が行われる。もちろん、1つのサブバッテリモジュールに対してのみ充電を行い、1つのサブバッテリモジュールが満充電状態になったら、または所定量まで充電されたら、別のサブバッテリモジュールに対する充電するようにしても良い。
【0026】
制御部1030は、バッテリモジュール1020に蓄えられている電力を、汎用DC出力端子1040から出力するために、MOSFET等からなるスイッチSW1のオン・オフを制御するものである。なお、バッテリモジュール1020に蓄えられている電力を、汎用DC出力端子1040から出力する際には、そのままの電圧で出力させてもよく、所定の電圧(例えば48V)に変換して出力しても良い。
【0027】
汎用DC出力端子1040は、バッテリモジュール1020に蓄えられている電力をバッテリサーバ1000の外部に供給するためのものである。汎用DC出力端子1040にケーブルを接続し、制御部1030に対する所定の操作によってスイッチSW1をオンすると、汎用DC出力端子1040から、バッテリモジュール1020に蓄えられている電力を出力することができる。
【0028】
従来の放電制御装置の一例であるバッテリサーバ1000はこのような構成を有しているが、上述したように、バッテリサーバの内部に1つのバッテリモジュールのみが内蔵されている場合には、そのバッテリモジュールからの放電制御は特段の処理を要しないが、その一方、バッテリ容量の増減を動的に可能にするために複数のバッテリモジュールを接続できるようにすると、これらを複数のバッテリモジュールからの放電を細かく制御することが出来ないという問題があった。
【0029】
仮に、複数台のバッテリモジュールをバッテリサーバに接続して利用しようとする場合には、ダイオード及び電子スイッチを介して接続することが考えられるが、単純にこのように接続してしまうと、電子スイッチを切り替える際に、バッテリモジュールからの電力の供給が一時的に途絶えてしまうという問題がある。
【0030】
そこで、以下で説明する本発明の一実施形態では、複数のバッテリモジュールから送電する際に、電力を途切れさせること無く、放電するバッテリモジュールを切り替えることを可能とするバッテリサーバ及び放電制御方法について説明する。
【0031】
<2.本発明の一実施形態>
[2−1.バッテリサーバの構成]
図1は、本発明の放電制御装置の一例である、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成を示す説明図である。以下、図1を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成について説明する。なお、図1は、説明の便宜上、バッテリパックからの放電制御に関する構成のみを抜き出して図示しており、バッテリサーバ100の構成の詳細については後に詳述する。
【0032】
図1に示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100は、ディスチャージ線107と、情報通信線108と、バッテリパック110a、110bと、を含んで構成される。
【0033】
ディスチャージ線107は、バッテリパック110a、110bに蓄えられている電力を、バッテリサーバ100の外部に放出するための線である。情報通信線108は、バッテリパック110a、110bが通信を実行するための線であり、バッテリパック110a、110bは、情報通信線108を通して送られてくる情報に基づいて内部のスイッチの切り替え動作を実行する。これにより、複数のバッテリモジュールから送電する際に、電力を途切れさせること無く、放電するバッテリモジュールを切り替えることが可能になる。
【0034】
バッテリパック110a、110bは、内部にバッテリモジュールを備えており、電力の蓄電及び放電を可能とするものである。このバッテリパック110a、110bは、バッテリサーバ100に脱着可能に構成されていてもよく、バッテリモジュールの充電が完了すると、バッテリサーバ100から取り外して使用するように構成されていてもよい。図1ではバッテリパックの数は2つ図示しているが、もちろん、本発明においては、バッテリサーバ100に内蔵されるバッテリパックの数は係る例に限定されないことは言うまでもない。
【0035】
図1に示したバッテリサーバ100においては、バッテリパック110a、110bは、それぞれバッテリモジュール112a、112bと、制御部113a、113bと、スイッチSW11、12、21、22と、ダイオードD1と、を含んで構成される。
【0036】
バッテリモジュール112a、112bは、二次電池からなり、制御部113a、113bによってスイッチSW11、12、21、22がオンになると、蓄えた電力を外部に放出することができる。なお、バッテリモジュールは、DC−DCコンバータを介して、所定の電圧に変換されて出力されるように構成されていても良い。つまり、スイッチとバッテリモジュールとの間にDC−DCコンバータを挟むような構成であってもよい。
【0037】
制御部113a、113bは、バッテリモジュール112a、112bに蓄えられている電力をバッテリパック110a、110bの外部に放出するために、スイッチSW11、12、21、22のオン・オフを制御するものである。制御部113a、113bは、情報通信線108を介した通信を実行することができ、情報通信線108を介して行われる通信の結果に基づいて、スイッチSW11、12、21、22のオン・オフを制御する。
【0038】
例えば今、バッテリパック110aから電力が供給されている場合を考える。この場合には、バッテリパック110aのスイッチSW11がオフになり、スイッチSW12がオンになっている。もちろん、バッテリパック110bのスイッチSW21、22は共にオフである。
【0039】
ここで、電力の供給元を、バッテリパック110aから、バッテリパック110bに接続を切り替えようとした場合を考える。この場合には、情報通信線108を介して上位側からバッテリパック110aの制御部113aに指示を出す。上位側からの指示を受け取った制御部113aは、まずスイッチSW11をオンし、続けてスイッチSW12をオフする。
【0040】
スイッチSW11をオンした瞬間、一時的に両方のスイッチSW11、SW12がオンされるが、スイッチSW11を介している側はスイッチSW12を介している側より出力電圧が低いため、バッテリモジュール112aに逆バイアスがかかることはない。また、すぐにスイッチSW12はオフされるので、両方のスイッチSW11、SW12がオンとなっている時間も短い。
【0041】
なお、外部に供給される電力の電圧は、ダイオードD1を通ったことで若干下がるものの、その低下分は後段のコンデンサC1で吸収される。
【0042】
続けて、上位側からバッテリパック110bの制御部113bに指示を出す。指示を受け取った制御部113bは、スイッチSW21をオンする。続けて上位からバッテリパック110aの制御部113aにスイッチSW11をオフにする指示を出す。これにより、バッテリパック110aからの電力供給は停止される。
【0043】
すると、バッテリパック110bから、ダイオードD1を介して電力が出力される。その後、上位から指示を出し、バッテリパック110bのスイッチSW22し、最後にスイッチSW21をオフする。この時にも、バッテリパック110bの内部で両方のスイッチSW21、SW22がオンになっている時間があるが、バッテリモジュール112bに逆バイアスがかかることはない。
【0044】
このようにスイッチを切り替えることで、切り替え時に一旦ダイオードD1による電圧降下があるものの、両方のバッテリモジュール112a、112bがダイレクトに繋がることがない。従って、バッテリモジュール112a、112bに対しては、逆バイアスがかかることによる、劣化、不具合等を防止することが出来る。
【0045】
従って、それぞれのバッテリパック110a、110bが、図1に示すような構成を有することで、電力の供給元を切り替えても、電力の供給を途切れさせることが可能になる。
【0046】
以上、図1を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成の概要について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成について、より詳細に説明する。
【0047】
図2に示したように、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100は、AC/DC入力端子101と、DC入力端子102と、電源ユニット103、104と、電力統合部105と、チャージ線106と、ディスチャージ線107と、情報通信線108と、バッテリパック110a、110bと、主制御部120と、汎用DC出力端子130と、を含んで構成される。
【0048】
AC/DC入力端子101は、バッテリサーバ100の外部で生成された電力を入力するための端子である。この電力は、電力会社が発電所で発電したものであってもよく、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電手段や、人力発電などの不安定エネルギーから発電したものであってもよい。AC/DC入力端子101に入力された電力は電源ユニット103に送られる。なお、ここではACとDCの共用端子であるAC/DC入力端子101を備える構成としているが、ACとDCで別々の端子を設けるようにしても良い。
【0049】
DC入力端子102は、バッテリサーバ100の外部で生成された電力を入力するための端子である。このDC入力端子102に入力される電力は主に太陽光発電、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電手段や、人力発電などの不安定エネルギーから発電された電力である。DC入力端子102に入力された電力は電源ユニット104に送られる。
【0050】
なお、図2に示したバッテリサーバ100では、電力の入力を受けるための端子を2つ有する構成としているが、本発明においては、電力の入力を受けるための端子の数はかかる例に限定されないことは言うまでもない。
【0051】
電源ユニット103は、AC/DC入力端子101に入力された電力に対して、バッテリパック110a、110bへ充電するために、AC−DC変換・整流・昇圧等の処理を施すものである。また、電源ユニット104は、DC入力端子102に入力された電力に対して、バッテリパック110a、110bへ充電するために、整流・昇圧等の処理を施すものである。
【0052】
電源ユニット103、104では、MPPT(Muximum Power Point Tracker)等を介して、最大の電力が取り出された後に、所定の電圧に調整される。
【0053】
電源ユニット103、104で各種処理が施された電力は電力統合部105に出力される。なお、図2に示したバッテリサーバ100では2つの電源ユニット103、104を有する構成としているが、本発明においてはかかる例に限定されず、電力の入力を受けるための端子に応じて電源ユニットが設けられる。
【0054】
電力統合部105は、電源ユニット103、104から出力される電力を統合して、統合した電力を出力するものである。電力統合部105の詳細な構成については後述するが、例えばコンデンサやダイオードを介して、電源ユニット103、104から出力される電力を合成する。電力統合部105で合成された電力は、主制御部120の制御によってバッテリパック110a、110bに供給される。なお、バッテリサーバ100の内部に電源ユニットが1つしかない場合は、電源統合部105は無くても良い。
【0055】
チャージ線106は、電力統合部105で統合されて出力される電力を、バッテリパック110a、110bに供給するための電力線である。ディスチャージ線107は、バッテリパック110a、110bに蓄えられている電力を、汎用DC出力端子130から出力するための電力線である。情報通信線108は、主制御部120と、バッテリパック110a、110bに含まれる制御部113a、113bとの間で情報の通信を実行するための通信線である。
【0056】
バッテリパック110a、110bは、内部にバッテリモジュールを備えており、電力の蓄電及び放電を可能とするものである。このバッテリパック110a、110bは、バッテリサーバ100に脱着可能に構成されていてもよく、バッテリモジュールの充電が完了すると、バッテリサーバ100から取り外して使用するように構成されていてもよい。図2ではバッテリパックの数は2つ図示しているが、もちろん、本発明においては、バッテリサーバ100に内蔵されるバッテリパックの数は係る例に限定されないことは言うまでもない。
【0057】
図2に示したように、バッテリパック110a、110bは、それぞれ充電制御部111a、111bと、バッテリモジュール112a、112bと、制御部113a、113bと、スイッチSW1、SW2と、ダイオードD1と、を含んで構成される。
【0058】
充電制御部111a、111bは、電力統合部105からチャージ線106を通じて供給される電力を受け取り、バッテリモジュール112a、112bへ電力を供給することで、バッテリモジュール112a、112bの充電を制御するものである。
【0059】
バッテリモジュール112a、112bは、二次電池からなり、充電制御部111a、111bから供給される電力を蓄えることができ、また制御部113a、113bによってスイッチSW1、SW2がオンになると、蓄えた電力を外部に放出することができる。ここで、バッテリモジュール112a、112bは、必要に応じて複数のサブバッテリモジュールに分割されていても良い。また、使用されるバッテリとしては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等、一般の二次電池(バッテリセル)のいずれでも良い。また、バッテリモジュール、サブバッテリモジュールの構成は、各バッテリセルを複数直列・並列に繋げた、いずれの構成でもかまわない。
【0060】
制御部113a、113bは、バッテリモジュール112a、112bに蓄えられている電力をバッテリパック110a、110bの外部に放出するために、スイッチSW1、SW2のオン・オフを制御するものである。制御部113a、113bは、主制御部120との間で通信を実行することができ、主制御部120との間で行われる通信の結果に基づいて、スイッチSW1、SW2のオン・オフを制御する。
【0061】
主制御部120は、バッテリサーバ100の動作を制御するものである。具体的には、主制御部120は、電力統合部105に入力される電力を常時モニタしている。電力統合部105に入力される電力をモニタするには、主制御部120は、コンデンサの電圧、ダイオードを流れる電流量を計測する。これにより、主制御部120は、電力統合部105に入力される電力量を算出している。もちろん、主制御部120は、計測されるパラメーをA/D変換し、デジタル値として得られたパラメータを用いて電力量を計算するようにしてもよい。
【0062】
そして、主制御部120は、入力された全電力を各バッテリパック110a、110bに供給する。具体的は、例えば、電力統合部105に入力される電力をモニタした結果、300Wの電力が得られているとするなら、バッテリパック110aには200W、バッテリパック110bに95Wを供給すると決定し、主制御部120は、情報通信線108を介して各バッテリパック110a、110bへ指示する。この指示を受信した各バッテリパック110a、110bは、自分へ割り当てられた分の電力を吸収し、内部のバッテリモジュール112a、112bに充電する。
【0063】
この時、供給できる総電力より、若干少なめ(例えば、電力統合部105に入力された全電力の90%〜95%程度)に指示を与えることが重要である。これは、電力量を大きくすると、負荷が重くなって、却って電力不足を生じるからである。ところで、電源ユニット103、104の出力電圧は、完全に一致していないと不都合が生じる。つまり、高い電圧の電源ユニットからしか電力が受け取れないと考えられるからである。しかし、現実には、電源ユニット103、104の出力電圧を完全に同一にすることは難しい。ところが、例えば電源ユニット103の出力電圧が電源ユニット104の出力電圧より若干高くても、合わせて295Wの電力を吸い取ろうとする関係で、両方の電源ユニットの出力を一致させることができる。つまり、最初は高い方の電圧側から電力が消費されるが、高い方の電源ユニットの出力以上の電力を取り出そうとすると、次第に高い方の電圧が低下し、結局、2つの電源ユニット103、104の出力電圧は同じになり、最終的には2つの電源ユニットからの合成電力が出力されると考えられるからである。つまり、ある程度同一の出力になるように電源ユニット103、104を設計すれば、電力統合部105で2つの電力を合成することが出来ると考えられる。
【0064】
汎用DC出力端子130は、バッテリパック110a、110bに蓄えられている電力を、バッテリサーバ100の外部に出力するための端子である。本実施形態にかかるバッテリサーバ100では、電力をバッテリサーバ100の外部に出力するための端子としてDC出力を可能にする端子を備えているが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。
【0065】
次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の他の構成例及び動作例について説明する。図3は、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の他の構成例を示す説明図である。図3に示したバッテリサーバ100は、図2に示したバッテリサーバ100と比較すると、バッテリパック110a、110bの制御部113に、バッテリパック110a、110bへ流れる電流量や電圧量をモニタするA/D変換器114a、114b及びバッテリパック110a、110bへ供給される電力量を主制御部120にフィードバックするフィードバック回路115a、115bが設けられている点で相違する。
【0066】
図3に示したバッテリサーバ100は、バッテリパック110a、110bの充電に際して、主制御部120からバッテリパック110a、110bに対して充電比率を指定する。ここで、図3のように2つのバッテリパック110a、110bがバッテリサーバ100に繋がっている状態において、バッテリサーバ100の外部で発電がなされ、電力がバッテリパック100に供給されたとする。バッテリパック110a、110bは、主制御部120から指定された充電比率に応じて充電を開始する。例えば、主制御部120がバッテリパック110a、110bの充電比率を2:1に指定し、300Wの発電がされてバッテリサーバ100へ供給されると、バッテリパック110a、110bは、その発電された電力から少しずつ電力を取り出して充電を開始する。バッテリパック110a、110bは、同期を取って、電力統合部105から電力を取り出すタイミングを切り替える。
【0067】
また主制御部120は、バッテリパック110a、110bに対して、充電時の電力の増加量を指定する。例えば、主制御部120は、バッテリパック110aに対しては20Wずつ、バッテリパック110bに対しては10Wずつ増加させるというように決定することができる。
【0068】
そして、300Wの発電がされている状態において、バッテリパック110aの電力が200W、バッテリパック110bの電力が100Wに達すると(この状態を「定常状態」とも称する)、主制御部120は、バッテリパック110a、110bの充電を自立調整モードに移行させる。例えば、バッテリパック110a、110bが発電量を上回って充電しようとすると、電力統合部105からの供給電圧が低下する。供給電圧の低下は制御部113a、113bがA/D変換器114a、114bによって検出し、フィードバック回路115a、115bによってフィードバックをかけて調整する。
【0069】
すなわち、起動から定常状態までは同期を取りながら電力量を上げて行き、電力統合部105からの供給電圧の想定量を上回ったところで、バッテリパック110a、110bを自立的に動作させる。電力統合部105の想定電圧は予め決められており、その想定電圧の出力が常になされているものとする。そして発電電力以上の負荷がかかると、電力統合部105の出力電圧が低下していくので、それを制御部113a、113bで検出し、電力統合部105の出力電圧に合わせるように、各バッテリパックが電流量を調整する。
【0070】
別の例を挙げる。例えば、バッテリサーバ100がバッテリパック110aのみを充電していた場合に、バッテリパック110bをバッテリサーバ100に追加し、バッテリパック110bの充電も行う場合を考える。発電量は300Wであり、バッテリパック110aは既に200Wの電力を受け取っているとする。すると、バッテリパック110a、110bの充電比率が2:1であるなら、主制御部120は、バッテリパック110bが100Wになるまで充電させる。例えば、主制御部120は、バッテリパック110aが現在消費している電力を通信で確認するか、センサを用いて検出し、充電比率に応じてバッテリパック110bの吸収電力値をバッテリパック110bへ指示する。
【0071】
そして、バッテリパック110bに100Wまで負荷をかけても問題ない場合は、主制御部120は、バッテリパック110a、110bが自立的に電力調整を行う自立調整モードに移行させる。一方、100Wの負荷をかける前に電力統合部105の電位が下がってきた場合は、主制御部120はバッテリパック110aの負荷を下げさせる。例えば、バッテリパック110bに90Wをかけた時点で電力統合部105の電位が下がってきた場合は、主制御部120は、バッテリパック110aの負荷を180Wに変更させる。その後は、予め決定した充電比率でバッテリパック110a、110bが自立的に電力を調整させるようにする。
【0072】
バッテリパックの充電比率は、一旦決定した後に変更できるようにしてもよい。例えばバッテリパック110a、110bの充電比率が2:1と決められ、その比率でバッテリパック110a、110bの電力が定常状態にある場合に、充電比率が1:1に変更することができる。このときは、一旦、高い方のバッテリパックの吸収電力を低い方に合わせる。つまり、両方のバッテリパックの吸収電力を100Wにします。そして、その後は両方のバッテリパックの電力を、同期を取って上げていくことで、150Wずつ供給することができる。
【0073】
次に、バッテリサーバ100に供給される電力の変動が生じた場合を考える。例えば、太陽光発電によって得られる電力の供給を受けている際に、太陽光の変動が生じたような場合である。より晴れ、より多くの電力が生成できた場合、各バッテリパックは、自動的に吸収電力を上げていく。そして、電力統合部105の出力電圧をそれぞれのバッテリパックの制御部113a、113bがモニタし、電力を調整する。同様に、曇って太陽光発電による発生電力が減ってしまう場合も、同様にバッテリパックの制御部113a、113bがモニタし、電力を調整する。
【0074】
また、主制御部120は、上述した充電比率の指定に替えて、充電するバッテリパックの優先順位を決定するようにしても良い。例えば主制御部120は、バッテリパック110a、110bの順に充電するように優先順位を決定しても良い。このような場合に、第1位の優先順位を有するバッテリパック110aを最大速度で充電しても、更に電力が余っているときは、主制御部120は、次の優先順位を有するバッテリパック110bに電力を供給することを許可する。
【0075】
主制御部120は、バッテリパック110a、110bの順に充電するように優先順位を決定した場合に、第1位の優先順位を有するバッテリパック110aと通信し、最大速度で充電開始したかモニタする。最大速度でバッテリパック110aが充電開始し、さらに電圧が余っている状態になった時点で、主制御部120は優先順位が次の順位であるバッテリパック110bに充電開始許可を行う。もし、電圧が低下し始めたら、主制御部120はバッテリパック110bの吸収電力を低下させる。それでも足りなくなった場合には、主制御部120はバッテリパックの吸収電力を次々に0にして、優先度の高いバッテリパックから先に充電させることが出来る。
【0076】
以上、図2及び図3を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の動作について説明する。
【0077】
[2−2.バッテリサーバの動作]
図4は、本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の動作について示す流れ図であり、バッテリサーバ100の電力の供給元を、バッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替える際の動作を示す流れ図である。以下、図4を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の動作について説明する。
【0078】
何らかのタイミングで(例えば、蓄電量が低下した等の理由で)主制御部120が、電力供給元をバッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替えることを決定する(ステップS101)。
【0079】
上記ステップS101で、主制御部120が、電力供給元をバッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替えることを決定すると、主制御部120は、バッテリパック110a、110bに対して、情報通信線108を通じてスイッチの切り替えを順次指示する(ステップS102)。
【0080】
上記ステップS102で、主制御部120は、バッテリパック110a、110bに対して、情報通信線108を通じてスイッチの切り替えを順次指示すると、バッテリパック110a、110bは、主制御部120からの指示に基づいて、スイッチSW11、SW12、SW21、SW22の切り替えを順次実行する(ステップS103)。
【0081】
図5は、バッテリパック110a、110bに設けられているスイッチSW11、SW12、SW21、SW22の切り替えについて時系列で示す説明図である。図中の「○」はそのスイッチがオンになっていることを、「×」はそのスイッチがオフになっていることを示す。
【0082】
まず、バッテリパック110aのスイッチSW12のみがオンとなっている。これは、バッテリパック110aのみから電力が供給されている状態を示している。
【0083】
この状態で、主制御部120が、電力供給元をバッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替えることを決定する。すると、主制御部120は、まずバッテリパック110aのスイッチSW11をオンにするようバッテリパック110aに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110aは、オフになっているスイッチSW11をオンにする。
【0084】
続いて、主制御部120は、バッテリパック110aのスイッチSW12をオフにするようバッテリパック110aに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110aは、オンになっているスイッチSW12をオフにする。
【0085】
続いて、主制御部120は、バッテリパック110bのスイッチSW21をオンにするようバッテリパック110bに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110bは、オフになっているスイッチSW21をオンにする。
【0086】
続いて、主制御部120は、バッテリパック110aのスイッチSW11をオフにするようバッテリパック110aに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110aは、オンになっているスイッチSW11をオフにする。ここで、バッテリパック110aからの電力供給は途絶えることになる。しかし、バッテリパック110bのスイッチSW21がオンになっているので、バッテリパック110bからは電力が供給されている。従って、電力供給元をバッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替えても、切り替えの際に電力の供給が途絶えることはない。
【0087】
なお、必要に応じて2つ以上のバッテリパックからの給電が必要な場合には、このような互いにダイオードを介して出力を出す状態を用いる。互いにダイオードを介して出力を出すことで、他のバッテリパックからの逆バイアスが悪影響を及ぼしてバッテリパック内のバッテリモジュールを劣化させることを避けることが出来る。
【0088】
続いて、主制御部120は、バッテリパック110bのスイッチSW22をオンにするようバッテリパック110bに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110bは、オフになっているスイッチSW22をオンにする。
【0089】
最後に、主制御部120は、バッテリパック110bのスイッチSW21をオフにするようバッテリパック110aに対して指示する。指示を受けたバッテリパック110bは、オンになっているスイッチSW21をオフにする。
【0090】
このように、スイッチSW11、SW12、SW21、SW22のスイッチング動作を制御することで、主制御部120は、バッテリパック110a、110bからの電力の供給を途切れさせることなく、電力の供給元をバッテリパック110aからバッテリパック110bへ切り替えることができる。
【0091】
以上、図4及び図5を用いて本発明の一実施形態にかかるバッテリサーバ100の動作について説明した。次に、本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバの構成について説明する。
【0092】
[2−3.バッテリサーバの変形例]
図6は、本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバ200の構成を示す説明図である。以下、図6を用いて本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバ200の構成について説明する。
【0093】
図6に示したように、本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバ200は、ディスチャージ線207と、情報通信線208と、バッテリパック210a、210bと、を含んで構成される。
【0094】
そして、図6に示したバッテリサーバ200においては、バッテリパック210a、210bは、それぞれバッテリモジュール212a、212bと、制御部213a、213bと、DC−DCコンバータ221a、221b、222a、222bと、ダイオードD1と、を含んで構成される。
【0095】
DC−DCコンバータ221a、221b、222a、222bは、スイッチ機能を有するDC−DCコンバータである。DC−DCコンバータ221a、221b、222a、222bは、制御部213a、213bからの指示で出力がオン・オフ出来る特徴を持つ。
【0096】
まず、バッテリパック210aのみから電力が供給されている状態を考える。この状態においては、DC−DCコンバータ222aのみがオンになっている。次に、制御部213aの制御により、DC−DCコンバータ221aをオンにし、次に、DC−DCコンバータ222aをオフする。この時、DC−DCコンバータ221aの出力電圧をダイオードD1の出力低下分だけ上昇させておいても良い。もちろん、DC−DCコンバータ222aをオフした後で出力電圧を上昇させるか、初めから出力電圧を上昇させるかは、どちらでも良い。
【0097】
続けて、制御部213bの制御により、DC−DCコンバータ221bをオンし、制御部213aの制御により、DC−DCコンバータ221aをオフにする。さらに制御部213bの制御により、DC−DCコンバータ222bをオンにして、最後にDC−DCコンバータ221bをオフにする。
【0098】
以上で、最終的に電力供給元がバッテリパック210aから210bに切り替わる。
【0099】
この変形例の利点は、ダイオードD1による電圧低下と、電子スイッチによる発熱(MOS−FETに流れる電流で発熱する)がない点である。一方で、回路が大きくなるので、DC−DCコンバータ221a、221b側を取り除き、その代わりに、切り替え時は同時に2つのDC−DCコンバータ222a、222bをオンし、その後、切断する側のDC−DCコンバータをオフするようにしてもよい。これにより、ダイオードD1による電圧低下も生じず、回路規模も小さくすることができる。また、両方のDC−DCコンバータ222a、222bが同時にオンされても、バッテリモジュール212a、212bに逆バイアスがかかることがないため、電池を劣化させることがない。しかも、出力には連続性があるため、電圧変動がない。
【0100】
以上、図6を用いて本発明の一実施形態の変形例にかかるバッテリサーバ200の構成について説明した。
【0101】
<3.まとめ>
以上説明したように本発明の一実施形態によれば、バッテリサーバ100の内部に複数のバッテリパックが設けられ、その複数のバッテリパックの中の1つのバッテリパックから電力が供給されるような場合に、電力供給元となるバッテリパックを切り替えても、電力の供給が途絶えることなく、電力を連続して供給し続けることができる。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0103】
100、200 バッテリサーバ
101 AC/DC入力端子
102 DC入力端子
103、104 電源ユニット
105 電力統合部
106、206 チャージ線
107、207 ディスチャージ線
108、208 情報通信線
110a、110b、210a、210b バッテリパック
111a、111b 充電制御部
112a、112b、212a、212b バッテリモジュール
113a、113b、213a、213b 制御部
120 主制御部
130 汎用DC出力端子
221a、221b、222a、222b DC−DCコンバータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を備える2以上のバッテリパックと、
前記バッテリパックからの放電を制御する主制御部と、
を備え、
前記2以上のバッテリパックからは、前記主制御部によって選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるよう制御され、
前記主制御部は、選択した一の前記バッテリパックのみから放電されるようにバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を停止させる切り替え制御を行う、放電制御装置。
【請求項2】
各前記バッテリパックは、前記主制御部からの切り替え制御に基づいて前記二次電池からの放電の停止及び開始を制御する制御部を備える、請求項1に記載の放電制御装置。
【請求項3】
各前記バッテリパックは、前記制御部の制御によって開閉することで前記二次電池からの放電を停止及び開始するための第1のスイッチ及び第2のスイッチを備え、
前記第1のスイッチの一側には他のバッテリパックからの電力の流入を防止するダイオードを備える、請求項2に記載の放電制御装置。
【請求項4】
各前記バッテリパックは、前記制御部の制御によって動作を開始または停止することで前記二次電池からの放電を停止及び開始するための第1のDC−DCコンバータ及び第2のDC−DCコンバータを備え、
前記第1のDC−DCコンバータの一側には他のバッテリパックからの電力の流入を防止するダイオードを備える、請求項2に記載の放電制御装置。
【請求項5】
前記主制御部は、2以上の前記バッテリパックから同時に放電されるよう制御する、請求項1に記載の放電制御装置。
【請求項6】
二次電池を備える2以上のバッテリパックと、
前記バッテリパックからの放電を制御する主制御部と、
を備える放電制御装置において、
前記2以上のバッテリパックの中から前記主制御部によって選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるよう制御される放電ステップと、
選択された一の前記バッテリパックのみから放電されるように放電するバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を前記主制御部が停止させる切り替え制御ステップと、
を備える、放電制御方法。
【請求項7】
二次電池を備える2以上のバッテリパックからの放電を制御する主制御部を備え、
前記主制御部は、前記2以上のバッテリパックからは、選択された少なくとも一つのバッテリパックから放電が行われるように制御し、選択した一の前記バッテリパックのみから放電されるように放電する対象となるバッテリパックを切り替える際に、切り替え先のバッテリパックから放電させた後に切り替え元のバッテリパックからの放電を停止させる切り替え制御を行う、放電制御装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−135179(P2012−135179A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287548(P2010−287548)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】