説明

放電生成物発生装置

【課題】本発明は放電生成物発生装置に関するもので、放電生成物発生装置の組立作業性の更なる向上ができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケース1は、本体ケース1の前面側である略椀形状の前面ケース部3と、本体ケース1の背面側である略椀形状の背面ケース部4と、略筒形状である上部ケース部5とから形成し、前面ケース部3に放電生成物発生手段2を装着し、前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とを合わせると縦長箱形状となり、上部ケース部5の一方側開口から内方へ前面ケース部3と背面ケース部4の上部を挿入すると上部ケース部5の内面に前面ケース部3と背面ケース部4の上部の少なくとも一部が沿う構成とし、上部ケース部5と前面ケース部3または背面ケース部4の少なくとも一方と固定する第1の固定手段21を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧を印加することにより放電生成物を生成し、除菌や脱臭を行なう放電生成物発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の放電生成物発生装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吹出口と吸込口とを設けた本体ケースと、この本体ケース内の吸込口から吹出口への風路に、放電生成物発生手段とを備えた構成となっていた。
【0004】
(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−033304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、放電生成物発生装置の組立作業性の更なる向上ということであった。
【0007】
すなわち、従来の物においては、本体ケースは、上面が開口した縦長箱形状であるため、本体ケース内に装着する部品を手で掴んで挿入し、その部品を手で支えながら本体ケースの底から順次固定する組立作業は、本体ケースの水平断面積が手の握りこぶしより小さくなると、困難な作業であった。
【0008】
そこで、まず、本体ケース内に装着する複数の部品を一つのユニットに組立て、次に、そのユニットを上面が開口した縦長箱形状の本体ケースに上方から挿入し、最後に、挿入したユニットを本体ケースに固定して組立てるものであった。
【0009】
これにより、本体ケースの水平断面積が手の握りこぶしより小さくても容易に組立てられるが、本体ケース内に複数の部品を順次固定しながら組み立てられず、複数の部品を一つのユニットに組立てる作業に加え、更に、縦長のユニットを縦長の本体ケース内に挿入し固定する作業が発生するので、組み立て工数は増加するものであった。
【0010】
そこで本発明は、放電生成物発生装置の組立作業性の更なる向上を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた放電生成物発生手段から構成し、前記本体ケースは、前記本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、前記本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成し、前記前面ケース部に前記放電生成物発生手段を装着し、前記前面ケース部の端部と前記背面ケース部の端部とを合わせると縦長箱形状となり、前記上部ケース部の一方側開口から内方へ前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部を挿入すると前記上部ケース部の内面に前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部の少なくとも一部が沿う構成とし、前記上部ケース部と前記前面ケース部または前記背面ケース部の少なくとも一方と固定する第1の固定手段を備えた構成であり、これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた放電生成物発生手段から構成し、前記本体ケースは、前記本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、前記本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成し、前記前面ケース部に前記放電生成物発生手段を装着し、前記前面ケース部の端部と前記背面ケース部の端部とを合わせると縦長箱形状となり、前記上部ケース部の一方側開口から内方へ前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部を挿入すると前記上部ケース部の内面に前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部の少なくとも一部が沿う構成とし、前記上部ケース部と前記前面ケース部または前記背面ケース部の少なくとも一方と固定する第1の固定手段を備えた構成であり、放電生成物発生装置の組立作業性の更なる向上を目的とするものである。
【0013】
すなわち、本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成しているので、組立て作業は、まず、前面ケース部に放電生成物発生手段の複数の部品を装着し、次に、前面ケース部と背面ケース部とを合わせ縦長略箱形状とし、最後に、上部ケース部の一方側開口から内方へ前面ケース部と背面ケース部の上部を挿入し、上部ケース部と前面ケース部または背面ケース部の少なくとも一方と固定するものである。
【0014】
つまり、前面ケース部は、本体ケースの前面側である略椀形状であり、前面ケース部内に複数の部品を順次直接固定しながら組み立てられるので、本体ケースの水平断面積が手の握りこぶしより小さくても容易に組立てられると共に、組み立て工数を低減できる。
【0015】
これらの結果により、放電生成物発生装置の組立作業性の更なる向上ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1の放電生成物装置の概略図
【図2】同放電生成物装置の概略断面を示す図
【図3】同放電生成物装置の前面ケース部の斜視図
【図4】同放電生成物装置の背面ケース部の斜視図
【図5】同放電生成物装置の上部ケース部の概略断面を示す図
【図6】同放電生成物装置の斜視図
【図7】同放電生成物装置の放電生成物発生手段の斜視図
【図8】同放電生成物装置の放電生成物発生手段の斜視図
【図9】同放電生成物装置の概略断面を示す図
【図10】同放電生成物装置の送風手段の斜視図
【図11】同放電生成物装置の第1の支持部の斜視図
【図12】同放電生成物装置の第2の支持部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1、図2に示すように、本実施形態の放電生成物発生装置は、略円柱箱形状の本体ケース1内に放電生成物発生手段2を有している。この本体ケース1は、本体ケース1の前面側である略椀形状の前面ケース部3と、本体ケース1の背面側である略椀形状の背面ケース部4と、筒形状である上部ケース部5とから形成している。
【0019】
前面ケース部3は、図3に示すように、縦長略円筒形状を垂直面で割った一方側である前面ケース側面部6と、この前面ケース側面部6の下端部から水平内方向に伸びた略半円板形状の前面ケース底面部7と、前面ケース側面部6の上端部から水平内方向に伸びた円板形状の前面ケース上面部8とから形成している。前面ケース側面部6の下部の両端部には、両端部から本体ケース1の背面側へ伸びた凸部16を有し、この凸部16は、後述する凹部18に嵌るものである。前面ケース底面部7の先端には、下方に伸びた爪部17を備え、この爪部17は、後述する孔部19に嵌るものである。前面ケース上面部8には、開口である排気口13を備えている。前面ケース側面部6の上部外周面には、外方へ突出した突起である第1の仮固定部58を有する。なお、前面ケース上面部8は、前面ケース側面部6に着脱自在な構成でも良い。
【0020】
背面ケース部4は、図4に示すように、縦長略円筒形状を垂直面で割った他方側である背面ケース側面部9と、この背面ケース側面部9の下端部から水平内方向に伸びた略半円板形状の背面ケース底面部10とから形成している。背面ケース側面部9の上部には、開口である吸気口14を備え、この吸気口14の外方には、着脱自在なフィルター部15を設けている。背面ケース側面部9の下部の両端部には、両端部から本体ケース1の背面側へ窪んだ凹部18を有し、この凹部18は、前面ケース側面部6の凸部16が嵌るものである。背面ケース底面部10の先端側には、孔部19を備え、この孔部19の上方から前面ケース底面部7の爪部17が嵌るものである。背面ケース部4の上部には、内方へ窪み、上下方向に伸びた溝部59を有する。
【0021】
上部ケース部5は、図5に示すように、円筒形状の上部ケース円筒部11と、この上部ケース円筒部11の上端部から内方へ伸びたリング形状の上部ケースリング部12とから形成している。この上部ケース円筒部11の内面は、上方側開口から下方側開口へ向けて開口面積が次第に広がる拡大部20を備えている。上部ケース部5の下部内周面には、内方へ突出した突起である第2の仮固定部60を有する。上部ケース部5の下端側の開口から内方へ、前面ケース部3と背面ケース部4の上部を挿入すると、この拡大部20は、前面ケース部3の上部外面に設けた前面ケース当接部26と、背面ケース部4の上部外面に設けた背面ケース当接部27に沿うものである。
【0022】
上記構成における組立作業について説明する。まず、前面ケース部3に放電生成物発生手段2を装着する。放電生成物発生手段2は、後述する複数の部品からなり、これらの部品を順次、直接、前面ケース部3に固定する。
【0023】
次に、放電生成物発生手段2を装着した前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とを合わせる。ここで、前面ケース部3の爪部17が、背面ケース部4の孔部19の上方から嵌ると共に、前面ケース部3の凸部16が、背面ケース部4の凹部18に嵌るように、前面ケース部3前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とを合わせ略円柱状の縦長箱形状とする。
【0024】
また、上部ケース部5の下端側の開口から内方へ、前面ケース部3と背面ケース部4の上部を挿入する。ここで、上部ケース部5の後述するねじボス部22を、背面ケース部4の上部の溝部59に合わせながら上部ケース部5の内面に前面ケース部3と背面ケース部4の上部の少なくとも一部が沿うまで挿入する。この状態で、上部ケース部5を回転させると、前面ケース側面部6の上部外周面の突起である第1の仮固定部58の下面に、上部ケース部5の下部内周面の突起である第2の仮固定部60の上面が接触し、上部ケース部5が前面ケース側面部6および背面ケース部4に仮止め状態となる。
【0025】
最後に、図6に示すように、仮止め状態となった上部ケース部5と背面ケース部4とを第1の固定手段21によって固定する。この第1の固定手段21は、図4、5に示すように、上部ケース部5の内面下部に設けたねじを固定する下に開口した孔を有するねじボス部22と、このねじボス部22の下面に位置すると共に背面ケース部4の背面ケース側面部9の上部内面から外方へ伸びた水平面である固定板部23と、ねじ25とからなる。この固定板部23は、切欠部24を有するとともに、背面ケース側面部9の吸気口14と、着脱自在なフィルター部15との間に位置するものである。
【0026】
上部ケース部5へ、前面ケース部3と背面ケース部4の上部を挿入し、上部ケース部5のねじボス部22と、背面ケース側面部9の固定板部23とを合わせ、下から上方向へ向けてねじ25を固定板部23の切欠部24を介してねじボス部22に固定することにより、上部ケース円筒部11の内面が、前面ケース部3の前面ケース当接部26と、背面ケース部4の背面ケース当接部27とに接触した状態で固定される。
【0027】
すなわち、本体ケース1の前面側である略椀形状の前面ケース部3と、本体ケース1の背面側である略椀形状の背面ケース部4と、略筒形状である上部ケース部5とから形成しているので、組立て作業は、まず、前面ケース部3に放電生成物発生手段2の複数の部品を装着し、次に、前面ケース部3と背面ケース部4とを合わせ縦長略箱形状とし、最後に、上部ケース部5の一方側開口から内方へ前面ケース部3と背面ケース部4の上部を挿入し、上部ケース部5と前面ケース部3と固定するものである。
【0028】
つまり、前面ケース部3は、本体ケース1の前面側である略椀形状であり、前面ケース部3内に複数の部品を順次直接固定しながら組み立てられるので、本体ケース1の水平断面積が手の握りこぶしより小さくても容易に組立てられると共に、組み立て工数を低減できる。
【0029】
これらの結果により、放電生成物装置の組立作業性の更なる向上ができるものである。
【0030】
また、図5に示すように、上部ケース部5は、他方側開口から一方側開口へ向けて開口面積が次第に広がると共に、前面ケース部3と背面ケース部4の上部の少なくとも一部に沿う拡大部20を備えたものである。これにより、前面ケース部3と背面ケース部4とが前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とを合わせ、上部ケース部5に挿入すると、前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とが接触する方向へ力が働くので、前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部との間に隙間ができるのを抑制できる。
【0031】
また、図6に示すように、吸気口には着脱自在なフィルター部15を設け、このフィルター部15の本体ケース1における内方側に第1の固定手段を設けたものである。これにより、第1の固定手段のねじ25が、フィルター部15の内方側に位置するので、ねじ25が見え難くデザイン性が向上する。
【0032】
また、放電生成物発生手段2は、図2に示すように、放電生成物発生部28と、この放電生成物発生部28を制御する回路部29と、本体ケース1の吸気口14から排気口13へ送風する送風手段30とから構成している。
【0033】
放電生成物発生部28は、図9に示すように、本体ケース1内の上部には、放電生成物発生部28と送風手段30とを設け、本体ケース1内の下部には、回路部29を備えている。
【0034】
ここで、放電生成物発生部28について説明すると、図7、8に示すように、この放電生成物発生部28は、放電電極54と、この放電電極54に対向して配置された対向電極55とを有している。この放電電極54を冷却する冷却部として配置したペルチェ素子56を備えている。回路部29は、これらの対向電極55と放電電極54間に高電圧(この実施形態では−5KV)を印加するものである。
【0035】
ペルチェ素子56は0.75V〜2.8V程度の電圧を印加するものであり、この実施形態では、放電電極54側を低温にする。この放電電極54部分で冷却されることで、結露すると、放電生成物である帯電微粒子水が発生することになる。この帯電微粒子水中のヒドロキシルラジカルが臭いと反応し、それを酸化させることで、臭いを分解することができるのである。
【0036】
ヒドロキシルラジカルはヒドロキシ基(水酸基)に反応するラジカルであり、このラジカルは通常2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかないので、電気的に非常に不安定で、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするために、酸化力が非常に強いものであり、この酸化作用により臭いが分解、除去されるのである。
【0037】
放電生成物発生部28は、図9に示すように、第1の支持部31に固定され、送風手段30は、第1の支持部31に仮固定され、回路部29は、第2の支持部32に固定される。
【0038】
送風手段30は、図10に示すように、スクロール形状のケーシング部35と、このケーシング部35に固定された電動機36と、この電動機36によって回転する羽根37とから形成している。ケーシング部35は、側面側には吸込口38を有し、天面の一方側には上方へ開口した吐出口39を備え、天面の他端側には本体ケース1における前面側上方、つまり斜め上方向に伸びた第1の突出部40を設け、底面の一方側には本体ケース1における背面側下方、つまり斜め下方向へ伸びた第2の突出部41を有している。
【0039】
第1の支持部31は、図11に示すように、水平方向に位置する円板形状の第1の円板部33と、この第1の円板部33の下面から下方、垂直方向に伸びた略四角板形状の第1の四角板部34と、この第1の四角板部34に設けた第1のケーシング支持部42と第2のケーシング支持部43とから構成している。第1のケーシング支持部42は、第1の四角板部34の上部一端側に位置すると共に、本体ケース1における背面側下方、つまり斜め下方向へ開口した椀形状である。第2のケーシング支持部43は、第1の四角板部34の下部他端側に位置すると共に、本体ケース1における前面側上方、つまり斜め上方向と、本体ケース1における右側面方向とへ開口した椀形状である。第1のケーシング支持部42は、送風手段30の第1の突出部40に斜め下方向から嵌り、第2のケーシング支持部43は、送風手段30の第2の突出部41に本体ケース1における右側面方向から嵌る形状である。
【0040】
第2の支持部32は、図12に示すように、水平方向に位置する円板形状の第2の円板部44と、この第2の円板部44の上面から上方、垂直方向に伸びた略三角板形状の第2の三角板部45と、第2の円板部44の下面から下方、垂直方向に伸びた略四角板形状の第2の四角板部46と、この第2の四角板部46に設けた回路支持部47とから構成している。
【0041】
上記構成における組立作業について説明する。まず、第1の支持部31に放電生成物発生部28を固定する。次に、第1の支持部31に送風手段30を仮固定する。
【0042】
送風手段30を仮固定する手順は、まず、第1の支持部31の第1のケーシング支持部42に送風手段30の第1の突出部40を斜め下方向から嵌める。次に、第1の支持部31の第2のケーシング支持部43に送風手段30の第2の突出部41を本体ケース1における右側面方向から嵌めるものである。
【0043】
次に、第2の支持部32の第2の四角板部46に設けた回路支持部47に回路部29を固定する。この回路部29を固定した第2の支持部32の第2の円板部44の上面を第1の支持部31の下部に当てる。ここで、同時に、第2の支持部32の第2の三角板部45を第1の支持部31の第2のケーシング支持部43の本体ケース1における右側面側に当てる。この状態で、第1の支持部31と第2の支持部32を前面ケース部3に装着する。
【0044】
なお、第1の支持部31の第1のケーシング支持部42と送風手段30の第1の突出部40との間、および第1の支持部31の第2のケーシング支持部43と第2の突出部41との間に防振材を設けても良い。この防振材は、第1の突出部40、第2の突出部41の外面を覆う椀形状である。防振材の1例は、ゴムである。
【0045】
これにより、送風手段30が第1の支持部31と第2の支持部32とにより挟まれ固定されるものである。すなわち、送風手段30の固定は、工具なしで行なえると共に、本体ケース1における上下、前後、左右の方向から固定されるので、振動の発生を低減できる。
【0046】
また、前面ケース部3と背面ケース部4とを第2の固定手段によって固定しても良い。具体的には、この第2の固定手段は、図3、11、12に示すように、前面ケース部3の前面ケース側面部6の中央部内面から、本体ケース1における背面側に伸び、本体ケース1における背面側にねじを固定する開口した孔を有するねじボス部48に、ねじ51によって第1の支持部31と、第2の支持部32と、背面ケース部4とを固定するものである。
【0047】
第1の支持部31は、第1の四角板部34から本体ケース1における左方向に伸びた垂直面である固定板部49を備え、この固定板部49は、切欠部52を有するものである。
【0048】
第2の支持部32は、第2の円板部44から上方へ伸びた垂直面である固定板部50を備え、この固定板部50は、孔部53を有するものである。
【0049】
図4に示すように、背面ケース部4の背面ケース側面部9の中央部には、孔部57を備えたものである。
【0050】
すなわち、図3、11、12に示すように、第2の支持部32の第2の円板部44の上面を第1の支持部31の下部に当てると共に、第2の支持部32の第2の三角板部45を第1の支持部31の第2のケーシング支持部43の本体ケース1における右側面側に当て、第1の支持部31と第2の支持部32を前面ケース部3に装着し、前面ケース部3の端部と背面ケース部4の端部とを合わせる。この状態で、ねじボス部48の孔と、固定板部49の切欠部52と、固定板部50の孔部53と、背面ケース側面部9の孔部57が対向するので、背面ケース側面部9の外方からねじボス部48の孔にねじ51を固定すると、ねじボス部48に、ねじ51によって第1の支持部31の固定板部49と、第2の支持部32の固定板部50と、背面ケース部4の背面ケース側面部9を固定できる。
【0051】
すなわち、フィルター部15の本体ケース1における内方側に第2の固定手段を設けたので、これにより、第2の固定手段のねじ51が、フィルター部15の内方側に位置するので、ねじ51が見え難くデザイン性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた放電生成物発生手段から構成し、前記本体ケースは、前記本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、前記本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成し、前記前面ケース部に前記放電生成物発生手段を装着し、前記前面ケース部の端部と前記背面ケース部の端部とを合わせると縦長箱形状となり、前記上部ケース部の一方側開口から内方へ前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部を挿入すると前記上部ケース部の内面に前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部の少なくとも一部が沿う構成とし、前記上部ケース部と前記前面ケース部または前記背面ケース部の少なくとも一方と固定する第1の固定手段を備えた構成であり、放電生成物装置の組立作業性の更なる向上を目的とするものである。
【0053】
すなわち、本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成しているので、組立て作業は、まず、前面ケース部に放電生成物発生手段の複数の部品を装着し、次に、前面ケース部と背面ケース部とを合わせ縦長略箱形状とし、最後に、上部ケース部の一方側開口から内方へ前面ケース部と背面ケース部の上部を挿入し、上部ケース部と前面ケース部または背面ケース部の少なくとも一方と固定するものである。
【0054】
つまり、前面ケース部は、本体ケースの前面側である略椀形状であり、前面ケース部内に複数の部品を順次直接固定しながら組み立てられるので、本体ケースの水平断面積が手の握りこぶしより小さくても容易に組立てられると共に、組み立て工数を低減できる。
【0055】
これらの結果により、放電生成物装置の組立作業性の更なる向上ができるものである。
【0056】
従って、家庭用、事務所用、車内用などの、放電生成物装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0057】
1 本体ケース
2 放電生成物発生手段
3 前面ケース部
4 背面ケース部
5 上部ケース部
6 前面ケース側面部
7 前面ケース底面部
8 前面ケース上面部
9 背面ケース側面部
10 背面ケース底面部
11 上部ケース円筒部
12 上部ケースリング部
13 排気口
14 吸気口
15 フィルター部
16 凸部
17 爪部
18 凹部
19 孔部
20 拡大部
21 第1の固定手段
22 ねじボス部
23 固定板部
24 切欠部
25 ねじ
26 前面ケース当接部
27 背面ケース当接部
28 放電生成物発生部
29 回路部
30 送風手段
31 第1の支持部
32 第2の支持部
33 第1の円板部
34 第1の四角板部
35 ケーシング部
36 電動機
37 羽根
38 吸込口
39 吐出口
40 第1の突出部
41 第2の突出部
42 第1のケーシング支持部
43 第2のケーシング支持部
44 第2の円板部
45 第2の三角板部
46 第2の四角板部
47 回路支持部
48 ねじボス部
49 固定板部
50 固定板部
51 ねじ
52 切欠部
53 孔部
54 放電電極
55 対向電極
56 ペルチェ素子
57 孔部
58 第1の仮固定部
59 溝部
60 第2の仮固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた放電生成物発生手段から構成し、前記本体ケースは、前記本体ケースの前面側である略椀形状の前面ケース部と、前記本体ケースの背面側である略椀形状の背面ケース部と、略筒形状である上部ケース部とから形成し、前記前面ケース部に前記放電生成物発生手段を装着し、前記前面ケース部の端部と前記背面ケース部の端部とを合わせると縦長箱形状となり、前記上部ケース部の一方側開口から内方へ前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部を挿入すると、前記上部ケース部の内面に前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部の少なくとも一部が沿う構成とし、前記上部ケース部と前記前面ケース部または前記背面ケース部の少なくとも一方と固定する第1の固定手段を備えた放電生成物発生装置。
【請求項2】
前記上部ケース部は、他方側開口から一方側開口へ向けて開口面積が次第に広がると共に、前記前面ケース部と前記背面ケース部の上部の少なくとも一部に沿う拡大部を備えた請求項1に記載の放電生成物発生装置。
【請求項3】
前記吸気口には着脱自在なフィルター部を設け、このフィルター部の本体ケースにおける内方側に前記第1の固定手段を設けた請求項2に記載の放電生成物発生装置。
【請求項4】
放電生成物発生手段は、放電生成物発生部と、この放電生成物発生部を制御する回路部と、前記本体ケースの前記吸気口から前記排気口へ送風する送風手段と、前記放電生成物発生部を固定すると共に前記送風手段を仮固定する第1の支持部と、前記回路部を固定する第2の支持部とから構成し、前記第1の支持部と前記第2の支持部とを前記前面ケース部に装着すると、前記送風手段が前記第1の支持部と前記第2の支持部とにより挟まれ固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放電生成物発生装置。
【請求項5】
前記フィルター部の本体ケースにおける内方側に前記第2の固定手段を設けた請求項4に記載の放電生成物発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−61093(P2013−61093A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197971(P2011−197971)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】