説明

教育学習システム

【課題】特許文献1に記載の電子教育システムの場合には、システム提供者は特定の主題毎に教育用講義内容情報をサーバに格納しなくてはならず、また、特定の主題毎に高価な教育用講義内容情報の配信を受けて講義に臨むため、受講費用が高価になる。
【解決手段】本発明の教育学習システム10は、問題担当者が解答者に対する問題を持ち回りで担当してその問題及び他の解答者への採点、評価を入力すると共に解答者が解答を入力する複数の第1の端末11〜14と、第1の端末11〜14同士で通信可能な通信ネットワーク17と、第1の端末11〜14との間で通信を行って受講者の問題及び解答、評価をそれぞれ格納すると共に第1端末11〜14からの要求に応じて問題及び解答、評価を配信する教育用サーバ18と、を備えた教育学習システムであって、上記教育用サーバは、上記第1の端末を介して上記問題の持ち回り担当者を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育学習システムに関し、更に詳しくは、受講者同士が通信ネットワークを介して問題を出し合って相互の教育学習効果を高めることができる教育学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の教育システムとしては例えば特許文献1に記載された電子教育システムがある。この電子教育システムは、教育用講義内容情報を記憶し要求された講義内容情報を読み出して送信するサーバと、このサーバが接続された通信ネットワークと、この通信ネットワークに接続され、前記サーバに対して前記講義内容情報を送信要求し、送信された前記講義内容情報を表示して受講するための受講者の端末とからなる電子教育ネットワークと、前記通信ネットワークに接続された、前記講義内容情報に関する質問情報を受信したとき解答情報を出力する専任回答者の端末とからなる人材ネットワークと、を具備してなるものである。
【0003】
【特許文献1】特開2004−077740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子教育システムの場合には、通信ネットワークを介して受講者の端末によって専任回答者の端末との間で質疑応答して特定の主題に関して教育を受けるシステムであるが、このシステムでは、システム提供者は特定の主題毎に教育用講義内容情報をサーバに格納しなくてはならず、また、受講者は特定の主題毎に教育用講義内容情報に基づいて受講するため、特定の主題毎に高価な教育用講義内容情報の配信を受けて講義に臨むため、受講費用が高価になるという課題があった。また、特許文献1に記載の電子教育システムの場合には、受講者と専任回答者との間で質疑応答するため、複数の受講者から一人の専任回答者に複数の異なった質問があれば、この専任回答者はこれらの複数の質問事項に対してその都度解答しなくてはならず、専任回答者の負担が大きいという課題があった。また、複数の受講者は、それぞれ個別に専任回答者と質疑応答により講義内容を習得するため、受講者から質問しない限り講義が一方的なものになり、学習効果の個人差が大きく、場合によっては講義内容を十分に理解できなくなる虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、教育用講義内容情報等の教育用コンテンツを予め作成する必要がなく、特定の主題毎に受講者同士が学習する間に教育用コンテンツを構築しながら学習することができる教育学習システムを提供することを目的としている。更に、複数の受講者を指導する監修者の負担を軽減することができると共に各受講者の学習効果を確実に高めることができる教育学習システムを併せて提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の教育学習システムは、一のグループに属する複数の受講者がそれぞれ所持し且つ一の受講者が他の受講者に対する問題を持ち回りで担当してその問題情報及び他の受講者からの解答に対する採点情報、評価情報を入力すると共に他の受講者が上記問題に対する解答情報を入力する複数の第1の端末と、上記各第1の端末同士で通信可能な通信ネットワークと、上記通信ネットワークを介して上記各第1の端末との間で通信を行って上記各受講者の問題情報及び上記解答情報、評価情報をそれぞれ教育学習用コンテンツとして格納、蓄積すると共に上記各第1端末からの要求に応じて上記問題情報及び上記解答情報、評価情報を読み出して上記各第1の端末に配信する教育用サーバと、を備えた教育学習システムであって、上記教育用サーバは、上記第1の端末を介して上記問題の持ち回り担当者を管理することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の教育学習システムは、請求項1に記載の発明において、監修者が所持し且つ上記通信ネットワークを介して上記教育用サーバとの間で通信を行って上記問題情報及び上記解答情報、評価情報を読み出し、必要に応じてこれらの問題情報及び解答情報、評価情報に対する見解情報を教育学習用コンテンツの一部として上記教育用サーバに格納する第2の端末を備え、上記第1の端末によって上記教育用サーバから上記見解情報を読み出すことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の教育学習システムは、請求項1または請求項2に記載の発明において、管理者が所持し且つ上記教育用サーバに格納された上記各受講者に関連する情報を管理変更する第3の端末を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の教育学習システムは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記教育用サーバは、複数のグループそれぞれに属する第1、第2の端末と上記通信ネットワークを介して通信可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の教育学習システムは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記各端末は、パソコンまたは移動体通信機器であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、教育用講義内容情報等の教育用コンテンツを予め作成する必要がなく、特定の主題毎に受講者同士が学習する間に教育用コンテンツを構築しながら学習することができる教育学習システムを提供することができる。更に、複数の受講者を指導する監修者の負担を軽減することができると共に各受講者の学習効果を確実に高めることができる教育学習システムを併せて提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の教育学習システムは、例えば多数の受講者を複数のグループに分け、各グループ内で個別の主題について受講し、学習する場合に好適に用いることができる。例えば、グループが販売部門の受講者から構成されている場合には、販売対象製品の仕様等ついて種々の主題を決めて学習することができる。グループが総務部門の受講者で構成されている場合には、関連する法律的事項ついて種々の主題を決めて学習することができる。また、グループが受験生から構成されている場合には、特定の科目毎にグループを組んで、科目毎に種々の主題を決めて学習することができる。
【0013】
以下、図1〜図4を参照しながらでは本発明の一実施形態について説明する。尚、各図中、図1は本発明の教育学習システムの一実施形態を示す構成図、図2は図1に示す教育用サーバの構成を示すブロック図、図3は図1に示す教育学習システムの動作を示すフローチャート、図4は本発明の教育学習システムの他の実施形態を示す構成図である。
【0014】
本実施形態の教育学習システム10は、例えば図1に示すように、複数の受講者がそれぞれ所持して操作する複数の第1の端末(例えば、パソコン)11、12、13、14と、複数の受講者を指導し、監督する監修者(講師)が所持して操作する第2の端末15と、第1、第2の端末11〜15を管理する管理者が所持して操作する第3の端末16と、これらの端末11〜16同士間で通信を行えるように接続されたインターネットやイントラネット、LAN等の通信ネットワーク17と、この通信ネットワーク17に通信可能に接続された教育用サーバ18と、を備え、複数の受講者が特定の主題について学習できるように構成されている。この教育学習システム10では、複数の受講者が後述のように持ち回りで問題の出題担当者となり、他の受講者が解答者となって学習するため、大人数では学習効率が悪いため、通常、受講者数としては一週間〜10日に一度の割合で各受講者が出題担当者になる人数(7〜10人)が好ましい。
【0015】
本実施形態の教育学習システム10では、複数の受講者の一人は、第1の端末11〜14を教育用サーバ18に接続して学習用ツールとして用いることにより、特定の主題について持ち回りで出題担当者となって特定の主題に関する問題を作成してその問題を他の受講者に出題し、出題と並行して次の出題担当者を告知すると共に他の受講者からの解答を採点、評価して互いの学習レベルを向上させるようにしている。また、監修者は、第2の端末15を教育用サーバ18に接続して指導用ツールとして用いることにより、複数の受講者間で遣り取りする問題、解答等を把握し、その問題及び解答等が主題に対して適正であるか否かを判断し、自らの見解を複数の受講者に提示すると共に各受講者との間で対話を行うことより指導する。また、管理者は、第3の端末16を教育用サーバ18に接続して管理用ツールとして用いることにより、複数の受講者の変動、各受講者の問題、解答等の管理を行う。
【0016】
即ち、第1の端末11〜14にはそれぞれを所持する受講者を特定するIDアドレス等の識別番号が付与され、これらの識別番号が教育用サーバ18に登録されている。第1の端末11〜14は、キーボード11A〜14Aと、表示装置11B〜14Bと、マウス11C〜14Cとを有している。そして、各受講者は、例えば、キーボード11B〜14Bを用いて識別番号や問題、解答、評価等をそれぞれの情報として入力し、マウス11C〜14Cを操作して通信ネットワーク17を介して教育用サーバ18へ送信し、送信情報を教育用サーバ18に格納することができる。
【0017】
例えば、一人の受講者が問題を担当する場合には、その受講者(以下、「出題担当者)と称す。)は、第1の端末11を用いて教育用サーバ18にログインして問題作成画面を表示装置11Aの表示画面上に読み出し、その表示画面を用いて問題を作成した後、その問題情報を第1の端末11から通信ネットワーク17を経由して教育用サーバ18へ送信し、教育用サーバ18から通信ネットワーク17を経由して他の受講者(以下、「解答」と称す。)の第1端末12〜14宛に問題情報を配信する。また、出題担当者は、問題情報を配信すると共に次の出題担当者を告知して次の出題担当者に問題作成の準備をさせる。この際、各受講者の出題担当者順は予め設定されているため、現在の出題担当者が問題を出題した時点で、教育用サーバ18において次の出題担当者を出題担当者順に従って自動的に告知するようにしても良い。
【0018】
また、出題担当者は、第1の端末11を用いて教育用サーバ18にログインして解答者それぞれの解答作成画面を表示装置11Bの表示画面上に読み出し、その表示画面上で後述のように作成された解答情報を確認し、採点、評価した後、これらの情報を採点、評価結果画面に入力した後、その採点、評価情報を教育用サーバ18へ送信、格納し、採点、評価情報を教育用サーバ18から通信ネットワーク17を経由してそれぞれの解答者の第1端末12〜14宛に送信する。
【0019】
一方、複数の解答者は、それぞれの所持する第1の端末12〜14で教育用サーバ18から問題情報を受信した後、第1の端末12〜14から教育用サーバ18から解答作成画面を第1の端末12〜14の表示装置12B〜14Bの表示画面上に読み出し、その表示画面を用いて解答を作成した後、その解答情報を第1の端末12〜14から個別に通信ネットワーク17を経由して教育用サーバ18へ送信し、通信ネットワーク17を経由して出題担当者の第1端末11宛にそれぞれの解答情報を逐次送信する。
【0020】
また、解答者は、第1の端末12〜14を用いて教育用サーバ18にログインしてそれぞれの解答に対する採点、評価結果画面を表示装置12B〜14Bの表示画面上に読み出し、それぞれの表示画面上で採点、評価情報を確認することができる。また、解答者は、それぞれの第1の端末12〜14で他の解答者の解答、採点及び評価の各情報を教育用サーバ18から表示装置12B〜14Bの表示画面上に読み出してそれぞれの内容を検討し、必要に応じて第1の端末12〜14を用いて他の解答者及び出題担当者との間で教育用サーバ18を介して対話形式で情報を遣り取りして議論することによって他の解答者の考え方等を学習し、学習効率を高めることができる。
【0021】
監修者は、自ら所持する第2の端末15から教育用サーバ18にログインし、教育用サーバ18から複数の受講者の問題、解答、採点及び評価の各情報をそれぞれ第2の端末15で受信した後、各受講者の問題、解答、採点及び評価をそれぞれの受信時点で確認した後、各受講者の問題、解答、採点及び評価が特定の主題に対するものとして適切であるか否かを判断する。そして、各受講者の問題、解答、採点及び評価が適切であると判断した場合には、教育用サーバ18から見解作成画面を第2の端末15表示装置15Bの表示画面上に読み出し、各受講者の問題、解答、採点及び評価の各情報対して表示画面を用いて適切である旨の見解を必要に応じて作成した後、その見解情報を教育用サーバ18へ上記各情報の受信時点で送信し、通信ネットワーク17を経由して各受講者の第1端末11〜14宛に配信する。また、各受講者から出題された問題が特定の主題から外れている場合、あるいは外れる傾向にある場合には、その問題及び解答、評価等を上述のようにそれぞれの受信時点で確認し、特定の主題に対する問題として適切でない旨の見解を作成すると共に次回からの出題傾向を軌道修正すべき旨の見解を作成し、この見解情報を第2の端末15から各受講者の第1の端末11〜14へ配信する。また、監修者は、各受講者の問題及び解答、評価等の情報を確認した時点で、いずれかの受講者がグループの学習レベルより高い場合あるいは低い場合には、その受講者に他の同一レベルのグループへ配置換えすべき見解を示し、教育用サーバ18を介して見解情報としてその受講者に配信することができる。を一方、各受講者は、第1の端末11〜14を用いて教育用サーバ18を介して監修者の第2の端末15との間で対話形式により情報を遣り取りし、疑問点等を解消することができ、他の受講者との対話と相俟って更に学習効率を高めることができる。
【0022】
管理者は、自ら所持する第3の端末16から教育用サーバ18にログインし、教育用サーバ18を介して複数の受講者及び各受講者の問題、解答、評価及び監修者の見解等の各情報を管理、運営する。例えば、受講者が新たに入会あるいは退会することによって受講者数が変動した場合には、管理者は第3の端末16を用いて教育用サーバ18に格納された受講者数を変更することができる。また、管理者は、第3の端末16を用いて各受講者の問題、解答、評価及び監修者の見解等の各情報を管理し、また、各受講者の成績を作成して教育用サーバ18へ送信し格納することができる。管理者は、監修者または複数の受講者の一人が持ち回りで担当しても良い。この場合には第2の端末15または第1の端末11〜14のいずれか一つが第3の端末16を兼ねることになる。
【0023】
而して、教育用サーバ18は、例えば図2に示すように、受信手段18A、送信手段18B、プログラム記憶領域18C、中央演算処理装置18D及び総合メニュー記憶領域18E及び各種のデータベースを格納する記憶領域18F〜18Oを有し、通信ネットワーク17を介して第1〜第3の端末11〜16との間で通信を行うことによって複数の受講者の名簿、複数の受講者の問題、解答等及び監修者の見解等の情報を逐次格納、蓄積し、複数の受講者の使用に資する。データベース用の記憶領域としては、例えば、各種入力画面記憶領域18F、受講者記憶領域18G、出題担当者順記憶領域18H、期日管理テーブル記憶領域11I、出題履歴記憶領域18J、解答履歴記憶領域18K、採点・評価履歴記憶領域18L、成績履歴記憶領域18M、見解履歴記憶領域18N、対話掲示板記憶領域18O及び学習コンテンツ記憶領域18Pがある。
【0024】
プログラム記憶領域18Cには教育用サーバ18が動作するための種々の教育学習用プログラムが格納され、中央演算処理装置18Dはプログラム記憶領域18Cに格納された種々の教育学習用プログラムのアルゴリズムに従って各種の記憶領域18E〜18Pに格納されたデータを編集、管理することできる。総合メニュー記憶領域18Eには教育用サーバ18の各種の処理内容が格納され、各端末11〜16から教育用サーバ18にログインすることにより各端末11〜16の表示装置11B〜14Bの表示画面に総合メニューが表示される。例えば、第1〜第3の端末11〜16それぞれの表示画面に総合メニューを表示し、マウス11C〜16Cを用いて総合メニューの一つをクリックすることにより所望の処理画面を各表示画面に読み出すことができる。
【0025】
各種入力画面記憶領域18Fには問題作成画面、解答作成画面等の各種の入力画面が格納され、第1の端末11〜16を用いてそれぞれの表示画面に所望の入力画面を読み出すことができる。受講者記憶領域18Gにはクループを構成する受講者名が識別番号等と一緒に格納されている。出題担当者順記憶領域18Hには各受講者の出題担当者順に関する情報が格納されている。期日管理テーブル記憶領域18Iは、持ち回りの出題担当者の出題期日及び複数の解答者の解答期日がそれぞれ格納されている。出題履歴記憶領域18Jには各出題者から出題された問題情報が出題者と関連付けて出題日等の情報と一緒に格納されている。解答履歴記憶領域18Kには各解答者の解答情報が解答者と関連付けて解答日等の情報と一緒に格納されている。採点・評価履歴記憶領域18Lには出題担当者による問題に対する採点、評価情報が解答者と関連付けて作成日の情報と一緒に格納されている。成績履歴記憶領域18Mには各解答者の成績情報が問題情報及び解答者情報と関連付けて成績作成日の情報と一緒に格納されている。見解履歴記憶領域18Nには問題及びその解答等の各情報に対する見解情報が出題者及び解答者と関連付けて見解作成日の情報と一緒に格納されている。対話掲示板記憶領域18Oには各受講者同士や各受講者と監修者とが対話を行うために自由に意見等の情報を書き込み、消去できる対話掲示板が格納されている。また、学習結果記憶領域18Pには例えば過去の問題、模範解答、評価、見解等の全て学習の結果を纏めて整理、編集し、教育学習用コンテンツとして格納されている。
【0026】
次に、図3をも参照しながら教育学習システム10の一使用形態について説明する。例えば、第1の端末11を所持する受講者が出題担当者になった場合には、出題担当者は、第1の端末11のマウス11Cを操作し、通信ネットワーク17を介して教育用サーバ18にアクセスすると、教育用サーバ18から送信手段18Bを介して識別番号を要求する。そこで、第1の端末11のキーボード11Aから識別番号を入力し、識別番号を教育用サーバ18に送信すると、教育用サーバ18では受信手段18Aから識別番号を受信し、中央演算処理装置18Dにおいて受講者記憶領域18Gを参照し、識別番号が登録番号と一致するか否かを判断し、一致すれば教育用サーバ18にログインすることができる。識別番号が登録内容と一致しなければ教育用サーバ18にログインすることができない。
【0027】
識別番号が登録内容と一致し、教育用サーバ18にログインすると、教育用サーバ18から第1の端末11へ総合メニューを送信し、第1の端末11の表示装置11Bの表示画面に総合メニューを表示する。そこで、出題担当者は、マウス11Cを操作して各種入力画面記憶領域18Fから問題作成画面を読み出した後、図3に示すようにキーボード11Aを操作して問題作成画面に問題を入力する(ステップS1)。出題担当者は、問題作成画面で問題が過誤なく正確に入力されたか否かを確認し、間違いがなければマウス11Cを操作してその問題を教育用サーバ18へ送信すると共に必要に応じて出題担当者順記憶領域18Hを参照して教育用サーバ18を介して次の出題担当者を識別番号によって告知する(ステップS2)。次いで、出題担当者は、教育用サーバ18から出題画面を読み出し、問題が格納されているか否かを確認し、確認ができれば、第1の端末11が教育用サーバ18からログアウトする。以上の一連の操作によって教育用サーバ18では、中央演算処理装置18Dが教育用プログラムに従って出題担当者名及び問題を出題履歴記憶領域18Jに格納する。出題担当者の出題日は、教育用サーバ18によって管理されている。教育用サーバ18は、出題日が近づくと中央演算処理装置18Dが期日管理テーブル18Iを参照して出題担当者に出題日を定期的(例えば、3日前、2日前等)に連絡する。出題担当者が出題日になっても問題を出さない時には、監修者が注意を促す。
【0028】
出題担当者以外の他の受講者、つまり複数の解答者は、予め出題日を告知されているため、その出題日以降に複数の解答者は、それぞれの第1の端末12〜14から教育用サーバ18に自動的にあるいは手動でアクセスし、識別番号を入力して教育用サーバ18にログインする。この際、識別番号が登録内容と一致しなければ教育用サーバ18にログインすることができない。複数の解答者は、ログイン後、総合メニューを介して解答作成画面を選択して解答作成画面を教育用サーバ18から受信し(ステップS3)、それぞれの表示装置12B〜14Bの表示画面上に解答作成画面を表示する。この際、複数の解答者の一人は教育用サーバ18から次の出題担当者である旨の通知を受ける。この解答作成画面には問題が表示されている。複数の解答者は、解答作成画面上で問題を確認した後、教育用サーバ18からログアウトする。その後、各解答者は、問題について解答するために必要に応じて学習し、学習後に解答を作成する。その後、各解答者は、第1の端末12〜14を操作して解答作成画面を表示装置12A〜14Aの表示画面に表示し、解答作成画面上で問題に対する解答情報を入力した後(ステップS4)、それぞれの解答情報を教育用サーバ18へ送信する(ステップS5)。教育用サーバ18では、中央演算処理装置18Dが教育用プログラムに従って解答者名及び解答の各情報を解答履歴記憶領域18Jに格納する。各解答者の解答日は、出題日と同様に教育用サーバ18によって管理され、各解答者に解答日を定期的に連絡する。解答者が解答日になっても解答を出さない時には、監修者が注意を促す。
【0029】
出題担当者は、第1の端末11から教育用サーバ18にアクセスして教育用サーバ18にログインし、総合メニューを介して解答作成画面を選択して解答情報を教育用サーバ18から受信し(ステップS6)、それぞれの表示装置11Bの表示画面上に解答作成画面を表示し、解答を確認する。出題担当者は、各解答者の解答を逐次確認した後、それぞれの解答作成画面に解答に対する採点及び評価を行い、それぞれの情報を各解答者の解答作成画面に入力した後(ステップS7)、その採点情報及び評価情報を教育用サーバ18へ送信する(ステップS8)。教育用サーバ18では、中央演算処理装置18Dが教育用プログラムに従って解答者名及び採点、評価情報を採点・評価履歴記憶領域18Lに格納する。また、各解答者の採点情報は、それぞれの成績情報として解答者名と一緒に成績履歴記憶領域18Mに格納される。
【0030】
各解答者は、それぞれの第1の端末12〜14を操作して各自の成績及び他の解答者の成績を教育用サーバ18の成績履歴記憶領域18Mから読み出して確認することができる。また、各解答者は、他の解答者の採点及び評価結果をも知ることができ、他の解答者の問題に対する解釈等を学習することができる。
【0031】
一方、監修者は、第2の端末15を操作して教育用サーバ18から各受講者の出題、解答、採点、評価及び成績の各情報を表示装置15Bの表示装置15Bの表示画面上に読み出して確認し、特定の主題に対する習熟度を知ることができる。そして、監修者は、必要(例えは各受講者の習熟度)に応じて問題及び解答に対する見解を作成し、その見解情報を第2の端末15を操作して入力し(ステップS9)、通信ネットワーク17を介して教育用サーバ18に送信し(ステップS10)、見解履歴記憶領域18Nに格納し、教育用サーバ18を介して各受講者に見解情報を配信して各受講者を指導することができる。各受講者は、それぞれ第1の端末11〜14を操作して、その要求に応じて教育用サーバ18の見解履歴記憶領域18Nから監修者の見解情報を受信し(ステップS11)、問題及び解答に対する見解に基づく指導を受けて特定の主題について学習することができる。この際、各受講者の習熟度が高ければ、見解を作成することなく、各受講者による出題、解答を継続させる。この場合には各受講者は、教育用サーバ18の見解履歴記憶領域18Nから見解を確認できないことから、所定の習熟度に達し、所定の知識が習得していることを知ることができる。
【0032】
その後、複数の受講者は、必要に応じてそれぞれの第1の端末11〜14を用いて教育用サーバ18の対話掲示板記憶領域18Oから対話掲示板を読み出し、出題担当者の問題情報及び評価情報、他の解答者の解答情報、更には監修者の見解情報等について意見、感想等を書き込み、あるいは質問事項をそれぞれの情報として書き込む等して他の受講者及び監修者との対話し(ステップS12)、特定の主題に対する学習効果を一層高めることができる。問題の出題及び解答が終了すると、ステップS1に戻り、ステップS1からステップS12の処理を繰り返す。つまり複数の受講者は、一人ずつ出題担当者として所定の期間(例えば、一週間前後)毎に持ち回りで問題を担当し、他の受講者はその問題に対する解答者となって特定の主題に関する問題点をなくなるまで学習を繰り返す。
【0033】
また、管理者は、特定の主題に関して問題点がなくなった時点で、第3の端末16を介して教育用サーバ18を操作し、それまでの学習結果を整理、編集し、教育学習用コンテンツを構築して学習結果記憶領域18Pに格納することができる。各受講者は、後に特定の主題に関する教材等として教育学習コンテンツを使用することができる。また、管理者は、第3の端末16を用いて受講者の人数、問題、解答、採点、評価及び見解等のデータベースを常に管理する。例えば受講者数に変動があった場合には、管理者は受講者数、受講者名、ID番号等の識別番号等を追加し、削除する。また、受講者数の変動により出題担当者の順番に変動があった場合には、管理者は第3の端末16を用いて各受講者にその旨を配信する。管理者は、専任であっても、各受講者が順番に兼任しても良い。
【0034】
以上説明したように本実施形態によれば、一つのグループに属する複数の受講者(7〜10人前後)が持ち回りで問題を担当し、出題担当者は第1の端末11を用いて他の解答者に対する問題情報を入力して問題情報を通信ネットワーク17及び教育用サーバ18を介して他の解答者に配信すると共に、他の解答者からの解答に対する採点情報及び評価情報を入力して採点情報及び評価情報を通信ネットワーク17及び教育用サーバ18を介して他の解答者に配信し、他の解答者は第1の端末12〜14を用いて問題に対する解答情報を入力して通信ネットワーク17及び教育用サーバ18を介してそれぞれの解答情報を出題担当者に配信する一方、問題、解答及び評価の各情報を教育用サーバ18に教育学習用コンテンツとして格納、蓄積するようにしたため、複数の受講者はそれぞれ問題の解答者になるばかりか、出題担当者にもなって、各受講者の特定の主題に対する問題意識を高めて効率的に学習することによって学習効率を確実に高めることができ、しかも各受講者は問題情報及び解答情報、評価情報を学習成果としての教育学習用コンテンツを得ることができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、監修者は第2の端末15を用いて教育用サーバ18から出題担当者の問題情報及び複数の解答者の解答情報、評価情報を読み出し、必要に応じてこれらの問題情報及び解答情報、評価情報に対する見解を教育用サーバ18に格納し、出題担当者及び各解答者はそれぞれの第1の端末11〜14を用いて教育用サーバ18から見解情報を読み出すようにしたため、監修者は、各受講者の特定の主題に対する問題及び解答を確認し、必要に応じて見解を伝授し、指導するだけで、基本的に各受講者の自主的な学習に任せることができ、問題毎に解答を作成する等の負担を軽減することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、管理者が第3の端末16を用いて教育用サーバ18に格納された一つのグループに関連する情報を管理変更するようにしたため、リアルタイムで現状のグループを把握し、管理することができる。また、各受講者、監修者及び管理者は、パソコン等の第1〜13の端末11〜16を教育用サーバ18に接続することができるため、一堂に会することなく、遠隔地であっても一堂に会した場合と同様に教育を受け学習することができる。
【0037】
以上の説明では一つのグループに属する受講者による教育、学習について説明したが、教育学習システム10は一般的には複数のグループについて適用される。例えば、図4には二つのグループに適用した教育学習システム10Aを示している。この場合には、図4に示す教育学習システム10Aは、前述したグループにもう一つのグループが別の主題について教育、学習を受けるように構成されている。第2のグループの複数の受講者は、第1の端末21〜14を所持し、監修者は第2の端末25を保持し、管理者は第3の端末26を所持している。そして、これらの端末11〜16は、いずれも通信ネットワーク17を介して第1のグループの教育用サーバ18と通信を行えるようになっている。このように複数のグループを一つの教育用サーバ18で統括している。教育学習システム10Aに複数のグループが属する場合には、グループ毎に監修者を付けているが、複数の主題について指導できる監修者であれば、一人の監修者が複数のグループの受講者を指導することもできる。また、グループ毎に管理者を付けても良いが、複数のグループを専任の管理者によって管理するようにしても良い。
【0038】
本実施形態によれば、特定の主題毎にグループを結成し、グループ毎に専任の監修者を付けて各グループの学習効率を高めることができる。
【0039】
尚、上記各実施形態では第1〜第3の端末11〜16としてパソコンを用いた例について説明したが、本発明は上記各実施形態に何等制限されるものではなく、第1〜第3の端末として携帯電話、PDA等の携帯用移動体機器を用いることもできる。要は、本発明は、第1の端末を用いて複数の受講者の一人が持ち回りで問題を出題し、第1の端末を用いて他の受講者が問題に解答する教育学習システムであれば本発明に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、社内教育や予備校教育等の教育用のツールとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の教育学習システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示す教育用サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す教育学習システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の教育学習システムの他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0042】
10 教育学習システム
11〜14、21〜24 第1の端末
15、25 第2の端末
16、26 第3の端末
17 通信ネットワーク
18 教育用サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のグループに属する複数の受講者がそれぞれ所持し且つ一の受講者が他の受講者に対する問題を持ち回りで担当してその問題情報及び他の受講者からの解答に対する採点情報、評価情報を入力すると共に他の受講者が上記問題に対する解答情報を入力する複数の第1の端末と、上記各第1の端末同士で通信可能な通信ネットワークと、上記通信ネットワークを介して上記各第1の端末との間で通信を行って上記各受講者の問題情報及び上記解答情報、評価情報をそれぞれ教育学習用コンテンツとして格納、蓄積すると共に上記各第1端末からの要求に応じて上記問題情報及び上記解答情報、評価情報を読み出して上記各第1の端末に配信する教育用サーバと、を備えた教育学習システムであって、上記教育用サーバは、上記第1の端末を介して上記問題の持ち回り担当者を管理することを特徴とする教育学習システム。
【請求項2】
監修者が所持し且つ上記通信ネットワークを介して上記教育用サーバとの間で通信を行って上記問題情報及び上記解答情報、評価情報を読み出し、必要に応じてこれらの問題情報及び解答情報、評価情報に対する見解情報を教育学習用コンテンツの一部として上記教育用サーバに格納する第2の端末を備え、上記第1の端末によって上記教育用サーバから上記見解情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の教育学習システム。
【請求項3】
管理者が所持し且つ上記教育用サーバに格納された上記各受講者に関連する情報を管理変更する第3の端末を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の教育学習システム。
【請求項4】
上記教育用サーバは、複数のグループそれぞれに属する第1、第2の端末と上記通信ネットワークを介して通信可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の教育学習システム。
【請求項5】
上記各端末は、パソコンまたは移動体通信機器であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の教育学習システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−271642(P2007−271642A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−168717(P2004−168717)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【出願人】(504156441)株式会社システムステーション (1)
【Fターム(参考)】