説明

整形外科用インプラント装置

【解決手段】整形外科手術、例えば、支持部材が脊椎に取り付けられる処置に使用される装置が開示されている。整形外科用インプラント(28)と支持部材(30)を接続させるためのコネクタ部材(22)が提供されている。スリーブ(24)がインプラントの周りに装着され、係止部材(26)又は機構がスリーブに取り付けられる。係止によって、スリーブの一部が支持具をコネクタに対して押圧し、スリーブの一部がインプラントの周りに圧縮されるので、インプラントと支持具は、互いに対して動くことが実質的に防止又は阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、整形外科手術に有用な装置に関し、更に具体的には、骨(例えば椎骨)又は骨片の様な組織に接続するのに有用な整形外科用支持具及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外傷の治癒又は異常の矯正を目指して、骨又は骨片の様な組織に対する治療上又は矯正上の支援を行うための幾つかの種類のインプラント、コネクタ、及び支持具が知られている。
【特許文献1】米国仮特許第6,478,795号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その様な装置の中には、所望するやり方で使用又は配置するのがとりわけ容易でないものや、操作に不満が残るものもある。而して、当技術には、既存の品目に勝る利点を提供する装置が今だ必要とされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の原理の理解を促すために、これより図に示している各実施形態を参照してゆくが、説明に際して特定の言語を使用する。しかしながら、これによって本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、図示している装置に対するその様な変更や更なる修正、及びここに示す本発明の原理のその様な他の応用は、本発明が関連する分野の当業者であれば普通に想起されるものと考えている。
【0005】
これより図面を全体的に参照してゆくが、各図には、変形又は異常の矯正、又は傷害の治癒を促進するために骨組織を支持するのに有用な整形外科用装置の実施形態が示されている。装置20の1つの実施形態では、コネクタ22、スリーブ機構24、及び係止部材26が、インプラント28と細長い部材30を接続するために提供されている。
【0006】
1つの図示の実施形態では、コネクタ22は、穴36を有する第1部分34と、穴40を有する第2部分38とを有する長円形の部品である。部分34と38は、この実施形態では隣り合わせに並んでいる。穴36は長手方向軸を有しており、支持具30はこの軸に沿って又は平行に伸張している。或る特定の実施形態では、穴36は、実質的に円筒形の部分42と、これも円筒形である第2部分44とに分離されている。部分42と44は、実質的に穴36の全長に沿って伸張する1つ又は複数の畝又は突起46によって分離されている。穴36の部分42は、支持具30の直径又は幅と同じかそれよりも僅かに大きい直径又は幅を有しており、畝46同士の間の(又は畝46が1つの実施形態では、畝46と相対する壁との間の)距離は、支持具30の直径又は幅と実質的に同じかそれよりも僅かに小さい。この様な寸法設定により、支持具30とコネクタ22の部分34の間には、比較的密な又はスナップ式の装着が可能になる。
【0007】
コネクタ22の穴40は、図示の実施形態では、実質的に円筒形の部分50と実質的に平坦な部分52とを含んでおり、穴40を略長円形の形状にしている。穴40と36は、区域54で互いに重なり又は連通している。穴40の部分56は、コネクタ22の表面に近づくにつれ幅が広くなっており、或る特定の実施形態では、部分56は、凹型に湾曲している壁部分58を有している。壁部分58は、球状又は放物線状に凹んでいるか、その様な形状又は他の形状に出っ張っているか、他の形状、例えば円錐形に作られている。
【0008】
或る特定の実施形態では、穴36の軸は、部分34を二等分し且つ穴40に対して実質的に垂直な面Pの下方にある。この様な面Pは、表面62に対して垂直であり、部分38の表面64と66から等距離にある。この実施形態では、支持具30のより多くの部分が面Pの上方よりも下方にある。この実施形態の部分34の表面68は、面Pからの距離が、部分38の表面66が面Pから離れている距離よりも大きい。コネクタ22の表面と角部は丸くなっている。
【0009】
スリーブ機構24の代表的な実施形態は、ねじ部分72と、中間部分74と、膨隆部分76と、それらを貫通する穴78と、を有するスリーブである。このねじ部分72の実施形態は、機械加工されたねじ部と、2つの実質的に平坦な表面80を含んでいる。スリーブ機構24の実施形態は、その様な平坦面が無くても、3つ以上あってもよいことが分かるであろう。1つ又はそれ以上の表面80が設けられている場合には、それら表面80は、スリーブ機構24をコネクタ22内に設置したとき、表面52に隣接するように作られている。中間部分74は、概ね円筒形である。図示の実施形態では、膨隆部分76は、中間部分に繋がる第1凸型部分82と、ねじ部分72から更に遠位側にある第2凸型部分84とを有する、略洋ナシ形状をしている。凸型部分82は、比較的緩く湾曲しており(例えば、球であれば、部分82の半径は比較的大きい)、凸型部分84は、比較的急激に湾曲している(例えば、球であれば、半径は比較的小さい)。中間部分74と膨隆部分76には、1つ又は複数のスロット86が、穴78と実質的に平行に伸張している。或る特定の実施形態では、スリーブ機構24の周囲に約90度ずつ間隔を空けて4つのスロット86が設けられている。
【0010】
係止機構26は、図示の実施形態では、上面90と、下面82と、ねじ穴94を有するナットである。係止機構26は、1つの実施形態では外側が六角形に成形されているか、又は保持用、ねじ込み用、又は締め付け用の工具に対応する他の構造を有している。下面92は、図示の実施形態では、丸みを帯びており、穴40の周りに丸みの付いた又は湾曲した表面を有しているコネクタ22の実施形態と、より広い面で接触して、係止機構26をコネクタ22に関して比較的下方に着座させることができるように(例えば、係止機構26のコネクタ22から外側へのはみ出しが小さくなるように)又は他の目的を果たせるようになっている。ねじ穴94は、スリーブ機構24のねじ部分72を受け入れるためのものである。スリーブ機構24の構成次第で、各種係止機構が使用される。例えば、スリーブ機構24にねじが切られている場合には、ねじが切られている各種部材が使用され、スリーブ機構24にねじが切られていない場合には、他の種類の係止用、保持用、又はクランプ用部材が使用される。
【0011】
1つの実施形態では、インプラント28は、ねじが切られた骨係合部分96と接続部分98を有するスクリューとして示されている。係合部分96は、標準的な海綿骨ねじ又は骨と係合させることができるようになっている他のねじ類を有している。接続部分98は、この実施形態では実質的に円筒形であり、その直径は、係合部分98の谷径と実質的に同じである。インプラント28の他の実施形態では、フック、クランプ、又は他の骨係合構造が、係合部分96の一部を成している。接続部分98は、多様な外部形状の何れを有していてもよく、滑らかでも、粗くても、或いは他の肌理が設けられていてもよい。接続部分98は、保持用、把持用、又はねじ込み工具に対応するための成形部100を含んでおり、上の実施形態では六角形の凹型成形部である。成形部100は、他の形状、例えば、六角形突出部でも方形でも、或いは外側に設けてもよい。
【0012】
支持部材30は、図示の実施形態では脊椎ロッドである。様々な直径のこの様なロッドが、コネクタ22と共に使用される。異なる直径の穴を有する各種コネクタ22が、或る範囲のロッド直径を取り扱うため、キット等として提供されている。支持部材の他の実施形態は、非円筒形のロッド又は棒、コネクタ、プレート様部材、又は他の構造を含んでいる。支持部材30は、比較的滑らかであるように示しているが、(ローレット又はねじを切って)粗すか、他のやり方で肌理を持たせてもよい。
【0013】
コネクタ22、スリーブ機構24、及び係止機構26は、製造時に又はそれに近い時期に、又は外科処置前の別の時期に、緩く組み立てられる。スリーブ機構24は、その一部がコネクタ22の表面64から伸張するように、穴40を通して挿入される。係止機構26がスリーブ機構24に組み付けられる。スリーブ機構24と係止機構26にねじが切られている実施形態では、係止機構26はスリーブ機構24に外挿式にねじ込まれる。係止機構26は、コネクタ22とスリーブ24と係止機構26を、後で互いに対して調整及び/又は締め付けることができるように、スリーブ機構24に緩く組み付けられる。1つの実施形態では、1つ又は複数のコネクタ22は、支持具30をその様な各コネクタ22の穴36に挿入することにより、支持具30上に装着される。各コネクタ22には、支持具30に装着される前に、各スリーブ24と各係止機構26が組み付けられる。代わりのやり方では、各コネクタ22が最初に各支持具30に装着され、次いで、それぞれのスリーブ24と各係止機構26が組み付けられる。
【0014】
図示の実施形態の装置20の用例を、一例として、骨スクリューを使用した脊椎の外科処置に関連付けてこれより説明する。装置20は、各種整形外科的治療に、他の外科的部位に、及び/又は他種のインプラントと共に、使用される。ここで、実施形態の用例は、支持部材30として脊椎ロッドを、そしてインプラント28として骨スクリューを使用した脊椎外科処置という側面から説明しているが、この説明は限定を意図してはおらず、それらを用いて他の組織に対する外科処置を行ってもよいし、上記の様な支持部材及びインプラントを追加的又は代替的に使用してもよい。
【0015】
患者の症状及び傷害の治療に当たり、外科医は、当技術では周知のやり方、例えば、組織の切開及び開創によって外科処置部位へアクセスする。外科処置部位へのアクセスは、例えば、病変領域上方の正中線切開の様な開口部を介し、横断処置には組織を側方に切除して、又は他の外科処置により、行うことができる。外科医は、1つ又は複数のインプラントを、症状を軽減又は改善するために圧縮又は伸延を要する椎骨に隣接し又はその付近に接続する。一例として、椎骨、例えば、脊椎茎にパイロット穴を作成して、スクリューを2つ又はそれ以上の椎骨に挿入し又はそれらに接続する。
【0016】
一旦、この様なインプラント(例えば、インプラント28)が所望通りに設置されると、外科医は、支持部材30をインプラントに隣接した位置へと動かす。インプラント28の様なインプラントは、スリーブ24と係止部材26が装着されたコネクタ22を介して、支持部材30に接続される。支持部材30は、インプラント28に隣接する位置まで動かされ、コネクタ22は、その穴40とスリーブ機構24の穴78がインプラント28に隣接するように、支持具30に沿って動かされる。コネクタ22は、インプラント28の少なくとも一部がスリーブ機構24の穴78の内部にくるように、インプラント28に装着される。インプラント28の一部は、コネクタ28の穴40の内部にも配置される。コネクタ22は、スリーブ24及び係止機構26と共に、インプラント28に沿って、外科医が所望する程度まで動かされる。外科医がコネクタ22と支持部材30を骨組織からどの程度離しておきたいかによって、インプラント28は、スリーブ24及び/又は係止機構26から幾分伸張させてもよいし、スリーブ24及び/又は係止機構26と実質的に同じ高さにしてもよいし(図1)、スリーブ24及び/又は係止機構26より低くしてもよい。
【0017】
コネクタ22がインプラント28に対して所望通りに配置されたら、外科医はその構造を係止固定する。係止機構26がナットである実施形態では、ナットがスリーブ機構26に締め付けられる。係止機構26がコネクタ22に接触すると、更に締め付けることで、スリーブ機構24は穴40を通して引かれるので、膨隆部分76が支持具30に接触する。図示の実施形態では、スリーブ24の凸型部分82が支持具30に接触して、これをコネクタ22の区間42に押し付ける。締め付けにより、更に、スリーブ機構24は、支持具30がコネクタ22に押し付けられる反動で、インプラント28の周りに圧縮される。係止機構26がスリーブ機構24に支持具30をコネクタ22に対し押圧させ、スリーブ機構24がインプラント28に押し付けて圧縮されたときに、装置20は係止される。係止状態では、スリーブ24はインプラント28に対して押圧されているので、両者の間の相対運動は防止又は実質的に阻止され、また、支持具30はコネクタ22に対して押圧されているので、両者の間の相対運動は防止又は実質的に阻止される。
【0018】
次に図5から図7は、整形外科装置の他の実施形態を示している。装置120は、コネクタ122と、スリーブ機構124と、係止機構126と、インプラント128と、支持部材130を含んでいる。これら構成要素は一体に接続されて、傷害を負った又は変形した骨組織に支持を提供する。
【0019】
コネクタ122は、図示の実施形態では、穴136を有する第1部分134と、穴140を有する第2部分138と、を有する長円形のブロックである。部分134と138は、この実施形態では隣り合わせに並んでいる。穴136は長円形で軸を有しており、この軸に沿って又はこれと実質的に平行に支持具130が伸張する。図示の実施形態では、コネクタ122の穴140は、穴136の軸に対して実質的に垂直な長手方向寸法を有する概ね長円形をしている。穴140と136は、区域154で互いに重なり又は連通している。穴140の部分156は、コネクタ122の表面に近づくにつれ幅が広くなっており、或る特定の実施形態では、部分156は、凹型に湾曲している壁部分158を有している。壁部分158は、球状又は放物線状に凹んでいるか、その様な形状又は他の形状に出っ張っているか、他の形状、例えば円錐形に作られていてもよい。
【0020】
スリーブ機構124の図示の実施形態は、ねじ部分172と、中間部分174と、幅広部分176と、それらを貫通する穴178と、を有するスリーブを含んでいる。このねじ部分72の実施形態は、機械加工されたねじ部を含んでいる。中間部分174は、図示の実施形態では概ね円筒形である。1つ又は複数のボス又は突起179が、中間部分174上に、又は中間部分174と幅広部分176の間の接続部に隣接して設けられている。各突起179は、穴79に対して実質的に垂直な方形又は円筒形の拡張部の様な個別の突起であってもよいし、又は、例えば、スリーブ124の実質的に全周を取り巻いて伸張する実質的に環状の畝又はフランジであってもよい。図示の実施形態では、幅広部分176は、実質的に洋ナシ形状又は円錐形に広がった形状である。洋ナシ形状の実施形態では、部分176は凸型である。中間部分174と幅広部分176には、1つ又は複数のスロット182が穴178に実質的に平行に伸張している。或る特定の実施形態では、スリーブ機構124の周囲に約90度ずつ間隔を空けて4つのスロット182が設けられている。
【0021】
スリーブ機構124は、図示の実施形態では、膨隆部材184も含んでいる。膨隆部材184は、実質的に円筒形の外側部分185と、実質的に球形の外側部分186と、それらを貫通する開口部187を有している。開口部187は、実質的に環状の溝である1つ又はそれ以上の窪み188と、幅広部分189を有している。窪み188は、スリーブ124の突起179を受け入れることができる寸法形状に作られている。幅広部分189は、1つの実施形態では、球状又は放物線状の凹部の様な湾曲した形状であるか、その様な形状又は他の形状に出っ張っているか、他の形状、例えば円錐形に作られていてもよい。
【0022】
係止機構126は、係止部材190を含んでいる。係止部材190は、図示の実施形態では、上部分191と、下部分192と、小径の破断領域193と、ねじ穴194とを有する破断ナットである。係止機構126は、1つの実施形態では六角形である外側成形部、又は保持用、ねじ込み用、又は締め付け用工具に対応する他の構造を有している。下部分192は、図示の実施形態では丸みを帯びた下面195を有しており、穴140の周りに丸みの付いた又は湾曲した表面を有するコネクタ122の実施形態と、より広い面で接触して、係止機構126をコネクタ122に関して比較的下方に着座させることができるように、又は他の目的を果たせるようになっている。ねじ穴194は、スリーブ機構124のねじ部分172を受け入れるためのものである。適した破断ナットには、米国特許第6,478,795号に開示されているものも含まれ、同特許の全体を参考文献としてここに援用する。見て分かるように、スリーブ機構124の構成次第で、各種係止機構を使用することができる。例えば、スリーブ機構124にねじが切られている場合は、ねじが切られている各種部材が使用され、スリーブ機構124にねじが切られていない場合は、他の種類の係止用、保持用、又は圧締め用部材が使用される。
【0023】
図示の実施形態ではワッシャ196が提供されているが、これは係止機構126の一部と捉えることができる。ワッシャ196は、或る特定の実施形態では実質的に円形で、長円形である穴198を有している。ワッシャ196は、係止部材190に当接する湾曲した表面と、コネクタ122に当接する湾曲した表面202を有している。表面200は、1つの実施形態では、係止部材190の表面と実質的に同じ湾曲を有する凸形をしているので、係止部材190は、係止される前にワッシャ196の周りを又はそれに沿って滑動することができ、従って、表面200と係止部材190は、係止時の当接表面積が最大になる。表面202は、或る特定の実施形態では、コネクタ122の表面と実質的に同じ湾曲を有する凸形をしているので、ワッシャ196は、係止される前にコネクタ122の周りを又はそれに沿って滑動することができ、従って、表面202とコネクタ122は係止時の当接表面積が最大になる。表面200と202、及びそれらの相手方の係止部材190とコネクタ122の各表面は、滑らかでも、粗くても、又はそれらの組み合わせでもよい。ワッシャ196の他の実施形態は、平らな表面及び/又は異なる穴寸法又は構成を含んでいる。
【0024】
インプラント128は、1つの実施形態では、上で示し説明したインプラント28の実施形態と実質的に同一のスクリューとして示されている。支持具130は、1つの実施形態では、上で示し説明した支持具30の実施形態と実質的に同一のロッドとして示されている。インプラント28と支持具30に関して上で言及した各種変型は、インプラント128と支持部材130にも等しく適用することができる。
【0025】
コネクタ122、スリーブ機構124、及び係止機構126は、製造時に又はそれに近い時期に、又は外科処置前の別の時期に、緩く組み立てられる。膨隆部材184を含んでいる実施形態では、スリーブ機構124は、各突起179が少なくとも部分的には各窪み188内に入るように、膨隆部材184を通して挿入される。スリーブ機構124は、挿入時には応力を受けていない状態から僅かに圧縮されるが、各突起179が各窪み188に入ると、その応力を受けていない状態に復帰する。膨隆部材184は、而して、スリーブ機構124に、互いに容易には外れないようにしながらも、互いに対して比較的短い距離だけ並進運動することができるように接続される。窪み188が概ね環状の溝である特定の実施形態では、膨隆部材184は、スリーブ機構124に対して回転することができる。
【0026】
スリーブ機構124は、スリーブ機構124の一部がコネクタ22から伸張するように、穴40に挿入される。係止部材126がスリーブ機構124に組み付けられる。スリーブ機構124と係止機構126にねじが切られている実施形態では、係止機構126はスリーブ機構124に外挿式にねじ込まれる。係止機構126は、コネクタ122とスリーブ124と係止機構126を、後で互いに対して調整及び/又は締め付けることができるように、スリーブ機構124に緩く組み付けられる。1つの実施形態では、1つ又は複数のコネクタ122は、支持具130をその様な各コネクタ122の穴136に挿入することにより、支持具130上に装着される。各コネクタ122には、支持具130に装着される前に、それぞれのスリーブ124と係止機構126が組み付けられる。代わりのやり方では、各コネクタ122が最初に各支持具130に装着され、次いで、それぞれのスリーブ24と各係止機構126が組み付けられる。
【0027】
一旦、この様なインプラント(例えば、インプラント128)が所望通りに設置されると、外科医は、支持部材130をインプラントに隣接した位置へと動かす。インプラント128の様なインプラントは、スリーブ124と係止部材126が装着されたコネクタ122を介して、支持部材130に接続される。支持部材130は、インプラント128に隣接する位置まで動かされ、コネクタ122は、その穴140とスリーブ機構124の穴178がインプラント128に隣接するように、支持具130に沿って動かされる。コネクタ122は、インプラント128の少なくとも一部がスリーブ機構124の穴178の内部にくるように、インプラント128に装着される。インプラント128の一部は、コネクタ128の穴140の内部にも配置される。コネクタ122は、スリーブ124及び係止機構126と共に、インプラント128に沿って、外科医が所望する程度まで動かされる。外科医がコネクタ122と支持部材130を骨組織からどの程度離しておきたいかによって、インプラント128は、スリーブ124及び/又は係止機構126から幾分伸張させてもよいし、スリーブ124及び/又は係止機構126と実質的に同じ高さにしてもよいし(図1)、スリーブ124及び/又は係止機構126より低くしてもよい。
【0028】
コネクタ122がインプラント128に対して所望通りに配置されたら、外科医はその構造を係止固定する。係止機構126がナットである実施形態では、ナットがスリーブ機構126に締め付けられる。係止機構126がコネクタ122に締め付けられると、スリーブ機構124は穴140を通して引かれるので、スリーブ機構124の一部が支持具130に接触する。膨隆部材184又は類似物を有する実施形態では、その様な部材が支持具130に接触する。膨隆部材184の無い実施形態では、幅広部分176が支持具130に接触する。或る代表的な実施形態では、凸型部分186が支持具130に接触して、それをコネクタ122に押圧する。締め付けにより、更に、スリーブ機構124は、支持具130がコネクタ122に押し付けられる反動で、インプラント128の周りに圧縮される。係止機構126がスリーブ機構124に支持具130をコネクタ122に対し押圧させ、スリーブ機構124がインプラント128に対して圧縮されたときに、装置120は係止される。係止状態では、スリーブ124はインプラント128に対して押圧されているので、両者の間の相対運動は防止又は実質的に阻止され、また、支持具130はコネクタ122に対して押圧されているので、両者の間の相対運動は防止又は実質的に阻止される。
【0029】
開示された各実施形態は、相互に排他的ではない。即ち、1つの実施形態の態様は、別の実施形態の態様と置き換えることができ、又は1つの実施形態の態様は別の実施形態に加えるか、或いは別の実施形態と共に使用することができる。一例として、スリーブ機構124は、装置20又は特許請求の範囲内の他のどの様な実施形態と共に使用してもよいし、穴36の配置は、装置12又は特許請求の範囲内の他のどの様な実施形態において使用してもよい。無論、開示されている実施形態は、ここに示す特許請求の範囲を何ら限定するものではない。図示し説明している実施形態の各部品は、ステンレス鋼、チタン、セラミック、又は硬質プラスチックの様な生体適合性材料、又は他の既知の又は開発された生体適合性材料で形成されているものと理解頂きたい。
【0030】
以上、本発明を図面と上記説明に図示し詳しく説明してきたが、それらは例示を目的としており、何ら制約を課すものではないと考えて頂きたく、好適な実施形態を図示し説明したに過ぎず、本発明の精神に包含される全ての変更及び修正は保護されることを要求する旨、理解頂きたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】整形外科手術に有用な装置の或る実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態の分解斜視図である。
【図3】図1に示す実施形態の前面図である。
【図4】図3に示す構造の、図3の4−4線に沿って矢印方向に見た断面図である。
【図5】整形外科手術に有用な装置の別の実施形態の前面図である。
【図6】図5に示す構造の分解側面図である。
【図7】図5に示す構造の、図5の7−7線に沿って矢印方向に見た断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置において、
整形外科用インプラントと、
支持部材と、
前記インプラントと前記支持部材を接続するコネクタであって、前記支持部材を受け入れるための長手方向軸を備えた第1穴と、長手方向軸を備えた第2穴とを有しており、前記2つの穴は互いに連通し、前記2つの軸は互いに対してオフセットしている、コネクタと、
前記インプラントの外側と前記第2穴の内側とに沿って滑動可能なスリーブ部材であって、長手方向軸を有しており、一端にねじ部分を、そして反対側の他端に前記スリーブの軸と実質的に平行な少なくとも1つのスロットを有している、スリーブ部材と、
前記スリーブ部材に接続されている、凸形をしている外表面と、
前記スリーブ部材に組み付けられ、前記コネクタに押し付けて締め付けられて、前記スリーブ部材の一部を前記支持部材に接触させ、前記支持部材を前記コネクタの一部に押し付けるようになっている係止部材であって、前記スリーブ部材は前記インプラントに押し付けて圧縮される、係止部材と、を備えている装置。
【請求項2】
前記外表面は前記スリーブ部材と一体である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
貫通する穴を有し、前記スリーブ部材に滑動可能に接続されている膨隆部材を更に備えており、前記外表面は前記膨隆部材上に設けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記膨隆部材は、前記開口部と連通する少なくとも1つの窪みを含んでおり、前記スリーブ部材は、前記窪み内に少なくとも部分的には嵌るようになっている少なくとも1つの突起を含んでいる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記窪みは溝である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記膨隆部材と前記スリーブ部材は、互いに対して、前記少なくとも1つの突起の内の1つが前記膨隆部材に接触する位置の間を滑動可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記コネクタは、前記第2穴に隣接する側面を有しており、前記側面を二等分する面は、前記第1穴の前記軸の上方にある、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コネクタは、第1表面と、前記第2穴が通って伸張する第2表面とを有しており、前記第1表面は前記外表面に隣接しており、前記第2表面は前記係止部材に隣接しており、前記第1穴の前記軸は、前記第2表面よりも前記第1表面に近接している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記係止部材はナットを含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ナットは、肉薄領域で隔てられた第1部分と第2部分を含んでおり、前記肉薄領域は、所定のトルクを掛けると、前記第1部分と前記第2部分を分離させることができるようになっている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記係止部材は、それぞれに凸型である第1及び第2の側を有するワッシャを含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記スリーブ部材は、それぞれ異なる湾曲を有する第1凸型区間と第2凸型区間とを含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1凸型区間は、前記第2凸型区間よりも前記ねじ部分に近く、前記第1凸型区間は、前記装置が係止されたときに、前記支持部材に接触する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
装置において、
整形外科用インプラントと支持部材を接続するためのコネクタであって、前記支持部材受け入れるための長手方向軸を備えた第1穴と、長手方向軸を備えた第2穴とを有しており、前記2つの穴は互いに連通し、前記2つの軸は互いに対してオフセットしており、前記コネクタは、前記第2穴に隣接する側面を有しており、前記側面を二等分する面は、前記第1穴の前記軸の上方にある、コネクタを備えている装置。
【請求項15】
整形外科用インプラントの一部を収納できる寸法形状に作られた穴が貫通しているスリーブ機構を更に備えており、前記スリーブ機構は、前記装置が係止されたときに、前記支持部材に接触する凸型面を有している、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記スリーブ機構は、スリーブ部分と、前記スリーブ部分が貫通して伸張する開口部を有する別体の膨隆部分とを備えており、前記膨隆部材は前記凸型表面を含んでいる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記膨隆部分は、前記開口部と連通している少なくとも1つの窪みを有しており、前記スリーブ部分は、前記窪み内に少なくとも部分的には入るようになっている少なくとも1つの突起を有している、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第2穴は、前記装置が係止されたときに前記スリーブ機構に接触する凹型表面を有している、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記第2穴は、前記装置が係止されたときに前記スリーブ機構に接触する凸型表面を有している、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
装置において、
整形外科用インプラントと支持部材を接続するためのコネクタであって、前記支持部材を受け入れるための長手方向軸を備えた第1穴と、長手方向軸を備えた第2穴とを有しており、前記2つの穴は互いに連通し、前記2つの軸は互いに対してオフセットしている、コネクタと、
整形外科用インプラントの一部を収納できる寸法形状に作られた穴が貫通しているスリーブ機構であって、前記装置が係止されたときに、前記支持部材と接触する凸型表面を有しており、更に、スリーブ部分と、前記スリーブ部分が貫通して伸張する開口部を備えた別体の膨隆部分とを有している、スリーブ機構と、を備えている装置。
【請求項21】
前記膨隆部分は、前記開口部と連通している少なくとも1つの窪みを有しており、前記スリーブ部分は、前記窪み内に少なくとも部分的には入るようになっている少なくとも1つの突起を有している、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記スリーブ機構に組み付けられている係止機構を更に備えており、前記係止機構を作動させると、前記スリーブ機構が前記支持部材を前記コネクタに対して押圧し、前記スリーブ機構を前記インプラントに押し付けて圧縮する、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記係止機構はナットを含んでいる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記係止機構は、前記ナットと前記コネクタの間にワッシャを含んでいる、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記ナットは破断ナットである、請求項23に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−539820(P2008−539820A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509238(P2008−509238)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/016718
【国際公開番号】WO2006/119237
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】