説明

整流回路

【課題】
従来のダイオードを用いた整流回路よりも電力損失を低減することのできる整流回路を提供する。
【解決手段】
スイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4をブリッジ接続し、スイッチ4を入力端5と入力端6との間の電圧に応じて開閉するとともに、スイッチ1を該スイッチ1の両端の間の電圧に応じて開閉し、スイッチ3を入力端5と入力端6との間の電圧に応じて開閉するとともに、スイッチ2を該スイッチ2の両端の間の電圧に応じて開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整流回路に関し、特に、ダイオードを用いずに交流電力を直流電力に変換する整流回路に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電力を直流電力に変換する整流回路は、交流電源である商用電源を利用して直流電源を必要とする機器類を動作させるために、多く用いられている。
【0003】
図1は、従来の整流回路の基本的な構成を示した図である。同図に示す整流回路は、ダイオード501、ダイオード502、ダイオード503、ダイオード504をブリッジ接続し、入力端505と入力端506から入力される交流電力を直流電力に変換して出力端507と出力端508から出力するもので、出力端507と出力端508の間には、出力電圧を平準化するためのコンデンサ509が接続されている。
【0004】
この整流回路においては、入力端505の電位が正(入力端506の電位を0とした場合)のときに、入力端505、ダイオード501、コンデンサ509または出力端507と出力端508の間に接続された負荷、ダイオード504を閉回路とした電流が流れ、入力端505の電位が負(入力端506の電位を0とした場合)のときに、入力端506、ダイオード502、コンデンサ509または出力端507と出力端508の間に接続された負荷、ダイオード503を閉回路とした電流が流れることで、負荷に対して直流電源として動作する。
【0005】
なお、従来の整流回路については、非特許文献1等にも記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】電気学会編、「電気工学ポケットブック」、第4版、株式会社オーム社、昭和62年7月25日、p.277−278
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような整流回路に用いられるダイオードは、順方向に電圧が印加された際には、その抵抗値が0となり、逆方向に電圧が印加された際には、その抵抗値が無限大となることが理想的であるが、実際には、ダイオードに順方向電流が流れる場合には、一定の電圧降下が生じることとなる。このため、ダイオードを用いた整流回路では、電力損失が発生することとなる。
【0008】
そこで、本発明は、従来のダイオードを用いた整流回路よりも電力損失を低減することのできる整流回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、第1の入力端と第2の入力端とから入力された交流電力を直流電力に変換して第1の出力端と第2の出力端から出力し、前記第1の出力端と前記第2の出力端にコンデンサが接続された整流回路において、第1のスイッチ手段と第4のスイッチ手段とを閉じるとともに第2のスイッチ手段と第3のスイッチ手段とを開いた際に、前記第1のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成し、前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段とを閉じるとともに前記第1のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段とを開いた際に、前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成するように、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段とを配設し、前記第4のスイッチ手段を前記第1の入力端と前記第2の入力端との間の電圧に応じて開閉するとともに、前記第1のスイッチ手段を該第1のスイッチ手段の両端の間の電圧に応じて開閉し、前記第3のスイッチ手段を前記第1の入力端と前記第2の入力端との間の電圧に応じて開閉するとともに、前記第2のスイッチ手段を該第2のスイッチ手段の両端の間の電圧に応じて開閉することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の入力端の電位が前記第2の入力端の電位よりも高い場合に、前記第4のスイッチ手段を閉じ、前記第1のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第1の入力端側の電位が前記第2の入力端側の電位よりも高い場合に、該第1のスイッチ手段を閉じ、前記第2の入力端の電位が前記第1の入力端の電位よりも高い場合に、前記第3のスイッチ手段を閉じ、前記第2のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第2の入力端側の電位が前記第1の入力端側の電位よりも高い場合に、該第2のスイッチ手段を閉じることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1のスイッチ手段、前記第2のスイッチ手段、前記第3のスイッチ手段、前記第4のスイッチ手段は、それぞれ、MOSFETであることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4の発明は、第1の入力端と第2の入力端とから入力された交流電力を直流電力に変換して第1の出力端と第2の出力端から出力し、前記第1の出力端と前記第2の出力端にコンデンサが接続された整流回路において、第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段が閉じられた際に、該第1のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成する位置に配設された第4のスイッチ手段と、第2のスイッチ手段と、前記第2のスイッチ手段が閉じられた際に、該第2のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成する位置に配設された第3のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第1の入力端側の電位が前記第2の入力端側の電位よりも高い場合に、該第1のスイッチ手段を閉じる第1の制御手段と、前記第2のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第2の入力端側の電位が前記第1の入力端側の電位よりも高い場合に、該第2のスイッチ手段を閉じる第2の制御手段と、前記第2の入力端の電位が前記第1の入力端の電位よりも高い場合に、前記第3のスイッチ手段を閉じる第3の制御手段と、前記第1の入力端の電位が前記第2の入力端の電位よりも高い場合に、前記第4のスイッチ手段を閉じる第4の制御手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1のスイッチ手段、前記第2のスイッチ手段、前記第3のスイッチ手段、前記第4のスイッチ手段は、それぞれ、MOSFETであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電力変換時に生じる電力損失をダイオードを用いた従来の整流回路よりも、小さくすることができる。
【0015】
また、電力損失が小さくなるため、発熱量も低減されることとなり、放熱器を含めた装置自体の大きさを小型化することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の整流回路の基本的な構成を示した図である。
【図2】本発明に係る整流回路の基本的な構成を示した図である。
【図3】図2に示した整流回路の動作を説明するための図である。
【図4】図2に示した整流回路の動作を説明するための図である。
【図5】図2に示した整流回路の動作を説明するための図である。
【図6】図2に示した整流回路の動作を説明するための図である。
【図7】MOSFETを用いた整流回路の基本的な構成を示した図である。
【図8】MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をスイッチとして制御するための構成を示すブロック図である。
【図9】入力される交流電圧、コンデンサ19の両端間の電圧と、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14のそれぞれをオン動作させるタイミングとの関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る整流回路の一実施の形態について、添付図面を参照して、詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図2は、本発明に係る整流回路の基本的な構成を示した図である。同図に示す整流回路は、スイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4をブリッジ接続し、入力端5と入力端6から入力される交流電力を直流電力に変換して出力端7と出力端8から出力するもので、出力端7と出力端8の間には、出力電圧を平準化するためのコンデンサ9が接続されている。
【0019】
続いて、図2に示した整流回路の動作を説明する。図3乃至6は、図2に示した整流回路の動作を説明するための図である。
【0020】
まず、交流入力側の入力端5と入力端6の電位を比較し、入力端5の電位が入力端6の電位よりも高くなった場合に、スイッチ4を閉じる(図3参照)。スイッチ4を閉じることにより、入力端6とコンデンサ9の一端(出力端8)が接続され、スイッチ1の両端の電圧が測定可能となる。
【0021】
次に、スイッチ1の両端に印加される電圧を監視し、コンデンサ9の一端(出力端7)側の電位よりも入力端5側の電位が高くなった場合に、スイッチ1を閉じる(図4参照)。スイッチ1を閉じることにより、入力端5、スイッチ1、コンデンサ9、スイッチ4、入力端6が直列となる閉回路が形成され、入力端5と入力端6に印加される電圧に応じて、図4中にAで示す矢印の方向に電流が流れ、コンデンサ9に電荷が蓄積される。もちろん、出力端7と出力端8に負荷が接続されている場合には、負荷にも電流が流れ、当該負荷に電力が供給される。なお、スイッチ1を閉じるタイミングは、スイッチ1の両端に印加される電圧が0となったタイミングであっても、差し支えは無い。
【0022】
続いて、スイッチ1の両端に印加される電圧が0となった場合に、スイッチ1を開く(図3参照)。スイッチ1を開くことにより、図4中にAで示す矢印の方向に流れていた電流が停止する。
【0023】
次に、入力端6の電位が入力端5の電位よりも高くなった場合に、スイッチ4を開くとともに、スイッチ3を閉じる(図5参照)。スイッチ3を閉じることにより、入力端5とコンデンサ9の一端(出力端8)が接続され、スイッチ2の両端の電圧が測定可能となる。
【0024】
次に、スイッチ2の両端に印加される電圧を監視し、コンデンサ9の一端(出力端7)側の電位よりも入力端6側の電位が高くなった場合に、スイッチ2を閉じる(図6参照)。スイッチ2を閉じることにより、入力端6、スイッチ2、コンデンサ9、スイッチ3、入力端5が直列となる閉回路が形成され、入力端6と入力端5に印加される電圧に応じて、図6中にBで示す矢印の方向に電流が流れ、コンデンサ9に電荷が蓄積される。出力端7と出力端8に負荷が接続されている場合には、負荷にも電流が流れ、当該負荷に電力が供給される。なお、スイッチ2を閉じるタイミングは、スイッチ2の両端に印加される電圧が0となったタイミングであっても、差し支えは無い。
【0025】
そして、入力端5の電位が入力端6の電位よりも高くなった場合に、スイッチ3を開くとともに、スイッチ4を閉じ(図3参照)、以下、同様の動作を繰り返す。
【0026】
なお、スイッチ1、スイッチ2は、それぞれ、スイッチ4、スイッチ3の動作に関係なく、その両端の電圧に応じて開閉することで、回路全体としては、前述した通りに動作する。
【0027】
ところで、スイッチ1とスイッチ4、スイッチ2とスイッチ3は、それぞれ、逆に動作させる、例えば、入力端5の電位が入力端6の電位よりも高くなった場合にスイッチ1を閉じ、スイッチ4は、入力端6側の電位よりもコンデンサ9の一端(出力端8)側の電位が高くなった場合に閉じるようにしてもよい。
【0028】
このように、スイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4を動作させることにより、コンデンサ9から交流入力側(入力端5、入力端6)に電流が逆流することなく、交流を直流に整流することができる。
【0029】
なお、スイッチ1とスイッチ4、スイッチ2とスイッチ3を同時に開閉した場合、例えば、入力端5の電位が入力端6の電位よりも高くなった際に、スイッチ1とスイッチ4の両者を閉じると、この時点では、入力端5の電位は、ほぼ0であるため、コンデンサ9の出力端7側の電位が入力端5の電位よりも高くなり(ただし、初期状態でコンデンサ9に電荷が蓄積されていない場合を除く)、コンデンサ9から交流入力側(入力端5、入力端6)に電流が逆流する。
【0030】
また、コンデンサ9の一端(出力端7)側の電位よりも入力端5側の電位が高くなった場合に、スイッチ1とスイッチ4の両者を同時に閉じることが可能であれば、回路全体としては、前述した通りに動作するが、図2に示した状態では、スイッチ1またはスイッチ4の両端の電圧を測定することは不可能であり、回路を前述した通りに動作させることは困難である。
【0031】
ところで、図2に示した整流回路を実現する際には、スイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4の各スイッチとして、電気的に制御が可能なスイッチング素子を用いることが現実的である。スイッチング素子としては、トランジスタ等を用いることとなり、電圧制御可能な電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)を用いることも考えられる。
【0032】
図7は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)を用いた整流回路の基本的な構成を示した図である。同図に示す整流回路は、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をブリッジ接続し、入力端15と入力端16から入力される交流電力を直流電力に変換して出力端17と出力端18から出力するもので、出力端17と出力端18の間には、出力電圧を平準化するためのコンデンサ19が接続されている。
【0033】
なお、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14には、その構造上、寄生ダイオードが存在するが、寄生ダイオードの向きが図1に示した従来の整流回路で用いるダイオード501、ダイオード502、ダイオード503、ダイオード504の向きと同じとなるように、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をブリッジ接続する。
【0034】
この図7に示した整流回路では、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をスイッチとして、それぞれ、前述の図2に示した整流回路のスイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4と同様に動作させることで、コンデンサ19から交流入力側(入力端15、入力端16)に電流が逆流することなく、入力端15と入力端16から入力される交流電力を直流電力に変換して出力端17と出力端18から出力することができる。
【0035】
次に、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をスイッチとして制御するための構成について説明する。図8は、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14をスイッチとして制御するための構成を示すブロック図である。
【0036】
同図に示すように、整流回路は、MOSFET11を制御するものとして電圧取得部111と判定部112を有し、MOSFET12を制御するものとして電圧取得部121と判定部122を有し、MOSFET13を制御するものとして電圧取得部131と判定部132を有し、MOSFET14を制御するものとして電圧取得部141と判定部142を有している。
【0037】
電圧取得部111は、MOSFET11のドレイン−ソース間の電圧を取得する。判定部112は、電圧取得部111が取得した電圧に基づいて、ドレイン側(出力端17側)の電位がソース側(入力端15側)の電位よりも高くなった場合に、ゲート−ソース間に電圧を印加し、ドレイン−ソース間に電流が流れるように、つまり、スイッチを閉じた状態となるようにする。
【0038】
同様に、電圧取得部121は、MOSFET12のドレイン−ソース間の電圧を取得する。判定部122は、電圧取得部121が取得した電圧に基づいて、ドレイン側(出力端17側)の電位がソース側(入力端16側)の電位よりも高くなった場合に、ゲート−ソース間に電圧を印加し、ドレイン−ソース間に電流が流れるように、つまり、スイッチを閉じた状態となるようにする。
【0039】
また、電圧取得部131は、入力端15と入力端16の間の電圧を取得する。判定部132は、電圧取得部131が取得した電圧に基づいて、入力端16の電位が入力端15の電位よりも高くなった場合に、ゲート−ソース間に電圧を印加し、ドレイン−ソース間に電流が流れるように、つまり、スイッチを閉じた状態となるようにする。
【0040】
同様に、電圧取得部141は、入力端15と入力端16の間の電圧を取得する。判定部142は、電圧取得部141が取得した電圧に基づいて、入力端15の電位が入力端16の電位よりも高くなった場合に、ゲート−ソース間に電圧を印加し、ドレイン−ソース間に電流が流れるように、つまり、スイッチを閉じた状態となるようにする。
【0041】
なお、図2に示した整流回路と同様に、MOSFET11とMOSFET12、MOSFET13とMOSFET14を逆に動作させるようにしてもよい。
【0042】
次に、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14のそれぞれをオン動作させるタイミングと、入力端15と入力端16から入力される交流電圧、コンデンサ19の両端間の電圧の関係について説明する。なお、コンデンサ19の両端間の電圧は、実際には脈動するものであるが、ここでは、説明の簡略化のため、一定であるものとする。
【0043】
図9は、入力される交流電圧、コンデンサ19の両端間の電圧と、MOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14のそれぞれをオン動作させるタイミングとの関係を示した図である。なお、同図中に示す入力電圧Vinは、入力端16の電位を0とした場合の入力端15と入力端16の間の電圧を示している。このため、コンデンサ19の両端間の電圧は、Vcまたは−Vcであるものとする。
【0044】
まず、時刻t1で、入力電圧Vinが正の値になると、電圧取得部141と判定部142の動作により、MOSFET14がオンとなる。続いて、時刻t2で、入力電圧Vinがコンデンサ19の両端間の電圧Vcよりも高くなると、電圧取得部111と判定部112の動作により、MOSFET11がオンとなる。
【0045】
その後、時刻t3で、入力電圧Vinがコンデンサ19の両端間の電圧Vcよりも低くなると、電圧取得部111と判定部112の動作により、MOSFET11がオフとなる。
【0046】
そして、時刻t4で、入力電圧Vinが負の値になると、電圧取得部141と判定部142の動作により、MOSFET14がオフとなるとともに、電圧取得部131と判定部132の動作により、MOSFET13がオンとなる。続いて、時刻t5で、入力電圧Vinがコンデンサ19の両端間の電圧−Vcよりも低くなると、電圧取得部121と判定部122の動作により、MOSFET12がオンとなる。
【0047】
その後、時刻t6で、入力電圧Vinがコンデンサ19の両端間の電圧−Vcよりも高くなると、電圧取得部121と判定部122の動作により、MOSFET12がオフとなる。
【0048】
そして、時刻t7で、入力電圧Vinが正の値になると、電圧取得部131と判定部132の動作により、MOSFET13がオフとなるとともに、電圧取得部141と判定部142の動作により、MOSFET14がオンとなる。
【0049】
時刻t7は、時刻t1から入力電圧Vinの1周期分の時間が経過した時刻であり、時刻t7での動作は、時刻t1の動作と同じである。以降、時刻t8、時刻t9では、それぞれ、時刻t2、時刻t3と同様の動作が行われる。
【0050】
なお、ここで説明したMOSFET11、MOSFET12、MOSFET13、MOSFET14のそれぞれをオン動作させるタイミングは、前述した図2に示した整流回路のスイッチ1、スイッチ2、スイッチ3、スイッチ4を開閉するタイミングと同様のものである。
【0051】
このように、スイッチング素子としてMOSFETを用いた場合、例えば、インフィニオン テクノロジーズ社(Infineon Technologies)の「BSC067N06LS3」と称されるMOSFETを用いた場合を考えると、そのオン抵抗は、6.7mΩであるため、仮にオン抵抗が10mΩであるとして整流時にMOSFETに15Aの電流が流れるとすれば、15×15×0.01×2(電流が流れる際に2つのMOSFETがオンとなるため)の計算式から、損失電力が4.5Wとなることが分かる。
【0052】
一方、従来の整流回路では、ダイオードでの電圧降下が0.4V程度であるとすれば、15×0.4×2の計算式から損失電力が12Wとなることが分かる。
【0053】
つまり、本発明の整流回路にスイッチング素子としてMOSFETを用いた場合には、7.5W分の省電力化が図れるとともに、7.5W分の発熱量を低減することができることとなる。
【符号の説明】
【0054】
1 スイッチ
2 スイッチ
3 スイッチ
4 スイッチ
5 入力端
6 入力端
7 出力端
8 出力端
9 コンデンサ
11 MOSFET
12 MOSFET
13 MOSFET
14 MOSFET
15 入力端
16 入力端
17 出力端
18 出力端
19 コンデンサ
111 電圧取得部
112 判定部
121 電圧取得部
122 判定部
131 電圧取得部
132 判定部
141 電圧取得部
142 判定部
501 ダイオード
502 ダイオード
503 ダイオード
504 ダイオード
505 入力端
506 入力端
507 出力端
508 出力端
509 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力端と第2の入力端とから入力された交流電力を直流電力に変換して第1の出力端と第2の出力端から出力し、前記第1の出力端と前記第2の出力端にコンデンサが接続された整流回路において、
第1のスイッチ手段と第4のスイッチ手段とを閉じるとともに第2のスイッチ手段と第3のスイッチ手段とを開いた際に、前記第1のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成し、前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段とを閉じるとともに前記第1のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段とを開いた際に、前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成するように、前記第1のスイッチ手段と前記第2のスイッチ手段と前記第3のスイッチ手段と前記第4のスイッチ手段とを配設し、
前記第4のスイッチ手段を前記第1の入力端と前記第2の入力端との間の電圧に応じて開閉するとともに、前記第1のスイッチ手段を該第1のスイッチ手段の両端の間の電圧に応じて開閉し、
前記第3のスイッチ手段を前記第1の入力端と前記第2の入力端との間の電圧に応じて開閉するとともに、前記第2のスイッチ手段を該第2のスイッチ手段の両端の間の電圧に応じて開閉する
ことを特徴とする整流回路。
【請求項2】
前記第1の入力端の電位が前記第2の入力端の電位よりも高い場合に、前記第4のスイッチ手段を閉じ、
前記第1のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第1の入力端側の電位が前記第2の入力端側の電位よりも高い場合に、該第1のスイッチ手段を閉じ、
前記第2の入力端の電位が前記第1の入力端の電位よりも高い場合に、前記第3のスイッチ手段を閉じ、
前記第2のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第2の入力端側の電位が前記第1の入力端側の電位よりも高い場合に、該第2のスイッチ手段を閉じる
ことを特徴とする請求項1記載の整流回路。
【請求項3】
前記第1のスイッチ手段、前記第2のスイッチ手段、前記第3のスイッチ手段、前記第4のスイッチ手段は、それぞれ、MOSFETであることを特徴とする請求項2記載の整流回路。
【請求項4】
第1の入力端と第2の入力端とから入力された交流電力を直流電力に変換して第1の出力端と第2の出力端から出力し、前記第1の出力端と前記第2の出力端にコンデンサが接続された整流回路において、
第1のスイッチ手段と、
前記第1のスイッチ手段が閉じられた際に、該第1のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成する位置に配設された第4のスイッチ手段と、
第2のスイッチ手段と、
前記第2のスイッチ手段が閉じられた際に、該第2のスイッチ手段と前記コンデンサと前記第1の入力端と前記第2の入力端とで閉回路を形成する位置に配設された第3のスイッチ手段と、
前記第1のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第1の入力端側の電位が前記第2の入力端側の電位よりも高い場合に、該第1のスイッチ手段を閉じる第1の制御手段と、
前記第2のスイッチ手段の両端の電圧のうち、前記第2の入力端側の電位が前記第1の入力端側の電位よりも高い場合に、該第2のスイッチ手段を閉じる第2の制御手段と、
前記第2の入力端の電位が前記第1の入力端の電位よりも高い場合に、前記第3のスイッチ手段を閉じる第3の制御手段と、
前記第1の入力端の電位が前記第2の入力端の電位よりも高い場合に、前記第4のスイッチ手段を閉じる第4の制御手段と
を具備することを特徴とする整流回路。
【請求項5】
前記第1のスイッチ手段、前記第2のスイッチ手段、前記第3のスイッチ手段、前記第4のスイッチ手段は、それぞれ、MOSFETであることを特徴とする請求項4記載の整流回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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