説明

整髪用乳化組成物

【課題】優れた延展性と、優れたコンディショニング性と優れた整髪性の三者を満足させることができる整髪用乳化組成物の提供。
【解決手段】(A)環状シリコーン等の揮発性シリコーン油、(B)アミノ変性シリコーン等の不揮発性シリコーン油、(C)ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体等のポリエーテル変性シリコーン、(D)ジメチルシロキシル化無水ケイ酸等の疎水化無水ケイ酸及び(E)水を含有してなる整髪用乳化組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布時の延展性が良く、コンディショニング効果と整髪効果を発揮する整髪用乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、毛髪に優れたコンディショニング効果を付与するために、シリコーン油、エステル油などの油剤を配合する試みがなされている。例えば、特定のカチオン性界面活性剤と、エステル油と、シリコーン類とを含有するヘアコンディショニング組成物(特許文献1を参照)、特定の変性シリコーンと、多価アルコールと、高分子量シリコーンと、カチオン性界面活性剤とを含有するヘアコンディショニング組成物(特許文献2を参照)などが提案されている。
【0003】
しかしながら、整髪剤において、コンディショニング効果を付与するために、シリコーン油、エステル油などの油剤を配合すると、べたつき感が増すだけでなく、整髪機能自体を損なってしまうといった問題がある。また、セット保持力が低下するだけでなく、再整髪時に望むヘアスタイルにセットできない(再整髪性に劣る)といった問題もある。このように、整髪剤に十分なコンディショニング効果を付与することは困難とされてきた。
【0004】
そこで、整髪機能を損なうことなく、コンディショニング効果を付与する手段として、乳化系の整髪剤とする試みがなされている。
【0005】
例えば、シリコーン化多糖化合物と、ポリエーテル変性シリコーンと、液状油分とを含む整髪化粧料(特許文献3を参照)、水溶性高分子と、室温で固形状の油剤と、室温で液状のエステル油と、室温で液状の環状シリコーン油とを含有する毛髪化粧料(特許文献4を参照)、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物と、シリコーン油と、水と、粉体とを含有する油中水型毛髪化粧料(特許文献5を参照)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、これら試みに拠ってある程度の整髪機能を付与することはできるものの、従来の整髪剤と同等の整髪機能を発揮させるには至っていない。また、整髪機能を発揮させることに重きを置くと、十分なコンディショニング効果を付与することができないといった問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−182743号公報
【特許文献2】特開2009−234955号公報
【特許文献3】特開2006−290837号公報
【特許文献4】特開2007−1887号公報
【特許文献5】特開2009−209055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の課題は、優れた延展性と、優れたコンディショニング性と優れた整髪性の三者を満足させることができる整髪用乳化組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が検討を重ねた結果、化粧品分野では製剤の安定化剤として用いられてきた疎水化無水ケイ酸を乳化組成物に配合することにより、意外にも、整髪保持力及び再整髪性といった優れた整髪効果が発揮されることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、
(A)揮発性シリコーン油、(B)不揮発性シリコーン油、(C)ポリエーテル変性シリコーン、(D)疎水化無水ケイ酸及び(E)水を含有してなる整髪用乳化組成物に関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の整髪用乳化組成物は、塗布時の延展性が良く、べたつき感のない優れたコンディショニング効果、所謂、滑らかさや潤い感を奏するとともに、整髪保持力及び再整髪性に優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(A)成分の揮発性シリコーン油としては、化粧品分野で公知のものを制限無く使用することができる。揮発性シリコーン油の具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン等の環状シリコーン;オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、25℃における粘度が例えば1mPa・s以上10mPa・s未満のメチルポリシロキサン等の鎖状シリコーン等が挙げられる。
【0013】
(A)成分としては、これらの化合物を単独で用いてもよく、あるいは複数の化合物を併用してもよい。
【0014】
組成物中の(A)成分の含有量としては、1〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。使用感の観点から、該含有量は1質量%以上が好ましく、50質量%以下が好ましい。
【0015】
(B)成分の不揮発性シリコーン油としては、化粧品分野で公知のものを制限無く使用することができる。不揮発性シリコーン油としては、25℃における粘度が例えば10mPa・s以上15,000,000mPa・s以下の鎖状シリコーン;アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン(ただし、後述する(C)成分を除く)等が挙げられる。好適な(B)成分としては、優れたコンディショニング効果を付与する観点から、鎖状シリコーン、アミノ変性シリコーンが挙げられる。
【0016】
鎖状シリコーンの具体例としては、25℃における粘度が例えば10mPa・s以上6,000mPa・s未満のメチルポリシロキサン、25℃における粘度が例えば6,000mPa・s以上15,000,000mPa・s以下の高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノール等が挙げられる。アミノ変性シリコーンの具体例としては、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0017】
(B)成分としては、これらの化合物を単独で用いてもよく、あるいは複数の化合物を併用してもよい。
【0018】
組成物中の(B)成分の含有量としては、0.5〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、2〜30質量%がさらに好ましい。十分なコンディショニング効果を付与する観点から、該含有量は0.5質量%以上が好ましく、整髪効果を十分に発揮させる観点から、該含有量は50質量%以下が好ましい。
【0019】
(A)成分と(B)成分の組成物中の総含有量としては、20〜60質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。コンディショニング効果を与える観点から、上記総含有量は20質量%以上が好ましく、整髪効果を十分に発揮させる観点から、上記総含有量は60質量%以下が好ましい。
【0020】
さらに、(A)成分と(B)成分との組成物中の質量比は特に制限されないが、使用感の観点から、(A)/(B)=100/1〜20/1の範囲が好ましい。
【0021】
(C)成分のポリエーテル変性シリコーンは乳化作用を有するので、本発明において乳化剤として用いられる。(C)成分の具体例としては、例えば、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。(C)成分のHLB値は、乳化させることができるのであれば特に限定されないが、例えば1〜8の範囲のものを用いることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
【0022】
なお、(C)成分は、市販品を用いることもできる。ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体の市販品としては、例えば、BY22−008M(HLB:2)、BY11−030(HLB:3)、FZ−2233(HLB:3)(商品名、何れも東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。また、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体の市販品としては、例えば、ES−5612 Formulation Aid(HLB:4)(商品名、東レ・ダウコーニング社製)、KF6015(HLB:4.5)KF6017(HLB:4.5)(商品名、何れも信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0023】
(C)成分としては、これらの化合物を単独で用いてもよく、あるいは複数の化合物を併用してもよい。
【0024】
(C)成分の組成物中の含有量としては、0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。乳化組成物を得る観点から、上記含有量は0.01質量%以上が好ましく、適度な油性感とする観点から、上記含有量は15質量%以下が好ましい。
【0025】
組成物に整髪効果を付与する観点から、本発明では(D)成分として疎水化無水ケイ酸を用いる。疎水化無水ケイ酸は、後述する処理剤で無水ケイ酸に疎水化処理が施された粉体である。
【0026】
疎水化処理に用いられる処理剤としては、化粧品分野で公知のものを制限無く使用することができる。処理剤の具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、長鎖アルキルトリクロロシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリアルコキシシラン、メタクリルシラン、フルオロアルキルシラン、ペルフルオロアルキルシラン等の有機シリル化合物;ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0027】
疎水化処理方法としては、疎水化無水ケイ酸の疎水化処理を実施することができる方法であれば、特に限定されること無く公知の方法を採用することができるが、例えば、液相法、気相法、オートクレーブ法等を例示することができる。
【0028】
疎水化無水ケイ酸の具体例としては、ジメチルシロキシル化無水ケイ酸、トリメチルシロキシル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メタクリルシロキシル化無水ケイ酸及びオクチルシロキシル化無水ケイ酸等が挙げられる。疎水化無水ケイ酸としては、これらの化合物を一種で用いても良く、あるいは二種以上を併用しても良い。
【0029】
疎水化無水ケイ酸の大きさは特に限定されないが、例えば、平均一次粒径として、5〜45nmのものが好ましく、5〜15nmのものがより好ましい。ここで、平均一次粒径は、レーザー回析型粒度分布計を用い、レーザー回折・散乱法に基づいて求められる値である。
【0030】
(D)成分の組成物中の含有量としては、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。組成物に整髪効果を与える観点から、上記含有量は0.1質量%以上が好ましく、コンディショニング効果の低減を抑える観点から、上記含有量は15質量%以下が好ましい。
【0031】
さらに、整髪効果とコンディショニング効果の両方を兼ね備える観点から、(A)成分、(B)成分及び(D)成分が下記の関係を示すことが望ましい。具体的には、質量比として、((A)+(B))/(D)=4/1〜200/1が好ましく、10/1〜100/1がより好ましく、20/1〜50/1がさらに好ましい。
【0032】
本発明においては、(E)成分としての水が用いられる。水の組成物中の含有量としては、20〜80質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましい。
【0033】
さらに本発明の組成物には、化粧品分野で汎用されている種々の成分、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどの多価アルコール;球状ポリエチレン、結晶セルロースなど上記(D)成分以外の粉体;デキストリン脂肪酸エステル、増粘性高分子などの増粘性成分;固形ロウ類、油脂、高級脂肪酸などの油性成分;陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性などの界面活性剤;無機顔料、有機顔料、パール顔料などの粉体;動植物由来抽出物、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、ビタミン類、酸化防止剤、防腐・殺菌剤、抗炎症剤、抗フケ剤、着色剤、増粘剤、清涼剤、皮膜形成剤、pH調整剤、香料等を含有していていも構わない。かかる成分の組成物中の含有量は、例えば0.01〜50質量%が好ましい。
【0034】
本発明の組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、各原料を公知の混合装置で混合することにより、本発明の組成物を調製することができる。また、本発明の乳化組成物は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば、乳化のタイプは油中水型(W/O型)であっても、水中油型(O/W型)であっても特に限定されないが、使用感の観点から、油中水型(W/O型)の形態とすることがより好ましい。
【実施例】
【0035】
(試料の調製1)
表1及び表2に記した組成に従い、実施例1〜5及び比較例1〜4の各試料を調製し、下記評価に供した。結果をそれぞれ表1及び表2に併記する。尚、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。表中の組成の値はいずれも質量%である。((A)+(B))/(D)の数値に関して、表中では分母の記載(/1)を省略した。
【0036】
(試験例1:「延展性」の評価)
評価パネル20名により、23℃、湿度60%の恒温恒湿下で一晩放置した毛束(長さ10cm、幅0.8cm、重量1g)に各実施例及び各比較例で得られた試料を0.4g塗布した後、指先でのばして毛束の厚みを均一にした。次いで、各試料の塗布時の「延展性」について、下記の評価基準に従って官能評価した。
【0037】
<延展性の評価基準>
◎:20名中17名以上が延展性に優れると回答
○:20名中13〜16名が延展性に優れると回答
△:20名中9〜12名が延展性に優れると回答
×:20名中8名以下が延展性に優れると回答
【0038】
(試験例2:「べたつき感」、「滑らかさ」及び「潤い感」の評価)
同評価パネル20名により、試験例1の評価30分後の毛束の「べたつき感」、「滑らかさ」及び「潤い感」について、下記の評価基準に従って官能評価した。
【0039】
<べたつき感の評価基準>
◎:20名中17名以上がべたつき感はないと回答
○:20名中13〜16名がべたつき感はないと回答
△:20名中9〜12名がべたつき感はないと回答
×:20名中8名以下がべたつき感はないと回答
【0040】
<滑らかさの評価基準>
◎:20名中17名以上が滑らかさがあると回答
○:20名中13〜16名が滑らかさがあると回答
△:20名中9〜12名が滑らかさがあると回答
×:20名中8名以下が滑らかさがあると回答
【0041】
<潤い感の評価基準>
◎:20名中17名以上が潤い感に優れると回答
○:20名中13〜16名が潤い感に優れると回答
△:20名中9〜12名が潤い感に優れると回答
×:20名中8名以下が潤い感に優れると回答
【0042】
(試験例3:「整髪保持力」及び「再整髪性」の評価)
同評価パネル20名により、各実施例及び各比較例で得られた試料をウィッグ(レッスンマネキン:ユーカリジャパン社製)を用いて使用してもらい、「整髪保持力」及び「再整髪性」を下記の評価基準に従って官能評価した。
【0043】
尚、整髪保持力の評価は、毛髪を毛先の方からにぎる操作を10回行い、形成されたスタイルに、にぎった形がくっきりと保持されているものを整髪保持力が良いとして評価を行った。また、再整髪性の評価は、整髪保持力の評価後、毛髪を10回コームで梳いた後、再度、同様の評価を行った。
【0044】
<整髪保持力の評価基準>
◎:20名中17名以上が整髪保持力に優れると回答
○:20名中13〜16名が整髪保持力に優れると回答
△:20名中9〜12名が整髪保持力に優れると回答
×:20名中8名以下が整髪保持力に優れると回答
【0045】
<再整髪性の評価基準>
◎:20名中17名以上が再整髪性に優れると回答
○:20名中13〜16名が再整髪性に優れると回答
△:20名中9〜12名が再整髪性に優れると回答
×:20名中8名以下が再整髪性に優れると回答
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
表中の各原料の詳細は次の通りである。
・デカメチルシクロペンタシロキサン(信越化学社製、商品名:KF−995)
・ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、商品名:DC246 Fluid)
・メチルポリシロキサン(20cs)(東レ・ダウコーニング社製、商品名:SH200C−20cs)
・アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(東レ・ダウコーニング社製、商品名:SF 8452 C)
・ジメチコノール(東レ・ダウコーニング社製、商品名:1501 Fluid)
・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(東レ・ダウコーニング社製、商品名:BY22−008M、HLB:2))
・ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体(東レ・ダウコーニング社製、商品名:ES−5612 Formulation Aid(HLB:4))
・トリメチルシロキシル化無水ケイ酸(EVONIK社製、商品名:AEROSIL RX300、平均粒径:7nm)
・シリコーンオイル処理無水ケイ酸(EVONIK社製、商品名:AEROSIL R202、平均粒径:14nm)
・オクチルシロキシル化無水ケイ酸(EVONIK社製、商品名:AEROSIL R−805、平均粒径:12nm)
【0049】
上記のように、本発明品は優れたコンディショニング性と優れた整髪性を両立することができるだけでなく、延展性にも優れた組成物であることが分かった。
【0050】
一方、各比較例に示されるように、(A)成分を欠く組成ではべたつき感が強く(比較例1)、(B)成分を欠く組成では滑らかさ及び潤い感に劣り(比較例2)、(D)成分を欠く組成では整髪保持力及び再整髪性に劣ることが分かった(比較例4)。さらに、比較例3は(C)成分を含有していないため、水相と油相とが分離してしまい、乳化組成物として得ることができなかった。そのため、比較例3についての評価をすることができなかった。
【0051】
(参考例1、2)
表3に記した組成に従い、参考例1及び2の各試料を調製しようとした。
【0052】
【表3】

【0053】
しかしながら、参考例1及び2の混合物は、水相と油相とが分離してしまい、乳化組成物として得ることができなかった。そのため、参考例1及び2についての評価をすることができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の整髪用乳化組成物は、優れた延展性と、優れたコンディショニング性と優れた整髪性の三者を満足させることができる整髪剤として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)揮発性シリコーン油、(B)不揮発性シリコーン油、(C)ポリエーテル変性シリコーン、(D)疎水化無水ケイ酸及び(E)水を含有してなる整髪用乳化組成物。
【請求項2】
(C)成分がポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(D)成分が、トリメチルシロキシル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸及びオクチルシロキシル化無水ケイ酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の組成物。

【公開番号】特開2012−51815(P2012−51815A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193737(P2010−193737)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】