説明

敷きマット及び人体装着用シート

【課題】 トルマリンにより生じるマイナスイオンの効果を最大限引き出して、人間の健康増進に役立てることができる実用品を提供する。
【解決手段】 トルマリン微粉末を所定量配合したシリコーンゴムを原料とし、これを或る特定の形状に成型して得られた敷きマット1及び人体装着用シートに顕著な効果があることを見出しなされたもので、トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、平板状のマット本体の片面に適宜間隔をおいて複数の突起2が形成された敷きマット、及びトルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、適宜間隔をおいて複数の小孔が穿設された人体装着用シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トルマリン微粉末を含有したマット及びシートに関するもので、詳細には、健康改善などを目的として敷布団や椅子の座部などに敷いて用いられる敷きマット及び健康改善を目的として使用される人体装着用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、マイナスイオンによる健康改善効果が注目されており、例えば、マイナスイオンが人体に作用することにより、鎮痛、安眠、食欲増進、血行促進、疲労回復などの効果が得られることが報告されている。このため最近では、マイナスイオンを発生させる種々のタイプの装置が市販されているが、この種の装置は高価であり、一般に広く普及されるには至っていない。
【0003】
一方、電気石と称されるトルマリンは、自然の状態でマイナスイオンを発生させる性質があることが知られており、このためトルマリン粉末を添加したゴムや樹脂による健康増進用の種々の物品が製品化されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−67752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、トルマリンからのマイナスイオンの発生量は非常に微弱であり、トルマリン粉末を配合しただけの従来の製品では、マイナスイオンによる十分な効果は得られない。
したがって本発明の目的は、トルマリンにより生じるマイナスイオンの効果を最大限引き出して、人間の健康増進に役立てることができる実用品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記のような従来技術の課題を解決するため、トルマリン微粉末を配合した健康増進用の種々の実用品を試作し、トルマリンによるマイナスイオンの発生効果を調査した。その結果、トルマリン微粉末を所定量配合したシリコーンゴムを原料とし、これを或る特定の形状に成型して得られた敷きマット及び人体装着用シートに顕著な効果が認められることが判明した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
【0006】
(1)トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、平板状のマット本体の片面に適宜間隔をおいて複数の突起が形成されたことを特徴とする敷きマット。
(2)上記(1)の敷きマットにおいて、トルマリン微粉末の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする敷きマット。
(3)上記(1)又は(2)の敷きマットにおいて、突起は、マット本体上面からの高さtが2〜10mm、直径Dが1〜5mmであり、形成密度が10cm四方当たり50〜300個であることを特徴とする敷きマット。
【0007】
(4)トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、適宜間隔をおいて複数の小孔が穿設されたことを特徴とする人体装着用シート。
(5)上記(4)の人体装着用シートにおいて、トルマリン微粉末の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする人体装着用シート。
(6)上記(4)又は(5)の人体装着用シートにおいて、小孔の形成密度が10cm四方当たり30〜150個であり、且つシート面積に対する小孔の合計面積率が30〜65%であることを特徴とする人体装着用シート。
【発明の効果】
【0008】
本発明の敷きマットによれば、トルマリン微粉末が発生させるマイナスイオンの作用が人体に効果的に及ぼされ、安眠、鎮痛、新陳代謝の促進、血行促進、疲労回復などの面で高い効果が得られる。
また、本発明の人体装着用シートによれば、トルマリン微粉末が発生させるマイナスイオンの作用が人体に効果的に及ぼされ、鎮痛、血行促進、凝り防止などの面で高い効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の敷きマットについて説明する。
本発明の敷きマットは、就寝時に敷布団の上に敷いたり、或いは椅子の座部や背部に敷くマットなどして使用される。
図1〜図3は、本発明の敷きマットの一実施形態を示すもので、図1は一部を省略した平面図、図2は部分拡大平面図、図3は部分拡大斜視図である。
本発明の敷きマットは、トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなるもので、平板状のマット本体1の片面に適宜間隔をおいて複数の突起2を形成したものである。
【0010】
マットの主たる構成材料であるシリコーンゴムは、マットに適した適度な弾力性と可曲性を有するとともに、突起2がその機能を有効に発揮できる適度な固さと弾力を備えることができる。また、トルマリン微粉末の分散性が良いので、トルマリン微粉末を均一に含有させることができ、効率よくマイナスイオンを発生させることができる。トルマリン微粉末を含有するシリコーンゴム製品は、未硬化のシリコーンゴム組成物にトルマリン微粉末を添加し、十分に混練した後、成型及び硬化させることにより得ることができる。
【0011】
上記トルマリン微粉末含有シリコーンゴム中でのトルマリン微粉末の配合量は0.1〜3質量%とする。トルマリン微粉末の配合量が0.1質量%未満では、トルマリンによるマイナスイオンの発生効果が十分に得られない。一方、トルマリン微粉末の配合量が3質量%を超えてもマイナスイオンの発生効果は低下する傾向がある。その理由は必ずしも明らかではないが、トルマリン微粉末の粒子間の距離が小さくなることにより、電気的な作用が弱まることが考えられる。
シリコーンゴム中に配合するトルマリン微粉末は、マイナスイオンの発生源(個々の微粉末粒子)の数を十分に確保するため、平均粒径が3μm以下であることが好ましい。
【0012】
本発明で使用するトルマリンの種類に特別な制限はなく、例えば、ショールトルマリン、リチウムトルマリン、ドラバイトトルマリン、ルベライトトルマリン、ピンクトルマリン、インデコライト、パライバトルマリン、ウォーターメロン等と称されるトルマリンの1種又は2種以上を用いることができるが、その中でも特に黒トルマリンと呼ばれるショールトルマリンが好ましい。
【0013】
本発明の敷きマットの形態は、平板状のマット本体1の片面に所定の間隔をもって複数(多数)の突起2を形成したものである。この複数の突起2の作用効果としては、(1)人体とマット本体間に空気の層(通り路)が形成されることによりマイナスイオンによる作用が増進されること、(2)突起2が皮膚を適度に刺激すること、などによりトルマリンから発生するマイナスイオンの効果が最大限に引き出され、且つそれが人体に有効に作用するものと考えられる。
【0014】
平板状のマット本体1の厚さや大きさは特に制限はないが、通常、厚さは3〜10mm程度とすることが好ましい。また、本発明の敷きマットは主として人体の肩胛骨〜腰の間の部位に当てると特に効果が高いため、通常、マット本体1のサイズは1辺の長さが数十cm〜1m程度とするのが好ましい。また、マット本体1の片面に形成される突起2の設け方に特別な制限はないが、本実施形態のようにマット本体1の片面全体に所定の間隔をもって形成することが好ましい。
【0015】
個々の突起2の形態や大きさにも特別な制限はなく、本実施形態では、先端に丸みを付けた円柱形状に構成されている。但し、突起2の高さがあまり低すぎると、上述したような突起自体による作用効果が十分に得られず、一方、高さがあまり高すぎると荷重(人体による荷重)がかかった際に突起が極端に折れ曲がるなどして、この場合も上述したような作用効果が十分に得られない。また、突起2の直径があまり小さすぎると荷重がかかった際に突起が極端に折れ曲がるなどして、上述したような作用効果が十分に得られない。一方、突起2の直径があまり大きすぎると、逆に突起が変形しなくなるため、この場合も上述したような突起による作用効果が十分に得られない。以上の観点からして、突起2は、マット本体1の上面からの高さtを2〜10mm程度、直径D(突起の水平断面形状が円形以外の場合には短径及び長径)を1〜5mm程度とすることが好ましい。
【0016】
また、突起2の形成密度は、あまり低すぎると上述したような突起による効果が十分に得られず、一方、高すぎると荷重がかかった際に突起が変形しにくくなり、且つ突起周囲の空間(凹部)が狭くなりすぎるため、この場合も上述したような突起による作用効果が十分に得られない。このため突起の形成密度は10cm四方当たり50〜300個程度とすることが好ましい。
【0017】
次に、本発明の人体装着用シートについて説明する。
本発明の人体装着用シートは、肩や関節などの身体の任意の部位に装着して使用される。
図4は本発明の人体装着用シートの一実施形態を示すもので、一部を省略した平面図である。また、図5及び図6は人体への装着例を示す説明図である。
本発明の人体装着用シートは、トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなるもので、シート体3に適宜間隔をおいて複数の小孔4を穿設したものである。
【0018】
シートの主たる構成材料であるシリコーンゴムは、人体に装着するシートに適した適度な弾力性と可曲性を有し、また肌触りも良好である。また、トルマリン微粉末の分散性が良いので、トルマリン微粉末を均一に含有させることができ、効率よくマイナスイオンを発生させることができる。トルマリン微粉末を含有するシリコーンゴム製品は、未硬化のシリコーンゴム組成物にトルマリン微粉末を添加し、十分に混練した後、成型及び硬化させることにより得ることができる。
【0019】
上記トルマリン微粉末含有シリコーンゴム中でのトルマリン微粉末の配合量は0.1〜3質量%とする。トルマリン微粉末の配合量が0.1質量%未満では、トルマリンによるマイナスイオンの発生効果が十分に得られない。一方、トルマリン微粉末の配合量が3質量%を超えてもマイナスイオンの発生効果は低下する傾向がある。その理由は必ずしも明らかではないが、トルマリン微粉末の粒子間の距離が小さくなることにより、電気的な作用が弱まることが考えられる。
【0020】
シリコーンゴム中に配合するトルマリン微粉末は、マイナスイオンの発生源(個々の微粉末粒子)の数を十分に確保するため、平均粒径が3μm以下であることが好ましい。
本発明で使用するトルマリンの種類に特別な制限はなく、先に敷きマットに関して述べたようなものを用いることができる。
【0021】
本発明の人体装着用シートの形態は、シート体3に所定の間隔をもって複数の小孔4を穿設したものである。この複数の小孔4の作用効果としては、小孔4内の空間(凹部)で空気の層(通り路)が形成されることにより、トルマリンから発生するマイナスイオンの効果が最大限に引き出され、且つそれが人体に有効に作用するものと考えられる。
シート体3の厚さは特に制限はないが、通常、1〜3mm程度が適当である。また、小孔4はシート体3の全体に所定の間隔をもって形成することが好ましい。
【0022】
また、小孔4の形成密度は、あまり低すぎると上述したような小孔による効果が十分に得られず、一方、高すぎるとシートの強度が不足するとともに、トルマリン微粉末を含有するシート部分の面積が減少するためトルマリンによる作用効果が十分に得られない。このため小孔4の形成密度は10cm四方当たり30〜150個程度とすることが好ましい。また、同様の観点から、シート面積に対する小孔の合計面積率は30〜65%程度とすることが好ましい。
【0023】
個々の小孔4の形態や大きさにも特に制限はないが、小孔4の大きさがあまり小さ過ぎても大き過ぎても上述したような小孔による作用効果が得られにくくなるため、小孔4の直径D(小孔が円形以外の場合には短径及び長径)は3〜25mm程度とすることが好ましい。
また、小孔4の形状は任意であり、円形(真円形)や楕円形などをはじめとする任意の形状でよい。
【0024】
本発明の人体装着用シート全体の形態は、装着すべき人体の部位に応じて適宜選択される。図5及び図6は形態例(装着例)を示すもので、図5のものは肩部に装着するため切欠部5を有するシート部Aと固定用の補助具Bとからなり、図6のものは膝に装着するために切欠部6を有する筒状シートからなっている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の敷きマットの一実施形態を示すもので、一部を省略した平面図
【図2】図1の実施形態の部分拡大平面図
【図3】図1の実施形態の部分拡大斜視図
【図4】本発明の人体装着用シートの一実施形態を示すもので、一部を省略した平面図
【図5】本発明の人体装着用シートの一装着例を示す説明図
【図6】本発明の人体装着用シートの他の装着例を示す説明図
【符号の説明】
【0026】
1 マット本体
2 突起
3 シート体
4 小孔
5,6 切欠部
A シート部
B 補助具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、平板状のマット本体の片面に適宜間隔をおいて複数の突起が形成されたことを特徴とする敷きマット。
【請求項2】
トルマリン微粉末の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の敷きマット。
【請求項3】
突起は、マット本体上面からの高さtが2〜10mm、直径Dが1〜5mmであり、形成密度が10cm四方当たり50〜300個であることを特徴とする請求項1又は2に記載の敷きマット。
【請求項4】
トルマリン微粉末を0.1〜3質量%含有するシリコーンゴムからなり、適宜間隔をおいて複数の小孔が穿設されたことを特徴とする人体装着用シート。
【請求項5】
トルマリン微粉末の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の人体装着用シート。
【請求項6】
小孔の形成密度が10cm四方当たり30〜150個であり、且つシート面積に対する小孔の合計面積率が30〜65%であることを特徴とする請求項4又は5に記載の人体装着用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−230828(P2006−230828A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52197(P2005−52197)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(505070542)株式会社ティーレックス (1)
【Fターム(参考)】