説明

文字列入力装置及び文字列検索装置

【課題】異なる言語間における文字の誤認識を防止する「文字列入力装置及び文字列検索装置」を提供する。
【解決手段】文字一覧403として、数字、英文字、ロシア文字を一列に並べた文字配列中の、ユーザによってスクロール操作される表示範囲410(a)内の部分を表示し、文字一覧403の中央位置の文字を選択中文字に設定する(b-d)。文字一覧403においては、ユーザが英文字とロシア文字とを視認上容易に区別して認識できるように、英文字とロシア文字とを異なる態様で表示する。そして、エンターキーが操作されたならば、当該時点において選択中文字に設定されている文字を、入力文字列401の後尾に追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる複数の言語の文字の入力や表示の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、異なる複数の言語の文字の入力や表示を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-139338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、文字の内には、当該文字の属する言語と異なる言語の文字と、形状が一致、もしくは近似する文字が存在する。このため、このような文字については、異なる複数の言語の文字の入力や表示を行う際に、ユーザが、当該異なる言語の文字と誤認識してしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、異なる複数の言語の文字の入力や表示を行う際に、異なる言語間における文字の誤認識を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置に、入力可能な文字の一覧である文字一覧を表示する文字一覧表示手段と、前記文字一覧中からユーザによって選択された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段とを備えたものである。ここで、前記入力可能な文字は、異なる複数の言語に属する文字を含み、前記文字一覧表示手段は、前記文字の一覧の表示において、異なる言語に属する文字を異なる態様で表示する。
【0007】
このような文字列入力装置によれば、ユーザは、文字一覧中の各文字の属する言語を、その文字の表示の態様から容易に識別することができるので、ユーザが、異なる言語間における文字の形状の一致や類似による誤認識によって、意図した文字と異なる文字を選択して入力しまうことを抑制できる。
【0008】
また、前記課題達成のために、本発明は、ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置に、異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段と、前記入力文字列を表示する入力文字列表示手段とを備えたものである。ここで、前記入力文字列表示手段は、前記入力文字列の表示において、異なる言語に属する文字を異なる態様で表示する。
【0009】
このような文字列入力装置によれば、ユーザは、入力した入力文字列に含まれる各文字の属する言語を、その文字の表示の態様から容易に識別することができるので、ユーザが、異なる言語間における文字の形状の一致や類似による誤認識によって、意図した文字と異なる文字を入力してしまった場合に、その旨を容易に認識して、その修正を行うことができるようになる。
【0010】
なお、以上の各文字列入力装置において、前記異なる言語に属する文字を異なる態様で表示するとは、異なる言語に属する文字を異なる色または輝度またはフォントで表示することであってもよいし、異なる言語に属する文字を異なる修飾を施して表示することであってもよい。
【0011】
また、前記課題達成のために、本発明は、ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置に、入力可能な文字の一覧である文字一覧を表示する文字一覧表示手段と、前記文字一覧中からユーザによって文字の選択を受け付け、選択を受け付けた文字を選択文字とする文字選択受付手段と、選択文字言語表示手段と、ユーザの文字決定操作を受け付けて、選択文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段とを備えたものである。ここで、前記入力可能な文字は、異なる複数の言語に属する文字を含み、前記選択文字言語表示手段は、前記選択文字が属する言語の識別を表示する。
【0012】
このような文字列入力装置によれば、ユーザは、選択した文字の属する言語を、前記選択文字言語表示手段が行う言語の識別の表示から容易に識別することができるので、ユーザが、異なる言語間における文字の形状の一致や類似による誤認識によって、意図した文字と異なる文字を選択してしまった場合、そのまま当該文字を入力してしまうことを抑制することができる。
【0013】
また、前記課題達成のために、本発明は、ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置に、異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段と、前記入力文字列を表示する入力文字列表示手段と、入力文字言語表示手段と、前記入力文字列に含まれる文字が属する言語各々の識別を表示する前記入力文字言語表示手段とを設けたものである。
【0014】
このような文字入力装置によれば、入力した入力文字列に含まれる文字が属する言語を、入力文字言語表示手段が行う言語の識別の表示から容易に識別することができるので、ユーザが、異なる言語間における文字の形状の一致や類似による誤認識によって、意図した文字と異なる文字を入力してしまった場合に、その旨を容易に認識して、その修正を行うことができるようになる。
【0015】
また、前記課題達成のために、本発明は、文字列を検索する文字列検索装置に、異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字よりなる文字列である検索文字列にマッチする文字列を、異なる複数の言語に属する文字列のうちから、検索する文字列検索手段と、前記検索された文字列の一覧を表示する文字列一覧表示手段と、前記文字列検索手段が、前記検索文字列にマッチする文字列を検索できなかった場合に、前記検索文字列が、異なる複数の言語に属する文字を含む場合に、その旨をユーザに対して通知する通知手段とを設けたものである。
【0016】
このような文字列検索装置によれば、ユーザが、検索文字列の入力時に、異なる言語間における文字の形状の一致や類似による誤認識によって、意図した文字と異なる文字を入力してしまったことを原因として検索が失敗してしまった場合に、当該原因を認識して、新たに正しい検索文字列による検索等を行えるようになる。
【0017】
また、本発明は、前記課題達成のために、文字列を検索する文字列検索装置に、異なる複数の言語に属する文字列のうちから、ユーザから指定された条件にマッチする文字列を検索する文字列検索手段と、前記検索された文字列の一覧を表示する文字列一覧表示手段とを設け、前記文字列一覧表示手段において、前記文字列一覧中において、異なる言語に属する文字列を異なる態様で表示するようにしたものである。
【0018】
このような文字列検索装置によれば、ユーザは、文字列一覧中の文字列が属する言語を容易に識別することができるので、各文字列を誤認識を防止することができる。
ここで、このような文字列検索装置は、前記文字一覧表示手段において、前記文字列の一覧の表示において、異なる言語に属する文字列を異なる色または輝度で表示するようにしてもよいし、前記文字列の一覧の表示において、異なる言語に属する文字列を異なる修飾を施して表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、異なる複数の言語の文字の入力や表示を行う際に、異なる言語間における文字の誤認識を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る施設データベースと置換候補リストの内容を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る名称施設検索処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る名称施設検索処理の表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る名称施設検索処理の表示画面例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る名称施設検索処理の表示画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るジャンル検索処理の表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、自動車に搭載されるナビゲーションシステムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。
ナビゲーションシステムは自動車に搭載されるシステムであり、図示するように、ナビゲーション装置1と、操作部2と、表示装置3と、車両状態センサ4と、GPS受信機5とを備えて構成される。ここで、ここで、車両状態センサは、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや、車速パルスセンサなどである車速センサなどの、車両状態を検出するセンサ群である。
【0022】
そして、ナビゲーション装置1は、DVDドライブやHDDなどの記憶装置であるデータ記憶部11、現在状態算出部12、操作部2や表示装置3を用いたユーザとの間の入出力を制御するGUI制御部13、ルート探索部14、メモリ15、制御部16、案内画像生成部17とを有する。
【0023】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0024】
ここで、以下では、ナビゲーションシステムにおいて、図2aに示す数字、英文字、ロシア文字の入力や表示を行う場合を例にとり説明を行う。
さて、ナビゲーションシステムのデータ記憶部11には、地図情報を表す地図データを格納した地図データベースと、各施設の施設情報を表す施設データベースと、置換候補リストが格納される。
図2bに、施設データベースの内容を示す。
図示するように施設データベースは、施設毎のエントリを有し、各エントリには、当該施設の識別子となる施設識別子、施設のホテルやレストランやショップやガソリンスタンドいったジャンル、施設の名称である施設名称、施設の地図上の位置を表す座標、施設の住所、施設の電話番号等が登録される。
【0025】
ここで、施設データベースの各エントリには、英文字列、英文字と数字を組み合わせた文字列、ロシア文字列、ロシア文字と数字を組み合わせた文字列等を、施設名称として登録することができる。
次に、図2cに置換候補リストの内容を示す。
図示するように、置換候補リストには、形状が一致、近似する等の理由により、ロシア文字と混同されるおそれのある英文字と、当該英文字と混同されるおそれのあるロシア文字の対応が登録されている。
以下、このようなナビゲーションシステムの動作について説明する。
まず、ナビゲーション装置1の現在状態算出部12は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部12は、車両状態センサやGPS受信機5の出力から推定される現在位置に対して、データ記憶部11の地図データベースから読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ15に設定する。
【0026】
また、制御部16は、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ15にセットする。そして、目的地までの推奨ルートをルート探索部14に探索させる。ルート探索部14は、必要地理的範囲の地図データを、データ記憶部11の地図データベースから読み出し、メモリ15に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ15にセットする。
【0027】
また、制御部16は、メモリ15にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ15にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理も行う。
そして、案内画像生成部17は、メモリ15にセットされた現在位置と、その時点で設定されている地図の表示縮尺に従って制御部16が算定した地図表示範囲の地図画像を、データ記憶部11の地図データベースの地図データに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ15にセットされている現在位置や推奨ルートや目的地を描画した案内画像を生成し表示装置3に表示する。
【0028】
次に、ナビゲーションシステムにおける、前述した施設データベースを用いて行う施設検索の動作について説明する。
ナビゲーション装置1の制御部16は、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して、名称検索の実行を要求されると、名称施設検索処理を実行する。
図3に、この名称施設検索処理の手順を示す。
図示するように、この処理において制御部16は、名称施設検索ウインドウをGUI制御部13を介して表示装置3の表示画面上に設定する(ステップ302)。
ここで、名称施設検索ウインドウは、図4b、cに示すように、入力文字列を表示する入力ボックス401、選択中文字表示エリア402、文字一覧403、操作ガイド404、選択中文字言語表示405、入力文字列言語表示406とより構成される。
ここで、文字一覧403としては、図4aに示すように、各数字、英文字アルファベット、ロシア文字アルファベットを一列に並べた文字配列中の、表示範囲410内の部分が表示される。また、この、表示範囲は、文字配列上に、所定数の文字を含むように設定され、当該表示範囲は、操作部2に備えられたロータリエンコーダスイッチの回転操作に応じて移動する。すなわち、たとえば、表示範囲410がロータリエンコーダスイッチの回転操作によって、図4aの410(A)から410(B)に移動すると、文字一覧403は、図4bから図4cに示すように変化する。
【0029】
そして、文字一覧403の中央に位置する文字が選択中文字として設定され、文字一覧403において選択中文字が強調表示されると共に、選択中文字が、選択中文字表示エリア402に拡大表示される。したがって、ユーザはロータリエンコーダスイッチの回転操作によって表示範囲410を移動することにより、選択中文字を切り替えることができる。
【0030】
そして、選択中文字言語表示405には、選択中文字が英文字であるか、ロシア文字である場合に、英文字/ロシア文字の識別が表示される。すなわち、選択中文字が英文字である場合には図4b、cに示すように、選択中文字言語表示405として「EN」の文字列が表示され、選択中文字がロシア文字である場合には図4dに示すように選択中文字言語表示405として「RU」の文字列が表示される。
【0031】
一方、入力文字列言語表示406には、入力ボックス401に表示される入力文字列が、英文字とロシア文字の内の、英文字のみを含むか、ロシア文字のみを含むか、英文字とロシア文字の双方を含むかの識別が表示される。すなわち、図4b、cに示すように、入力ボックス401に表示される入力文字列が英文字のみを含む場合には入力文字列言語表示406として「EN」の文字列が表示され、図4dに示すように,入力ボックス401に表示される入力文字列がロシア文字のみを含む場合には入力文字列言語表示406として「RU」の文字列が表示され、図4eに示すように,入力ボックス401に表示される入力文字列が英文字とロシア文字の双方を含む場合には「EN RU」の文字列が表示される。
【0032】
ここで、制御部16は、ユーザが英文字とロシア文字とを視認上容易に区別して認識できるように、名称施設検索ウインドウにおける文字一覧403において、英文字とロシア文字とを異なる態様で表示する。すなわち、たとえば、図4c、d、eに示すように、文字一覧403において、英文字とロシア文字とを異なる表示色や表示輝度で表示したり、図5aに示すように英文字とロシア文字とを異なるフォントで表示したり、図5bに示すように英文字とロシア文字とを、下線の有無などにより異なる修飾を施して表示する。
【0033】
また、制御部16は、入力ボックス401の入力文字列の表示においても、制御部16は、ユーザが英文字とロシア文字とを視認上容易に区別して認識できるように、英文字とロシア文字とを異なる態様で表示する。すなわち、図4c、d、eに示すように、入力ボックス401の入力文字列の表示において、英文字とロシア文字とを異なる表示色や表示輝度で表示したり、図5aに示すように英文字とロシア文字とを異なるフォントで表示したり、図5bに示すように英文字とロシア文字とを、下線の有無などにより異なる修飾を施して表示する。
【0034】
さて、図3に戻り、以上のような名称施設検索ウインドウを表示したならば、操作部2に備えられたエンターキーのプッシュ操作による文字入力の受け付けの発生と(ステップ304)、操作部2に備えられた右方向キーのプッシュ操作によるスペース入力の受け付けの発生と(ステップ306)、操作部2に備えられた左方向キーのプッシュ操作による1文字削除の受け付けの発生と(ステップ308)、操作部2に備えられた下方向キーのプッシュ操作によるリスト表示指示の受け付けの発生と(ステップ310)とを、リスト表示指示の受け付けの発生(ステップ310)まで監視する。
【0035】
そして、文字入力の受け付けが発生したならば(ステップ304)、当該時点において選択中文字に設定されている文字を、入力文字列の後尾に追加する(ステップ322)。すなわち、図5cのように入力文字列が「ABC」であり、選択中文字が英文字「H」であるときに、エンターキーがプッシュ操作されたならば、図5dに示すように、英文字「H」を、入力文字列「ABC」の後尾に追加し、入力文字列を「ABC H」とする。
【0036】
また、スペース入力の受け付けが発生した場合には(ステップ306)、スペース文字を、入力文字列の後尾に追加する(ステップ324)。
また、1文字削除の受け付けが発生した場合には(ステップ308)、入力文字列の最後尾の1文字を削除する(ステップ326)。
そして、リスト表示指示の受け付けが発生した場合には(ステップ310)、当該時点における入力文字列とマッチする施設名称を、前方一致検索等により施設データベースから検索する(ステップ312)。
そして、検索が成功したかどうか、すなわち、少なくとも一つの施設名称を検索できているかどうかを調べ(ステップ314)、検索が成功している場合には、図6a、bに示す施設一覧ウインドウをGUI制御部13を介して表示装置3の表示画面上に設定し、施設一覧ウインドウ中に検索した施設名称の一覧を表示する(ステップ318)。
【0037】
ここで、施設一覧ウインドウには、図示するように、検索した施設名称の一覧601と、施設名称の一覧601上で、ロータリエンコーダスイッチの回転操作に応じて上下に移動するフォーカスフレーム602と、操作ガイド603とが表示される。
また、検索した施設名称は一度に施設一覧ウインドウに表示可能な数毎に頁分けされており、施設名称が複数の頁に渡る場合には、施設名称の一覧601として表示する施設名称の頁は、左方向キーや右方向キーの操作に応じて切り替わる。
そして、エントリキーのプッシュ操作による施設名称選択操作の発生を監視し(ステップ318)、施設名称選択操作が発生したならば、当該時点において施設名称の一覧601上で、フォーカスフレームが602が位置づけられている施設名称を選択施設名称として、施設データベースの選択施設名称のエントリに登録されている座標、すなわち、選択施設名称の施設地点を目的地に設定し(ステップ320)、名称施設検索処理を終了する。ただし、ステップ320では、選択施設名称の施設地点を目的地に設定する代わりに、選択施設名称の施設地点周辺の地図を表示するように、前述した地図表示範囲を変更したり、施設データベースの選択施設名称のエントリに登録されている情報を表示するなどの処理を行うようにしてもよい。
【0038】
さて、ステップ314に戻り、当該ステップ314において、検索が成功していないか、すなわち、入力文字列とマッチする施設名称が施設データベースに一つも登録されていない為に、一つの施設名称も検索できていないと判定された場合には、まず、検索失敗を通知する検索エラーウインドウを図6cに示すように、GUI制御部13を介して表示装置3に表示する(ステップ328)。そして、入力文字列に英文字とロシア文字の双方が含まれているかどうかを調べ(ステップ330)、含まれていない場合には、以降のユーザ操作に応じて定まる処理を行い(ステップ336)、名称施設検索処理を終了する。以降のユーザ操作に応じて定まる処理とは、名称施設検索処理の再実行などが含まれる。
【0039】
一方、入力文字列に英文字とロシア文字の双方が含まれている場合には(ステップ330)、入力文字列を置換候補リストに従って単言語文字列に変換可能かどうかを調べる(ステップ332)。ここでは、入力文字列中の英文字の全てについて、当該英文字に対応するロシア文字が置換候補リストに登録されているか、入力文字列中のロシア文字の全てについて、当該ロシア文字に対応する英文字が置換候補リストに登録されている場合に、単言語文字列に変換可能と判定する。そして、単言語文字列に変換可能でなければ、ステップ334に進む。
【0040】
一方、単言語文字列に変換可能であれば、入力文字列を置換候補リストに従って単言語文字列に変換し、変換した単言語文字列にマッチする施設名称を施設データベースから検索する(ステップ338)。ここで、入力文字列の単言語文字列への変換は、入力文字列中の英文字の全てについて、当該英文字に対応するロシア文字が置換候補リストに登録されている場合には、入力文字列中の各英文字を、置換候補リストに登録されている当該英文字に対応するロシア文字に置換することにより得られる、ロシア文字列または数字とロシア文字よりなる文字列を、単言語文字列とすることにより行い、入力文字列中のロシア文字の全てについて、当該ロシア文字に対応する英文字が置換候補リストに登録されている場合には、入力文字列中の各ロシア文字を、置換候補リストに登録されている当該ロシア文字に対応する英文字に置換することにより得られる、英文字列または数字と英文字よりなる文字列を、単言語文字列とすることにより行う。
【0041】
なお、入力文字列中の英文字の全てについて、対応するロシア文字が置換候補リストに登録されており、かつ、入力文字列中のロシア文字の全てについて、対応する英文字が置換候補リストに登録されている場合には、以上のようにして得られる、ロシア文字列または数字とロシア文字よりなる文字列と、英文字列または数字と英文字よりなる文字列との双方を、単言語文字列とし、ステップ338の検索は、双方単言語文字列のそれぞれについて行う。
【0042】
そして、検索した施設名称の数を付加情報として設定し(ステップ340)、ステップ334に進む。
そして、このようにしてステップ334に進んだならば、図6dに示すように、メッセージウインドウ650を表示し、メッセージウインドウ650中に、検索が失敗した旨と、入力文字列に英文字とロシア文字が混在している旨とを表示する。また、付加情報が設定されている場合には、付加情報として設定されている、入力文字列を変換した単言語文字列と、当該単言語文字列の言語と、当該単言語文字列による検索で得られた施設名称の数も表示する(ステップ334)。そして、前述したステップ336に進み、以降のユーザ操作に応じて定まる処理を行い、名称施設検索処理を終了する。
【0043】
以上、制御部16が行う名称施設検索処理について説明した。
次に、制御部16が行うジャンル検索処理について説明する。
ナビゲーション装置1の制御部16は、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して、ジャンル検索の実行を要求されると、ジャンル検索処理を実行する。
このジャンル検索処理において、制御部16は、まず、図7aに示すジャンル選択ウインドウを表示し、ジャンル選択ウインドウに表示したジャンルの一覧700中よりのジャンルを選択を受け付ける。
そして、ジャンルの選択を受け付けたならば、選択されたジャンルが登録されている施設名称を施設データベースより検索し、ジャンル別施設一覧ウインドウを表示装置3の表示画面上に設定し、図7bに示すように、ジャンル別施設一覧ウインドウ中に検索した施設名称の一覧701と、施設名称の一覧701上で、ロータリエンコーダスイッチの回転操作に応じて上下に移動するフォーカスフレーム702と、操作ガイド703とが表示される。
【0044】
ここで、施設名称の一覧701中において、各施設名称は、言語順、かつ、同言語内ではアルファベット順に上下に並べて表示する。
また、施設名称の一覧701中において、ユーザが英言語の施設名称(英文字と数字とよりなる施設名称)とロシア言語の施設名称(ロシア文字と数字とよりなる施設名称)とを視認上容易に区別して認識できるように、英言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを異なる態様で表示する。すなわち、図7bに示すように、英言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを異なる表示色や表示輝度で表示したり、図7cに示すよう英言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを異なるフォントで表示したり、図7dに示すように英言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを、下線の有無などにより異なる修飾を施して表示したり、図7eに示すように、英言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを、マークの有無による異なる修飾によって表示する。なお、図7eでは、ロシア言語による施設名称の前にロシア国旗を模したマークを修飾として表示することにより、言語による施設名称とロシア言語による施設名称とを視認上、区別可能に表示している。
【0045】
よって、ユーザは、このような施設名称の一覧701に含まれる各施設名称の言語を容易に認識できるので、英言語の施設名称と、ロシア言語の施設名称が施設名称の一覧701に含まれている場合にも、英文字とロシア文字の誤認識によって施設名称の並びが不自然に感じられてしまうことはない。
【0046】
さて、このような施設一覧ウインドウを表示したならば、エントリキーのプッシュ操作による施設名称選択操作が発生したならば、当該時点において施設名称の一覧601上で、フォーカスフレームが602が位置づけられている施設名称を選択施設名称として、施設データベースの選択施設名称のエントリに登録されている座標、すなわち、選択施設名称の施設地点を目的地に設定し、ジャンル検索処理を終了する。
【0047】
以上、ナビゲーション装置1の制御部16が行うジャンル検索処理について説明した。
なお、以上の実施形態では、英文字とロシア文字との2言語の文字を取り扱う場合について説明したが、本実施形態は英文字とロシア文字以外の組み合わせの言語の文字を取り扱う場合や、3言語以上の言語の文字を取り扱う場合にも、同様に適用可能である。また、施設名称以外の任意の文字列を取り扱う場合に、同様に適用可能である。
また、以上の実施形態では、ナビゲーションシステムへの適用を例にとり説明したが、本実施形態に係るにおける文字入力や文字列表示の技術は、任意の装置における文字入力や文字列表示に適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…ナビゲーション装置、2…操作部、3…表示装置、4…車両状態センサ、5…GPS受信機、11…データ記憶部、12…現在状態算出部、13…GUI制御部、14…ルート探索部、15…メモリ、16…制御部、17…案内画像生成部、401…入力ボックス、402…選択中文字表示エリア、403…文字一覧、404…操作ガイド、405…選択中文字言語表示、406…入力文字列言語表示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置であって、
入力可能な文字の一覧である文字一覧を表示する文字一覧表示手段と、
前記文字一覧中からユーザによって選択された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段とを有し、
前記入力可能な文字は、異なる複数の言語に属する文字を含み、
前記文字一覧表示手段は、前記文字の一覧の表示において、異なる言語に属する文字を異なる態様で表示することを特徴とする文字列入力装置。
【請求項2】
ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置であって、
異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段と、
前記入力文字列を表示する入力文字列表示手段とを有し、
前記入力文字列表示手段は、前記入力文字列の表示において、異なる言語に属する文字を異なる態様で表示することを特徴とする文字列入力装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の文字列入力装置であって、
前記異なる言語に属する文字を異なる態様で表示するとは、異なる言語に属する文字を異なる色または輝度またはフォントで表示することであることを特徴とする文字列入力装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の文字列入力装置であって、
前記異なる言語に属する文字を異なる態様で表示するとは、異なる言語に属する文字を異なる修飾を施して表示することであることを特徴とする文字列入力装置。
【請求項5】
ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置であって、
入力可能な文字の一覧である文字一覧を表示する文字一覧表示手段と、
前記文字一覧中からユーザによって文字の選択を受け付け、選択を受け付けた文字を選択文字とする文字選択受付手段と、
選択文字言語表示手段と、
ユーザの文字決定操作を受け付けて、選択文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段とを有し、
前記入力可能な文字は、異なる複数の言語に属する文字を含み、
前記選択文字言語表示手段は、前記選択文字が属する言語の識別を表示することを特徴とする文字列入力装置。
【請求項6】
ユーザから文字列の入力を受け付ける文字列入力装置であって、
異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字を入力文字として、前記ユーザから入力を受け付ける文字列である入力文字列に追加する文字入力手段と、
前記入力文字列を表示する入力文字列表示手段と、
前記入力文字列に含まれる文字が属する言語各々の識別を表示する入力文字言語表示手段とを有することを特徴とする文字列入力装置。
【請求項7】
文字列を検索する文字列検索装置であって、
異なる複数の言語に属する文字のうちから、ユーザによって選択されて入力された文字よりなる文字列である検索文字列にマッチする文字列を、異なる複数の言語に属する文字列のうちから、検索する文字列検索手段と、
前記検索された文字列の一覧を表示する文字列一覧表示手段と、
前記文字列検索手段が、前記検索文字列にマッチする文字列を検索できなかった場合に、前記検索文字列が、異なる複数の言語に属する文字を含むときに、その旨をユーザに対して通知する通知手段とを有することを特徴とする文字列検索装置。
【請求項8】
文字列を検索する文字列検索装置であって、
異なる複数の言語に属する文字列のうちから、ユーザから指定された条件にマッチする文字列を検索する文字列検索手段と、
前記検索された文字列の一覧を表示する文字列一覧表示手段とを有し、
前記文字列一覧表示手段は、前記文字列一覧中において、異なる言語に属する文字列を異なる態様で表示することを特徴とする文字列入力装置。
【請求項9】
請求項8記載の文字列検索装置であって、
前記文字一覧表示手段は、前記文字列の一覧の表示において、異なる言語に属する文字列を異なる色または輝度で表示することを特徴とする文字列検索装置。
【請求項10】
請求項8記載の文字列検索装置であって、
前記文字一覧表示手段は、前記文字列の一覧の表示において、異なる言語に属する文字列を異なる修飾を施して表示することを特徴とする文字列検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−170696(P2011−170696A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35039(P2010−35039)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】