説明

文字認識印刷システム、印刷装置、印刷方法、印刷プログラム、テレビジョン装置および画像再生装置

【課題】画像データから文字データを認識し、印刷する文字認識印刷システムにおいて、画像データから文字データを認識する際の認識率を向上させる。
【解決手段】通信部30により取得した印刷データの解釈を行い、印刷データにEPGデータが含まれている場合にはEPG文字列取得部32aに対してEPG取得指示を行う印刷データ解釈部31と、印刷データからEPGデータを取得するEPG文字列取得部32aと、文字認識を行う画像データを印刷データ解釈部31から取得する文字認識画像取得部34と、EPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部35と、認識後の文字列から最終印刷データの生成を行う最終印刷データ生成部38と、最終印刷データから印刷イメージへ変換し印刷を行う印刷部39とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局から無線や有線等により提供される画像データを再生するテレビジョン装置や、画像データが記録された記録媒体から画像データを読み出して再生する画像再生装置等において、画像データから文字データを認識し、印刷する文字認識印刷システムおよびこれに用いられる印刷装置、印刷方法、印刷プログラム、テレビジョン装置および画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラマや映画等の放送物(画像データ)をDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に録画した際、その記録媒体の中身が分かるようにレーベルを作成することがある。このレーベルの作成にパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称す。)を使用する場合、スキャナでドラマや映画等のタイトルを含んだ画像を読み込み、タイトル部分およびサブタイトルの部分を切り貼りして作成するか、あるいはキーボードで文字を入力して作成する。ところが、キーボードを持たないDVD機器等では、リモートコントローラやソフトウェアキーボードにより文字を入力する必要があるため、文字入力が非常に煩雑である。
【0003】
なお、PCを使用しない環境で文字情報の入力を簡略化する技術として、例えば(特許文献1)が知られている。(特許文献1)には、入力された画像信号から、文字認識によって文字列“http://”のキーワードを検出し、その後に続くネットワークアドレス情報を抽出することが記載されている。この技術では、文字認識の対象がネットワークアドレス情報に限られているので、文字認識を正確に行うことが可能であると思われる。
【特許文献1】特開平10−145687号公報(段落0010)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ドラマや画像等のタイトルには、漢字、ひらがなやカタカナ等の多様な文字が組み合わされた文字列であり、また表現されるフォントも多様である。そのため、このようなタイトルを画像データから認識する場合、ネットワークアドレス情報のようにアルファベットおよび数字の組み合わせを認識するよりも認識率はかなり低くなってしまう。そのため、修正作業が発生し、文字入力の簡略化を図ることができない。
【0005】
そこで、本発明においては、画像データから文字データを認識する際の認識率を向上させた文字認識印刷システムおよびこれに用いられる印刷装置、印刷方法、印刷プログラム、テレビジョン装置および画像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像データから文字データを認識する際、画像データに関連する文字データを取得し、この取得した文字データを文字認識用辞書とすることにより、文字の認識率を向上し、PCを使用しない環境で文字情報の入力を簡略化した文字認識印刷システムおよびこれに用いられる印刷装置、テレビジョン装置および画像再生装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願の請求項1の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部とを有する文字認識印刷システムである。この発明によれば、画像データから文字データを認識する際、画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書とされるので、文字の認識率が向上する。これにより、文字入力の簡略化が図ることが可能となる。
【0009】
本願の請求項2の発明は、画像データに関連する文字データが、電子番組ガイドの文字データまたは画像データとともに提供される文字データであることを特徴とする文字認識印刷システムである。この発明によれば、電子番組ガイドの文字データまたは画像データとともに提供される文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが認識されるので、文字の認識率が向上する。これにより、文字入力の簡略化を図ることが可能となる。
【0010】
本願の請求項3の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部とを有する印刷装置である。この発明によれば、画像データに基づいて文字データの印刷が指示されると、印刷装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、文字データが印刷される。
【0011】
本願の請求項4の発明は、文字データを通信回線に接続された画像再生装置より取得することを特徴とする印刷装置である。この発明によれば、画像データに基づいて文字データの印刷が指示されると、画像データに関連する文字データが通信回線により接続された画像再生装置から取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書とされ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、文字データが印刷される。
【0012】
本願の請求項5の発明は、文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えた印刷装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、結果を確定させた後、文字データが印刷される。
【0013】
本願の請求項6の発明は、文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行う候補文字表示入力部を備えた印刷装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、認識結果がおかしい場合、修正することができる。これにより、より正確な文字データが印刷される。
【0014】
本願の請求項7の発明は、文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えた印刷装置である。この発明によれば、回転等の文字修飾が施されており、標準文字に置き換えるよりも画像データのままの方が見栄えがよいような場合に、予め文字認識せずに画像のまま確定する領域に設定することにより、画像データと文字データとが混在した見栄えのよい印刷結果を得ることができる。
【0015】
本願の請求項8の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得ステップと、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識ステップとを含む印刷方法である。この発明によれば、画像データに基づいて文字データの印刷が指示されると、印刷装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、文字データが印刷される。
【0016】
本願の請求項9の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得ステップと、文字取得ステップにより取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識ステップとをコンピュータに実行させるための印刷プログラムである。この発明によれば、画像データに基づいて文字データの印刷が指示されると、印刷装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、文字データが印刷される。
【0017】
本願の請求項10の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部と文字認識部により認識した文字データを印刷装置へ出力する出力部とを有するテレビジョン装置である。この発明によれば、テレビジョン装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、印刷装置へ出力される。
【0018】
本願の請求項11の発明は、文字データを一時保存し、印刷装置への出力を制御する一時保存部を備えたテレビジョン装置である。この発明によれば、テレビジョン装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、印刷装置へ出力される際に、データが一時保存されることにより、印刷装置の準備が整った際等に出力時期を制御することが可能となる。
【0019】
本願の請求項12の発明は、文字データを通信回線に接続された画像再生装置より取得することを特徴とするテレビジョン装置である。この発明によれば、画像データに関連する文字データが通信回線により接続された画像再生装置から取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、文字データが印刷される。
【0020】
本願の請求項13の発明は、文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えたテレビジョン装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、結果を確定させた後、文字データが印刷される。
【0021】
本願の請求項14の発明は、文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行う候補文字表示入力部を備えたテレビジョン装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、認識結果がおかしい場合、修正することができる。これにより、より正確な文字データが印刷される。
【0022】
本願の請求項15の発明は、文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えたテレビジョン装置である。この発明によれば、回転等の文字修飾が施されており、標準文字に置き換えるよりも画像データのままの方が見栄えがよいような場合に、予め文字認識せずに画像のまま確定する領域に設定することにより、画像データと文字データとが混在した見栄えのよい印刷結果を得ることができる。
【0023】
本願の請求項16の発明は、画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する文字認識部と文字認識部により認識した文字データを印刷装置へ出力する出力部とを有する画像再生装置である。この発明によれば、画像再生装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、印刷装置へ出力される。
【0024】
本願の請求項17の発明は、文字データを一時保存し、印刷装置への出力を制御する一時保存部を備えた画像再生装置である。この発明によれば、画像再生装置により画像データに関連する文字データが取得され、この取得された文字データが文字認識用辞書として用いられ、画像データから文字データが高い認識率で認識され、印刷装置へ出力される際に、データが一時保存されることにより印刷装置の準備が整った際等に出力時期を制御することが可能となる。
【0025】
本願の請求項18の発明は、文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えた画像再生装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、結果を確定させた後、文字データが印刷される。
【0026】
本願の請求項19の発明は、文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行う候補文字表示入力部を備えた画像再生装置である。この発明によれば、画像データから文字データが認識された結果を利用者が確認し、認識結果がおかしい場合、修正することができる。これにより、より正確な文字データが印刷される。
【0027】
本願の請求項20の発明は、文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えた画像再生装置である。この発明によれば、回転等の文字修飾が施されており、標準文字に置き換えるよりも画像データのままの方が見栄えがよいような場合に、予め文字認識せずに画像のまま確定する領域に設定することにより、画像データと文字データが混在した見栄えのよい印刷結果を得ることができる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0030】
図1において、本実施の形態1における文字認識印刷システムは、放送局から無線や有線等により提供される画像データを再生するテレビジョン装置(以下、「テレビ」と称す。)1と、画像データを記録媒体へ記録するとともにこの記録媒体から画像データを読み出して再生する画像記録再生装置としてのDVDレコーダ2と、印刷装置としてのプリンタ3とから構成される。DVDレコーダ2とプリンタ3とはローカルエリアネットワーク(LAN)やユニバーサルシリアルバス(USB)等の通信回線4により接続されている。リモートコントローラ(以下、「リモコン」と称す。)5は、DVDレコーダ2を遠隔操作するための装置である。リモコン5では、画像キャプチャ指示、画像の領域選択や印刷指示等を行う。
【0031】
DVDレコーダ2は、リモコン受信部20と、画像操作部21と、画像取得部22と、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」と称す。)24と、DVDドライブ25と、印刷指示部26と、印刷データ生成部27と、EPGデータ取得部28と、通信部29とを有する。
【0032】
リモコン受信部20は、リモコン5からの信号を受信し、各操作内容の実行指令を行うものである。画像操作部21は、文字認識領域の選択、画像として文字認識を行わない領域の指定、HDD24やDVDドライブ25からの画像取得要求を行うものである。画像取得部22は、HDD24やDVDドライブ25から画像データを取得するものである。画像出力部23は、テレビ1等に画像信号を出力するものである。HDD24は、ハードディスクに対して画像データの記録または再生を行うものである。DVDドライブ25は、DVD−R、DVD−RWやブルーレイディスクに対して画像データの記録または再生を行うものである。なお、DVDレコーダ2は、画像データの記録機能を有さないDVDプレーヤ等の画像再生装置としても良い。
【0033】
印刷指示部26は、画像データを取得し、印刷データ生成部27に対して印刷データの生成指示を行うものである。印刷データ生成部27は、画像データから印刷データを生成するものである。ここで、印刷データ生成部27により生成される印刷データは、例えば図10、図11に示すXHTML−Print形式のデータや図12に示すデータ形式である。図10は、印刷データ形式の一例としてXHTML−Print形式で記述された印刷データを示す図を示している。図11は、印刷データ形式の一例を示すとしてXHTML−Print形式で記述された印刷データにEPGデータの番組IDが記述された例を示している。図12は、印刷データ形式の一例を示している。なお、印刷データ生成部27は、EPGデータ取得部28により取得したEPGデータをこの印刷データに付加する。
【0034】
EPGデータ取得部28は、放送局から無線や有線等により提供される画像データに関連する文字データとしての電子番組ガイド(EPG)のデータを取得するものである。図2はEPGデータの例を示す図を示している。図2に示すように、EPGデータには、各コンテンツに対して付与された番組ID、各コンテンツの放送時間、タイトル、出演者、チャンネル等の情報が含まれている。EPGデータは、電波の隙間を使って提供されるか、通信回線により提供される。
【0035】
通信部29は、通信回線4を介してプリンタ3と通信を行うものである。
【0036】
プリンタ3は、通信部30と、印刷データ解釈部31と、EPG文字列取得部32aと、文字画像確定部33と、文字認識画像取得部34と、文字認識部35と、文字認識確認部36と、候補文字表示入力部37と、最終印刷データ生成部38と、印刷部39とを有する。
【0037】
通信部30は、通信回線4を介してDVDレコーダ2と通信を行うものである。印刷データ解釈部31は、通信部30により取得した印刷データの解釈を行い、印刷データにEPGデータが含まれている場合にはEPG文字列取得部32aに対してEPG取得指示を行うものである。EPG文字列取得部32aは、印刷データからEPGデータを取得するものである。文字画像確定部33は、文字認識部35により文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを予め切り分けるものである。文字認識画像取得部34は、文字認識を行う画像データを印刷データ解釈部31から取得するものである。文字認識部35は、EPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識するものである。文字認識確認部36は、文字認識部35により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させるものである。候補文字表示入力部37は、文字認識部35により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行うものである。最終印刷データ生成部38は、認識後の文字列および認識前の画像データから図13に示すような最終印刷データの生成を行うものである。図13は、最終印刷データ形式の一例を示す図示している。印刷部39は最終印刷データから印刷イメージを生成し、印刷を行うものである。
【0038】
図3は図1の文字認識印刷システムによる処理の流れを示す説明図である。
【0039】
(S0)DVDレコーダ2において、図9に示すEPG番組予約表100より番組録画予約を行う。このとき、録画先をDVDに設定しておく。図9は、EPG番組予約表100の一例とその番組のEPGデータ101の一例を示している。DVDへは番組データの録画データと共に、図2に示す番組IDを含むEPGデータが登録される。
【0040】
(S1)DVDレコーダ2により録画されたデータをDVDより再生すると、画像取得部22によりDVDドライブ25から画像データが取得され、画像出力部23によりテレビ1へ画像信号が出力される。
【0041】
(S2)利用者が印刷したい場面でリモコン5を操作することにより一時停止し、印刷指示を行うことで表示画像のキャプチャを行う。DVDレコーダ2のリモコン受信部20は、このリモコン5からの信号を受信し、各操作内容の実行指令を画像操作部21および印刷指示部26に行う。
【0042】
(S3)画像操作部21は、このリモコン受信部20からの実行指令に基づいて文字認識領域の選択や画像として文字認識を行わない領域の指定等を行う。図3のA1,A2は、文字認識領域を示している。なお、これらの領域を指定せずに、全体の画像で文字認識を行ってもよい。また、印刷指示部26は、リモコン受信部20からの実行指令に基づいて画像取得部22によりキャプチャした画像データを取得し、印刷データ生成部27に対して印刷データの生成指示を行う。印刷データ生成部27は、キャプチャした画像データから図10に示すようなXHTML−Print形式や図12の印刷データを生成するとともに、この印刷データに対してEPGデータ取得部28により取得した番組IDを元に、放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータを印刷データに付加し、通信部29によりプリンタ3へ送信する。
【0043】
(S4)プリンタ3は、通信部30により印刷データを取得すると、印刷データ解釈部31により印刷データの解釈を行う。このとき、印刷データにEPGデータが含まれている場合にはEPG文字列取得部32aに対してEPG取得指示を行う。EPG文字列取得部32aは、印刷データからEPGデータを取得する。
【0044】
(S5)プリンタ3の文字画像確定部33は、ステップS3において文字認識領域の選択や画像として文字認識を行わない領域の指定等が行われている場合には、文字認識部35により文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを予め切り分ける。文字認識画像取得部34は、文字認識を行う画像データを印刷データ解釈部31から取得し、文字認識部35は、この取得した画像データから、例えば放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータを文字認識用辞書として文字データを認識する。この認識後、文字認識確認部36は、文字認識部35により認識した文字データに誤りがないかどうかを利用者に確認し、文字認識を確定させる。なお、文字認識結果がおかしい場合、候補文字表示入力部37は、文字認識部35により認識した複数の候補文字データを表示し、利用者に正しいものを入力させる。
【0045】
(S6)プリンタ3は、最終印刷データ生成部38により認識後の文字列および認識前の画像データから再度図13に示すような最終印刷データの生成を行い、印刷部39により最終印刷データから印刷イメージを生成し、印刷を行う。
【0046】
以上のように、本実施の形態1における文字認識印刷システムでは、放送局から提供される画像データに関連する放送時間、タイトル、出演者、見所などの文字データとしてのEPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識するので、例えば人名等の誤認識が多い文字の認識率が向上する。
【0047】
なお、本実施の形態1における文字認識印刷システムでは、プリンタ3に文字認識部35を設けており、また、EPGデータはDVDレコーダ2から取得しているので、文字認識処理によるテレビ1への負荷はない。
【0048】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0049】
図4において、本実施の形態2における文字認識印刷システムは、テレビ6と、DVDレコーダ7と、プリンタ8とから構成される。本実施の形態2における文字認識印刷システムは、テレビ6側に文字認識部35を設けたものある。なお、実施の形態1と共通の各機能ブロックについては、図1と同一の符番を付し、その詳細な説明を省略する。
【0050】
テレビ6は、図1で説明したリモコン受信部20、画像操作部21、印刷指示部26、印刷データ生成部27、EPG文字列取得部32a、文字認識部35および文字認識確認部36に加えて、画像キャプチャ部40、画像表示部41、画像入力部42、文字画像確定部44、一時保存部45および通信部46を有する。
【0051】
画像キャプチャ部40は、画像表示部41に表示された画像をキャプチャするものである。画像表示部41は、DVDやテレビ等の画像データ、選択された領域、文字認識後の結果を表示するものである。画像入力部42は、DVDレコーダ7の出力信号を受けるものである。文字画像確定部44は、文字認識結果の反映と画像部分の確定を行うものである。一時保存部45は、印刷データ生成部27により生成された印刷データを一時保存するものである。通信部46は、EPGデータの取得または印刷データの出力に際し、通信回線4を介してDVDレコーダ7またはプリンタ8と通信を行うものである。
【0052】
図5は図4の文字認識印刷システムによる処理の流れを示す説明図である。
【0053】
(S0)DVDレコーダ7において、図9に示すEPG番組予約表100より番組録画予約を行う。このとき、録画先をDVDに設定しておく。DVDへは番組データの録画データと共に、図2に示す番組IDを含むEPGデータが登録される。
【0054】
(S1)DVDレコーダ7により録画されたデータをDVDより再生すると、画像出力部23によりテレビ6へ画像信号が出力される。
【0055】
(S2)テレビ6では、このDVDレコーダ7から出力された信号が画像表示部41に表示される。そして、利用者が印刷したい場面でリモコン5を操作することにより表示画像が画像キャプチャ部40によりキャプチャされ、画像データが取得される。また、利用者は、リモコン5を操作することにより文字認識領域の選択等を行い、印刷指示を行う。なお、この文字認識領域の選択は、領域を指定せずに全体の画像で文字認識を行ってもよい。
【0056】
(S3)また、リモコン5によりEPGデータの取得を指示すると、テレビ6は、EPG文字列取得部32aによりDVDレコーダ7から番組IDを元に放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータを取得する。
【0057】
(S4)テレビ6は、この取得したEPGデータを文字認識用辞書として文字認識部35により画像データから文字データを認識する。これは、例えば人名などの誤認識が多い場合に有効である。認識された文字データは、文字認識確認部36により確認され、文字画像確定部44により確定される。
【0058】
(S5)テレビ6は、確定した文字データに基づいて印刷データ生成部27により図10に示すようなXHTML−Print形式や図12の印刷データを生成し、プリンタ8へ送信する。
【0059】
(S6)プリンタ3は、送信された印刷データを通信部30により受信し、印刷データ解釈部31により解釈し、最終印刷データ生成部38により最終印刷データから図13に示すような最終印刷データを生成して印刷部39により印刷イメージに変換し、印刷を行う。
【0060】
以上のように、本実施の形態3における文字認識印刷システムでは、DVDレコーダ7から取得した放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識するので、文字の認識率が向上する。
【0061】
なお、本実施の形態2における文字認識印刷システムでは、テレビ6に文字認識部35を設けており、DVDレコーダ7およびプリンタ8は既存のものを用いることが可能である。
【0062】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0063】
図6において、本実施の形態3における文字認識印刷システムは、テレビ1と、プリンタ一体型DVDレコーダ9とから構成される。本実施の形態3における文字認識印刷システムは、実施の形態1におけるDVDレコーダ2とプリンタ3とを一体化し、通信部29,30等を取り除いた構成である。なお、実施の形態1および実施の形態2と共通の各機能ブロックについては、図1および図4と同一の符番を付し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
テレビ1は、図4で説明した画像表示部41および画像入力部42を有する。
【0065】
プリンタ一体型DVDレコーダ9は、図1および図4で説明したDVDドライブ25、HDD24、画像出力部23、画像取得部22、画像操作部21、リモコン受信部20、文字画像確定部44、印刷指示部26、EPGデータ取得部28、文字認識部35、文字認識確認部36、候補文字表示入力部37、最終印刷データ生成部38および印刷部39に加えて、選択範囲取得部47を有する。
【0066】
選択範囲取得部47は、文字認識を行う領域部分の画像を選択するものである。
【0067】
本実施の形態3における文字認識印刷システムでは、プリンタ一体型DVDレコーダ9から出力された信号がテレビ1の画像表示部41に表示され、利用者がリモコン5を操作することにより文字認識領域の選択を行うと、この選択領域部分の画像が選択範囲取得部47により選択される。そして、文字画像確定部44により選択範囲の文字画像が確定され、印刷指示部26により印刷指示が行われると、EPGデータ取得部28により放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータが取得され、文字認識部35によりこの取得されたEPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データが認識され、印刷部39により印刷される。
【0068】
このように、本実施の形態3における文字認識印刷システムでは、プリンタ一体型DVDレコーダ9単体で放送時間、タイトル、出演者、見所などのEPGデータを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを高い認識率で認識することが可能である。また、テレビ1は既存のものを用いることが可能である。
【0069】
(実施の形態4)
図7は本発明の実施の形態4における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0070】
図7において、本実施の形態4における文字認識印刷システムは、テレビ10と、プリンタ11とから構成される。本実施の形態4における文字認識印刷システムは、プリンタ11側に文字認識部35を設けたものである。なお、実施の形態4および実施の形態2と共通の各機能ブロックについては、図1および図4と同一の符番を付し、その詳細な説明を省略する。
【0071】
テレビ10は、図4で説明した画像表示部41、画像操作部21、画像キャプチャ部40、リモコン受信部20、印刷指示部26、印刷データ生成部27および通信部46に加えて、放送受信部48および映像・文字データ取得部49を有する。なお、放送波送信アンテナ12は、データ放送を送信するものである。
【0072】
放送受信部48は、放送波送信アンテナ12から送信されるデータ放送を受信するものである。映像・文字データ取得部49は、放送受信部48により受信したデータ放送から文字データおよび画像データを取得するものである。
【0073】
プリンタ11は、図1で説明した通信部30、印刷データ解釈部31、文字画像確定部33、文字認識画像取得部34、文字認識部35、文字認識確認部36、候補文字表示入力部37、最終印刷データ生成部38および印刷部39を有するとともに、EPG文字列取得部32aに代えてデータ放送文字列取得部32bを有する。
【0074】
データ放送文字列取得部32bは、印刷データからデータ放送の文字データを取得するものである。
【0075】
本実施の形態4における文字認識印刷システムでは、テレビ10が放送波送信アンテナ12から送信されるデータ放送を放送受信部48により受信して画像表示部41へ表示する。利用者が印刷したい場面でリモコン5を操作することにより表示画面が画像キャプチャ部40によりキャプチャされ、画像データが取得される。また、利用者が、リモコン5を操作することにより文字認識領域の選択等を行い、印刷指示を行うと、映像・文字データ取得部49により取得された文字データとともに印刷データがプリンタ11へ送信される。
【0076】
プリンタ11は、通信部30により取得した印刷データを印刷データ解釈部31により解釈するとともに、通信部30により取得したデータ放送の文字データをデータ放送文字列取得部32bにより取得する。そして、文字認識部35は、データ放送の文字データを文字認識用辞書として用い、画像データから文字データを認識する。プリンタ11は、最終印刷データ生成部38により認識後の文字列から図13に示すような最終印刷データの生成を行い、印刷部39により最終印刷データから印刷イメージに変換し、印刷を行う。
【0077】
このように、本実施の形態4における文字認識印刷システムでは、プリンタ11に文字認識部35を設けているので、文字認識処理によるテレビ10への負荷を軽減することができる。
【0078】
(実施の形態5)
図8は本発明の実施の形態5における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図である。
【0079】
図8において、本実施の形態5における文字認識印刷システムは、テレビ13と、プリンタ8とから構成される。本実施の形態5における文字認識印刷システムは、テレビ13側に文字認識部35を設けたものである。なお、実施の形態および実施の形態4と共通の各機能ブロックについては、図4および図7と同一の符番を付し、その詳細な説明を省略する。
【0080】
本実施の形態5における文字認識印刷システムでは、実施の形態4における文字認識印刷システムにおいて画像データおよび文字データがデータ放送により提供されるものを使用する。本実施の形態5における文字認識印刷システムでは、テレビ13に文字認識部35を設けており、プリンタ8は既存のものを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、放送局から無線や有線等により提供される画像データを再生するテレビジョン装置や、画像データが記録された記録媒体から画像データを読み出して再生する画像再生装置等において、画像データから文字データを認識し、印刷する文字認識印刷システムおよびこれに用いられる印刷装置、テレビジョン装置並びに画像再生装置として有用である。特に、本発明は、画像データから文字データを認識する際、画像データに関連する文字データを取得し、この取得した文字データを文字認識用辞書とすることにより、文字の認識率を向上させたものとして、文字入力の簡略化を図るものとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態3における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図
【図2】EPGデータの例を示す図
【図3】図1の文字認識印刷システムによる処理の流れを示す説明図
【図4】本発明の第2の実施の形態における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図
【図5】図4の文字認識印刷システムによる処理の流れを示す説明図
【図6】本発明の第3の実施の形態における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図
【図7】本発明の第4の実施の形態における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図
【図8】本発明の第5の実施の形態における文字認識印刷システムの構成を示すブロック図
【図9】EPG番組予約表の一例とその番組のEPGデータの一例を示す図
【図10】印刷データ形式の一例としてXHTML−Print形式で記述された印刷データを示す図
【図11】印刷データ形式の一例としてXHTML−Print形式で記述された印刷データにEPGデータの番組IDが記述された例を示す図
【図12】印刷データ形式の一例を示す図
【図13】最終印刷データ形式の一例を示す図
【符号の説明】
【0083】
1,6,10,13 テレビ
2,7 DVDレコーダ
3,8,11 プリンタ
4 通信回線
5 リモコン
9 プリンタ一体型DVDレコーダ
20 リモコン受信部
21 画像操作部
22 画像取得部
23 画像出力部
24 HDD
25 DVDドライブ
26 印刷指示部
27 印刷データ生成部
28 EPGデータ取得部
29 通信部
30 通信部
31 印刷データ解釈部
32a EPG文字列取得部
32b データ放送文字列取得部
33 文字画像確定部
34 文字認識画像取得部
35 文字認識部
36 文字認識確認部
37 候補文字表示入力部
38 最終印刷データ生成部
39 印刷部
40 画像キャプチャ部
41 画像表示部
42 画像入力部
44 文字画像確定部
45 一時保存部
46 通信部
47 選択範囲取得部
48 放送受信部
49 映像・文字データ取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、
前記文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識部とを有することを特徴とする文字認識印刷システム。
【請求項2】
前記画像データに関連する文字データが、電子番組ガイドの文字データまたは前記画像データとともに提供される文字データであることを特徴とする請求項1記載の文字認識印刷システム。
【請求項3】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、
前記文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識部とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
前記文字データを通信回線に接続された画像再生装置より取得することを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示よび入力を行う候補文字表示入力部を備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えたことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得ステップと、
前記文字取得ステップにより取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識ステップとを含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得ステップと、
前記文字取得ステップにより取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするための印刷プログラム。
【請求項10】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、
前記文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識部と、
前記文字認識部により認識した文字データを印刷装置へ出力する出力部とを有することを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項11】
前記文字データを一時保存し、前記印刷装置への出力を制御する一時保存部を備えたことを特徴とする請求項10記載のテレビジョン装置。
【請求項12】
前記文字データを通信回線に接続された画像再生装置より取得することを特徴とする請求項10または11に記載のテレビジョン装置。
【請求項13】
前記文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えたことを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のテレビジョン装置。
【請求項14】
前記文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行う候補文字表示入力部を備えたことを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載のテレビジョン装置。
【請求項15】
前記文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えたことを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載のテレビジョン装置。
【請求項16】
画像データに関連する文字データを取得する文字取得部と、
前記文字取得部により取得した文字データを文字認識用辞書として用い、前記画像データから文字データを認識する文字認識部と前記文字認識部により認識した文字データを印刷装置へ出力する出力部とを有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項17】
前記文字データを一時保存し、前記印刷装置への出力を制御する一時保存部を備えたことを特徴とする請求項16記載の画像再生装置。
【請求項18】
前記文字認識部により認識した文字データに誤りがないかどうかを確認し、文字認識を確定させる文字認識確認部を備えた請求項16または17に記載の画像再生装置。
【請求項19】
前記文字認識部により認識した複数の候補文字データの表示および入力を行う候補文字表示入力部を備えたことを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の画像再生装置。
【請求項20】
前記文字認識部により文字データの認識を行う前に予め文字認識する領域と画像のまま確定する領域とを切り分ける文字画像確定部を備えたことを特徴とする請求項16から19のいずれかに記載の画像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−122559(P2007−122559A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−316128(P2005−316128)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】