説明

文書作成装置、方法及びシステム

【課題】予め全体構成を決められた文書を利用して、効率的に文書を作成できる文書作成装置、方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】文書作成装置10は、未入力の箇所が存在するテンプレートの選択を第1端末20から受け付けると、選択されたテンプレートに基づいて作成された第1のフォームを作成し、第1のフォームを介して第1端末20から一部の未入力の箇所への入力を受け付ける。さらに、文書作成装置10は、第1端末20から入力を受け付けたことを第2端末30に通知する。そして、文書作成装置10は、第1端末20から入力された情報及びテンプレートに基づいて作成された第2のフォームを介して第2端末30から、未入力の箇所への入力をさらに受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書作成装置、方法及びシステムに関する。特に、複数のユーザによる文書の作成を支援する文書作成装置、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書の作成において、時候の挨拶のように頻繁に使用される文章が用いられる場合がある。この場合、必要に応じて文書の作成者が使用したい定型文をすぐに参照できるようにすれば、文書の作成を効率化することができる。そこで、必要な定型文を適宜記憶しておき、必要に応じてこの定型文を呼び出して文書に埋め込むことができる装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−132762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、文書の作成者が作成中の文書に設定したマーカの箇所にテンプレートリストから選択した定型文を挿入できる装置が記載されている。
しかし、定型文を挿入できたとしても、特許文献1に記載のテンプレートは全体構成を示すものではない。また、定型文のみで文書を完成させることは困難であり、定型文以外の文章を文書の作成者が多量に作成しなければならない場合もある。また、作成した文書と使用した定型文との整合性を取るために、かえって文書作成に時間がかかる場合もある。
【0005】
また、複数の担当者によって1つの文書を作成する場合がある。例えば、ある文書の作成において、比較的簡単に記載できる部分について経験の浅い者が作成を担当し、作成された部分について経験のある者がチェックしつつ他の部分の作成を行うような場合である。このような体制において、文書の作成者によって文書の全体構成が異なっていたり、経験の浅い者が作成した文章や定型文の選択等に誤りがあったりすると、効率的に文書の作成を行うことができない。
【0006】
そこで、本発明は、予め全体構成が決められた文書を利用して、効率的に文書を作成できる文書作成装置、方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1端末及び第2端末と通信可能に接続され、複数のユーザにより作成される文書を作成する文書作成装置であって、前記文書中に未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段と、前記第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付ける全体構成選択手段と、前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付ける第1作成受付手段と、前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するワークフロー情報記憶手段と、前記ワークフロー情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記第1端末から入力を受け付けたことを前記第2端末に通知する通知手段と、前記テンプレート、及び前記第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付ける第2作成受付手段と、前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行する発行手段と、を備える文書作成装置。
【0008】
(1)に記載の発明によれば、文書の全体構成がテンプレートにより規定されている。このテンプレートには、文書中に未入力の箇所が存在する。文書作成装置は、第1端末からテンプレートの選択を受け付けると、選択されたテンプレートに基づいて作成された第1のフォームを作成し、第1のフォームを介して第1端末から一部の未入力の箇所への入力を受け付ける。さらに、文書作成装置は、第1端末から入力を受け付けたことを第2端末に通知する。そして、文書作成装置は、第1端末から入力された情報及びテンプレートに基づいて作成された第2のフォームを介して第2端末から未入力の箇所への入力をさらに受け付ける。このように、複数のユーザにより効率的に1つの文書を作成することができる。
【0009】
(2)複数のユーザにより作成される文書を作成する文書作成方法であって、前記文書中の未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段を備え、コンピュータに、第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付けるステップと、前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付けるステップと、前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するステップと、前記第1端末から入力を受け付けたことを第2端末に通知するステップと、前記テンプレート、及び前記第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付けるステップと、前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行するステップと、を実行させる文書作成方法。
【0010】
(2)に記載の発明によれば、(1)と同様の効果を奏することができる方法を提供することができる。
【0011】
(3)第1のユーザが使用する第1端末と、第2のユーザが使用する第2端末と、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザにより作成される文書を作成する文書作成装置と、が通信ネットワークにより互いに通信可能な文書作成システムであって、前記文書作成装置は、前記文書中に未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段と、前記第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付ける全体構成選択手段と、前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付ける第1作成受付手段と、前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するワークフロー情報記憶手段と、前記ワークフロー情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記第1端末から入力を受け付けたことを第2端末に通知する通知手段と、前記テンプレート、及び第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付ける第2作成受付手段と、前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行する発行手段と、を備える文書作成システム。
【0012】
(3)に記載の発明によれば、(1)と同様の効果を奏することができる文書作成システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め全体構成が決められた文書を利用して、効率的に文書を作成できる文書作成装置、方法及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る文書作成システムの全体構成及び文書作成装置の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る文書情報記憶部に記憶されているテーブルの例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る本実施形態における文書のテンプレートの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るテンプレート情報記憶部に記憶されるテーブルの例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第1のフォームの表示例である。
【図6】本発明の実施形態に係る第2のフォームの表示例である。
【図7】本発明の実施形態に係るテンプレートを作成するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る文書を作成するフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る文書を作成するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0016】
図1を参照して、本実施形態の一例である、文書作成システム1の全体構成及び各部の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る文書作成システム1の全体構成及び文書作成装置10の機能構成を示す図である。
【0017】
文書作成システム1は、文書作成装置10と、第1端末20と、第2端末30と、を備える。文書作成装置10と、第1端末20と、第2端末30とは、通信ネットワークNにより互いに通信可能である。
【0018】
文書作成装置10は、第1端末20及び第2端末30から、作成する文書の選択及び入力を受け付けて、作成された文書を発行する。ここで、この文書は、第1端末20を使用する一般ユーザが、第2端末30を使用する管理ユーザに対して何らかの承認を求める文書である。例えば、本実施形態の文書作成装置10は、インターネット上に開設されたショッピングモールに関する申請に対する審査結果を通知する文書を作成する。
【0019】
第1端末20は、一般ユーザが使用する端末であり、審査結果を通知する文書を作成するための入力を受け付ける。第2端末30は、管理ユーザが使用する端末であり、第1端末20で作成された文書への追記や承認に関する入力を受け付ける。
【0020】
第1端末20及び第2端末30は、Webブラウザにより通信ネットワークNを介して文書作成装置10に接続し、HTML(HyperText Markup Language)言語やXML(eXtensible Markup Language)言語等で記述されたページの情報を文書作成装置10からダウンロードして、これらの言語を解析し、表示する。このページの情報には、作成対象の文書や入力用のフォーム、その他文書の作成に必要な事項が含まれる。
【0021】
第1端末20は、いわゆるパーソナルコンピュータであり、第1端末20の動作を制御するCPU(Central Processingu Unit、中央処理装置)、キーボード及びマウス等の入力手段、ディスプレイ等の表示手段を少なくとも備える。第2端末30は、第1端末20と同様の構成である。なお、図1に示す第1端末20及び第2端末30は、それぞれ一台ずつ示しているが、複数であってもよい。
【0022】
通信ネットワークNは、光回線やADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等の有線通信網(公衆回線網)や、携帯電話機あるいはPHS等の移動体通信網により形成される。通信ネットワークNは、具体的には、LAN(Local Area Network)やインターネット等のコンピュータネットワークにより構成される。
【0023】
次に、文書作成装置10について説明する。文書作成装置10は、記憶部11と、制御部12と、を備える。
【0024】
記憶部11は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性のメモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ読み取り可能及び書き込み可能な記憶媒体により構成される。
【0025】
記憶部11は、文書情報記憶手段としての文書情報記憶部111と、ワークフロー記憶手段としてのワークフロー情報記憶部112と、テンプレート情報記憶部113と、を備える。
【0026】
文書情報記憶部111は、作成される文書の種類に応じて、複数のテンプレートを記憶する。テンプレートは、文書の全体構成を規定したものであり、文書作成用のフォームと、定型部分の文章情報と、文章の配置等を規定する部分と、が含まれる。また、テンプレートは、テンプレート変数による記載箇所を含む。テンプレート変数は、指定された内容をこれに対応するテキストに置き換える変数である。文書中の未入力の箇所がテンプレート変数で記載され、第1端末20の一般ユーザ又は第2端末30の管理ユーザにより編集可能となる。文書の種類とは、本実施形態では、例えば登録承認通知用や登録却下通知用等の審査結果に対応する通知メールの種類をいう。
【0027】
ここで、図2を参照して、文書情報記憶部111に記憶されている文書種別テーブル40について説明する。図2は、文書情報記憶部111に記憶されている文書種別テーブル40の例を示す図である。
【0028】
文書種別テーブル40は、「文書ID」列と、「文書種別」列と、「テンプレートファイル」列と、で少なくとも構成される。「文書ID」列には、文書ID(Identification Data)が格納される。また、「文書種別」列には、各文書の種別情報が格納され、「テンプレートファイル」列には、作成されたテンプレートのファイルを示す情報が格納される。
なお、テンプレートは、第2端末30において管理ユーザが操作することにより作成される。詳細は後述する。
【0029】
ここで、図3を参照してテンプレートの例について説明する。図3は、本実施形態における文書のテンプレート50の例を示す図である。
図3に示すテンプレート50は、インターネット上のショッピングモールへの出店申請に対する審査結果を通知する文書のテンプレートである。テンプレート50では、定型文51と共に、テンプレート変数52,53,54が記載されている。テンプレート変数は、本実施形態では「%変数名%」と記載されている。例えば、図3中のテンプレート変数53は、「%MURL%」であり、事前に入力フォームに入力され、後述のワークフロー情報記憶部112に記憶された、店舗のURL(Uniform Resource Locator)と置き換えられる(図4参照)。
【0030】
図1に戻って、ワークフロー情報記憶部112は、一般ユーザが第1端末20により選択したテンプレート及び一般ユーザが第1端末20により入力した情報をそれぞれ格納する。ワークフロー情報記憶部112は、その他の情報として、一般ユーザが管理ユーザに対して、一般ユーザが作成した文書に関する承認を得る過程に関する情報を記憶してもよい。具体的には、ワークフロー情報記憶部112は、申請の種別やステータス等の管理情報を記憶してもよい。
【0031】
テンプレート情報記憶部113は、テンプレート変数に関する情報を記憶する。例えば、テンプレート情報記憶部113は、テンプレート変数の定義及び定義したテンプレート変数の内容を記憶する。
【0032】
ここで、図4を参照して、テンプレート情報記憶部113に記憶される変数テーブル60について説明する。図4は、テンプレート情報記憶部113に記憶される変数テーブル60の例を示す図である。
【0033】
変数テーブル60は、「テンプレート変数」列と、「内容」列と、を含む。「テンプレート変数」列には、テンプレート変数が格納されており、「内容」列には、テンプレート変数がどのような機能であるかを定義した情報が格納されている。例えば、「%MURL%」という変数は、変数テーブル60によると、店舗URLに置換される。
【0034】
図1に戻って、制御部12は、CPU等により構成されており、文書作成装置10の各処理の実行を制御する。制御部12は、下記の各部の機能を実現するためのプログラムを記憶部11から読み込んで実行することによりその機能を実現させるものであってもよいし、また、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
【0035】
制御部12は、全体構成選択手段としての全体構成選択部121と、テンプレート変数変換手段及び第1作成受付手段としての第1作成受付部122と、文書申請受付部123と、通知手段としての文書申請通知部124と、テンプレート変数変換手段及び第2作成受付手段としての第2作成受付部125と、発行手段としての文書発行部126と、を備える。
【0036】
全体構成選択部121は、第1端末20から、作成対象となる文書の選択を受け付ける。詳細には、全体構成選択部121は、第1端末20から文書の作成要求を受け付けると、文書情報記憶部111を参照して文書の一覧を第1端末20に送信する。この文書一覧は、例えば、インターネット上に開設されたショッピングモールに出店するための申請の一覧である(図示せず)。第1端末20は、当該一覧から対象となる申請を選択すると、申請内容に応じて一般ユーザが審査を行い、審査結果を通知する文書の種別を選択する。全体構成選択部121は、第1端末20が選択した文書の種別についての選択を受け付ける。
【0037】
第1作成受付部122は、第1端末20により選択された文書のテンプレートについて、第1端末20から入力を受け付ける。詳細には、第1作成受付部122は、全体構成選択部121が受け付けた文書の種別に応じて、文書情報記憶部111から該当する文書のテンプレートファイルを読み出す。そして、第1作成受付部122は、テンプレート情報記憶部113を参照して、当該テンプレートファイルに含まれるテンプレート変数を変換し、第1端末20に送信する。テンプレートは、第1端末20では第1のフォームとして表示部(図示せず)に表示される。その後、第1作成受付部122は、選択された文書における一部の未入力の箇所への入力を第1端末20から受け付ける。
【0038】
ここで、図5を参照して、第1のフォームの例について説明する。図5は、第1のフォームの表示例である。
図5に示す第1のフォーム70は、登録承認通知のテンプレートファイルに基づいて成形されたものである。第1のフォーム70には、申請時にショッピングモールに関する申請の申請者により提供された情報のうち、テンプレートファイルに含まれるテンプレート変数で記載された内容に該当する情報が、表示されている。具体的には、店舗名欄71、URL欄72の情報が該当する。これは、図3のテンプレート変数52,53に対応して変換されたものである。また、図5の第1のフォーム70には備考欄73が設けられ、第1端末20の一般ユーザは、文字列を入力することができる。これは、図3に示すテンプレート変数54に対応して設けられている。
【0039】
また、第1のフォーム70の下方には、申請ボタン74及びリセットボタン75が設けられている。申請ボタン74は、一般ユーザが担当する箇所の入力が終了し、第2端末30を使用する管理ユーザへの承認申請を行うためのボタンである。第1端末20は、申請ボタン74への選択を受け付けると、入力された情報と共に承認申請に係る情報を文書作成装置10に送信する。
リセットボタン75は、入力した情報をリセットするためのボタンである。第1端末20は、リセットボタン75の選択を受け付けると、入力された情報を消去する。
【0040】
文書申請受付部123は、第1端末20から承認申請を受け付けて、第1端末20が入力した情報をワークフロー情報記憶部112に記憶させる。承認申請は、本実施形態では、第1端末20が選択し、また作成した文書について、第2端末30の管理ユーザに承認を求めることをいう。
【0041】
文書申請通知部124は、第1端末20から承認申請があったことを第2端末30に通知する。文書申請通知部124は、ワークフロー情報記憶部112を参照して、ワークフロー情報記憶部112が記憶する情報に基づいて、第2端末30に通知を行う。なお、文書申請通知部124は、後述の第2端末30から文書の差戻指示があった場合には、当該指示を第1端末20に通知してもよい。
【0042】
第2作成受付部125は、第2端末30からの入力を受け付ける。第2作成受付部125は、第2端末30から文書作成の要求を受け付けると、ワークフロー情報記憶部112及びテンプレート情報記憶部113を参照し、要求された文書のテンプレート及び第1端末20が入力した情報に基づいてテンプレート内のテンプレート変数を変換し、第2のフォームとして第2端末30に送信する。第2のフォームには、第1端末20が選択したテンプレートと、第1端末20により入力された情報と、が含まれる。
【0043】
その後、第2作成受付部125は、第2のフォームにおける未入力の箇所への入力を第2端末30から受け付ける。このとき、第2作成受付部125は、第2端末30から当該文書を承認するか否かの選択を受け付ける。文書が承認されなかった場合は、第2作成受付部125は、第2端末30で入力された各種情報をワークフロー情報記憶部112に記憶させる。他方で、第2端末30で文書が承認された場合は、第2作成受付部125は、文書発行部126に当該文書を出力する。
【0044】
ここで、図6を参照して、第2のフォームの例について説明する。図6は第2のフォーム80の表示例である。
第2のフォーム80では、テンプレート、及び第1のフォームにおいて入力された情報に基づいて、登録を希望する申請者に送信されるメールのレイアウトが確認できるようになっている。店舗名欄81及びURL欄82には、それぞれ図5の第1のフォーム70と同様に、申請時にショッピングモールに関する申請の申請者により提供された情報のうちテンプレートファイルに含まれるテンプレート変数で記載された内容に該当する情報が、表示されている。また、第2のフォーム80においてもテキストエリア83が設けられており、第2端末30を使用する管理ユーザが文字列を入力可能となっている。
【0045】
また、第2のフォーム80の下方には、送信ボタン84及び差戻ボタン85が設けられている。送信ボタン84は、一般ユーザが担当する箇所の入力及び管理ユーザによる確認又は入力が終了し、ショッピングモールに関する申請の申請者へメールを送信させるためのボタンである。第2端末30は、送信ボタン84への選択を受け付けると、入力した情報と共に送信指示を文書作成装置10に送信する。
差戻ボタン85は、一般ユーザが作成した文書を却下し、当該文書を作成した第1端末20の一般ユーザに差戻の通知を行うためのボタンである。第1端末20は、差戻ボタン85への選択を受け付けると入力された情報及び差戻指示を文書作成装置10に送信する。
【0046】
図1に戻って、文書発行部126は、第2端末30において承認された文書を発行する。詳細には、承認された文書を、インターネット上のショッピングモールに関する申請を行った申請者にメールとして送信する。なお、文書発行部126は、第2端末30から差戻指示を受信した場合には、そのワークフロー情報記憶部112を参照し、当該文書に係るステータスの変更及び情報の保存を行う。
【0047】
図7を参照して、テンプレートの作成について説明する。図7は、テンプレートを作成するフローチャートである。
【0048】
このテンプレートの作成は、第2端末30を使用する管理ユーザにより行われるものとする。管理ユーザは、第2端末30を介して文書作成装置10にアクセスし、一般ユーザが第1端末20を使用して作成する文書のテンプレートを新たに作成する。
【0049】
ステップS11では、文書作成装置10は、第2端末30から文書の種別の選択を受け付ける。第2端末30は、文書作成装置10に送信した作成要求に応じて、文書作成装置10から受信した一覧情報に基づいて、新規に作成する文書の種別の選択を受け付け、当該選択情報を文書作成装置10に送信する。
【0050】
ステップS12では、文書作成装置10は、第2端末30から選択された文書の種別に基づいて文書の編集を受け付ける。詳細には、第2端末30は、文書作成装置10から受信したテンプレート情報に基づいて、定型部分となる文章やテンプレート変数の入力を受け付けて文書作成装置10に送信する。
【0051】
ステップS13では、文書作成装置10は、ステップS12での編集の結果、作成されたテンプレートの確認を管理ユーザに行わせるため、作成したテンプレートのイメージ等を第2端末30に送信し、第2端末30は、作成されたテンプレートのイメージを表示部(図示せず)に表示させる。
【0052】
ステップS14では、文書作成装置10は、第2端末30から新たに作成されたテンプレートについての登録を受け付ける。文書作成装置10は、新たに作成されたテンプレートを文書情報記憶部111に記憶させる。
【0053】
図8及び図9を参照して、文書を作成する処理について説明する。図8及び図9は、文書を作成するフローチャートである。
【0054】
ステップS21では、第1端末20は、文書作成装置10に文書の作成要求を送信する。文書作成装置10は、第1端末20から文書の作成要求を受信すると、申請中の待機文書一覧情報を記憶部11から読み込み(ステップS22)、当該作成要求を行った第1端末20に送信する(ステップS23)。
【0055】
ステップS24では、第1端末20は、受信した一覧情報から審査を行う文書についての選択を受け付ける。ここで、第1端末20は、選択された文書についての詳細情報を文書作成装置10から受信し、表示部に表示させてもよい。一般ユーザは、選択した文書に記載された情報(ショッピングモールに関する申請をした申請者が申請時に入力した情報)に基づいて審査を行い、当該申請を承認するか却下するかを決定する。
【0056】
ステップS25では、第1端末20は、一般ユーザによる審査の結果に応じて、申請者に送信する文書の種別についての選択を受け付ける。第1端末20は、文書の種別についての選択を受け付けると、当該情報を文書作成装置10に送信する。
【0057】
ステップS26では、文書作成装置10は、文書の選択についての情報を受信したことに応じて、文書情報記憶部111から該当するテンプレートを読み込む。そして、文書作成装置10は、テンプレート情報記憶部113を参照して、テンプレートに記載されたテンプレート変数について、該当する情報があれば当該情報とテンプレート変数とを変換し(ステップS27)、第1のフォームとして第1端末20に送信する(ステップS28)。
【0058】
ステップS29では、第1端末20は、表示部に表示された第1のフォームにおける一部の未入力の箇所への入力を受け付ける。その後、第1端末20は、第1のフォームに入力して作成した文書について、当該文書の承認を求める通知及び入力された情報を文書作成装置10に送信する(ステップS30)。
【0059】
ステップS31では、文書作成装置10は、第1端末20により入力された情報をワークフロー情報記憶部112に記憶させる。また、文書作成装置10は、第1端末20から文書の承認を求める通知があったことを第2端末30に通知する(ステップS32)。このとき、文書作成装置10は、第2端末30において処理すべき申請の一覧情報を同時に第2端末30に送信してもよい。
【0060】
ステップS33では、第2端末30は、申請の一覧情報から、承認を行う文書についての選択を受け付ける。文書作成装置10は、選択された文書について、ワークフロー情報記憶部112から第1端末20で作成された文書を読み込む(ステップS34)。そして、文書作成装置10は、テンプレート情報記憶部113を参照して、読み込んだ文書に記載されたテンプレート変数を該当する情報に変換し(ステップS35)、第2のフォームに成形して第2端末30に送信する(ステップS36)。
【0061】
ステップS37では、第2端末30は、文書作成装置10から受信した第2のフォームを表示部(図示せず)に表示させ、当該第2のフォームにおいて未入力の箇所の入力を受け付ける。この第2のフォームには、第1端末20において入力された情報が追加されたテンプレートが含まれる。具体的には、第2のフォームは、図6に示すように、申請者に送信されるメールの文面として表示され、その内容が確認できるようになっている。
【0062】
図9のステップS38では、第2端末30は、管理ユーザから当該文書の承認の可否を判別する。具体的には、図6に示すように、第2端末30は、表示部に表示された送信ボタン84への選択を受け付けた場合には、承認(ステップS38でYES)と判別し、ステップS43に移る。第2端末30は、表示部に表示された差戻ボタン85への選択を受け付けた場合には、承認しない(ステップS38でNO)と判別し、ステップS39に移る。
【0063】
ステップS39では、ステップS38で承認しないとの判別を受けて、第2端末30は、差戻の通知を行う旨の情報を文書作成装置10に送信する。文書作成装置10は、ワークフロー情報記憶部112を参照して、当該文書におけるステータス情報を差戻を示す旨に変更し(ステップS40)、当該文書を作成した第1端末20に差戻通知を送信する(ステップS41)。
【0064】
ステップS42では、第1端末20は、文書作成装置10から差戻通知を受信すると図8のステップS21に処理を移す。
【0065】
ステップS43では、第2端末30は、文書の発行指示を文書作成装置10に送信する。第2端末30は、文書の発行指示と共に、第2のフォームにおいて入力された情報を文書作成装置10に送信する。文書作成装置10は、発行指示がされた文書について、第2のフォームに基づいてメールとして申請者に送信する(ステップS44)。
【0066】
本実施形態によれば、文書作成システム1は、文書の全体構成を規定するテンプレートを第2端末30の管理ユーザが作成し、第1端末20の一般ユーザ及び第2端末30の管理ユーザがそれぞれ入力を担当すべき箇所をテンプレート変数により定める。これにより、第1端末20の一般ユーザがテンプレートの種類を選択するだけで、それぞれのユーザが入力すべき箇所が決定され、文書の作成を効率的に行うことができる。
【0067】
本実施形態によれば、文書作成装置10の第1作成受付部122及び第2作成受付部125は、テンプレートに含まれるそれぞれのテンプレート変数に対応する内容を既存のデータに変換することができる。そして、第1端末20及び第2端末30は、テンプレート変数により変換された内容で第1のフォーム又は第2のフォームを表示する。このため、文書作成装置10は、文書に記載する情報の誤入力やコピーミス等を防止することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0069】
本実施形態では、ワークフロー情報記憶部112は、第1端末20が入力した情報をテンプレートと共に記憶するとし、また、申請の種別やステータス等の管理情報を記憶してもよいとしたが、これに限らない。例えば、申請者が申請時に入力した各種情報やその審査のステータス等の情報については、他のデータベースを備え、記憶させてもよい。この場合、第1作成受付部122及び第2作成受付部125は、テンプレート変数を変換する場合に、別途設けたデータベースを参照してテンプレート変数に対応する情報を読み込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 文書作成システム
10 文書作成装置
11 記憶部
12 制御部
20 第1端末
30 第2端末
111 文書情報記憶部
112 ワークフロー情報記憶部
113 テンプレート情報記憶部
121 全体構成選択部
122 第1作成受付部
123 文書申請受付部
124 文書申請通知部
125 第2作成受付部
126 文書発行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末及び第2端末と通信可能に接続され、複数のユーザにより作成される文書を作成する文書作成装置であって、
前記文書中に未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段と、
前記第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付ける全体構成選択手段と、
前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付ける第1作成受付手段と、
前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するワークフロー情報記憶手段と、
前記ワークフロー情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記第1端末から入力を受け付けたことを前記第2端末に通知する通知手段と、
前記テンプレート、及び前記第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付ける第2作成受付手段と、
前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行する発行手段と、を備える文書作成装置。
【請求項2】
複数のユーザにより作成される文書を作成する文書作成方法であって、
前記文書中の未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段を備え、
コンピュータに、
第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付けるステップと、
前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付けるステップと、
前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するステップと、
前記第1端末から入力を受け付けたことを第2端末に通知するステップと、
前記テンプレート、及び前記第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付けるステップと、
前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行するステップと、を実行させる文書作成方法。
【請求項3】
第1のユーザが使用する第1端末と、第2のユーザが使用する第2端末と、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザにより作成される文書を作成する文書作成装置と、が通信ネットワークにより互いに通信可能な文書作成システムであって、
前記文書作成装置は、
前記文書中に未入力の箇所が存在し、前記文書の全体構成を規定するテンプレートを記憶する文書情報記憶手段と、
前記第1端末から、作成対象文書のテンプレートの選択を受け付ける全体構成選択手段と、
前記第1端末が選択した前記テンプレートに基づいて作成された第1のフォームにおける一部の前記未入力の箇所への入力を、前記第1端末から受け付ける第1作成受付手段と、
前記第1端末から入力された情報及び前記テンプレートに関する情報を記憶するワークフロー情報記憶手段と、
前記ワークフロー情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、前記第1端末から入力を受け付けたことを第2端末に通知する通知手段と、
前記テンプレート、及び第1端末から入力された情報に基づいて作成された第2のフォームにおける前記未入力の箇所への入力を、前記第2端末から受け付ける第2作成受付手段と、
前記第2端末から入力を受け付けたことに応じて、前記文書を発行する発行手段と、を備える文書作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−197717(P2011−197717A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60405(P2010−60405)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】