文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラム
【課題】組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムを提供する。
【解決手段】文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する。そして、制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する。また、文書ファイルを格納する場合、クライアント端末10の制御部11は、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行し、入力された各項目内容が、文書ファイルのファイルプロパティに設定する。そして、制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する。次に、制御部11は、文書様式共通ファイルから手続名、文書様式名を取得する。更に、格納組織階層の組織コードを参照して組織名フォルダの検索し、この組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに文書ファイルを格納する。
【解決手段】文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する。そして、制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する。また、文書ファイルを格納する場合、クライアント端末10の制御部11は、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行し、入力された各項目内容が、文書ファイルのファイルプロパティに設定する。そして、制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する。次に、制御部11は、文書様式共通ファイルから手続名、文書様式名を取得する。更に、格納組織階層の組織コードを参照して組織名フォルダの検索し、この組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに文書ファイルを格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、企業内等において、申請書等のように共通様式を使用した電子ファイルが多く利用されている。そして、このような電子ファイルを集中管理するために、ファイルサーバを準備していることも多い。この場合、ファイルサーバを組織別に分割した各格納領域に、組織によらず共通的な手続に対応させたフォルダ構成を作成し、全社で統一的な格納場所、保管期限、文書ファイル名等により維持管理している。
【0003】
このようなファイルサーバにおいては、通常、ユーザ毎や部署毎にアクセス権を設定している。このため、企業等における組織階層に対応するフォルダ構成の作成とアクセス権設定を管理するための技術が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された文書管理装置では、指定されたフォルダの階層下に、指定された組織グループ以下の階層の各アクセス権グループに対応したフォルダを作成する。作成された各フォルダに対して、対応するアクセス権グループへのアクセス権を設定する。
【0004】
また、文書ファイルの作成の際には、手続や通達で定められた文書様式を用いる必要があることもある。統制文書を含む文書化プロセスをテンプレート化し、再利用するための文書処理装置も検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された文書処理装置においては、文書を複製し、この文書の作成者に依存する属性値を無効化する。また、作成者以外の利用者によるアクセスを可能とする文書構成部品の公開を未承認に設定するとともに、文書内にある他の文書へのリンクを削除する。そして、属性無効化、未承認化およびリンク削除された複製文書をテンプレートとして保存する。
【0005】
また、大量の文書ファイルを管理するデータベースにおいては、効率的な文書の分類のために、その文書名を統一的なルールに従って登録することが望ましい。そこで、複数フォルダに跨って適用されるルールとフォルダ毎に適用されるルールを設定するための文書管理装置も検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。この文献に記載された文書管理装置は、階層構造によって関連付けられた複数のフォルダを用いて文書データを管理する。この文書管理装置は、文書データの識別名の命名規則をフォルダ単位で設定し、文書データの登録先のフォルダに関して設定された命名規則を用いて文書データの識別名を決定し、フォルダに登録する。ここで、命名規則の設定に応じて、上位階層のフォルダの命名規則を設定対象のフォルダの命名規則として利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−129644号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2008−52346号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2006−72560号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
社員は部署間を異動することもあるため、部署によって文書の管理形態や文書の雛形が異なると、異動した社員が混乱する場合がある。従って、文書雛形やフォルダ構成は全社的に統一されていることが望ましい。一方、各部署の人数、業務内容等、部署の規模や性
格はそれぞれ異なり、画一的な文書管理をすると却って不便な場合もある。従って、各部署の状況に応じた文書管理が望ましく、このような文書管理のために構成されたフォルダを維持管理する必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、組織識別子が記憶された組織名ファイルと、文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムであって、前記制御手段が、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段と、前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段と、前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文書管理支援システムにおいて、複数の文書様式の文書ファイルを集約して格納する集約フォルダを更に設け、各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、前記文書ファイル数が第1閾値より小さい場合には、前記文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、前記文書様式名フォルダを削除する手段を更に設けたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の文書管理支援システムにおいて、前記文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを前記文書様式名フォルダに移し変える手段を更に設けたことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、前記案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納することを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、前記共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定することを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する手段と、前記アクセス権に基づいてフォルダ構成の変更を許容することを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、組織識別子が記憶された組織名ファイルと、文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、ユーザ端末及びファ
イルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援方法であって、前記制御手段が、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する段階と、前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する段階と、前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、7、8に記載の発明によれば、制御手段は、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する。次に、共通ファイルに基づいて、組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する。文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定する。そして、組織名フォルダ内において、プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに文書ファイルを格納する。これにより、各組織において共通性がある手続フォルダを生成し、このフォルダにおいて文書ファイルを管理することができる。従って、起票した文書ファイルについて、格納すべきフォルダが自動的に検索されるので、利用者に利便性、確実性の高い機能を提供することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、第1閾値より小さい場合には、文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、文書様式名フォルダを削除する。これにより、利用頻度が少ない文書様式の文書ファイルについては、集約して管理することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを文書様式名フォルダに移し変える。これにより、集約されたフォルダにおいて利用頻度が高い文書様式については、独立したフォルダにより文書ファイルを管理することができる。
【0019】
請求項4に文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納する。これにより、特定の案件に関連した一連の手続に関する文書ファイルを一つのフォルダにまとめて管理することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定する。これにより、各組織において統一されたルールに基づいてファイル名を設定することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する。これにより、組織毎のアクセス権に基づいてフォルダ構成を管理することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本発明の実施形態の文書様式格納定義データベースに記録されたデータの説明図であって、(a)は文書様式共通ファイル、(b)は文書様式個別ファイル、(c)は組織名ファイル、(d)は案件名ファイルに記録されたデータの説明図。
【図3】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図12】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図13】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図14】本発明の実施形態のファイルサーバに格納されたフォルダ構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図14に従って説明する。本実施形態では、全社統一基準のファイルサーバ上のフォルダ作成や文書格納処理のために、文書様式格納定義データを用意し、各組織で共通して作成する起票文書(文書ファイル)を保管する場合に用いる文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムとして説明する。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、文書管理支援サーバ20(文書管理支援システム)が文書管理支援処理を実行する。この文書管理支援サーバ20には、ネットワークを介してクライアント端末10、ファイルサーバ30、ディレクトリ管理サーバ40が接続されている。
【0026】
クライアント端末10は、各組織のユーザが使用するコンピュータ端末(ユーザ端末)である。このクライアント端末10は、ユーザが文書管理支援サーバ20にアクセスしたり、起票文書を作成したりする場合に用いられる。クライアント端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このクライアント端末10は、CPU、RAM、ROMからなる制御部11の他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。
【0027】
制御部11は、後述する処理(ファイル設定段階、ファイル格納段階の各処理等)を実行する。このための文書管理支援プログラムを実行することにより、制御部11は、図1に示すように、ファイル設定手段111、ファイル格納手段112として機能する。
【0028】
ファイル設定手段111は、生成された文書ファイルのファイルプロパティやファイル名において各種設定処理を実行する。
ファイル格納手段112は、起票された文書ファイルを、ファイルサーバ30の所定のフォルダに格納する処理を実行する。
【0029】
文書管理支援サーバ20は、クライアント端末10から受信したデータに基づいて文書管理支援に関する各種データ処理を行なうコンピュータシステムである。この文書管理支援サーバ20は、制御部21、文書様式格納定義データベース22、個別文書様式雛形データベース23を備える。
【0030】
この制御部21は、文書管理支援処理を行なうための各種データの管理処理等を行なう制御手段として機能する。制御部21は、CPU、RAM、ROM等を有する。そして、後述する処理(データベース登録段階、フォルダ作成段階、フォルダ編集段階、ファイル監視段階の各処理等)を実行する。このための文書管理支援プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すように、データベース登録手段211、フォルダ作成手段212、フォルダ編集手段213、フォルダ監視手段214、ファイル監視手段215として機能する。
【0031】
データベース登録手段211は、クライアント端末10から各種情報を取得し、データベースに登録する処理を実行する。
フォルダ作成手段212は、ファイルサーバ30において、ファイルを格納するためのフォルダを生成する処理を実行する。
【0032】
フォルダ編集手段213は、クライアント端末10に対して、ファイルサーバ30において生成されたフォルダ構成を変更するための操作画面を提供する処理を実行する。そして、フォルダ編集手段213は、クライアント端末10の操作画面において指定されたフォルダ構成を編集する処理を実行する。
【0033】
フォルダ監視手段214は、文書様式の使用状況を監視し、フォルダ構成を見直す処理を実行する。このフォルダ監視手段214は、使用頻度の少ない文書様式を判定するための第1閾値及び使用頻度が多い文書様式を判定するための第2閾値を保持している。
ファイル監視手段215は、格納された文書ファイルの維持管理処理を実行する。
【0034】
文書様式格納定義データベース22には、各組織において共通して起票される文書を管理するための処理方法を定義した各種ファイルが記録されている。本実施形態では、文書様式格納定義データベース22には、図2に示すように、文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224が記録されている。
【0035】
図2(a)に示す文書様式共通ファイル221は、全社的に統一して使用される文書において、文書様式毎に定められている属性項目が設定された文書様式共通レコードから構成されている。この文書様式共通ファイル221は、文書ファイル格納処理の稼動前に準備しておく。そして、手続名フォルダと手続で制定した文書様式に対応した文書様式名フォルダを手続名フォルダ配下に作成する場合に参照する。この文書様式共通レコードは、様式番号、文書様式名、手続名、手続番号、手続所管組織名、保管期限、文書重要度、適用組織階層、採番有無、案件紐付有無、定期性、起票組織階層、手続開始日、手続終了日に関するデータを含んで構成される。
【0036】
様式番号データ領域には、この文書様式を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、様式番号は全社で一意になるように設定されており、この文書様式共通レコードのキーとなる。更に、年度途中の様式改定に備え、様式名及び様式番号には枝番(バージョン番号)を付与する。手続制定時の初期状態における様式番号の枝番号は、初期値「v00」とする。
【0037】
文書様式名データ領域には、各文書様式の名称に関するデータが記録される。
手続名データ領域には、この文書様式を使用する手続の名称に関するデータが記録される。
【0038】
手続番号データ領域には、この文書様式を使用する手続を特定するための識別子に関するデータが記録される。
手続所管組織名データ領域には、この文書様式に関する手続の所管組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
保管期限データ領域には、この文書様式を用いて作成された起票文書の保管期間を特定するための期限を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、保管期限として、「年数」または「月数」、「用済後廃棄」が指定される。
【0040】
文書重要度データ領域には、この文書様式を用いて作成される起票文書の重要度を特定するための識別子に関するデータが記録される。
適用組織階層データ領域には、この文書様式が適用される組織レベルを特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、適用組織階層として、「全社共通」、「事業部門向け」、「スタッフ部門向け」又は「特定事業部門向け」が指定される。
【0041】
採番有無データ領域には、この文書様式を用いて作成される起票文書において稟議番号等の採番の要否を特定するための識別子に関するデータが記録される。
案件紐付有無データ領域には、この文書様式の文書が案件との紐付であるかどうかを判定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、案件との紐付が「常にあり」、「常になし」、「場合によりあり」のいずれかを指定するためのフラグが記録される。
【0042】
定期性データ領域には、文書が起票される周期性を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、定期性として、「定期的(年度、年月)」又は台帳のように「累積型」のいずれかを指定するためのフラグが記録される。
【0043】
起票組織階層データ領域には、起票が行なわれる組織階層を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態において、「部」又は「事業部」で起票する文書様式については「部」又は「事業部」が指定される。「担当者」又は「チーム長」、「部長」、「事業部長」で起票する文書様式は「担当者」、「チーム」、「部」、「事業部」が指定される。自己点検結果報告や業務監査指摘事項の対応報告など、現場組織から他部門に報告義務がある文書様式について報告する側の組織階層をチーム、部、事業部等が指定される。
【0044】
ここで、起票組織を記録する理由は、決裁権限を有する組織を記録すると上位の組織階層に集中することになり、実際に起票および文書保管している組織ラインの業務運営と離れてしまうためである。
手続開始日データ領域、手続終了日データ領域には、それぞれ該当手続の適用開始日、適用終了日に関するデータが記録される。
【0045】
図2(b)に示す文書様式個別ファイル222は、スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部において用いられる文書様式を特定するための文書様式個別レコードから構成されている。この文書様式個別ファイル222には、全社で共通的に作られたフォルダ構成について、スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部において、組織階層間で移し変えや集約操作が行なわれた手続フォルダや文書様式フォルダに関わる情報を収録するために用い
られる。この文書様式個別レコードは、様式番号、組織コード、案件横串区分、格納組織階層、文書様式集約に関するデータを含んで構成される。
【0046】
様式番号データ領域には、この文書様式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
組織コードデータ領域には、スタッフ部門の各部や事業部を特定するための識別子(組織識別子)に関するデータが記録される。本実施形態においては、様式番号と組織コードとが各レコードのキーとなる。
【0047】
案件横串区分データ領域には、案件について横串の有無を特定するための識別子に関するデータが記録される。案件の中で相互に関連している複数の文書様式(例えば、見積書、契約書、納品書など)を横串により関連付けておくための区分であり、各文書ファイルを関連付けておく場合には、「あり」フラグが記録される。
【0048】
格納組織階層データ領域には、文書ファイルを格納するフォルダが設けられた組織階層(スタッフ部門の各部、事業部、事業部の各部、チーム等)を特定するための識別子(組織コード)に関するデータが記録される。
【0049】
文書様式集約データ領域には、文書様式の集約の有無を特定するための識別子に関するデータが記録される。複数の文書様式を共通的なフォルダに格納する場合、「あり」フラグが記録される。
【0050】
図2(c)に示す組織名ファイル223は、スタッフ部門の各部や事業部が設定された組織名レコードから構成されている。この組織名ファイル223は、文書ファイル格納処理の稼動前に事前に準備しておく。そして、組織名フォルダを作成する場合に参照するために用いられる。この組織名レコードは、組織コード、事業部名、部室名、チーム名、部門区分、開設日、閉設日に関するデータを含んで構成される。
【0051】
組織コードデータ領域には、ファイルサーバ30を利用するスタッフ部門と事業部門を構成する組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、組織コードが各レコードのキーとなる。
【0052】
事業部名データ領域、部室名データ領域、チーム名データ領域には、それぞれ所属組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。
部門区分データ領域には、所属部門を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、スタッフ部門に属する部署に対しては「スタッフ部門」フラグ、事業部門に属する部署に対しては「事業部門」フラグが記録される。
開設日データ領域、閉設日データ領域には、それぞれ組織の活動開始日、活動終了日に関するデータが記録される。
【0053】
図2(d)に示す案件名ファイル224は、各組織において設定された案件を管理するための案件名レコードから構成されている。この案件名ファイル224は、案件名フォルダを作成する場合に参照するために用いられる。この案件名ファイル224は、案件の実施に関連して起票する文書様式を案件毎に識別するため、担当の事業部が前もって案件を定義しておく。この案件名レコードは、組織コード、案件番号、案件名、契約開始年月、契約終了年月に関するデータを含んで構成される。
【0054】
組織コードデータ領域には、スタッフ部門の各部や事業部を特定するための識別子に関するデータが記録される。
案件番号データ領域には、各案件を特定するための識別子に関するデータが記録される
。本実施形態においては、組織コードと案件番号とが各レコードのキーとなる。
【0055】
案件名データ領域には、各案件の名称に関するデータが記録される。
契約開始年月データ領域、契約終了年月データ領域には、各案件の契約開始年月、契約終了年月に関するデータが記録される。
【0056】
個別文書様式雛形データベース23には、様式番号に対応付けられた個別文書様式雛形ファイル(文書様式雛形)が蓄積されている。各個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティには、様式番号を含むプロパティ情報が記録される。
【0057】
ファイルサーバ30は、クライアント端末10において生成された文書ファイルを蓄積して一括管理するためのコンピュータシステムである。このファイルサーバ30には、文書ファイルを蓄積するために階層化されたフォルダ構成が設定されている。このフォルダ構成は、図14に示すように、階層化された組織名フォルダ500、このフォルダの下層の共通フォルダ501、手続名フォルダ502や文書様式名フォルダ503、案件名フォルダ504から構成されている。
【0058】
ディレクトリ管理サーバ40は、ネットワーク上の資源とその属性とを記憶し、検索できるようにしたディレクトリサービスを提供するコンピュータシステムである。このディレクトリ管理サーバ40は、ユーザやネットワーク資源の管理を一括化する。このため、ネットワークを利用するユーザや組織に関する情報や、利用可能なサーバと提供しているサービス、プリンタなどの利用可能な機器等に関する情報(例えば、各ユーザにおけるアクセス権限の管理)を蓄積している。
【0059】
次に、本実施形態の文書管理支援処理について説明する。ここでは、全体の流れ(図3)、フォルダ自動作成処理(図4)、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)、フォルダの移し変え処理(図6)、文書様式名フォルダの集約処理(図7)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(図8)の順に説明する。更に、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理(図10)、ファイル名の自動命名処理(図11)、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(図12)を説明する。そして、最後に、フォルダ構成の見直し処理(図13)を説明する。
【0060】
(全体の流れ)
まず、図3を用いて全体の流れを説明する。
ここでは、準備作業として、文書様式格納定義データベース22に情報設定を行なう(ステップS1−1)。具体的には、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。この場合、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、様式番号〜手続終了日についての情報を取得する。そして、データベース登録手段211は、文書様式格納定義データベース22に、様式番号をキーとして、文書様式名〜手続終了日を含む文書様式共通レコードから構成された文書様式共通ファイル221を登録する。
【0061】
更に、事前作業として、個別文書様式雛形ファイルのプロパティ情報を設定する(ステップS1−2)。具体的には、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、起票において用いる個別文書様式雛形ファイルを取得し、個別文書様式雛形データベース23に登録する。各個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティには、文書様式共通ファイル221において文書様式に対応して記録されている様式番号を設定する。この個別文書様式雛形ファイルから起票した個別文書ファイルのファイルプロパティには、様式番号が識別情報として保存されているので、この様式番号を用いてファイル名命名の制御と、ファイルサーバ30において格納するフォルダの特定とを行なうことができる。
【0062】
そして、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212が、後述するように、各組織において起票された文書を管理するためのフォルダをファイルサーバ30に生成する。ここでは、組織名ファイル223に登録されているすべてのスタッフ部門や事業部門について、組織名フォルダ、手続名フォルダ、定期性フォルダ、案件名フォルダを自動的に作成する。
【0063】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213が、クライアント端末10に対して、各スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部の高権限ユーザがフォルダ構成を変更するための操作画面を提供する。そして、この操作画面において入力された指示に基づいて、フォルダ構成を変更する。ここでは、一斉作業のフォルダ自動作成の後、手続名フォルダを、より下位の組織階層に移したり、発生頻度の少ない文書様式名フォルダを「99_その他」フォルダに集約したりする等して、部毎に使いやすいフォルダ構成に変更する。
【0064】
そして、各組織の担当ユーザは、個別文書様式雛形データベース23から個別文書様式雛形ファイルを取得し、文書ファイルを作成する。そして、作成された文書ファイルを格納する場合、クライアント端末10の制御部11は、起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、後述するように、クライアント端末10において生成された文書ファイルを、所定のフォルダに格納するための処理を実行する。
【0065】
また、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバの文書様式格納フォルダの定期更新処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、後述するように、各フォルダにおけるファイルの格納状態を監視し、必要に応じて、フォルダ構成を変更する。本実施形態では、ディレクトリ管理サーバ40における高権限のユーザアカウントにより、保管期限切れファイルの削除処理、年度別の定期性フォルダ作成処理、フォルダ構成の見直し処理を実行する。
【0066】
保管期限切れファイルの削除処理においては、年度切り替りのタイミングで、各フォルダに格納されている保管期限切れ文書ファイルを検索し、保管期限を経過している文書ファイルを一括削除する。ここでは、フォルダ監視手段214は、ファイルサーバ30に格納された各文書ファイルのファイルプロパティから、様式番号及び起票年月日を取得する。そして、フォルダ監視手段214は、様式番号及び起票年月日を用いて、文書様式共通ファイル221から保管期限、定期性を抽出する。そして、ファイル監視手段215は、起票年月日及び保管期限を用いて算出される保管終了年月が年度の切り替り年月より小さければ、保管期限切れと判定し、この文書ファイルを削除する。但し、定期性として「累積型」が指定された文書ファイル(例えば固定資産台帳)については、この保管期限切れ判断による文書ファイルの削除を行なわない。
【0067】
年度別の定期性フォルダ作成処理においては、年度切り替りのタイミングで、年度別の定期性フォルダを新たに作成する。
フォルダ構成の見直し処理については、図13を用いて後述する。
【0068】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織変更の対応処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、組織変更に対応してフォルダ構成の変更処理を実行する。本実施形態では、組織変更の対応処理、廃止部署処理を実行する。
【0069】
組織名ファイル223において、新設部署はその下位組織階層も含め組織コードや組織名が、その組織の活動開始日を指定した開設日とともに登録される。この場合、新設部署の担当ユーザは、新設部署の案件について、案件名ファイル224に登録する。既存部署からの継承案件の場合には、組織コードを新設部署に変えたコピーレコードを案件名ファイル224に追加する。
【0070】
活動開始日に、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、新設部署についてのフォルダを自動作成する。そして、新設部署の手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、案件名フォルダ、定期性フォルダ作成後に、クライアント端末10のディレクトリ管理機能で、ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つ新設部署の部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作により変更する。
【0071】
以上の処理と操作により、新設部署で起票する文書ファイルに対し、本システムが介在するファイルサーバへの格納管理を開始できる。
なお、新設部署が事業部レベルでなく、より下位の組織階層の場合、既存の同レベルの他の組織階層の組織名フォルダ直下の手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、定期性フォルダを複写して作成する。
【0072】
更に、新設部署の組織コードに一致する案件名を案件名ファイル224から参照し、案件名フォルダを作成する。
この場合、同レベル組織階層からフォルダ構成を複写しているので、高権限ユーザアカウントを用いた画面操作によるフォルダ構成の変更は不要である。
【0073】
廃止部署については、廃止部署の組織コードに一致する組織名レコードの閉設日に、その組織の活動終了日を設定する。
活動終了日以降、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、この廃止部署の組織名フォルダの名称後尾に「廃止」を付け加え、廃止部署を識別する。
【0074】
活動終了日以降の廃止部署内のフォルダにある既存文書の更新や新規文書ファイルの格納は、「起票組織コード」をキーに検索した組織名ファイル223に記録された閉設日と現在日付の比較により、ファイルサーバ30上の廃止部署フォルダの更新や新規格納を防止する。
【0075】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、年度途中の様式改定処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21のデータベース登録手段211は、年度途中で文書様式が改定された場合、文書様式格納定義データベース22の情報設定と個別文書様式雛形ファイルのプロパティ情報設定について、改定時期に以下のように実施する。
【0076】
データベース登録手段211は、クライアント端末10において設定された様式改定文書の様式番号と枝番を取得し、文書様式共通ファイル221において枝番を除く様式番号が一致する属性レコードをコピー元に、枝番付き様式番号のレコードを作成する。バージョン番号をコピー元からの様式名直後に追加設定することにより、途中改版を明示する。更に、データベース登録手段211は、クライアント端末10において手続改定時に作られた個別文書様式雛形ファイルを取得し、そのファイルプロパティに枝番付きの「様式番号」を設定する。
【0077】
そして、データベース登録手段211は、枝番以外は同じ様式番号を持つ文書様式個別ファイル222を参照し、枝番なしレコードをコピー元にして枝番つきのレコードを自動的に一括作成する。ここでは、枝番としてバージョン番号を用いる。
【0078】
ここでは、文書管理支援サーバ20において、新規手続で制定された文書様式について、文書様式格納定義データベース22の情報設定を行なう(ステップS1−1)。具体的には、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。この場合、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、新規手続で制定された文書様式についての様式番号〜手続終了日についての情報を取得する。そして、データベース登録手段211は、文書様式格納定義データベース22に、新規手続に関する文書様式を対象にその様式番号をキーとして、文書様式名〜手続終了日を含む文書様式共通レコードから構成された文書様式共通ファイル221を登録する。
【0079】
更に、新規手続に関して新たに作成した個別文書様式雛形ファイルを対象にプロパティ情報を設定する(ステップS1−2)。具体的には、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、起票において用いる個別文書様式雛形ファイルを取得し、個別文書様式雛形データベース23に登録する。
【0080】
手続の適用開始日に、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、新規手続とその制定様式についてのフォルダを自動作成する。新規手続に関連する手続名フォルダ、文書様式名フォルダ作成後に、クライアント端末10のディレクトリ管理機能で、ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つ各事業部の部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作で変更する。
以上の処理と操作により、新規手続関連の起票文書ファイルに対し、本システムが介在するファイルサーバへの格納管理を開始できる。
【0081】
廃止手続又は廃止文書様式に対し、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。その手続番号や様式番号に一致する文書様式共通ファイル221の文書様式共通レコードの手続終了日に、その手続の適用終了日を設定する。
【0082】
適用終了日以降、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、その廃止手続の手続名フォルダや文書様式名フォルダの名称後尾に「廃止」を付け加え、廃止した手続や文書様式を識別する。
【0083】
適用終了日以降の廃止手続名フォルダ下の文書様式名フォルダにある既存文書の更新や新規文書ファイルの格納は、様式番号をキーに検索した文書様式共通ファイル221の手続終了日と現在日付の比較により、ファイルサーバ30上の廃止手続名フォルダ下の文書様式名フォルダへの更新や新規格納を防止する。
【0084】
(フォルダ自動作成処理)
次に、図4を用いて、フォルダ自動作成処理を説明する。このフォルダ自動作成処理は、文書ファイル格納処理の稼動前に準備作業として実施される。ここでは、文書様式格納定義データベース22に格納された文書様式共通ファイル221、組織名ファイル223、案件名ファイル224を参照しながら、ファイルサーバ30に、スタッフ部門の部署、事業部毎に組織名フォルダを階層的に作成する。更に、その階層下にそれぞれの案件名や手続名のフォルダを作成する。
【0085】
まず、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30にアクセスする。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、組織名ファイル223に記録された組織コードで表わされた階層性と対応させて、組織名ファイル223の事業部、部室名、チーム名、課名を使ったフォルダ名を作成する。この場合、フォルダ
作成手段212は、組織コードの並び順になるようフォルダ名の先頭に各フォルダ階層レベルで、「nn_」を付加する。ここで、「nn」は組織コード順による「01」からの連続番号とする。なお、事業部/部/チームの組織名フォルダ直下に、フォルダ名の頭に「00_」が付いた事業部/部/チーム共通フォルダを常に作成し、手続名フォルダや案件名フォルダの一意な格納場所として用意する。
【0086】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ及び文書様式名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式共通ファイル221を参照し、スタッフ部門の「00_部共通」や事業部門の「00_事業部共通」フォルダ直下に、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0087】
文書様式共通ファイル221の適用組織階層データ領域に「全社共通」であればスタッフ部門や事業部門に関わりなく、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0088】
適用組織階層データ領域に「事業部門向け」フラグが記録されている場合には、組織名ファイル223において、フォルダ作成中の組織コードで検索し、部門区分データ領域に「事業部門」フラグが記録されている場合のみ、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0089】
一方、適用組織階層データ領域に「スタッフ部門向け」フラグが記録されている場合には、組織名ファイル223において、フォルダ作成中の組織コードで検索し、部門区分データ領域に「スタッフ部門」フラグが記録されている場合のみ、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0090】
そして、フォルダ作成手段212は、手続番号の並び順になるように、手続名フォルダのフォルダ名の先頭に「nn_」を付加する。ここで、「nn」は手続番号順に「01」からの連続番号とする。
【0091】
フォルダ作成手段212は、様式番号の並び順になるように、文書様式名フォルダのフォルダ名の先頭に「nn_」を付加する。ここで、nnは様式番号順に01からの連続番号とする。
そして、フォルダ作成手段212は、連続で作成する文書様式名フォルダの最後に、「99_その他」フォルダを作成する。
【0092】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、定期性フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式共通ファイル221を参照する。そして、定期性データ領域において「年度」や「年月」が指定されている場合、フォルダ作成手段212は、文書様式名フォルダ下に西暦年度名フォルダや西暦年月名フォルダを作成する。西暦年度名は、作成時点の西暦会計年度を、例えば「2009年度」と表わす。西暦年月名は先の西暦会計年度期間で、例えば「2009年04月」、「2009年05月」〜「2010年03月」のように12ヵ月分のフォルダを用意する。
【0093】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、案件名ファイル224の組織コードが等しい組織名フォルダ直下に「99_案件」フォルダを作成する。次に、フォルダ作成手段212は、案件名ファイル224の「案件名」フォルダを、先の「99_案件」フォルダ直下に順に作成する。
更に、フォルダ作成手段212は、案件番号の並び順になるようフォルダの案件名先頭に「nn_」を付加する。「nn」は案件番号順に「01」からの連続番号とする。
【0094】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別ファイルの初期設定レコード登録処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式個別ファイル222に、事業部毎の文書様式識別子単位で初期設定レコードを登録する。この初期設定レコードにおいては、様式番号データ領域には、文書様式名フォルダを作成した文書様式に対応する様式番号を登録する。また、組織コードデータ領域には、該当文書様式名フォルダを作成した組織名フォルダに対応する組織コードを登録する。案件横串区分データ領域には「なし」フラグを登録する。格納組織階層データ領域には、該当文書様式名フォルダを作成した組織名フォルダに対応する組織コードを登録する。また、文書様式集約データ領域には「なし」フラグを登録する。
【0095】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、高権限ユーザについてのアクセス権の付与処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、自動作成したフォルダに対して、ディレクトリ管理サーバ40において各組織における高権限のユーザアカウントを持つ部内ユーザに対してフルコントロールのアクセス権を設定する。
【0096】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、一般ユーザについてアクセス権の付与処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、ディレクトリ管理サーバ40において通常権限のユーザアカウントを持つ一般ユーザについては、自動作成したフォルダの変更・削除を禁止し、ファイルの参照と書込が可能なアクセス権を設定する。これにより、ネットワーク上でアクセス可能な共有フォルダとなる。
【0097】
(フォルダ構成の変更画面操作)
次に、図5を用いて、フォルダ構成の変更画面操作処理を説明する。ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つスタッフ部門の部内ユーザ又は事業部門の事業部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作で変更する。フォルダ構成を変更する場合、高権限ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。
【0098】
この場合、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10からユーザアカウントを取得し、ディレクトリ管理サーバ40にアクセスして、このユーザアカウントの権限情報及び所属組織情報を取得する。
【0099】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、フォルダ構成の画面表示処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、ファイルサーバ30において登録された事業部の各組織名や事業部名フォルダ直下の手続名フォルダ等をツリー構造により表わしたフォルダ構成画面を生成し、クライアント端末10のディスプレイに表示する。
【0100】
この操作画面を用いることにより、クライアント端末10からの指示に基づいて、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ、文書様式名フォルダの移し変え処理(ステップS3−3)、文書様式名フォルダの集約処理(ステップS3−4)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(ステップS3−5)を実行する。各処理の内容については、図6〜図8を用いて後述する。
【0101】
(フォルダ移し変え)
次に、図6を用いて、手続名フォルダ、文書様式名フォルダについてのフォルダ移し変え処理を説明する。
【0102】
まず、手続名フォルダの移し変え処理を説明する。
ここでは、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの指定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、移し変えを希望する手続名フォルダを指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0103】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、ドラッグ&ドロップ操作により、より下位の組織階層である部やチームの「00_部共通」又は「00_チーム共通」フォルダに移し変える。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ名を取得する。
【0104】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、その手続に属する文書様式名フォルダの一括移し変え処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、この手続に属するすべての文書様式名フォルダを移し変え先フォルダに移し変える。
【0105】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、指定されたフォルダの様式番号に関連付けられた格納組織階層を、移し変え先の組織コードに変更したレコードを複写して登録する。
【0106】
次に、文書様式名フォルダの移し変え処理を説明する。
この場合も、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、移し変えを希望する文書様式名フォルダを指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0107】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、ドラッグ&ドロップ操作により、より下位の組織階層である部やチームの「00_部共通」又は「00_チーム共通」フォルダに移し変える。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ名を取得する。
【0108】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、移し変え先に、その文書様式名フォルダが属すべき手続名フォルダがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ内において、移動対象として指定された手続名フォルダの手続名が付与されたフォルダを検索する。
【0109】
移し変え先に手続名フォルダがない場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの作成処理を実行する(ステ
ップS4−8)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ内に新たに手続名フォルダを作成する。一方、移し変え先に手続名フォルダがある場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ステップS4−8の処理をスキップする。
【0110】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダに属する文書様式名フォルダが存在するかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え元の手続名フォルダにおいて、配下の文書様式名フォルダの有無を検索する。
【0111】
移し変え元の手続名フォルダにおいて文書様式名フォルダが一つも存在していない場合(ステップS4−9において「NO」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの削除処理を実行する(ステップS4−10)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式名フォルダが登録されていない手続名フォルダを削除する。一方、手続名フォルダにおいて文書様式名フォルダが存在している場合(ステップS4−9において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、このステップS4−10の処理をスキップする。これにより、この組織階層で利用されない手続名フォルダを存在させないようにする。
【0112】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS4−11)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先の手続名フォルダに文書様式名フォルダを格納する。そして、フォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、指定されたフォルダの様式番号に関連付けられた格納組織階層を、移し変え先の組織コードに変更したレコードを複写して登録する。そして、起票した文書様式をこの格納組織階層に格納する際の制御に利用する。
【0113】
(文書様式名フォルダの集約)
次に、図7を用いて、文書様式名フォルダの集約処理を説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、起票頻度の少ない文書様式名フォルダを個別に指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0114】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ直下にある集約フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、ドラッグ&ドロップ操作により、指定された文書様式名フォルダを手続名フォルダ下の集約フォルダに移し変える。本実施形態においては、集約フォルダとして、「99_その他」を用いる。
【0115】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え元の手続名フォルダから、移し変えた文書様式名フォルダを削除する。
【0116】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、集約を行なった文書様式の文書様式集約データ領域に「集約」フラグを記録する。そして、起票した文書様式を「99_その他」フォルダに格納する際の制御に利用する。
【0117】
(案件横串の文書様式名フォルダ指定)
次に、図8を用いて、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理を説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件紐付けありの文書様式名フォルダ一覧画面の表示処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、案件横串表示ボタンを選択する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10から案件横串表示指示を取得する。そして、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式共通ファイル221の案件紐付区分データ領域に「常にあり」フラグが記録された文書様式共通レコードを抽出する。次に、フォルダ編集手段213は、抽出した文書様式共通レコードの文書様式名フォルダを、その属する手続毎に一覧表示させた横串文書様式名フォルダ一覧画面(ポップアップ画面)を、クライアント端末10のディスプレイに出力する。
【0118】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、クライアント端末10に表示された横串文書様式名フォルダ一覧画面において、横串を希望する文書様式名フォルダを順次指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0119】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件横串設定ボタンの選択処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ一覧画面において、案件横串設定ボタンを選択する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10から案件横串設定指示を取得する。
【0120】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、案件横串設定が指示された文書様式名フォルダをファイルサーバ30から削除する。
【0121】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、案件横串を行なった文書様式の案件横串区分データ領域に「あり」フラグを記録する。そして、起票した文書様式を対象の案件名フォルダに格納する際の制御に利用する。
【0122】
(起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納)
次に、図9を用いて、起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納処理を説明する。ここでは、起票した文書ファイルを初めてファイルサーバ30に格納する場合と、更新した文書ファイルをファイルサーバ30に格納する場合とにおいて格納制御を行なう。この場合、クライアント端末10に実装されたファイル設定手段111、ファイル格納手段112を用いる。
【0123】
ここでは、クライアント端末10の制御部11は、後述するように、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、起票者は、個別文書様式雛形データベース23から個別文書様式雛形ファイルや、既存の文書ファイルを取得し、これらを用いてクライアント端末10において新たな文書ファイルを作成する。この文書ファイルをファイルサーバ30に格納する場合、クライアント端末10の制御部11のファイル設定手段111は、ディスプレイに文書ファイルプロパティ入力画面を表示する。この文書ファイルプロパティ入力画面には、文書ファイルを個別に識別する「起票組織コード」、「起票者名」、「案件番号」、「採番」、「定期性(年度、年月)」、「入手元」の各項目を入力するための入力欄が設けられている。ファイル格納手段112は、この文書ファイルプロパティ入力画面において入力された各項目内容を、文書フ
ァイルのファイルプロパティ(起票組織コード〜入手元)に追加設定する。この項目内容はファイル名命名に使用する。
【0124】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112が、後述するように、ファイル名の自動命名処理を実行する。
【0125】
次に、クライアント端末10の制御部11は、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112が、後述するように、ファイルサーバ30内のフォルダの選択と文書ファイルの格納処理を実行する。
【0126】
(文書ファイルについての各項目内容の入力)
次に、図10を用いて、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を説明する。
まず、クライアント端末10の制御部11は、起票内容の設定処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、クライアント端末10を操作する起票者は、文書ファイルプロパティ入力画面の「起票組織コード」、「起票者名」欄に入力する。そして、制御部11のファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面の「起票年月日」欄において、現在日付を自動設定する。なお、「起票年月日」欄を現在日付以外とする場合、クライアント端末10を操作する起票者は、過去日付あるいは先日付を「起票年月日」欄に入力する。また、他組織からの入手資料の場合、文書ファイルプロパティ入力画面の「入手元」欄に他組織名称を入力する。
【0127】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付有無情報の取得処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書管理支援サーバ20の文書様式格納定義データベース22にアクセスする。そして、ファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221から、文書ファイルのファイルプロパティに記録された様式番号に対応する文書様式共通レコードを取得する。
【0128】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付の可能性があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−3)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通レコードの案件紐付有無データ領域に「常にあり」フラグ又は「場合によりあり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0129】
案件紐付有無データ領域に「常にあり」フラグ又は「場合によりあり」フラグが記録されている場合(ステップS8−3において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名一覧画面の表示処理を実行する(ステップS8−4)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、案件名ファイル224から、文書ファイルプロパティ入力画面に入力された起票組織コードが組織コードデータ領域に設定された案件名レコードを取得する。そして、ファイル設定手段111は、この案件名レコードに記録された案件番号と案件名とを列挙した案件名一覧画面を表示する。
【0130】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件番号の設定処理を実行する(ステップS8−5)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この案件名一覧画面において選択された案件番号を、文書ファイルプロパティ入力画面の「案件番号」欄に設定する。
【0131】
更に、文書様式共通ファイル221の採番有無データ領域に「有り」フラグが記録されている場合には、ファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面の「採番」欄において、禀議番号や見積書番号や請求番号等の入力を促す。
【0132】
なお、案件紐付有無データ領域に「常になし」フラグが記録されており、案件紐付の可能性がない場合(ステップS8−3において「NO」の場合)には、案件名一覧画面の表示処理(ステップS8−4)、案件番号の設定処理(ステップS8−5)をスキップする。
【0133】
次に、クライアント端末10の制御部11は、定期性の設定処理を実行する(ステップS8−6)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221の定期性データ領域を確認する。定期性データ領域に「年度」、「年月」が記録されている場合には、ファイル設定手段111は、定期性データ領域の記録内容とともに、現在日付から換算した年度西暦年や年月を文書ファイルプロパティ入力画面の「定期性」欄に初期表示し、操作者による年度の西暦年や年月の変更入力を可能とする。
【0134】
次に、クライアント端末10の制御部11は、起票組織コードが存在しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−7)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、組織名ファイル223において、文書ファイルプロパティ入力画面において入力された起票組織コードが記録されているレコードを検索する。
【0135】
起票組織コードが記録されている組織名レコードを取得できない場合(ステップS8−7において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、再入力処理を実行する(ステップS8−8)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、「起票組織コード」欄への再入力を促す。
【0136】
一方、起票組織コードが記録されている組織名レコードを取得できた場合(ステップS8−7において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、起票組織コードの閉設日が未到来かどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−9)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この組織名レコードに記録されている閉設日を取得する。そして、ファイル設定手段111は、現在日付と閉設日を比較する。
【0137】
起票組織コードの閉設日が到来している場合(ステップS8−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、再入力処理を実行する(ステップS8−8)。
【0138】
一方、起票組織コードが記録された組織名レコードの閉設日が未到来の場合(ステップS8−9において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティ設定処理を実行する(ステップS8−10)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面において入力された各項目内容を、文書ファイルのファイルプロパティに設定する。
【0139】
(ファイル名の自動命名)
次に、図11を用いて、ファイル名の自動命名処理を説明する。ここでは、文書様式共通ファイル221を参照し、「採番有無」、「案件紐付有無」、「定期性」などの属性項目の内容によりファイル名を自動命名する。
【0140】
まず、クライアント端末10の制御部11は、他組織から入手した文書ファイルかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−1)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティの入手元を確認する。
【0141】
ファイルプロパティに入手元として他組織が設定されている場合(ステップS9−1に
おいて「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、コピー情報の追加処理を実行する(ステップS9−2)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、元のファイル名先頭に「コピー」を加え、オリジナル文書と識別する。そして、後述するステップS9−3〜S9−10の処理をスキップする。
【0142】
一方、ファイルプロパティに入手元として他組織が設定されていない場合(ステップS9−1において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、様式名の設定処理を実行する(ステップS9−3)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221において、この文書ファイルのファイルプロパティに記録されている様式番号の文書様式共通レコードから様式名を取得し、ファイル名の先頭に置く。
【0143】
次に、クライアント端末10の制御部11は、採番対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−4)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの採番有無データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0144】
採番有無データ領域に「あり」フラグが記録されており、採番対象の場合(ステップS9−4において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの採番の追加処理を実行する(ステップS9−5)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された採番をファイル名に追加する。一方、採番有無データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、採番対象でない場合(ステップS9−4において「NO」の場合)、採番の追加処理(ステップS9−5)をスキップする。
【0145】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−6)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの案件紐付有無データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0146】
案件紐付有無データ領域に「あり」フラグが記録されており、案件紐付がある場合(ステップS9−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの案件番号の追加処理を実行する(ステップS9−7)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された案件番号をファイル名に追加する。一方、案件紐付有無データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、案件紐付がない場合(ステップS9−6において「NO」の場合)、案件番号の追加処理(ステップS9−7)をスキップする。
【0147】
次に、クライアント端末10の制御部11は、定期性があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−8)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの定期性データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0148】
定期性データ領域に「あり」フラグが記録されており、定期性がある場合(ステップS9−8において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの定期性情報の追加処理を実行する(ステップS9−9)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された定期性の項目値(西暦年又は年月)をファイル名に追加する。一方、定期性データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、定期性がない場合(ステップS9−8において「NO」の場合)、定期性情報の追加処理(ステップS9−9)をスキップする。
【0149】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの起票者名の追加処
理を実行する(ステップS9−10)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された起票者名をファイル名に追加する。
【0150】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティへのファイル名の設定処理を実行する(ステップS9−11)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この自動命名したファイル名をファイルプロパティに設定する。これにより、生成されたファイル名が設定され、更新時も同じファイル名を維持する。
【0151】
(フォルダの選択と文書ファイルの格納)
次に、図12を用いて、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理を説明する。ここでは、起票した文書ファイルを格納すべきフォルダを、ファイルサーバ30において選択し、このフォルダに格納する。
【0152】
クライアント端末10の制御部11は、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書かどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−1)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、格納対象の文書ファイルのファイルプロパティに記録された様式番号、起票者名、起票組織コード、起票年月日、案件番号、採番、定期性、入手元、ファイル名等を読み込む。そして、同じファイルプロパティが設定された文書ファイルをファイルサーバ30において検索する。同じファイルプロパティが設定された文書ファイルを特定できた場合には、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書と判定する。
【0153】
ファイルサーバ30以外で更新された既存文書の場合(ステップS10−1において「YES」の場合)には、クライアント端末10の制御部11は、同じフォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−2)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、同じファイルプロパティが設定された文書ファイルが格納されたフォルダを選択し、このフォルダに文書ファイルを格納する。
【0154】
一方、既存文書とは異なる新たな文書ファイルの場合(ステップS10−1において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、文書様式共通ファイル221から手続名、文書様式名の取得処理を実行する(ステップS10−3)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通ファイル221から、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式共通レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、この文書様式共通レコードに記録された手続名、文書様式名、定期性の各項目内容を取得する。
【0155】
次に、クライアント端末10の制御部11は、文書様式個別ファイル222から格納組織階層、文書様式集約、案件横串区分の取得処理を実行する(ステップS10−4)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式個別ファイル222から、ファイルプロパティの起票組織コード及び様式番号が記録された文書様式個別レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、この文書様式個別レコードに記録された格納組織階層、文書様式集約、案件横串区分の各項目内容を取得する。
【0156】
次に、クライアント端末10の制御部11は、格納組織階層の組織コードを参照して組織名フォルダの検索処理を実行する(ステップS10−5)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、取得した格納組織階層の組織コードが記録された組織名フォルダを検索する。
【0157】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件横串区分があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−6)。具体的には、制御部11のファイル格納手
段112は、文書様式個別レコードの案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0158】
案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−7)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、案件名ファイル224において、ファイルプロパティの案件番号及び組織コードが記録された案件名レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、この案件名レコードに記録された案件名の案件名フォルダを選択し、このフォルダに文書ファイルを格納する。
【0159】
一方、案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−6において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、様式番号を参照して、手続名フォルダの検索処理を実行する(ステップS10−8)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通ファイル221において、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式共通レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、ステップS10−5で特定した組織名フォルダにおいて、この文書様式共通レコードに記録された手続名の手続名フォルダを検索する。
【0160】
次に、クライアント端末10の制御部11は、文書様式集約があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−9)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式個別ファイル222において、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式個別レコードの文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0161】
文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−9において「YES」の場合)は、クライアント端末10の制御部11は、集約フォルダへの文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS10−10)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、手続名フォルダ直下の「99_その他」フォルダに文書ファイルを格納する。
【0162】
一方、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性の指定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−11)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通レコードの定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されているかどうかを確認する。
【0163】
定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」フラグが記録されている場合(ステップS10−11において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−12)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルプロパティの起票年月日を西暦の年度あるいは年月に換算する。そして、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダ配下でさらに換算した西暦年度あるいは年月を示す定期性フォルダを検索し、一致する定期性フォルダに文書ファイルを格納する。
【0164】
一方、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されていない場合(ステップS10−11において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダへの文書ファイル格納処理を実行する(ステップS10−13)。
【0165】
そして、文書ファイルをいずれかのフォルダに格納した場合(ステップS10−2,S10−7,S10−10,S10−12,S10−13)、クライアント端末10の制御部11は、格納フォルダの表示処理を実行する(ステップS10−14)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、格納組織階層以下のフォルダ構成をツリー構造で表示した格納フォルダ表示画面を生成し表示する。そして、ファイル格納手段112は、この格納フォルダ表示画面において、文書ファイルを格納した文書様式名フォルダ又は案件名フォルダ、定期性の年度フォルダ等を反転表示させる。
【0166】
(フォルダ構成の見直し)
次に、図13を用いて、フォルダ構成の見直し処理を説明する。ファイルサーバ30において高権限のユーザアカウントにより、ファイルサーバ30のフォルダの定期更新を行なう。ここでは、年度の切り替えのタイミングで、過年度の使用頻度の少ない文書様式名フォルダを見直して集約する。また、過年度の使用頻度が多い文書様式を検索してフォルダ構成の見直しを行なう。
【0167】
まず、使用頻度の少ない(起票数が少ない)文書様式の取り扱いについて説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数の算出処理を実行する(ステップS11−1)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、ファイルサーバ30の文書様式名フォルダ毎に、各フォルダに格納された文書ファイル数を算出する。
【0168】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイル数が第1閾値より少ないかどうかについての判定処理を実行する(ステップS11−2)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、算出した文書ファイル数と第1閾値とを比較する。
【0169】
文書ファイル数が第1閾値より少ない場合(ステップS11−2において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダへの移し変え処理を実行する(ステップS11−3)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、第1閾値より文書ファイル数が少ない文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを同階層の「99_その他」フォルダに移し変える。
【0170】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、元の文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS11−4)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、移し変え元の文書様式名フォルダを削除する。
【0171】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS11−5)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、文書様式個別ファイル222において、集約した文書様式名フォルダについて文書様式個別レコードを特定し、文書様式集約データ領域に「あり」フラグを記録する。これにより、フォルダ構成を復旧できるようにしておく。
【0172】
なお、文書ファイル数が第1閾値以上の場合(ステップS11−2において「NO」の場合)、集約フォルダへの移し変え処理(ステップS11−3)〜文書様式個別レコードの更新処理(ステップS11−5)をスキップする。
【0173】
次に、使用頻度が多い(起票数の多い)文書様式の取り扱いについて説明する。
ここでは、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダにおいて文書様式毎に文書ファイル数の算出処理を実行する(ステップS11−6)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、各「99_その他」フォルダ内で、ファイルプロパティ
の様式番号毎に文書ファイル数を算出する。
【0174】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイル数が第2閾値より多いかどうかについての判定処理を実行する(ステップS11−7)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、算出した文書ファイル数と、第2閾値とを比較する。
【0175】
文書ファイル数が第2閾値より多い場合(ステップS11−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの作成処理を実行する(ステップS11−8)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、文書様式個別ファイル222において、この文書ファイルの様式番号及び組織コードが記録された文書様式個別レコードを特定し、その格納組織階層データ領域に一致する組織名フォルダに文書様式名フォルダを作成する。
【0176】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイルの移し変え処理を実行する(ステップS11−9)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、新たに生成した文書様式名フォルダに、ファイルプロパティに同じ様式番号が記録された文書ファイルを移し変える。
【0177】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS11−10)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、作成した文書様式名フォルダについての文書様式個別レコードの文書様式集約データ領域に記録された「あり」フラグを削除する。
【0178】
なお、文書ファイル数が第2閾値以下の場合(ステップS11−7において「NO」の場合)、文書様式名フォルダの作成処理(ステップS11−8)〜文書様式個別レコードの更新処理(ステップS11−10)をスキップする。
【0179】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する(ステップS1−3)これにより、ファイルサーバ30において、各組織において統一性があるフォルダ構成を実現することができる。例えば、他の組織に異動したユーザであっても、移動先の組織において、元の組織にいたときと同様にファイルサーバ30を利用することができる。
【0180】
(2)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する(ステップS1−4)。ここでは、手続名フォルダ、文書様式名フォルダの移し変え処理を実行する(ステップS3−3)。組織の規模や性格によって、各文書様式の利用頻度が異なる。この利用頻度を考慮して、組織毎にフォルダ構成をカスタマイズすることにより、利用しやすいファイルサーバ30を実現することができる。
【0181】
(3)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの集約処理を実行する(ステップS3−4)。これにより、利用頻度が少ないと予想される文書様式については、まとめて管理することができる。従って、フォルダ数を少なくすることにより、ユーザビリティを向上させることができる。
【0182】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、一つの案件について一連の手続についてはまとめて管理することができる。
【0183】
(4)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行する(ステップS7−1)。これにより、文書ファイルのファイルプロパティに、予め定められた項目を設定することができる。そして、このファイルプロパティに記録された情報を用いて、格納先のフォルダを特定したり、ファイルの維持管理を行なったりすることができる。
【0184】
(5)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する(ステップS7−2)。これにより、全組織を通じて、共通したルールでファイル名を設定することができる。従って、起案者以外のユーザにおいても、ファイル名を利用して効率的な検索を行なうことができる。
【0185】
(6)上記実施形態では、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書の場合(ステップS10−1において「YES」の場合)には、クライアント端末10の制御部11は、同じフォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−2)。これにより、ファイルサーバ30とは切り離されたクライアント端末において文書ファイルを更新した場合においても、文書ファイルが二重登録されることなく、文書ファイルを差し替えることができる。
【0186】
(7)上記実施形態では、案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−7)。これにより、特定の案件に関連した一連の手続に関する文書ファイルを一つのフォルダにまとめて管理することができる。
【0187】
(8)上記実施形態では、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−9において「YES」の場合)は、クライアント端末10の制御部11は、集約フォルダへの文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS10−10)。これにより、文書様式が集約されて管理されている場合にも、文書ファイルを的確なフォルダに格納することができる。
【0188】
(9)上記実施形態では、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性の指定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−11)。そして、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」フラグが記録されている場合(ステップS10−11において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−12)。これにより、定期的に作成される文書ファイルを的確なフォルダに格納することができる。
【0189】
一方、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されていない場合(ステップS10−11において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダへの文書ファイル格納処理を実行する(ステップS10−13)。これにより、各文書ファイルを、この文書様式に応じた的確なフォルダに格納することができる。従って、ユーザの手間を軽減しながら、間違ったフォルダへの格納を防止することができる。
【0190】
(10)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、格納フォルダの表示処理を実行する(ステップS10−14)。これにより、操作者は文書ファイルをどのフォルダに格納したのかを容易に把握することができる。
【0191】
(11)上記実施形態では、文書ファイル数が第1閾値より少ない場合(ステップS1
1−2において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダへの移し変え処理(ステップS11−3)、元の文書様式名フォルダの削除処理(ステップS11−4)を実行する。これにより、ファイルサーバ30の稼動状況に応じて、フォルダを集約し、ファイルの検索時の効率性を向上させることができる。
【0192】
(12)上記実施形態では、文書ファイル数が第2閾値より多い場合(ステップS11−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの作成処理(ステップS11−8)。文書ファイルの移し変え処理(ステップS11−9)を実行する。これにより、利用頻度が高い文書様式については、独立したフォルダにより管理することができる。
【0193】
(13)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織変更の対応処理を実行する(ステップS1−7)。これにより、組織変更に応じて、的確なフォルダ構成を維持管理することができる。
【0194】
(14)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、年度途中の様式改定処理を実行する(ステップS1−8)。これにより、文書様式が改定された場合にも、効率的な文書ファイルの管理を行なうことができる。
【0195】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、ファイル設定手段111、ファイル格納手段112として機能する。ファイル設定やファイル格納の各処理を実行するハードウェアはクライアント端末10に限定されるものではない。例えば、格納する文書ファイルを文書管理支援サーバ20に転送して、制御部21がファイル設定処理やファイル格納処理を実行するようにしてもよい。この場合には、制御部21にファイル設定手段111、ファイル格納手段112を設ける。
【0196】
・ 上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22には、図2に示すように、文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224が記録されている。データベースに記録されるデータ構成は、これに限定されるものではなく、各処理を実行するためのデータが、文書管理支援システム内に記憶されていればよい。
【0197】
・ 上記実施形態では、フォルダ自動作成処理(図4)、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)、フォルダの移し変え処理(図6)、文書様式名フォルダの集約処理(図7)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(図8)を実行する。更に、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理(図10)、ファイル名の自動命名処理(図11)、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(図12)を実行する。更に、フォルダ構成の見直し処理(図13)を実行する。本発明において実行される処理の内容は、これらに限定されるものではなく、一部や他の処理との組み合わせてあってもよい。
【0198】
・上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−2)。ここで、上位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作ができるようにしてもよい。この場合には、上位の組織階層に移動させたフォルダについて、他の下位の組織階層に同じフォルダが残っているかどうかを検索する。そして、下位の組織階層に同じフォルダを見つけた場合には、制御部21はアラームを出力する。上位階層にフォルダを作成した場合には、下位階層のフォルダは不要になるが、このようなフォルダの削除忘れを防止することができる。
【0199】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22および個別文書様式雛形データベース23には、操作者がユーザ端末を操作し起案する手続や規定対応の文書ファイルの属性情報や雛形が記録されている。各データベースに記録されるデータは、これらに限定されるものではない。例えば、コンピュータシステム出力の図面や帳票あるいは入出力データであっても、ファイルサーバ30に格納可能なファイル形式であり、かつそのファイルを個別に識別する様式番号、起票組織コード、入手元等の項目をファイルプロパティに設定可能なファイルを用いることもできる。
【0200】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22の文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224にそれぞれ手続名、文書様式名、組織名、案件名の名称を記録する。各ファイルに記録する情報はこれらに限定されるものはでない。例えば、その略名も同時に記録し、手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、組織名フォルダ、案件名フォルダのフォルダ名称に、その略名を使用するようにしてもよい。
【0201】
・上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、保管期限切れファイルの削除処理を実行する。保管期限切れファイルについての取り扱いは削除に限定されるものではなく、ネットワーク接続しているより安価な機器のファイルサーバや外部媒体への移し変えを行なうようにしてもよい。
【0202】
更に、この移し変え処理において、保管期限切れ文書ファイルだけではなく、この文書ファイルが格納された上部構造のフォルダ構成を複写して移し変えるようにしてもよい。これにより、この文書ファイルが格納されたフォルダを、後から確認することができる。
【0203】
・上記実施形態では、文書様式雛形から起案する文書ファイルや他者起案文書のコピー文書ファイルを対象にして、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)を実行する。この処理の対象は、これらの文書ファイルに限定されるものでなく、既存の他者起案文書ファイルを雛形にして起票した文書ファイルについても処理の対象としてもよい。この場合、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理において、起票組織コード、起票者、起票年月日等を入力し直すことにより、新規起案文書ファイルとして取扱うことができる。
【0204】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22の文書様式共通ファイル221に、文書様式毎に定められている属性項目を記録する。ここで、文書様式毎に定められている属性項目を、個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティ情報に記録するようにしてもよい。そして、文書ファイルについての各項目内容の入力処理(ステップS7−1)〜フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(ステップS7−3)において、文書様式共通ファイル221からでなく、処理対象の文書ファイルのファイルプロパティ情報から文書様式ごとに定められている属性項目を取得する。
【0205】
・上記実施形態では、ファイルサーバ30は、クライアント端末10において生成された文書ファイルを蓄積して一括管理する。ここで、個々の文書様式の文書重要度を考慮して各処理を実行するようにしてもよい。この場合、文書様式共通ファイル221において、様式番号に対して文書重要度を記録しておく。更に、フォルダ自動作成処理において、ファイルサーバ30に、各格納組織階層フォルダ構成の「00_〜共通」フォルダ直下において文書重要度を示すフォルダを設ける。そして、文書重要度別に分けた手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、案件名フォルダ、定期性フォルダ、「99_その他」の集約フォルダが設けられたフォルダ構成を作成する。そして、このようなフォルダ構成に基いて、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)〜フォルダ構成の見直し処理(図13)等を実行する。
【0206】
・上記実施形態では、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)において、起案内容に応じた1つの文書ファイル(起案文書ファイル)を用いて各処理を実行する場合を想定した。ここで、起案に用いる文書ファイルの数は1つに限定されるものではなく、複数の文書ファイルを各処理の対象としてもよい。例えば、報告文書ファイルのように、下位の組織階層において展開され、上位の組織階層で取りまとめる文書ファイルにおいては、下位組織階層が起案した文書ファイルの起票者名、起票組織コードと、上位の組織階層が取りまとめる文書ファイルの起票者名、起票組織コードとが異なることになる。この場合、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)においては、1つの起案内容を複数文書ファイルに分割して各処理を実行する。これにより、一つの手続きで複数の文書ファイルを一括して処理し、各文書ファイルを個別に管理することができる。
【符号の説明】
【0207】
10…クライアント端末、11…制御部、111…ファイル設定手段、112…ファイル格納手段、20…文書管理支援サーバ、21…制御部、211…データベース登録手段、212…フォルダ作成手段、213…フォルダ編集手段、214…フォルダ監視手段、215…ファイル監視手段、22…文書様式格納定義データベース、23…個別文書様式雛形データベース、30…ファイルサーバ、40…ディレクトリ管理サーバ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、企業内等において、申請書等のように共通様式を使用した電子ファイルが多く利用されている。そして、このような電子ファイルを集中管理するために、ファイルサーバを準備していることも多い。この場合、ファイルサーバを組織別に分割した各格納領域に、組織によらず共通的な手続に対応させたフォルダ構成を作成し、全社で統一的な格納場所、保管期限、文書ファイル名等により維持管理している。
【0003】
このようなファイルサーバにおいては、通常、ユーザ毎や部署毎にアクセス権を設定している。このため、企業等における組織階層に対応するフォルダ構成の作成とアクセス権設定を管理するための技術が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された文書管理装置では、指定されたフォルダの階層下に、指定された組織グループ以下の階層の各アクセス権グループに対応したフォルダを作成する。作成された各フォルダに対して、対応するアクセス権グループへのアクセス権を設定する。
【0004】
また、文書ファイルの作成の際には、手続や通達で定められた文書様式を用いる必要があることもある。統制文書を含む文書化プロセスをテンプレート化し、再利用するための文書処理装置も検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された文書処理装置においては、文書を複製し、この文書の作成者に依存する属性値を無効化する。また、作成者以外の利用者によるアクセスを可能とする文書構成部品の公開を未承認に設定するとともに、文書内にある他の文書へのリンクを削除する。そして、属性無効化、未承認化およびリンク削除された複製文書をテンプレートとして保存する。
【0005】
また、大量の文書ファイルを管理するデータベースにおいては、効率的な文書の分類のために、その文書名を統一的なルールに従って登録することが望ましい。そこで、複数フォルダに跨って適用されるルールとフォルダ毎に適用されるルールを設定するための文書管理装置も検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。この文献に記載された文書管理装置は、階層構造によって関連付けられた複数のフォルダを用いて文書データを管理する。この文書管理装置は、文書データの識別名の命名規則をフォルダ単位で設定し、文書データの登録先のフォルダに関して設定された命名規則を用いて文書データの識別名を決定し、フォルダに登録する。ここで、命名規則の設定に応じて、上位階層のフォルダの命名規則を設定対象のフォルダの命名規則として利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−129644号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2008−52346号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2006−72560号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
社員は部署間を異動することもあるため、部署によって文書の管理形態や文書の雛形が異なると、異動した社員が混乱する場合がある。従って、文書雛形やフォルダ構成は全社的に統一されていることが望ましい。一方、各部署の人数、業務内容等、部署の規模や性
格はそれぞれ異なり、画一的な文書管理をすると却って不便な場合もある。従って、各部署の状況に応じた文書管理が望ましく、このような文書管理のために構成されたフォルダを維持管理する必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、組織識別子が記憶された組織名ファイルと、文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムであって、前記制御手段が、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段と、前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段と、前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文書管理支援システムにおいて、複数の文書様式の文書ファイルを集約して格納する集約フォルダを更に設け、各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、前記文書ファイル数が第1閾値より小さい場合には、前記文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、前記文書様式名フォルダを削除する手段を更に設けたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の文書管理支援システムにおいて、前記文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを前記文書様式名フォルダに移し変える手段を更に設けたことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、前記案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納することを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、前記共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定することを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の文書管理支援システムにおいて、組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する手段と、前記アクセス権に基づいてフォルダ構成の変更を許容することを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、組織識別子が記憶された組織名ファイルと、文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、ユーザ端末及びファ
イルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援方法であって、前記制御手段が、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する段階と、前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する段階と、前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
(作用)
請求項1、7、8に記載の発明によれば、制御手段は、組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する。次に、共通ファイルに基づいて、組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する。文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定する。そして、組織名フォルダ内において、プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに文書ファイルを格納する。これにより、各組織において共通性がある手続フォルダを生成し、このフォルダにおいて文書ファイルを管理することができる。従って、起票した文書ファイルについて、格納すべきフォルダが自動的に検索されるので、利用者に利便性、確実性の高い機能を提供することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、第1閾値より小さい場合には、文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、文書様式名フォルダを削除する。これにより、利用頻度が少ない文書様式の文書ファイルについては、集約して管理することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを文書様式名フォルダに移し変える。これにより、集約されたフォルダにおいて利用頻度が高い文書様式については、独立したフォルダにより文書ファイルを管理することができる。
【0019】
請求項4に文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納する。これにより、特定の案件に関連した一連の手続に関する文書ファイルを一つのフォルダにまとめて管理することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定する。これにより、各組織において統一されたルールに基づいてファイル名を設定することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する。これにより、組織毎のアクセス権に基づいてフォルダ構成を管理することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、組織の各部署で共通して作成される文書の管理を支援するための文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本発明の実施形態の文書様式格納定義データベースに記録されたデータの説明図であって、(a)は文書様式共通ファイル、(b)は文書様式個別ファイル、(c)は組織名ファイル、(d)は案件名ファイルに記録されたデータの説明図。
【図3】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図12】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図13】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図14】本発明の実施形態のファイルサーバに格納されたフォルダ構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図14に従って説明する。本実施形態では、全社統一基準のファイルサーバ上のフォルダ作成や文書格納処理のために、文書様式格納定義データを用意し、各組織で共通して作成する起票文書(文書ファイル)を保管する場合に用いる文書管理支援システム、文書管理支援方法及び文書管理支援プログラムとして説明する。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、文書管理支援サーバ20(文書管理支援システム)が文書管理支援処理を実行する。この文書管理支援サーバ20には、ネットワークを介してクライアント端末10、ファイルサーバ30、ディレクトリ管理サーバ40が接続されている。
【0026】
クライアント端末10は、各組織のユーザが使用するコンピュータ端末(ユーザ端末)である。このクライアント端末10は、ユーザが文書管理支援サーバ20にアクセスしたり、起票文書を作成したりする場合に用いられる。クライアント端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このクライアント端末10は、CPU、RAM、ROMからなる制御部11の他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。
【0027】
制御部11は、後述する処理(ファイル設定段階、ファイル格納段階の各処理等)を実行する。このための文書管理支援プログラムを実行することにより、制御部11は、図1に示すように、ファイル設定手段111、ファイル格納手段112として機能する。
【0028】
ファイル設定手段111は、生成された文書ファイルのファイルプロパティやファイル名において各種設定処理を実行する。
ファイル格納手段112は、起票された文書ファイルを、ファイルサーバ30の所定のフォルダに格納する処理を実行する。
【0029】
文書管理支援サーバ20は、クライアント端末10から受信したデータに基づいて文書管理支援に関する各種データ処理を行なうコンピュータシステムである。この文書管理支援サーバ20は、制御部21、文書様式格納定義データベース22、個別文書様式雛形データベース23を備える。
【0030】
この制御部21は、文書管理支援処理を行なうための各種データの管理処理等を行なう制御手段として機能する。制御部21は、CPU、RAM、ROM等を有する。そして、後述する処理(データベース登録段階、フォルダ作成段階、フォルダ編集段階、ファイル監視段階の各処理等)を実行する。このための文書管理支援プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すように、データベース登録手段211、フォルダ作成手段212、フォルダ編集手段213、フォルダ監視手段214、ファイル監視手段215として機能する。
【0031】
データベース登録手段211は、クライアント端末10から各種情報を取得し、データベースに登録する処理を実行する。
フォルダ作成手段212は、ファイルサーバ30において、ファイルを格納するためのフォルダを生成する処理を実行する。
【0032】
フォルダ編集手段213は、クライアント端末10に対して、ファイルサーバ30において生成されたフォルダ構成を変更するための操作画面を提供する処理を実行する。そして、フォルダ編集手段213は、クライアント端末10の操作画面において指定されたフォルダ構成を編集する処理を実行する。
【0033】
フォルダ監視手段214は、文書様式の使用状況を監視し、フォルダ構成を見直す処理を実行する。このフォルダ監視手段214は、使用頻度の少ない文書様式を判定するための第1閾値及び使用頻度が多い文書様式を判定するための第2閾値を保持している。
ファイル監視手段215は、格納された文書ファイルの維持管理処理を実行する。
【0034】
文書様式格納定義データベース22には、各組織において共通して起票される文書を管理するための処理方法を定義した各種ファイルが記録されている。本実施形態では、文書様式格納定義データベース22には、図2に示すように、文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224が記録されている。
【0035】
図2(a)に示す文書様式共通ファイル221は、全社的に統一して使用される文書において、文書様式毎に定められている属性項目が設定された文書様式共通レコードから構成されている。この文書様式共通ファイル221は、文書ファイル格納処理の稼動前に準備しておく。そして、手続名フォルダと手続で制定した文書様式に対応した文書様式名フォルダを手続名フォルダ配下に作成する場合に参照する。この文書様式共通レコードは、様式番号、文書様式名、手続名、手続番号、手続所管組織名、保管期限、文書重要度、適用組織階層、採番有無、案件紐付有無、定期性、起票組織階層、手続開始日、手続終了日に関するデータを含んで構成される。
【0036】
様式番号データ領域には、この文書様式を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、様式番号は全社で一意になるように設定されており、この文書様式共通レコードのキーとなる。更に、年度途中の様式改定に備え、様式名及び様式番号には枝番(バージョン番号)を付与する。手続制定時の初期状態における様式番号の枝番号は、初期値「v00」とする。
【0037】
文書様式名データ領域には、各文書様式の名称に関するデータが記録される。
手続名データ領域には、この文書様式を使用する手続の名称に関するデータが記録される。
【0038】
手続番号データ領域には、この文書様式を使用する手続を特定するための識別子に関するデータが記録される。
手続所管組織名データ領域には、この文書様式に関する手続の所管組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
保管期限データ領域には、この文書様式を用いて作成された起票文書の保管期間を特定するための期限を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、保管期限として、「年数」または「月数」、「用済後廃棄」が指定される。
【0040】
文書重要度データ領域には、この文書様式を用いて作成される起票文書の重要度を特定するための識別子に関するデータが記録される。
適用組織階層データ領域には、この文書様式が適用される組織レベルを特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、適用組織階層として、「全社共通」、「事業部門向け」、「スタッフ部門向け」又は「特定事業部門向け」が指定される。
【0041】
採番有無データ領域には、この文書様式を用いて作成される起票文書において稟議番号等の採番の要否を特定するための識別子に関するデータが記録される。
案件紐付有無データ領域には、この文書様式の文書が案件との紐付であるかどうかを判定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、案件との紐付が「常にあり」、「常になし」、「場合によりあり」のいずれかを指定するためのフラグが記録される。
【0042】
定期性データ領域には、文書が起票される周期性を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、定期性として、「定期的(年度、年月)」又は台帳のように「累積型」のいずれかを指定するためのフラグが記録される。
【0043】
起票組織階層データ領域には、起票が行なわれる組織階層を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態において、「部」又は「事業部」で起票する文書様式については「部」又は「事業部」が指定される。「担当者」又は「チーム長」、「部長」、「事業部長」で起票する文書様式は「担当者」、「チーム」、「部」、「事業部」が指定される。自己点検結果報告や業務監査指摘事項の対応報告など、現場組織から他部門に報告義務がある文書様式について報告する側の組織階層をチーム、部、事業部等が指定される。
【0044】
ここで、起票組織を記録する理由は、決裁権限を有する組織を記録すると上位の組織階層に集中することになり、実際に起票および文書保管している組織ラインの業務運営と離れてしまうためである。
手続開始日データ領域、手続終了日データ領域には、それぞれ該当手続の適用開始日、適用終了日に関するデータが記録される。
【0045】
図2(b)に示す文書様式個別ファイル222は、スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部において用いられる文書様式を特定するための文書様式個別レコードから構成されている。この文書様式個別ファイル222には、全社で共通的に作られたフォルダ構成について、スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部において、組織階層間で移し変えや集約操作が行なわれた手続フォルダや文書様式フォルダに関わる情報を収録するために用い
られる。この文書様式個別レコードは、様式番号、組織コード、案件横串区分、格納組織階層、文書様式集約に関するデータを含んで構成される。
【0046】
様式番号データ領域には、この文書様式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
組織コードデータ領域には、スタッフ部門の各部や事業部を特定するための識別子(組織識別子)に関するデータが記録される。本実施形態においては、様式番号と組織コードとが各レコードのキーとなる。
【0047】
案件横串区分データ領域には、案件について横串の有無を特定するための識別子に関するデータが記録される。案件の中で相互に関連している複数の文書様式(例えば、見積書、契約書、納品書など)を横串により関連付けておくための区分であり、各文書ファイルを関連付けておく場合には、「あり」フラグが記録される。
【0048】
格納組織階層データ領域には、文書ファイルを格納するフォルダが設けられた組織階層(スタッフ部門の各部、事業部、事業部の各部、チーム等)を特定するための識別子(組織コード)に関するデータが記録される。
【0049】
文書様式集約データ領域には、文書様式の集約の有無を特定するための識別子に関するデータが記録される。複数の文書様式を共通的なフォルダに格納する場合、「あり」フラグが記録される。
【0050】
図2(c)に示す組織名ファイル223は、スタッフ部門の各部や事業部が設定された組織名レコードから構成されている。この組織名ファイル223は、文書ファイル格納処理の稼動前に事前に準備しておく。そして、組織名フォルダを作成する場合に参照するために用いられる。この組織名レコードは、組織コード、事業部名、部室名、チーム名、部門区分、開設日、閉設日に関するデータを含んで構成される。
【0051】
組織コードデータ領域には、ファイルサーバ30を利用するスタッフ部門と事業部門を構成する組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、組織コードが各レコードのキーとなる。
【0052】
事業部名データ領域、部室名データ領域、チーム名データ領域には、それぞれ所属組織を特定するための識別子に関するデータが記録される。
部門区分データ領域には、所属部門を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態においては、スタッフ部門に属する部署に対しては「スタッフ部門」フラグ、事業部門に属する部署に対しては「事業部門」フラグが記録される。
開設日データ領域、閉設日データ領域には、それぞれ組織の活動開始日、活動終了日に関するデータが記録される。
【0053】
図2(d)に示す案件名ファイル224は、各組織において設定された案件を管理するための案件名レコードから構成されている。この案件名ファイル224は、案件名フォルダを作成する場合に参照するために用いられる。この案件名ファイル224は、案件の実施に関連して起票する文書様式を案件毎に識別するため、担当の事業部が前もって案件を定義しておく。この案件名レコードは、組織コード、案件番号、案件名、契約開始年月、契約終了年月に関するデータを含んで構成される。
【0054】
組織コードデータ領域には、スタッフ部門の各部や事業部を特定するための識別子に関するデータが記録される。
案件番号データ領域には、各案件を特定するための識別子に関するデータが記録される
。本実施形態においては、組織コードと案件番号とが各レコードのキーとなる。
【0055】
案件名データ領域には、各案件の名称に関するデータが記録される。
契約開始年月データ領域、契約終了年月データ領域には、各案件の契約開始年月、契約終了年月に関するデータが記録される。
【0056】
個別文書様式雛形データベース23には、様式番号に対応付けられた個別文書様式雛形ファイル(文書様式雛形)が蓄積されている。各個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティには、様式番号を含むプロパティ情報が記録される。
【0057】
ファイルサーバ30は、クライアント端末10において生成された文書ファイルを蓄積して一括管理するためのコンピュータシステムである。このファイルサーバ30には、文書ファイルを蓄積するために階層化されたフォルダ構成が設定されている。このフォルダ構成は、図14に示すように、階層化された組織名フォルダ500、このフォルダの下層の共通フォルダ501、手続名フォルダ502や文書様式名フォルダ503、案件名フォルダ504から構成されている。
【0058】
ディレクトリ管理サーバ40は、ネットワーク上の資源とその属性とを記憶し、検索できるようにしたディレクトリサービスを提供するコンピュータシステムである。このディレクトリ管理サーバ40は、ユーザやネットワーク資源の管理を一括化する。このため、ネットワークを利用するユーザや組織に関する情報や、利用可能なサーバと提供しているサービス、プリンタなどの利用可能な機器等に関する情報(例えば、各ユーザにおけるアクセス権限の管理)を蓄積している。
【0059】
次に、本実施形態の文書管理支援処理について説明する。ここでは、全体の流れ(図3)、フォルダ自動作成処理(図4)、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)、フォルダの移し変え処理(図6)、文書様式名フォルダの集約処理(図7)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(図8)の順に説明する。更に、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理(図10)、ファイル名の自動命名処理(図11)、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(図12)を説明する。そして、最後に、フォルダ構成の見直し処理(図13)を説明する。
【0060】
(全体の流れ)
まず、図3を用いて全体の流れを説明する。
ここでは、準備作業として、文書様式格納定義データベース22に情報設定を行なう(ステップS1−1)。具体的には、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。この場合、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、様式番号〜手続終了日についての情報を取得する。そして、データベース登録手段211は、文書様式格納定義データベース22に、様式番号をキーとして、文書様式名〜手続終了日を含む文書様式共通レコードから構成された文書様式共通ファイル221を登録する。
【0061】
更に、事前作業として、個別文書様式雛形ファイルのプロパティ情報を設定する(ステップS1−2)。具体的には、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、起票において用いる個別文書様式雛形ファイルを取得し、個別文書様式雛形データベース23に登録する。各個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティには、文書様式共通ファイル221において文書様式に対応して記録されている様式番号を設定する。この個別文書様式雛形ファイルから起票した個別文書ファイルのファイルプロパティには、様式番号が識別情報として保存されているので、この様式番号を用いてファイル名命名の制御と、ファイルサーバ30において格納するフォルダの特定とを行なうことができる。
【0062】
そして、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212が、後述するように、各組織において起票された文書を管理するためのフォルダをファイルサーバ30に生成する。ここでは、組織名ファイル223に登録されているすべてのスタッフ部門や事業部門について、組織名フォルダ、手続名フォルダ、定期性フォルダ、案件名フォルダを自動的に作成する。
【0063】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213が、クライアント端末10に対して、各スタッフ部門の各部や事業部門の各事業部の高権限ユーザがフォルダ構成を変更するための操作画面を提供する。そして、この操作画面において入力された指示に基づいて、フォルダ構成を変更する。ここでは、一斉作業のフォルダ自動作成の後、手続名フォルダを、より下位の組織階層に移したり、発生頻度の少ない文書様式名フォルダを「99_その他」フォルダに集約したりする等して、部毎に使いやすいフォルダ構成に変更する。
【0064】
そして、各組織の担当ユーザは、個別文書様式雛形データベース23から個別文書様式雛形ファイルを取得し、文書ファイルを作成する。そして、作成された文書ファイルを格納する場合、クライアント端末10の制御部11は、起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、後述するように、クライアント端末10において生成された文書ファイルを、所定のフォルダに格納するための処理を実行する。
【0065】
また、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバの文書様式格納フォルダの定期更新処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、後述するように、各フォルダにおけるファイルの格納状態を監視し、必要に応じて、フォルダ構成を変更する。本実施形態では、ディレクトリ管理サーバ40における高権限のユーザアカウントにより、保管期限切れファイルの削除処理、年度別の定期性フォルダ作成処理、フォルダ構成の見直し処理を実行する。
【0066】
保管期限切れファイルの削除処理においては、年度切り替りのタイミングで、各フォルダに格納されている保管期限切れ文書ファイルを検索し、保管期限を経過している文書ファイルを一括削除する。ここでは、フォルダ監視手段214は、ファイルサーバ30に格納された各文書ファイルのファイルプロパティから、様式番号及び起票年月日を取得する。そして、フォルダ監視手段214は、様式番号及び起票年月日を用いて、文書様式共通ファイル221から保管期限、定期性を抽出する。そして、ファイル監視手段215は、起票年月日及び保管期限を用いて算出される保管終了年月が年度の切り替り年月より小さければ、保管期限切れと判定し、この文書ファイルを削除する。但し、定期性として「累積型」が指定された文書ファイル(例えば固定資産台帳)については、この保管期限切れ判断による文書ファイルの削除を行なわない。
【0067】
年度別の定期性フォルダ作成処理においては、年度切り替りのタイミングで、年度別の定期性フォルダを新たに作成する。
フォルダ構成の見直し処理については、図13を用いて後述する。
【0068】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織変更の対応処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、組織変更に対応してフォルダ構成の変更処理を実行する。本実施形態では、組織変更の対応処理、廃止部署処理を実行する。
【0069】
組織名ファイル223において、新設部署はその下位組織階層も含め組織コードや組織名が、その組織の活動開始日を指定した開設日とともに登録される。この場合、新設部署の担当ユーザは、新設部署の案件について、案件名ファイル224に登録する。既存部署からの継承案件の場合には、組織コードを新設部署に変えたコピーレコードを案件名ファイル224に追加する。
【0070】
活動開始日に、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、新設部署についてのフォルダを自動作成する。そして、新設部署の手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、案件名フォルダ、定期性フォルダ作成後に、クライアント端末10のディレクトリ管理機能で、ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つ新設部署の部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作により変更する。
【0071】
以上の処理と操作により、新設部署で起票する文書ファイルに対し、本システムが介在するファイルサーバへの格納管理を開始できる。
なお、新設部署が事業部レベルでなく、より下位の組織階層の場合、既存の同レベルの他の組織階層の組織名フォルダ直下の手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、定期性フォルダを複写して作成する。
【0072】
更に、新設部署の組織コードに一致する案件名を案件名ファイル224から参照し、案件名フォルダを作成する。
この場合、同レベル組織階層からフォルダ構成を複写しているので、高権限ユーザアカウントを用いた画面操作によるフォルダ構成の変更は不要である。
【0073】
廃止部署については、廃止部署の組織コードに一致する組織名レコードの閉設日に、その組織の活動終了日を設定する。
活動終了日以降、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、この廃止部署の組織名フォルダの名称後尾に「廃止」を付け加え、廃止部署を識別する。
【0074】
活動終了日以降の廃止部署内のフォルダにある既存文書の更新や新規文書ファイルの格納は、「起票組織コード」をキーに検索した組織名ファイル223に記録された閉設日と現在日付の比較により、ファイルサーバ30上の廃止部署フォルダの更新や新規格納を防止する。
【0075】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、年度途中の様式改定処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21のデータベース登録手段211は、年度途中で文書様式が改定された場合、文書様式格納定義データベース22の情報設定と個別文書様式雛形ファイルのプロパティ情報設定について、改定時期に以下のように実施する。
【0076】
データベース登録手段211は、クライアント端末10において設定された様式改定文書の様式番号と枝番を取得し、文書様式共通ファイル221において枝番を除く様式番号が一致する属性レコードをコピー元に、枝番付き様式番号のレコードを作成する。バージョン番号をコピー元からの様式名直後に追加設定することにより、途中改版を明示する。更に、データベース登録手段211は、クライアント端末10において手続改定時に作られた個別文書様式雛形ファイルを取得し、そのファイルプロパティに枝番付きの「様式番号」を設定する。
【0077】
そして、データベース登録手段211は、枝番以外は同じ様式番号を持つ文書様式個別ファイル222を参照し、枝番なしレコードをコピー元にして枝番つきのレコードを自動的に一括作成する。ここでは、枝番としてバージョン番号を用いる。
【0078】
ここでは、文書管理支援サーバ20において、新規手続で制定された文書様式について、文書様式格納定義データベース22の情報設定を行なう(ステップS1−1)。具体的には、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。この場合、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、新規手続で制定された文書様式についての様式番号〜手続終了日についての情報を取得する。そして、データベース登録手段211は、文書様式格納定義データベース22に、新規手続に関する文書様式を対象にその様式番号をキーとして、文書様式名〜手続終了日を含む文書様式共通レコードから構成された文書様式共通ファイル221を登録する。
【0079】
更に、新規手続に関して新たに作成した個別文書様式雛形ファイルを対象にプロパティ情報を設定する(ステップS1−2)。具体的には、データベース登録手段211は、クライアント端末10から、起票において用いる個別文書様式雛形ファイルを取得し、個別文書様式雛形データベース23に登録する。
【0080】
手続の適用開始日に、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、新規手続とその制定様式についてのフォルダを自動作成する。新規手続に関連する手続名フォルダ、文書様式名フォルダ作成後に、クライアント端末10のディレクトリ管理機能で、ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つ各事業部の部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作で変更する。
以上の処理と操作により、新規手続関連の起票文書ファイルに対し、本システムが介在するファイルサーバへの格納管理を開始できる。
【0081】
廃止手続又は廃止文書様式に対し、文書様式の管理ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。その手続番号や様式番号に一致する文書様式共通ファイル221の文書様式共通レコードの手続終了日に、その手続の適用終了日を設定する。
【0082】
適用終了日以降、高権限のユーザアカウントで稼動する文書管理支援サーバ20が、その廃止手続の手続名フォルダや文書様式名フォルダの名称後尾に「廃止」を付け加え、廃止した手続や文書様式を識別する。
【0083】
適用終了日以降の廃止手続名フォルダ下の文書様式名フォルダにある既存文書の更新や新規文書ファイルの格納は、様式番号をキーに検索した文書様式共通ファイル221の手続終了日と現在日付の比較により、ファイルサーバ30上の廃止手続名フォルダ下の文書様式名フォルダへの更新や新規格納を防止する。
【0084】
(フォルダ自動作成処理)
次に、図4を用いて、フォルダ自動作成処理を説明する。このフォルダ自動作成処理は、文書ファイル格納処理の稼動前に準備作業として実施される。ここでは、文書様式格納定義データベース22に格納された文書様式共通ファイル221、組織名ファイル223、案件名ファイル224を参照しながら、ファイルサーバ30に、スタッフ部門の部署、事業部毎に組織名フォルダを階層的に作成する。更に、その階層下にそれぞれの案件名や手続名のフォルダを作成する。
【0085】
まず、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30にアクセスする。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、組織名ファイル223に記録された組織コードで表わされた階層性と対応させて、組織名ファイル223の事業部、部室名、チーム名、課名を使ったフォルダ名を作成する。この場合、フォルダ
作成手段212は、組織コードの並び順になるようフォルダ名の先頭に各フォルダ階層レベルで、「nn_」を付加する。ここで、「nn」は組織コード順による「01」からの連続番号とする。なお、事業部/部/チームの組織名フォルダ直下に、フォルダ名の頭に「00_」が付いた事業部/部/チーム共通フォルダを常に作成し、手続名フォルダや案件名フォルダの一意な格納場所として用意する。
【0086】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ及び文書様式名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式共通ファイル221を参照し、スタッフ部門の「00_部共通」や事業部門の「00_事業部共通」フォルダ直下に、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0087】
文書様式共通ファイル221の適用組織階層データ領域に「全社共通」であればスタッフ部門や事業部門に関わりなく、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0088】
適用組織階層データ領域に「事業部門向け」フラグが記録されている場合には、組織名ファイル223において、フォルダ作成中の組織コードで検索し、部門区分データ領域に「事業部門」フラグが記録されている場合のみ、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0089】
一方、適用組織階層データ領域に「スタッフ部門向け」フラグが記録されている場合には、組織名ファイル223において、フォルダ作成中の組織コードで検索し、部門区分データ領域に「スタッフ部門」フラグが記録されている場合のみ、手続名フォルダとその手続に属する文書様式名フォルダを作成する。
【0090】
そして、フォルダ作成手段212は、手続番号の並び順になるように、手続名フォルダのフォルダ名の先頭に「nn_」を付加する。ここで、「nn」は手続番号順に「01」からの連続番号とする。
【0091】
フォルダ作成手段212は、様式番号の並び順になるように、文書様式名フォルダのフォルダ名の先頭に「nn_」を付加する。ここで、nnは様式番号順に01からの連続番号とする。
そして、フォルダ作成手段212は、連続で作成する文書様式名フォルダの最後に、「99_その他」フォルダを作成する。
【0092】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、定期性フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式共通ファイル221を参照する。そして、定期性データ領域において「年度」や「年月」が指定されている場合、フォルダ作成手段212は、文書様式名フォルダ下に西暦年度名フォルダや西暦年月名フォルダを作成する。西暦年度名は、作成時点の西暦会計年度を、例えば「2009年度」と表わす。西暦年月名は先の西暦会計年度期間で、例えば「2009年04月」、「2009年05月」〜「2010年03月」のように12ヵ月分のフォルダを用意する。
【0093】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件名フォルダの作成処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、案件名ファイル224の組織コードが等しい組織名フォルダ直下に「99_案件」フォルダを作成する。次に、フォルダ作成手段212は、案件名ファイル224の「案件名」フォルダを、先の「99_案件」フォルダ直下に順に作成する。
更に、フォルダ作成手段212は、案件番号の並び順になるようフォルダの案件名先頭に「nn_」を付加する。「nn」は案件番号順に「01」からの連続番号とする。
【0094】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別ファイルの初期設定レコード登録処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、文書様式個別ファイル222に、事業部毎の文書様式識別子単位で初期設定レコードを登録する。この初期設定レコードにおいては、様式番号データ領域には、文書様式名フォルダを作成した文書様式に対応する様式番号を登録する。また、組織コードデータ領域には、該当文書様式名フォルダを作成した組織名フォルダに対応する組織コードを登録する。案件横串区分データ領域には「なし」フラグを登録する。格納組織階層データ領域には、該当文書様式名フォルダを作成した組織名フォルダに対応する組織コードを登録する。また、文書様式集約データ領域には「なし」フラグを登録する。
【0095】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、高権限ユーザについてのアクセス権の付与処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、自動作成したフォルダに対して、ディレクトリ管理サーバ40において各組織における高権限のユーザアカウントを持つ部内ユーザに対してフルコントロールのアクセス権を設定する。
【0096】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、一般ユーザについてアクセス権の付与処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21のフォルダ作成手段212は、ディレクトリ管理サーバ40において通常権限のユーザアカウントを持つ一般ユーザについては、自動作成したフォルダの変更・削除を禁止し、ファイルの参照と書込が可能なアクセス権を設定する。これにより、ネットワーク上でアクセス可能な共有フォルダとなる。
【0097】
(フォルダ構成の変更画面操作)
次に、図5を用いて、フォルダ構成の変更画面操作処理を説明する。ディレクトリ管理サーバ40において高権限のユーザアカウントを持つスタッフ部門の部内ユーザ又は事業部門の事業部内ユーザが、自動作成されたフォルダ構成を画面操作で変更する。フォルダ構成を変更する場合、高権限ユーザは、クライアント端末10を用いて、文書管理支援サーバ20にアクセスする。
【0098】
この場合、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10からユーザアカウントを取得し、ディレクトリ管理サーバ40にアクセスして、このユーザアカウントの権限情報及び所属組織情報を取得する。
【0099】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、フォルダ構成の画面表示処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、ファイルサーバ30において登録された事業部の各組織名や事業部名フォルダ直下の手続名フォルダ等をツリー構造により表わしたフォルダ構成画面を生成し、クライアント端末10のディスプレイに表示する。
【0100】
この操作画面を用いることにより、クライアント端末10からの指示に基づいて、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ、文書様式名フォルダの移し変え処理(ステップS3−3)、文書様式名フォルダの集約処理(ステップS3−4)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(ステップS3−5)を実行する。各処理の内容については、図6〜図8を用いて後述する。
【0101】
(フォルダ移し変え)
次に、図6を用いて、手続名フォルダ、文書様式名フォルダについてのフォルダ移し変え処理を説明する。
【0102】
まず、手続名フォルダの移し変え処理を説明する。
ここでは、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの指定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、移し変えを希望する手続名フォルダを指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0103】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、ドラッグ&ドロップ操作により、より下位の組織階層である部やチームの「00_部共通」又は「00_チーム共通」フォルダに移し変える。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ名を取得する。
【0104】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、その手続に属する文書様式名フォルダの一括移し変え処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、この手続に属するすべての文書様式名フォルダを移し変え先フォルダに移し変える。
【0105】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、指定されたフォルダの様式番号に関連付けられた格納組織階層を、移し変え先の組織コードに変更したレコードを複写して登録する。
【0106】
次に、文書様式名フォルダの移し変え処理を説明する。
この場合も、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、移し変えを希望する文書様式名フォルダを指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0107】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、ドラッグ&ドロップ操作により、より下位の組織階層である部やチームの「00_部共通」又は「00_チーム共通」フォルダに移し変える。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ名を取得する。
【0108】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、移し変え先に、その文書様式名フォルダが属すべき手続名フォルダがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ内において、移動対象として指定された手続名フォルダの手続名が付与されたフォルダを検索する。
【0109】
移し変え先に手続名フォルダがない場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの作成処理を実行する(ステ
ップS4−8)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先のフォルダ内に新たに手続名フォルダを作成する。一方、移し変え先に手続名フォルダがある場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ステップS4−8の処理をスキップする。
【0110】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダに属する文書様式名フォルダが存在するかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え元の手続名フォルダにおいて、配下の文書様式名フォルダの有無を検索する。
【0111】
移し変え元の手続名フォルダにおいて文書様式名フォルダが一つも存在していない場合(ステップS4−9において「NO」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダの削除処理を実行する(ステップS4−10)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式名フォルダが登録されていない手続名フォルダを削除する。一方、手続名フォルダにおいて文書様式名フォルダが存在している場合(ステップS4−9において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、このステップS4−10の処理をスキップする。これにより、この組織階層で利用されない手続名フォルダを存在させないようにする。
【0112】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS4−11)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え先の手続名フォルダに文書様式名フォルダを格納する。そして、フォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、指定されたフォルダの様式番号に関連付けられた格納組織階層を、移し変え先の組織コードに変更したレコードを複写して登録する。そして、起票した文書様式をこの格納組織階層に格納する際の制御に利用する。
【0113】
(文書様式名フォルダの集約)
次に、図7を用いて、文書様式名フォルダの集約処理を説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、起票頻度の少ない文書様式名フォルダを個別に指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0114】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、手続名フォルダ直下にある集約フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、ドラッグ&ドロップ操作により、指定された文書様式名フォルダを手続名フォルダ下の集約フォルダに移し変える。本実施形態においては、集約フォルダとして、「99_その他」を用いる。
【0115】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、移し変え元の手続名フォルダから、移し変えた文書様式名フォルダを削除する。
【0116】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、集約を行なった文書様式の文書様式集約データ領域に「集約」フラグを記録する。そして、起票した文書様式を「99_その他」フォルダに格納する際の制御に利用する。
【0117】
(案件横串の文書様式名フォルダ指定)
次に、図8を用いて、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理を説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件紐付けありの文書様式名フォルダ一覧画面の表示処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ構成画面において、案件横串表示ボタンを選択する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10から案件横串表示指示を取得する。そして、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式共通ファイル221の案件紐付区分データ領域に「常にあり」フラグが記録された文書様式共通レコードを抽出する。次に、フォルダ編集手段213は、抽出した文書様式共通レコードの文書様式名フォルダを、その属する手続毎に一覧表示させた横串文書様式名フォルダ一覧画面(ポップアップ画面)を、クライアント端末10のディスプレイに出力する。
【0118】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの指定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、クライアント端末10に表示された横串文書様式名フォルダ一覧画面において、横串を希望する文書様式名フォルダを順次指定する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10において指定されたフォルダ名を取得する。
【0119】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件横串設定ボタンの選択処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、クライアント端末10に表示されたフォルダ一覧画面において、案件横串設定ボタンを選択する。この場合、制御部21のフォルダ編集手段213は、クライアント端末10から案件横串設定指示を取得する。
【0120】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、案件横串設定が指示された文書様式名フォルダをファイルサーバ30から削除する。
【0121】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21のフォルダ編集手段213は、文書様式個別ファイル222において、案件横串を行なった文書様式の案件横串区分データ領域に「あり」フラグを記録する。そして、起票した文書様式を対象の案件名フォルダに格納する際の制御に利用する。
【0122】
(起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納)
次に、図9を用いて、起票・更新した文書ファイルのフォルダ格納処理を説明する。ここでは、起票した文書ファイルを初めてファイルサーバ30に格納する場合と、更新した文書ファイルをファイルサーバ30に格納する場合とにおいて格納制御を行なう。この場合、クライアント端末10に実装されたファイル設定手段111、ファイル格納手段112を用いる。
【0123】
ここでは、クライアント端末10の制御部11は、後述するように、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、起票者は、個別文書様式雛形データベース23から個別文書様式雛形ファイルや、既存の文書ファイルを取得し、これらを用いてクライアント端末10において新たな文書ファイルを作成する。この文書ファイルをファイルサーバ30に格納する場合、クライアント端末10の制御部11のファイル設定手段111は、ディスプレイに文書ファイルプロパティ入力画面を表示する。この文書ファイルプロパティ入力画面には、文書ファイルを個別に識別する「起票組織コード」、「起票者名」、「案件番号」、「採番」、「定期性(年度、年月)」、「入手元」の各項目を入力するための入力欄が設けられている。ファイル格納手段112は、この文書ファイルプロパティ入力画面において入力された各項目内容を、文書フ
ァイルのファイルプロパティ(起票組織コード〜入手元)に追加設定する。この項目内容はファイル名命名に使用する。
【0124】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112が、後述するように、ファイル名の自動命名処理を実行する。
【0125】
次に、クライアント端末10の制御部11は、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112が、後述するように、ファイルサーバ30内のフォルダの選択と文書ファイルの格納処理を実行する。
【0126】
(文書ファイルについての各項目内容の入力)
次に、図10を用いて、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を説明する。
まず、クライアント端末10の制御部11は、起票内容の設定処理を実行する(ステップS8−1)。具体的には、クライアント端末10を操作する起票者は、文書ファイルプロパティ入力画面の「起票組織コード」、「起票者名」欄に入力する。そして、制御部11のファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面の「起票年月日」欄において、現在日付を自動設定する。なお、「起票年月日」欄を現在日付以外とする場合、クライアント端末10を操作する起票者は、過去日付あるいは先日付を「起票年月日」欄に入力する。また、他組織からの入手資料の場合、文書ファイルプロパティ入力画面の「入手元」欄に他組織名称を入力する。
【0127】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付有無情報の取得処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書管理支援サーバ20の文書様式格納定義データベース22にアクセスする。そして、ファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221から、文書ファイルのファイルプロパティに記録された様式番号に対応する文書様式共通レコードを取得する。
【0128】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付の可能性があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−3)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通レコードの案件紐付有無データ領域に「常にあり」フラグ又は「場合によりあり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0129】
案件紐付有無データ領域に「常にあり」フラグ又は「場合によりあり」フラグが記録されている場合(ステップS8−3において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名一覧画面の表示処理を実行する(ステップS8−4)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、案件名ファイル224から、文書ファイルプロパティ入力画面に入力された起票組織コードが組織コードデータ領域に設定された案件名レコードを取得する。そして、ファイル設定手段111は、この案件名レコードに記録された案件番号と案件名とを列挙した案件名一覧画面を表示する。
【0130】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件番号の設定処理を実行する(ステップS8−5)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この案件名一覧画面において選択された案件番号を、文書ファイルプロパティ入力画面の「案件番号」欄に設定する。
【0131】
更に、文書様式共通ファイル221の採番有無データ領域に「有り」フラグが記録されている場合には、ファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面の「採番」欄において、禀議番号や見積書番号や請求番号等の入力を促す。
【0132】
なお、案件紐付有無データ領域に「常になし」フラグが記録されており、案件紐付の可能性がない場合(ステップS8−3において「NO」の場合)には、案件名一覧画面の表示処理(ステップS8−4)、案件番号の設定処理(ステップS8−5)をスキップする。
【0133】
次に、クライアント端末10の制御部11は、定期性の設定処理を実行する(ステップS8−6)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221の定期性データ領域を確認する。定期性データ領域に「年度」、「年月」が記録されている場合には、ファイル設定手段111は、定期性データ領域の記録内容とともに、現在日付から換算した年度西暦年や年月を文書ファイルプロパティ入力画面の「定期性」欄に初期表示し、操作者による年度の西暦年や年月の変更入力を可能とする。
【0134】
次に、クライアント端末10の制御部11は、起票組織コードが存在しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−7)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、組織名ファイル223において、文書ファイルプロパティ入力画面において入力された起票組織コードが記録されているレコードを検索する。
【0135】
起票組織コードが記録されている組織名レコードを取得できない場合(ステップS8−7において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、再入力処理を実行する(ステップS8−8)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、「起票組織コード」欄への再入力を促す。
【0136】
一方、起票組織コードが記録されている組織名レコードを取得できた場合(ステップS8−7において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、起票組織コードの閉設日が未到来かどうかについての判定処理を実行する(ステップS8−9)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この組織名レコードに記録されている閉設日を取得する。そして、ファイル設定手段111は、現在日付と閉設日を比較する。
【0137】
起票組織コードの閉設日が到来している場合(ステップS8−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、再入力処理を実行する(ステップS8−8)。
【0138】
一方、起票組織コードが記録された組織名レコードの閉設日が未到来の場合(ステップS8−9において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティ設定処理を実行する(ステップS8−10)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書ファイルプロパティ入力画面において入力された各項目内容を、文書ファイルのファイルプロパティに設定する。
【0139】
(ファイル名の自動命名)
次に、図11を用いて、ファイル名の自動命名処理を説明する。ここでは、文書様式共通ファイル221を参照し、「採番有無」、「案件紐付有無」、「定期性」などの属性項目の内容によりファイル名を自動命名する。
【0140】
まず、クライアント端末10の制御部11は、他組織から入手した文書ファイルかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−1)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティの入手元を確認する。
【0141】
ファイルプロパティに入手元として他組織が設定されている場合(ステップS9−1に
おいて「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、コピー情報の追加処理を実行する(ステップS9−2)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、元のファイル名先頭に「コピー」を加え、オリジナル文書と識別する。そして、後述するステップS9−3〜S9−10の処理をスキップする。
【0142】
一方、ファイルプロパティに入手元として他組織が設定されていない場合(ステップS9−1において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、様式名の設定処理を実行する(ステップS9−3)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、文書様式共通ファイル221において、この文書ファイルのファイルプロパティに記録されている様式番号の文書様式共通レコードから様式名を取得し、ファイル名の先頭に置く。
【0143】
次に、クライアント端末10の制御部11は、採番対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−4)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの採番有無データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0144】
採番有無データ領域に「あり」フラグが記録されており、採番対象の場合(ステップS9−4において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの採番の追加処理を実行する(ステップS9−5)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された採番をファイル名に追加する。一方、採番有無データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、採番対象でない場合(ステップS9−4において「NO」の場合)、採番の追加処理(ステップS9−5)をスキップする。
【0145】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件紐付があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−6)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの案件紐付有無データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0146】
案件紐付有無データ領域に「あり」フラグが記録されており、案件紐付がある場合(ステップS9−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの案件番号の追加処理を実行する(ステップS9−7)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された案件番号をファイル名に追加する。一方、案件紐付有無データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、案件紐付がない場合(ステップS9−6において「NO」の場合)、案件番号の追加処理(ステップS9−7)をスキップする。
【0147】
次に、クライアント端末10の制御部11は、定期性があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS9−8)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この文書様式共通レコードの定期性データ領域に記録されたフラグを確認する。
【0148】
定期性データ領域に「あり」フラグが記録されており、定期性がある場合(ステップS9−8において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの定期性情報の追加処理を実行する(ステップS9−9)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された定期性の項目値(西暦年又は年月)をファイル名に追加する。一方、定期性データ領域に「あり」フラグが記録されておらず、定期性がない場合(ステップS9−8において「NO」の場合)、定期性情報の追加処理(ステップS9−9)をスキップする。
【0149】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティの起票者名の追加処
理を実行する(ステップS9−10)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、ファイルプロパティに記録された起票者名をファイル名に追加する。
【0150】
次に、クライアント端末10の制御部11は、ファイルプロパティへのファイル名の設定処理を実行する(ステップS9−11)。具体的には、制御部11のファイル設定手段111は、この自動命名したファイル名をファイルプロパティに設定する。これにより、生成されたファイル名が設定され、更新時も同じファイル名を維持する。
【0151】
(フォルダの選択と文書ファイルの格納)
次に、図12を用いて、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理を説明する。ここでは、起票した文書ファイルを格納すべきフォルダを、ファイルサーバ30において選択し、このフォルダに格納する。
【0152】
クライアント端末10の制御部11は、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書かどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−1)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、格納対象の文書ファイルのファイルプロパティに記録された様式番号、起票者名、起票組織コード、起票年月日、案件番号、採番、定期性、入手元、ファイル名等を読み込む。そして、同じファイルプロパティが設定された文書ファイルをファイルサーバ30において検索する。同じファイルプロパティが設定された文書ファイルを特定できた場合には、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書と判定する。
【0153】
ファイルサーバ30以外で更新された既存文書の場合(ステップS10−1において「YES」の場合)には、クライアント端末10の制御部11は、同じフォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−2)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、同じファイルプロパティが設定された文書ファイルが格納されたフォルダを選択し、このフォルダに文書ファイルを格納する。
【0154】
一方、既存文書とは異なる新たな文書ファイルの場合(ステップS10−1において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、文書様式共通ファイル221から手続名、文書様式名の取得処理を実行する(ステップS10−3)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通ファイル221から、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式共通レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、この文書様式共通レコードに記録された手続名、文書様式名、定期性の各項目内容を取得する。
【0155】
次に、クライアント端末10の制御部11は、文書様式個別ファイル222から格納組織階層、文書様式集約、案件横串区分の取得処理を実行する(ステップS10−4)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式個別ファイル222から、ファイルプロパティの起票組織コード及び様式番号が記録された文書様式個別レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、この文書様式個別レコードに記録された格納組織階層、文書様式集約、案件横串区分の各項目内容を取得する。
【0156】
次に、クライアント端末10の制御部11は、格納組織階層の組織コードを参照して組織名フォルダの検索処理を実行する(ステップS10−5)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、取得した格納組織階層の組織コードが記録された組織名フォルダを検索する。
【0157】
次に、クライアント端末10の制御部11は、案件横串区分があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−6)。具体的には、制御部11のファイル格納手
段112は、文書様式個別レコードの案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0158】
案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−7)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、案件名ファイル224において、ファイルプロパティの案件番号及び組織コードが記録された案件名レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、この案件名レコードに記録された案件名の案件名フォルダを選択し、このフォルダに文書ファイルを格納する。
【0159】
一方、案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−6において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、様式番号を参照して、手続名フォルダの検索処理を実行する(ステップS10−8)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通ファイル221において、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式共通レコードを取得する。そして、ファイル格納手段112は、ステップS10−5で特定した組織名フォルダにおいて、この文書様式共通レコードに記録された手続名の手続名フォルダを検索する。
【0160】
次に、クライアント端末10の制御部11は、文書様式集約があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−9)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式個別ファイル222において、ファイルプロパティの様式番号が記録された文書様式個別レコードの文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されているかどうかを確認する。
【0161】
文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−9において「YES」の場合)は、クライアント端末10の制御部11は、集約フォルダへの文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS10−10)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、手続名フォルダ直下の「99_その他」フォルダに文書ファイルを格納する。
【0162】
一方、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性の指定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−11)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、文書様式共通レコードの定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されているかどうかを確認する。
【0163】
定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」フラグが記録されている場合(ステップS10−11において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−12)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルプロパティの起票年月日を西暦の年度あるいは年月に換算する。そして、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダ配下でさらに換算した西暦年度あるいは年月を示す定期性フォルダを検索し、一致する定期性フォルダに文書ファイルを格納する。
【0164】
一方、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されていない場合(ステップS10−11において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダへの文書ファイル格納処理を実行する(ステップS10−13)。
【0165】
そして、文書ファイルをいずれかのフォルダに格納した場合(ステップS10−2,S10−7,S10−10,S10−12,S10−13)、クライアント端末10の制御部11は、格納フォルダの表示処理を実行する(ステップS10−14)。具体的には、制御部11のファイル格納手段112は、ファイルサーバ30において、格納組織階層以下のフォルダ構成をツリー構造で表示した格納フォルダ表示画面を生成し表示する。そして、ファイル格納手段112は、この格納フォルダ表示画面において、文書ファイルを格納した文書様式名フォルダ又は案件名フォルダ、定期性の年度フォルダ等を反転表示させる。
【0166】
(フォルダ構成の見直し)
次に、図13を用いて、フォルダ構成の見直し処理を説明する。ファイルサーバ30において高権限のユーザアカウントにより、ファイルサーバ30のフォルダの定期更新を行なう。ここでは、年度の切り替えのタイミングで、過年度の使用頻度の少ない文書様式名フォルダを見直して集約する。また、過年度の使用頻度が多い文書様式を検索してフォルダ構成の見直しを行なう。
【0167】
まず、使用頻度の少ない(起票数が少ない)文書様式の取り扱いについて説明する。
文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数の算出処理を実行する(ステップS11−1)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、ファイルサーバ30の文書様式名フォルダ毎に、各フォルダに格納された文書ファイル数を算出する。
【0168】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイル数が第1閾値より少ないかどうかについての判定処理を実行する(ステップS11−2)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、算出した文書ファイル数と第1閾値とを比較する。
【0169】
文書ファイル数が第1閾値より少ない場合(ステップS11−2において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダへの移し変え処理を実行する(ステップS11−3)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、第1閾値より文書ファイル数が少ない文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを同階層の「99_その他」フォルダに移し変える。
【0170】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、元の文書様式名フォルダの削除処理を実行する(ステップS11−4)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、移し変え元の文書様式名フォルダを削除する。
【0171】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS11−5)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、文書様式個別ファイル222において、集約した文書様式名フォルダについて文書様式個別レコードを特定し、文書様式集約データ領域に「あり」フラグを記録する。これにより、フォルダ構成を復旧できるようにしておく。
【0172】
なお、文書ファイル数が第1閾値以上の場合(ステップS11−2において「NO」の場合)、集約フォルダへの移し変え処理(ステップS11−3)〜文書様式個別レコードの更新処理(ステップS11−5)をスキップする。
【0173】
次に、使用頻度が多い(起票数の多い)文書様式の取り扱いについて説明する。
ここでは、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダにおいて文書様式毎に文書ファイル数の算出処理を実行する(ステップS11−6)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、各「99_その他」フォルダ内で、ファイルプロパティ
の様式番号毎に文書ファイル数を算出する。
【0174】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイル数が第2閾値より多いかどうかについての判定処理を実行する(ステップS11−7)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、算出した文書ファイル数と、第2閾値とを比較する。
【0175】
文書ファイル数が第2閾値より多い場合(ステップS11−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの作成処理を実行する(ステップS11−8)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、文書様式個別ファイル222において、この文書ファイルの様式番号及び組織コードが記録された文書様式個別レコードを特定し、その格納組織階層データ領域に一致する組織名フォルダに文書様式名フォルダを作成する。
【0176】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書ファイルの移し変え処理を実行する(ステップS11−9)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、新たに生成した文書様式名フォルダに、ファイルプロパティに同じ様式番号が記録された文書ファイルを移し変える。
【0177】
次に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式個別レコードの更新処理を実行する(ステップS11−10)。具体的には、制御部21のフォルダ監視手段214は、作成した文書様式名フォルダについての文書様式個別レコードの文書様式集約データ領域に記録された「あり」フラグを削除する。
【0178】
なお、文書ファイル数が第2閾値以下の場合(ステップS11−7において「NO」の場合)、文書様式名フォルダの作成処理(ステップS11−8)〜文書様式個別レコードの更新処理(ステップS11−10)をスキップする。
【0179】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、ファイルサーバ30においてフォルダ自動作成処理を実行する(ステップS1−3)これにより、ファイルサーバ30において、各組織において統一性があるフォルダ構成を実現することができる。例えば、他の組織に異動したユーザであっても、移動先の組織において、元の組織にいたときと同様にファイルサーバ30を利用することができる。
【0180】
(2)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、画面操作によるフォルダ構成の変更処理を実行する(ステップS1−4)。ここでは、手続名フォルダ、文書様式名フォルダの移し変え処理を実行する(ステップS3−3)。組織の規模や性格によって、各文書様式の利用頻度が異なる。この利用頻度を考慮して、組織毎にフォルダ構成をカスタマイズすることにより、利用しやすいファイルサーバ30を実現することができる。
【0181】
(3)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの集約処理を実行する(ステップS3−4)。これにより、利用頻度が少ないと予想される文書様式については、まとめて管理することができる。従って、フォルダ数を少なくすることにより、ユーザビリティを向上させることができる。
【0182】
更に、文書管理支援サーバ20の制御部21は、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理を実行する(ステップS3−5)。これにより、一つの案件について一連の手続についてはまとめて管理することができる。
【0183】
(4)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、文書ファイルについての各項目内容の入力処理を実行する(ステップS7−1)。これにより、文書ファイルのファイルプロパティに、予め定められた項目を設定することができる。そして、このファイルプロパティに記録された情報を用いて、格納先のフォルダを特定したり、ファイルの維持管理を行なったりすることができる。
【0184】
(5)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、ファイル名の自動命名処理を実行する(ステップS7−2)。これにより、全組織を通じて、共通したルールでファイル名を設定することができる。従って、起案者以外のユーザにおいても、ファイル名を利用して効率的な検索を行なうことができる。
【0185】
(6)上記実施形態では、ファイルサーバ30以外で更新された既存文書の場合(ステップS10−1において「YES」の場合)には、クライアント端末10の制御部11は、同じフォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−2)。これにより、ファイルサーバ30とは切り離されたクライアント端末において文書ファイルを更新した場合においても、文書ファイルが二重登録されることなく、文書ファイルを差し替えることができる。
【0186】
(7)上記実施形態では、案件横串区分データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−6において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、案件名フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−7)。これにより、特定の案件に関連した一連の手続に関する文書ファイルを一つのフォルダにまとめて管理することができる。
【0187】
(8)上記実施形態では、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されている場合(ステップS10−9において「YES」の場合)は、クライアント端末10の制御部11は、集約フォルダへの文書ファイルの格納処理を実行する(ステップS10−10)。これにより、文書様式が集約されて管理されている場合にも、文書ファイルを的確なフォルダに格納することができる。
【0188】
(9)上記実施形態では、文書様式集約データ領域に「あり」フラグが記録されていない場合(ステップS10−9において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性の指定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−11)。そして、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」フラグが記録されている場合(ステップS10−11において「YES」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、定期性フォルダへの格納処理を実行する(ステップS10−12)。これにより、定期的に作成される文書ファイルを的確なフォルダに格納することができる。
【0189】
一方、定期性データ領域に「年度」あるいは「年月」のフラグが記録されていない場合(ステップS10−11において「NO」の場合)、クライアント端末10の制御部11は、手続名フォルダ内において、文書様式名が一致する文書様式名フォルダへの文書ファイル格納処理を実行する(ステップS10−13)。これにより、各文書ファイルを、この文書様式に応じた的確なフォルダに格納することができる。従って、ユーザの手間を軽減しながら、間違ったフォルダへの格納を防止することができる。
【0190】
(10)上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、格納フォルダの表示処理を実行する(ステップS10−14)。これにより、操作者は文書ファイルをどのフォルダに格納したのかを容易に把握することができる。
【0191】
(11)上記実施形態では、文書ファイル数が第1閾値より少ない場合(ステップS1
1−2において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、集約フォルダへの移し変え処理(ステップS11−3)、元の文書様式名フォルダの削除処理(ステップS11−4)を実行する。これにより、ファイルサーバ30の稼動状況に応じて、フォルダを集約し、ファイルの検索時の効率性を向上させることができる。
【0192】
(12)上記実施形態では、文書ファイル数が第2閾値より多い場合(ステップS11−7において「YES」の場合)、文書管理支援サーバ20の制御部21は、文書様式名フォルダの作成処理(ステップS11−8)。文書ファイルの移し変え処理(ステップS11−9)を実行する。これにより、利用頻度が高い文書様式については、独立したフォルダにより管理することができる。
【0193】
(13)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、組織変更の対応処理を実行する(ステップS1−7)。これにより、組織変更に応じて、的確なフォルダ構成を維持管理することができる。
【0194】
(14)上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、年度途中の様式改定処理を実行する(ステップS1−8)。これにより、文書様式が改定された場合にも、効率的な文書ファイルの管理を行なうことができる。
【0195】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、クライアント端末10の制御部11は、ファイル設定手段111、ファイル格納手段112として機能する。ファイル設定やファイル格納の各処理を実行するハードウェアはクライアント端末10に限定されるものではない。例えば、格納する文書ファイルを文書管理支援サーバ20に転送して、制御部21がファイル設定処理やファイル格納処理を実行するようにしてもよい。この場合には、制御部21にファイル設定手段111、ファイル格納手段112を設ける。
【0196】
・ 上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22には、図2に示すように、文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224が記録されている。データベースに記録されるデータ構成は、これに限定されるものではなく、各処理を実行するためのデータが、文書管理支援システム内に記憶されていればよい。
【0197】
・ 上記実施形態では、フォルダ自動作成処理(図4)、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)、フォルダの移し変え処理(図6)、文書様式名フォルダの集約処理(図7)、案件横串の文書様式名フォルダ指定処理(図8)を実行する。更に、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理(図10)、ファイル名の自動命名処理(図11)、フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(図12)を実行する。更に、フォルダ構成の見直し処理(図13)を実行する。本発明において実行される処理の内容は、これらに限定されるものではなく、一部や他の処理との組み合わせてあってもよい。
【0198】
・上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、下位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作処理を実行する(ステップS4−2)。ここで、上位の組織階層の共通フォルダへのドラッグ&ドロップ操作ができるようにしてもよい。この場合には、上位の組織階層に移動させたフォルダについて、他の下位の組織階層に同じフォルダが残っているかどうかを検索する。そして、下位の組織階層に同じフォルダを見つけた場合には、制御部21はアラームを出力する。上位階層にフォルダを作成した場合には、下位階層のフォルダは不要になるが、このようなフォルダの削除忘れを防止することができる。
【0199】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22および個別文書様式雛形データベース23には、操作者がユーザ端末を操作し起案する手続や規定対応の文書ファイルの属性情報や雛形が記録されている。各データベースに記録されるデータは、これらに限定されるものではない。例えば、コンピュータシステム出力の図面や帳票あるいは入出力データであっても、ファイルサーバ30に格納可能なファイル形式であり、かつそのファイルを個別に識別する様式番号、起票組織コード、入手元等の項目をファイルプロパティに設定可能なファイルを用いることもできる。
【0200】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22の文書様式共通ファイル221、文書様式個別ファイル222、組織名ファイル223、案件名ファイル224にそれぞれ手続名、文書様式名、組織名、案件名の名称を記録する。各ファイルに記録する情報はこれらに限定されるものはでない。例えば、その略名も同時に記録し、手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、組織名フォルダ、案件名フォルダのフォルダ名称に、その略名を使用するようにしてもよい。
【0201】
・上記実施形態では、文書管理支援サーバ20の制御部21は、保管期限切れファイルの削除処理を実行する。保管期限切れファイルについての取り扱いは削除に限定されるものではなく、ネットワーク接続しているより安価な機器のファイルサーバや外部媒体への移し変えを行なうようにしてもよい。
【0202】
更に、この移し変え処理において、保管期限切れ文書ファイルだけではなく、この文書ファイルが格納された上部構造のフォルダ構成を複写して移し変えるようにしてもよい。これにより、この文書ファイルが格納されたフォルダを、後から確認することができる。
【0203】
・上記実施形態では、文書様式雛形から起案する文書ファイルや他者起案文書のコピー文書ファイルを対象にして、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)を実行する。この処理の対象は、これらの文書ファイルに限定されるものでなく、既存の他者起案文書ファイルを雛形にして起票した文書ファイルについても処理の対象としてもよい。この場合、文書ファイルにおける各項目内容の入力処理において、起票組織コード、起票者、起票年月日等を入力し直すことにより、新規起案文書ファイルとして取扱うことができる。
【0204】
・上記実施形態では、文書様式格納定義データベース22の文書様式共通ファイル221に、文書様式毎に定められている属性項目を記録する。ここで、文書様式毎に定められている属性項目を、個別文書様式雛形ファイルのファイルプロパティ情報に記録するようにしてもよい。そして、文書ファイルについての各項目内容の入力処理(ステップS7−1)〜フォルダの選択と文書ファイルの格納処理(ステップS7−3)において、文書様式共通ファイル221からでなく、処理対象の文書ファイルのファイルプロパティ情報から文書様式ごとに定められている属性項目を取得する。
【0205】
・上記実施形態では、ファイルサーバ30は、クライアント端末10において生成された文書ファイルを蓄積して一括管理する。ここで、個々の文書様式の文書重要度を考慮して各処理を実行するようにしてもよい。この場合、文書様式共通ファイル221において、様式番号に対して文書重要度を記録しておく。更に、フォルダ自動作成処理において、ファイルサーバ30に、各格納組織階層フォルダ構成の「00_〜共通」フォルダ直下において文書重要度を示すフォルダを設ける。そして、文書重要度別に分けた手続名フォルダ、文書様式名フォルダ、案件名フォルダ、定期性フォルダ、「99_その他」の集約フォルダが設けられたフォルダ構成を作成する。そして、このようなフォルダ構成に基いて、フォルダ構成の変更画面操作処理(図5)〜フォルダ構成の見直し処理(図13)等を実行する。
【0206】
・上記実施形態では、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)において、起案内容に応じた1つの文書ファイル(起案文書ファイル)を用いて各処理を実行する場合を想定した。ここで、起案に用いる文書ファイルの数は1つに限定されるものではなく、複数の文書ファイルを各処理の対象としてもよい。例えば、報告文書ファイルのように、下位の組織階層において展開され、上位の組織階層で取りまとめる文書ファイルにおいては、下位組織階層が起案した文書ファイルの起票者名、起票組織コードと、上位の組織階層が取りまとめる文書ファイルの起票者名、起票組織コードとが異なることになる。この場合、文書ファイルのフォルダ格納処理(図9)においては、1つの起案内容を複数文書ファイルに分割して各処理を実行する。これにより、一つの手続きで複数の文書ファイルを一括して処理し、各文書ファイルを個別に管理することができる。
【符号の説明】
【0207】
10…クライアント端末、11…制御部、111…ファイル設定手段、112…ファイル格納手段、20…文書管理支援サーバ、21…制御部、211…データベース登録手段、212…フォルダ作成手段、213…フォルダ編集手段、214…フォルダ監視手段、215…ファイル監視手段、22…文書様式格納定義データベース、23…個別文書様式雛形データベース、30…ファイルサーバ、40…ディレクトリ管理サーバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムであって、
前記制御手段が、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段と、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段と、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段と
を備えたことを特徴とする文書管理支援システム。
【請求項2】
複数の文書様式の文書ファイルを集約して格納する集約フォルダを更に設け、
各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、
前記文書ファイル数が第1閾値より小さい場合には、前記文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、前記文書様式名フォルダを削除する手段を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の文書管理支援システム。
【請求項3】
前記文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを前記文書様式名フォルダに移し変える手段を更に設けたことを特徴とする請求項2に記載の文書管理支援システム。
【請求項4】
文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、前記案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項5】
前記共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項6】
組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する手段と、
前記アクセス権に基づいてフォルダ構成の変更を許容することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項7】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援方法であって、
前記制御手段が、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する段階と、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する段階と、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する段階と
を実行することを特徴とする文書管理支援方法。
【請求項8】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援プログラムであって、
前記制御手段を、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段として機能させることを特徴とする文書管理支援プログラム。
【請求項1】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムであって、
前記制御手段が、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段と、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段と、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段と
を備えたことを特徴とする文書管理支援システム。
【請求項2】
複数の文書様式の文書ファイルを集約して格納する集約フォルダを更に設け、
各組織名フォルダ内の文書様式名フォルダに格納された文書ファイル数を計数し、
前記文書ファイル数が第1閾値より小さい場合には、前記文書様式名フォルダに格納された文書ファイルを集約フォルダに移動し、前記文書様式名フォルダを削除する手段を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の文書管理支援システム。
【請求項3】
前記文書ファイル数が第2閾値を超えている文書様式については、新たに文書様式名フォルダを生成し、この文書様式の文書ファイルを前記文書様式名フォルダに移し変える手段を更に設けたことを特徴とする請求項2に記載の文書管理支援システム。
【請求項4】
文書ファイルのプロパティ情報に案件情報が設定されている場合には、前記案件情報に関連付けられた案件名フォルダに格納することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項5】
前記共通ファイルに基づいて、格納する文書ファイルの名称を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項6】
組織名ファイルに基づいて、各フォルダのアクセス権を設定する手段と、
前記アクセス権に基づいてフォルダ構成の変更を許容することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の文書管理支援システム。
【請求項7】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援方法であって、
前記制御手段が、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する段階と、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する段階と、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する段階と
を実行することを特徴とする文書管理支援方法。
【請求項8】
組織識別子が記憶された組織名ファイルと、
文書様式識別子に対応して、手続名、文書様式名が記憶された共通ファイルと、
様式識別子がプロパティ情報として設定された文書様式雛形とが格納されたデータベースと、
ユーザ端末及びファイルサーバに接続された制御手段とを備えた文書管理支援システムを用いて、文書管理の支援プログラムであって、
前記制御手段を、
組織名ファイルに基づいて、組織毎の組織名フォルダをファイルサーバに作成する手段、
前記共通ファイルに基づいて、前記組織名フォルダの中に手続名フォルダを生成し、この手続名フォルダの中に手続に用いる文書ファイルを格納する文書様式名フォルダを作成する手段、
前記文書様式雛形を用いて作成した文書ファイルをユーザ端末から取得した場合には、前記文書ファイルのプロパティ情報に設定された組織識別子に基づいて、ファイルサーバにおける格納先の組織名フォルダを特定し、
前記組織名フォルダ内において、前記プロパティ情報の文書様式識別子に基づいて、前記共通ファイルにおいて特定される手続名、文書様式名に対応する手続名フォルダ、文書様式名フォルダを特定して、この文書様式名フォルダに前記文書ファイルを格納する手段として機能させることを特徴とする文書管理支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−134011(P2011−134011A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291391(P2009−291391)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]