説明

文書管理装置

【課題】アクセスした複数の文書に関して、容易に収集・管理できるようにする。
【解決手段】利用者の指定する任意の期間において閲覧(アクセス)のあった文書を自動的に収集し、文書のリストを作成する。リスト作成手段によって作成されたリストから、バインダ文書としてまとめる文書をユーザに選択させる。選択手段で選択された文書をまとめてバインダ文書を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バインダ文書を作成可能な文書管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の進展とともに、ワードプロセッサ等で作成された電子データや紙文書を、複写機等でスキャンすることで電子化して文書管理システムなどに保存することが行われてきた。
【0003】
このような文書管理システムにおいては、多くのフォルダやファイルが、複数の利用者によって共有できるように管理されている。
【0004】
また、複数の文書を選択して、1つの文書に統合する技術も考えられている。
【特許文献1】特開2002−259361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述した従来の技術では、ユーザが予め統合対象にすべき文書が分かっている必要がある。
【0006】
しかしながら、例えば、会議に出席している間に他の参加者により提示された文書を、会議終了後に統合したい場合、当該文書がどこに格納されているかが分からない可能性がある。そして、その文書を閲覧するために、検索や履歴からの収集などの行為を行わなければならない。
【0007】
提示された文書が多数にわたる場合、これらの作業はさらに煩雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の文書管理装置は、ユーザからのリスト化の開始指示と終了指示とを受け付ける指示受付手段と、前記指示受付手段によって指示されたリスト化の開始指示から終了指示までに、前記ユーザによって閲覧された文書のリストを作成するリスト作成手段と、前記リスト作成手段によって作成されたリストから、バインダ文書としてまとめる文書をユーザに選択させる選択手段と、前記選択手段で選択された文書をまとめてバインダ文書を作成する作成手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、利用者の指定する任意の期間において閲覧(アクセス)のあった文書の中から、更に利用者の指定する特定の文書だけをバインダ文書として容易に管理することができる。
【0010】
また、閲覧のあった文書を自動的に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1を用いて、本明細書で開示するシステムの構成について説明を行う。
【0013】
文書管理サーバ1003は、各種文書ファイルを記憶している。この文書管理サーバ1003は、記憶している文書ファイルの中から所望の文書ファイルを適宜、検索することができるようになっている。
【0014】
文書登録装置1001は、新たな文書ファイルを作成する。そして、この新たな文書ファイルを上記文書管理サーバ1003に対して送信し、文書管理サーバ1003に記憶させる。このように、「文書登録装置1001が文書管理サーバ1003に文書ファイルを記憶させる」ことを、以下では、「文書登録装置1001が文書管理サーバ1003に文書ファイルを登録する」と称する。
【0015】
文書閲覧装置1002は、文書管理サーバ1003に記憶されている各種文書ファイルの中から所望の文書ファイルを適宜閲覧することができるようになっている。文書閲覧装置1002は利用者に対して、文書管理サーバが有する検索の機能を提供することができる。
【0016】
さらに、文書登録装置1001は、文書閲覧装置1002において利用者が閲覧している文書の情報を取得することができる。
【0017】
これら文書管理サーバ1003、文書閲覧装置1002、文書登録装置1001は、夫々、各装置が具備する不図示のCPUにより統括的に制御される。
【0018】
また、文書閲覧装置1002と文書登録装置1001とが、同じ装置の上で統合的に制御されてもよい。
【0019】
文書登録装置1001は、スキャナ1004と接続されTWAIN経由でJPEG形式の文書ファイルを取り込む機能を有する。さらに、この文書登録装置1001は、共有記憶装置1006内の文書ファイルを取り込むことも可能となっている。この共有記憶装置1006は、例えば、インターネット1007経由でメール送信されてきた文書ファイルや、マルチファンクション機1005(以下では、MFP1005と称する)からSMBやFTP送信機能で送信されてきた文書ファイルを記憶している。
【0020】
図2は、文書登録装置1001が文書管理サーバ1003に保存されている文書の中から、アクセスのあった文書だけをバインダ文書にまとめて文書管理サーバ1003に登録する処理のフローを示す。本処理フローにおける各処理を実行する文書登録装置1001は、この文書登録装置1001が有する不図示のCPUにより統括的に制御される。
【0021】
ステップ2001では、文書登録装置1001は、バインダ文書にまとめる文書をリスト化するための利用者からの指示を受け付ける。
【0022】
ステップ2002では、文書登録装置1001は、ステップ2001で利用者からのリスト化開始指示があった場合にはステップ2003へ進み、なかった場合にはステップ2001へ戻って指示受付を反復する。
【0023】
ステップ2003では、文書登録装置1001は、文書閲覧装置1002において利用者が閲覧を行った文書のリストを作成する。
【0024】
ステップ2004では、文書登録装置1001は、ステップ2003におけるリスト作成作業を終了するための利用者からの指示を受け付ける。
【0025】
ステップ2005では、文書登録装置1001は、ステップ2004で利用者からのリスト化終了指示があった場合にはステップ2006へ進み、なかった場合にはステップ2003へ戻ってリスト作成作業を反復する。
【0026】
ステップ2006では、文書登録装置1001は、ステップ2003で作成した文書のリストを利用者に対して表示する。
【0027】
ステップ2007では、文書登録装置1001は、ステップ2006で表示した文書のリストの変更指示を受け付ける。
【0028】
ステップ2008では、文書登録装置1001は、ステップ2007で変更指示を受け付けた結果として作成された文書リストに存在する文書の複製を結合して、新規にバインダ文書を作成する。
【0029】
ステップ2009では、文書登録装置1001は、ステップ2008で作成したバインダ文書を文書管理サーバ1003に登録する。
【0030】
図3における文書リストダイアログ3000は、図2における文書登録装置1001が表示する、バインダにまとめる文書のリストを表示するダイアログである。
【0031】
3001は文書リスト表示部である。図2のステップ2003において文書閲覧装置1002から閲覧された文書の一覧が表示される。
【0032】
3002は文書選択部である。図2のステップ2007において、バインダにまとめる文書とバインダから除外される文書の指示を受け付ける。
【0033】
(実施例2)
実施例1においては、文書登録装置1001がステップ2008において文書の複製を結合して、新規にバインダ文書を作成している。
【0034】
本実施例では、ステップ2003において文書登録装置が文書の複製を結合の候補文書として作成しておく。このように構成しても同様の効果を得ることができる。
【0035】
(実施例3)
実施例1においては、文書登録装置1001がステップ2008において文書の複製を結合して、新規にバインダ文書を作成している。
【0036】
本実施例では、ステップ2008において文書登録装置1001が文書管理サーバ1003に文書リストを送信し、文書管理サーバ1003内で文書の複製を結合して新規にバインダ文書を保存する。このように構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0037】
(実施例4)
実施例1においては、文書登録装置1001がステップ2001とステップ2004において利用者の指示を受け付け、ステップ2003において文書のリストを作成している。更に、ステップ2007において文書の変更指示を受け付け、ステップ2008において文書の複製を結合して、新規にバインダ文書を作成している。
【0038】
本実施例では、ステップ2001とステップ2004において、文書閲覧装置1002が利用者の指示を受け付け、ステップ2003において、文書閲覧装置1002が文書のリストを作成する。そして、ステップ2007において、文書閲覧装置1002が文書の変更指示を受け付け、ステップ2008において文書閲覧装置1002が文書管理サーバ1003に文書リストを送信する。すると、文書管理サーバ1003内で文書の複製を結合して新規にバインダ文書を保存する。このように構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
(その他の実施例)
以上、実施例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。例えば、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。また、本発明は、電子回路などのハードウェアで構成するようにしてもよいし、コンピュータとプログラムとを用いてその一部または全部を制御するようにしてもよい。また、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリを利用する形態であってもよい。
【0040】
また、コンピュータプログラムで本発明を実現する場合、該プログラム(実施形態のフローチャートに対応するプログラム)は、システムあるいは装置に対して、直接あるいは遠隔から供給される。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが、当該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって本発明が実現される。したがって、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0041】
また、コンピュータプログラムを供給するための方法として、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなど、様々なコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いることができる。
【0042】
その他、プログラムの供給方法としては、コンピュータのブラウザ等を用いてインターネットからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、インターネットから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるサーバからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロード可能にしたサーバも、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】システム構成
【図2】文書登録装置1001が文書管理サーバ1003に保存されている文書の中から、アクセスのあった文書だけをバインダ文書にまとめて文書管理サーバ1003に登録する処理のフロー
【図3】バインダにまとめる文書のリストを表示する画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからのリスト化の開始指示と終了指示とを受け付ける指示受付手段と、
前記指示受付手段によって指示されたリスト化の開始指示から終了指示までに、前記ユーザによって閲覧された文書のリストを作成するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段によって作成されたリストから、バインダ文書としてまとめる文書をユーザに選択させる選択手段と、
前記選択手段で選択された文書をまとめてバインダ文書を作成する作成手段と、を有することを特徴とする文書管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−146294(P2009−146294A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324888(P2007−324888)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】