説明

料金収受装置

【課題】操作表示部が容易かつ安全に脱着可能な分離型の料金収受装置を提供する。
【解決手段】有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう料金収受装置において、各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部と、この操作表示部が脱着自在に装着され、操作表示部との間で通信を行なうことで料金収受処理等を行なう装置本体とで構成し、操作表示部は、当該操作表示部を脱着する際に操作する操作禁止釦を有し、装置本体は、上記操作禁止釦が操作されると、その信号を受けることで当該装置本体を操作禁止状態に設定し、操作表示部におけるキー操作を無効とする制御手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、高速道路等の有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう操作表示部が脱着可能な分離型の料金収受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、有料道路におけるETCシステムの利用率が急速に普及し、各料金所においてはETC専用レーンが増加しつつある。ETC専用レーンとは、車載器を搭載した車両のみが通過可能なレーンであり、車両は通行料金の支払いを無線通信による収受処理で行なう。なお、ETCシステムおよび無線通信に伴う設備、課金手段については既に周知の技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0003】
ETC専用レーンといえども、車載器を搭載していない非ETC車両やICカード未挿入等の異常ETC車両が進入することはしばしば発生する。そのような車両に対しては、当該レーンのブース内で待機している収受員による手作業によって通行料金が収受される。その際、収受員は備え付けの料金収受装置を用いて現金、回数券等の入力を行なう(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
料金収受装置とは、収受員の操作により、領収書発行や入力された収入区分(現金、回数券等)別に集計を行なう端末装置である。また、収受員の勤務終了時には、集計結果を勤務帳票としてジャーナルプリンタにより出力する。さらに、ETC車線制御装置と接続し、勤務開始/終了通知、車両進入情報等を処理するようになっている。
【0005】
従来は、この料金収受装置による利用料金の収受処理が行なわれていたが、ETCシステムが普及するごとに既存収受が行なわれなくなる、つまり収受員の操作により収受処理を行なう料金収受装置が不要になりつつある。しかしながら、料金収受装置の操作がETC車線制御装置と連動していることから、その存在が無くなることは無いものと思われる。
【0006】
このような背景から、ETC専用レーンにおいては、「既存収受を行なわない」という条件の元、料金収受装置の装置本体のみを設置し、勤務開始/終了等の操作を行なう場合は、装置本体に対し操作表示部を容易に接続し、操作可能とするものが要望されている。すなわち、無駄な設備の常設が不要であり、状況に応じてカスタマイズ可能な分離型の料金収受装置の開発が期待されるものである。
【特許文献1】特開平8−44931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、装置本体に対し操作表示部を脱着する際、次のような問題が生ずる。
(1)操作表示部を装置本体に対し電気的に接続するためのコネクタを活線挿抜するため、その際にノイズが発生する。このノイズを拾い、キー操作が行なわれたと判断した場合、装置本体は予期しない動作を行なう可能性がある。
(2)上記活線挿抜が起因し、ハードウェアの故障が予測される。
(3)装置本体から操作表示部を取外した後も通電状態であることから、操作表示部のコネクタに触れた場合は感電等のPL事故が発生する可能性がある。
(4)停電が発生した場合、停電復旧処理で操作待ちとなる。しかしながら、操作表示部が取外されている場合は、それを収受員に通知できない。
【0008】
そこで、本発明は、操作表示部が容易かつ安全に脱着可能な分離型の料金収受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の料金収受装置は、有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう料金収受装置において、各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部と、この操作表示部が脱着自在に装着され、前記操作表示部との間で通信を行なうことで料金収受処理を行なう装置本体とを有して構成され、前記操作表示部は、当該操作表示部を脱着する際に操作する脱着スイッチ手段を有し、前記装置本体は、前記脱着スイッチ手段が操作されると、その信号を受けることで当該装置本体を操作禁止状態に設定し、前記操作表示部における操作を無効とする第1の制御手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の料金収受装置は、有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう料金収受装置において、各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部と、この操作表示部が脱着自在に装着され、かつ、前記操作表示部に対し動作電源を供給し、前記操作表示部との間で通信を行なうことで料金収受処理を行なう装置本体とを有して構成され、前記操作表示部は、当該操作表示部の電源をオン,オフするための電源スイッチと、前記装置本体に対する脱着状態を検知する脱着状態検知手段とを有し、前記装置本体は、前記電源スイッチおよび脱着状態検知手段の状態を監視し、当該電源スイッチおよび脱着状態検知手段の状態が変化した場合、前記操作表示部への電源供給をオンまたはオフする第3の制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作表示部が容易かつ安全に脱着可能な分離型の料金収受装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る分離型の料金収受装置の構成を概略的に示すものである。この料金収受装置は、たとえば、有料道路の料金所におけるブース内に設置され、当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なうもので、各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部11、この操作表示部11が脱着自在に装着され、当該操作表示部11との間で通信を行なうことで料金収受処理等を行なう装置本体(レーン集計機)12、領収書を発行する簡易領収書発行装置13、および、勤務帳票等を出力するジャーナルプリンタ14を有して構成される。
【0013】
操作表示部11は、必要に応じて装置本体12に対し脱着されるもので、装置本体12に取着した際に電気的接続を得るためのコネクタ15を有しており、このコネクタ15には必要に応じて開閉するカバー(図示省略)が設けられている。また、装置本体12には、操作表示部11が取着された際にコネクタ15と接続されるコネクタ16を有している。
【0014】
装置本体12は、業務アプリケーションソフトを搭載していて、主な機能として以下に示すような機能を有する。
【0015】
・各種入出力制御を行なう。
【0016】
・利用料金の収受処理を行なう。
【0017】
・周辺接続機器の制御を行なう。
【0018】
・上位サーバと接続し、データ伝送を行なう。
【0019】
・ETC車線制御装置と接続し、勤務情報の通知や通過車両情報通知等を処理する。
【0020】
・外部メモリとしてのコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリへの勤務データ
バックアップ処理を行なう。
【0021】
なお、簡易領収書発行装置13およびジャーナルプリンタ14は、装置本体12に対し脱着自在に構成されていて、装置本体12における設定操作により接続の有無が選択可能である。
また、簡易領収書発行装置13は、通常は領収書発行装置として使用するが、装置本体12における設定操作によりジャーナルプリンタとしても使用可能である。したがって、ジャーナルプリンタ14は必ずしも設ける必要がない。
さらに、簡易領収書発行装置13(ジャーナルプリンタ14)は、本実施の形態のように個別に設けてもよいが、操作表示部11内に組込んで一体化してもよい。
【0022】
図2は、操作表示部11の構成を概略的に示すものである。操作表示部11は、カラー液晶表示器(LCD)21およびタッチパネル22からなる表示部23、車種、現金等の押下頻度の高いハードウェア釦や当該操作表示部11を脱着する際に操作する脱着スイッチ手段としての操作禁止釦33および電源をオン、オフする電源スイッチなどを有する操作部24、カラー液晶表示器21を制御する表示制御部25、タッチパネル22を制御するタッチパネル制御部26、操作部24を制御する操作制御部27、各種データを記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)28、コネクタ15を介して装置本体12と通信を行なうインタフェイス部29、全体的な制御を司るCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)30、CPU30の制御プログラム等を記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)31、および、装置本体12からコネクタ15を介して供給される電源を受入れて各部に動作電源を供給する電源供給部32を有して構成される。
【0023】
図3は、装置本体12の構成を概略的に示すものである。装置本体12は、図示しない上位サーバと通信を行なうインタフェイス部41、図示しないETC車線制御装置と通信を行なうインタフェイス部42、コネクタ16を介して操作表示部11と通信を行なうインタフェイス部43、簡易領収書発行装置13およびジャーナルプリンタ14と通信を行なうインタフェイス部44、外部メモリとしてのコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリが装着されるコンパクトフラッシュメモリスロット45,46、各種データを記憶するDRAMやSRAMからなるメモリ47、全体的な制御を司るCPU48、CPU48の制御プログラム等を記憶するROM49、および、各部に動作電源を供給するとともにコネクタ16を介して操作表示部11に動作電源を供給する電源部50を有して構成される。
【0024】
次に、上記のような構成において操作表示部11と装置本体12を容易かつ安全に脱着する手段について説明する。
まず、概要について説明する。以下は、操作表示部脱着の流れである。なお、操作禁止/解除と、操作表示部11の電源制御は全く別のプロセスで処理し、同期は取らないものとする。
【0025】
(a)通常の料金収受中に操作禁止釦33を押下する→操作禁止状態に遷移
(b)操作表示部11を取り外す(電源を自動的にオフ)
(c)操作表示部11を取着する(電源を自動的にオン)
(d)解除釦を押下する→通常の料金収受に復帰
(1)操作禁止/解除(上記(a)、(d))
・操作表示部11を取り外す際は装置本体12を操作禁止とする。
【0026】
・操作禁止中は一部のキー(操作釦)を除き、発生した全てのキー入力を無視する。
【0027】
また、操作表示部11を取着した後、解除釦を押下することで勤務中処理に復帰
する。
【0028】
(2)操作表示部の電源制御(上記(b)、(c))
・操作表示部11のコネクタ15のカバー開閉と電源スイッチの状態を監視し、操
作表示部11の電源を自動的にオフまたはオンする。
【0029】
・操作禁止釦33を押下しないで操作表示部11が取り外された場合、操作表示部11
の電源をオフするとともに自動的に操作禁止に遷移する。
【0030】
次に、処理の詳細について図4に示すフローチャートを参照して説明する。まず、操作禁止/解除について説明する。これは、収受員の操作により操作表示部11が脱着可能な状態とする機能である。
【0031】
操作禁止遷移の通知があるか否かをチェックし(ステップS1)、操作禁止遷移の通知がある場合、操作禁止処理を行ない(ステップS2)、解除釦の押下により操作禁止処理が終了すると、周辺接続機器の診断処理を行ない(ステップS3)、ステップS1に戻る。
なお、ステップS3の診断処理において、異常を検知した場合は、その旨を示すメッセージを操作表示部11に表示する。
【0032】
ステップS1におけるチェックの結果、操作禁止遷移の通知がない場合、ETCデータの受信があったか、操作表示部11からのキー入力があったかをチェックし(ステップS4)、ETC車線制御装置からのETCデータの受信があった場合、それに基づくETC処理を行ない(ステップS5)、ステップS1に戻る。
【0033】
ステップS4におけるチェックの結果、操作表示部11からのキー入力があった場合、当該キー入力は操作禁止釦33か、現金や回数券などの既存処理か、中断や終了などの特別処理かを判断し(ステップS6)、操作禁止釦33の場合はステップS2の操作禁止処理に進む。
すなわち、通常の料金収受中(勤務中処理)に、収受員の操作により、操作表示部11に設けられた操作禁止釦33が押下された場合は、操作禁止処理を行なう。
【0034】
現金や回数券などの既存処理の場合は、既存の料金収受処理を行ない(ステップS7)、当該処理が終了すると、周辺接続機器の診断処理を行ない(ステップS8)、ステップS1に戻る。
なお、ステップS8の診断処理において、異常を検知した場合は、その旨を示すメッセージを操作表示部11に表示する。
【0035】
中断や終了などの特別処理の場合は、中断や終了などの特別処理を行ない(ステップS9)、当該処理が終了すると、勤務終了か否かをチェックし(ステップS10)、勤務終了でなければステップS1に戻り、勤務終了であれば処理を終了する。
【0036】
次に、ステップS2の操作禁止処理の詳細について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
収受員の操作により、勤務中に操作禁止釦33が押下された場合、操作禁止処理に遷移し、たとえば、図6に示すように、操作表示部11のカラー液晶表示器21に操作禁止メッセージ51を表示するとともに、操作禁止状態を解除するための解除釦(解除スイッチ手段)52を表示し(ステップS11)、常に押下可能とする。これにより、操作禁止中であることが容易に確認できる。
【0037】
次に、停電有りか否かをチェックし(ステップS12)、停電無しであれば、ETCデータの受信か否かをチェックし(ステップS13)、ETCデータの受信であれば、それに基づくETC処理を行ない(ステップS14)、ステップS12に戻る。
【0038】
ステップS13におけるチェックの結果、ETCデータの受信でなければ、操作表示部11からのキー入力有りか否かをチェックし(ステップS15)、キー入力無しの場合、ステップS12に戻り、キー入力有りの場合、当該キー入力は解除釦52の押下か否かをチェックし(ステップS16)、解除釦52の押下でない場合、当該キー入力は無視してステップS12に戻る。
【0039】
このように、操作禁止中は、解除釦52を除き、一切のキー入力を無視する。これは、操作表示部11を取り外す際のノイズを「キー入力有り」と認識することを防止するためである。偽のキー入力を処理した場合、装置本体12が予測不可能な動作、あるいは、ソフト暴走等が発生する可能性が高い。
【0040】
ステップS16におけるチェックの結果、解除釦52の押下である場合、操作禁止状態の解除を行ない(ステップS17)、その後、勤務中処理ルーチンにリターンする。
ステップS12におけるチェックの結果、停電有りの場合、停電処理を行ない(ステップS18)、その後、操作禁止状態の解除を行ない(ステップS17)、勤務中処理ルーチンにリターンする。
【0041】
ステップS13のETC処理は、以下に示すような対ETC車線制御装置インタフェイス仕様に定められた各種処理を行なう。なお、操作禁止中はICカード(ETCカード)処理を行なわない。(ETC車線制御装置からICカード読取り通知を受信した場合は、それに対して否定応答を送信する)
(a)車両情報処理
車両進入時にETC車線制御装置から通知される車両情報通知を処理する。
【0042】
通常、車両情報通知を受信した場合は、操作表示部11に処理結果(正常ETC
車両、異常ETC車両など)を表示するが、操作禁止中はその表示を行なわずに装
置本体12が管理・蓄積する収受履歴を残すのみとする。
【0043】
また、装置本体12において「ETC車両に対するブザー鳴動有り」設定が施さ
れている場合は、車両情報通知を受信するごとにブザーを鳴動する。
【0044】
(b)ETC機器異常処理
ETC車線制御装置からETC機器異常発生が通知された場合、それを示すメッ
セージを表示せずに収受履歴のみ残す。なお、ETC機器の異常発生状態を保持し、
操作禁止解除時に、その旨を操作表示部11に表示する。(操作禁止中にETC機
器の異常が復旧した場合は表示しない)
(c)ヘルスチェック処理
定期的にETC車線制御装置とヘルスチェックを行なう。
【0045】
次に、ステップS18の停電処理の詳細について図7に示すフローチャートを参照して説明する。
停電が発生すると、図示しないブザーを例えば2種類の周波数で交互に鳴動させる(ステップS21)。操作禁止中に操作表示部11が取り外された場合、操作は愚か表示すら確認できない。そこで、操作禁止中に停電が発生した場合は、ブザーを鳴動し続ける。収受員は、以下の通常と異なるブザー鳴動により、停電発生を認識することができる。
【0046】
・ブザーが鳴動し続けている
・通常のブザー音と異なる
※通常のブザーは、単一周波数で5秒間鳴動する。
【0047】
※確認釦押下時にブザーを停止する。(〜3−7)
次に、操作表示部11に停電復帰情報などを表示し(ステップS22)、それを収受員に確認させるために、確認釦の押下を待機する(ステップS23)。ここで、図示しない確認釦が押下されると、ブザー鳴動を停止し(ステップS24)、自動的に操作禁止を解除して、停電前の処理(勤務中処理)へ移行する。
【0048】
次に、操作表示部11の電源制御について説明する。
まず、概要について説明する。この電源制御は、操作表示部11のコネクタ15のカバー開閉状態を検知するコネクタカバースイッチ(脱着状態検知手段)および電源スイッチの状態を監視し、操作表示部11への電源供給を自動的にオフまたはオンする機能である。
【0049】
電源スイッチ:電源の通電状態を表すスイッチである。
【0050】
・オン−通電
・オフ−電断
コネクタカバースイッチ:操作表示部11のコネクタ15に設けられたカバーの開閉
状態を検知するスイッチである。
【0051】
・閉(オン)−コネクタ接続中の状態(コネクタカバー閉)
・開(オフ)−コネクタ抜き取り可能な状態(コネクタカバー開)
次に、電源制御の詳細について説明する。
図8は、操作表示部11および装置本体12における電源系統を模式的に示すものである。図8において、61は操作表示部11の電源スイッチ、62は操作表示部11のコネクタカバースイッチ、63は装置本体12の回路基盤、64は装置本体12に設けられた停電検知部である。回路基盤63には、図3に示したCPU48などの各構成要素が搭載されている。
【0052】
回路基盤63内のCPU48は、電源スイッチ61およびコネクタカバースイッチ62の状態を常に監視していて、状態の変化を検知すると、操作表示部11への電源供給経路に設けられたリレー65を開閉制御することで、電源供給を自動的にオフまたはオンするように構成されている。
【0053】
操作表示部11の電源制御は図9に示す電源制御マトリックスにしたがって行なわれるもので、以下、その電源制御について具体的に説明する。
まず、操作表示部11の電源オフ制御について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
たとえば、コネクタカバースイッチ62が閉(オン)状態から開(オフ)状態に変化した場合(ステップS31)、CPU48は、割込み処理でそれを検知し、直ちにリレー65を制御することで操作表示部11への電源供給をオフする(ステップS32)。なお、電源オフ制御は即時性が求められるため、電源スイッチ61の状態に依存せずに、操作表示部11への電源供給をオフする。
【0054】
次に、現在勤務中処理か否かをチェックし(ステップS33)、勤務中処理でなければ勤務中処理ルーチンにリターンし、勤務中処理であれば、図4の勤務中処理に対し操作禁止遷移を通知し(ステップS34)、勤務中処理ルーチンにリターンする。
【0055】
次に、操作表示部11の電源オン制御について図11に示すフローチャートを参照して説明する。
コネクタカバースイッチ62の状態を監視しているCPU48は、たとえば、1秒間に2回、コネクタカバースイッチ62の状態を読込み、開(オフ)状態から閉(オン)状態に変化しているか否かをチェックする(ステップS41〜S44)。
【0056】
このチェックの結果、1回でも状態変化がなければステップS41に戻り、2回とも閉(オン)状態に変化していれば電源スイッチ61の状態を読込み(ステップS45)、オン状態にあるか否かをチェックする(ステップS46)。このチェックの結果、オン状態にあれば、直ちにリレー65を制御することで操作表示部11への電源供給をオンし(ステップS47)、勤務中処理ルーチンにリターンする。
【0057】
以上説明したように上記実施の形態によれば、以下のような効果が期待できる。
(1)ノイズによる誤動作防止
操作禁止機能により、一部のキー(操作釦)を除き一切のキー入力を無視するた
め、ノイズ発生によるアプリケーションソフトの誤動作を防止することができる。
【0058】
したがって、操作表示部を装置本体に対し容易に脱着することが可能となる。
【0059】
(2)ハードウェアの故障防止
操作表示部の自動電源オフ、オン機能で、コネクタの活線挿抜によるハードウェ
アの故障が防止できる。また、感電等のPL事故発生も回避できる。したがって、
操作表示部を装置本体に対し安全に脱着することが可能となる。
【0060】
(3)操作禁止への自動遷移
任意のタイミングで操作表示部が取り外されたとしても、操作表示部の電源をオ
フするとともに、操作禁止状態に自動遷移する。これにより、アプリケーションソ
フトの誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の本実施の形態に係る分離型の料金収受装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図2】操作表示部の構成を概略的に示すブロック図。
【図3】装置本体の構成を概略的に示すブロック図。
【図4】操作表示部脱着に係る処理を説明するフローチャート。
【図5】操作禁止処理の詳細について説明するフローチャート。
【図6】操作禁止中の表示画面例を示す図。
【図7】停電処理の詳細について説明するフローチャート。
【図8】操作表示部および装置本体における電源系統を概略的に示す模式図。
【図9】操作表示部の電源制御マトリックスを説明する図。
【図10】操作表示部の電源オフ制御について説明するフローチャート。
【図11】操作表示部の電源オン制御について説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0062】
11…操作表示部、12…装置本体(レーン集計機)、13…簡易領収書発行装置、14…ジャーナルプリンタ、15,16…コネクタ、21…カラー液晶表示器、22…タッチパネル、23…表示部、24…操作部、30…CPU(制御手段)、33…操作禁止釦(脱着スイッチ手段)、48…CPU(制御手段)、50…電源部、52…解除釦(解除スイッチ手段)、61…電源スイッチ、62…コネクタカバースイッチ(脱着状態検知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう料金収受装置において、
各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部と、この操作表示部が脱着自在に装着され、前記操作表示部との間で通信を行なうことで料金収受処理を行なう装置本体とを有して構成され、
前記操作表示部は、
当該操作表示部を脱着する際に操作する脱着スイッチ手段を有し、
前記装置本体は、
前記脱着スイッチ手段が操作されると、その信号を受けることで当該装置本体を操作禁止状態に設定し、前記操作表示部における操作を無効とする第1の制御手段を有することを特徴とする料金収受装置。
【請求項2】
前記操作表示部は、さらに、
前記装置本体が操作禁止状態に設定されると操作可能となり、当該操作禁止状態を解除するための解除スイッチ手段を有し、
前記装置本体は、さらに、
前記解除スイッチ手段が操作されると、その信号を受けることで前記操作禁止状態を解除する第2の制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の料金収受装置。
【請求項3】
有料道路の料金所において当該有料道路の利用料金の収受処理を収受員の操作により行なう料金収受装置において、
各種データを表示する表示部および各種操作キー等を有する操作部を有して構成される操作表示部と、この操作表示部が脱着自在に装着され、かつ、前記操作表示部に対し動作電源を供給し、前記操作表示部との間で通信を行なうことで料金収受処理を行なう装置本体とを有して構成され、
前記操作表示部は、
当該操作表示部の電源をオン,オフするための電源スイッチと、
前記装置本体に対する脱着状態を検知する脱着状態検知手段とを有し、
前記装置本体は、
前記電源スイッチおよび脱着状態検知手段の状態を監視し、当該電源スイッチおよび脱着状態検知手段の状態が変化した場合、前記操作表示部への電源供給をオンまたはオフする第3の制御手段を有することを特徴とする料金収受装置。
【請求項4】
前記第3の制御手段は、前記脱着状態検知手段が前記操作表示部の取り外しを検知した場合は前記操作表示部への電源供給をオフに制御し、前記脱着状態検知手段が前記操作表示部の取着を検知し、かつ、前記電源スイッチがオン状態の場合に前記操作表示部への電源供給をオンに制御することを特徴とする請求項3記載の料金収受装置。
【請求項5】
前記第3の制御手段は、前記脱着状態検知手段が前記操作表示部の取着を検知した場合、当該脱着状態検知手段の状態を複数回読取り、いずれも操作表示部の取着を検知していて、かつ、前記電源スイッチがオン状態の場合に前記操作表示部への電源供給をオンに制御することを特徴とする請求項4記載の料金収受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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