説明

料金式精米設備

【課題】料金不足による途中停止を回避することによる稼動効率の向上および機器の耐久性の向上と、それに伴う利用占有時間の短縮化およびメンテナンス時間の短縮化による利用環境の向上につながる料金式精米設備を提供する。
【解決手段】料金式精米設備は、料金投入部(11b)と、穀物投入部(12)と、精米機(16)を備えた精米部と、上記穀物投入部(12)の制御により所定の課金単位額に対応して設定した課金単位額対応量の穀物送出動作を料金投入部(12)による投入金額の範囲で繰返し、この穀物送出動作によって受けた穀物を精米部で精米処理するように制御する制御部とを備えて構成され、上記制御部は、課金単位額に対応する穀物送出動作の繰返しの都度、課金単位額対応量を増加するように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入ホッパ内の穀物について投入金額の範囲内で全自動精米を行う料金式精米設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
料金式精米設備は、特許文献1に記載のように、料金投入部と、穀物投入部と、精米部と、白米取出タンクと、これら機器を制御して投入金額の範囲内で投入穀物を全自動で精米するものが知られている。上記構成の料金式精米設備は、精米途中で投入金額が不足すると精米処理が停止し、この場合、さらに追加料金を投入することにより、中断した精米処理を再開して穀物投入部の穀物の精米を継続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−165081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、料金式精米設備における上記のような中断を含む利用形態については、利用客の持参した穀物の精米が終了するまで、機器停止による中断時間と合わせた長時間の占有となり、次の利用客に迷惑を及ぼすのみならず、装置の停止と再起動の繰返しによって機器の耐久性に悪影響を与え、メンテナンス負荷の増大を招くとともに、メンテナンスのための利用停止によるサービス環境の低下を招くという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、料金不足による途中停止を回避することによる稼動効率の向上および機器の耐久性の向上と、それに伴う利用占有時間の短縮化およびメンテナンス時間の短縮化による利用環境の向上につながる料金式精米設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、料金投入を受けて投入金額情報を出力する料金投入部(11b)と、投入穀物を受けて穀物を送出する穀物投入部(12)と、この穀物投入部(12)から穀物を受けて玄米の精米処理をする精米機(16)をそなえた精米部と、所定の課金単位額に対応して設定する運転時間、穀物を精米部で精米処理するように制御する制御部とを備えた料金式精米設備において、上記制御部は、投入する投入金額が増加するほど課金単位額に対応する運転時間を増加するように設定してなることを特徴とする。
【0007】
上記精米部は、課金単位額と対応する運転時間、投入した穀物について連続して精米処理する。投入する投入金額が増加するほど課金単位額に対応する運転時間を増加する料金対応制御により処理単価が次第に低減される従量優遇料金体系が適用される。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、籾摺機(14)を備えて籾米の籾摺精米処理と玄米の玄米精米処理とを切替え可能に構成するとともに、前記制御部は、最小単位の投入料金時においては籾摺精米処理の運転時間を玄米精米処理の運転時間を短くする構成とすると共に、課金対応額に対応する運転時間の増加時間を玄米精米処理の増加時間よりも大きくすることを特徴とする。
上記構成の料金式精米設備は、籾米の籾摺精米処理のための籾摺機の追加により、別途設定による課金単位額対応量を籾摺精米処理について適用される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明の料金式精米設備は、その精米部が、課金単位額と対応する運転時間、その間に受けた穀物について連続して精米処理するとともに、投入する投入金額が増加するほど課金単位額に対応する運転時間を増加する料金対応制御により処理単価が次第に低減される従量優遇料金体系が適用されることから、上記料金対応制御により、一括精米の取扱量に応じて割安料金を適用する従量優遇料金に基づき、料金式精米設備の利用形態が一括連続処理に誘導され、稼動の途中停止が抑えられることによる稼動効率の向上とメンテナンス負荷の低減が可能となり、その結果、利用占有時間とメンテナンス時間の短縮化による利用環境の向上が可能となる。
【0010】
請求項2の発明の料金式精米設備は、請求項1の効果に加え、使用する装置の多い籾摺作業においては、最小金額の料金においては、玄米より割高になるが、投入金額の増加に伴って割安になる。従って、利用者に、一度に連続して多くの量の籾の籾摺作業を利用することを促進することで、籾摺ロールの初期設定の回数を減少させることができ、籾摺ロール表面の耐久性を向上させることができる。その結果、メンテナンス負荷の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】料金式精米設備のシステム構成展開図
【図2】機器配置図
【図3】仕切壁の客室側正面図
【図4】操作部の見取図
【図5】投入ホッパの断面図(a)およびその要部拡大図(b)
【図6】精米設備の料金区分
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
発明に係る料金式精米設備は、そのシステム構成展開図を図1に示すように、投入された穀粒を受ける投入ホッパ12と穀粒の取出が可能な白米タンク13が客室に臨んで設けられるほか、上記投入ホッパ12から搬送手段(送出螺旋)12aによって取込んだ穀粒を上位排出する第1昇降機14eと、この第1昇降機14eから受けた穀粒を籾摺ロール14aによって籾摺りする籾摺機14と、この籾摺機14から受けた穀粒中の異物を振動選別するために選米出口15bと残米出口15cを前後端に配置した異物選別機15と、その選米出口15bから受けた穀粒を上位排出する第2昇降機16eと、この第2昇降機16eから玄米タンク16tに受けた穀粒を精米して上記白米タンク13に供給する精米機16と、これらを統括制御する制御部等から構成される。
【0013】
投入ホッパ12には、穀粒投入を検出する穀粒センサ12bおよび投入穀粒が籾か玄米かを判別する判別手段として米種センサ12dを設ける。玄米の場合は、籾摺機14は、籾摺ロール14aの間隙を開いて籾摺作用なしに玄米をそのまま通過する。玄米タンク16tには、オーバーフローを検出する玄米タンク満量センサ16fおよび玄米の有無を検出する玄米タンク下限センサ16bを設け、これらセンサの検出信号に応じて制御部が後述のように機器の稼働を制御する。精米機16は、その排出口側に備える図示しない圧迫板を制御部の制御指令により移動調節して精白度制御可能に構成する。
【0014】
また、精米機16は切換制御可能な排出路16aを介して白米タンク13と接続し、その切換弁16jにより精米機充填初期の搗精圧が上がるまでの初期精白処理米を貯留するチャージタンク16cを設け、この初期精白処理米は全玄米の精米終了間際に第2昇降機16eを介して精米機16に追加供給することにより全玄米を精白処理する。
【0015】
還元用切換弁14pは、料金不足等で運転が停止した際に、投入ホッパ12内に残留した穀粒が第1昇降機14eから還元通路14qを経て投入ホッパ12の上方の還元口14rに排出するための切換部である。異物選別機15の残米出口15cは、玄米が尽きたときに、第1昇降機14eから残米送路14gと第2昇降機16eによって精米機16に送られて全量が精米処理される。
【0016】
具体的な機器構成は、その機器配置図を図2に示すように、矩形の建屋1内に機械室2とその前側の操作スペースとしての客室3とを仕切壁11で仕切る。本実施の形態では客室3側を前、機械室2側を後ろとする。
【0017】
機械室2には、仕切壁11の後方に突出する投入ホッパ12から第1昇降機14eを介してその側方に籾摺機14を配置し、その下方で投入ホッパ12の横位置に石抜等の異物選別機15を奥側に向けて配置する。この異物選別機15の側方に第2昇降機16eを配置し、この第2昇降機16eに選米出口15bおよび残米送路14gとともに精米機16の排出路16aを集合連通して循環精米する。そのほか、機械室2後部には、精米機16から接続する糠吸引部16sを介して糠袋16qを配置し、また、客室3側まで移送ダクト16dを分岐する。
【0018】
客室3側は、図3の仕切壁の客室側正面図に示すように、籾投入用の投入ホッパ12と白米取出し用の白米タンク13を客室3に臨んで配置し、また、仕切壁11には精米処理の精白度の指定や料金投入のための操作部(操作盤)11aを設ける。白米タンク13下部に設けた取出部には小袋対応のために引出式の中段受台を組み込んで構成する。その側方には、上記移送ダクト16dの先端を客室3に臨む糠取出部16pに開口する。操作盤11aまたは金庫ボックスは、投入ホッパ12、第1昇降機14e、異物選別機15のメンテナンスのためにメンテナンス扉として構成する。
【0019】
上記構成の精米設備の運転制御は、図4の見取図に示す操作部11aに従い、投入コインがコイン処理部11bで処理され、餅利用時は餅ボタン11cを押し、「上白」「標準」「8ぶ」の中から好みの白度を選択する白度ボタン11dにより対応の精米処理が設定されて精米設備が起動される。
【0020】
精米設備が起動されると、投入ホッパ12内に籾が投入された場合は、左右の籾摺ロール14aを回転駆動させながら閉じ側に移動させて接触させ、その接触を検出してから設定時間開き側に移動することで、籾摺作業の間隙を設定する(ロール間隙の初期調節)。そして、第1昇降機14eから籾摺機14、異物選別機15にて籾摺と異物選別処理がなされる。玄米が投入された場合は、米種センサ12dの判別により、非籾摺間隙まで開いた籾摺ロール14aをそのまま通過して異物選別機15に入る。玄米は、さらに、第2昇降機16eから精米機16により精米処理されて白米タンク13から取出し可能となる。
【0021】
上記精米工程の制御は、所定量の玄米が玄米タンク16tに貯留されるまで待機した上で精米機16を起動し、また、チャージタンク16cには初期精米による処理米を一時貯留し、精米処理が終了に近づいた時点においてその初期精白処理米を含めて所定時間の循環精米処理を経た後に白米タンク13に全量を排出する。
【0022】
(精米機起動制御)
上記精米機16の起動待機時間については、その搗精部に充填される玄米量が玄米タンク16tに貯留されるまでの時間とし、この待機時間を投入米種により切換える。すなわち、投入ホッパ12に受けた籾または玄米について、その何れか該当種別を識別する米種センサ12dによる米種識別手段を使用し、その米種識別結果が籾の場合に玄米より遅いタイミングで精米機16を起動するように、籾摺りによる減量分を補うための長い待機時間を適用する。
【0023】
このように、籾投入の場合に限り玄米投入より精米機16の起動タイミングを遅らせることによって精米開始時の玄米量が増加することから、籾摺りによる減量分を補って適正な精米処理が可能となる。したがって、籾投入に合わせた適正な精米処理が可能となるので、このような起動タイミング調節という簡易な方法により、装置構成の複雑化やコスト増加を招くことなく、籾と玄米について共に一定精度の精白処理を確保することができる。
【0024】
したがって、精米機16の起動タイミングの設定変更という簡易な方法により精米制御の自動調節が可能となることから、籾についての地域事情、すなわち、地域により、コンバインで刈取り脱穀して乾燥機で処理する場合と、刈取機(バインダー)で刈取った稲を天日干してから脱穀する場合等の種々のケースがあり、地域によって籾の性状、かさ(容量)が異なり、このような籾の取扱いや稲の生育度等のそれぞれの地域事情に対応して、特段のメンテナンス管理等を要することなく、適切な精米制御が可能となる。
【0025】
(稼動累計制御)
また、精米機16の起動タイミングの制御については、精米機16の積算使用量すなわち稼働累計時間に応じて変更可能に制御部を構成する。すなわち、精米処理能力が設備新設当初の高能率の期間はその起動タイミングを遅くし、能率が安定する積算使用量に達すると起動タイミングを一定とし、その後の使用により処理能力が落ちてくると起動タイミングを早めるように精米機16の起動タイミングを変更可能に構成する。このような起動タイミングの変更により、能率変動が顕著な籾処理の場合を含め、精米機16への米の供給をその処理能力に合わせることができるので、起動タイミングが一定の場合に精米途中で米が途切れるという問題を解消して安定した精米性能を確保することができる。
【0026】
(終了制御)
精米設備の運転終了の際は、終了動作または残米排出動作に入った時点で、既に用済みの籾摺機14を停止するべく制御することにより、精米設備の収容建物に設けられた負圧防止用開口が経年使用によりその防虫網が埃等で目詰まりした際に、風量が大きい籾摺機の運転で機械室内が負圧となり、糠ファンが機能低下して精白米の糠切れが悪くなる結果として終了動作後に精白米に籾や籾殻が混じりやすくなるという問題が解消され、糠ファンの除糠能力を最大限に生かすとともに、節電上も効果が期待できる。
【0027】
(料金対応制御)
次に、料金対応制御について説明する。
制御部は、穀物投入部12の送出螺旋12aの動作時間を制御することによって穀物の送出量を制御し、所定の課金単位額に対応して設定した運転時間にわたって投入穀物を精米処理する。上記課金単位額対応量については、一括精米の取扱量に応じて割安料金を適用するために、1回の精米運転で投入する金額が多いほど、課金単位額対応量を増加するように、延長時間を順次長く設定する。
【0028】
課金単位額を100円とする例について具体的に説明すると、従来は100円の課金単位額について運転時間を90秒とし、投入金額に比例して運転時間を延長する課金設定であった。これを図6のように変更し、最初の100円について90秒、2回目の100円について95秒、投入金額に比例して延長時間を増加する設定により、課金単位額対応運転時間を順次増加する。
【0029】
従って、課金単位額と対応する穀物送出動作の繰返し回数に応じて処理単価が次第に低減される従量優遇料金体系が適用される。
【0030】
このように一括精米の取扱量に応じて割安料金を適用する従量優遇料金体系による料金対応制御を組み込むことにより、料金式精米設備の利用形態が一括連続処理に誘導され、稼動の途中停止が抑えられることによる稼動効率の向上とメンテナンス負荷の低減が可能となり、その結果、利用者の精米設備の利用占有時間の短縮化による利用環境の向上が可能となる。
【0031】
また、精米部について、切替え構成の籾摺機14を備えて籾米の籾摺精米処理に切替え可能に構成するとともに、籾摺精米処理について、籾摺工程の増加を勘案した料金体系を別途設定し、玄米と籾米について個別の料金対応制御を切替え可能に制御部を構成することにより、料金式精米設備の多機能化を図ることができる。
【0032】
例えば、籾米の課金単位額対応量を規定する穀物投入部12の送出螺旋12aの動作時間は、最初の課金単位額の100円について80秒とし、2回目について86秒とし、以降の繰返しの都度、延長時間の増加によって課金単位額対応量を順次増加する設定により、籾摺精米の対価として玄米の精米処理と異なる従量優遇料金体系を適用する。
【0033】
このように、籾米についての籾摺精米処理と玄米の精米処理のそれぞれに対応した従量優遇料金体系を適用することにより、籾摺ロ−ル間隙の初期調節によるロール摩耗のために耐久性の低下を招く籾摺機14の起動動作の低減によって耐久性の確保が可能となり、その結果、メンテナンス負荷の増大を抑えつつ、利用環境の改善を図ることができる。
【0034】
すなわち、使用する装置の多い籾摺作業においては、低額の料金域においては、玄米より割高になるが、延長時間を大きくすることで、高額の料金域においては割安になる。従って、利用者に、一度に連続して多くの量の籾の籾摺作業を利用することを促進することで、籾摺作業開始直後に行なう左右の籾摺ロールを回転させながら一度接触させてから所定時間開くことで籾摺可能位置に設定する籾摺ロールの初期設定の回数を減少させることができ、籾摺ロール表面の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態の従量優遇料金体系を適用する投入金額とは、精米運転開始前に一度に投入した金額でも良いし、精米運転中に順次投入した金額に対しても適用される。
【0035】
(投入ホッパ)
上記投入ホッパ12は、図5の断面図(a)およびその要部拡大図(b)に示すように、仕切壁11に開口する投入窓12eにゲート22を開閉可能に設ける。このゲート22は、投入ホッパ12上端の金網開口23の高さ位置で回動制御される支軸20に設けたアーム28に嵌合支持し、支軸20は閉鎖位置から客室3側に90°回動した開放位置Bまでを回動範囲とし、穀物投入に適する傾斜状態の投入位置Cに保持可能に回動制御することにより、可動型投入台として構成する。また、床面近傍の下降位置Aに及ぶ縦ガイド21を設け、この縦ガイド21によって支軸20を昇降制御することにより、昇降台として構成する。
【0036】
上記構成のゲート22は、不図示の開放スイッチの操作により開放位置Bまで回動した後、さらに下降位置Aで待機し、利用客が持参の穀物袋Gを載せて上昇スイッチを操作することにより、開放位置Bまで上昇した後、さらに投入位置Cまで回動して保持され、この状態で袋を開くことにより、重量のある穀物を投入ホッパ12に容易に投入することができる。
【0037】
(料金表示)
次に、必要料金の表示について説明する。
上記ゲート22の制御構成において、その上昇駆動中の駆動電流を検出し、電流値を換算することによって対応する穀物重量を算出し、穀物投入によって投入ホッパ12内の米種センサ12dが籾か玄米かを判別することによって必要料金を表示するように構成する。
【0038】
このように、昇降台の上昇駆動電流を利用することにより、特段の測重手段を要することなく、簡易な構成によって利用客の利便性を向上することができるので、一般的な測重手段であるロードセルを使用する場合の問題点、すなわち、昇降台によって積載物の測重を行うものにおいて、可動部に測重手段を組込むための複雑な構成が必要となり、また、米袋の積載操作時の衝撃やその他の昇降台に対する積載物の取扱いに応じて測重手段に作用する過大な荷重に対応しつつ検出精度を確保するために必要なコスト負担等の問題を解消することができる。
【0039】
(故障対応制御)
投入ホッパ12についての故障、例えば、ゲート22の駆動モータ、センサー、ロック機構等の故障を検知した場合は、ゲート22を強制開放して穀物の投入を可能とすることにより、異常操作に曝される機会が多いゲート部等の客室機器の故障による営業停止を回避し、精米処理に必要な本体機器の正常稼動による営業を継続して稼働率低下を小さく抑えることができ、また、故障時は営業停止とするべく、故障表示に切替える制御を選択可能に制御部を構成することにより、多様な運用形態が可能となる。
【0040】
(非常対応制御)
投入ホッパ12のゲート22内に緊急停止用の押ボタンスイッチ24を設け、そのスイッチ操作により、送出螺旋12aを停止して穀物送出を強制終了した上で、機体内の仕掛かり穀物の完了まで精米処理を行い、また、ゲート22の開放とともに投入ホッパ12内の残留穀物の返却、投入金額の残額の返却を行うように制御部を構成する。この押ボタンスイッチ24により、全量の精米を待つことなく、利用客の必要に応じて、投入穀物の一部の穀物に限定した精米処理に切替えることができる。
【0041】
また、客室内における事故、例えば、送出螺旋12aに手や物が引っ掛かった場合等の安全性確保が可能となり、さらに、次の利用客の料金投入までゲート22が閉鎖されて異物投入等を防止するとともに、ゲート22内部におけるスイッチ操作でゲート22を強制開放することにより、子供の閉じ込め事故に対応することができる。
【符号の説明】
【0042】
3 客室
11 仕切壁
11a 操作盤(操作部)
11b コイン処理部(料金投入部)
11d 白度ボタン
12 投入ホッパ(穀物投入部)
12a 送出螺旋
12d 米種センサ
13 白米タンク
14 籾摺機(精米部)
14a 籾摺ロール
15 異物選別機
16 精米機(精米部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金投入を受けて投入金額情報を出力する料金投入部(11b)と、投入穀物を受けて穀物を送出する穀物投入部(12)と、この穀物投入部(12)から穀物を受けて玄米の精米処理をする精米機(16)をそなえた精米部と、所定の課金単位額に対応して設定する運転時間、穀物を精米部で精米処理するように制御する制御部とを備えた料金式精米設備において、
上記制御部は、投入する投入金額が増加するほど課金単位額に対応する運転時間を増加するように設定してなることを特徴とする料金式精米設備。
【請求項2】
籾摺機(14)を備えて籾米の籾摺精米処理と玄米の玄米精米処理とを切替え可能に構成するとともに、前記制御部は、最小単位の投入料金時においては籾摺精米処理の運転時間を玄米精米処理の運転時間を短くする構成とすると共に、課金対応額に対応する運転時間の増加時間を玄米精米処理の増加時間よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の料金式精米設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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