説明

料金式自動精米設備の運転制御装置

【課題】自動精米設備において、投入精米料金に応じた運転時間が終了し各作業部が停止した状態で、少量の玄米が未精米で残存する場合に、利用者の希望により、精米料金を追加して残存玄米を精米したときに未精白米を取り出すことを防止する。
【解決手段】投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了し精米運転が停止した際に、精米利用料金を追加投入した場合には、玄米投入センサ31の玄米なし検出状態では、切換装置20を戻し通路側19に切り換え、また、玄米投入センサ31が玄米有り検出状態では、切換装置20を精米機側15への搬送に切り換え精米作業をするコントローラを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金式自動精米設備の運転制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動精米設備において、穀粒を投入する投入ホッパと、投入ホッパに投入した穀粒を石抜き処理する石抜き装置と、石抜き処理した穀粒を精米する精米装置と、精米装置で精米処理された精白米を受ける白米タンクと、投入ホッパ内の穀粒を石抜き装置に搬送する搬送装置と、精白度を設定する操作盤と、利用料金を投入する料金投入口と、投入した利用料金に対応する時間で前記精米作業部を駆動制御する制御部とを備え、搬送装置と投入ホッパの上方とを還元通路で連通し、搬送装置で搬送される穀粒を石抜き装置側か還元通路側の何れかに供給するための切替装置を設け、この切替装置は切替スイッチで操作をし、制御部が投入利用料金分に対応する駆動時間を停止した後に切替スイッチを操作すると、切替装置が還元通路側を開放すると共に、搬送装置と精米装置とを駆動するように構成したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−11794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動精米設備において、投入利用料金に応じた運転時間が終了し各作業部が停止した状態で、原料投入ホッパに少量の玄米が残存する場合がある。このような場合に、本発明は、利用者の希望により、利用料金を追加投入して残存玄米を精米した場合に、未精白米が発生しやすい少量の精米処理により利用者の意図しない精白度の玄米が排出されるのを防止する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために次のような技術的手段を講じた。
【0006】
請求項1の発明は、建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、精米料金を投入すると投入した精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬送した玄米を精米する前記精米機(15)とを設け、前記原料投入ホッパ(5)から玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を前記精米機(15)へ搬送する搬送経路の中途部から前記操作室(2)側に玄米を戻すことのできる戻し通路(19)を分岐し、前記戻し通路(19)の始端側部には玄米を戻し通路(19)に戻すか前記精米機(15)側への搬送に切り換える切換装置(20)を設け、投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了し精米運転が停止した際に、精米利用料金を追加投入した場合には、前記玄米投入センサ(31)の玄米なし検出状態では、前記切換装置(20)を戻し通路(19)側に切り換え、また、前記玄米投入センサ(31)の玄米有り検出状態では、前記切換装置(20)を前記精米機(15)側への搬送に切り換えて精米運転するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置とする。
【0007】
請求項2の発明は、建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、精米料金を投入すると投入した精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を精米する精米機(15)を設け、投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了すると、精米設備の各作業部の運転を停止し、所定時間内に精米料金の追加投入がない場合には精米作業を終了し、また、精米料金の追加投入がある場合には、所定時間内に原料投入ホッパ(5)へ穀粒の投入があると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始し、所定時間内に原料投入ホッパ(5)へ穀粒の投入がない場合には、原料投入ホッパ5への穀粒の投入を促す報知をし、所定時間内に玄米投入センサ(31)が玄米有り検出をすると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置とする。
【0008】
請求項3の発明は、建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、精米料金を投入すると投入精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を精米する精米機(15)と、精米機(15)の上手側に設けている玄米貯溜用の玄米ホッパ(14)と、該玄米ホッパ(14)内の所定穀粒量を検出する第二穀粒検出センサ(32)とを設け、投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了すると、精米設備の各作業部の運転をすべて停止し、所定時間内に精米料金の追加投入がない場合には、精米作業を終了し、また、所定時間内に精米料金の追加投入があると、所定時間内に前記玄米投入センサ(31)が穀粒ありの検出をし、且つ、前記第二穀粒検出センサ(32)が穀粒ありの検出をすると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始し、また、所定時間内に原料投入ホッパ(5)への穀粒の投入がない場合には、穀粒の投入を促す報知をし、所定時間内に玄米投入センサ(31)が穀粒有りの検出をし、且つ、前記第二穀粒検出センサ(32)が穀粒有り検出をすると、追加投入の精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した時点で原料投入ホッパ(5)に残っている少量の玄米を精米することにより、希望しない白度、とりわけ未精白米の排出を防止することができる。
【0010】
請求項2の発明によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した場合に、利用者が精米料金を投入した場合に、穀粒量が少量の場合に穀粒の追加投入を促して、精米作業を行なうことで、少量による精米を防止し、希望しない白度、とりわけ未精白米の排出を防止することができる。
【0011】
請求項3の発明によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した場合に、利用者が精米料金を投入した場合に、穀粒量が少量の場合に穀粒の追加投入を促して、精米作業を行なうことで、少量による精米を防止し、希望しない白度、とりわけ未精白米の排出を防止することができる。また、精米機(15)へ穀粒を適正に供給し均等な精白度で精米しながら連続して精米作業を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】料金式精米設備の平面図。
【図2】料金式精米設備の工程図。
【図3】料金式精米設備の操作室側から見た正面図。
【図4】フローチャート。
【図5】フローチャート。
【図6】精米運転時間、センサのON/OFF状態、システムの起動状態、警報報知状態、精米作業部の作動状態を示すタイムチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0014】
まず、図1及び図2に基づき本発明を備えた料金式自動精米設備の全体構成について説明する。
【0015】
料金式自動精米設備は、建屋1内を操作室2と機械室3とに仕切り壁4により仕切り、操作室2側に面して原料投入ホッパ5、操作盤6及び白米取出タンク7を設けている。
【0016】
また、機械室3内には、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、玄米タンク14、精米機15、精米機15の糠を吸引除去する糠排出ファン16、サイクロン(図示省略)、糠移送装置(図示省略)、糠袋(図示省略)を設けている。そして、原料投入ホッパ5には玄米繰出手段8及び玄米の有無を検出する玄米投入センサ31を設け、玄米繰出手段8から繰り出された玄米を玄米移送手段9により第1昇降機11に移送するように構成している。また、精米機15の上手側に設けている玄米貯溜用の玄米ホッパ14を設け、玄米ホッパ14内には精米機15で適正に精米できる最小玄米量を検出する第二穀粒検出センサ32を設けている。
【0017】
また、前記原料投入ホッパ5から玄米繰出手段(8)で繰り出した玄米を精米機15へ搬送する搬送経路の中途部の第1昇降機11の揚穀部から戻し通路19を分岐し、操作室2へ玄米を戻すように構成している。この戻し通路19の始端側部には玄米を戻し通路19に戻すか精米機15側へ搬送するか切り換える切換装置20を設けている。
【0018】
精米機15には、図示を省略したが、搗精室内に搗精ロールを配設し、搗精室の排出口には精白度調節用の圧迫板を設け、圧迫板を圧迫板調節モータで調節するように構成し、搗精室の搗精網から漏過した糠を糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引除去するように構成している。
【0019】
また、操作盤6の操作面には、図3に示すように、その上側部に精米作業手順表示部21を設け、作業手順である(1)「精米料金を投入する。」、(2)「白度選択ボタンを押す」、(3)籾・玄米を投入する」、(4)「白米を取り出す」と記載している。
【0020】
精米作業手順表示部21の下方には精米作業進行表示部22を設け、精米作業の進行状態を示す(1)精米料金投入表示灯22a、穀粒投入表示灯22b、白度選択表示灯22c及び白米取出表示灯22dを設け、精米作業手順の進行に従って点灯表示するようにしている。
【0021】
また、白度選択表示灯22cの下方には、もち米スイッチ23、白度選択設定用の上白スイッチ24、標準スイッチ25、8ぶスイッチ26を設けている。
【0022】
白度選択表示部22の下方には、コインメック27を設けている。このコインメック27は精米料金を投入すると、投入した精米料金が返却されないタイプのものである。
【0023】
前記構成によると、原料投入ホッパ5への玄米の投入を玄米投入センサ31が検出すると、操作盤6に内蔵しているコントローラ(図示省略)の指令により、精米設備の各作業部が駆動手段を介して駆動される。しかして、玄米繰出手段8、玄米移送手段9が駆動され、原料投入ホッパ5内の玄米が順次繰り出され、第1昇降機11を経て石抜き機12に移送され、石抜き機12で玄米から石等の異物が除去される。次いで、第2昇降機13で玄米は揚穀され、玄米タンク14を経て精米機15に供給される。次いで、精米機15で精米処理され、精白米は白米取出タンク7に取り出される。精米機15の糠は糠排出ファン16によりサイクロン(図示省略)に吸引され、糠移送装置(図示省略)を経て糠袋(図示省略)に収納される。
【0024】
次に、図4に基づきコントローラの精米制御内容について説明する。
【0025】
精米運転制御が開始され、精米料金が投入され(ステップS1)、玄米が原料投入ホッパ5に投入され(ステップS2)、白度選択スイッチ(23〜26)の選択操作がなされると(ステップS3)、コントローラの指令により精米料金に応じた運転時間で精米設備の各作業部の運転が開始され、運転時間の減算処理がされ(ステップS4)、精米運転がなされる(ステップS5)。
【0026】
次いで、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS6)、Noであると、原料投入ホッパ5の玄米なし検出か否かを判定する(ステップS7)。Noであると、前記ステップS5に戻り、Yesであると、精米終了動作を開始し(ステップS8)、玄米繰出手段8、玄米移送手段9を停止し、次いで、第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、精米機15を順次停止し、精米終了動作を終了する(ステップS9)。
【0027】
また、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS5)、Yesであると、精米設備の各作業部をすべて停止し(ステップS10)、所定時間内に精米料金の追加投入があるか否かを判定し(ステップS11)、Noであると、精米作業を終了する。また、Yesであると、玄米投入センサ31が原料投入ホッパ5の玄米有り検出をしたか否かを判定し(ステップS12)、Yesであると、前記ステップS4に戻る。また、Noであると、切換装置20を戻し通路19側に切り換え(ステップS13)、玄米繰出手段8、玄米搬送手段9及び第1昇降機11を駆動し、戻し通路19から玄米を原料投入ホッパ5に戻し(ステップS14)、精米作業を終了する。
【0028】
前記構成によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した場合に、原料投入ホッパ5に残っているのが少量の玄米の場合に、追加料金を投入して精米を行ない、精米に必要な量に満たない少量の玄米(例えば2キログラム以下)を精米することにより、精白圧力不足による希望しない白度、とりわけ未精白米が白米タンク7へ排出することを防止することができる。
【0029】
次に、図5に基づき他の精米制御の実施例について説明する。
【0030】
精米運転制御が開始され、精米料金が投入され(ステップS21)、玄米が原料投入ホッパ5に投入され(ステップS22)、白度選択スイッチ(23〜26)の選択操作がなされると(ステップS23)、コントローラの指令により精米設備の各作業部が精米料金に応じた運転時間で運転が開始され、運転時間の減算処理がされ(ステップS24)、精米運転がなされる(ステップS25)。
【0031】
次いで、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS26)、Noであると、玄米投入センサ31が原料投入ホッパ5の玄米なし検出をしたか否かを判定し(ステップS27)、Noであると、前記ステップS25に戻る。また、Yesであると、精米終了動作工程を開始し(ステップS28)、玄米繰出手段8、玄米移送手段9を停止し、次いで第1昇降機11、石抜き機12、第2昇降機13、精米機15を順次停止し、精米終了動作を終了する(ステップS29)。
【0032】
また、投入精米料金分の運転時間が経過したか否かを判定し(ステップS26)、Yesであると、精米設備の各作業部の運転をすべて停止する(ステップS30)。次いで、所定時間内に精米料金の一単価分(例えば100円)の追加投入があるか否かを判定し(ステップS31)、Noであると、精米作業を終了する。また、Yesであると、玄米投入センサ31が原料投入ホッパ5への玄米投入検出をしたか否かを判定し(ステップS32)、Yesであると、前記ステップS24に戻る。また、Noであると、「原料投入ホッパ5に穀粒の投入を促す」旨の音声報知をする(ステップS33)。次いで、所定時間内に原料投入ホッパ5が穀粒有り検出をしたか否かを判定し(ステップS34)、Yesであると、前記ステップS24に戻り、Noで有ると、精米作業を終了する。
【0033】
なお、前記ステップS31において、所定時間内に精米料金の一単価分(例えば100円)以上の追加投入がある場合には、新規な精米利用と判定し、「新規の精米作業である」旨を報知し、前記ステップS22に戻るようにしている。
【0034】
前記構成によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した場合に、利用者が精米料金を投入した場合に、穀粒量が少量の場合に穀粒の追加投入を促して、精米作業を行なうことで、少量による精米を防止し、希望しない白度、とりわけ未精白米の排出を防止することができる。
【0035】
次に、精米運転制御の他の実施例について説明する。
【0036】
精米運転制御が開始され、精米料金が投入され、原料投入ホッパ5に玄米が投入され、白度選択スイッチ(23〜26)の選択操作がなされると、コントローラの指令により精米料金の運転時間に応じて精米設備の各作業部の運転が開始され、運転時間の減算処理が実行され、精米運転が開始される。
【0037】
投入精米料金に応じた精米運転時間が終了すると、精米設備の各作業部の運転をすべて停止し、所定時間内に精米料金の追加投入があるか否かを判定し、精米料金の追加投入がない場合には、精米作業を終了する。
【0038】
また、精米料金の追加投入がある場合には、所定時間内に玄米投入センサ31が穀粒有り検出をし、且つ、第二穀粒検出センサ32が所定穀粒量の有り検出をすると、追加精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始する。また、所定時間内に玄米投入センサ31が玄米有り検出をしない場合には、「原料投入ホッパ5への穀粒の投入を促す」報知をし、所定時間内に玄米投入センサ31が玄米有り検出をし、且つ、前記第二穀粒検出センサ32が所定穀粒量の有り検出をすると、追加精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始する。
【0039】
なお、図6は精米運転時間、センサのON/OFF状態、システムの起動状態、警報報知状態、精米作業部の作動状態を示すタイムチャートである。
【0040】
前記構成によると、精米料金に応じた精米運転時間の終了した場合に、利用者が精米料金を投入した場合に、穀粒量が少量の場合に穀粒の追加投入を促して、精米作業を行なうことで、少量による精米を防止し、希望しない白度、とりわけ未精白米の排出を防止することができる。また、精米機15へ穀粒を適正に供給し均等な精白度で精米しながら連続して精米作業を進めることができる。
また、精米機15への穀粒供給を適正化し均等な精白度で精米しながら連続して精米作業をすることができる。
【0041】
また、前記制御において、精米料金の追加投入後において、所定時間内に原料投入センサ31が穀粒の有り検出をし、第二穀粒検出センサ32が玄米ホッパ14内の所定穀粒量の有り検出をすると、追加精米料金に応じた運転時間で精米設備の各作業部の運転を開始する。また、精米運転中に第二穀粒センサ32が継続して穀粒有り検出をした場合には、原料投入ホッパ5の玄米投入センサ31が玄米有り検出をしない故障と判定し、故障表示灯を点滅して故障表示をし、施設管理者に精米設備のメンテナンスを促すようにしている。
【0042】
また、前記制御において、精米料金の追加投入後において、所定時間内に原料投入センサ31が玄米有り検出をした後に、所定時間経過しても第二穀粒検出センサ32が所定穀粒量の有り検出をしない場合には、投入玄米が最小精米量に満たないと判定する。そして、精米機15の圧迫板を白度選択スイッチの設定状態を無視して最強圧迫状態に調整し、追加精米料金に応じた運転時間に圧迫調整付加運転時間を加算した運転時間で各作業部の運転を開始し、当該運転時間が終了すると、精米運転を終了するようにしている。前記構成によると、追加投入の玄米が精米機15の最小精米量に満たない場合にも、精白度を高めながら精米することができる。
【0043】
また、前記精米運転制御において、原料投入ホッパ5の穀粒定量排出用の穀粒繰出手段8、穀粒移送手段9の運転を開始するにあたり、運転開始時の1単価分(例えば100円)の単位精米時間(例えば1分)の運転開始を、玄米投入センサ31の玄米有り検出があり次第運転を開始する。そして、精米料金に応じた全繰出駆動時間から1単価分の繰出時間を差し引いた残存繰出時間が終了すると、穀粒繰出装置8、穀粒移送手段9の駆動を終了させる。次いで、玄米投入センサ31の穀粒なし検出から所定時間が経過すると、例えば音声により「玄米の投入を促す」報知をし、その後所定時間経過しても玄米の投入がない場合には、精米作業の終了動作に移行し精米作業を終了するようにしている。前記構成によると、精米運転を迅速に開始し、利用者の穀粒の投入遅れを防止することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 建屋
2 操作室
3 機械室
5 原料投入ホッパ
6 操作盤
7 白米取出タンク
8 玄米繰出手段
15 精米機
19 戻し通路
20 切換装置
27 コインメック
31 玄米投入センサ
32 第二穀粒検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、
精米料金を投入すると投入した精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬送した玄米を精米する前記精米機(15)とを設け、
前記原料投入ホッパ(5)から玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を前記精米機(15)へ搬送する搬送経路の中途部から前記操作室(2)側に玄米を戻すことのできる戻し通路(19)を分岐し、前記戻し通路(19)の始端側部には玄米を戻し通路(19)に戻すか前記精米機(15)側への搬送に切り換える切換装置(20)を設け、
投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了し精米運転が停止した際に、精米利用料金を追加投入した場合には、前記玄米投入センサ(31)の玄米無し検出状態では、前記切換装置(20)を戻し通路(19)側に切り換え、また、前記玄米投入センサ(31)の玄米有り検出状態では、前記切換装置(20)を前記精米機(15)側への搬送に切り換えて精米運転するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置。
【請求項2】
建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、
精米料金を投入すると投入した精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を精米する精米機(15)を設け、
投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了すると、精米設備の各作業部の運転を停止し、所定時間内に精米料金の追加投入がない場合には精米作業を終了し、また、精米料金の追加投入がある場合には、所定時間内に原料投入ホッパ(5)へ穀粒の投入があると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始し、所定時間内に原料投入ホッパ(5)へ穀粒の投入がない場合には、原料投入ホッパ5への穀粒の投入を促す報知をし、所定時間内に玄米投入センサ(31)が玄米有り検出をすると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置。
【請求項3】
建屋(1)に操作室(2)と機械室(3)とを備え、操作室(2)には原料投入ホッパ(5)、操作盤(6)及び白米取出タンク(7)を設け、機械室(3)には精米機(15)を備えている料金式自動精米設備において、
精米料金を投入すると投入精米料金の返却のできないコインメック(27)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒の有無を検出する玄米投入センサ(31)と、前記原料投入ホッパ(5)内の穀粒を搬出する玄米繰出手段(8)と、玄米繰出手段(8)で搬出した玄米を精米する精米機(15)と、精米機(15)の上手側に設けている玄米貯溜用の玄米ホッパ(14)と、該玄米ホッパ(14)内の所定穀粒量を検出する第二穀粒検出センサ(32)とを設け、
投入精米料金に応じた精米運転時間を設定して精米運転を開始し、設定精米運転時間が終了すると、精米設備の各作業部の運転を停止し、所定時間内に精米料金の追加投入がない場合には、精米作業を終了し、また、所定時間内に精米料金の追加投入があると、所定時間内に前記玄米投入センサ(31)が穀粒有りの検出をし、且つ、前記第二穀粒検出センサ(32)が穀粒有りの検出をすると、追加投入した精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始し、
所定時間内に原料投入ホッパ(5)への穀粒の投入が無い場合には、穀粒の投入を促す報知をし、所定時間内に玄米投入センサ(31)が穀粒有りの検出をし、且つ、前記第二穀粒検出センサ(32)が穀粒有り検出をすると、追加投入の精米料金に応じた運転時間で各作業部の運転を開始するコントローラを設けたことを特徴とする自動精米設備の運転制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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